JP2019131510A - ルビプロストンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルビプロストンを効率良く製造可能な方法を提供すること。【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物。【化1】[式(I)中、nは、0〜5の整数を示し、R1は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]【選択図】なし

Description

本発明は、ルビプロストンの製造方法に関する。
下記式で表されるルビプロストン(Lubiprostone)は、慢性便秘症の治療薬として知られる化合物である。ルビプロストンを合成する方法については、これまでにも種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、シクロペンテノン骨格を有する所定の中間体を経てルビプロストンを合成する方法が開示されている。
Figure 2019131510
特許第5755750号公報
本発明は、ルビプロストンを効率良く製造可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、下記式(I)で表される化合物を用いることにより、ルビプロストンを効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供する。
[1]下記一般式(I)で表される化合物。
Figure 2019131510

[式(I)中、
nは、0〜5の整数を示し、
は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
[2]下記一般式(II)で表される化合物。
Figure 2019131510

[式(II)中、
n及びRの定義は、[1]の定義と同一であり、
mは、0〜5の整数を示し、
は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
[3]下記一般式(III)で表される化合物。
Figure 2019131510

[式(III)中、
n及びRの定義は[1]の定義と同一であり、
m及びRの定義は、[2]の定義と同一である。]
[4]下記一般式(IV)で表される化合物。
Figure 2019131510

[式(IV)中、
n及びRの定義は、[1]の定義と同一であり、
m及びRの定義は、[2]の定義と同一である。]
[5]ルビプロストンの製造方法であって、
下記一般式(I)
Figure 2019131510

[式(I)中、
nは、0〜5の整数を示し、
は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
で表される化合物を下記一般式(V)
Figure 2019131510

[式(V)中、
mは、0〜5の整数を示し、
は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示し、
Lは、脱離基を示す。]
で表される化合物と反応させ、下記一般式(II)
Figure 2019131510

[式(II)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
で表される化合物を得る工程、
一般式(II)で表される化合物を酸化して、下記一般式(III)
Figure 2019131510

[式(III)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
で表される化合物を得る工程、
一般式(III)で表される化合物と、下記一般式(VI)
Figure 2019131510

[式(VI)中、Xは、−C(OH)−又は−CO−を示し、Rは、同一又は異なって、アルキル基を示す。]
で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(IV)
Figure 2019131510

[式(IV)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
で表される化合物を得る工程、及び
一般式(IV)で表される化合物を触媒存在下、還元してルビプロストンを得る工程を備える、製造方法。
[6]下記一般式(I)
Figure 2019131510

[式(I)中、
nは、0〜5の整数を示し、
は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
で表される化合物の製造方法であって、
下記一般式(VII)
Figure 2019131510

[式(VII)中、n及びRの定義は前記の定義と同一である。]
で表される化合物を触媒存在下で還元して、前記一般式(I)で表される化合物を得る工程を備える、製造方法。
本発明により、ルビプロストンを効率良く製造可能な方法を提供することができる。
以下に、本明細書において使用する用語などを説明し、本発明を詳細に説明する。
本明細書において「化合物(I)」等の記載は、それぞれ「式(I)で表される化合物」等と同じ化合物を意味する。
本明細書において「アルキル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を意味する。アルキル基は、例えば、炭素数が1〜6個のアルキル基である、C1−6アルキル基であってよい。C1−6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。アルキル基は、炭素数が1〜3個のアルキル基である、C1−3アルキル基であってもよい。
本明細書において「アリール基」とは、芳香族炭化水素基を意味する。アリール基は、例えば、炭素数が6〜10個のアリール基である、C6−10アリール基であってよい。C6−10アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
本明細書において「アラルキル基」とは、アルキル基の水素原子の1つがアリール基で置換されている基を意味する。アラルキル基は、例えば、C1−6アルキル基の水素原子の1つがC6−10アリール基で置換されている、C7−12アラルキル基であってよい。C7−12アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
本明細書において「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を意味する。
本明細書において「アルコキシ基」とは、アルキル基の末端に酸素原子が結合した基であることを意味する。アルコキシ基は、C1−6アルキル基の末端に酸素原子が結合した基である、C1−6アルコキシ基であってよい。C1−6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
<ルビプロストンの製造方法>
本実施形態のルビプロストンの製造方法は、以下の反応スキームに示すとおりである。
Figure 2019131510

[式中、nは、0〜5の整数を示し、Rは、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示し、Rは、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
本実施形態のルビプロストンの製造方法によれば、化合物(I)、(II)、(III)、及び(IV)を経て、ルビプロストンが製造される。すなわち、本発明の一実施形態として、化合物(I)、(II)、(III)、又は(IV)が提供される。これらの化合物を経て、ルビプロストンを製造する場合、より効率良くルビプロストンを製造することができる。化合物(I)は、結晶化による精製がより容易であり、ルビプロストンの製造原料(又は中間体)として好適に用いることができる。以下、本実施形態に係るルビプロストンの製造方法における各工程について述べる。
<工程A>
工程Aは、下記一般式(I)
Figure 2019131510

[式(I)中、
nは、0〜5の整数を示し、
は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
で表される化合物を下記一般式(V)
Figure 2019131510

[式(V)中、
mは、0〜5の整数を示し、
は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示し、
Lは、脱離基を示す。]
で表される化合物と反応させ、下記一般式(II)
Figure 2019131510

[式(II)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
で表される化合物を得る工程である。
一般式(I)中、nは、0〜5の整数を示す。nは、0〜3の整数であってよく、0〜1の整数であってよく、0であってよい。
一般式(I)中、Rは、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。
本発明の一実施形態として、一般式(I)で表される化合物が提供される。n及びmが0である場合、下記式で表される7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸が提供される。化合物(I)は、例えば、後述する方法により得ることができる。化合物(I)は、無水物、水和物、及び溶媒和物のいずれであってもよい。
Figure 2019131510
一般式(V)中、mは、0〜5の整数を示す。mは、0〜3の整数であってよく、0〜1の整数であってよく、0であってよい。mは、nと同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(V)中、Lは、脱離基を示す。Lは、例えば、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基であってよい。ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であってよい。
化合物(V)は、例えば、塩化ベンジル、又は臭化ベンジルであってよい。化合物(V)は、市販品を用いることができる。
化合物(V)の使用量は、化合物(I)のモル数に対して、例えば、1〜5当量、又は1.1〜1.3当量であってよい。
工程Aでは、化合物(I)と化合物(V)とを塩基存在下で反応させてよい。塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネンが挙げられる。塩基の使用量は、例えば、化合物(I)のモル数に対して、1〜5当量、又は1.3〜1.5当量であってよい。
工程Aでは、化合物(I)と化合物(V)とを溶媒存在下で反応させてよい。工程Aで使用する溶媒は、工程Aで使用する原料の種類等により適宜選択してよい。工程Aで使用する溶媒としては、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素が挙げられる。溶媒を使用する場合、溶媒は単独で用いても複数種を組み合わせて用いてもよい。
工程Aにおける溶媒の使用量は、化合物(I)の質量基準で、1〜100倍量(v/w)、又は2〜10倍量(v/w)であってよい。
工程Aにおける反応温度は、使用する原料、溶媒の種類等によって異なるが、例えば、0℃〜還流温度であってよく、40〜60℃であってよい。工程Aにおける反応時間は、反応温度等によって異なるが、例えば、1〜100時間であってよく、2〜5時間であってよい。
反応において生成した化合物(II)は、常法に従って反応混合物から得ることができる。例えば、反応終了後の反応溶液に対し、有機溶媒(例えばトルエン)の添加、ろ過、洗浄等を行い、得られた液を濃縮することにより、化合物(II)を得ることができる。
本発明の一実施形態として、一般式(II)で表される化合物が提供される。n及びmが0である場合、下記式で表される7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸ベンジルが提供される。
Figure 2019131510
<工程B>
工程Bは、一般式(II)で表される化合物を酸化して、下記一般式(III)
Figure 2019131510

[式(III)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
で表される化合物を得る工程である。
工程Bでは、化合物(II)と酸化剤とを混合して、化合物(II)を酸化することにより、化合物(III)を得ることができる。化合物(II)の酸化には、例えば、アルコールをケトン又はアルデヒドに酸化する公知の方法を適用することができる。化合物(II)の酸化には、例えば、パリック・デーリング酸化(Parikh−DoeringOxidation)、スワーン酸化(Swern Oxidation)等のジメチルスルホキシド(DMSO)と、後述するDMSOの活性化剤と、を用いた酸化反応等を適用することができる。
活性化剤としては、例えば、三酸化硫黄ピリジン錯体、塩化オキサリルが挙げられる。活性化剤の使用量は、化合物(II)のモル数に対して、例えば、2〜30当量、又は5〜10当量であってよい。活性化剤として、三酸化硫黄ピリジン錯体、塩化オキサリルを使用する場合、通常、塩基が共に用いられる。この場合、DMSOの使用量は、例えば、化合物(II)の質量基準で、1〜20倍量(v/w)、又は3〜15倍量(v/w)であってよい。また、塩基の使用量は、化合物(II)のモル数に対して、例えば、2〜50当量、又は10〜20当量であってよい。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンが挙げられる。
工程Bでは、化合物(II)を溶媒存在下で酸化してよい。工程Bで使用する溶媒は、工程Bで使用する原料の種類等により適宜選択してよい。工程Bで使用する溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエンが挙げられる。溶媒を使用する場合、溶媒は単独で用いても複数種を組み合わせて用いてもよい。
工程Bにおける溶媒の使用量は、化合物(II)の質量基準で、1〜100倍量(v/w)、又は5〜30倍量(v/w)であってよい。
工程Bにおける反応温度は、使用する原料、溶媒の種類等によって異なるが、例えば、−20〜20℃であってよく、−10〜10℃であってよい。工程Bにおける反応時間は、反応温度等によって異なるが、例えば、1〜100時間であってよく、1〜5時間であってよい。
反応において生成した化合物(III)は、反応終了後、反応液に対して、適宜抽出、洗浄、濃縮、精製、乾燥等の操作を行い、反応液から得ることができる。例えば、後述する実施例に記載の方法で、反応液から化合物(III)を得ることができる。
本発明の一実施形態として、一般式(III)で表される化合物が提供される。n及びmが0である場合、下記式で表される7−((1R,2R,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−ホルミル−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸ベンジルが提供される。
Figure 2019131510
<工程C>
工程Cは、一般式(III)で表される化合物と、下記一般式(VI)
Figure 2019131510

[式(VI)中、Xは、−C(OH)−又は−CO−を示し、Rは、同一又は異なって、アルキル基を示す。]
で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(IV)
Figure 2019131510

[式(IV)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
で表される化合物を得る工程である。
一般式(VI)中、Xは、−C(OH)−又は−CO−を示し、Rは、同一又は異なって、アルキル基を示す。アルキル基は、C1−6アルキル基であってよく、C1−3アルキル基であってよく、メチル基であってよい。
化合物(VI)の使用量は、例えば、化合物(III)のモル数に対して、1.0〜3.0当量、又は1.05〜1.1当量であってよい。
化合物(III)と、化合物(VI)との反応は、触媒存在下で行ってよい。触媒としては、例えば、水酸化亜鉛、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムが挙げられる。触媒の使用量は、例えば、化合物(VI)のモル数に対して、1.0〜2.0当量、又は1.1〜1.2当量であってよい。
また、化合物(III)と、化合物(VI)との反応は、溶媒存在下で行ってよい。工程Cで使用する溶媒は、工程Cで使用する原料の種類等により適宜選択してよい。工程Cで使用する溶媒は、例えば、環式又は非環式脂肪族エーテルであってよく、これを単独又はその他の溶媒と組み合わせて使用してもよい。環式又は非環式脂肪族エーテルとその他の溶媒との組み合わせの例としては、例えば、tert−ブチルメチルエーテルとジクロロメタンとの組み合わせが挙げられ、類似の溶媒の組み合わせであってもよい。工程Cで使用する溶媒は、水を含有していてよい。水の含有量は、溶媒全量基準で、0.1〜10質量%であってよい。
工程Cにおける溶媒の使用量は、化合物(II)の質量基準で、1〜100倍量(v/w)、又は10〜15倍量(v/w)であってよい。
工程Cにおける反応温度は、使用する原料、溶媒の種類等によって異なるが、例えば、0〜40℃であってよく、20〜25℃であってよい。工程Cにおける反応時間は、反応温度等によって異なるが、例えば、1〜100時間であってよく、12〜24時間であってよい。
反応において生成した化合物(IV)は、反応終了後、反応液に対して、適宜抽出、洗浄、濃縮、精製、乾燥等の操作を行い、反応液から得ることができる。例えば、後述する実施例に記載の方法で、反応液から化合物(IV)を得ることができる。
本発明の一実施形態として、一般式(IV)で表される化合物が提供される。n及びmが0である場合、下記式で表される7−((1R,2R,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−((E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−1−オクテニル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸ベンジルが提供される。
Figure 2019131510
<工程D>
工程Dは、一般式(IV)で表される化合物を触媒存在下、還元してルビプロストンを得る工程である。化合物(IV)における置換又は無置換のベンジル基の脱保護により、ルビプロストンを得ることができる。
化合物(IV)の還元は、例えば、水素雰囲気中、触媒存在下で行うことができる。工程Dで使用する触媒は、例えば、パラジウム触媒、ラネーニッケル触媒が挙げられる。触媒は、微細な固体であってもよいし、炭素、アルミナのような不活性担体上に担持されていているものであってもよい。触媒は、水分を含んでいてもよい。触媒の使用量は、例えば、化合物(IV)の質量基準で、0.001〜10倍量(w/w)、又は0.1〜1倍量(w/w)であってよい。
化合物(III)の還元は、溶媒存在下で行ってよい。工程Dで使用する溶媒は、工程Dで使用する原料、触媒の種類等により適宜選択してよい。工程Dで使用する溶媒としては、例えば、2−プロパノール、エタノール、メタノール、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジクロロメタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素が挙げられる。溶媒を使用する場合、溶媒は単独で用いても複数種を組み合わせて用いてもよい。
工程Dにおける溶媒の使用量は、化合物(IV)の質量基準で、1〜100倍量(v/w)、又は10〜15倍量(v/w)であってよい。
工程Dにおける反応温度は、使用する原料、溶媒の種類等によって異なるが、例えば、0〜40℃であってよく、20〜25℃であってよい。工程Dにおける反応時間は、反応温度等によって異なるが、例えば、1〜24時間であってよく、2〜3時間であってよい。
反応において生成したルビプロストンは、反応終了後、反応液に対して、適宜抽出、濃縮、精製、乾燥等の操作を行い、反応液から得ることができる。例えば、反応終了後の反応液に対して、ろ過(メンブランろ過)、溶媒による洗浄、ろ液の濃縮等を実施する。得られた濃縮物に対して、シリカゲルカラム精製、結晶化精製(再結晶)等を行うことにより、ルビプロストンを得ることができる。具体的な条件の一例は、実施例に記載のとおりである。
<化合物(I)の製造方法>
化合物(I)は、以下のスキームに示す方法に従って合成可能である。
Figure 2019131510

[式中、n及びRは、前記の定義と同一である。]
一般式(1)で表される化合物の製造方法は、下記一般式(VII)
Figure 2019131510

[式(VII)中、n及びRの定義は前記の定義と同一である。]
で表される化合物を触媒存在下で還元して、一般式(I)で表される化合物を得る工程(反応工程)を備える。
nが0である場合(保護基としてベンジル基を用いる場合)の化合物(VII)は、例えば、後述する実施例(製造例1〜4)に記載の方法で製造することができる。nが1〜5である化合物(VII)は、保護基として、ベンジル基の代わりに、n個のベンゼン環の水素原子がRで定義される基で置換されたベンジル基を用いることにより、製造することができる。
反応工程における化合物(VII)の還元は、例えば、水素雰囲気中、触媒存在下で行うことができる。使用する触媒は、例えば、パラジウム触媒、白金触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒、ラネーニッケル触媒、イリジウム触媒、オスミウム触媒が挙げられる。触媒は均一系触媒であってもよいし、微細な固体であってもよく、炭素、アルミナのような不活性担体上に担持されていているものであってもよい。触媒は、水分を含んでいてもよい。触媒の使用量は、均一系触媒であれば、例えば、化合物(VII)のモル数に対して、0.001〜1当量、又は0.01〜0.5当量であってよい。微細な固体、又は、不活性担体上に担持された触媒であれば、例えば、化合物(IV)の質量基準で、0.001〜10倍量(w/w)、又は0.1〜1倍量(w/w)であってよい。
反応工程における化合物(VII)の還元は、塩基存在下で行ってもよく、塩基非存在下で行ってもよい。反応工程で使用し得る塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウムが挙げられる。塩基の使用量は、例えば、化合物(VII)のモル数に対して、1〜5当量、又は2〜3当量であってよい。
反応工程における化合物(VII)の還元は、溶媒(反応溶媒)存在下で行ってよい。反応溶媒は、原料、触媒の種類等により適宜選択してよい。使用する反応溶媒としては、例えば、メタノール、アセトニトリル、水、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素が挙げられる。反応溶媒を使用する場合、反応溶媒は単独で用いても複数種を組み合わせて用いてもよい。
反応工程における反応溶媒の使用量は、化合物(VII)の質量基準で、5〜30倍量(v/w)、又は10〜20倍量(v/w)であってよい。
反応工程における反応温度は、使用する原料、溶媒の種類等によって異なるが、例えば、0〜40℃であってよく、20〜25℃であってよい。反応工程における反応時間は、反応温度等によって異なるが、例えば、1〜100時間であってよく、15〜24時間であってよい。
反応において生成した化合物(I)は、反応終了後、反応液に対して、適宜抽出、濃縮、精製、乾燥等の操作を行い、反応液から得ることができる。具体的な条件の一例は、実施例に記載のとおりである。
化合物(I)の製造方法(化合物(I)の結晶の製造方法)は、化合物(I)を含む溶液から、化合物(I)を析出させる工程(結晶化工程)を備えていてよい。
化合物(I)を含む溶液は、反応工程における反応液に対し、触媒等の不溶物をろ過及び洗浄等を行って、反応液から不溶物が除去されたろ液であってよく、当該ろ液を濃縮し、濃縮残渣を結晶を析出させるための溶媒を用いて溶解した溶液であってもよい。
溶液を調製する際、必要により溶液を所定の温度(例えば、50℃)に加熱してもよい。また、溶液を調製する際、必要により溶液を塩基性化してもよい。この場合、塩基性化した溶液のpHは、9〜12であってよい。溶液の塩基性化は、例えば、水酸化ナトリウムを含む水溶液を添加することにより行ってもよい。
結晶を析出させるための溶媒は、化合物(I)の結晶化(再結晶)が可能なものであれば特に制限されないが、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ヘキサン、トルエン、2−プロパノール、アセトニトリル、水又はこれらの組み合わせであってよい。結晶を析出させるための溶媒として、上記の反応溶媒と同種の溶媒を用いてもよい。
化合物(I)を含む溶液から化合物(I)の結晶を析出させるために、溶液の温度を所定の温度(例えば、氷冷温度)まで低下させることができる。溶液の温度は、例えば、連続的又は断続的に低下させてもよい。また、化合物(I)を含む溶液が水を含有する場合、化合物(I)を含む溶液から化合物(I)の結晶を析出させるために、溶液を酸性化させることができる。この場合、酸性化した溶液のpHは、例えば、1〜3であってよい。溶液の酸性化は、例えば、塩酸を添加することにより行ってもよい。
以下に実施例を掲げて詳細に説明するが、本発明は、これに限定されない。実施例において使用される略語は当業者に周知の慣用的な略語である、いくつかの略語は以下に示す。
Bn:ベンジル基
TIPS:トリイソプロピルシリル基
製造例1:(3aR,4S,5R,6aS)−5−(ベンジルオキシ)−4−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オンの合成
Figure 2019131510
温度計を設置した1000mL四つ口フラスコに(3aR,4S,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン 50.0g(290mmol)、イミダゾール35.6g(523mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mL、及びトルエン300mLを加え攪拌した。内温20℃となるようにクロロトリイソプロピルシラン61.6g(1.1eq.,319mmol)を加えた。内温20〜40℃で6時間攪拌したのち、反応液を氷冷し、リン酸二水素カリウム39.5gを水400mLに溶解したものを加えた。トルエン50mLを加えた後分液し、水層を再びトルエン200mLで抽出し、有機層を合わせて水50mLで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで減圧濃縮することで濃縮物102.4gを得た。これをそのまま温度計を設置した1000mL四つ口フラスコに加え、エチルジイソプロピルアミン150.1g(1161mmol)、ヨウ化カリウム19.3g(116mmol)、臭化ベンジル149g(871mmol)を加え、内温130℃で5時間攪拌後、反応液を17℃まで冷却し、水250mLとトルエン150mLを加えて分液後、水層を更にトルエン100mLで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和塩化アンモニウム水溶液100mLで1回、1M塩酸100mLで1回、水100mLで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで減圧濃縮した。濃縮残渣をヘキサンを用いて再結晶することで、(3aR,4S,5R,6aS)−5−(ベンジルオキシ)−4−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン69.3g(収率57%,(−)−コーリーラクトン基準)を得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
0.95-1.16 (m, 21H), 2.15-2.27 (m, 3H),2.50-2.57 (m, 1H), 2.74-2.83 (m, 2H), 3.61-3.70 (m, 2H), 3.92-3.96 (m, 1H), 4.39,4.55 (ABq, 2H, JAB=11.8Hz), 4.94-4.98 (m, 1H), 7.23-7.34 (m, 5H)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
11.94, 18.11, 35.76, 37.49, 39.56, 54.81,63.35, 71.19, 81.43, 84.54, 127.67, 127.71, 128.47, 138.20, 177.34
融点(m.p.): 49-50℃
製造例2:(3aR,4S,5R,6aS)−5−(ベンジルオキシ)−4−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オールの合成
Figure 2019131510
温度計、及び三方コックを設置した1000mL四つ口フラスコに(3aR,4S,5R,6aS)−5−(ベンジルオキシ)−4−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン68.0g(162mmol)、トルエン578mLを加え攪拌溶解した。窒素雰囲気下、氷−食塩浴で内温−22℃まで冷却し、1M 水素化ジイソブチルアルミニウム171mL(171mmol)を2時間かけて滴下した。反応終了後に酒石酸ナトリウムカリウム四水和物98.4g(2.0eq.,325mmol)を水290mLに溶解したものを加えた。1時間攪拌後、分液し、水層をトルエン100mLで2回抽出し、有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで減圧濃縮することで(3aR,4S,5R,6aS)−5−(ベンジルオキシ)−4−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール71.6gを得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
1.01-1.14 (m, 21H), 1.84-1.90 (m, 0.84H),1.96-2.12 (m, 2.69H), 2.23-2.38 (m, 1.52H), 2.46-2.54 (m, 0.79H), 2.62-2.69 (m,0.63H), 3.18 (br d, 0.64H, J=2.7 Hz), 3.48-3.52 (m, 0.41H), 3.63-3.72 (m,1.70H), 3.87-3.92 (m, 0.64H), 4.02-4.04 (m, 0.40H), 4.43, 4.52 (ABq,1.15H, JAB=11.9 Hz), 4.50, 4.59 (ABq, 0.80H, JAB=11.9Hz), 4.64-4.68 (m, 1H), 5.26 (d, 0.39H, J=10.0 Hz), 5.39-5.43 (m, 0.41H),5.62-5.65 (m, 0.64H), 7.22-7.33 (m, 5H)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
12.00, 18.14, 37.84, 39.82, 40.38, 42.29,42.39, 43.92, 54.13, 55.87, 63.16, 65.00, 71.24, 71.37, 81.86, 82.01, 84.59,86.40, 100.18, 101.59, 127.52, 127.69, 127.93, 128.07, 128.39, 128.56, 137.38,138.77
製造例3:(Z)−7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)シクロペンチル) −5−へプテン酸の合成
Figure 2019131510
温度計及び三方コックを設置した1000mL四つ口フラスコにカリウム−tert−ブトキシド109.3g(974.4mmol)、テトラヒドロフラン476mLを加え、氷冷下攪拌溶解した。窒素雰囲気下、4−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウムブロミド144.0g(324.8mmol)を加え、氷冷下1時間攪拌し、(3aR,4S,5R,6aS)−5−(ベンジルオキシ)−4−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール71.6g(68.3g,162mmol相当)のテトラヒドフラン95mL溶液を2時間かけて滴下した。氷冷下70分攪拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液500mLを加え反応液を分液後、水層を酢酸エチル150mLで2回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水100mLで1回洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターで減圧濃縮することで(Z)−7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)シクロペンチル)−5−へプテン酸176.3gを得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
0.98-1.10 (m, 21H), 1.53-1.66 (m, 3H),1.70-1.76 (m, 1H), 2.00-2.26 (m, 7H), 2.30-2.38 (m, 1H), 3.49 (dd, 1H, J=5.9Hz, 9.6 Hz), 3.73-3.77 (m, 1H), 4.00 (br d, 1H, J=5.4 Hz), 4.11 (br t, 1H, J=3.7Hz), 4.51 (s, 2H), 5.33-5.44 (m, 2H), 7.21-7.32 (m, 5H)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
11.99, 18.14, 25.48, 26.81, 26.98, 34.92,40.23, 46.33, 52.59, 63.93, 70.85, 74.87, 83.39, 127.60, 127.73, 128.46,129.29, 130.04, 138.36, 179.86
製造例4:(Z)−7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)−5−へプテン酸の合成
Figure 2019131510
300mLナスフラスコに(Z)−7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)シクロペンチル)−5−へプテン酸6.47g(理論含量6.03g,11.9mmol)、テトラヒドロフラン25mL、1M−テトラブチルアンモニウムフロリド25mL(25mmol)を加え、外浴45℃で3時間攪拌後、テトラヒドロフランをエバポレーターで減圧濃縮した。粗体に飽和塩化アンモニウム水溶液50mLと酢酸エチル50mLを加え、分液した。水層を酢酸エチル50mLで再抽出し、有機層を合わせて10%食塩水50mLで2回洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターで減圧濃縮することで(Z)−7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)−5−へプテン酸6.11gを得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
1.45−1.52 (m, 1H), 1.59−1.74 (m, 2H), 1.76-1.82 (m, 1H), 2.00-2.36 (m, 8H),3.42 (dd, 1H, J=7.3 Hz, 11.0 Hz), 3.68-3.72 (m, 1H), 3.94 (br d, 1H, J=5.5 Hz),4.12 (br t, 1H, J=3.2 Hz), 4.49 (s, 2H), 5.33-5.53 (m, 2H), 7.21-7.33 (m, 5H)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
24.63, 26.48, 26.97, 33.31, 39.61, 47.14,52.10, 63.66, 70.90, 74.72, 83.37, 127.78, 128.54, 129.45, 129.58, 138.13,178.22
製造例5−1:7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸の合成1
Figure 2019131510
500mLナスフラスコに(Z)−7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)−5−へプテン酸30.50g(理論含量12.37g,34.34mmol)を加え、メタノール124mL、5%−パラジウム/アルミナ4.33gを加え、窒素置換を3回行った後、水素置換2回行い、激しく攪拌して反応を開始した。外浴25℃で3時間攪拌後、反応液をろ過し、固体をメタノール100mLで洗浄し、ろ液をエバポレーターで減圧濃縮することで濃縮物30.49gを得た。濃縮物に酢酸エチル150mLを加え、氷冷下50分攪拌後、生じた結晶をろ過し、冷酢酸エチル70mLで洗浄し減圧乾燥後、7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸5.10g(14.6mmol,42%,(3aR,4S,5R,6aS)−5−(ベンジルオキシ)−4−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン基準)を得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
1.13-1.46 (m, 11H), 1.59-1.64 (m, 1H),1.72-1.78 (m, 1H), 1.89-1.94 (m, 1H), 2.15 (t, 2H, J=7.3 Hz), 3.32 (dd, 1H, J=5.0Hz, 10.5 Hz), 3.46 (dd, 1H, J=4.1 Hz, 11.0 Hz), 3.74-3.78 (m, 1H), 3.93 (br s,1H), 4.04 (br s, 1H), 4.37, 4.40 (ABq, 2H, JAB=11.9 Hz), 7.19-7.31(m, 5H)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
25.09, 27.90, 28.06, 29.20, 29.85, 34.23,40.56, 45.22, 52.01, 61.38, 70.65, 71.28, 81.36, 127.66, 127.89, 128.63,139.71, 175.10
m.p.: 100-101℃
製造例5−2:7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸の合成2
25mLナスフラスコに(Z)−7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)−5−へプテン酸0.653g(1.87mmol)、アセトニトリル7mL、水7mL、及び、1M−水酸化ナトリウム4mLを加え溶解し、5%−パラジウム/炭素(乾燥換算)0.150gを加え、窒素置換を3回行った後、水素置換を2回行い、激しく攪拌して反応を開始した。外浴25℃で18時間攪拌後、反応液をろ過し、触媒を水10mLで洗浄後、6M−塩酸で酸性化して生じた結晶をろ過し、水20mLで洗浄し減圧乾燥後、7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸0.557g(1.59mmol,85%)を得た。
製造例6:7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸ベンジルの合成
Figure 2019131510
25mLナスフラスコに7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸1.00g(2.85mmol)、アセトン5mL、炭酸カリウム0.592g(4.28mmol)、及び臭化ベンジル0.406mL(3.42mmol)を加え、還流下で攪拌した。4時間後、室温まで冷却しトルエン5mLを加えて、ろ過し、固体をトルエン10mLで洗浄したのち、エバポレーターで減圧濃縮することで、7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸ベンジル1.33gを得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
1.20-1.49 (m, 8H), 1.61-1.65 (m, 3H),1.74-1.80 (m, 1H), 1.98 (br s, 1H), 2.06 (d, 1H, J=4.6 Hz), 2.32-2.36 (m, 2H),3.37 (dd, 1H, J=7.8 Hz, 10.6 Hz), 3.68-3.72 (m, 1H), 3.96 (dd, 1H, J=0.9 Hz,4.6 Hz), 4.12 (br s, 1H), 4.51 (s, 2H), 5.10 (s, 2H), 7.24-7.40 (m, 10H)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
25.00, 28.24, 29.14, 29.37, 29.63, 34.39,39.76, 47.01, 52.71, 64.23, 66.20, 70.76, 74.57, 83.63, 127.74, 128.27, 128.54,128.64, 136.18, 138.21, 173.87
製造例7:7−((1R,2R,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−ホルミル−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸ベンジルの合成
Figure 2019131510
温度計、及び三方コックを設置した50mL三つ口フラスコに7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸ベンジル1.33g(理論含量1.26g,2.85mmol)、ジクロロメタン7.5mL、ジメチルスルホキシド5mL、トリエチルアミン1.73g(17.1mmol)を加え、氷冷攪拌しながら、三酸化イオウピリジン錯体を0.877g(5.50mmol)ずつ3回を加えた。2時間攪拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液10mL加え分液し、水層をジクロロメタン10mLで抽出し、有機層を合わせて水10mLで2回洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターで減圧濃縮することで7−((1R,2R,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−ホルミル−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸ベンジル1.28gを得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
1.20-1.32 (m, 6H), 1.43-1.52 (m, 1H),1.57-1.64 (m, 2H), 1.70-1.80 (m, 1H), 2.30-2.40 (m, 3H), 2.46-2.51 (m, 1H),2.68 (ddd, 1H, J=1.4 Hz, 6.9 Hz, 18.3 Hz), 3.02-3.08 (m, 1H), 4.32 (q, 1H, J=6.9Hz), 4.48-4.57 (m, 2H), 5.09 (s, 2H), 7.25-7.37 (m, 10H), 9.85 (d, 1H, J=2.3Hz)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
24.88, 27.06, 28.89, 29.16, 29.34, 34.29,44.40, 49.16, 60.47, 66.17, 72.12, 74.67, 127.84, 128.23, 128.28, 128.64,128.71, 136.18, 137.25, 173.63, 200.52, 213.55
製造例8:7−((1R,2R,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−((E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−1−オクテニル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸ベンジルの合成
Figure 2019131510
25mLナスフラスコに3,3−ジフルオロ−4−オキソヘプチルリン酸ジメチル0.787g(2.85mmol)、tert−ブチルメチルエーテル2mL、水酸化亜鉛0.340g(3.42mmol)、水0.050mLを加え、外浴25℃で1時間攪拌後、滴下漏斗より7−((1R,2R,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−ホルミル−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸ベンジル1.28g(2.85mmol)のジクロロメタン0.5mL溶液を加え、更にジクロロメタン1.5mLで洗い込んだ後、15時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液10mL加えてジクロロメタン10mLで2回抽出し、有機層を合わせて水10mLで洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターで減圧濃縮することで濃縮物1.67gを得た。得られた濃縮物はシリカゲルカラム(移動相:ヘキサン−酢酸エチル混液)により精製し、7−((1R,2R,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−((E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−1−オクテニル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸ベンジル1.35g(2.37mmol,83%,7−((1R,2S,3R,5S)−3−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)ヘプタン酸基準)を得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
0.89-0.92 (m, 3H), 1.17-1.64 (m, 14H),1.94-2.16 (m, 3H), 2.24-2.33 (m, 3H), 2.73-2.84 (m, 2H), 3.93-3.99 (m, 1H),4.48-4.58 (m, 2H), 5.09 (s, 2H), 6.68 (d, 1H, J=15.5 Hz), 7.07-7.13 (m, 1H), 7.25-7.37(m, 10H)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
13.86, 22.51, 23.45, 24.89, 26.59, 27.86,28.89, 29.35, 32.82, 34.27, 44.36, 52.05, 53.94, 66.17, 72.48, 77.72, 118.83,124.18, 127.83, 128.18, 128.28, 128.63, 128.67, 136.19, 137.40, 151.32, 173.62,189.00, 213.26
製造例9:ルビプロストンの合成
Figure 2019131510

1000mLナスフラスコに7−((1R,2R,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−((E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−1−オクテニル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸ベンジル15.0g(26.4mmol)、2−プロパノール150mL、20%水酸化パラジウム/炭素(乾燥換算)3.8gを加え、窒素置換を3回行った後、水素置換を2回行い、激しく攪拌して反応を開始した。外浴25℃で3時間攪拌後、反応液をメンブランろ過し、2−プロパノール75mL(5v/w)で洗浄した。ろ液をエバポレーターで減圧濃縮し、濃縮物21.9gをシリカゲルカラム(移動相:ヘキサン−酢酸エチル混液)により精製し、更にヘキサン−酢酸エチルより結晶化精製をおこない、ルビプロストン5.95g(15.2mmol,収率58%)を得た。
1H-NMR:(CDCl3, 400 MHz)δ(ppm)=
0.92 (t, 3H, J=7.3 Hz), 1.31-2.05 (m, 22H),2.24 (dd, 1H, J=11.4 Hz, 17.4 Hz), 2.32-2.35 (m, 2H), 2.56 (dd, 1H, J=7.3 Hz,17.8 Hz), 2.76 (br s, 1H), 4.13-4.20 (m, 1H)
13C-NMR:(CDCl3, 100 MHz)δ(ppm)=
14.02, 22.67, 23.10, 23.62, 24.67, 27.05,27.28, 28.10, 28.88, 29.52, 30.59, 34.06, 43.73, 46.06, 53.27, 71.71, 97.30,122.44, 179.91, 214.31
m.p.: 60.7℃(DSC)

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物。
    Figure 2019131510

    [式(I)中、
    nは、0〜5の整数を示し、
    は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
  2. 下記一般式(II)で表される化合物。
    Figure 2019131510

    [式(II)中、
    n及びRの定義は請求項1の定義と同一であり、
    mは、0〜5の整数を示し、
    は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
  3. 下記一般式(III)で表される化合物。
    Figure 2019131510

    [式(III)中、
    n及びRの定義は請求項1の定義と同一であり、
    m及びRの定義は請求項2の定義と同一である。]
  4. 下記一般式(IV)で表される化合物。
    Figure 2019131510

    [式(IV)中、
    n及びRの定義は請求項1の定義と同一であり、
    m及びRの定義は請求項2の定義と同一である。]
  5. ルビプロストンの製造方法であって、
    下記一般式(I)
    Figure 2019131510

    [式(I)中、
    nは、0〜5の整数を示し、
    は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
    で表される化合物を下記一般式(V)
    Figure 2019131510

    [式(V)中、
    mは、0〜5の整数を示し、
    は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示し、
    Lは、脱離基を示す。]
    で表される化合物と反応させ、下記一般式(II)
    Figure 2019131510

    [式(II)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
    で表される化合物を得る工程、
    一般式(II)で表される化合物を酸化して、下記一般式(III)
    Figure 2019131510

    [式(III)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
    で表される化合物を得る工程、
    一般式(III)で表される化合物と、下記一般式(VI)
    Figure 2019131510

    [式(VI)中、Xは、−C(OH)−又は−CO−を示し、Rは、同一又は異なってアルキル基を示す。]
    で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(IV)
    Figure 2019131510

    [式(IV)中、n、R、m及びRは、前記の定義と同一である。]
    で表される化合物を得る工程、及び
    一般式(IV)で表される化合物を触媒存在下、還元してルビプロストンを得る工程を備える、製造方法。
  6. 下記一般式(I)
    Figure 2019131510

    [式(I)中、
    nは、0〜5の整数を示し、
    は、同一又は異なって、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    下記一般式(VII)
    Figure 2019131510

    [式(VII)中、n及びRの定義は前記の定義と同一である。]
    で表される化合物を触媒存在下で還元して、前記一般式(I)で表される化合物を得る工程を備える、製造方法。
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KR20160070457A (ko) * 2014-12-10 2016-06-20 연성정밀화학(주) 루비프로스톤의 제조방법 및 그를 위한 중간체

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