JP2001514666A - 2−アルコキシエストラジオールの合成 - Google Patents

2−アルコキシエストラジオールの合成

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Abstract

(57)【要約】 構造式(a)により表される化合物の製造法を開示する。この方法は、臭素(Br2)および脂肪族有機酸を、構造式(b)により表される化合物と反応させることを含んで成る。R1およびR2は、それぞれ独立してヒドロキシル保護基である。

Description

【発明の詳細な説明】 2-アルコキシエストラジオールの合成 関連出願 本出願は、1997年3月13日に出願されたU.S.S.N.08/816,558号の継続であり、 その教示内容は全部、引用により本明細書に編入する。 政府基金 本発明は、国立癌研究所契約番号NOI-CM-27764の下に政府の援助で行われた。 政府は、本発明について特定の権利を有する。 発明の背景 少なくとも幾つかの2-アルコキシ-エストラ-3,17β-ジオール(以後、「2-ア ルコキシエストラジオール」と言う)は、抗癌活性を有する。例えばマウスで試 験した時、2-メトキシ-エストラジオール(1)は充実性腫瘍の新生血管形成の有 力なインヒビターとして作用し、そして明らかに毒性の兆候を生じることのない 用量で、それらの増殖を抑制する(Fotsisら、Nature 368:237(1994))。抗癌活性 を有すると考えられている他の2-アルコキシエストラジオールは、1997年3月13 日に出願された同時係属中の米国特許出願である「新規2-アルコキシエストラジ オールおよびそれらの誘導体」に開示されている(代理人処理番号PEL95-15p) 。2-メトキシエストラジオール(1)は、腫瘍の増殖作用を:1)DNA合成およ び有糸分裂を阻害することにより(Breuerら、Naturwissenschaft 12:280(1969) およびGelbkeら、J.Steroid Biochem,7:457(1976));2)チューブリンの重合を 阻害するか、または変化した形態および安定性特性を持つチューブリンポリマー の形成を引き起こすことにより(D'Amatoら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 91:3964(1994));あるいは3)新脈管形成、すなわち充実性腫瘍の増殖に必要な 新しい血管の生成を抑制することにより(Fotsisら、Nature 368:237(1994)、Fol kmanら、Nature 339:58(1994)およびBloodら、Biochem.Biophys.Acts等、1032:8 9(1990))、抑制すると考えられている。 2-アルコキシエストラジオールを製造するためにこれまで使用された合成は、 しばしば低収量に悩まされ、そしてただ時間がかかる精製技術を使用する必要が あった。例えば、2-メトキシエストラジオール(1)の1つの報告された合成には 、β-エストラジオール(3)のホルミル化、続いて2つのヒドロキシル基のベン ジル化により鍵となる中間体として2-ホルミル-β-エストラジオールジベンジル エーテル(2) の製造が必要である(Cushmanら、J.Med.Chem.38:2041(1995))。しかし2つの反 応から、典型的には10%未満の収率が得られる。さらに、ホルミル化反応は位置 異性体の混合物を生じるので、2-ホルミル-β-エストラジオールジベンジルエー テル(2)は、一般的には大規模合成には非効 率的な精製法であると考えられているクロマトグラフィーにより精製しなければ ならない。 したがって、上記の問題を克服または最小にする2-アルコキシエストラジオー ルの合成法の必要性が存在する。 発明の要約 本発明は、2-アルコキシエストラジオールの改良された合成法および特別な2- アルコキシエストラジオールを対象とする。また本発明は、2-アルコキシエスト ラジオールの製造に有用な中間体の改良された製造法も対象とする。 本発明の1態様は、以下の構造式:により表される化合物の製造法である。 この方法は、臭素(Br2)またはヨウ素(I2)および脂肪族有機酸を、以下の構 造式: により表される化合物と反応させることを含んで成る。 R1およびR2は、それぞれ独立してヒドロキシルの保護基である。好ましくは R1およびR2は、それぞれベンジルまたは置換ベンジル基、より好ましくはベン ジル基である。R3は-Brもしくは-Iである。 有機酸は好ましくはC1〜C5脂肪族有機酸、好ましくはC1〜C5脂肪族カ ルボン酸、より好ましくは酢酸である。 本発明のさらに別の態様は、以下の構造式: により表される化合物の製造法である。 R1およびR2は、上記の通りである。R4は−H、低級アルキル基および置換 低級アルキル基から成る群から選択される。R4は好ましくは−Hである。 この方法は、有機リチウム試薬およびR4CO+の合成等価体を、以下の構造式 : により表される化合物と反応させることを含んで成る。R1〜R4は上記 の通りである。有機リチウム試薬は、好ましくはn-ブチルリチウムである。R4 CO+の合成等価体は、好ましくはジメチルホルムアミドである。 本発明の別の態様は、以下の構造式: により表される化合物である。 R10およびR20は、独立してベンジル基または置換ベンジル基である。好まし くはR10およびR20は、それぞれベンジル基である。R30は−Brまたは−Iであ る。 本発明は、多くの利点を有する。例えば、本明細書に開示する臭素化およびハ ロゲン-金属交換反応は、2-ホルミル-β-エストラジオールジベンジルエーテル( 2)を既知の方法よりも高い全収量で製造するために使用することができる。さ らに、臭素化は臭素をβ-エストラジオールジベンジルエーテル(5)の2つの位 置に主に導入し、新規な臭素化エストラジオールジベンジルエーテル中間体(4) を生成し、これは実質的に結晶化により精製することができる。このように開示 する2-ホルミル-β-エストラジオールジベンジルエーテル(2)の製造法は、この 化合物を製造するためにこれまでに使用した方法よりも高い収量を提供し、4-ブ ロモ副産物の形成が減少する。上記のように、2-ホルミル-β-エストラジオール ジベンジルエーテル(2)は、2-アルコキシ-β-エストラジオールの合成における 中間体である。本発明のこの方法を使用して、これ までに可能であった方法よりも経済的に、しかも高い全収量で2-アルコキシエス トラジオールを合成することができる。 図面の簡単な説明 図は、2-アルコキシエストラジオール合成の略図を表す。 発明の詳細な説明 本発明の特徴および詳細を、これから以下により具体的に記載し、そして請求 の範囲で示す。本発明の特定の態様は説明として示すものであり、本発明の限定 として示すものではないと理解される。本発明の本質的特徴は、本発明の範囲を 逸脱することなく種々の態様で使用することができる。 2-アルコキシエストラジオールおよびエストラジオール環系における各炭素原 子を確認するための番号付けを、以下の構造式で示す: 5は、低級アルキル基または置換低級アルキル基である。 本明細書で使用するところの、適当なアルキル基は場合により1個以上の二重 または三重結合を含むことができるC1〜C6直鎖もしくは分枝鎖炭化水素を含 む。 低級アルキル基またはフェニル基上の適当な置換基は、1個以上のハロゲン( 例えば、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード)、ニトロ、ニトリル、−NH2 、−NH(低級アルキル)、−NH(置換低級アルキル)、 −N(低級アルキル)2、−N(置換低級アルキル)2、カルボニル基、−CONH2、−CON H(低級アルキル)、−CONH(置換低級アルキル)、−CON(低級アルキル)2、−CON( 置換低級アルキル)2、−CO2H、−COO(低級アルキル)および−COO(置換低級アル キル)を含む。ハロゲン化アルキル基は、1種より多くのハロゲンを含むことが できる。適当な低級アルキルまたは置換低級アルキル基の例には、メチル、エチ ル、n-プロピル、イソ-プロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、N O2-CH2-CH2-、(CH3)2N-CH3-CH2-、-CH2CH2-CO-R'を含み、ここで、R1は-H、低 級アルキル、置換低級アルキル、−OH、−O低級アルキル)、−O(置換低級ア ルキル)、−NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(置換低級アルキル)、−N(置換低級 アルキル)2および−N(低級アルキル)2である。 本発明の臭素化および金属化反応を使用して、2-アルコキシエストラジオール は、エストラジオール(3)から製造することができる。図はこの合成による2-エ トキシエストラジオール(10)および2-(2’,2’,2’-トリフルオロエトキシ)エス トラジオール(9)の製造を概略図で示している。この合成の各反応を、以下によ り一層詳細に記載する。 第1中間体は、2つのヒドロキシル基を保護することによりエストラジオール (3)から製造されて、構造式(I): により表される化合物を形成する R1およびR2は、それぞれ独立してヒドロキシルの保護基である。好ましくは R1およびR2は、それぞれベンジルまたは置換ベンジル基、より好ましくはベン ジル基である。 本明細書で使用するように、ヒドロキシルとはアルコールおよびフェノール性 の基を称する。「適当な保護基」は、開示される2-アルコキシエストラジオール の合成において続く反応に使用する試薬に関して実質的に不活性であり、しかも 例えば望ましくない副反応を引き起こさない。ヒドロキシルの保護基は当該技術 分野で周知であり、そして例えばGreeneおよびwuts「有機合成の保護基(Protect ive Groups in Organic Synthesis)」の第2および3章、ジョン ウィリー&サ ンズ(1991)に記載され、その教示内容は全部、引用により本明細書に編入する。 当業者は、日常的な実験を使用するだけで、開示された合成に使用するために適 する基ならびにヒドロキシルの保護基を適用および除去するための条件を選択す ることができる。 好適なヒドロキシルの保護基は、ベンジル基および置換ベンジル基を含む。ベ ンジル保護基に適当な置換基の例は、限定するわけではないが1個以上の以下の 基である:低級アルキル、フルオロ、クロロ、(低級アルキル)-O−、ニトロ、 フェニル、ジ(低級アルキル)アミノカルボニルおよびシリルである。ベンジル 基または置換ベンジル基を用いて遊離ヒドロキシル基を保護することは、本明細 書ではヒドロキシル基を「ベンジル化する」と言う。 エストラジオールは、少なくとも1等量のベンジルクロライド、ブロミドまた はヨージドおよび遊離ヒドロキシル基あたり少なくとも1等量の塩基を反応させ ることによりベンジル化することができる(例えば、 Venutiら、J.Med.Chem.31:2132(1988)を参照にされたい)。適当な塩基は、水素 化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウムのような水素化塩基を含む 。典型的には、各遊離ヒドロキシル基に関してモル過剰のベンジルハライドおよ び水素化ナトリウム、例えば最高1〜3倍過剰な塩基および最高1〜5倍過剰な ベンジルハライドを使用する。触媒量のヨウ素化物塩(例えばヨウ素化ナトリウ ム、ヨウ素化カリウムまたはヨウ素化テトラアルキルアンモニウム)を好ましく は反応混合物に加える。適当な溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフ ォキシドおよびヘキサメチルホスホラミドのような非プロトン性極性溶媒を含む 。反応を行うための適当な温度は約0℃〜約50℃の範囲であり、そして好ましく は室温である。出発材料および塩基は、好ましくは0℃で混合する。 ヒドロキシル基の保護法は、GreeneおよびWuts、第53〜71および156〜159に記 載されており)、そして本発明の範囲内に包含される。エストラジオール(3)を ベンジル化するための具体的条件は、実施例1に提供する。 第1中間体を臭素(Br2)またはヨウ素(I2)および脂肪族有機酸と適当な溶媒中 で反応させて、構造式(II): により表される第2中間体を形成する。R1およびR2は上記の通りであ る。R3は、−Brまたは−Iである。 適当な脂肪族有機酸の例は、C1〜C5脂肪族カルボン酸、スルホン酸、スル フィン酸およびリン酸を含む。脂肪族カルボン酸が好適であり:酢酸が特に好適 である。 第1中間体は、少なくしも1モル当量の臭素(またはI2)を用いて臭素化( またはヨウ素化)する。典型的には過剰な臭素(例えば最高約3倍過剰)を使用 することができる。好ましくは約10%〜約20%過剰な臭素を使用する。反応混合 物中の適当な臭素濃度は、例えば約.01Mから約5.0Mの間、そして好ましくは約 0.10Mから約0.40Mの間の範囲である。 臭素化反応に適当な溶媒は、例えば有機酸およびエストラジオールが溶解性の エーテル性溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンまたはグリムで ある。THFが好ましい。脂肪族有機酸の適当な量は、溶媒に対して約1:5〜約 5:1の容量/容量比、好ましくはテトラヒドロフランに対して約3:2である 。反応は、例えば約−10℃から約45℃の間の温度で行うことができる。好ましく は試薬は氷浴冷却下で混合され、その後に反応は室温に暖められる。 第1中間体、特にエストラ-3,17-β-ジオールジベンジルエーテル(5)を臭素 化するための具体的な条件は、実施例2に提供する。上記および実施例2に記載 の条件を使用する臭素化反応は、4-位置異性体よりは主に2-位置異性体を形成す る。さらに、臭素化生成物は、例えば酢酸エチルから実質的に結晶化により精製 することができる。 第2中間体を有機リチウム試薬およびR4CO+の合成等価体と反応させて、構 造式(III): により表される第3中間体を形成する。R1およびR2は上記の通りである。R4 は−H、低級アルキルおよび置換低級アルキルから成る群から選択される。 有機リチウム試薬は当該技術分野では周知であり、そしてWakefield、「有機 リチウム法(Organolithium Methods)」、アカデミック出版社(Academic Press L imited)、(1988)に記載され、その教示内容は引用により本明細書に編入する。 有機リチウム試薬はブロモベンゼンのようなアリールブロミドおよびヨウジドと 反応してハロゲン/リチウム交換を行い、リチオ化中間体を生成することができ 、これを次に適当な求電子剤と反応させることができる。反応の種類はWakefiel dの107〜08頁により一層詳細に記載されている。適当な有機リチウム試薬の例は 、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム およびリチウム金属を含む。 「合成等価体」は、合成有機化学の当該技術分野における用語に通常付随する 意味を有する(例えば、Warren、「有機合成の設計:シントン法へのプログラム された導入(Designig Organic Syntheses:A Programmed Introduction to the S ynthon Approach)」、ジョン ウィリー&サンズ、1978、第8頁、およびMarch、 「有機化学の進歩(Advanced Organic Chemistry)」、ジョン ウィリー サンズ、 1985、第422頁、Corey、P ure Appl.Chem .,14:19(1967)、20〜23頁を参照にされたい。「合成等価体」とは 、前駆体との1以上の反応後に、試薬が前駆体に構造単位を付加するように、有 機分子中の構造単位の等価物として機能する試薬を意味すると理解される。例え ば、ジメチルホルムアミドは+CHOの合成等価体であり、そして適当な条件下 でリチオ化中間体を含む求核剤と反応し、前駆体に−CHO部分を付加する。こ のようにジメチルホルムアミドはあたかも+CHOを生成する試薬を直接使用す るように最終的に同じ結果を達成する。R4CO+の適当な合成等価体には、例え ばR4CO-N(低級アルキル)2(例えばジメチルホルムアミド)、R4CO-X(式中、 Xはハライドであり、例えばアセチルクロライド)、-O-CO-(低級アルキル)( 例えば無水酢酸)および-O-(低級アルキル)(例えば酢酸エチル)を含む。好まし くはR4は−Hであり、そしてR4CO+の合成等価体はジメチルホルムアミドで ある。 第3中間体を生成するために、第2中間体を典型的には例えば約1.0から約5.0 当量の間、好ましくは約2.0から約3.0当量の間の有機リチウム試薬、好ましくはn -ブチルリチウムと反応させる。適当な溶媒の例には、無水のエーテル性溶媒( 例えばジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン もしくはジグリム)または無水炭化水素溶媒(例えばベンゼン、ペンタンもしく はヘキサン)を含む。THFが好ましい。適当な反応温度は、例えば約-100℃から 約-60℃の間、好ましくは約-75℃から約-85℃の間の範囲である。反応混合物中 の第2中間体の適当な濃度は、約0.005Mから約1.0Mの間、好ましくは約0.050 Mから約0.10Mの間の範囲である。温度はハロゲン金属交換が完了するまで、約 10分から約5時間、そして典型的には約1〜2時間維持し、そ の時点で有機リチウム試薬に対して過剰(例えば、約1.1から約10倍、典型的には 約2.5倍)の−R4CO+の合成等価体を反応混合物に加える。合成等価体はそのま まで、または無水エーテル性または炭化水素溶媒中の溶液として加えることがで きる。典型的には反応は、合成等価体を加えた後に例えば約0.5から約3.0時間、 約-30℃からおよそ室温、好ましくは約-10℃から約10℃に暖め、そして反応が完 了するまで撹拌する。第2中間体、特に2-ブロモ-エストラ-3,17β-ジオールジ ベンジルエーテル(4)を第3中間体に転換するための具体的な条件は実施例3に 提供する。 第3中間体はアリールアルキルケトンR-CO-Arを対応するアリールアルコネー トR-CO-O-Arに酸化することができる酸化剤と反応させて、構造式(IV): により表される第4中間体を形成させる。第3中間体の第4中間体への変換にお けるような、エステルを生成するための適当な酸化剤の存在下でのケトンまたは アルデヒドの反応は、「バイヤー−ビリガー酸化(Baeyer-Williger Oxidation) 」として有機化学の分野では周知である。この反応は、例えばMarch、「有機化 学の進歩」、第3版、ジョン ウィリー&サンズ、990〜91頁(1985)およびそこに 引用された技術文献に記載され、その教示内容は引用により本明細書に編入する 。 バイヤー−ビリガー酸化を行うための適当な酸化剤には、m-クロロ過安息香酸 (今後「mCPBA」)、過安息香酸および過酢酸のような過酸を含む。反応は酸触 媒、例えばメチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸 のようなスルホン酸の存在下で行う。適当な溶媒には塩化メチレン、クロロホル ムおよびジクロロエタンのようなハロゲン化溶媒を含む。 酸化剤の適当な量は、第3中間体に対して約1.1から約2.0当量の間を含む。酸 触媒の適当な量は、酸化剤に対して約0.1%から約10重量%の間を含み、好まし くは約3〜7%である。反応が完了しなければ、さらに酸化剤および酸触媒を加 えることができる。反応混合物中の第3中間体の適当な濃度は、約0.005Mから 約5.0Mの間、好ましくは約0.05Mから約0.5Mの間を含む。反応は典型的には室 温で行われるが、例えば約0℃から約45℃の範囲の温度で行うこともできる。第 3中間体、特に2-ホルミル-エストラ-3,17β-ジオールジベンジルエーテル(2) についてバイヤー−ビリガー酸化を行うための具体的な条件は実施例4に提供す る。 第4中間体のエステル基を開裂して、構造式(V): により表される第5中間体を形成する。エステルの開裂にはエステルの加水分解 またはアルコリシスが関与し、これは化学の当該技術分野にお いて周知である。エステルの加水分解またはアルコリシスに関する条件は、例え ばMarvel,Org.Syn.,Coll.,3:495(1995)およびMarvel,Org.Syn.,Coll.,2:416(194 3)に記載され、その教示内容は引用により本明細書に編入する。第4化学中間体 のエステルの加水分解に関する具体的条件は、実施例4に提供する。 また「エステルの開裂」とは、エステルR-CO-O-R'を、エステルをアルコールR -CH2-OHおよびR'OHに還元するための適当な還元剤と反応させることを言う。適 当な還元剤は当該技術分野では周知であり、例えば水素化リチウムアルミニウム 、ホウ水素化リチウムおよびジボランを含む。エステル還元剤を用いてエステル R-CO-O-R'をアルコールR-OHおよびR'-OHに還元するための適当な条件も当該技術 分野では周知であり、そして例えばBrownら、Aldrichimica Acta 12:3(1979)お よびそこに引用されている技術文献に開示されており、その教示内容は引用によ り本明細書に編入する。 構造式(V)により表される化合物を得るために、構造式(IV)により表され る化合物に見い出されるような、アルキルアリールエステルを開裂するために適 する当業者には周知な多くの他の反応がある。これらの反応も、用語「エステル 基の開裂」により包含されると考える。 第5中間体をアルキル化して、構造式(VI):により表される第6中間体を形成する。R1、R2およびR5は上記定義の通りで ある。本明細書で使用するように「アルキル化」とは、フェノール性の基である アリール-OHのアルキルアリールエーテルであるアリール-O-R3(式中、R3は上 記定義の通りである)への転換を意味する。フェノールのアルキル化は有機合成 の分野では周知であり、そして例えば「ウィリアムソン反応」により行うことが できる。ウィリアムソン反応を行うための条件ならびにフェノール性基のアルキ ル化に適する他の反応は、例えばMarch、「有機化学の進歩」、第3版、ジョン ウィリー&サンズ、342〜43頁(1985)およびそこに引用された技術文献に記載さ れ、その教示内容は引用により本明細書に編入する。 アルキル化は、例えば第5中間体をアルキル化剤であるR5X(式中、Xは−Br 、−I、メシラート、トシラート、ブロシラートのような脱離基または他のスル ホン酸エステル、トリフラートもしくは-O-SO-COH3である)と反応させることに より行うことができる。例には、適当な塩基(例えば水酸化カリウム、炭酸カリ ウムまたは酸化銀(I))の存在下でのアルキルブロミド、アルキルヨージド( 例えばメチルヨージド、エチルヨージドまたは2,2,2-トリフルオロ-ヨード-エタ ン)またはジアルキルスルフェート(例えばジメチルスルフェート)を含む。アル キル化剤および塩基の適当な量は、例えば約それぞれ1.0当量〜約10.0当量の範 囲、および約1.0〜約3.0当量の範囲である。反応が完了しなければ、さらに塩基 およびアルキル化剤を加えることができる。 第5中間体は、例えば約0.01M〜約5.0M、好ましくは約0.1M〜約0.5Mの範 囲の濃度で反応させる。適当な溶媒には、塩化メチレンのようなハロゲン化溶媒 、およびジメチルホルムアミドのような非プロトン性 極性溶媒を含む。反応温度は、例えばおよそ室温から約150℃の範囲であり;非 プロトン性極性溶媒を使用する時、反応温度は好ましくは約110℃〜約130℃の範 囲である。 構造式(VI)により表される化合物、特に図中のエストラジオール(6)および エストラジオール(8)のアルキル化のための具体的条件は、それぞれ実施例5お よび6Bに提供する。 第6中間体の3および17位で保護されたヒドロキシル基は、脱保護されて構造 式(VII): により表される2-アルコキシエストラジオールを生じる。R5は上記定義のとお りである。 先に検討したように、フェノール性の保護基を除去するための適当な条件は当 該技術分野で知られており、そして例えばGreeneおよびWuts「有機合成の保護基 (Protective Groups in Organic Synthesis)」、ジョン ウィリー&サンズ(1991 )に記載されている。ヒドロキシルの保護基がベンジル性または置換ベンジル性 の基である時、脱保護反応は本明細書では「脱ベンジル化(debenzylation)」と 称する。保護されたヒドロキシル基は、エーテル性溶媒(例えばTHF、ジエチルエ ーテル)またはアルコール性溶媒(メタノールまたはエタノール)中で、パラジ ウム触媒、例えばPd(OH)2-C上で水素化分解により脱ベンジル化することができ る。 適当な圧には約10〜約120psi、好ましくは約40〜60psiを含む。水素化は例えば 約15℃〜約45℃の温度で、しかし好ましくは室温で、そして例えば約0.01M〜約 5.0Mの第6中間体の濃度で行うことができる。反応は完了するまで行い、そし て薄層クロマトグラフィーにより監視することができる。構造式(VI)により表 されるヒドロキシル、特に図中のエストラジオール(7)および(8)を脱ベンジル 化するための具体的条件は、実施例6に提供する。ヒドロキシル基の脱ベンジル 化のための他の条件はWutsおよびGreeneの第2および第3章に開示され、そして 本発明の範囲内である。 本発明の別の態様では、構造式(VI)により表される第6中間体を、構造式( III)により表される化合物から直接製造することができる。具体的には、触媒 量のヨウ素化銅(I)の存在下で臭素を求核的にアルカリ金属アルコキシドR5O- Y+(式中、Y+はアルカリ金属カチオンである)に置き換える。反応は典型的に はジメチルホルムアミドのような非プロトン性の双極性溶媒中で行う。ヨウ素化 銅(I)の存在下で求核剤を用いるアリールハライドからハライドの求核置換反 応は、「ウルマン反応」として当該技術分野では周知である。ウルマン反応を行 うための条件は、March、「有機化学の進歩(Advanced Organic Chemistry)」、 第3版、ジョン ウィリー アンド サンズ、第597−598頁、そこに引用されてい る技術文献およびVyasおよびShah、Org.Syn.Coll.Vol.3,第836頁に記載され、そ の教示内容は引用により本明細書に編入する。この反応を行うための具体的条件 は、実施例6Aに記載する。 本発明を、どのようにも限定することを意図しない以下の実施例により具体的 に説明する。 実施例 融点はMel-Temp装置で毛細管により測定し、そして捕正していない。スペクト ルは以下のように得た:Finnegen 4000分光計によるCIマススペクトル;Krato s MS50分光計によるFABマススペクトルおよびEIマススペクトル;Bruker AC 300 分光計による1H NMRスペクトル;Beckman IR-33分光光度計またはNicolet FT-IR Impact 410分光光度計によるIRスペクトル。微量分析は、アトランタのマイク ロアトランティック ラボラトリーズ(MicroAtlantic Labpratories)により行い 、そしてすべての値は算出した組成の±0.4%内であった。 実施例1− 3,17β-ジベンジルオキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン(5) 水素化ナトリウム(2.6g,65ミリモル)を4部にわけて無水DMF(150ml)中のエス トラ-3,17-β-ジオール(3)溶液(1、5.0g、18ミリモル)に0℃でアルゴン下に て加え、そして生成した混合物を0℃で15分間撹拌した。ベンジルブロミド(12. 5mL、105ミリモル)を加え、続いてテトラブチルアンモニウムヨージド(0.50g、1 .35ミリモル)を加えた。撹拌を室温で2日間続行した。反応混合物を0℃に冷却 し、そして50%エタノール水(20mL)をゆっくり加え、続いて0℃〜5℃で3N H Cl(18mL)を滴下した。化合物をエーテル中で抽出した(3×200mL)。エーテル層 を水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。 減圧下でのエーテル層の蒸発により、粘稠な油を得た。ヘキサンでトリチュレー トすることにより、白色固体(5.0g、60%)を得、これを濾過により集め、そし て真空で乾燥させた:融点74〜78℃[Fujiら、J.Org.Chem.,44:1661-1664(1979) 。融点81〜82℃(エタノール、アセトン) ;Hamacher,H.;Christ,E.Potential Antineolpastics.7th.Comm:エストラジオー ルの6α-位への窒素マスタード基の導入(Introduction of Nitrogen Mustard G roup into the 6α-Position of Estradiol)。Arzneim.Forsch.,33:347-352(198 3)。融点62℃(メタノール水)];Rf0.334[ヘキサン−酢酸エチル(95 :5)、シリカゲル];IR(KBr)2910、2850、1600、745 、685cm-11H NMR(CDCl3)δ0.9(s,3H)、1.05−2 .45(m,14H)、2.83(m,1H)、3.5(t,J=8.5Hz,1H )、4.57(s,2H)、5.05(s,2H)、6.67−6.82(m,2H )、7.12−7.57(m,11H)。分析(C32362)C、H。 実施例2− 2-ブロモ-3,17β-ジベンジルオキシエストラ-1,3,5(10)- トリエン(4) 臭素(0.58mL、11.3ミリモル)を、氷冷しながら撹拌している酢酸/THF混合物 (3:2、45mL)中のエストラジオール(4.5g、10ミリモル)溶液にシリンジで加え た。生成した反応混合物を撹拌しながら室温に暖めた。1.5時間後、混合物を氷 水混合物(200mL)に注ぎ、そして化合物をジクロロメタンで抽出した(3×200mL) 。合わせた有機層を水(200mL)、飽和重炭酸ナトリウム水(200mL)、10%チオ硫酸 ナトリウム水(150mL)、水(100mL)、塩水(100ml)で抽出し、そして無水硫酸ナト リウムで乾燥させた。有機層を真空下で蒸発させ、続いてヘキサン−酢酸エチル 混合物でトリチュレートして生成物(3.9g、75%)を得た。約10%の4-ブロモ-位 置異性体のみが形成した。分析用サンプルを酢酸エチルから結晶化により調製し た;融点156〜158℃;IR(KBr)2960−2840、 1600、1590、730−720、685cm-11H NMR(CDCl3 )δ0.9(s,3H)、1.10−2.40(m,13H)、2.75−2.85 (m,2H)、3.5(t,J=8.5Hz,1H)、4.6(s,2H)、5.6 3(s,2H)、6.67(s,1H)、7.25−7.60(m,11H)。分 析(C3235BrO2)C、H。 これらの結果は、2-ブロモ-β-エストラジオールジベンジルエーテル(4)を、 β-エストラジオールジベンジルエーテル(5)から75%の収率で得ることができ 、4-ブロモ副産物の生成を抑えたことを示す。 実施例3− 2-ホルミル-3,17β-ジベンジルオキシエストラ-1,3,5(10) -トリエン(2) ヘキサン中1.6Mのn-BuLi溶液(17.5mL)を、アルゴン雰囲気下-78℃で無水THF( 150mL)中のエストラジオール(4)(5.88g、11.2ミリモル)溶液にシリンジで滴下 し、そして生成した反応混合物を-78℃で2時間撹拌した。無水DMF(5.5mL)を加 え、そして撹拌を-78℃で1時間続行した。混合物を0℃に暖め、そして1時間 撹拌し、そして3N HCl(100mL)の氷冷溶液に注いだ。水性層をエーテルで抽出 した(3×300mL)。合わせた有機層を50%の塩水−水(100mL)、塩水(150ml)で洗 浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を濾過し、減圧下で蒸発 させて、不純物を含むエストラジオール(2)を得、これをヘキサン-酢酸エチル を溶出液として使用してシリカゲルカラムで精製した。適当な画分を合わせ、そ して減圧下で蒸発させてエストラジオール(2)を得た(4.36g、82%);融点145〜 147℃;IR(KBr)2920、2860、1675、1600、728、6 85cm-11H NMR(CDCl3)δ0.88(s,3H)、1.1−2.5 (m,13H)、2.80−2.97 (m,2H)、3.50(t,J=8.5Hz,1H)、4.56(s,2H)、 5.65(s,2H)、6.75(s,1H)、7.20−7.50(m,10H) 、7.78(s,1H)、10.5(s,1H)。分析(C34403)C、H。 これらの結果は、3,17-二保護2-ブロモ-β-エストラジオールが、ハロゲン-金 属交換、続いてジメチルホルムアミドによるクエンチングにより高い収率で3,17 -二保護2-ホルミル-β-エストラジオールに転換できることを示す。 実施例4− 2-ヒドロキシ-3,17β-ジベンジルオキシエルトラ-1,3,5- (10)-トリエン(6) mCPBA(3.3g、19.1ミリモル)およびp-トルエンスルホン酸1水和物(0.16g、 0.84ミリモル)を、連続的に無水ジクロロメタン(150mL)中のエストラジオール( 2)(5.8g、12.1ミリモル)溶液に加えた。生成した混合物を室温で撹拌し、そし て反応をTLC(ジクロロメタン/シリカゲル)にかけた。10時間後、さらにmCPBA (1.0g)およびp-トルエンスルホン酸(0.40g)を加え、そして撹拌を5時間続行 した。反応混合物をジクロロメタン(300mL)で希釈し、そして有機層を10%亜 硫酸ナトリウム溶液(100mL)、水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、そして 無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を減圧下で蒸発させ、4.85gの粗2-ホ ルミルオキシ-エストラ-3,17β-ジオールジベンジルエーテル(4.85g)を得た。こ れを無水メタノール(250mL)に懸濁し、4滴の濃H2SO4を加え、そして生成した 混合物を90℃で1時間撹拌した。メタノールを50℃にて減圧下で除去し、そして 生成した残渣をジクロロメタン(400mL)に溶解した。有機層を水(100mL)、飽 和重炭酸ナトリウム溶液(100mL)、 水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥さ せた。減圧下でジクロロメタン層を蒸発させると粗化合物(6)(4.15g)を粘着 性の固体として得、これをヘキサン−ジクロロメタン混合物を溶出液として使用 してシリカゲルカラムで精製して純粋なエストラジオール(6)(3.8g,67%)を 白色固体として得た:融点117−118℃;Rf0.364(ジクロロメタン、 シリカゲル);IR(KBr)3540、2960−2840、1510、14 50、735−720、685cm-11H NMR(CDCl3)δ0.9(s ,3H)、1.05−2.40(m,14H)、2.80(m,1H)、3.50( t,J=8.5Hz,1H)、4.60(s,2H)、5.08(s,2H)、5. 5(s,1H)、6.65(s,1H)、6.82(s,1H)、7.20−7.5 0(m,10H)。分析(C32363)C、H。 実施例5− 2-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-3,17β-ジベンジル オキシエストラ-1,3,5-(10)-トリエン(7) 粉末化下K2CO3(1.5g、11ミリモル)を、無水DMF(50mL)中のエストラジオール (6)(4.0g、8.5ミリモル)溶液に加え、続いてCF3CH2I(5.0mL、51ミリモル)を 室温で滴下した。生成した反応混合物を110℃に3時間加熱した。さらにK2CO3(2 .5g)およびCF3CH2I(6mL)を加え、そして混合物を再度、130℃に2時間加熱し た。混合物を氷浴中で冷却し、そして氷冷した3N HCl(125mL)に注いだ。水 性層をエーテル(2×200mL)で抽出した。合わせたエーテル層を3N HCl(100m L)、水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、そして無水MgSO4で乾燥させた。エ ーテル層を減圧下で蒸発させ、そして生成した粗生成物をシリカゲルカラムで精 製してエストラジオール(7)(4.5g、95%)を無色の油として得た :IR(そのまま)2910、2850、1600、1500、730、690 cm-11H NMR(CDCl3)δ0.9(s,3H)、1.1−2.4(m, 13H)、2.65−2.85(m,2H)、3.50(t,J=8.5Hz,1H )、4.40(q,J=8.5Hz,2H)、4.56(s,2H)、5.05(s ,2H)、6.70(s,1H)、6.98(s,1H)、7.2−7.55(m, 10H)。分析(C343733)。 実施例6− 2-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)エストラ-1,3,5-(10) -トリエン-3,17β-ジオール(9) Pd(OH)2-C(20%、1.0g)を、アルゴン雰囲気下で無水THF(50mL)中のエストラ ジオール溶液(1.0g、1.8ミリモル)に慎重に加えた。生成した混合物を45〜50psi のParr装置で24時間、水素化した。触媒はアルゴン雰囲気下でセライトパッドを 使用して濾過により除去し、そしてパッドをジクロロメタン(200mL)で洗浄し た。濾液を減圧下で蒸発させ、続いてシリカゲルカラムで精製して化合物(9)( 0.5g、75%)を得た:融点167〜168℃;IR(KBr)3550、2960−2 840、1590、1510、870cm-11H NMR(CDCl3)δ0. 80(s,3H)、1.10−2.40(m,13H)、2.70−2.85(m, 2H)、3.75(m,1H)、4.40(q,J=8.5Hz,2H)、5.35 (s,1H,OH)、5.5(s,1H)、6.70(s,1H)、6.80(s ,1H);MS m/z(相対強度)370(100)、311(9)、270 (8)、244(8)、205(6)。 分析(C202530.7H2O)C、H。 実施例6A− 2-エトキシ-3,17β-ジベンジルオキシエストラ-1,3,5 (10)-トリエン(8): 無水エタノール(30mL)中の撹拌したナトリウムエトキシド溶液(10.5g、154ミ リモル)に、無水DMFをアルゴン雰囲気下で加え、そして撹拌を室温で20分間続行 した。上記溶液に、CuI(10.6g,56ミリモル)および2-ブロモ化合物(4)(5.3g 、10.0ミリモル)を連続的に加え、そして生成した混合物を105℃〜110℃で7〜 8時間撹拌した。反応を冷却し、そして氷冷した水(200mL)に注ぎ、そして続 いて3N HCl(25mL)を加えた。不溶性の物質はセライトパッドを通して濾過し 、そして水性層をジクロロメタンで抽出した(300mL×3)。合わせた有機層を 水(200mL)、塩水(200mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。有 機層を濾過し、そして減圧下で蒸発させて混合物を得、これをヘキサン:酢酸エ チルを溶出液として使用してシリカゲルカラムで精製した。適当な画分を合わせ 、そして減圧下で蒸発させた。化合物(8)の収率は60%であった:融点76℃〜77 ℃;IR(KBr)2910、2850、740、685cm-11H NMR (CDCl3)δ0.9(s,3H,−CH3)、1.1−2.35(m,18H, −CH,−CH2 & CH3)、3.5(t,1H,−OCH)、4.10(q, 2H,−OCH2)、4.6(s,2H,−OCH2)、5.60(s,2H,− OCH2)、6.64(s,1H,Ar−H)、6.89(s,1H,Ar−H) 、7.15−7.55(m,10H,Ar−H)。分析C34403の理論値:C ,82.2;H,8.12。測定値:C,82.51;H,8.11。 所望の生成物(8)に加えて、2つの少量の副産物である2-メトキシ-3,17β-ジ ベンジルオキシエストラ-1,3,5(10)-トリエンおよび2-N,N-ジメ チルアミノ-3,17β-ジベンジオキシエストラ-1,3,5(10)-トリエンも、それぞれ 5%および0.72%の収率で得られた。 実施例6B− 2-エトキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン03,17β-ジオ ール(10): 無水THF(40mL)中の2-エトキシ誘導体(8)溶液(1.1g、2.3ミリモル)に、20% Pd(OH)2-C(2.3g)をアルゴン雰囲気下で慎重に加えた。生成した混合物を、45〜5 0psiのParr装置で4時間、水素化した。生成した混合物をTLCにより監視した。 完了した後、触媒はアルゴン雰囲気下でセライトパッドを使用して濾過により除 去し、そしてパッドをジクロロメタン(100mL)で洗浄した。濾液を減圧下で蒸 発させ、0.8gの不純物を含む化合物を得、これをカラムクロマトグラフィーによ り精製した。収率>95%;融点154〜156℃;[α]D+92.24°(c=0.5 08,CHCl3){lit.[a]D=+90°(c=0.5,CHCl3}。I R(KBr)3720、3380、2980−2840、1580、1510c m-11H NMR(CDCl3)δ0.83(s,3H,−CH3)、1.10− 2.38(m,16H,−CH,CH3 & −CH2)、2.70−2.90(m ,2H,−CH2)、3.75(m,1H,−OCH)、4.10(q,2H,− OCH2)、5.5(s,1H,OH)、6.67(s,1H,Ar−H)、6. 82(s,1H,Ar−H)。分析C20283の理論値:C,75.91;H, 8.92。測定値:C,75.97;H,8.96。 実施例7− チューブリンアッセイ 電気泳動的に均質なチューブリンを、ウシの脳からすでに記載されているよう に精製した(Hamelら、Biochemistry 23:4173-4148(1984))。 精製したチューブリンの重合に関するIC50値の決定は、D'Amatoら(Proc.Natl.Ac ad.Sci.U.S.A91:3964-3968(1994))により記載されたように行った。チューブ リンを26℃に種々の濃度の化合物とプレインキューベーションし、反応混合物を 氷上で冷却し、GTP(重合反応に必要)を加え、そして重合は、26℃で電子温度 制御装置を備えたGilford記録分光光度計で350nmでの濁度測定にしたがった。4 台の装置を使用し、そして2つの対照反応混合物が各装置に存在した。20分間の インキューベーション後の重合の程度を測定した(2つの対照に関する値は、通 常互いの5%内であった)。IC50をグラフから決定した。活性化合物は少なくと も3つの独立したアッセイで調査し、一方不活性化合物(IC50>40μMと定めた )は少なくとも2つの独立した実験で調査した。チューブリンに対するコルヒチ ン結合の阻害は、すでに記載されているように(D'Amatoら、Proc.Natl.Acad.Sc i.U.S.A91:3964-3968(1994))行った。反応混合物は1.0μMのチューブリン(0 .1mg/mL)、5.0μM[3H]コルヒチンおよび50μMインヒビターを含んだ。インキュ ーベーションは37℃で30分間であった。 2-メトキシエストラジオール(1)、2-エトキシエストラジオール(10)、および 2-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)エストラジオール(9)のチューブリン重合 に及ぼす阻害活性を表1に報告する。チューブリン重合の阻害は、ウシ脳由来の 電気的に均質なチューブリンを使用して調査した。2-エトキシエストラジオール (10)は、2-メトキシエストラジオール(1)より3倍活性であった。 実施例8− 国立癌研究所の抗癌調査における2-アルコキシエストラジ オールそれらの誘導体の活性 癌細胞増殖に対する類似体の効果を、国立癌研究所(NCI)の実験用治療プログ ラム(Developmental Therapeutics Program)のおよそ55細胞系のインビトロパネ ルを対象として調査した(Greverら、Seminars in Oncology 19:622(1922)、All eyら、Cancer Research 48:589(1988)およびMontesら、J.National Cancer Inst itute 83:757(1991))。HOP-62非-小-細胞(non-samll-cell)肺癌細胞、HCT-116 結腸癌細胞、SF-539中枢神経系(CNS)癌細胞、UACC-62メラノーマ細胞、OVCAR卵 巣癌細胞、SN12-C腎臓癌細胞、DU-145前立腺癌細胞およびMDA-MB-435乳癌細胞に 関する各々の結果を表1に掲げる。2-エトキシエストラジオール(10)は、表1に 掲げるすべての細胞系に対して2-メトキシエストラジオール(1)よりも活性であ った。 均等物 当業者は、日常的な実験を使用するだけで本明細書に記載した本発明の具体的 態様に対する多くの均等物を認識することができ、そして確認することができる だろう。そのような均等物は以下の請求の範囲に包含されるものとする。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年5月21日(1999.5.21) 【補正内容】 この方法は、臭素(Br2)および脂肪族有機酸を、以下の構造式: により表される化合物と反応させることを含んで成る。 R1およびR2は、それぞれ独立してヒドロキシルの保護基である。好ましくは R1およびR2は、それぞれベンジルまたは置換ベンジル基、より好ましくはベン ジル基である。R3は-Brである。 有機酸は好ましくはC1〜C5脂肪族有機酸、好ましくはC1〜C5脂肪族カ ルボン酸、より好ましくは酢酸である。 本発明のさらに別の態様は、以下の構造式: により表される化合物の製造法である。 R10およびR20は、独立してベンジル基または置換ベンジル基である。好まし くはR10およびR20は、それぞれベンジル基である。R30は−Brである。 本発明は、多くの利点を有する。例えば、本明細書に開示する臭素化およびハ ロゲン−金属交換反応は、2-ホルミル-β-エストラジオールジベンジルエーテル (2)を既知の方法よりも高い全収量で製造するために使用することができる。さ らに、臭素化は臭素をβ-エストラジオールジベンジルエーテル(5)の2つの位 置に主に導入し、新規な臭素化エストラジオールジベンジルエーテル中間体(4) を生成し、これは実質的に結晶化により精製することができる。このように開示 する2-ホルミル-β-エストラジオールジベンジルエーテル(2)の製造法は、この 化合物を製造するためにこれまでに使用した方法よりも高い収量を提供し、4-ブ ロモ副産物の形成が減少する。上記のように、2-ホルミル-β-エストラジオール ジベンジルエーテル(2)は、2-アルコキシ-β-エストラジオールの合成における 中間体である。本発明のこの方法を使用して、これまでに可能であった方法より も経済的に、しかも高い全収量で2-アルコキシエストラジオールを合成すること ができる。 図面の簡単な説明 図は、2-アルコキシエストラジオール合成の略図を表す。 発明の詳細な説明 本発明の特徴および詳細を、これから以下により具体的に記載し、そして請求 の範囲で示す。本発明の特定の態様は説明として示すものであ (例えば、Venutiら、J.Med.Chem.31:2132(1988)を参照にされたい)。適当な塩基 は、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウムのような水素化塩 基を含む。典型的には、各遊離ヒドロキシル基に関してモル過剰のベンジルハラ イドおよび水素化ナトリウム、例えば最高1〜3倍過剰な塩基および最高1〜5 倍過剰なベンジルハライドを使用する。触媒量のヨウ素化物塩(例えばヨウ素化 ナトリウム、ヨウ素化カリウムまたはヨウ素化テトラアルキルアンモニウム)を 好ましくは反応混合物に加える。適当な溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチ ルスルフォキシドおよびヘキサメチルホスホラミドのような非極性の二プロトン 性溶媒を含む。反応を行うための適当な温度は約0℃〜約50℃の範囲であり、そ して好ましくは室温である。出発材料および塩基は、好ましくは0℃で混合する 。 ヒドロキシル基の保護法は、GreeneおよびWuts、第53〜71および156〜159に記 載されており)、そして本発明の範囲内に包含される。エストラジオール(3) をベンジル化するための具体的条件は、実施例1に提供する。 第1中間体を臭素(Br2)および脂肪族有機酸と適当な溶媒中で反応させて、 構造式(II): により表される第2中間体を形成する。R1およびR2は上記の通りであ る。R3は、−Brである。 適当な脂肪族有機酸の例は、C1〜C5脂肪族カルボン酸、スルホン酸、スル フィン酸およびリン酸を含む。脂肪族カルボン酸が好適であり:酢酸が特に好適 である。 第1中間体は、少なくしも1モル当量の臭素を用いて臭素化する。典型的には 過剰な臭素(例えば最高約3倍過剰)を使用することができる。好ましくは約10 %〜約20%過剰な臭素を使用する。反応混合物中の適当な臭素濃度は、例えば約 .01Mから約5.0Mの間、そして好ましくは約0.10Mから約0.40Mの間の範囲であ る。 臭素化反応に適当な溶媒は、例えば有機酸およびエストラジオールが溶解性の エーテル性溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンまたはグリムで ある。THFが好ましい。脂肪族有機酸の適当な量は、溶媒に対して約1:5〜約 5:1の容量/容量比、好ましくはテトラヒドロフランに対して約3:2である 。 実施例6B− 2-エトキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン03,17β−ジオ ール(10): 無水THF(40mL)中の2-エトキシ誘導体(8)溶液(1.1g、2.3ミリモル)に、20% Pd(OH)2-C(2.3g)をアルゴン雰囲気下で慎重に加えた。生成した混合物を、310〜 345kPaのParr装置で4時間、水素化した。生成した混合物をTLCにより監視した 。完了した後、触媒はアルゴン雰囲気下でセライトパッドを使用して濾過により 除去し、そしてパッドをジクロロメタン(100mL)で洗浄した。濾液を減圧下で 蒸発させ、0.8gの不純物を含む化合物を得、これをカラムクロマトグラフィーに より精製した。収率>95%;融点154〜156℃;[lit.154℃−156℃] ;[α]D+92.24°(c=0.508,CHCl3){lit.[a]D=+ 90°(c=0.5,CHCl3}。IR(KBr)3720、3380、298 0−2840、1580、1510cm-11H NMR(CDCl3)δ0.8 3(s,3H,−CH3)、1.10−2.38(m,16H,−CH,CH3 & −CH2)、2.70−2.90(m,2H,−CH2)、3.75(m,1H, −OCH)、4.10(q,2H,−OCH2)、5.5(s,1H,OH)、6. 67(s,1H,Ar−H)、6.82(s,1H,Ar−H)。分析C2028 3の理論値:C,75.91;H,8.92。測定値:C,75.97;H,8. 96。 実施例7− チューブリンアッセイ 電気泳動的に均質なチューブリンを、ウシの脳からすでに記載されているよう に精製した(Hamelら、Biochemistry 23:4173-4148(1984))。精製したチューブリ ンの重合に関するIC50値の決定は、D'Amatoら(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A91:3 964-3968(1994))により記載されたように行っ た。チューブリンを26℃に種々の濃度の化合物とプレインキューベーションし、 反応混合物を氷上で冷却し、GTP(重合反応に必要)を加え、そして重合は、 請求の範囲 1.以下の構造式:により表される化合物を、以下の構造式 により表される出発化合物から製造する方法であって、出発化合物をBr2および C1〜C5脂肪族カルボン酸から本質的に成る試薬と、脂肪族カルボン酸および 出発化合物が溶解性のエーテル性溶媒中で反応させることを含んで成り、式中、 R1およびR2はそれぞれ独立してヒドロキシルの保護基である上記方法。 2.a)R1およびR2がそれぞれ、ベンジルまたは置換ベンジル基である、請求 の範囲第1項に記載の方法。 3.脂肪族カルボン酸が酢酸であり、そしてヒドロキシルの保護基がベンジル基 である請求の範囲第2項に記載の方法。 4.前駆体化合物が、以下の構造式: により表される化合物をベンジル化することにより製造される請求の範囲第2項 に記載の方法。 5.以下の構造式: 式中、R5は低級アルキル基または置換低級アルキル基である、 により表されるエストラジオールを、以下の構造式: により表される出発化合物から製造する方法であって、該方法が: a)出発化合物をベンジル化して以下の構造式: 式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、ベンジルまたは置換ベンジル基であ る、 により表される第1中間体を形成し; b)第1中間体を、Br2およびC1〜C5脂肪族カルボン酸から本質的に成る試 薬と、脂肪族カルボン酸および第1中間体が溶解性のエーテル性溶媒中で反応さ せて、以下の構造式: により表される第2中間体を形成し; c)第2中間体を有機リチウム試薬およびR4CO+(式中、R4は−H、低級アルキ ル基および置換低級アルキル基から成る群から選択される)の合成等価体と反応 させて、以下の構造式: により表される第3中間体を形成し: d)第3中間体を、アリールアルキルケトンを対応するアリールアルコネートに 酸化することができる酸化剤と反応させて、以下の構造式: により表される第4中間体を形成し; e)第4中間体のアリールアルコネート基を開裂して、以下の構造式: により表される第5中間体を形成し; f)第5中間体の遊離フェノール基を、アルキル化剤R5X(式中、Xは脱離基 である)を用いてアルキル化して、以下の構造式: により表される第6中間体を形成し;そして g)第6中間体を脱ベンジル化してエストラジオールを形成する工程を含んで成 る上記製造法。 6.a)有機リチウム試薬がn-ブチルリチウムであり; b)R4CO+の合成等価体がジメチルホルムアミドであり; d)R4が−Hであり;そして e)酸化剤がm-クロロ過安息香酸である、 請求の範囲第5項に記載の方法。 7.R5がメチル、エチル、(CH2)N-CH2-CH2-、NO2-CH2-CH2-および2,2,2-トリフ ルオロエチルから成る群から選択される、請求の範囲第6項に記載の方法。 8.以下の構造式: 式中、R5は低級アルキル基または置換低級アルキル基である、 により表されるエストラジオールを、以下の構造式: により表される出発化合物から製造する方法であって、該方法が: a)出発化合物をベンジル化して以下の構造式: 式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、ベンジルまたは置換ベンジル基であ る、 により表される第1中間体を形成し; b)第1中間体を、Br2およびC1〜C5脂肪族カルボン酸から本質的に成る試 薬と、脂肪族カルボン酸および第1中間体が溶解性のエーテル性溶媒中で反応さ せて、以下の構造式: により表される第2中間体を形成し; c)第2中間体をアルカリ金属アルコキシドR5O-Y+(式中、Y+はアルカリ金属 カチオンである)、およびヨウ素化銅(I)と反応させて、以下の構造式: により表される第3中間体を形成し: c)第3中間体を、脱ベンジル化してエストラジオールを形成する工程を含んで 成る上記製造法。 9.a)R1およびR2がベンジル基であり; b)R5がメチル、エチル、(CH3)2N-CH2-CH2-、NO2-CH2-CH2-および2,2,2-トリ フルオロエチルから成る群から選択され;そして c)脂肪族カルボン酸が酢酸である、 請求の範囲第8項に記載の方法。 10.以下の構造式: 式中、 R1およびR2は、それぞれ独立してベンジル基または置換ベンジル基であり; そして R3は、−Brである、 により表される化合物。 11.R1およびR2がそれぞれベンジル基である、請求の範囲第10項に記載の 化合物。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の構造式: により表される化合物の製造法であって、Br2またはI2および脂肪族有機酸を以 下の構造式: 式中、R1およびR2はそれぞれ独立してヒドロキシルの保護基であり ;そして R3は−Brまたは−Iである、 により表される前駆体化合物と反応させることを含んで成る上記方法。 2.前駆体化合物をBr2および脂肪族有機酸と反応させ、そしてR3が−Brである 、請求の範囲第2項に記載の方法。 3.a)脂肪族有機酸がC1〜C5脂肪族カルボン酸であり;そして b)R1およびR2がそれぞれ、ベンジルまたは置換ベンジル基である、請求の範 囲第2項に記載の方法。 4.脂肪族有機酸が酢酸であり、そしてヒドロキシルの保護基がベンジ ル基である請求の範囲第3項に記載の方法。 5.前駆体化合物が、以下の構造式:により表される化合物をベンジル化することにより製造される請求の範囲第3項 に記載の方法。 6.以下の構造式: 式中、R5は低級アルキル基または置換低級アルキル基である、 により表されるエストラジオールを、以下の構造式: により表される出発化合物から製造する方法であって、該方法が: a)出発化合物をベンジル化して以下の構造式: 式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、ベンジルまたは置換ベンジル基であ る、 により表される第1中間体を形成し; b)第1中間体をBr2およびC1〜C5脂肪族カルボン酸と反応させて、以下の 構造式: により表される第2中間体を形成し; c)第2中間体を有機リチウム試薬およびR4CO+(式中、R4は−H、低級アルキ ル基および置換低級アルキル基から成る群から選択される) の合成等価体と反応させて、以下の構造式: により表される第3中間体を形成し: d)第3中間体を、アリールアルキルケトンを対応するアリールアルコネートに 酸化することができる酸化剤と反応させて、以下の構造式: により表される第4中間体を形成し; e)第4中間体のアリールアルコネート基を開裂して、以下の構造式: により表される第5中間体を形成し; f)第5中間体の遊離フェノール基を、アルキル化剤R5X(式中、Xは脱離基 である)を用いてアルキル化して、以下の構造式: により表される第6中間体を形成し;そして g)第6中間体を脱ベンジル化してエストラジオールを形成する工程を含んで成 る上記製造法。 7.a)C1〜C5脂肪族カルボン酸が酢酸であり; b)有機リチウム試薬がn-ブチルリチウムであり; c)R4CO+の合成等価体がジメチルホルムアミドであり; d)R4が−Hであり;そして e)酸化剤がm-クロロ過安息香酸である、 請求の範囲第6項に記載の方法。 8.R5がメチル、エチル、(CH2)N-CH2-CH2-、NO2-CH2-CH2-および2,2,2-トリフ ルオロエチルから成る群から選択される、請求の範囲第7項に記載の方法。 9.以下の構造式: 式中、R5は低級アルキル基または置換低級アルキル基である、 により表されるエストラジオールを、以下の構造式: により表される出発化合物から製造する方法であって、該方法が: a)出発化合物をベンジル化して以下の構造式: 式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、ベンジルまたは置換ベンジル基であ る、 により表される第1中間体を形成し; b)Br2および脂肪族有機酸を第1中間体と反応させて、以下の構造式 により表される第2中間体を形成し; b)第2中間体をアルカリ金属アルコキシドR5O-Y+(式中、Y+はアルカリ金属 カチオンである)、およびヨウ素化銅(I)と反応させて、以下の構造式: により表される第3中間体を形成し: c)第3中間体を、脱ベンジル化してエストラジオールを形成する工程を含んで 成る上記製造法。 10.a)R1およびR2がベンジル基であり; b)R3がメチル、エチル、(CH3)2N-CH2-CH2-O-、NO2-CH2-CH2-O-および2,2,2- トリフルオロエチルから成る群から選択され;そして c)脂肪族有機酸が酢酸である、 請求の範囲第9項に記載の方法。 11.以下の構造式: 式中、 R1およびR2は、それぞれ独立してフェノール保護基であり;そして R4は、−H、低級アルキル基および置換低級アルキル基から成る群から選択 される により表される化合物を、以下の構造式: により表される出発化合物から製造する方法であって、出発化合物を有機リチウ ム試薬およびR4CO+の合成等価体と反応させることを含んで成る上記方法。 12.a)R1およびR2がそれぞれベンジル基または置換ベンジル基であり; b)有機リチウム試薬がn-ブチルリチウムであり; c)R4CO+の合成等価体がジメチルホルムアミドであり;そして d)R4が−Hである、 請求の範囲第11項に記載の方法。 13.出発化合物が、Br2および脂肪族有機酸を以下の構造式: により表される化合物と反応させることにより製造される、請求の範囲第12項 に記載の方法。 14.脂肪族有機酸がC1〜C5脂肪族カルボン酸であり、そしてR1およびR2 がそれぞれベンジル基である請求の範囲第13項に記載の方 法。 15.脂肪族有機酸が酢酸である請求の範囲第14項に記載の方法。 16.以下の構造式: により表される化合物。
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