【発明の詳細な説明】
無脂肪コーンチップス
技術分野
本発明はコーンチップスおよび類似のコーンスナックフード製品に関する。
発明の背景
加工されたコーンチップス等の塩味スナックは、人気のある消費者向けスナッ
ク製品である。また、コーンチップスを食べることの好きな多くの人々は、日常
の飲食物(diets)において、消化性脂肪量を低減することを望み、または必要と
する。コーンマーサ(corn masa)およびコーンミールは、コーンオイルを含有す
る。コーンマーサベースの製品は、チップス等の所望の形状にコーンマーサ生地
を形成し、さらに形成されたマーサを調理することによって製造される。これら
の加工されたコーン製品は、好ましくは、華氏約300〜450度(148.9〜232℃)の
温度に加熱されたフライ脂肪媒体(frying fat medium)にそれらを投入すること
によって調理される。加工されたスナック片は一般に、約10秒〜約3.5分のオー
ダで、種々の時間で揚げられ焼かれる。油で揚げる間、このスナックは、一般に
、調理および調味されたスナックまたはチップの約20〜約50重量%のオーダの多
量のフライ脂肪を吸収する。典型的には、大豆オイル、綿実オイルまたはピーナ
ッツオイル等の消化性脂肪が調理に用いられる。これらのオイルは、消化される
オイルのグラム当たり約9カロリーの熱量を有する。フライドコーンスナックは
100グラムの製品につき、約20グラム〜50グラムの消化性脂肪を含有することが
可能であり、100グラムの製品につき、これは180〜450カロリーに当たる。標準
的なコーンチップス盛り(serving)は、約30グラムの重さである。標準的なコー
ンチップスの一盛り中の5グラムの吸収された消化性脂肪は、約45カロリーに当
たる。
低カロリー脂肪または非消化性脂肪代用品に調理された他の穀物と混合された
コーンから製造されたチップスと同様に、従来技術に係るコーンチップスは、無
脂肪ではない。なぜなら、他の多くのコーンチップ成分およびコーンそれ自体が
、多量の消化性脂肪を含有しているからである。したがって、非消化性脂肪代用
品で製造されたコーンチップスは、無脂肪フライドコーンチップスとして分類さ
れるには多過ぎる消化性脂肪を含有し、これまでよく知られてはいない。
また、コーンチップスを食べるのが好きな人々は、彼らの日常の飲食物中の真
の消化性脂肪の量を低減することを望みまたは必要とする。従って、本発明の目
的は、30グラム盛りの無脂肪コーンチップスを提供することにある。本発明の他
の目的は、無脂肪コーンチップスを製造する方法を提供することにある。
発明の要約
本発明は30グラム盛り中に、0.5グラム未満の消化性脂肪を含有する無消化性
脂肪コーンチップスに関する。この無脂肪コーンチップスは:
約50%までのコーンマーサ;デンプン、タンパク質および非消化性繊維、並び
にこれらの混合物からなる群から選択された無脂肪増量剤;非消化性脂肪代用品
、および、塩、乳化剤、無脂肪調味料(seasoning)、並びにこれらの混合物から
なる群から選択された他の本質的に無脂肪の成分を具備する。
コーンチップスは、約20〜約50%のコーン、約20〜約62%の無脂肪増量剤、約
1〜約35%の非消化性脂肪代用品、0〜約4%の水分、および0〜約10%の他の
本質的に無脂肪の成分を具備する。30グラム盛り中の残留物または本来的な消化
性脂肪はどれも、無視できる量であり、認められている栄養学当局によると本発
明の30グラム盛りは、無脂肪である。
発明の詳細な説明
本発明は、低水分(low-moisture)でトリグリセリド脂肪または消化性脂肪を含
有しない調理コーンスナックフード製品に関する。これらの無脂肪スナックフー
ド製品は、コーンフラワー(flour)またはマーサ(masa)と、デンプン、タンパク
質および非消化性繊維からなる群から選択された無脂肪増量剤と、水と、非消化
性脂肪代用組成物とを具備する。コーンチップスの一盛りは、約20〜約50%のコ
ーン、約20〜約62%の無脂肪増量剤、約1〜約35%の非消化性脂肪代用品、0〜
約4%の水分、および0〜約10%の他の本質的に無脂肪の成分とを具備する。好
適な「無脂肪」調理コーンスナックフード製品は、30g盛りにつき、消化性脂肪
を0.5g未満しか含んでいないが、驚くほど美味しい味を有する。好適な製品は
許容できる油っぽさ感、良好な滑らかな口当たり、および美味しい味を有してい
る。
本発明の好適な無脂肪スナックフード製品は:
a) 約20〜45%、好ましくは25〜35%のコーンマーサ;
b) 約20〜約50%、好ましくは30〜40%の、デンプン、タンパク質および非
消化性繊維、並びにこれらの混合物からなる群から選択された無脂肪増
量剤;
c) 0〜10%、好ましくは2〜6%の調味料;
d) 約0〜約4%、好ましくは0.5〜3%の水分、および
e) 約1〜約35%、好ましくは25〜32%の非消化性調理用脂肪組成物
を具備する。
無脂肪コーンチップス製品を製造するプロセスは:
a. 約50〜約70部のコーンマーサと、デンプン、タンパク質および非消化繊
維並びにこれらの混合物からなる群から選択された無脂肪増量剤との混
合物を有する生地で、当該生地の約30〜約50重量部の水分を有する水性
の生地から、未加工コーンチップ片を調製する工程;
b. 華氏300〜450度(148.9℃〜232℃)の前記非消化性脂肪代用組成物で前
記コーンチップ片を調理する工程;および
c. 塩、乳化剤、無脂肪および低脂肪調味料、並びにこれらの混合物からな
る群より選択される、消化性脂肪を本質的に含有しない他の成分を必要
に応じて添加する工程;
を具備し、
前記コーンチップは、50%までのコーン成分を有する。
非消化性脂肪代用組成物は、好ましくは液体非消化性オイルと、非消化性固体
ポリオールポリエステルまたは他の非消化性固体との混合物を有する。好ましい
ポリオールポリエステル固体は、約1ミクロンまたはそれ以下の厚みを有する粒
子からなり、液体非消化性オイルの摂取における受動的なオイル損失を制御する
に十分な量で液体非消化オイルに分散される。
ここで用いられる用語「低水分食品」は、約5%またはそれ以下の、好ましく
は約4%またはそれ以下の、より好ましくは、約3%またはそれ以下、最も好ま
しくは2%未満の最終製品水分含量を有する食品をいう。
ここで用いられる用語「消化性(可消化性)脂肪(digestible fat)」または「
トリグリセリド脂肪」は、動物または人間が消化することができる脂肪またはオ
イルをいう。これらは一般に、脂肪酸のトリグリセリドであるが、モノおよびジ
グリセリドが含まれる。
ここで用いられる用語「無脂肪(fat free)」は、消化性脂肪を実質的に含有し
ない、例えば30グラム盛りにつき、0.5グラム未満の含量である食品をいう。
本発明の調理スナックフード製品は、コーンチップス、例えば、コーンチップ
ス、トルティヤチップス(tortilla chips)、コーンスティック、コーンカール、
コーンパフ、ペレットスナック、半製品、クラッカーおよびコーンをベースとす
る他の押出成形スナック等の、揚げたり、焼いたりおよび/または押出成形され
た塩味スナックである。コーン
ここでは、コーンフラワー、ミールまたはマーサを用いることができる。これ
らのコーン製品は、コーンオイルを含有する。コーンがマーサに加工されると、
マーサは、コーンオイル、消化できる脂肪を含有する。消化性脂肪の含有率が低
いコーンマーサほど、ここでの使用により好適である。本発明のスナックフード
製品は、好ましくは、本質的に低脂肪のコーンマーサを含有する。低脂肪コーン
マーサは、4%未満の食用のトリグリセリド脂肪を含有する。より好ましいコーン
マーサは、消化性脂肪またはコーンオイル約2%だけ含有する。いくつかのコー
ンマーサおよびこれらの脂肪含有率の例を、以下の表1に示す。 無脂肪増量剤
デンプンは好適な無脂肪増量剤である。デンプンは、コーンスターチ、小麦デ
ンプン、タピオカ、ジャガイモデンプンおよび米デンプンなどのあらゆる穀物ま
たは野菜から得ることができる。以下には、本発明の無脂肪コーンベーススナッ
ク用の増量剤として、単独または混合しての何れかで用いられる非デンプンポリ
サッカリド類およびタンパク質類のリストを示す。これらの無脂肪の増量剤は消
化性脂肪またはオイルを含有しない。非デンプンポリサッカリド
セルロース
セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース
カルボキシメチルセルロース
マイクロクリスタリンセルロース
繊維(オート麦繊維または、穀物、果物および野菜から得られる他の非消化性
食用繊維など)
ポリデキストロース
シトラス・アブソービング・マテリアル(Citrus Absorbing Material):ティ
ー・エフ・リッチ(T.F.Rich)に発行された米国特許第4,783,239号および米国特
許第4,875,974号に詳述される変性繊維
ペクチン類
ガム類、例えばアルギン酸塩、カラギーナン、グァーガム、ローカストビーン
ガム、ゲランガム、ガムトラガカント(Gum Tragcanth)、ガムアカシア(Gum Acas
ia)、ガムトラガカント(Gum Tragcanth)、ガムガッチ(Gum Ghatti)、ガムカラヤ
(Gum Karaya)タンパク質類
タンパク質は以下の好適な供給源の何れからも得ることができる:
トータル・ミルク・プロテイン(カゼインおよび乳清の乾燥沈殿物)
乾燥乳清
乳清タンパク質濃縮物
乳清タンパク質分離物(isolate)
カゼイン、例えば、酸カゼインまたはレンネットカゼイン
カゼイン塩、例えば、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カリウム、カゼイン
酸カルシウム
無脂肪乾燥ミルク
大豆フラワー(脱脂)
大豆タンパク質濃縮物
大豆タンパク質分離物
穀類タンパク質、例えば、生小麦グルテン(vital wheat gluten)、
オート麦ふすま(oat bran)
コーンタンパク質分離物
ナッツ類、例えば、ピーナッツ、クルミ、ペカン、その他生地構成
ここでのプロセスの特に重要な面は、生地の構成である。生地は、コーンマー
サと、タンパク質ベースのフラワーまたは他の無脂肪増量剤と、水とを混合する
ことによって形成される。また、乳化剤、塩、調味料、防腐剤、炭酸カルシウム
および加水分解デンプン等の任意の成分を生地に混合することもできる。生地を
形成するために従来の混合技術の何れも用いることができる。シート化(sheeting)、スナック片形成およびフライ
生地は、調製された後、比較的平らで薄いシートに形成され。このようなシー
トをデンプンベースの生地から形成するのに好適な方法は何れも用いることがで
きる。例えば、シートを、2つの逆回転する円筒状ローラーの間からロール押出
しすることにより、生地材料の、均一で比較的薄いシートを得ることができる。
従来のシート化、ミリングおよびゲージング器具の何れも用いることができる。
本発明の生地は、約0.015〜約0.035インチ(約0.038〜約0.09cm)、好まし
くは、約0.015〜約0.025インチ(約0.038〜約0.062cm)の厚さを有するシート
に形成することができる。
その後、生地シートは、所定のサイズおよび形状のスナック片に形成される。
これらのスナック片は、好適な型押し(スタンピング)または切断(カッティン
グ)器具の何れを用いても形成することができる。
スナック片は種々の形状に形成することができる。例えば、卵型(長円型)、
正方形、円形、蝶ネクタイ、星車、または風車等である。
スナック片は、好ましくは、連続フライ方法により、非消化性脂肪の中で揚げ
られる。スナックは、米国特許第3,626,466号(リエパ(Liepa),1971)に開示さ
れるような装置の中で、揚げられる間、拘束することができる。生地片は、シー
ト薄板から切断され、可動の開口を有する金型部分(mold half)を用いて形付け
されて切断生地片に形成され、次いで、その後の揚げ工程の間、第2の開口を有
する金型部分(mold half)によって保持される。フライ媒体を含む貯蔵器(リザ
ーバ)が用いられる。形付けされて拘束された片は、パリパリとし、約
0.5〜約4%の最終水分含量を有するまでフライ工程を通過する。また、非拘束
の態様でスナック片を連続的に揚げるまたはバッチで揚げる工程も用いることが
できる。この方法でスナック片は、移動ベルトまたはバスケットによりオイルに
投入される。
所望されるならば、スナック片は、10%またはそれ以下の水分量に揚げ、その
後に、熱風、過熱蒸気、または不活性ガスで加熱して、4%またはそれ以下の水分
量に低下させることができる。これは、揚げ/焼きの複合工程である。
スナック片は、華氏約300度(148℃)と華氏450度(232℃)の間の温度で揚げられ
る。正確な揚げ時間は、オイルの温度および初期水分含有量によって制御される
。揚げ時間と温度は、当業者によって容易に決定される。
また、スナック片は、非消化性脂肪を用いて被覆し、放射の、対流のまたはマ
イクロ波の加熱を用いて焼いて、水分量を低下させることができる。その被覆は
ディッピング、スプレーイング、表面塗布等によって実行することができる。19
89年2月21日にエリスら(Ellis et al)の米国特許第4,806,377号のコーンの種類
および一般のコーンチップ製造の詳細を教示している「ワキシィ・コーン・マー
サベース品および製造方法」を参照してほしい。
本発明の低水分調理スナックフード製品の成分、成分間の関係、およびここで
のスナックフード製品の調製を以下に詳細に示す。I.成分材料
本発明の非消化低水分調理スナックフード製品を調製するのに用いる材料は、
食用基質と、一定の形式によるスナック生地と、食用基質中へおよび/または食
用基質上に組み込まれる非消化性脂肪代用品とを具備する。
A.食用基質:コーンマーサおよび無脂肪固体
食用基質はコーンチップ片または加工片を具備することができる。ここで用い
るように、「加工片(fabricated Pieces)」という用語は、水性のコーンマーサ
および無脂肪増量剤固体より形成された生地シートから得られたコーン生地片を
いう。生地は、約30〜50%の水と、40〜50%のコーンマーサと、0〜5%の乳化
剤と、約20〜約50%の無脂肪増量剤とを含有する。無脂肪増量剤に対するコーン
の割合は、約68:32〜30:70である。
B.非消化性脂肪代用組成物
本発明の低水分調理スナックフード製品の他の本質的な成分は、非消化性脂肪
代用組成物である。食用の非消化性脂肪代用品の全てが具備されている。このよ
うな非消化性脂肪代用組成物は、非消化性脂肪代用構成材料と、ほんのわずかま
たは全く含まれない従来のトリグリセリド脂肪構成材料とを含有する。
本発明の目的のためには、液体オイルは、約37℃未満の完全な融点を有するも
のである。ここで用いるのに好適な液体非消化性食用オイルは、液体ポリオール
脂肪酸ポリエステル樹脂(ジャンダセック(Jandacek)の米国特許出願第4,005,19
5号、1977年1月25日発行を参照)、トリカルバリル酸の液体エステル類(ハム(
Hamm)の米国特許No.4,508,746、1985年4月2日発行を参照)、マロン酸およびコ
ハク酸の誘導体などのジカルボン酸の液体ジエステル類(ファルシャー(Fulcher
)の米国特許No.4,582,927、1986年4月15日発行を参照)、α−分岐鎖カルボン
酸の液体トリグリセリド(ホワイテ(Whyte)の米国特許第3,579,548号、1971年5
月18日を参照)、ネオペンチル成分を含む液体エーテル類およびエーテルエステ
ル類(マイニヒ(Minich)の米国特許第2,962,419号、1960年11月29日を参照)、
ポリグリセロールの液体脂肪ポリエーテル類(ハンター(Hunter)の米国特許第3,
932,532号、1976年1月13日を参照)、液体アルキルグリコシド脂肪酸ポリエス
テル類(メイヤー(Meyer)らの米国特許第4,840,815号、1989年6月20日を参照)
、二つのエーテルが結合したヒドロキシポリカルボン酸(例えば、クエン酸また
はイソクエン酸)の液体ポリエステル類(ハーン(Huhn)らの米国特許第4,888,19
5号、1989年12月19日を参照)を含み、これら全ては、液体ポリジメチルシロキ
サン(例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能の液状シリコー
ン)と同様に、参照してここに組み込まれる。
好ましい非消化性脂肪代用品は、サッカロースポリエステルなどのトリグリセ
リドと類似の特性を有するが、体内には吸収または消化されない脂肪材料であ
る。好ましいサッカロースポリエステルは、プロクター・アンド・ギャンブル社
(The Procter & Gamble Company)によって製造されたオリーン(OLEAN:登録商標
)ある。これらの好ましい非消化性脂肪代用またはオイル代用組成物は、例えば
、1992年2月4日発行のヤング(Young)の米国特許第5,085,884号、および1995年
6月6日発行のエルセン(Elsen)らの米国特許第5,422,131号等の文献に開示され
ており、これらはここに参照して組み込まれる。
非消化性脂肪代用組成物は、約99〜100%の非消化性脂肪代用品と、0〜約1
%のトリグリセリド脂肪とを具備する。好ましくは、このような構成要素は、約
100%の非消化性脂肪代用品からなる。非消化性脂肪は、「無脂肪」の計算には
算入されない。
II.無脂肪、低水分調理コーンスナックフードの製造
A.食用基質への非消化性脂肪代用組成物の混合
低水分調理コーンスナックフード製品は、上述の種類の食用基質中へおよび/
または食用基質上に組み込まれる上述した種類の非消化性脂肪代用組成物を有す
る。
非消化性脂肪代用組成物を食用基質中に混合する一つの方法は、非消化性脂肪
代用組成物を食用基質の外面に適用することである。食用基質の一部分または全
体の表面に脂肪組成物を適用することによって製造されたスナックフード製品は
、脂肪被覆食品という。また、非消化性脂肪代用組成物は、生地に混合すること
によって、または調理または焼き工程の間にスナックへの吸収によって、食用基
質内に組み込むこともできる。
ここにおいて、低水分スナックフード製品は、好適には、これらの組成物で被
覆される。非消化性脂肪代用組成物は、つける(immersing)、浸漬(dipping)、浸
透させる(soaking)、吹き付ける、吹込み、注ぐ、パン被覆(例えば、回転パン
で)、タンブル被覆(tumblec oating)、刷毛塗り(brushing)、ローラー塗り、
非脂肪代用品の容器の周囲を回転することによるもの、流下薄膜方法(falling f
ilm methods)、化粧掛け(enrobing)、および流し塗(curtain
coating)を含む種々の方法によって適用することができる。脂肪組成物は、揚げ
る場合などのように、食用基質へ適用している間に加熱することができる。必要
ならば、非消化性脂肪代用組成物は、焼くなどの加熱が続けてある場合に、食品
の表面に適用することができる。また、非消化性脂肪代用組成物は、すでに脂肪
を含有する食品の表面に適用することもできる。表面に添加されると、非消化性
脂肪代用組成物は、典型的には、加工されたコーンスナック、コーンチップス、
およびトルティヤチップスの場合などのように、食品の内部に吸収される。
付加的な非消化性脂肪代用品はスプレーヤーまたはエンローバーで適用される
。ここでの非消化性脂肪代用組成物のため、脂肪は、スナックまたはクラッカー
へ適用の前に、華氏170度(67℃)より高くまたはその融点まで加熱される。好
ましくは、非消化性脂肪代用組成物は、華氏170度(67℃)〜華氏約250度(121
℃)の温度で適用される。非消化性脂肪代用品のスナックへの吸収を高めるため
に、スナックは一般に、67℃またはそれ以上の温度で、1〜5分間保持される。
B.最終スナックフード製品の所定の脂肪量の提供
上述の方法による食用基質への非消化性脂肪代用組成物の組み込みは、脂っこ
過ぎるまたはすべすべしたの何れかのスナックフード製品になる場合がある。こ
れは、最終スナックフード製品の非消化性脂肪代用品の総含有量が、多すぎるか
または少なすぎるかの何れかであるからである。約35〜約50%の総脂肪含有量を
有するスナックフード製品は、好ましくない脂っこい味になる。
1.予備調理処理
所望の脂肪含有量を有するスナックフード製品を供給する一つの方法は、調理
を始める前に、加工コーンスナック、または調理前に加工スナックを調製するの
に用いる生地を、処理することである。例えば、揚げられる間に加工スナックに
吸収される脂肪は、スナック片の厚さを増大することによって、低減することが
できる。
揚げている間に加工スナックにより吸収される脂肪量を低減する他の方法は、
揚げる前に対流またはマイクロ波加熱等によって、加工コーンスナックを部分的
に乾燥させることである。加えて、薄いヒドロコロイドフィルム(例えば、セル
ロースエーテル類、高アミロースデンプン、タンパク質等)を用いて未処理の加
工コーンスナックを被覆することは、揚げている間の脂肪吸収を制限し、より低
い総脂肪含有量の最終チップスを得ることができる。
揚げている間に加工スナックにより吸収される脂肪量は、揚げる前の生地の水
分量を慎重に制御することによって、および/または加工スナックを調製するの
に用いる生地にマルトデキストリンを組み込むことによって、制限することがで
きる。焼いたスナックフード製品についての最終スナック製品の脂肪含有量は、
生地の処方および局所的な非消化性脂肪被覆または添加の量によって制御するこ
とができる。
プルーファー(proofer)ボックスは、揚げる前に生地の中の水分を釣り合わせ
るために、トルティヤスナック製造に用いられる。このプロセスは、ここでの加
工スナック用に使用することができる。
2.調理中の食用基質の処理
非消化性脂肪代用組成物が揚げることにより食用基質に組み込まれる場合、食
用基質により吸収される脂肪量は、フライヤー全体に亘って上昇する温度プロフ
ァイルを有する低い初期温度で揚げることによって制限することができる(1992
年8月11日発行のベンセン(Bensen)らの米国特許第5,137,740号および1978年7
月26日発行のスェディシュ(Swedish)の米国特許出願第1,519,049号を参照)。加
えて、非消化性脂肪代用組成物の薄膜で加工コーンスナックまたは加工スナック
製品を被覆し、その後、対流またはマイクロ波オーブンで焼くことにより、最終
スナック製品の所望の脂肪含有量を得ることができる(1988年7月12日発行のド
レヘル(Dreher)らの米国特許第4,756,916号、1981年8月発行のヤウン(Yaun)ら
の米国特許第4,283,425号、および1983年8月16日発行のメータ(Mehta)らのカ
ナダ特許第1,151,945号を参照)。
3.調理後の処理
1〜35%の範囲に所望の非消化性脂肪代用品含有量を有するスナックフード製
品を供給する他の方法は、食用基質中へおよび/または食用基質上に組み込んだ
後、非消化性脂肪代用組成物の一部を除去することである。非消化性脂肪代用組
成物は、スナックフード製品からトリグリセリド脂肪を除去するために用いられ
る従来のフライ後の何れの処理でスナックフードから除去してもよい。例えば、
脂肪は、水蒸気ストリッピング(例えば、1990年6月12日発行のニ−ル(Neel)ら
の米国特許第4,933,199号、および1992年12月15日発行のヤング(Young)らの米国
特許第5,171,600号を参照)、または臨界超過(supercritical)二酸化炭素または
ヘキサン等の溶剤を用いてスナックフード製品を処理することによって、スナッ
クフード製品に含有される表面および内部の脂肪を部分的に溶解すること(1964
年3月31日発行のゴールストン(Goulston)の米国特許第3,127,271号、および199
2年3月5日に公開されたカズラス(Kazlas)らの国際特許出願US 91/05950号(公
開番号WO92/03064)を参照)により、スナックフード製品の表面から除去するこ
とができる。非消化性脂肪代用品は、非消化性脂肪代用組成物に対して低い溶解
性を有する食用液体、例えば、エタノールに、スナックフード製品を、例えば、
約0.5〜約5分間、浸し(immersing)、スナックフード製品の表面から非消化性脂
肪代用品を物理的に洗い落とすことによってスナックフード製品の表面から除去
することもできる。スナックフード製品の残留溶剤は、次いで真空の下で加熱す
ることによって除去される。
加えて、脂肪は、フライ後に加熱空気または窒素の送風をスナックフード製品
に接触させることによって(例えば、1985年8月27日発行のベマード(Bemard)の
米国特許第4,537,786号を参照)、または過熱蒸気、飽和蒸気、または蒸気と乾
燥熱空気との混合物をスナックフード製品に接触させると同時に、フライドスナ
ックフード製品を遠心分離することによって(1974年11月19日発行のハイ(Hai
)らのカナダ特許第957,896号を参照)、スナックフード製品の表面から除去す
ることができる。分析テスト方法
本発明の構成要素を特徴付けるために用いられる多くのパラメータは、特別な
実験分析手順によって測定される。これらのそれぞれの手順は、以下で詳しく述
べる。加工コーンスナックの脂肪含有量
加工コーンスナックの脂肪含有量は、以下の通りのソックスレー(Soxhlet)抽
出によって決定される。装置/反応試薬:
ソックステック(Soxtec)HT6抽出器、水浴、熱油浴、抽出ビーカー、円筒瀘紙
、真空乾燥オーブン、窒素パージガス、塩化メチレン、沸石、グラスウール手順
1. 円筒瀘紙を検量し(小数点以下4桁まで0.0001まで)、風袋として記録
する。
2. 約8〜12グラムの粉砕チップサンプルを濾紙へ充填し、総重量(0.0001
まで)として記録する。
3. グラスウールを濾紙内のチップサンプルの上に入れ、チップスを濾紙に
収容する。
4. 2〜3の沸石を抽出ビーカーに入れ、検量し、重量を風袋(0.0001まで
)として記録する。
5. 50mlの塩化エチレンを抽出ビーカーに添加する。
6. 抽出ビーカーとチップサンプルを含む瀘紙とを抽出器に投入する。
7. 油浴を110℃に、水浴を28.3℃に、設定し、平衡させておく。
8. 抽出ビーカーに濾紙を降ろし、還流器豆コックを開放させて60分間沸騰
させておく。
9. 濾紙を抽出ビーカーから引き上げ、60分間すすぐ。
10.還流器豆コックを閉じる位置に回転させ、窒素をパージし、塩化エチレ
ンを60分間、蒸発させる。
11.抽出ビーカーを、120℃の真空オーブンに、30分間配置する。
12.抽出ビーカーを室温になるまで冷やし、検量し(0.0001まで)、最終重
量(ビーカー、沸石、抽出した脂肪の重量)として記録する。計算
1. チップサンプル重量=総重量(工程2)−風袋重量(工程1)
2. 抽出した脂肪重量=最終重量(工程12)−風袋重量(工程4)
3. 脂肪含有量(%)=(抽出脂肪重量/チップサンプル重量)×100
5.加工低水分スナックの水分含有量
スナックフード製品の水分含有量は、以下の通り、強制空気オーブン揮発方法
によって測定することができる。器具:
強制空気オープン、蓋付きのアルミニウム缶、キャビネット型デシケータ手順:
1. 蓋付き缶を0.0001グラムまで検量し、重量を風袋重量として記録する。
2. 2〜3グラムの粉砕チップサンプルを缶に入れ、0.0001グラムまで検量
し、総重量として記録する。
3. オーブン温度を105℃に設定する。
4. チップサンプルを含む缶を蓋をせずに、1時間オーブンに人れておく。
5. オーブンからサンプルを含む缶を取出し、缶に蓋をして、室温に冷める
までデシケータに入れておく。
6. 缶、蓋および乾燥させたサンプルを0.0001グラムまで検量し、最終の乾
燥させた重量として記録する。計算:
1. サンプル重量=総重量−風袋重量
2. 最終重量=工程6で記録された重量
3. 水分含有量(%)=[(総重量−最終重量)/サンプル重量]×100
表1乾燥基本重量におけるコーンマーサの無脂肪増量剤に対する割合
範囲: 68:32〜30:70
好適範囲: 50:50〜43:57プロセス実施例 プロセス実施例A
コーンベースおよびデンプンを、前もって計量し、ミキサーに添加する。計量
された量の蒸留水(約47部)および本質的に無脂肪乳化剤の有効量(約1〜3部
)を、容器に入れて、華氏100度(38℃)まで加熱する。水および乳化剤は、短
時間攪拌し、その後ミキサーに添加する。出来上がった混合物を2分間混合し、
停止し、側面をこすり取る。次いでさらに2分間、混合物を混合する。混合され
た材料を、二枚刃自動除去ミキシングヘッド(twin blade self-wiping mixing h
ead)を備えたファリナグラフ(Farinagraph)に移し、ヘッドを華氏100度(38℃)
に保持する。ファリナグラフ(Farinagraph)を、350ブラベンダー(Brabender)
ユニット(BU)の読みに到達するまで100rpmで作動する。これにより生地が形成さ
れる。次いで、生地をミキシングヘッドから除去し、大まかなボール形状に押出
し、ロールミルに移し変える。各ボールは、その後、0.3〜0.5ミリメートルのセ
ットギャップ(set gap)を用いた8インチのツインロールミルを通過させ、約0.6
4ミリメートルの厚さのシート生地を得る。その後、シートを
コーンチップ片に切断する。
生地片は加熱したOLEAN(登録商標)、サッカロースポリエステルフライオイル
で、20〜25秒、深く揚げる。フライオイルは、約6%の固体非消化粒子および約
94%の以下の特性を有する液体綿実サッカロースポリエステルからなるブレンド
を含有する。
実施例1〜3に用いたOLEAN(登録商標)は、上述したように99.5%の非消化性
調理脂肪である。コーンチップスは、約0.4グラムの消化性脂肪、すなわち、30
グラム盛りにつき、0.5グラム未満の消化性脂肪(DF)を有する。これらは米
国FDA栄養学当局によると本質的に無脂肪である(21 CFR §101.62の米国FDA
のガイドラインを参照)。それでも、これらのスナックフード製品はとても美味
である。
液体サッカロースポリエステルOLEAN(登録商標)は以下の属性を有する。脂肪酸組成物* フライオイルは、115kPa/sのワキシー/グリージー・チキソトロープ・エリア
・バリュー(Waxy/Greasy Thixotropic Area Value)を有する。このオイルは華氏
350度(177℃)の温度で連続フライヤーに入れられ、華氏約330度(166℃)で出
される。
固体非消化性粒子は、サッカロースポリエステル類から形成される。このエス
テル群は大豆オイルおよびC22飽和脂肪酸から由来する脂肪酸から製造される。
固体サッカロースポリエステルは以下の属性を有する:脂肪酸組成物 実施例1 OLEANは、オハイオ州、シンシナチのプロクター・アンド・ギャンブル(Proct
er&Gamble,Cincinnati,Ohio)によって販売されている商業的に入手可能な非
消化フライ脂肪である。
この実施例のコーンチップスの30グラム盛りは、一盛り当たり無視できる程度
の消化性脂肪を有する、本質的に無脂肪である。デンプンは無脂肪増量剤である
。OLEANは非消化性脂肪代用品である。この実施例においてコーンマーサ中の消
化性脂肪量は、一盛り当たり約0.27グラムである。DFATは、消化性脂肪を意味す
る。実施例1において、コーンおよびデンプン(FFF)の割合は、約68:32である。
コーンにFFFを加えたものと、コーンチップスのバランスの割合は、64:36である
。実施例2 この実施例においてコーンの消化できる脂肪量は4%である。実施例2におい
てコーンとデンプン(FFF)の割合は、約30:70である。コーンにFFFを加えたもの
のコーンチップスのバランスに対する割合は、約71:29である。この実施例のこ
れらの30グラムのコーンチップス盛りは、一盛り当たり、0.29グラムの消化性脂
肪を有する、本質的に無脂肪である。実施例3 これらの30グラムのコーンチップス盛りは、一盛り当たり0.34グラムの消化性
脂肪を有する、本質的に無脂肪である。実施例3において、コーンとデンプン(
FFF)の割合は約50:50である。プロセス実施例B
加工コーンチップ生地片を製造する。
トルティヤチップスを、コーン生地、すなわち、マーサを含有するアルカリ処
理低消化性脂肪から製造する。マーサを製造するため、乾燥コーンを蒸気ジャケ
ット容器の中の水およびライム溶液(pH=11.2)に浸す。この混合物を加熱し
て沸騰させ、次いで華氏115度〜華氏140度に冷やす。コーンを、コーンの水分含
有量が約50%(水分含有量は30〜80%の範囲を許容でき、好ましくは40〜60%、
より好ましくは45〜55%であることに注意してほしい)に達するまで、8〜24時
間、浸漬させる。
浸漬後、コーンを洗浄し、次いで、均一にグラインドまたはミルすることによ
り、マーサ生地にする。
無脂肪増量剤を粉末にしたコーンマーサに添加し、均一にグラインドまたはミ
ルすることにより生地にする。無脂肪増量剤、好適にはデンプンを、コーンマー
サ生地の消化性脂肪(DF)量を減少させるために添加し、その結果、出来上が
った製品が無脂肪、すなわち、30グラム盛りにつき、消化性脂肪が約0.5グラム
未満含有するようになる。
マーサ生地は約0.050インチおよび0.060インチの厚さのシートにして、生地片
に切断する。水分含有量を低下させるため、オーブンで生地片を、12〜18秒間、
華氏750度(400℃)〜華氏900度(482℃)の温度で、部分的に焼くことができる。オ
ーブンから取り出した部分的に調理した生地片の水分含有量は、35%〜40%の間
にある。
その後、生地片をフライオイルを含有する、5ポンドの容量のバッチフライヤ
ーで、バッチで揚げる。フライオイルは、約6%の固体非消化性粒子および約94
%の液体大豆オイルサッカロースポリエステルからなる、100%のサッカロース
ポリエステルブレンドを含有する。フライオイルのワキシー/グリージー・チキ
ソトロープ・エリア・バリュー(Waxy/Greasy Thixotropic Area Value)は、75kP
a/sである。フライオイルは、華氏365度(185℃)の温度に維持する。生地片は約9
0秒間揚げる。
フライヤーから取り出して、それらを味付けして製品とする。これらの調理し
て、調味したトルティヤチップスの30グラム盛りは、約26.8%の非消化性脂肪量
および約1.0%の水分含有量を有する消化性脂肪を含有しないものである。プロセス実施例C
チップスを揚げる代わりに焼くことを除いて、プロセス実施例Aと同様である
。他の製品実施例 実施例4 この実施例のコーンチップスは、30グラム盛りにつき、無視できる0.4グラム
の消化性脂肪(DFAT)を有する。実施例4におけるコーンと無脂肪増量剤デンプ
ンの割合(FFF)は、約44:56である。コーンおよび無脂肪増量剤と、チップ
スのバランスの割合は、約69:31になり、コーンおよび無脂肪増量剤と非消化性
脂肪との割合は、約71:29である。実施例5 この実施例のコーンチップスは30グラム盛りにつき、極少の消化性脂肪量を有
する。
実施例6 この実施例のコーンチップ盛りは、0.4グラム以下の消化性脂肪量を有する。
無脂肪増量剤は、等量のデンプン、無脂肪大豆タンパク質およびカルボキシメチ
ルセルロースである。実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 実施例11 実施例12
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フロントページの続き
(31)優先権主張番号 08/481,778
(32)優先日 平成7年6月7日(1995.6.7)
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 08/622,643
(32)優先日 平成8年3月27日(1996.3.27)
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),AU,BR,CA,C
N,JP,MX,NO,NZ,TR
(72)発明者 ジョンストン,ロバート,ウイリアム
兵庫県 芦屋市 岩園町 19−5
(72)発明者 レセ,ロバート,ダニエル
アメリカ合衆国 41017 ケンタッキー州
エッジウッド フォーンヒル ドライブ
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