JP2001517635A - インターフェロン−β液状組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
、組成が弱酸性から中性であるpH5から8の範囲にあることと、溶液中でイン
ターフェロン−βが極めて安定で分子的に変化を受けないことである。
ては糖タンパク質であり、ウイルス、二本鎖RNA、その他のポリヌクレオチド
および抗原などの刺激を受けて体内の各種の細胞で産生される。インターフェロ
ンは多くの生物活性を示し、例をあげれば、抗ウイルス性、抗増殖性、および免
疫調節性などの性質を示す。ヒトインターフェロンでは少なくとも3種類の異な
ったタイプのものが見出されており、これらは白血球、リンパ球、線維芽細胞、
免疫系の細胞で産生され、α−、β−およびγ−インターフェロンと名付けられ
ている。個々のタイプのインターフェロンはさらに細かく分類でき、多くの亜種
がある。
養物を超誘導し、次いでクロマトグラフィーや電気泳動のテクニックを使用して
インターフェロン−βを単離、精製するすることにより、商業的に生産すること
ができる。天然のインターフェロン−βと類似の性質を示すタンパク質やポリペ
プチドも、組換えDNA技術により生産できる(欧州特許出願第0 028 0
33号、欧州特許出願第0 041 313号、欧州特許出願第0 070 90
6号、欧州特許出願第0 287 075号、Chernajovsky et al, (1984) DNA 3
, 297-308、 McCormick et al. (1984) Mol. Cell. Biol. 4, 166-172などを参 照)。組換えヒトインターフェロン−βは真核生物細胞(たとえばCHO細胞)
および原核細胞(たとえば大腸菌)において生産可能である。問題にしているイ
ンターフェロンは、それぞれインターフェロン−β−1aおよびインターフェロ
ン−β−1bと名付けられているものである。インターフェロン−β−1bとは
対照的に、インターフェロン−β−1aはグリコシル化されている(Goodkin, (
1994) Lancet 344, 1057-1060参照)。
て保存安定性を持ち、分子的に変化を受けないように製剤することが必須となる
。インターフェロン−βは不安定で、各種の分解反応を受けやすい。これらの反
応としては、特に、ペプチド結合の切断、脱アミド反応、メチオニンの酸化によ
るメチオニンスルフィドの生成、ジスルフィド交換反応、糖側鎖の変化で脱グリ
コシル化までも含むものがある。
きた。しかし、そのいずれもがなにがしかの欠点を持っている。米国特許第4,
647,454号(Inter-Yeda Ltd.社)には、線維芽細胞インターフェロン− βの製剤が記載されており、高い酸性領域(pH 3.5)でポリビニルピロリ
ドン(PVP)を添加することにより安定化できるとされている。その他の好ま
しい添加剤としては、マンニトール、ヒト血清アルブミン、酢酸塩緩衝剤などが
ある。この組成物は凍結乾燥し、4℃で保存する。
ロンを安定化させるために、ヒト血清アルブミンに加えて、アルギニン、アスパ
ラギン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、セリン、トレオニン
、およびこれらのナトリウム塩といった極性アミノ酸を用いる、インターフェロ
ンの水溶液が記載されている。
社)には、ポリオール(好ましくはマンニトール)と、非還元性糖またはアミノ
酸との添加により安定化させたインターフェロン−βの液状組成物が記載されて
いる。この組成物にはさらに、緩衝剤(酢酸塩緩衝剤pH3.0〜4.0)とヒ
ト血清アルブミンとが含まれている。pH5〜6の組成物では生物活性が急速に
低下するため、特許明細書において好ましいとしている組成物では、pHの値が
3.0〜4.0の時に十分安定となっている。さらに、安定性に関する記述は組
成物の生物活性に触れられているだけで、活性成分に対する分子的な変化につい
ては述べられていない。
ト血漿タンパク質画分、さらに適当ならばデキストロースのような安定化剤を添
加し、pHを2から4の間にした水性媒体中にこの生理活性化合物を溶解してい
る。Cetus Corp.社の別の特許出願(国際特許出願第89/05158号)にも インターフェロン−βの組成物が記載されており、そこではグリセリンまたはポ
リエチレングリコポリマーで平均分子量が190から[原文通り]1600ダル
トンのものを安定化剤として用い、pHを2〜4にしており、緩衝剤成分として
グリシン、リン酸、クエン酸が適しているとされている。
加物媒体に溶解し、ラウリン酸ナトリウムを界面活性剤として添加して安定化さ
せている。さらに、これらの製剤を安定化させるために、イオン性界面活性剤と
してSDSも必要である。
して非イオン性のポリマー系洗浄剤を含む不活性な水系添加物媒体中における、
非グリコシル化組換えインターフェロン−βのための組成物が記載されている。
は、液状インターフェロン−β組成物が記載されており、30または70MU/
mlの濃度の組換えIFN−β、塩化ナトリウム、およびイミダゾール緩衝剤ま
たはリン酸ナトリウム緩衝剤からなり、pHが7.5(実施例3)のものである
。これらの組成物では、その生物活性に関しては、保存温度25℃で4週間は安
定である。しかしながら、これらの組成物の欠点は、使用されたインターフェロ
ン−βの濃度(30MU/ml以上)が実用には高すぎることである。さらに、
この欧州特許出願第0 529 300号では、ヒト血清アルブミンを添加する
と液状インターフェロン−β組成物の安定性が低下することには、触れられてい
ない。その反対に、ヒト血清アルブミンの添加が、好ましいとしている。
形態についての記載もある。欧州特許明細書第0 082 481号(Schering C
orp.社)には、凍結乾燥のための水性組成物が開示されており、リン酸塩緩衝剤
とグリシンに加えてヒト血清アルブミンが含まれている。さらに成分として加え
てよいものとして、アラニンが記されている。これを再溶解(reconstitution)
すると、溶液のpHは7.0と7.4の間になる。Schering Corp.社の別の特許
出願(国際特許出願第96/11018号)には、インターフェロン−αの安定
な水溶液が開示されており、これには、キレート化剤(EDTAナトリウムまた
はクエン酸)、界面活性剤(ポリソルバット(Polysorbat)80)、等張化剤(
塩化ナトリウム)およびメチルパラベン、プロピルパラベン、m−クレゾール、
フェノールなどの適切な保存剤が含まれ、pHは4.5〜7.1である。生物活
性(W.P. Protzman, J. Clinical Microbiology, 1985, 22, pp. 596-599に記載
されているような、ウイルスの細胞変性効果(CPE)を抑制する標準的な方法
)に関しては、この開示された水性組成物は25℃で6か月の間安定であること
が示された(生物活性が、初期活性の90%以上)。しかしながら、それと並行
して行われたHPLCによるタンパク質含量の測定では、25℃で6か月後には
、その含量が20.2%(表3)から32.5%(表4)減少していることがわ
かっている。
フェロン−αに加えて、非イオン性洗浄剤、pHを4.5から5.5の範囲にす
るための緩衝剤、ベンジルアルコール、それに、必要に応じて等張化剤を含む水
性インターフェロン−α組成物が開示されている。インターフェロン−α2aの
初期濃度を18MUとし25℃で3か月保存後に、HPLCによる測定で残存含
量が84.5%であることがわかった。しかし、安定化剤のベンジルアルコール
を入れないと、この数値は62.8%まで低下する。
剤からなる医薬用組成物が記載されている。
−αの水性組成物が記載されていて、安定化剤として、メチオニン、ヒスチジン
、あるいはこれらの混合物を含んでいる。インターフェロン溶液を40℃で2週
間保存すると、活性成分含量は20%低下していることがわかった。
ルスによる汚染に対する安全性が一段と必要とされてきているので、タンパク質
を安定化させるためにヒト血清アルブミンを添加することは、避けるべきである
ため、現時点で見れば欠陥がある。さらに、上記組成物の多くで、アミノ酸の添
加および/または凍結乾燥を必要としている。しかし、凍結乾燥製品はその製造
工程が複雑で、そのため高価になり、また再溶解の必要があるので余分な手間が
かかり、特に運動能力が限られた患者の場合にはこの余分な手間が負担になるこ
とが多い。一連の組成物では生理学的には問題のある5.0以下のpH値となっ
ている。このような値が全く異常であるというわけではないが(S. Sweetana an
d N.J. Aders, Journal of Pharamaceutical Sciences and Technology, 1996,
50: 330-342を参照)、筋肉内注射や皮下注射の場合には、間違いなく疼痛刺激 をもたらすであろう。Sweetana および Akers によれば、ポリソルバット80の
ような界面活性剤を使うことが可能であるとしているが、特に新生児あるいは乳
幼児で一連の副作用が報告されているので、そのような添加剤使用には疑問があ
る。界面活性剤の毒性は Attwood および Florence によりまとめられている(S
urfactant Systems, their Chemisty, Pharmacy and Biology, Chapman and Hal
l; London, 1983)。ポリソルバット80の薬理学については R.K. Varma らの 総説がある(Arzneim.-Forsch./ Drug Res. 35, 1985, 804-808)。
の性質を合わせ持つものでなければならない。 −保存期間中、生物活性を維持すること、 −保存期間中、活性成分分子に分子的な変化がないこと、 −液状組成物であって、コストのかかる凍結乾燥や、余分な再溶解の手間を必要
としないこと、 −ヒト血清アルブミンまたは界面活性剤(洗浄剤)といった危険な添加剤を使用
しないこと、 −pHは中性から弱酸性の範囲にすること。
細に述べる。
なく、生理学的に妥当な5〜8、好ましくは5.5以上から8の間のpHで、長
期間液状のインターフェロン−βの分子に変化をもたらさないような製剤組成が
見出された。
のヒトインターフェロン−βと、pHを5〜8、好ましくは5.5以上から8の
間にする緩衝剤とを含み、ヒト血清アルブミンを含まず、25℃で3か月の保存
後でも初期活性の少なくとも80%の生物活性(インビトロ(in vitro))を持
つような長期間安定性の液状医薬用組成物である。
Hを6と7.2の間にする緩衝剤とを含み、ヒト血清アルブミンを含まず、25
℃で3か月の保存後でも初期活性の少なくとも80%の生物活性(インビトロ)
を持つような長期間安定性の液状医薬用組成物である。
の間、好ましくは5.5以上から8の間にする緩衝剤と、1種または複数のアミ
ノ酸を含み、25℃で3か月の保存後でも初期活性の少なくとも80%の生物活
性(インビトロ)を持つような長期間安定性の液状医薬用組成物である。
は、一つの理由としては、分解反応を加速するためであり、別の理由としては、
温度が不当に高い時におきる人工的変異をさけるためである。インターフェロン
−βの安定性の測定に用いる適切な分析手段はつぎの総説に記されている。J. G
eigert (J. Parent. Sci. Technol. 43 (1989), 220-224) または M.C. Mannin
g, K. Patel and R.T. Borchardt (Pharm. Res. 6 (1989), 903-918)。
スの細胞変性効果の抑制についての標準的な方法で測定した。この試験方法の詳
細については、Stewart, W.E. II (1981): The Interferon System (Second, en
larged Edition), Springer-Verlag: Vienna, New YorkおよびGrossberg, S.E.
et al. (1984), Assay of Interferons In: Came, P.E., Cartger W.A. (eds) I
nterferons and their Applications, Springer-Verlag: Berlin, Heidelberg,
New York, Tokyo, pp.23-43に述べられている。25℃で3か月間保存した後で も、本発明の組成物は、初期活性の少なくとも80%、好ましくは少なくとも8
5%、さらに好ましくは少なくとも90%の生物活性を維持している。
80%、好ましくは少なくとも85%の生物活性を維持している。
物活性が驚くほど高い長期安定性を示す。たとえば、37℃で1か月保存しても
、その初期活性の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%の生物活性を
維持している。
好ましくは(活性成分は別として)ヒトまたは動物のポリペプチド、特に血清タ
ンパク質を含まないものである。さらに、本発明による液状医薬用組成物は界面
活性剤を含まないことが好ましく、特にイオン性の洗浄剤および/または非イオ
ン性界面活性剤を含まないことがさらに好ましい。
、これは、天然のヒトインターフェロン−βと同じ生物学的および/または免疫
学的性質を示すポリペプチドを意味し、天然に存在するか、あるいは組換えのイ
ンターフェロン−βであってもよい。組成物にはグリコシル化インターフェロン
−β、特にCHO細胞からの組換えインターフェロン−βが含まれていることが
好ましい。使用するのに最も好ましいインターフェロン−β種は、BIC862
2(ECACC 87 04 03 01)培養細胞株から得られるもので、それに
ついては、欧州特許公報第0 287 075号および欧州特許出願第0 529
300号に述べられている。
好ましい。しかし用量は、1〜25MU/mlが好ましく、特に好ましいのは3
〜20MU/mlの範囲であり、最も好ましいのは3〜10MU/mlの範囲で
ある。高温で特に良好な安定性を示すことと共に、上記の用量範囲は、さらに希
釈する必要もなく直ちに投与できる範囲である。
くは6か月の保存後に、化学的変化性を示す、すなわち、ペプチドの切断、酸化
、脱グリコシル化に対して安定なことである。化学的な不変性は、ペプチドマッ
プ、ウェスタンブロット、グリコシル化分析で測定できる。本発明の目的上、化
学的に安定というのは、製剤後のインターフェロン−βが、所定の保存期間後に
少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%の化学的不変性を持っている組
成であるということである。
くは6か月の保存の後で、物理的に変化を受けないことである。この場合の物理
的不変性は、420nmでの透過率測定と溶液の目視で測定する。物理的に安定
であるとは、これらの溶液が、定められた保存期間後に90%以上、好ましくは
93%以上の透過率を示し、目視で濁りが認められないことを言う。
かも、好ましからざる成分、たとえば、ヒト血清アルブミンや界面活性剤などを
使用しない、液状インターフェロン−β組成物が得られることになった。活性成
分に加えて、本発明の組成物には緩衝剤が含まれており、その濃度は、好ましく
は10mmol/l〜1mol/l、特に好ましくは20mmol/l〜200
mmol/lで、たとえば、約50mmol/l〜100mmol/lであり、
それにより、組成物のpHを5〜8の範囲、好ましくは5.5以上から8まで、
さらに好ましくは6〜7.4に保つ。pHの範囲が6〜7.2であるのが、特に
好ましく、さらに6.2〜6.8の間であれば、特に高い安定度となり分子的な
変化を受けないので、最も好ましい。緩衝剤は医薬用に許容された緩衝剤から選
ぶことができ、たとえば、ホウ酸塩、コハク酸塩、L−リンゴ酸塩、TRIS、
サリチル酸塩、グリシル−グリシン、トリエタノールアミン、イソクエン酸塩、
マレイン酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩やこれらの混合物などの緩衝剤が
ある。リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩緩衝剤やこれらの混合物が好ましいが、特
に好ましいのはリン酸塩/クエン酸塩緩衝剤である。
剤を含んでいてもよい。たとえば、血液や組織に等張度を合わせるための添加剤
や非還元性糖類、マンニトール、ソルビトール、キシリトールまたはグリセリン
のような糖アルコールなどである。化学的安定性をさらに増すために、本発明の
組成物に、アラニン、アルギニン、グリシン、ヒスチジンまたは/およびメチオ
ニンのようなアミノ酸を1種または複数加えてもよい。この点では、メチオニン
が好ましい。メチオニンの濃度は0.1〜4mmol/lの範囲が好ましく、2
mmol/lの濃度が特に好ましい。さらに、たとえば眼科用途の場合には、粘
度を上げるために組成に増粘剤を含んでいてもよい。好ましい増粘剤の例として
は、眼科用途に適したもので、たとえば、カルボポール(Carbopol)、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどがある。
科用途では、チオメルサレートを0.001〜0.004%(w/v)の量で使
用する。
剤に関する。これらの製剤は特に、経口用、非経口的用途、あるいは眼科用途に
適している。組成物は1から25MUのIFN−βを単位用量とすることが好ま
しい。本発明はさらに、そのような製剤の調製方法にも関しており、本発明によ
る組成物および、適切なら、必要な他の医薬用添加剤を調合し、適切な剤形に製
剤する。
1)に、医薬用に許容されたゴム栓をして保存する。
y-to-use syringe)あるいはその他の容器に無菌的に充填し、利用されることも
ある。あまり好ましいとは言えないが、この水溶液に、当業者ではよく知られて
いる添加剤を添加して、凍結乾燥し、それを再溶解してから液状で使用すること
もできる。
下溶液などにすることも可能である。
る。
、好ましくは5.5以上から8にする緩衝剤からなる液状組成物の有効期限を改
良する方法に関するものであり、ヒト血清アルブミンを使用せず、または/およ
び、1種または複数のアミノ酸を使用する組成物であることが特徴である。有効
期限の改良とは、上に記してきたように、生物活性(インビトロ)、化学的不変
性、または/および、物理的不変性などの長期間にわたる安定性の改良を包含し
ている。
。 <1.液状インターフェロン−β組成物の25℃における長期安定性> 以下の組成物について試験した。 組成物1: 50mmol/lクエン酸ナトリウムpH5.0 組成物2: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、50mmol/lリン酸ナ
トリウムpH7.0、15mg/mlヒト血清アルブミン、2mmol/lメチ
オニン、50mg/mlグリセリン 組成物3: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、50mmol/lリン酸ナ
トリウムpH7.0、50mg/mlグリセリン、2mmol/lメチオニン 組成物4: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、50mmol/lリン酸ナ
トリウムpH7.0、2mmol/lメチオニン 組成物5: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、50mmol/lリン酸ナ
トリウムpH7.0 組成物17: 70mmol/lクエン酸ナトリウム、50mmol/lリン酸
ナトリウム、2mmol/lメチオニンpH6.5 組成物を希釈して約10〜15MU/ml(すなわち、10〜15×106I U/ml)の濃度にした。
イアル(DIN 2Rバイアル)に入れ、市販のクロロブチルゴム製の栓をして
、記載されている期間の間25℃で保存された。生物活性(インビトロ)は以下
の文献にしたがって行った。Stewart, W.E. II(1981), The Interferon System
(Second, enlarged edition), Springer-Verlag, Vienna, New York および Gr
ossberg, S.E. ら (1984), Assay of Interferons, In: Came, P.E., Carter W.
A. (eds.) Interferons and their Applications, Springer-Verlag, Berlin, H
eidelberg, New York, Tokyo, pp. 23-43。
ていた参考試料の生物活性を基準にした生物活性を示している。「%(0mo.) 」は0か月での初期値を基準にした生物活性パーセントである。
成物(組成物1、3、4、5)は、ヒト血清アルブミンを含む組成物(組成物2
)よりも優れた安定性を示していることである。
ン溶液を無菌状態下で、6MU/0.5mlの活性に調製した。次いで無色透明
な溶液を濾過滅菌し、定量0.5mlをあらかじめ滅菌済みの使い捨て注射器に
充填しシールした。このプレフィルド注射器を25℃で保存し、透明度、pHお
よび生物活性を調べた。以下のような結果が得られた。
トリウムpH7.0、2mmol/lメチオニン 組成物7: 50mmol/lクエン酸ナトリウムpH5.0、18mg/ml
グリセリン、2mmol/lメチオニン 組成物8: 50mmol/lクエン酸ナトリウムpH5.0、18mg/ml グリセリン、15mg/mlヒト血清アルブミン、2mmol/lメチオニン 組成物9: 50mmol/lクエン酸ナトリウムpH6.0、18mg/ml グリセリン、2mmol/lメチオニン 組成物10: 50mmol/lクエン酸ナトリウムpH6.5、18mg/m
lグリセリン、2mmol/lメチオニン これらの組成物を、3MU/0.5ml(用量力価3)、6MU/0.5ml
(用量力価6)、および12MU/ml(用量力価12)の力価で試験した。
る組成物は37℃での安定性が改良されている。 <3.25℃における化学的安定性> IFN−βの液状組成物の化学的安定性を調べるために、7バッチの組成物を
作り、25℃で保存した。3か月および6か月後に、タンパク質をLys−Cマ
ッピングと完全炭水化物分析で分析した。メチオニンスルホキシドの生成と脱シ
アリル化は特に注意して調べた。
ナトリウム、2mmol/lメチオニンpH7.0〜7.2 組成物12: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、50mmol/lリン酸
ナトリウムpH7.0〜7.2 組成物13: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、18mg/mlグリセリ
ン、2mmol/lメチオニンpH5.0〜5.2 組成物14: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、18mg/mlグリセリ
ンpH5.0〜5.2 組成物15: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、15mg/mlヒト血清
アルブミン(医薬品グレード)、18mg/mlグリセリン、2mmol/lメ
チオニンpH5.0〜5.2 組成物16: 50mmol/lクエン酸ナトリウム、15mg/mlヒト血清
アルブミン(医薬品グレード)、18mg/mlグリセリン、pH5.0〜5.
2 (比較例) すべてのバッチにおいて、IFN−βの含量は10〜11MU/mlであった
。 <試験方法> 分析のために、試料を濃縮する必要があった。さらに、バッチ15および16
の場合にはヒト血清アルブミンの除去も必要であった。これが各バッチを抗βク
ロマトグラフィーカラムに通した理由である。各バッチ当たりの初期容積は32
mlであった。バッチ13から16までは、抗βクロマトグラフィーにかける前
に、0.4mol/lのNa2HPO4を2.1ml、0.4mol/lのNa3 PO4を2.1ml添加することによって中和した。
吸着(BO2セファローズ(sepharose)6B、セルテック(Cell
tech)により架橋)のために、C10クロマトグラフィーカラム(ファルマ
シア(Pharmacia))に5mlのBO2セファローズを充填し、3回、
それぞれゲル容積の5〜10倍のPBS、0.1mol/lのリン酸ナトリウム
(pH2.0)、およびPBSおよび1mol/lのKClを一定速度1.0c
m/分で流して洗浄した。
流した。
/分の一定速度で流して、ODがベースラインに戻るまで続けた。溶出は、0.
1mol/lのリン酸ナトリウム(pH2.0)の1〜2ゲル容積分を1cm/
分の一定速度で流しておこなった。インターフェロン−βが単一ピークとして高
純度で得られた。この溶出物は、その後のタンパク質のキャラクタリゼーション
に適したものであった。 <分析方法> 1.Lys−Cマッピング アクロモバクター(AP)酵素エンドプロテイナーゼLys−Cを用いて、還
元条件下でインターフェロン−βをリシン残基のC末端で切断して12のペプチ
ドとする。
〜50μg)をエッペンドルフ反応容器に入れ、2mol/lのTRISを5μ
l添加した。和光エンドプロテイナーゼを酵素/基質の比が1/10になるよう
に添加した(50mmol/lのエンドプロテイナーゼLys−CのTRIS/
HCl溶液、pH9.0)。この溶液を混合して、2時間30℃で温置した。次
いで、0.1mol/lのDTTを5μl、そのバッチに添加した。
のHPLCで、逆相カラム(Vydac C18、300オングストローム、5
μm、2.1mm)を用いて分離した。その際、A液:0.1%(v/v)TF
A、B液:0.1%(v/v)TFA/70%(v/v)アセトニトリルを用い
てグラジエントをかけた。ペプチドは保持時間の順に番号をふり、以下の配列が
割り当てられた。
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. Chromatography 440, 213-251. (ox)の印をつけたペプチドは、アミノ酸のメチオニンがメチオニンスルホキ
シドの形になったものである。その定量は、変化していないペプチドと酸化され
たペプチドとの全面積に対する、酸化したペプチドのピーク面積の割合を計算す
ることによりおこなった。新鮮なインターフェロン−β製剤中には、酸化された
メチオニンの割合はほんのわずかしかない。しかし、保存条件(緩衝剤、pH、
温度など)にもよるが、保存をしている間にその割合が多かれ少なかれ劇的に増
加する。インターフェロン−β分子を不安定にしたり、インビボ(in vivo)で の性質に顕著な影響をもたらしたりするので、この変化は望ましいものではない
。
ox)およびAP10(ox)は、液状組成物の中でインターフェロン−βの化学的
な不変性を評価するには、重要な基準となる。 2.炭水化物定量 まず最初のステップとして、オリゴ糖をポリペプチドから分離し、脱塩した。 抗βクロマトグラフィーの流出物の約0.7mlを透析にかけた。透析は、緩
やかに撹拌している透析緩衝液(0.05mol/lリン酸ナトリウム、0.1
0mol/lNaCl、pH7.25)500ml中で透析チューブ(直径6m
m、Sigma No.D−9277)を用いて、室温で16〜20時間かけて
おこなった。次いで、チューブの一端を切り開き、内容物をエッペンドルフ反応
容器に絞り出した。透析後の試料容積は1mlであった。
グリコシダーゼF溶液(Boehringer Mannheim社)をピペットで添加した。この 混合物を24時間37℃で培養した。培養終了後、混合物を10,000rpm
で10分間遠心分離し、0.45μmのフィルターで濾過し、次いでクロマトグ
ラフにかけて分画した。クロマトグラフには、脱塩カラム(HR10/10、P
harmacia社 No.17−0591−01)を使用し、流速1.0ml
/分の均一組成溶離液でおこなった(溶離液A:蒸留水)。遊離のオリゴ糖は2
06nmで検出した。
交換樹脂で分離した。
Q HR 5/5、 Pharmacia No.17-0546-01)に通す。流出液中にあるのはアシアロ形
である。NaClで軽くグラジエントをかけることで、モノシアロ、ジシアロ、
トリシアロ形がそれぞれはっきり別れて、この順で次々と流出してくる。 溶離液A: Milli−Q水 溶離液B: 0.10mol/lNaCl
計算は、個々のピーク面積を積分することでおこなった。
の脱塩カラムに通した。
除くことで、荷電オリゴ糖を中性オリゴ糖に変化させる。
の混合物を80℃で90分間加熱した。
ピペットで移した。炭水化物はここでは中性になっているが、アルカリ性pHで
弱アニオン性として、アニオン交換カラム(CarboPac PA1(4×2
50mm)、P/N35391,Dionex)にかけた。溶離にはつぎのよう
なグラジエントをかけた。 溶離液A: NaOH0.16mol/l 溶離液B: NaOH0.16mol/l、酢酸ナトリウム0.10mol/l 溶離液C: NaOH0.16mol/l、酢酸ナトリウム0.75mol/l
を測定する。PADは感度の高さでは抜きんでており、ngの桁のものでも難な
く検出可能である。検出器の出力信号(mV)は炭水化物の量に直接比例する。
ピーク面積を積分することで定量がおこなわれる。
ligosaccharides. Analytical Biochemistry 174, 459-470. <結果> 1.Lys−Cマッピング バッチ11から16までのLys−Cマッピングでは、保持時間およびペプチ
ドの定性分析に関しては初期値と変化はなかった。
月保存)および表8(6か月保存)に示した。
いバッチに比較して、3か月保存ではメチオニンスルホキシド含量が低いことが
わかる。6か月の保存後では、バッチ11、13、15における添加メチオニン
の効果は一層明らかになっている。これらのバッチでは、メチオニンスルホキシ
ド含量の増加がごくわずかしか認められない。メチオニンを含まないバッチでは
、メチオニンスルホキシド含量の増加はやや高いが、酸化されたメチオニン含量
を合計しても、全メチオニン含量の10%未満であった。 2.炭水化物の定量 3か月または6か月保存後の炭水化物の定量結果を、表9a、9b、10a、
10b、11a、11bに示した。
化物構造を持っている。枝分かれのタイプによって、これらの構造をバイアンテ
ナリー(2本腕)、トリアンテナリー(3本腕)、テトラアンテナリー(4本腕
)と名付ける。
ミン、ガラクトース、シアル酸が含まれる。
。 −中性の炭水化物鎖の構造はかなり一定であるのに、シアル酸分子構造は、とり
わけ、インターフェロンの細胞培養や精製法の影響を受けて大きく変わる。 <参考文献:> Kagawa et al., J. Biol. Chem. 263 (1988), 17508-17515; 欧州特許出願第0 529 300号。
存後(表9b)で調べた。末端シアル酸を持たない炭水化物はアシアロと名付け
た。末端シアル酸を一つ持つ炭水化物はモノシアロと名付けた。末端シアル酸を
二つ持つ炭水化物はジシアロと名付けた。末端シアル酸を三つ持つ炭水化物はト
リシアロと名付けた。
0a)、6か月保存後(表10b)で調べた。分岐が一つ、したがって末端ガラ
クトースが二つあるものは、バイアンテナリーと呼ばれる。これはゼロから二つ
までの末端シアル酸を持つことができる。分岐が二つ、したがって末端ガラクト
ースが三つあるものは、トリアンテナリーと呼ばれる。末端シアル酸をゼロから
三つまでを持つことができる。
についても、3か月保存後(表11a)、6か月保存後(表11b)に調べた。
リル化がおきていることがわかる。pH7での保存では、シアリル化の程度に変
化はない。
マトグラフィーでは定量的に除去できなかった。
および物理的不変性という改良された長期安定性を包含することを特徴とする、
請求項25記載の方法。
Claims (26)
- 【請求項1】 活性成分である25MU/ml以下のヒトインターフェロン−βと、 pHを5〜8に調節する緩衝剤とを含み、 ヒト血清アルブミンを含まず、 3か月間25℃に保存した後の生物活性(インビトロ)が、初期活性の少なく
とも80%であるという長期安定性を示す、液状組成物。 - 【請求項2】 活性成分であるヒトインターフェロン−βと、 pHを6〜7.2に調節する緩衝剤とを含み、 ヒト血清アルブミンを含まず、 3か月間25℃に保存した後の生物活性(インビトロ)が、初期活性の少なく
とも80%であるという長期安定性を示す、液状組成物。 - 【請求項3】 活性成分であるヒトインターフェロン−βと、 pHを5〜8に調節する緩衝剤と、 1種または複数種のアミノ酸とを含み、 3か月間25℃に保存した後の生物活性(インビトロ)が、初期活性の少なく
とも80%であるという長期安定性を示す、液状組成物。 - 【請求項4】 グルコシル化インターフェロン−βを含むことを特徴とする、請求項1記載の
組成物。 - 【請求項5】 上記インターフェロン−βが、CHO細胞由来であることを特徴とする、請求
項2記載の組成物。 - 【請求項6】 上記緩衝剤を、10mmol/l〜1mmol/lの濃度で含むことを特徴と
する、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項7】 リン酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、酢酸塩緩衝剤緩衝剤およびこれらの混合
物のうちから選ばれた緩衝剤を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか
に記載の組成物。 - 【請求項8】 リン酸塩/クエン酸塩緩衝剤を含むことを特徴とする、請求項7記載の組成物
。 - 【請求項9】 pHが6から7.2の間であることを特徴とする、請求項1および3〜8のい
ずれかに記載の組成物。 - 【請求項10】 ヒト血清アルブミンを含まないことを特徴とする、請求項3記載の組成物。
- 【請求項11】 活性成分を除いて、ヒトまたは動物のポリペプチドを含まないことを特徴とす
る、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項12】 界面活性剤を含まないことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の
組成物。 - 【請求項13】 6か月間25℃で保存後も化学的に不変であることを特徴とする、請求項1〜
12のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項14】 6か月間25℃で保存後も物理的に不変であることを特徴とする、請求項1〜
13のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項15】 1種または複数種のアミノ酸をさらに含むことを特徴とする、請求項1、2お
よび4〜14のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項16】 メチオニンを含むことを特徴とする、請求項3または15に記載の組成物。
- 【請求項17】 上記メチオニンが0.1〜4mmol/lの濃度で存在することを特徴とする
、請求項16記載の組成物。 - 【請求項18】 等張度を調整するための添加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜1
7のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項19】 粘度を増すための増粘剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜18のい
ずれかに記載の組成物。 - 【請求項20】 生理学的に許容可能な保存剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜19
のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかの液状組成物を含むことを特徴とする製剤。
- 【請求項22】 経口用、非経口用または眼科用の請求項21記載の製剤。
- 【請求項23】 単位用量が1〜25MUである請求項21または22記載の製剤。
- 【請求項24】 請求項1〜20のいずれかの組成物と、適切ならば必要な他の医薬品添加剤と
を配合し、適切な剤形に製剤することを特徴とする、請求項21〜23のいずれ
かに記載の製剤の調製方法。 - 【請求項25】 ヒト血清アルブミンを含まず、または/および、1種または複数のアミノ酸を
含むことを特徴とする、 活性成分であるヒトインターフェロン−βと、pHを5〜8に調整する緩衝剤
とを含む液状組成物の保存期間を改良する方法。 - 【請求項26】 改良された保存期間が、生物活性(インビトロ)、化学的不変性または/およ
び物理的不変性という改良された長期安定性を包含することを特徴とする、請求
項25記載の方法。
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- 2011-02-03 IL IL211048A patent/IL211048A/en not_active IP Right Cessation
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