JP2001514486A - エイチ.ピロリ抗原 - Google Patents

エイチ.ピロリ抗原

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Abstract

(57)【要約】 エイチ.ピロリ(H.pylori)由来の新規な抗原が提供される。。エイチ.ピロリ感染の診断におけるその使用、該診断をする方法並びにその方法に使用するためのキットも開示される。さらに、この抗原の新規な抗原性断片が、この抗原の少なくとも一つかまたは抗原性断片の一つ以上を含むワクチンと共に開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 エイチ.ピロリ抗原 本発明はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の新規な抗原又はそ の抗原性断片、ヘリコバクター・ピロリの検出におけるこの抗原又はその断片の 使用、及びそれらを含むキットに関し、さらに抗原又はその断片を含むワクチン 並びにこの抗原の単離法に関する。 哺乳類、そして特にヒトにおける腸感染は、共通の粘液免疫系の活性化により 唾液などの粘液分泌の免疫応答を刺激する。この応答は、一般にIgA抗体の存 在を特徴とするけれども、初期においてはしばしば血清中での抗体応答と平行し て起こる。しかしながら、分泌における免疫応答は、唾液を含め、身体からの抗 原(例えば、細菌やウイルス)の消失の後に急速に減少する。従って、粘液分泌 中に抗体が存在することは現在、すなわち、現時点で感染していることを反映す る。例えば、微生物感染の場合には、粘液分泌物中の抗体は、以下には分泌性抗 体と呼ぶか、腸管などにおける微生物の集落形成の現在の状況を反映する。従っ て、現時点での感染を監視するのに有用である。他方、血清の抗体は身体から微 生物が消失した後も暫くの間残存する。従って、血清の抗体テストが陽性である ときは過去の抗原への曝露と現在の抗原への曝露の両方を反映しており、臨床医 にとってあまり助けにならない。他方、分泌抗体テストが陽性であることは微生 物による現在すなわち現時点での感染を示している。 エイチ.ピロリの感染は、胃粘膜の生検についての、顕微鏡、微生物培養又は ウレアーゼ検出によって、ウレア・ブレス・テストによって、又は血清ELIS Aにおける特異的抗体の存在によって診断することができる。エイチ.ピロリの 感染は、胃粘膜の感染であるか、胃の分泌におけるIgA抗体の応答を引き出す と予想されるかも知れない。しかしながら、粘液分泌物中のエイチ.ピロリ−特 異的抗体はIgGクラスのものであり、予想されてきたようなIgAではないこ とが発見された。IgA抗体は、あるとしても、ほとんど検出されなかった。そ こで、AU−A−9067676号はエイチ.ピロリ抗原に特異的な粘液分泌物 中のIgG検出と取り組み、それによって哺乳類のその微生物による現在のすな わち、今の感染を監視する手段を提供する。対応する学術的出版物はウイットら による、フロンティアズ・イン・ミュコサル・イミュノロジー,,693-696(19 91)である。 ヘリコバクター・ピロリ陽性患者の唾液中にIgG抗体が存在することはアメ リカン・ガストロエンテロロジカル・アソシエーションの年次総会のプロシーデ ィングズで一部注目を受けた。1989年のプロシーディングズでこのような抗 体の存在についてジン(Czinn)らが発表した後、ラーセン(Larsen)らは、19 91年5月のプロシーディングズで、唾液のIgGレベルは抗生物質治療のコー スの間の治療応答についての実用的、非侵襲的なマーカーであると結論した。1 992年4月のプロシーディングズで、ランデス(Landes)らはそれまでの観察 を確認し、そして唾液中のヘリコバクター・ピロリに対するIgGの測定は、エ イチ.ピロリ陽性患者、特に他のテスト法が実用的でない広範囲の又は小児科の 母集団におけるピロリ陽性患者を検出するための、単純で、非−侵襲的テストで あることを観察した。 WO−A−9322682号はエイチ.ピロリのための便利で信頼性の高いイ ン・ビトロテストを開示する。このテストは抗原調製物を利用して、テスト対象 である哺乳類由来の粘液分泌物中のIgG抗体と反応させる。 WO−A−9625430号はエイチ.ピロリ感染の確認のための診断テストに 使用することができるエイチ.ピロリ由来の新規な抗原を開示する。 診断テストに使用することができるエイチ.ピロリ由来の新規な抗原を同定し 、単離しそして提供する必要性が引き続き存在する。これらの抗原は特異的で、 確かに精製可能であるべきであり、そしてこのようなテストに使用するとき、良 好な特異性を持つことと偽陽性の結果を生じないことを特徴とすべきである。さ らに、これらの抗原はエイチ.ピロリ感染の治療又は予防のいずれかに有用なワ クチンの基礎とすることもできる。 こうして、第1の側面では、本発明はエイチ.ピロリ抗原である一つのタンパ ク質であって、変性条件かつ還元条件下で測定するとき約43kDaから約53 kDaの範囲の分子量を有するタンパク質を提供する。 一つの好ましい態様では、この抗原タンパク質は、約43kDaの分子量を持 ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配列を有するものである、 M D L ? V L G I N T A Met-Asp-Leu-?-Val-Leu-Gly-Ile-Asn-Thr-Ala。 第2の好ましい態様では、この抗原タンパク質は、約43kDaの分子量を持 ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配列を有するものである、 M R V P K(S) K G F A I L S K。 本発明のこの側面の第3の好ましい態様では、この抗原タンパク質は約53k Daの分子量を持ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配列を有するもの である、 ? ? G K A P D F K P A ?-?-Gly-Lys-Ala-Pro-Asp-Phe-Lys-Pro-Ala。 本発明の第2の側面はエイチ.ピロリ抗原である一つのタンパク質であって、 下記の特性を有するタンパク質を提供する、 i) 変性条件かつ還元条件下で測定するとき、約54kDaの分子量を持ち、 かつ、下記のN末端アミノ酸配列を持つこと M L K(V) I(E) K(V又はS) L E(S) I、 ii) 自然(未変性)の条件下で測定するとき、約370kDaの分子量を持ち 、かつ、下記のN末端アミノ酸配列を持つこと、 M(K) L T I ? L E V(E)、 iii) 自然(未変性)の条件下で測定するとき、約140kDaの分子量を持 ち、かつ、下記のN末端アミノ酸配列を持つこと、 M Y I P Y V I E、 iv) 自然(未変性)の条件下で測定するとき、約90kDaの分子量を持ち、 かつ、下記のN末端アミノ酸配列を持つこと、 M N L D C(S) L Q V、 v) 変性条件かつ還元条件の下で測定するとき、約15.9から16.9kD aの分子量を持ち、かつ、下記のN末端アミノ酸配列を持つこと、 G K I G I F F G T D S G N A E A I A E K、 vi) 自然(未変性)の条件下で測定するとき、約344kDaの分子量を持ち 、かつ、下記のN末端アミノ酸配列を持つこと、 M L V T K L A P D F L A P ? V、 又は vii)下記のN末端アミノ酸配列を有するスーパーオキシド・ディスムターゼ酵 素であること、 M F T L R E L P F A K D S N G D F L S P、 ただし、上記の配列の中で、括弧を付したアミノ酸は、先行するアミノ酸の代替 物を表す。 本明細書に記載した全タンパク質のいずれかの部分又は断片はそれ自体抗原で ありうる、従って、第3の側面では、本発明は本発明のタンパク質の抗原性断片 を提供する。特に、本発明は下記の配列を有する抗原性断片を提供する、 M D L ? V L G I N T A Met-Asp-Leu-?-Val-Leu-Gly-Ile-Asn-Thr-Ala、 ? ? G K A P D F K P A ?-?-Gly-Lys-Ala-Pro-Asp-Phe-Lys-Pro-Ala、 M L K(V) I(E) K(V又はS) LE(S) I、 M R V P K(S) K G F A I L S K、 M(K) L T I ? L E V(E)、 M Y I P Y V I E、 M N L D C(S) L Q V、 G K I G I F F G T D S G N A E A I A E K、 M L V T K L A P D F L A P ? V、 又は M F T L R E L P F A K D S N G D F L S P、 上記の配列の中で括弧の中の文字はその前の文字の代替アミノ酸を表す。 本明細書に記載された抗原の分子量は、分子量測定法の限界のため、必然的に 近似数値である。具体的に言及した分子量は自然(未変性)の条件又は変性条件 のいずれかを用いて得られたものである。当技術分野の熟練者は別人の手によれ ばあるいは同一人の場合であっても別の機会に行えば、多少異なる結果が得られ 得ること、従って本明細書に引用した分子量の近似値が±5%あるいはさらに± 10%として読まれるべきであることか分かるであろう。 熟練者は断片の配列がその抗原性をなお保持しなから一部変化し得ることを理 解するであろう。断片及び/又はその変異体(variants)の抗原性をテストする には、熟練者に良く知られた方法が使用できる。このような変異体も本発明の一 部を構成する。 本発明の抗原性タンパク質又はその断片は精製され又は単離された調製物とし て単独で提供することも、あるいは他のエイチ.ピロリ抗原性タンパク質との混 合物の一部として提供することもできる。 従って、第4の側面では、本発明は本発明の一つ以上のタンパク質及び/又は その抗原性断片の一つ以上を含む抗原組成物を提供する。このような組成物はエ イチ.ピロリの検出及び/又は診断に使用することができる。一つの態様では、 この組成物は一つ以上の付加的な別のエイチ.ピロリ抗原又はその断片を含む。 第5の側面では、本発明はエイチ.ピロリの検出法及び/又は診断法であって 、 (a)本発明の抗原性タンパク質、又はその抗原性断片、又は抗原組成物をテ スト対象である試料と接触させる工程、及び (b)エイチ.ピロリに対する抗体の存在を検出する工程、 を含む方法を提供する。 特に、本発明のタンパク質、その抗原性断片又は抗原組成物はIgG抗体を検 出するために使用することができる。テスト対象である試料は、生物試料、例え ば、血液又は唾液の試料であることが好ましい。粘液分泌物の試料を用いるエイ チ.ピロリ検出法の適当な1例としては、WO−A−9322682号に記載さ れた方法である。 第6の側面では、本発明はエイチ.ピロリの検出及び/又は診断における本発 明の抗原性タンパク質、その抗原性断片又は抗原性組成物の使用を提供する。そ の検出及び/又は診断はイン・ビトロで行うことが好ましい。 本発明の抗原性タンパク質、その抗原性断片又は抗原組成物はエイチ.ピロリ のイン・ビトロ検出及び/又は診断に使用するためのキットの一部として提供す ることができる。こうして、第7の側面では本発明はエイチ.ピロリの検出及び /又は診断に使用するためのキットであって、本発明の抗原性タンパク質、その 抗原性断片又は抗原組成物を含むキットを提供する。 さらに、本発明の抗原性タンパク質又はその抗原性断片はエイチ.ピロリに対 する免疫応答を誘発させるために使用することができる。こうして、さらなる側 面において、本発明は本発明の抗原、その断片又は本発明の抗原性組成物の医薬 における使用を提供する。 一層さらなる側面では本発明は主体の免疫応答を引き出すことができる組成物 であって、本発明の一つ以上のタンパク質及び/又はその抗原性断片の一つ以上 を含む組成物を提供する。この組成物は必要に応じて一つ以上の適当なアジュバ ントを含むワクチン組成物であることが適当である。このようなワクチン組成物 は予防的か又は治療的なワクチン組成物であり得る。 本発明のワクチン組成物は一つ以上のアジュバントを含むことができる。当技 術分野で良く知られたアジュバントの例としては、水酸化アルミニウムなどの無 機ゲル、又はフロイントの不完全アジュバントなどの油中水エマルションが挙げ られる。他の有用なアジュバントも熟練者には良く知られている。 一層さらなる側面では、本発明は、 (a) 免疫原組成物、好ましくはワクチンの調製における本発明のタンパク 質又はその一つ以上の抗原性断片の使用、 (b) 主体での免疫応答を誘発させる場合におけるこのような免疫原組成物 の使用、及び (c) 主体におけるエイチ.ピロリ感染の治療法又は予防法であって、本発 明のタンパク質、その抗原性断片の少なくとも一つ又は抗原組成物の有効量 を、好ましくはワクチンとして、主体に投与する工程を含んで成る方法 を提供する。 本発明の各側面の好ましい特徴は必要な変更を加えて他の側面のそれぞれに対 しても同様に適用される。 本発明は、下記の実施例を参照して今から説明するが、これらの実施例は本発 明を如何なる意味でも制限するものと解すべきでない。 実施例では以下の図面を参照する。 図1は、モノQエイチアール5/5・アニオン交換カラム上での無細胞音波破 砕物の溶出ブロフィルを示す。ウレアーゼを含む画分は影を付した部分によって 示される。0〜1.0MのNaCl勾配も示してある。 図2は、エイチ.ピロリ陽性患者と未感染主体の、ELISAによる血清反応 性を示すスペロース6溶出プロフィルを示す。 図3は、研究したエイチ.ピロリの2株のスペロース6反応性画分の未変性P AGE 8−25%勾配を示す。 図4は、スペロース6反応性画分の未変性PAGE8−25%勾配のウエスタン ・ブロットを示す。 図5は、(a)スペロース6反応性画分のSDS−PAGE 8−25%勾配及び( b)(a)のウエスタン・ブロットを示す。 図6は、既知のエイチ.ピロリ状態を持つ患者のELISA反応性の頻度を示 す。実施例1 (i)細菌の培養 エイチ.ピロリの2株、NCTC 11637及び胃潰瘍の患者から1989年に単離さ れた「トラウブ」と名付けられた野生型株(オーストレイリアン・インスティチ ュート・オブ・ミュコサル・イミュノロジー)を使用した。 両方の株から同一のタンパク質か単離された。各株を培養し、同様にしてタン パク質を抽出した。 ウオータージャケットを付けたインキュベーター中、37℃で、10%のCO2 、6%のO2及び84%のN2という微好気的雰囲気下で、細菌をチョコレート 寒天(5%のウマの脱線維素血液を含むオキソイドNo2ブロックアガー・ベー ス−CM271)上で生育させた。 (ii)音波処理 96時間培養の後、プレートからコロニーをこすり取ることによりPBSを含 む集菌チューブ中に菌を収穫した(トレース・マルチセルTMコード50-201-PA) 。遠心分離(室温、10,000g、5分)により細胞を洗浄し、新鮮な緩衝液に再懸 濁した。この洗浄工程を一度繰り返し、最後に細胞を0.1Mのトリス−塩酸pH8 .2中に再懸濁した後、音波処理により破砕した。音波処理は氷浴中に置いて冷却 した音波処理チューブ中、6μ(MSEソニプレプ150超音波破砕器)で、9.5m mプローブを用いて行った。1ミリリットル分の試料に対する音波処理は30秒 の音波処理と60秒の休みにそれぞれ分割した5サイクルから成り、総音波処理 時間は7.5分であった。音波処理の後、細胞破砕物を遠心分離(12,000g、10 分間、室温)により除去し、懸濁液をまず0.45μmフィルターを通して濾過し、 ついで0.2μmのフィルターを通して、無細胞タンパク質懸濁液を得た。 (iii)タンパク質測定 総タンパク質濃度はバイオラド・クーマシーブルー・プロテイン測定キットを 用いて測定した。 (iv)クロマトグラフィー (a)イオン交換 トリス−塩酸緩衝液500μl中のタンパク質10〜15mgからなる試料をFPLC システムに連結したモノQカラム(ファルマシア・バイオテク・エルティーディ ー、エイチアール5/5)に適用することにより無細胞懸濁液を分画した。溶出 は0.1Mのトリス−塩酸緩衝液中の0〜1MのNaClからなる勾配で行った 。 タンパク質の溶出は280nmでモニターし、溶出された物質はすべて0.5 ml画分として集めた。この緩衝液の伝導率は勾配の精度を確保するため操作の 全体にわたってモニターした。 個々の画分については、基質として尿素を利用する能力を測ることによりウレ アーゼ活性をテストした。簡単に述べると、ミクロタイタープレートを用い、ウ エルの列に、3mMのリン酸水素ニナトリウムプラス1.5%w/v尿素及び4 μg/100mlのフェノールレッド(基質溶液)か又は尿素を除いた同様の溶 液(ブランク緩衝液)からなる溶液の90μlを交互に分注した。次に、各画分 の試料(10μl)を対になっているウエルに、1試料を基質溶液にそして1試 料をブランク緩衝液に、添加し、直ちにこのプレートを密閉シールした。2.5 分後に各ウエルの吸光度を540nmで測定した。対のウエルそれぞれについて 、対照の価(ブランク緩衝液)をテストの価(基質溶液)から差し引き、そして その結果得られた価を画分番号に対してプロットした。 (b)ゲル濾過クロマトグラフィー ウレアーゼ活性を含むことが示されたモノQ画分を集めて3個のプールとした 。各プールを抗原活性についてテストした。第1のプールは抗原を含むことが示 されたので、このプールを総タンパク質含量が約30−50mg/mlになるま で濃縮した。プール1の部分標本(200μl)をスペロース6カラム(ファル マシア)のゲル濾過クロマトグラフィーに付した。溶出はトリス−塩酸、0.1 M、pH7.2を溶出緩衝液として用いて行った。画分(0.5ml)を集めた 。溶出は操作の間280nmで溶出液の光学密度を測定し、続いてウレアーゼ活 性とタンパク質含量を測定することにより監視した。 (c)反応性画分の選択 画分について、試料を1MのNaClを含むトリス緩衝化食塩水で10倍に希 釈し、これらの希釈試料をウエル当たり100μl用いてELISAミクロタイ タープレートのウエル(ヌンク・マクシソルブ)を被覆することにより抗原をテ ストした。ウエルを3時間放置し、ついで、0.15MのNaClを含む100 mMのリン酸緩衝液で洗浄した。被覆されたプレートを次に既知のエイチ.ピロ リ状態の患者から採った一群の血清試料を用いてスクリーニングした。血清試料 はリン酸緩衝化食塩水で200倍に希釈し、上記の被覆されたウエル中で1時間 インキュベートした後、ウエルを洗浄しそして水気をとって乾燥させた。特異的 抗体の結合はヤギ抗−ヒトIgGペルオキシダーゼを用い、30分間インキュベ ートし、ついで洗浄した後、増強されたTMB基質(ケンブリッジ・ライフ・サ イエンシーズ)を添加することにより検出された。反応は15分後に1M硫酸で 停止させ、450nmで吸光度を測定した。 画分はすべてPAGE及びウエスタン・ブロッティング分析に付してそれらの タンパク質含量の相違を明らかにした。 (v)PAGE 未変性ゲル電気泳動はファルマシア・マルチホアIIシステムを用いて行った。 5%ゲルをこの目的のために特に調製した。試料50μlに0.25%ブロモフ ェノール・ブルーの10μlを添加し、混合した後20μlの試料をゲルに移し 、そして電気泳動を行った(600ワット、30分間)。 画分の部分標本は1mg/ml及び40μlのSDS試料緩衝液(0.5Mの HCl、pH6.8〔1.0ml〕グリセロール〔0.8ml〕10%(w/v )SDS〔1.6ml〕、0.8MのDTT〔0.4ml〕、1%ブロモフェノ ール・ブルー〔0.2ml〕及び水〔0.4ml〕)で調製した。試料はバイオ ラド・ミニ・プロテアンIIシステムを用い、予め調製した10%ゲル(バイオラ ド)中で泳動させた。泳動緩衝液はSDSを含むトリス−グリシンpH8.3( 5リットルの蒸留水中、トリス15g、グリシン72g、SDS5g)であった 。泳動の完了後、ゲルを、メタノール/酢酸/水(40/10/50%)中のク ーマシー・ブル−R−250(0.1%)で染色し、そしてメタノール/酢酸/ 水(40/10/50%)で脱染色した。使用した分子量マーカーは、ミオシン 211,000、β−ガラクトシダーゼ117,000、ウシ血清アルブミン8 1,000、オボアルブミン49,100、カルボニック・アンヒドラーゼ31 ,400、大豆トリプシン・インヒビター26,100、リゾチーム18,90 0からなるバイオラドのSDS−PAGEプリステンドスタンダード、広範囲用 であった。 (vi)ウエスタン・ブロッティング ウエスタン・ブロッティング分析はどのペプチドがエイチ.ピロリ陽性患者由 来の血清とのみ反応したかを決定するために使用された。血清試料のそれぞれに たいして、別のゲル及び別のブロットが行われた。SDS−PAGEゲルは上述 のように行われ、そしてミニ・プロテアンIIトランス・ブロット・セル(バイオ ラド)を用い、製造者の説明書通りSDSを含まないトウビン(Towbin)緩衝液 でニトロセルロース膜に移送させた。未変性ゲル移送はファルマシア・マルチホ アIIを用い、セミ−ドライ・ブロッティング手順(REF)で、不連続バッファ ーシステムを用いて行った。タンパク質移送後に、このニトロセルロース膜を2 0mMトリス−塩酸プラス500mMのNaCl、pH7.5(TBS)中で1 0分間洗浄し、ついでTBS中の1%BSAで1時間ブロックした。この膜を次 に0.05%のトゥイーン20を含むTBS(TTBS)中で洗浄し、そしてこ の膜を1%BSAを含むTTBSで60倍に希釈した血清試料でプローブした。 インキュベーションは室温で一晩行った。ついで、ニトロセルロースをTTBS で洗浄し、抗−ヒトIgGペルオキシダーゼを添加した。3時間のインキュベー ションの後、TBS中で洗浄し、その後、基質溶液(4−クロロナフトール)を 添加した。この基質はメタノール20ml中の4−クロロナフトール60mgを 、混合直前に60μlの氷冷30%H22を添加した100mlのTBSと混合 することにより使用直前に新たに調製した。インキュベーションはこの基質溶液 が黒化し始めるまで進行させ、ここで新鮮な基質溶液と交換した。インキュベー ションの使用最大時間は30分であった。膜を蒸留水に移すことにより反応を停 止させ、蒸留水を数回変えて洗浄した。 この検定に使用した血清試料はウレア・ブレス・テスト(UBT)陽性又は陰 性として知られ、血清の状態はELISAによって確認された。 (vii)アミノ酸配列決定 関心のある5個のユニークなタンパク質のバンドのN末端領域の14個のアミ ノ酸を固相分析によって決定した。SDS−PAGEとブロッティングはウエス タン分析に対して先に述べたように行ったが、修正点としては、タンパク質の移 送はニトロセルロースの代わりにPDVF膜に対して行われた。この移送PDV F膜は染色しなかった。ついで、分析はフェイズシーケンサー(アプライド・バ イオシステムズ)を用い、その固相から行われた。 (viii)患者の血清試料及び唾液試料のテスト 症候的胃障害のために研究されていた患者22人を胃腸病クリニックから集め た(平均年齢58.9年、男性12、女性10)。組織学的研究により11人が エイチ.ピロリに対して陽性であることが分かった。試験時に集めた血清(22 )及び唾液(13)をELISAによりテストした。唾液のドット・ブロット分 析は22人の患者すべてについて行った。 (ix)ELISAテスト (a)ELISA用ミクロタイタープレートの精製抗原を用いての被覆 スペロース6カラムからの画分を含む選択された、精製された抗原をプールし 、この抽出液を18.5mMのトリス−塩酸プラス1MのNaCl、pH7.5 で、1〜2μgタンパク質/mlまで希釈した。後者の部分標本(100μl) を用いてELISAミクロタイタープレートのウエル(ヌンク・マクシソーブ) を被覆(周囲温度で16時間)した。被覆後に、このウエルを0.15MのNa Clと0.01%(w/v)のチオメルサル(Thiomersal)、pH7.2を含む 5mMリン酸緩衝液(350μl/ウエル)で3回洗浄し、そしてついでこのウ エルを蒸留水に溶かした1%(w/v)のバイコ(Byco)A(350μl/ウエ ル)を用いてブロック(周囲温度で蒸留水中90分)した。2回続けて洗浄(先 の洗浄用緩衝液)した後、プレートを直ちに使用するか又は乾燥(37℃で16 時間)し、そしてシールした。 (b)血清試料のテスト テスト対象である血清を0.07%(u/v)トゥイーン80、0.16%( w/v)ブロモフェノール・ブルー、0.25%(w/v)ゼラチン、0.14 MのNaCl、0.01%(w/v)のN−メチルイソチアゾロン/HCl及び 0.1%(w/v)のオキシプリオン(Oxyprion)、pH7.2を含む50mM リン酸緩衝液で200倍に希釈した。部分標本(100μl)を抗原で被覆され たミクロタイタープレート(上記の(a)を見よ)の適当なウエルに添加し、周 囲温度で45分間インキュベートし、ついで、このウエルを0.15MのNaC 1、0.05%(u/v)トゥイーン80、0.001%(w/v)のN−メチ ルイソチアゾロン/HCl及び0.01%(w/v)のオキシプリオン(Oxypri on)、pH7.8を含む10mMのトリス−塩酸(350μl/ウエル)で5回 洗浄した。特異的抗原の結合は、(20mMリン酸塩、150mMのNaCl、 0.01%(w/v)のチオメルサル、0.1%(w/v)のBSA画分V及び 0.05%(w/v)の8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸、pH7.2 で)適当に希釈したウサギ抗−ヒトIgGペルオキシダーゼ複合体(100μl /ウエル)を用い、周囲温度で15分間インキュベーションすることにより検出 した。5回続けて洗浄(前述のように)した後、TMB基質を呈色反応のために 使用し(100μl/ウエル)、反応は周囲温度で15分後にウエル当たり50 μ1の25%(w/v)のリン酸を添加することにより停止させ、そして各検定 ウエルの吸光度を450nmで記録した。 (c)唾液試料のテスト テスト対象である唾液は1パートのオムニザルYGバッファー(pH7.2、 リン酸系の緩衝液)で希釈し、その部分標本(100μl)を抗原で被覆された ミクロタイタープレート(上記の(a)を見よ)の適当なウエルに添加した。周 囲温度で30分間インキュベートした後、そのウエルを(血清試料の場合と同様 に緩衝液で)5回洗浄し、ついで特異的抗体の結合を周囲温度でビオチン−アビ ジン結合検定により検出した。簡単に述べると、Rb抗−ヒトIgGビオチン( 5mMリン酸塩、0.15MのNaCl、0.05%(u/v)トゥイーン80 、2.5%(w/v)アノロンシー(Anoronthy)、1%(u/v)の熱不活性化 正常ウサギ血清、0.01%(w/v)チオメルサル及び2.5%(w/v)ゼ ラチン、pH7.5で適当に希釈されたもの)を各ウエルに添加(100μl) し、30分間インキュベートした。5回続けて洗浄(前と同様に)した後、アビ ジン−ペルオキシダーゼ複合体(5mMリン酸塩、0.15MのNaCl、2% (u/v)の熱不活性化正常ウサギ血清、0.01%(w/v)チオメルサル及 び0.05%(w/v)の8−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸、pH7. 2で適当に希釈されたもの)を適当なウエルに添加(100μl)し、15分間 インキュベートし、ついでこのウエルを前と同様に5回洗浄した。発色させるた めにTMB基質を用い(100μl/ウエル)、ウエル当たり50μlの25% (w/v)リン酸を添加して15分後に反応を停止させ、そして各検定の吸光度 を450nmて記録した。 (x)ドット・ブロット検定 1個の血清試料に対する個々の画分とプールされた画分をテストするため、テ スト対象である材料をニトロセルロースのシート上にスポットし、ついで詳述し たウエスタン・ブロットの手順と同様に処理した。主として、1mg/mlのタ ンパク質を含む画分又は画分のプールを調製した。ニトロセルロース(バイオラ ド、8.4×7cm、カタログNo.162−0145)のシートに、そのニト ロセルロースにいかなるタンパク質も移さないように注意しなから、鉛筆と定規 を使って24個の小さな四角の印を付けた。 2μgのタンパク質を含む各画分又はプールの部分標本(2μl)を、ニトロ セルロース膜の印を付けた四角のそれぞれの中に注意してスポット(三連で)し た。このスポットを大気条件下で乾燥させた後、膜のそれぞれをブロック用溶液 (20mMトリス−塩酸、500mMのNaCl、pH7.5に溶解した1%w /vBSA)中で室温で1時間インキュベートした。このブロック用溶液は続い てデカントし、膜をトゥイーン−トリス緩衝化食塩水(20mMトリス−塩酸、 500mMのNaCl、0.05%v/vトゥイーン−20、pH7.5)で3 回洗浄し、ついでそれぞれの膜を3種のヒト血清型(トゥイーン−トリス緩衝化 食塩水中の1%BSAで60倍v/vに希釈したもの)の中の一つと共に室温で 一晩インキュベートした。この3種のヒト血清型はヘリサル・イライザ(HELISA L ELISA)(コルテクス)テストにより同定され、臨床テストによりエイチ.ピロ リ陽性、境界、陰性と確認されたものであった。一晩インキュベートした後、膜 をトゥイーン−トリス緩衝化食塩水中で2回洗浄し、ついで複合体溶液(ウサギ 抗−ヒトIgG−ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ複合体〔ダコ、カタロ グNo.P−406〕をトゥイーン−トリス緩衝化食塩水中の1%BSAで50 0倍v/v希釈したもの)中で室温で3時間インキュベートした。続いて膜をト ゥイーン−トリス緩衝化食塩水中で2回、トリス緩衝化食塩水(20mMトリス 、500mMのNaCl、pH7.5)中で1回洗浄し、ついで4−クロロ−1 −ナフトール溶液(20mlメタノール中60mg、100mlトリス緩衝化食 塩水及び60μlの30%H22)中で2〜30分間発色させた。発色は水中で 洗浄することにより停止させた。 ELISAのカットオフ値は、組織病理学により決定された既知のエイチ.ピ ロリ状態を患う患者の頻度をELISA反応性に対してプロットすることによる 、別の研究で決定された。結果 モノQエイチアール5/5カラムでの無細胞音波処理物の溶出プロフィルは図 1に示すとおりである。ウレアーゼ活性を含む画分は12mlと18mlの間の 溶出容積の中に位置した。 モノQエイチアール5/5カラムからのプールのスペロース6カラム上での溶 出プロフィルでは、10mlと19mlの間の溶出容積の位置にウレアーゼを含 む画分が得られた。 抗原反応性画分はスペロース6溶出液のイライザグラム(ELISAgram )及びウエスタン・ブロットにより決定された。エイチ.ピロリに感染している ことが知られている患者由来の血清は未感染の主体と比べて異なるイライザグラ ムのパターンを示した。スペロース6溶出液のELISA反応性の典型的なプロ フィルは図2に示すものである。感染主体と未感染主体の間で最大の相違を与え た抗原調製物が以下の診断検定の開発のために選択された。この抗原画分は幾ら かウレアーゼの存在が検出されたが、ウレアーゼの主ピークの右側にあるものが 選択された。 反応性画分の未変性PAGEにより、研究した2株由来の16個の検出可能な タンパク質バンドであって、700〜40kDaの範囲の分子量を持つバンドが 示された(表1、図3)。 表1 スペロース6カラムからの反応性画分の未変性PAGE。 検出されたタンパク質バンドの分子量 バンドが観察されたゲル泳動の数(総数10)。 記された数値は平均値±SEMである。 イミュノブロット分析により、これらのタンパク質バンドの中の9個が免疫反 応性であることを明らかにした(表2、図4)。 表2 スペロース6カラムからの反応性画分の未変性PAGEの ウエスタン・ブロット分析により検出されたタンパク質バンドの分子量 1バンドが観察されたブロット分析の数(総数26)。2 このバンドはウレアーゼ活性を示した。3 この強く染色された領域は通常1個の区別できない領域として現れた(分子量 の範囲は240〜330kDa)。 示した数値は平均値±SEMである。 未変性PAGE上で観察された5個の主要な領域のSDS−PAGE分析によ り、各領域に対して7〜9個の副成分が検出された(表3)。 表3 未変性PAGE上で観察された5個の主要な領域のサブユニット分析 1バンドが観察されたゲル泳動の数。* ウレアーゼ陽性** 強いブロット 示した数値は平均値±SEMである。 この反応性画分のSDS−PAGE分析により、32個の検出可能なサブユニ ット成分が明らかになり、そのうちの18個は陽性の血清と免疫反応性であった (表4、図5)。 表4 スペロース6カラムからの反応性画分のSDS−PAGEの ウエスタン・ブロット分析により検出されたサブユニット成分の分子量示した数値は平均値±標準偏差である。n1は29回の泳動のうちバンドが検出 された分析の数である。 このゲルの分析の慎重な検討により、それぞれユニークであるように見えた1 0個のサブユニット成分が同定された。これらのうち6個は主要なバンドであっ た(表5)。これらのタンパク質のうちの5個のN末端アミノ酸配列決定により 、1はWO−A−9625430号で開示された抗原に相当したが、他の2個は 新規であった(データ・バンクに記述された対応する配列はなかった)。一方、 残りの2個は既知のN末端配列と正確な対応を示した(表6)。 表5 ゲル分析により反応性画分中に確認されたユニークなサブユニット成分 表6 反応性抗原画分中に確認された5個のタンパク質のN末端アミノ酸配列 新規な抗原を含むこれらの反応性画分のELISA診断における有用性をテス トした。カットオフは唾液に対しては0.7ELISAユニット、血清に対して は2.5ELISAユニットと決定した(図6)。 表7は組織学によるエイチ.ピロリ感染の検出に対する血清及び唾液のELI SA及びドット・ブロット検定の能力を示す。この結果によれば、血清及び唾液 の両方共高い感受性を示し、素晴らしい陽性及び陰性の予想値が得られた。唾液 のドットブロット分析は唾液又は血清のELISA程に高くはないが許容され得 る尺度としての能力を示した。 表7 組織学(幽門洞生検)的検出に対する ELISA又はドットブロットにより決定された唾液及び血清抗体の比較 実施例2 (a) エイチ.ピロリの培養は適当な条件の下で生育させ、その細胞はリン酸 緩衝化食塩水中に収穫した。続いて、細胞破砕物及び他の混合物、例えば寒天、 を除去するため繰り返し遠心分離し、そして新鮮なPBSを3回添加して洗浄細 胞ペレットを得た。 (b) この洗浄細胞をイオン交換クロマトグラフィーの工程で使用するため、 0.1Mのトリス−塩酸緩衝液、pH7.2に再懸濁した。次に、細胞懸濁液を 細胞の破砕が保証される程に十分な強度及び時間の音波処理(100寒天プレー トからの細胞を含む10mlの試料に対して、6μで30秒間処理、60秒切断 、を25回繰り返す)に付した。 (c) この懸濁液を次に遠心分離にかけて細胞破砕物を除去し、可溶性細胞タ ンパク質を含む上清を得た。 マシア)などの強アニオン交換樹脂を用い、予め定めた方法で溶出緩衝液を0か ら1.0Mの塩化ナトリウム濃度の増加に基づく勾配溶出を用いるイオン交換ク ロマトグラフィーにより分画した。この画分を次にウレアーゼの存在について検 定した。 (e) ウレアーゼを含む画分を次にプールし、球状タンパク質に対し5×103 〜5×106Daのカットオフ範囲を持つ樹脂を用いるゲル浸透クロマトグラフ ィーに付した。 (f) 適当なピークを以下の工程により選択した。 (i) 全ての画分についてウレアーゼ検定を行いそしてウレアーゼ活性を 含むタンパク質ピークを同定する工程、 (ii) ウレアーゼ陽性であることが分かった画分の全て及びこのウレアー ゼピークの直ぐ隣のタンパク質ピークであって、未変性タンパク質のウエ スタン・ブロット分析によりより低い(見かけの)分子量を持つものおよ び変性(SDS)処理により生成したそれらの断片の画分を、エイチ.ピ ロリ陽性の個体から集めたヒト血清から調製されたプール由来のIgGを 用いて分析する工程、及び (iii) 上記のようにして電気泳動的に分離された後にエイチ.ピロリ陽性 の血清プール由来のヒトIgGとは反応するが、エイチ.ピロリ陰性の血 清から調製された同様の血清プールとは反応しないことが示されたタンパ ク質のバンドを選択する工程。 こうして同定されたバンドはそれぞれ、N末端アミノ酸分析に付し、そしてそ の配列を利用可能なコンピュータ・データベースからの既知のタンパク質の配列 と比較した。
【手続補正書】 【提出日】平成11年9月14日(1999.9.14) 【補正内容】 明細書 エイチ.ピロリ抗原 本発明はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の新規な抗原又はそ の抗原性断片、ヘリコバクター・ピロリの検出におけるこの抗原又はその断片の 使用、及びそれらを含むキットに関し、さらに抗原又はその断片を含むワクチン 並びにこの抗原の単離法に関する。 哺乳類、そして特にヒトにおける腸感染は、共通の粘液免疫系の活性化により 唾液などの粘液分泌の免疫応答を刺激する。この応答は、一般にIgA抗体の存 在を特徴とするけれども、初期においてはしばしば血清中での抗体応答と平行し て起こる。しかしながら、分泌における免疫応答は、唾液を含め、身体からの抗 原(例えば、細菌やウイルス)の消失の後に急速に減少する。従って、粘液分泌 中に抗体が存在することは現在、すなわち、現時点で感染していることを反映す る。例えば、微生物感染の場合には、粘液分泌物中の抗体は、以下には分泌性抗 体と呼ぶが、腸管などにおける微生物の集落形成の現在の状況を反映する。従っ て、現時点での感染を監視するのに有用である。他方、血清の抗体は身体から微 生物が消失した後も暫くの間残存する。従って、血清の抗体テストが陽性である ときは過去の抗原への曝露と現在の抗原への曝露の両方を反映しており、臨床医 にとってあまり助けにならない。他方、分泌抗体テストが陽性であることは微生 物による現在すなわち現時点での感染を示している。 エイチ.ピロリの感染は、胃粘膜の生検についての、顕微鏡、微生物培養又は ウレアーゼ検出によって、ウレア・ブレス・テストによって、又は血清ELIS Aにおける特異的抗体の存在によって診断することができる。エイチ.ピロリの 感染は、胃粘膜の感染であるが、胃の分泌におけるIgA抗体の応答を引き出す と予想されるかも知れない。しかしながら、粘液分泌物中のエイチ.ピロリ−特 異的抗体はIgGクラスのものであり、予想されてきたようなIgAではないこ とが発見された。IgA抗体は、あるとしても、ほとんど検出されなかった。そ こで、AU−A−9067676号はエイチ.ピロリ抗原に特異的な粘液分泌物 中のIgG検出と取り組み、それによって哺乳類のその微生物による現在のすな わち、今の感染を監視する手段を提供する。対応する学術的出版物はウイットら による、フロンティアズ・イン・ミュコサル・イミュノロジー,,693-696(19 91)である。 ヘリコバクター・ピロリ陽性患者の唾液中にIgG抗体が存在することはアメ リカン・ガストロエンテロロジカル・アソシエーションの年次総会のプロシーデ ィングズで一部注目を受けた。1989年のプロシーディングズでこのような抗 体の存在についてジン(Czinn)らが発表した後、ラーセン(Larsen)らは、19 91年5月のプロシーディングズで、唾液のIgGレベルは抗生物質治療のコー スの間の治療応答についての実用的、非侵襲的なマーカーであると結論した。1 992年4月のプロシーディングズで、ランデス(Landes)らはそれまでの観察 を確認し、そして唾液中のヘリコバクター・ピロリに対するIgGの測定は、エ イチ.ピロリ陽性患者、特に他のテスト法が実用的でない広範囲の又は小児科の 母集団におけるピロリ陽性患者を検出するための、単純で、非−侵襲的テストで あることを観察した。 WO−A−9322682号はエイチ.ピロリのための便利で信頼性の高いイ ン・ビトロテストを開示する。このテストは抗原調製物を利用して、テスト対象 である哺乳類由来の粘液分泌物中のIgG抗体と反応させる。 WO−A−9625430号はエイチ.ピロリ感染の確認のための診断テストに 使用することができるエイチ.ピロリ由来の新規な抗原を開示する。 診断テストに使用することができるエイチ.ピロリ由来の新規な抗原を同定し 、単離しそして提供する必要性が引き続き存在する。これらの抗原は特異的で、 確かに精製可能であるべきであり、そしてこのようなテストに使用するとき、良 好な特異性を持っことと偽陽性の結果を生じないことを特徴とすべきである。さ らに、これらの抗原はエイチ.ピロリ感染の治療又は予防のいずれかに有用なワ クチンの基礎とすることもできる。 こうして、第1の側面では、本発明はエイチ.ピロリ抗原である一つのタンパ ク質であって、変性条件かつ還元条件下で測定するとき約43kDaから約53 kDaの範囲の分子量を有するタンパク質を提供する。 一つの好ましい態様では、この抗原タンパク質は、約43kDaの分子量を持 ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配列(配列番号:1)を有するもの である、 M D L ? V L G I N T A Met-Asp-Leu-?-Val-Leu-Gly-Ile-Asn-Thr-Ala。 第2の好ましい態様では、この抗原タンパク質は、約43kDaの分子量を持 ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配列(配列番号:2)を有するもの である、 M R V P K(S) K G F A I L S K。 本発明のこの側面の第3の好ましい態様では、この抗原タンパク質は約53k Daの分子量を持ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配列(配列番号: )を有するものである、 ? ? G K A P D F K P A ?-?-Gly-Lys-Ala-Pro-Asp-Phe-Lys-Pro-Ala。 本発明の第2の側面はエイチ.ピロリ抗原である一つのタンパク質であって、 下記の特性を有するタンパク質を提供する、 i) 変性条件かつ還元条件下で測定するとき、約54kDaの分子量を持ち、 かつ、下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:4)を持つこと、 M L K(V) I(E) K(V又はS) L E(S) I、 ii) 自然(非変性)の条件下で測定するとき、約370kDaの分子量を持ち 、かつ、下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:5)を持つこと、 M(K) L T I ? L E V(E)、 iii)自然(非変性)の条件下で測定するとき、約140kDaの分子量を持ち 、かつ、下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:6)を持つこと、 M Y I P Y V I E、 iv) 自然(非変性)の条件下で測定するとき、約90kDaの分子量を持ち、 かつ、下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:7)を持つこと、 M N L D C(S) L Q V、 v) 変性条件かつ還元条件の下で測定するとき、約15.9から16.9kD aの分子量を持ち、かつ、下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:8)を持つこ と、 G K I G I F F G T D S G N A E A I A E K、 vi) 自然(非変性)の条件下で測定するとき、約344kDaの分子量を持ち 、かつ、下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:9)を持つこと、 M L V T K L A P D F L A P ? V、 又は vii) 下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:10)を有するスーパーオキシ ド・ディスムターゼ酵素であること、 M F T L R E L P F A K D S N G D F L S P、 上記の配列において、括弧内のアミノ酸はその前のアミノ酸の代替アミノ酸を表 す。 本明細書に記載した全タンパク質のいずれかの部分又は断片はそれ自体抗原で ありうる、従って、第3の側面では、本発明は本発明のタンパク質の抗原性断片 を提供する。特に、本発明は下記の配列を有する抗原性断片を提供する、配列番号:1に記載の M D L ? V L G I N T A Met-Asp-Leu-?-Val-Leu-Gly-Ile-Asn-Thr-Ala、配列番号:3に記載の ? ? G K A P D F K P A ?-?-Gly-Lys-Ala-Pro-Asp-Phe-Lys-Pro-Ala、配列番号:4に記載の M L K(V) I(E) K(V又はS) L E(S) I、配列番号:2に記載の M R V P K(S) K G F A I L S K、配列番号:5に記載の M(K) L T I ? L E V(E)、配列番号:6に記載の M Y I P Y V I E、配列番号:7に記載の M N L D C(S) L Q V、配列番号:8に記載の G K I G I F F G T D S G N A E A I A E K、配列番号:9に記載の M L V T K L A P D F L A P ? V、 又は配列番号:10に記載の M F T L R E L P F A K D S N G D F L S P、 上記の配列中、括弧内の文字はそれに先行するアミノ酸の代替アミノ酸を表す。 本明細書に記載された抗原の分子量は、分子量測定法の限界のため、必然的に 近似数値である。具体的に言及した分子量は自然(未変性)の条件又は変性条件 のいずれかを用いて得られたものである。当技術分野の熟練者は別人の手によれ ばあるいは同一人の場合であっても別の機会に行えば、多少異なる結果が得られ 得ること、従って本明細書に引用した分子量の近似値が±5%あるいはさらに± 10%として読まれるべきであることが分かるであろう。 熟練者は断片の配列がその抗原性をなお保持しながら一部変化し得ることを理 解するであろう。断片及び/又はその変異体(variants)の抗原性をテストする には、熟練者に良く知られた方法が使用できる。このような変異体も本発明の一 部を構成する。 本発明の抗原性タンパク質又はその断片は精製され又は単離された調製物とし て単独で提供することも、あるいは他のエイチ.ピロリ抗原性タンパク質との混 合物の一部として提供することもできる。 従って、第4の側面では、本発明は本発明の一つ以上のタンパク質及び/又は その抗原性断片の一つ以上を含む抗原組成物を提供する。このような組成物はエ イチ.ピロリの検出及び/又は診断に使用することができる。一つの態様では、 この組成物は一つ以上の付加的な別のエイチ.ピロリ抗原又はその断片を含む。 第5の側面では、本発明はエイチ.ピロリの検出法及び/又は診断法であって 、 (a)本発明の抗原性タンパク質、又はその抗原性断片、又は抗原組成物をテ スト対象である試料と接触させる工程、及び (b)エイチ.ピロリに対する抗体の存在を検出する工程、 を含む方法を提供する。 特に、本発明のタンパク質、その抗原性断片又は抗原組成物はIgG抗体を検 出するために使用することができる。テスト対象である試料は、生物試料、例え ば、血液又は唾液の試料であることが好ましい。粘液分泌物の試料を用いるエイ チ.ピロリ検出法の適当な1例としては、WO−A−9322682号に記載さ れた方法である。 第6の側面では、本発明はエイチ.ピロリの検出及び/又は診断における本発 明の抗原性タンパク質、その抗原性断片又は抗原性組成物の使用を提供する。そ の検出及び/又は診断はイン・ビトロで行うことが好ましい。 本発明の抗原性タンパク質、その抗原性断片又は抗原組成物はエイチ.ピロリ のイン・ビトロ検出及び/又は診断に使用するためのキットの一部として提供す ることができる。こうして、第7の側面では本発明はエイチ.ピロリの検出及び /又は診断に使用するためのキットであって、本発明の抗原性タンパク質、その 抗原性断片又は抗原組成物を含むキットを提供する。 さらに、本発明の抗原性タンパク質又はその抗原性断片はエイチ.ピロリに対 する免疫応答を誘発させるために使用することができる。こうして、さらなる側 面において、本発明は本発明の抗原、その断片又は本発明の抗原性組成物の医薬 における使用を提供する。 一層さらなる側面では本発明は主体の免疫応答を引き出すことかできる組成物 であって、本発明の一つ以上のタンパク質及び/又はその抗原性断片の一つ以上 を含む組成物を提供する。この組成物は必要に応じて一つ以上の適当なアジュバ ントを含むワクチン組成物であることが適当である。このようなワクチン組成物 は予防的か又は治療的なワクチン組成物であり得る。 本発明のワクチン組成物は一つ以上のアジュバントを含むことができる。当技 術分野で良く知られたアジュバントの例としては、水酸化アルミニウムなどの無 機ゲル、又はフロイントの不完全アジュバントなどの油中水エマルションが挙げ られる。他の有用なアジュバントも熟練者には良く知られている。 一層さらなる側面では、本発明は、 (a) 免疫原組成物、好ましくはワクチンの調製における本発明のタンパク 質又はその一つ以上の抗原性断片の使用、 (b) 主体での免疫応答を誘発させる場合におけるこのような免疫原組成物 の使用、及び (c) 主体におけるエイチ.ピロリ感染の治療法又は予防法であって、本発 明のタンパク質、その抗原性断片の少なくとも一つ又は抗原組成物の有効量 を、好ましくはワクチンとして、主体に投与する工程を含んで成る方法 を提供する。 本発明の各側面の好ましい特徴は必要な変更を加えて他の側面のそれぞれに対 しても同様に適用される。 本発明は、下記の実施例を参照して今から説明するが、これらの実施例は本発 明を如何なる意味でも制限するものと解すべきでない。 実施例では以下の図面を参照する。 図1は、モノQエイチアール5/5・アニオン交換カラム上での無細胞音波破 砕物の溶出プロフィルを示す。ウレアーゼを含む画分は影を付した部分によって 示される。0〜1.0MのNaCl勾配も示してある。 図2は、エイチ.ピロリ陽性患者と未感染主体の、ELISAによる血清反応 性を示すスペロース6溶出プロフィルを示す。 図3は、研究したエイチ.ピロリの2株のスペロース6反応性画分の未変性P AGE8−25%勾配を示す。 図4は、スペロース6反応性画分の未変性PAGE 8−25%勾配のウエスタン ・ブロットを示す。 図5は、(a)スペロース6反応性画分のSDS−PAGE 8−25%勾配及び( b)(a)のウエスタン・ブロットを示す。 図6は、既知のエイチ.ピロリ状態を持つ患者のELISA反応性の頻度を示 す。実施例1 (i)細菌の培養 エイチ.ピロリの2株、NCTC 11637及び胃潰瘍の患者から1989年に単離さ れた「トラウブ」と名付けられた野生型株(オーストレイリアン・インスティチ ュート・オブ・ミュコサル・イミュノロジー)を使用した。 両方の株から同一のタンパク質が単離された。各株を培養し、同様にしてタン パク質を抽出した。 ウオータージャケットを付けたインキュベーター中、37℃で、10%のCO2 、6%のO2及び84%のN2という微好気的雰囲気下で、細菌をチョコレート 寒天(5%のウマの脱線維素血液を含むオキソイドNo2ブロックアガー・ベー ス−CM271)上で生育させた。 (ii)音波処理 96時間培養の後、プレートからコロニーをこすり取ることによりPBSを含 む集菌チューブ中に菌を収穫した(トレース・マルチセルTMコード50-201-PA) 。遠心分離(室温、10,000g、5分)により細胞を洗浄し、新鮮な緩衝液に再懸 濁した。この洗浄工程を一度繰り返し、最後に細胞を0.1Mのトリス−塩酸pH8 .2中に再懸濁した後、音波処理により破砕した。音波処理は氷浴中に置いて冷却 した音波処理チューブ中、6μ(MSEソニプレプ150超音波破砕器)で、9.5m mプローブを用いて行った。1ミリリットル分の試料に対する音波処理は30秒 の音波処理と60秒の休みにそれぞれ分割した5サイクルから成り、総音波処理 時間は7.5分であった。音波処理の後、細胞破砕物を遠心分離(12,000g、10 分間、室温)により除去し、懸濁液をまず0.45μmフィルターを通して濾過し、 ついで0.2μmのフィルターを通して、無細胞タンパク質懸濁液を得た。 (iii)タンパク質測定 総タンパク質濃度はバイオラド・クーマシーブルー・プロテイン測定キットを 用いて測定した。 (iv)クロマトグラフィー (a)イオン交換 トリス−塩酸緩衝液500μl中のタンパク質10〜15mgからなる試料をFPL Cシステムに連結したモノQカラム(ファルマシア・バイオテク・エルティーデ ィー、エイチアール5/5)に適用することにより無細胞懸濁液を分画した。溶 出は0.1Mのトリス一塩酸緩衝液中の0〜1MのNaClからなる勾配で行っ た。 タンパク質の溶出は280nmでモニターし、溶出された物質はすべて0.5 ml画分として集めた。この緩衝液の伝導率は勾配の精度を確保するため操作の 全体にわたってモニターした。 個々の画分にっいては、基質として尿素を利用する能力を測ることによりウレ アーゼ活性をテストした。簡単に述べると、ミクロタイタープレートを用い、ウ エルの列に、3mMのリン酸水素二ナトリウムプラス1.5%w/v尿素及び4 μg/100mlのフェノールレッド(基質溶液)か又は尿素を除いた同様の溶 液(ブランク緩衝液)からなる溶液の90μlを交互に分注した。次に、各画分 の試料(10μl)を対になっているウエルに、1試料を基質溶液にそして1試 料をブランク緩衝液に、添加し、直ちにこのプレートを密閉シールした。2.5 分後に各ウエルの吸光度を540nmで測定した。対のウエルそれぞれについて 、対照の価(ブランク緩衝液)をテストの価(基質溶液)から差し引き、そして その結果得られた価を画分番号に対してプロットした。 (b)ゲル濾過クロマトグラフィー ウレアーゼ活性を含むことが示されたモノQ画分を集めて3個のプールとした 。各プールを抗原活性についてテストした。第1のプールは抗原を含むことが示 されたので、このプールを総タンパク質含量が約30−50mg/mlになるま で濃縮した。プール1の部分標本(200μl)をスペロース6カラム(ファル マシア)のゲル濾過クロマトグラフィーに付した。溶出はトリス−塩酸、0.1 M、pH7.2を溶出緩衝液として用いて行った。画分(0.5ml)を集めた 。溶出は操作の間280nmで溶出液の光学密度を測定し、続いてウレアーゼ活 性とタンパク質含量を測定することにより監視した。 (c)反応性画分の選択 画分について、試料を1MのNaClを含むトリス緩衝化食塩水で10倍に希 釈し、これらの希釈試料をウエル当たり100μl用いてELISAミクロタイ タープレートのウエル(ヌンク・マクシソルブ)を被覆することにより抗原をテ ストした。ウエルを3時間放置し、ついで、0.15MのNaClを含む100 mMのリン酸緩衝液で洗浄した。被覆されたプレートを次に既知のエイチ.ピロ リ状態の患者から採った一群の血清試料を用いてスクリーニングした。血清試料 はリン酸緩衝化食塩水で200倍に希釈し、上記の被覆されたウエル中で1時間 インキュベートした後、ウエルを洗浄しそして水気をとって乾燥させた。特異的 抗体の結合はヤギ抗−ヒトIgGペルオキシダーゼを用い、30分間インキュベ ートし、ついで洗浄した後、増強されたTMB基質(ケンブリッジ・ライフ・サ イエンシーズ)を添加することにより検出された。反応は15分後に1M硫酸で 停止させ、450nmで吸光度を測定した。 画分はすべてPAGE及びウエスタン・ブロッティング分析に付してそれらの タンパク質含量の相違を明らかにした。 (v)PAGE 未変性ゲル電気泳動はファルマシア・マルチホアIIシステムを用いて行った。 5%ゲルをこの目的のために特に調製した。試料50μlに0.25%ブロモフ ェノール・ブルーの10μlを添加し、混合した後20μlの試料をゲルに移し 、そして電気泳動を行った(600ワット、30分間)。 画分の部分標本は1mg/ml及び40μlのSDS試料緩衝液(0.5Mの HCl、pH6.8〔1.0ml〕、グリセロール〔0.8ml〕10%(w/ v)SDS〔1.6ml〕、0.8MのDTT〔0.4ml〕、1%ブロモフェ ノール・ブルー〔0.2ml〕及び水〔0.4ml〕)で調製した。試料はバイ オラド・ミニ・プロテアンIIシステムを用い、予め調製した10%ゲル(バイオ ラド)中で泳動させた。泳動緩衝液はSDSを含むトリス−グリシンpH8.3 (5リットルの蒸留水中、トリス15g、グリシン72g、SDS5g)であっ た。泳動の完了後、ゲルを、メタノール/酢酸/水(40/10/50%)中の クーマシー・ブル−R−250(0.1%)で染色し、そしてメタノール/酢酸 /水(40/10/50%)で脱染色した。使用した分子量マーカーは、ミオシ ン211,000、β−ガラクトシダーゼ117,000、ウシ血清アルブミン 81,000、オボアルブミン49,100、カルボニック・アンヒドラーゼ3 1,400、大豆トリプシン・インヒビター26,100、リゾチーム18,9 00からなるバイオラドのSDS−PAGEプリステンドスタンダード、広範囲 用であった。 (vi)ウエスタン・ブロッティング ウエスタン・ブロッティング分析はどのぺプチドがエイチ.ピロリ陽性患者由 来の血清とのみ反応したかを決定するために使用された。血清試料のそれぞれに たいして、別のゲル及び別のブロットが行われた。SDS−PAGEゲルは上述 のように行われ、そしてミニ・プロテアンIIトランス・ブロット・セル(バイオ ラド)を用い、製造者の説明書通りSDSを含まないトウビン(Towbin)緩衝液 でニトロセルロース膜に移送させた。未変性ゲル移送はファルマシア・マルチホ アIIを用い、セミードライ・ブロッティング手順(REF)で、不連続バッファ ーシステムを用いて行った。タンパク質移送後に、このニトロセルロース膜を2 0mMトリス−塩酸プラス500mMのNaCl、pH7.5(TBS)中で1 0分間洗浄し、ついでTBS中の1%BSAで1時間ブロックした。この膜を次 に0.05%のトゥイーン20を含むTBS(TTBS)中で洗浄し、そしてこ の膜を1%BSAを含むTTBSで60倍に希釈した血清試料でプローブした。 インキュベーションは室温で一晩行った。ついで、ニトロセルロースをTTBS で洗浄し、抗−ヒトIgGペルオキシダーゼを添加した。3時間のインキュベー ションの後、TBS中で洗浄し、その後、基質溶液(4−クロロナフトール)を 添加した。この基質はメタノール20ml中の4−クロロナフトール60mgを 、混合直前に60μlの氷冷30%H22を添加した100mlのTBSと混合 することにより使用直前に新たに調製した。インキュベーションはこの基質溶液 が黒化し始めるまで進行させ、ここで新鮮な基質溶液と交換した。インキュベー ションの使用最大時間は30分であった。膜を蒸留水に移すことにより反応を停 止させ、蒸留水を数回変えて洗浄した。 この検定に使用した血清試料はウレア・ブレス・テスト(UBT)陽性又は陰 性として知られ、血清の状態はELISAによって確認された。 (vii)アミノ酸配列決定 関心のある5個のユニークなタンパク質のバンドのN末端領域の14個のアミ ノ酸を固相分析によって決定した。SDS−PAGEとブロッティングはウエス タン分析に対して先に述べたように行ったが、修正点としては、タンパク質の移 送はニトロセルロースの代わりにPDVF膜に対して行われた。この移送PDV F膜は染色しなかった。ついで、分析はフェイズシーケンサー(アプライド・バ イオシステムズ)を用い、その固相から行われた。 (viii)患者の血清試料及び唾液試料のテスト 症候的胃障害のために研究されていた患者22人を胃腸病クリニックから集め た(平均年齢58.9年、男性12、女性10)。組織学的研究により11人が エイチ.ピロリに対して陽性であることが分かった。試験時に集めた血清(22 )及び唾液(13)をELISAによりテストした。唾液のドット・ブロット分 析は22人の患者すべてについて行った。 (ix)ELISAテスト (a)ELISA用ミクロタイタープレートの精製抗原を用いての被覆 スペロース6カラムからの画分を含む選択された、精製された抗原をプールし 、この抽出液を18.5mMのトリス−塩酸プラス1MのNaCl、pH7.5 で、1〜2μgタンパク質/mlまで希釈した。後者の部分標本(100μl) を用いてELISAミクロタイタープレートのウエル(ヌンク・マクシソーブ) を被覆(周囲温度で16時間)した。被覆後に、このウエルを0.15MのNa Clと0.01%(w/v)のチオメルサル(Thiomersal)、pH7.2を含む 5mMリン酸緩衝液(350μl/ウエル)で3回洗浄し、そしてついでこのウ エルを蒸留水に溶かした1%(w/v)のバイコ(Byco)A(350μl/ウエ ル)を用いてブロック(周囲温度で蒸留水中90分)した。2回続けて洗浄(先 の洗浄用緩衝液)した後、プレートを直ちに使用するか又は乾燥(37℃で16 時間)し、そしてシールした。 (b)血清試料のテスト テスト対象である血清を0.07%(u/v)トゥイーン80、0.16%( w/v)ブロモフェノール・ブルー、0.25%(w/v)ゼラチン、0.14 MのNaCl、0.01%(w/v)のN−メチルイソチアゾロン/HCl及び 0.1%(w/v)のオキシプリオン(Oxyprion)、pH7.2を含む50mM リン酸緩衝液で200倍に希釈した。部分標本(100μl)を抗原で被覆され たミクロタイタープレート(上記の(a)を見よ)の適当なウエルに添加し、周 囲温度で45分間インキュベートし、ついで、このウエルを0.15MのNaC l、0.05%(u/v)トゥイーン80、0.001%(w/v)のN−メチ ルイソチアゾロン/HCl及び0.01%(w/v)のオキシプリオン(Oxypri on)、pH7.8を含む10mMのトリス−塩酸(350μl/ウエル)で5回 洗浄した。特異的抗原の結合は、(20mMリン酸塩、150mMのNaCl、 0.01%(w/v)のチオメルサル、0.1%(w/v)のBSA画分V及び 0.05%(w/v)の8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸、pH7.2 で)適当に希釈したウサギ抗−ヒトIgGペルオキシダーゼ複合体(100μl /ウエル)を用い、周囲温度で15分間インキュベーションすることにより検出 した。5回続けて洗浄(前述のように)した後、TMB基質を呈色反応のために 使用し(100μl/ウエル)、反応は周囲温度で15分後にウエル当たり50 μ1の25%(w/v)のリン酸を添加することにより停止させ、そして各検定 ウエルの吸光度を450nmで記録した。 (c)唾液試料のテスト テスト対象である唾液は1パートのオムニザルYGバッファー(pH7.2、 リン酸系の緩衝液)で希釈し、その部分標本(100μl)を抗原で被覆された ミクロタイタープレート(上記の(a)を見よ)の適当なウエルに添加した。周 囲温度で30分間インキュベートした後、そのウエルを(血清試料の場合と同様 に緩衝液で)5回洗浄し、ついで特異的抗体の結合を周囲温度でビオチン−アビ ジン結合検定により検出した。簡単に述べると、Rb抗−ヒトIgGビオチン( 5mMリン酸塩、0.15MのNaCl、0.05%(u/v)トゥイーン80 、2.5%(w/v)アノロンシー(Anoronthy)、1%(u/v)の熱不活性化 正常ウサギ血清、0.01%(w/v)チオメルサル及び2.5%(w/v)ゼ ラチン、pH7.5で適当に希釈されたもの)を各ウエルに添加(100μl) し、30分間インキュベートした。5回続けて洗浄(前と同様に)した後、アビ ジン−ペルオキシダーゼ複合体(5mMリン酸塩、0.15MのNaCl、2% (u/v)の熱不活性化正常ウサギ血清、0.01%(w/v)チオメルサル及 び0.05%(w/v)の8−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸、pH7. 2で適当に希釈されたもの)を適当なウエルに添加(100μl)し、15分間 インキュベートし、ついでこのウエルを前と同様に5回洗浄した。発色させるた めにTMB基質を用い(100μl/ウエル)、ウエル当たり50μlの25% (w/v)リン酸を添加して15分後に反応を停止させ、そして各検定の吸光度 を450nmて記録した。 (x)ドット・ブロット検定 1個の血清試料に対する個々の画分とプールされた画分をテストするため、テ スト対象である材料をニトロセルロースのシート上にスポットし、ついで詳述し たウエスタン・ブロットの手順と同様に処理した。主として、1mg/mlのタ ンパク質を含む画分又は画分のプールを調製した。ニトロセルロース(バイオラ ド、8.4×7cm)カタログNo.162−0145)のシートに、そのニト ロセルロースにいかなるタンパク質も移さないように注意しながら、鉛筆と定規 を使って24個の小さな四角の印を付けた。 2μgのタンパク質を含む各画分又はプールの部分標本(2μl)を、ニトロ セルロース膜の印を付けた四角のそれぞれの中に注意してスポット(三連で)し た。このスポットを大気条件下で乾燥させた後、膜のそれぞれをブロック用溶液 (20mMトリス一塩酸、500mMのNaCl、pH7.5に溶解した1%w /vBSA)中で室温で1時間インキュベートした。このブロック用溶液は続い てデカントし、膜をトゥイーン−トリス緩衝化食塩水(20mMトリス−塩酸、 500mMのNaCl、0.05%v/vトゥイーン−20、pH7.5)で3 回洗浄し、ついでそれぞれの膜を3種のヒト血清型(トゥイーン−トリス緩衝化 食塩水中の1%BSAで60倍v/vに希釈したもの)の中の一つと共に室温で 一晩インキュベートした。この3種のヒト血清型はヘリサル・イライザ(HELISA L ELISA)(コルテクス)テストにより同定され、臨床テストによりエイチ.ピロ リ陽性、境界、陰性と確認されたものであった。一晩インキュベートした後、膜 をトゥイーン−トリス緩衝化食塩水中で2回洗浄し、ついで複合体溶液(ウサギ 抗−ヒトIgG−ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ複合体〔ダコ、カタロ グNo.P−406〕をトゥイーン−トリス緩衝化食塩水中の1%BSAで50 0倍v/v希釈したもの)中で室温で3時間インキュベートした。続いて膜をト ゥイーン−トリス緩衝化食塩水中で2回、トリス緩衝化食塩水(20mMトリス 、500mMのNaCl、pH7.5)中で1回洗浄し、ついで4−クロロ−1 −ナフトール溶液(20mlメタノール中60mg、100mlトリス緩衝化食 塩水及び60μlの30%H22)中で2〜30分間発色させた。発色は水中で 洗浄することにより停止させた。 ELISAのカットオフ値は、組織病理学により決定された既知のエイチ.ピ ロリ状態を患う患者の頻度をELISA反応性に対してプロットすることによる 、別の研究で決定された。結果 モノQエイチアール5/5カラムでの無細胞音波処理物の溶出プロフィルは図 1に示すとおりである。ウレアーゼ活性を含む画分は12mlと18mlの間の 溶出容積の中に位置した。 モノQエイチアール5/5カラムからのプールのスペロース6カラム上での溶 出プロフィルでは、10mlと19mlの間の溶出容積の位置にウレアーゼを含 む画分が得られた。 抗原反応性画分はスペロース6溶出液のイライザグラム(ELISAgram )及びウエスタン・ブロットにより決定された。エイチ.ピロリに感染している ことが知られている患者由来の血清は未感染の主体と比べて異なるイライザグラ ムのパターンを示した。スペロース6溶出液のELISA反応性の典型的なプロ フィルは図2に示すものである。感染主体と未感染主体の間で最大の相違を与え た抗原調製物が以下の診断検定の開発のために選択された。この抗原画分は幾ら かウレアーゼの存在が検出されたが、ウレアーゼの主ピークの右側にあるものが 選択された。 反応性画分の未変性PAGEにより、研究した2株由来の16個の検出可能な タンパク質バンドであって、700〜40kDaの範囲の分子量を持つバンドが 示された(表1、図3)。 表1 スペロース6カラムからの反応性画分の未変性PAGE。 検出されたタンパク質バンドの分子量バンドが観察されたゲル泳動の数(総数10)。 記された数値は平均値±SEMである。 イミュノブロット分析により、これらのタンパク質バンドの中の9個が免疫反 応性であることを明らかにした(表2、図4)。 表2 スペロース6カラムからの反応性画分の未変性PAGEの ウエスタン・ブロット分析により検出されたタンパク質バンドの分子量 1バンドが観察されたブロット分析の数(総数26)。2 のバンドはウレアーゼ活性を示した。3 この強く染色された領域は通常1個の区別できない領域として現れた(分子量 の範囲は240〜330kDa)。 示した数値は平均値±SEMである。 未変性PAGE上で観察された5個の主要な領域のSDS−PAGE分析によ り、各領域に対して7〜9個の副成分が検出された(表3)。 表3 未変性PAGE上で観察された5個の主要な領域のサブユニット分析 1バンドが観察されたゲル泳動の数。* ウレアーゼ陽性** 強いブロット 示した数値は平均値±SEMである。 この反応性画分のSDS−PAGE分析により、32個の検出可能なサブユニ ット成分が明らかになり、そのうちの18個は陽性の血清と免疫反応性であった (表4、図5)。 表4 スペロース6カラムからの反応性画分のSDS−PAGEの ウエスタン・ブロット分析により検出されたサブユニット成分の分子量示した数値は平均値±標準偏差である。n1は29回の泳動のうちバンドが検出 された分析の数である。 このゲルの分析の慎重な検討により、それぞれユニークであるように見えた1 0個のサブユニット成分が同定された。これらのうち6個は主要なバンドであっ た(表5)。これらのタンパク質のうちの5個のN末端アミノ酸配列決定により 、1はWO−A−9625430号で開示された抗原に相当したが、他の2個は 新規であった(データ・バンクに記述された対応する配列はなかった)。一方、 残りの2個は既知のN末端配列と正確な対応を示した(表6)。 表5 ゲル分析により反応性画分中に確認されたユニークなサブユニット成分 表6 反応性抗原画分中に確認された5個のタンパク質のN末端アミノ酸配列 新規な抗原を含むこれらの反応性画分のELISA診断における有用性をテス トした。カットオフは唾液に対しては0.7ELISAユニット、血清に対して は2.5ELISAユニットと決定した(図6)。 表7は組織学によるエイチ.ピロリ感染の検出に対する血清及び唾液のELI SA及びドット・ブロット検定の能力を示す。この結果によれば、血清及び唾液 の両方共高い感受性を示し、素晴らしい陽性及び陰性の予想値が得られた。唾液 のドットブロット分析は唾液又は血清のELISA程に高くはないが許容され得 る尺度としての能力を示した。 表7 組織学(幽門洞生検)的検出に対する ELISA又はドットブロットにより決定された唾液及び血清抗体の比較 実施例2 (a) エイチ.ピロリの培養は適当な条件の下で生育させ、その細胞はリン酸 緩衝化食塩水中に収穫した。続いて、細胞破砕物及び他の混合物、例えば寒天、 を除去するため繰り返し遠心分離し、そして新鮮なPBSを3回添加して洗浄細 胞ペレットを得た。 (b) この洗浄細胞をイオン交換クロマトグラフィーの工程で使用するため、 0.1Mのトリス−塩酸緩衝液、pH7.2に再懸濁した。次に、細胞懸濁液を 細胞の破砕が保証される程に十分な強度及び時間の音波処理(100寒天プレー トからの細胞を含む10mlの試料に対して、6μで30秒間処理、60秒切断 、を25回繰り返す)に付した。 (c) この懸濁液を次に遠心分離にかけて細胞破砕物を除去し、可溶性細胞タ ンパク質を含む上清を得た。 マシア)などの強アニオン交換樹脂を用い、予め定めた方法で溶出緩衝液を0か ら1.0Mの塩化ナトリウム濃度の増加に基づく勾配溶出を用いるイオン交換ク ロマトグラフィーにより分画した。この画分を次にウレアーゼの存在にっいて検 定した。 (e) ウレアーゼを含む画分を次にプールし、球状タンパク質に対し5×103 〜5×106Daのカットオフ範囲を持つ樹脂を用いるゲル浸透クロマトグラフ ィーに付した。 (f) 適当なピークを以下の工程により選択した。 (i) 全ての画分についてウレアーゼ検定を行いそしてウレアーゼ活性を 含むタンパク質ピークを同定する工程、 (ii) ウレアーゼ陽性であることが分かった画分の全て及びこのウレアー ゼピークの直ぐ隣のタンパク質ピークであって、未変性タンパク質のウエ スタン・ブロット分析によりより低い(見かけの)分子量を持つものおよ び変性(SDS)処理により生成したそれらの断片の画分を、エイチ.ピ ロリ陽性の個体から集めたヒト血清から調製されたプール由来のIgGを 用いて分析する工程、及び (iii) 上記のようにして電気泳動的に分離された後にエイチ.ピロリ陽性 の血清プール由来のヒトIgGとは反応するが、エイチ.ピロリ陰性の血 清から調製された同様の血清プールとは反応しないことが示されたタンパ ク質のバンドを選択する工程。 こうして同定されたバンドはそれぞれ、N末端アミノ酸分析に付し、そしてそ の配列を利用可能なコンピュータ・データベースからの既知のタンパク質の配列 と比較した。 請求の範囲 1. 下記の特性、すなわち、 変性条件かつ還元条件下で測定するとき、約53kDaの分子量を持ち、かつ下 記のN末端アミノ酸配列(配列番号:1)を持つこと、 M D L ? V L G I N T A、 変性条件かつ還元条件下で測定するとき、約43kDaの分子量を持ち、かつ下 記のN末端アミノ酸配列(配列番号:2)を持つこと、 M R V P K(S) K G F A I L S K、 変性条件かつ還元条件下で測定するとき、約43kDaの分子量を持ち、かつ下 記のN末端アミノ酸配列(配列番号:3)を持つこと、 ? ? G K A P D F K P A、 変性条件かつ還元条件下で測定するとき約54kDaの分子量を持ち、かつ、下 記のN末端アミノ酸配列(配列番号:4)を持つこと、 M L K(V) I(E) K(V又はS) L E(S) I、 自然(非変性)の条件下で測定するとき約370kDaの分子量を持ち、かつ、 下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:5)を持つこと、 M(K) L T I ? L E V(E)、 自然(非変性)の条件下で測定するとき約140kDaの分子量を持ち、かつ、 下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:6)を有すること、 M Y I P Y V I E、 自然(非変性)の条件下で測定するとき約90kDaの分子量を持ち、かつ下記 のN末端アミノ酸配列(配列番号:7)を有すること、 M N L D C(S) L Q V、 変性条件かつ還元条件下で測定するとき約15.9から16.9kDaの分子量 を持ち、かつ、下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:8)を持つこと、 G K I G I F F G T D S G N A E A I A E K、又は 自然(非変性)の条件下で測定するとき約344kDaの分子量を持ち、かつ、 下記のN末端アミノ酸配列(配列番号:9)を有すること、 M L V T K L A P D F L A P ? V、 上記の配列において括弧内の文字はそれに先行するアミノ酸の代替アミノ酸を表 す、 を持つエイチ.ピロリ抗原タンパク質。 2. 請求項1記載のタンパク質の抗原性断片。 3. 下記の配列、すなわち、 M D L ? V L G I N T A(配列番号:1)、 M R V P K(S) K G F A I L S K(配列番号:2) 、 ? ? G K A P D F K P A(配列番号:3)、 M L K(V) I(E) K(V又はS) LE(S) I(配列番号:4 )、 M(K) L T I ? L E V(E)(配列番号:5)、 MYIPYVIE(配列番号:6)、 M N L D C(S) L Q V(配列番号:7)、 G K I G I F F G T D S G N A E A I A E K(配列番号:8)、 M L V T K L A P D F L A P ? V(配列番号:9 )、又は M F T L R E L P F A K D S N G D F L S P(配列番号:10)、 上の配列中の括弧内の文字はそれに先行するアミノ酸の代替アミノ酸を表す、 を持つ請求項2記載の抗原性断片。 4. 請求項1記載の少なくとも一つのタンパク質又は請求項2又は請求項3記 載の少なくとも一つの抗原性断片を含んで成る抗原組成物。 5. 他のエイチ.ピロリ抗原及び/又はその断片の一つ以上をさらに含んで成 る請求項4記載の抗原組成物。 6. エイチ.ピロリの検出及び/又は診断に使用するための、下記のN末端ア ミノ酸配列、すなわち M F T L R E L P F A K D S N G D F L S P(配列番号:10)を有するエイチ.ピロリ由来のスーパーオキシドディスムターゼ酵素。 7. エイチ.ピロリを検出及び/又は診断する方法であって、 (a)テストの対象である試料を、請求項1記載の抗原性タンパク質の少な くとも一つ、請求項2又は請求項3記載の抗原性断片の少なくとも一つ、請求項 4又は請求項5記載の抗原組成物、又は請求項6記載のスーパーオキシドディス ムターゼ酵素 と接触させる工程、及び (b)エイチ.ピロリに対する抗体の存在を検出する工程、 を含んで成る方法。 8. その試料が唾液の試料である、請求項7記載の方法。 9. その試料が血液の試料である、請求項7記載の方法。 10. エイチ.ピロリの検出及び/又は診断に使用するためのキットであって 、請求項1記載のタンパク質の少なくとも一つ、請求項2又は請求項3記載の抗 原性断片の少なくとも一つ、請求項4又は請求項5記載の抗原組成物、又は請求 項6記載のスーパーオキシドディスムターゼ酵素 を含んで成るキット。 11. 主体における免疫応答を引き出すことができる組成物であって、請求項 1記載のタンパク質の少なくとも一つ、請求項2又は請求項3記載の抗原性断片 の少なくとも一つ、請求項4又は請求項5記載の抗原組成物、又は請求項6記載 のスーパーオキシドディスムターゼ酵素 を含んで成る組成物。 12. 該組成物がワクチン組成物である請求項11記載の組成物。 13. 少なくとも一つのアジュバントをさらに含んで成る請求項12記載の組 成物。 14. 請求項1記載のタンパク質の少なくとも一つ、請求項2又は請求項3記 載の抗原性断片の少なくとも一つ、請求項4又は請求項5記載の抗原組成物、又 は請求項6記載のスーパーオキシドディスムターゼ酵素の、免疫原組成物の調製 における使用。 15. 免疫原組成物がワクチン組成物である請求項14記載の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/02 G01N 33/573 A G01N 33/569 C12N 15/00 ZNAA 33/573 A61K 37/52 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ロバート リューリン クランシー オーストラリア国、エヌエスダブリュー 2300、ニューカッスル、ワット ストリー ト、ロイヤル ニューカッスル ホスピタ ル、ユニバーシティ オブ ニューカッス ル、デパートメント オブ パソロジー (72)発明者 ロイス マクシェイン オーストラリア国、エヌエスダブリュー 2300、ニューカッスル、キング アンド ワット ストリーツ、デイヴィッド マデ ィソン ビルディング、レベル 4、オー ストレイリアン インスティチュート オ ブ ミュコサル イミュノロジー (72)発明者 クリストファー ジョン スミス 英国、エルエル17 0ティーイー、デンビ グシャー、ローアルト、トレメアチオン レーン、イスフリン (72)発明者 デイヴィッド ロバート タイアマン 英国、エルエル33 0イーエヌ、グイネッ ド、ランバイアフェチァン、テラス ウォ ーク、ペンラン コテジーズ 2 (72)発明者 バウ ホー シンガポール国、シンガポール 119260、 ケント リッジ クレセント 10、ザ ナ ショナル ユニバーシティ オブ シンガ ポール、ファカルティ オブ メディシ ン、デパートメント オブ マイクロバイ オロジー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. エイチ.ピロリ抗原であるタンパク質であって、変性条件下かつ還元条件 下で測定するとき、約43kDaから約53kDaの範囲の分子量を持つタンパ ク質。 2. 約43kDaの分子量を持ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配 列を有する、請求項1記載のタンパク質。 M D L ? V L G I N T A 3. 約43kDaの分子量を持ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配 列を有する、請求項1記載のタンパク質。 M R V P K(S) K G F A I L S K 4. 約53kDaの分子量を持ち、かつ、そのアミノ末端に下記のアミノ酸配 列を有する、請求項1記載のタンパク質。 ? ? G K A P D F K P A 5. エイチ.ピロリ抗原であるタンパク質であって、下記の特性を有するタン パク質、 (i) 変性条件かつ還元条件の下で測定するとき約54kDaの分子量を持ち、 かつ、下記のN末端アミノ酸配列を持つこと、 M L K(V) I(E) K(V又はS) LE(S) I、 (ii) 未変性条件下で測定するとき約370kDaの分子量を持ち、かつ下記の N末端アミノ酸配列を有すること、 M(K) L T I ? L E V(E)、 (iii) 未変性条件下で測定するとき約140kDaの分子量を持ち、かつ下記 のN末端アミノ酸配列を有すること、 M Y I P Y V I E、 (iv) 未変性条件下で測定するとき約90kDaの分子量を持ち、かつ下記のN 末端アミノ酸配列を有すること、 M N L D C(S) L Q V、 (v) 変性条件かつ還元条件の下で測定するとき約15.9から16.9kDa の分子量を持ち、かつ、下記のN末端アミノ酸配列を持つこと、 G K I G I F F G T D S G N A E A I A E K、 (vi) 未変性条件下で測定するとき約344kDaの分子量を持ち、かつ下記の N末端アミノ酸配列を有すること、 M L V T K L A P D F L A P ? V、 又は (vii) 下記のN末端アミノ酸配列を有するスーパーオキシドディスムターゼ酵 素であること、 M F T L R E L P F A K D S N G D F L S P、 ただし、上記の配列中、括弧内の文字はそれに先行する文字に代替するアミノ酸 を示す。 6. 請求項1〜請求項5いずれか1項に記載のタンパク質の抗原性断片。 7. 下記の配列を有する請求項6に記載の抗原性断片、 M D L ? V L G I N T A、 ? ? G K A P D F K P A、 M L K(V) I(E) K(V又はS) LE(S) I、 M R V P K(S) K G F A I L S K、 M(K) L T I ? L E V(E)、 M Y I P Y V I E、 M N L D C(S) L Q V、 G K I G I F F G T D S G N A E A I A E K、 M L V T K L A P D F L A P ? V、 又は M F T L R E L P F A K D S N G D F L S P。 8. 請求項1〜請求項5いずれか1項に記載のタンパク質の少なくとも一つ、 又は請求項6又は請求項7に記載の抗原性断片の少なくとも一つを含んで成る抗 原組成物。 9. 他のエイチ.ピロリ抗原及び/又はその断片の一つ以上をさらに含むもの である請求項8記載の抗原組成物。 10. エイチ.ピロリの検出及び/又は診断に使用するための、請求項1〜請 求項5のいずれか1項に記載のタンパク質、請求項6又は請求項7に記載の抗原 性断片、又は請求項8又は請求項9に記載の抗原組成物。 11. エイチ.ピロリを検出及び/又は診断する方法であって、 (a) 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の抗原性タンパク質の少なく とも一つ、請求項6又は請求項7に記載の抗原性断片の少なくとも一つ、又は請 求項8又は請求項9に記載の抗原組成物をテスト対象である試料と接触させる工 程、及び (b) エイチ.ピロリに対する抗体の存在を検出する工程、 を含んで成る方法。 12. 上記の試料が唾液の試料である請求項11記載の方法。 13. 上記の試料が血液の試料である請求項11記載の方法。 14. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のタンパク質の少なくとも一 つ、請求項6又は請求項7に記載の抗原性断片の少なくとも一つ、又は請求項8 又は請求項9に記載の抗原組成物の、エイチ.ピロリの検出及び/又は診断にお ける使用。 15. 上記の検出及び/又は診断がイン・ビトロで行われるものである、請求 項11〜請求項13いずれか1項に記載の方法又は請求項14に記載の使用。 16. エイチ.ピロリの検出及び/又は診断に使用するためのキットであって 、請求項1〜請求項5いずれか1項に記載のタンパク質の少なくとも一つ、請求 項6又は請求項7に記載の抗原性断片の少なくとも一つ又は請求項8又は請求項 9に記載の抗原組成物を含んで成るキット。 17. 主体で免疫応答を引き出すことができる組成物であって、請求項1〜請 求項5いずれか1項に記載のタンパク質の少なくとも一つ、請求項6又は請求項 7に記載の抗原性断片の少なくとも一つ又は請求項8又は請求項9に記載の抗原 組成物を含んで成る組成物。 18. 必要に応じて一つ以上のアジュバントをさらに含むワクチン組成物であ る請求項17記載の組成物。 19. 請求項1〜請求項5いずれか1項に記載のタンパク質の少なくとも一つ 、請求項6又は請求項7に記載の抗原性断片の少なくとも一つ又は請求項8又は 請求項9に記載の抗原組成物の、免疫原組成物、好ましくはワクチンの調製にお ける使用。 20. 主体に免疫応答を誘発するための、請求項17又は請求項18に記載の 免疫原組成物の使用。 21. 主体におけるエイチ.ピロリ感染の治療法又は予防法であって、請求項 1〜請求項5いずれか1項に記載のタンパク質の少なくとも一つ、請求項6又は 請求項7に記載の抗原性断片の少なくとも一つ又は請求項8又は請求項9に記載 の抗原組成物の有効量を主体に投与する工程を含んで成る方法。 22. タンパク質の少なくとも一つ、抗原性断片の少なくとも一つ又は抗原組 成物がワクチンの形で投与されるものである請求項21記載の方法。
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