JP2001518985A - 空気式緯糸挿入手段を具備した織機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明の織機は製織用筬（８）と、挿入位置と停止位置との間で回動可能な緯糸案内装置（32）を有する。固定配置された緯糸挿入装置（32）が緯糸（38）を案内チャンネル（36）の中に挿入するために設けられ、且つ切断刃（15）が把持後の緯糸を切断するために設けられる。挿入された緯糸（38）を摩擦によって保持し、且つ前記糸が挿入位置から停止位置迄移動される間中前記保持効果が確実に保たれるように耳形成装置が設けられる。挿入装置の固定配置と、保持機素および切断手段の製織用筬との関係での機能的配置が、作業のコントロールを容易にすると共に、16種類迄の異った緯糸の挿入を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 空気式緯糸挿入手段を具備した織機 技術分野 本発明は空気式緯糸挿入手段を具備した織機に関する。 背景技術 空気式緯糸挿入手段を具備した織機は、緯糸挿入が筬上に配置されて回動可能 な挿入装置を用いるか、あるいは織機フレームの固定位置に配置された挿入装置 を用いるかの何れかの手段によって実施される先行技術から公知である。 回動可能な挿入装置を具備した織機は各種の欠点を有する。それぞれ挿入され た緯糸は筬打ちの領域において把持されて切断され、その結果挿入位置における 吹き出しノズルの設定は筬の再設定の間にのみ行うことができ、その事が特に多 数の吹き出しノズルの使用を制限し、且つ特別のコントロールを必要とさせるこ とになる。挿入装置を具備した筬の前後運動のために、相対的に大きい慣性力が 発生され、それによって移動するシステムに好ましくない振動をもたらして、緯 糸は糸供給手段から吹き出しノズルへの供給中に無制御の振動にさらされること になり、その結果緯糸は互いに交叉したり、互いに絡まったりする。送風通路や 作動装置には大きな機械的負荷を与えることになり、この事が作動装置に複雑な コントロールを必要とさせる。これらの欠点から、糸切れが多く発生しやすいと いう傾向にしたがって、織機の回転速度を低く押さえることになり、生産性上の ロスを発生する。さらに切断手段が織機フレーム上に配置されて、別箇の駆動手 段によって作動されることにより、非常 に複雑な装置形成になるという欠点があげられる。少くとも１個の把持部材が積 極的に作動されるという積極把持作用を有する糸把持手段の使用はさらに欠点を 有し、すなわち特に細い糸を用いた場合に糸切れが増加する。 本発明の目的は、前述のような欠点が生じないように、空気式緯糸挿入手段を 具備した織機を改良することにある。 発明の開示 前述の本発明の目的は請求の範囲の特徴とする構成から成る本発明の織機によ って充足される。本発明によって達成される利点は基本的には16種類迄の異った 種類又は異った色の糸を用いることができ且つ高回転速度で織機を作動すること ができることにある。 本発明は添付図面を参照する下記の記載によって証明される。 図面の簡単な説明 図１は空気挿入手段を具備した本発明による織機の一実施例を示す略示側面図 である。 図２は織機の緯糸挿入領域の側断面図である。 図３は図２の線III−IIIによる断面図である。 図４は図２の線IV−IVによる断面図である。 図５は図２の線Ｖ−Ｖによる断面図である。 図６は図２の線VI−VIによる断面図である。 図７は空気吹き出しノズルのコントロール装置の一実施例を示す側面図である 。 図８は緯糸挿入後の杼口位置の略示図である。 図９は緯糸挿入中の状況を示す図２の線IX−IXによる断面図である。 図10は緯糸を把持する間の状況を示す図９の断面図である。 図11は緯糸を切断する間の状況を示す図９の断面図である。 図12は筬の筬打ち中の状況を示す図９の断面図である。 図13は切断手段の他の実施例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態 ここで対象となる織機は織機フレーム１、そこから複数本の経糸３，４が引出 される経糸ビーム２、ウイップロール５、耳形成手段を具備した筬口形成装置６ 、緯糸挿入のための装置７、筬８、布取出し手段９および布巻きビーム10を有す る。杼口形成装置６は、複数の経糸３を綜絖を介して上方杼口11に、複数の経糸 ４を綜絖を介して下方杼口１２に形成すると共に耳糸（図８）用の杼口を形成す る。 図２に示すように、緯糸挿入のための装置７は空気式緯糸挿入装置14、切断手 段15、糸の走行方向で空気式緯糸挿入装置14と筬８との間に配置された補助吹き 込み手段17を有する。空気式緯糸挿入装置14は織機フレーム１上に載置されてい る。切断手段15は筬８で組合されている。補助吹き込み手段17は筬８に連結され ている。 空気式挿入装置14は支持部21、８本の吹き出しノズル22、ノズルブロック23、 ホルダ24および作動装置25を含む。支持部21はねじ26を用いて織機フレーム１に 固定される。複数の吹き出しノズル22は対方式で配置され、圧縮空気供給源及び 緯糸貯留部に作動的に連結されている。複数の吹き出しノズル22の一端は取外し 可能にノズルブロック23に取付けられる。ノズルブロック用のホルダ24は支持部 21に連結される。作動装置25は、複数の吹き出しノズル22を緯糸挿入位置に位置 決めするために、運動学的部材27を介して杼口形成装置６に連結される。この目 的のために、ノズルブロック23とホルダ 24は、複数の吹き出しノズルの開口部が互いに垂直に延びる２つの方向を中心と して回動可能であるように設計されている。前記運動学的部材27を加負荷状態に 保つためにスプリング28が設けられている。作動装置25の代りに駆動装置を設け 、複数の吹き出しノズルを挿入位置に位置決めするために前記駆動装置をそれ自 体公知の制御装置を介してコントロールすることができることを指摘しておきた い。 図３に示すように、筬８は筬台31上に載置される。糸案内装置32が筬台31に固 定される。前記糸案内装置32が、筬台31上に載置された空気案内部分33、櫛羽状 に配置され、且つ案内チャンネル36を規定するためにそれぞれ凹部35が設けられ ている複数の薄板34、及び挿入された緯糸38を案内チャンネル36を通して搬送す るためのリレーノズル37を具備すると有益である。糸案内装置32の代りに、リレ ーノズルを具備したいわゆるトンネル筬を用いることができる。 本願の織機において、補助吹き込み手段17が用いられると有益である。この補 助吹き込み手段17は板状本体41に円錐状進入部42と出口スロット43が設けられた ものである。板状本体41は空気案内部分33に固定される。しかしながら補助吹き 込み手段を最初の薄板34として形成してもよい（図４）。 切断手段15は固定された切断刃51とこの固定切断刃51に空間をあけて移動可能 に配置された切断刃52から成る。固定切断刃51は織機フレーム１に固定され、移 動切断刃52は筬８に載置される（図５）。 図６は薄板34によって規定された、複数の吹き出しノズルの案内チャンネル36 との連携を示す。本発明の織機の重要な特徴は案内チャンネルが挿入位置を採用 した時に、吹き出しノズルのそれぞれの対が案内チャンネル36の中心線に実質的 に平行に揃うということに ある。複数の吹き出しノズル22の設定は作動装置25と運動学的部材27によって行 う。これとは異なる方法として、複数の吹き出しノズルを束状に配置することも できる。 図７に示すように、杼口形成装置６は例えばジャカード装置又はドビー装置、 カラーコントロール装置56、總和伝動装置57、および織機フレームに旋回可能に 連結されたレバー58を含んで成る。このような總和伝動装置およびその作用は公 知なので、それらの説明は無しですませることになる。運動学的部材27は、作動 部材25に連結されているレバー58に固定される。 以下図８〜図12を参照して緯糸挿入手順を説明する。織機においては、１本の 緯糸が織機の主駆動軸の一回転毎に挿入され、織前６０に向って筬打ちされる。 織機を構成する個々のエレメントのコントロールはこの機械サイクルから引き出 される。上述の織機においては、筬８の駆動は一般的に吹き出しノズル22の挿入 位置への設定のみによる緯糸挿入との関係でコントロールされ、したがって緯糸 38の挿入は主駆動軸の回転角度に基づいてコントロールされる。 図８は耳形成用装置を用いて挿入された緯糸の把持手順を示し、その際緯糸は 吹き出しノズル36（図示せず）から出発して杼口を通って延びている。耳形成用 装置は、一方において綜絖61，62によって動かされる端糸63，64を用いて杼口が 形成され、他方において杼口の変化が緯糸の挿入工程の終了直後に導入されるよ うに設計されている。この杼口変化の結果、挿入された緯糸38は摩擦によって端 糸63，64に把持されることになる。この摩擦による把持は緯糸38の筬打ちに至る 迄端糸63，64を用いて有利に維持される。緯糸を切断する時には緯糸は既に摩擦 によって把持されているので、緯糸を切断しても、端糸63，64によって把持され た緯糸38はもはや解放されない。緯糸38の分離時点は切断手段の筬８の運動に対 する設計と機 能上の組合せによって決定される。この事は特に切断手段のコントロールが単純 になるという利点を有する。 図９は緯糸38の挿入中の状態を示す。吹き出しノズル22が挿入位置に配置され る。筬８は引込まれた位置にあり、切断手段15は開放位置に置かれ、緯糸は補助 吹き込み手段17、端糸63，64を通って糸案内装置32の案内チャンネル36の中に打 込まれる。 緯糸38が案内チャンネル36の中に挿入された後に、端糸63，64の杼口の変化が 織機のサイクルに基づいて実施され、緯糸は経糸によって摩擦把持される（図10 ）。さらに、筬８は筬打ち位置に向う方向に回動させられる。 緯糸38を把持した後に、筬８に連結された切断刃は固定された切断刃に向けて 動かされるので、緯糸38は切断される。このようにして、新しい緯糸が挿入でき るようになる。さらに緯糸38は筬８によってその位置が移動される（図11）。 その後で、筬８は織前位置に到着して、新たに挿入された緯糸38を、既に杼口 の変化によって結付けられている前回の筬打ちを受けた緯糸に対して筬打ちする 。その後で筬８は引込まれた位置へ回動する（図12）。 図13は切断手段15の他の実施例を示す。この切断手段は予じめ固定された切断 刃71とこの切断刃71に対して回動する可動切断刃72を有する。ステップ電気モー タ73が可動切断刃の作動のために設けられる。 産業上の利用可能性 前述の織機において、緯糸38は固定位置にある挿入装置14によって案内チャン ネル36に挿入され、筬８の回動運動の間に緯糸は保持、切断、緯打ちを受ける。 この事から下記の一連の利点が生ずる。 空間的に固定した挿入装置によって、緯糸貯蔵装置からの緯糸供給がより信頼性 高くなり、吹き出しノズルの挿入位置への設定のための時間が実質的に延ばされ 、その結果、異った色および異ったタイプの16種類の糸迄挿入することができる 。摩擦把持と、筬打ち迄の筬を伴った挿入緯糸の移動に支障がないので、緯糸の 筬打ちが確実なものになり、且つ突出する緯糸端部が短くなり、屑糸の発生が少 くなる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．筬（８）、該筬（８）に連結された緯糸案内装置（32）、及び固定位置に 配置された緯糸挿入装置（14）を含んで成る空気式緯糸挿入手段（14）を具備し た織機であって、前記筬（８）と前記緯糸案内装置（32）は緯糸挿入位置と筬打 ち位置との間で回動可能であり、前記緯糸挿入装置（14）には緯糸（38）を案内 チャンネル（36）の中に挿入のための少くとも１個の吹き出しノズル（22）と切 断手段（15）とが配置されると共に、前記緯糸の挿入が停止した後に複数本の端 糸による摩擦係合によって緯糸を把持し、且つ該把持作用を維持しながら緯糸を 挿入位置から筬打ち位置へ案内する耳部形成手段（61，62；64，65）が設けられ ており、前記切断手段（15）が、緯糸の挿入が停止した後に筬の後方位置と筬打 ち位置の間の領域で且つ耳の外側で把持された緯糸を切断するために、筬（８） 又は固定位置に組合されている空気式緯糸挿入手段を具備した織機。 ２．前記切断手段（15）と吹き込み案内部（17）とが前記吹き出しノズル（22 ）の口部と前記案内チャンネル（36）の間で糸の走行方向で見て前後して配置さ れている請求項１記載の織機。 ３．前記緯糸挿入装置（14）が織機フレーム（１）上に載置されている請求項 １又は２に記載の織機。 ４．前記吹き込みノズル（22）を織組織プログラムにしたがって挿入位置に位 置決めするために作動装置（25）が設けられている請求項１から３迄の何れか１ 項に記載の織機。 ５．前記緯糸挿入装置（14）が複数本の吹き出しノズル（22）を有する請求項 １から４迄の何れか１項に記載の織機。 ６．前記複数の吹き出しノズル（22）が上下方向に移動可能およ び／又は直角で交叉する軸線を中心として回動可能である請求項５に記載の織機 。 ７．前記複数の吹き出しノズル（22）が対形式で上下に並置されるかあるいは 束状に配置される請求項５又は６に記載の織機。 ８．前記切断手段（15）が固定位置に配置された刃（51）と移動可能な刃（52 ）を有し、該移動可能な刃（51）が前記筬又は駆動手段に組合されている請求項 １又は２に記載の織機。 ９．前記駆動手段が電気モータである請求項８記載の織機。 10．前記吹き込み案内部（17）が固定位置に配置されるか又は筬（８）に連結 される請求項２に記載の織機。 11．前記吹き込み部（17）がその最大幅が吹き出しノズル（22）の開口部に対 向する円錐状進入部（42）を有し、且つ緯糸（38）用の出口スロット（43）を有 する請求項10記載の織機。