JP2001513634A - 停止可能な治療用ウイルス製剤 - Google Patents

停止可能な治療用ウイルス製剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、特に癌等の疾患の治療における抗ヘルペス薬に感受性を有するウイルスの使用に関する。具体的には、本発明は前記薬に対する前記ウイルスの感受性を増強させることまたはそれらウイルスのヒトに対する病原性を減少させること若しくはその両方実現するために抗ヘルペス薬に感受性を有するウイルスの遺伝子操作に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 停止可能な治療用ウイルス製剤 本発明は、限定はされないが、特に治療とワクチン開発に応用可能なウイルス 操作の方法、そのための手段とその産物に関する。 現行の癌治療方法は、外科手術による切除、腫瘍組織または細胞若しくはその 両方の免疫学的破壊あるいはそれらを標的と定めた細胞毒性療法に依存している 。現在使用されている殆どの方法は、物理的に健康な組織を侵すものあるいは毒 性副作用があるものである。これらの諸問題を伴わない腫瘍を縮小させうる新し い治療形態は、癌治療の全ての面に大きな影響を及ぼす可能性がある。 多くの動物ウイルスが、培養細胞の破壊と同時にヒトの腫瘍に由来した組織培 養細胞系において複製する。これらの細胞系は、通常、生体内(in vivo)にお いてウイルスの複製をサポートしない細胞種類から由来する。一般に、この違い は、ウイルスが生体内において遭遇する細胞休止形態または有糸分裂後形態と比 べると、上記細胞系の代謝活性が高いことによるものである。更に、一般に腫瘍 細胞は、(ウイルスの)転写に対する規制が緩いパターンを示し、これが通常で は存在しない転写調節蛋白質を分化した細胞に提供する事により、ウイルスの複 製を助けている可能性がある。 これらの研究結果は、科学文献にすでに開示されているが、ウイルスの複製が 制御不可能となり、宿主に死をもたらす可能性があることが主な原因で、最近ま でウイルスを癌治療に利用することは考えられていなかった。 特に複製能力が欠損しており、ヒト腫瘍サプレッサー遺伝子P53を 発現するレトロウイルスベクターは、腫瘍増殖の停止あるいは腫瘍の大きさの縮 小を引き起こすことにより、原発性肺癌の治療に有効であることが証明されてい る(1)。これらのウイルスは、腫瘍の急速な増殖を停止させ、もしくは、恐らく 腫瘍をプログラムされた細胞死(アポトーシス:apoptosis)に至らしめること、 あるいは細胞分裂を停止させることにより行いやすくさせている。 残念ながら、多くの患者の腫瘍がかなり進行しており、患者は腫瘍の二次的症 状の重荷に苦しんでいる。神経病発生に関与する遺伝子の削除により、脳腫瘍を 破壊するウイルスベクターの開発が現在試みられている(2)。この様なウイルス は、急速に増殖する腫瘍細胞の破壊に対し選択性を有する一方、正常神経組織に おいては複製しないものと見込まれている。 複製能力を有するウイルスの大きな問題は、特にウイルスが比較的初期の継体 培養(low passage)から得られた毒性ウイルス株では、腫瘍破壊後も患者の体 内で増殖し続け、その他の疾患を引き起こす可能性がある点である。更に、宿主 の持つ先天性免疫がこれらのウイルスに対してその拡散を阻害し、感染した腫瘍 細胞を破壊する可能性がある。 我々は、癌治療分野における従来の知識と一般に受け入れられている実際の方 法に反して、最も科学的精密さと簡潔さを備えた方法で複製能力を持つ動物ウイ ルスを利用している。我々は、全てのヘルペスウイルス(herpesviruses)が抗 ヘルペス薬又は製剤に種々の感受性を有する現象を利用することを本発明の前提 とする。更に、我々は、病原性に関係する選択された遺伝子を破壊又は欠失させ 又は不活性にするために、独自の方法でウイルスに手を加えると同時に、場合に よ っては、抗ヘルペス薬又は製剤に対する感受性を増強するように前記ウイルスに 手を加えた。その結果、我々は、人間に対し病原性を持たず、治療過程のどの時 点でも一時的または永久的に容易に停止(arrest)できる複製能力を有する動物ウ イルスを有利に生産できた。 更に、抗ヘルペス薬は、反復かつ長期の投与をしても副作用が極めて少ないこ とが知られており、多くの従来の化学療法剤ほど重大な副作用が少ないクラスの 薬物であることは確かである。化学療法剤は反復長期投与により脱毛等の重大な 副作用を引き起こすため、前記クラスの薬物は肉体的にも精神的にも患者の不快 感を軽減できる。 更に、前記ウイルス剤は、アシクロビル(acyclovir)の様な抗ヘルペス薬に 感受性を有することは十分公知であるため、特に人間と動物の遺伝子療法におけ る利用に適している。従って、遺伝子療法を一時的あるいは永久的に中止したい 場合には、その様な遺伝子療法を受けている患者にアシクロビルを投与するだけ でよく、これが遺伝子療法ベクターとベクター複製をサポートしている細胞の破 壊効果を有し、その結果遺伝子療法は中止される。生殖前に遺伝子療法を停止す ることができることによって、その治療用遺伝子が胚細胞系に伝達され、何世代 にもわたって受け継がれるのを防止できるので、一旦開始した遺伝子療法を制御 できることは、小児または生殖能力を持つ成人を治療する場合には特に重要であ る。また、アシクロビルの様な抗ヘルペス薬に特別な感受性を持つような遺伝子 療法ベクターを作製できることも重要である。これは、従来の技術を用いること により、例えば、適切なベクターに単純なヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ 遺伝子の挿入によりできる。前記酵素がアシクロビルをリン酸化し、アシクロビ ルの効果に対するウイルス特別な感受性を高めることができる。 本願にかかる発明は、(治療を)停止可能な(arrestable)治療剤としての動 物ウイルスの新しい使用に関する発明であって、抗ヘルペス薬又は製剤若しくは その両方に対する該ウイルスの感受性を高めるための異種遺伝子の任意導入によ り患者に対する副作用を最小限に抑え、完全、有効、安全かつ正確な治療が可能 となる発明である。 本発明の第一の目的は、本来から有し、あるいは適切な操作の後に獲得する抗 ヘルペス薬又は製剤若しくはその両方に対する感受性を有する、動物ウイルスか ら得られた停止可能な治療用ウイルス製剤を提供することである。 本発明の更なる目的は、腫瘍を破壊するために複製能力を持つウイルスベクタ ーを含む停止可能な治療用ウイルス製剤を提供することである。 本発明の更なる目的は、抗ヘルペス薬を使用して宿主又は患者若しくはその両 方から除去できる停止可能な治療用ウイルス剤を提供することである。 本発明の更なる目的は、癌の治療時に宿主又は患者若しくはその両方に対する 副作用を最小限にすることである。 本発明の更なる目的は、一時的または永久的に簡単に停止できる治療方法を提 供することである。 本発明の第一態様は、本発明は抗ヘルペス薬を用いて宿主又は患者若しくはそ の両方から除去でき、かつ腫瘍を治療するためにヒトの(腫瘍)組織において複製 能力を有する停止可能な治療用ウイルス剤の使用を提供することである。 本明細書において対象とされる腫瘍は、実質上ヒト組織の全てにおける腫瘍、 悪性腫瘍、癌または病的腫大の全てを含む。 本明細書に用いる中止可能(arrestable)という言葉には、ウイルス活性の一 時的または永久的に中止させる意味を含む。 本明細書に使用する除去という言葉には、一般的に、ウイルス複製の中止を特 徴とする短期、中期または長期の除去を含む。 本明細書に使用する抗ヘルペス薬/剤には、抗ヘルペス活性を有することが証 明されている全ての公知の物質、その類似体とその相同体を含む。 本発明の更なる好ましい実施態様において、腫瘍の治療に使用するため、ヒト 組織において理想的にヘルペスウイルスの複製を可能にする該ウイルスの使用が 提供されている。 前記ヘルペスウイルスを、該ウイルスの前記抗ヘルペス薬に対する感受性が増 強されるように作製または改変することが好ましい。 本明細書に使用されているヘルペスウイルスとは、アシクロビル(acyclovir )またはペンシクロビル(pencyclovir)に、または、典型的にオーファンドラ ッグとして公知の薬剤のようなその他の関連薬又は製剤を含むその相同体または その類似体若しくはその両方のような抗ヘルペス薬又は製剤に、本来から感受性 を有し、あるいは感受性を確保するように適切に改変された全てのウイルスを含 む。 本発明の好ましい実施態様は、われわれはヒトの単純ヘルペスウイルス1型(H SV-1)とウマのヘルペスウイルス1型(EHV-1)の2種類のヘルペスウイルスを選択 したことである。 EHV-1が選択されたのは、本来の感染経路が粘膜表面である幾つかのヘルペス ウイルス中の1つであることと、更にこのウイルスがヒトの腫瘍から得られた細 胞系において広く複製するが、ヒトに対し疾病を引き起こさないことにある(3) 。このウイルスは、この様な環境に おいてその他のヘルペスウイルスよりも遥かに安定性が高い。EHV-1はヒトの病 原体ではなく、ヒトにおいてこのウイルスに対する先天性免疫反応は起こらない 。従って、このウイルスは初回接種で腫瘍内に拡散するのを阻害されることはな いが、感染された細胞は(少なくとも最初から)宿主による破壊の標的にはならな いとされる。 前記いずれのウイルスとも培養においてヒトの細胞型において広く複製し、そ れらの宿主細胞を破壊する。全てのヘルペスウイルスがアシクロビルによる阻害 を受けやすく、変化しやすくなる。両ウイルスの更なる利点は、分裂する細胞に おいてのみ複製するように作製できる点である。 しかし、HSV-1はヒトの病原体であり、90%以上のヒトがこのウイルスに対し 先天性免疫性を示す。従って、このウイルスに感染した腫瘍細胞は宿主免疫系に より認識されて破壊の標的となる。しかし、該先天性免疫反応が腫瘍内における ウイルスの効率的な拡散を阻害する可能性がある。 本発明の更なる好ましい実施態様は、腫瘍の治療に利用するために、ヒトの組 織において理想的に複製できるヘルペスウイルスが提供されることであって、前 記ヘルペスウイルスが単純ヘルペスウイルスであることが好ましく、前記単純ヘ ルペスウイルスがHSV-1株HFEMであることが最も好ましい。 本発明の更なる好ましい実施例態様は、腫瘍の治療に利用するために、ヒトの 組織において理想的に複製できるウマのヘルペスウイルスが提供されることであ る。 前記ウマのヘルペスウイルスが前記抗ヘルペス薬に対する感受性が強化される ように作製または改変されていることが好ましい。 アシクロビルを活性化するに関与するウイルス遺伝子産物TKがEHV-1においてはH SV-1よりも発現されるレベルが低いため、抗ウイルス薬に対する感受性がを低く なるので、アシクロビルに対する感受性を画期的に改善するために、好ましくは 、この遺伝子をHSV-1から得られた遺伝子と置き換えることができることが判明 している。 更に、我々は小動物のEHV-1病原性として重要である公知の3つの遺伝子を取 り除いている。これは、ウイルスが規制当局により厳格に使用不能にされると考 えられ、さもなければ、異種ウイルスを別の野生型ウイルスに導入する際に、高 い封じ込めレベルで取り扱う必要がない複製能力を有するウイルスが問題となり 得ることは確実であろう。この様に、我々は従来の技術に伴ってきた問題を克服 できる新しい方法を発明した。 本発明の更なる好ましい実施態様は、前記ウイルスの全てがヒトに対する病原 性に関与または関係する少なくとも1つの遺伝子を欠如させ、あるいはその突然 変異を有するため、その遺伝子産物はヒトに対する病原性に関しては機能欠損あ るいは機能不全がある。 一般に、前記ウイルスの全ては、動物モデルに対応する病原性の決定子として 公知の遺伝子を除去するように遺伝子操作されている。HSV-1由来の製剤は、ゲ ノムに自然欠失があって、末梢部位からのウイルスの拡散に関与する遺伝子に影 響を与える実験室で改変されたウイルスに基づいている(4)。それに付き加えて 、病原性に影響を及ぼす公知の突然変異がこのウイルスに導入される。 さらに、EHV-1はヒトに対して病原性がないことが明らかなので、その遺伝子 を欠失させる必要はないと思われる。 本発明の更なる好ましい実施態様は、病原性に関係する少なくとも 1つの遺伝子の突然変異または欠如または機能不全若しくはそのすべてを生じさ せるように修飾された動物ウイルスが提供されていることである。 このように、本発明の更なる好ましい実施態様は、前記の様に、病原性に関係 する少なくとも1つの遺伝子の突然変異または欠如または機能不全若しくはその すべてを生じさせるように修飾されたヘルペスウイルスが提供されることであっ て、前記ヘルペスウイルスはHSV-1株HFEMであることが好ましく、前記遺伝子決 定子はU13またはUL50若しくはその両方であることが最も好ましい。 このように、本発明の更なる好ましい実施態様は、前記の様に、病原性に関係 する少なくとも1つの遺伝子の突然変異または欠如または機能不全若しくはその すべてを生じさせるように修飾されたウマのヘルペスウイルスが提供されること であって、前記遺伝子決定子が遺伝子13または遺伝子49または遺伝子9若しくは そのすべてであることが好ましい。 本発明の第二の態様は、複製能力を有するが、アシクロビルまたはその相同体 またはその類似体に対し高い感受性を示すように遺伝的に改変、修飾されたアシ クロビルに感受性を有する動物ウイルスが提供されることである。 本発明の好ましい実施態様は、複製能力を有するが、アシクロビルまたはその 相同体またはその類似体に対し高い感受性を示すように遺伝的に改変、修飾され たアシクロビルに感受性を有するヘルペスウイルスが提供されることである。 本発明の更なる好ましい実施態様は、複製能力を有するが、アシクロビルまた はその相同体またはその類似体に対し高い感受性を示すよ うに遺伝的に改変、修飾されたウマのヘルペスウイルスが提供されることである 。 本発明の更なる好ましい実施態様は、治療に使用するための試薬として選択さ れた遺伝子または製剤を担持するように修飾された動物ウイルスが提供されるこ とであって、好ましくは前記動物ウイルスがヘルペスウイルスを、最も好ましく は前記動物ウイルスがウマのヘルペスウイルスを含んでなる。 本発明の第三の態様は、1種類以上の前記ウイルスを含む医薬組成物が任意で 適切な担体と組み合わせて提供されることであって、前記適切な担体との組合せ において、該担体が溶液または懸濁液等を含むことが好ましいが、本明細書の範 囲においてはそれに限定されるものではない。 本発明の第四の態様は、腫瘍である、あるいは腫瘍の可能性がある患者の治療 方法であって、 i) 前記治療を受ける患者に前記医薬組成物を投与するステップであって、投 与経路が注入によることが好ましく、注入が腫瘍部位またはそのすぐ周囲部位も しくはその両方に直接注入によることが最も好ましいステップと、 ii) 有効量の抗ヘルペス薬を前記患者に投与することにより前記医薬組成物 による治療を任意かつ選択的に中止または弱ませるステップであって、前記抗ウ イルス薬の投与経路が注入または経口若しくはその両方によることが好ましく、 前記抗ウイルス薬がアシクロビルまたはその相同体またはその類似体若しくはそ のすべての抗ヘルペス薬であることが最も好ましいステップ、 を含んでなる患者の治療方法である。 方法 EHV-1チミジンキナーゼ遺伝子の不活化と単純ヘルペスウイルス1型からチミジ ンキナーゼ遺伝子を組み入れた新しいEHV-1株の作製 EHV-1 TK(thymidine kinase)遺伝子は、発表されているウイルスAb4株の配 列の座標69910と70968の間に位置している。操作されるウイルス株はAb4と全く 同時に分離され、本質的に同じゲノム配列を有するAb1であった(5)。座標69910 と71200の間のDNA配列をPCRにより増幅し、1290bpのフラグメントをプラスミドL ITMUS 38の中にクローニングした。pDM551と命名されたこのプラスミドを制限 エンドヌクレアーゼFsp 1を用いて切断し、TK遺伝子コーディング配列の315bp のフラグメントを除去した。次いで、このプラスミドを再結合させpDM552を作製 した。標準方法を用いてこの構造体をBHK細胞の中に作製した感染性EHV-1 DNA によりトランスフェクションした。感染性ウイルスにより細胞シートの大部分が 破壊されるまで、細胞病原性作用を進行させた。次いで、プレートから細胞をこ すり落とし、超音波振動により破壊し、100μg/mlのアシクロビルが存在する場 合と存在しない場合の両方のウイルス株の力価を測定した。これによってアシク ロビルに耐性を有する、すなわちこの段階でTKネガティブとなったウイルス集団 の割合が推定される。限界希釈法を用いて、アシクロビルを含む組織培地におい て96ウェルプレートでウイルス株を再度培養した。次に、アシクロビル耐性ウイ ルスの個々のプラーク分離物にTK欠失が作製されたかどうかをPCRを用いてテス トした。次にこのウイルスの株をプラーク作製し、Ab1-38と命名した。 HSV-1 TK遺伝子(UL23)は、発表されているHSV-1 17株の配列のヌクレオチド 46674と47802の間に位置している。完全なコーディン グ配列をPCRにより増幅し、pCMVβの中にクローニングし、そこからβ-ガラクト シダーゼ遺伝子を制限エンドヌクレアーゼNot 1を用いて切断により除去し、p DM553を作製した。制限エンドヌクレアーゼEcoR1とSal 1を用いてCMVプロモー ターの制御下にあるTK遺伝子を含む発現カセットをこのプラスミドから除去し、 pDM552のFsp 1部位の中に結合し、プラスミドpDM554を作製した。AB4-38から 作製した感染性ウイルスDNAをpDM552のDNAと同時トランスフェクションし、子孫 ウイルスを分離し、その力価を測定した。限界希釈法で培養して個々のウイルス 株を分離し、一方には100μg/mlのアシクロビルを加えて、2検体ずつ96ウェル プレートの中にレプリカ培養した。この時点でアシクロビルに感受性を有するウ イルス(即ち、HSV-1 TKを発現するウイルス)をアシクロビルを加えずに増殖し たレプリカ培養から取り出し、更にプラーク作製を2回行った。ゲノムの完全性 をサザンブロッティングにより確認し、誘導ウイルスをAB1RTK1と命名した。 HSV-1遺伝子UL13 UL13遺伝子は、発表されているHSV-1 17株の配列の座標26950と28504の間に 位置している。完全な遺伝子は、この実験室において、座標29336と25149の間の HSV-1 17株由来のDNAフラグメントを含むpYW101と命名されたプラスミドにおい て利用可能であった。これのフラグメントを、Dde 1を用いる切断により入手し 、pUC19のSma 1部位の中にクローニングした。このプラスミドをpYW201と命名し た。Hind IIIを用いてこのプラスミドを更に切断し、UL 13コーディング配列 から52bpフラグメントを除去し、プラスミドを再結合し、pYW211と命名した。次 いで、このプラスミドをHid IIを用いて再 切断し、CMVIE3プロモーター制御下のβ-ガラクトシド遺伝子を含むカセットを このプラスミドの中にクローニングし、pYW212を得た。前記と全く同様に、感染 性ウイルスDNAをpYW212によりトランスフェクションし、細胞病原性を進行させ た。子孫ウイルスを分離し、希釈し、β-ガラクトシド比色指示薬、X-galの存在 下にBHK細胞の新鮮な単層に平板培養した。青色に変わったウイルスプラークを 取り出し、3回のプラーク作製により、組み換えウイルスをクローン形態で分離 した。ゲノムの完全性はサザンブロッティングにより確認した。 HSV-1遺伝子UL50 HSV-1 UL50遺伝子は、発表されているHSV-1 17株の配列の座標107,010と108 ,123の間に位置している。このDNA配列を上記の様にPCRにより増幅し、1114塩基 対のフラグメントをプラスミドLITMUS38中にクローニングした。pDM710と命名さ れた得られたプラスミドを、制限エンドヌクレアーゼSma 1を用いて切断し、9 6bpと47bpフラグメントを外した。残りのプラスミドをT4 DNAポリメラーゼを用 いてブラント末端化し、CMVIE3プロモーター制御下のβ-ガラクトシド遺伝子の カセットをこの部位の中に結合し、pDM711を作製した。前に記載されている方法 と全く同様に、感染性ウイルスDNAをpDM711によりトランスフェクションし、細 胞病原性を進行させた。子孫ウイルスを分離し、希釈し、β-ガラクトシド比色 指示薬、X-galの存在下にBHK細胞の新鮮な単層に平板培養した。青色に変わった ウイルスプラークを取り出し、3回のプラーク作製により、組み換えウイルスを クローン形態で分離した。ゲノムの完全性はサザンブロッティングにより確認し た。 EHV-1遺伝子13 EHV-1遺伝子13は、発表されているEHV-1 Ab4株の配列の座標15317と17932の間 に位置している。このDNA配列(Ab1株由来)を上記の様にPCRにより増幅し、2640 塩基対のフラグメントをプラスミドLITMUS38中にクローニングした。pDM570と命 名された得られたプラスミドを、制限エンドヌクレアーゼSma 1とBam H1を用い て切断し、1333bpフラグメントを外した。残りのプラスミドをT4 DNAポリメラ ーゼを用いてブラント末端化し、CMVIE3プロモーター制御下のβ-ガラクトシド 遺伝子のカセットをこの部位の中に結合し、pDM571を作製した。前に記載されて いる方法と全く同様に、感染性ウイルスDNAをpDM711によりトランスフェクショ ンし、細胞病原性を進行させた。子孫ウイルスを分離し、希釈し、β-ガラクト シド比色指示薬、X-galの存在下にBHK細胞の新鮮な単層に平板培養した。青色に 変わったウイルスプラークを取り出し、3回のプラーク作製により、組み換えウ イルスをクローン形態で分離した。ゲノムの完全性はサザンブロッティングによ り確認した。 遺伝子49、ビリオンプロテインキナーゼ(virion protein kinase)の欠如 ビリオンプロテインキナーゼをエンコードする遺伝子は、ゲノムの座標89369 と91153の間に位置している。完全なコーディング配列を鋳型として作製ウイル スDNAからPCRにより増幅し、1782bpのフラグメントを作製した。これをプラスミ ドLITMUS 38中にクローニングし、プラスミドpDM561を作製した。次いで、これ を制限エンドヌクレアーゼNru 1とPm 1を用いて切断し、644bpフラグメント を外した。次いで、このプラスミドをブラント末端化し、CMVIE3プロモーター制 御下のβ-ガラクトシド遺伝子のカセットをこの部位の中 に結合し、pDM562を作製した。感染性ウイルスDNAをpDM562により同時トランス フェクションし、細胞病原性を進行させた。子孫ウイルスを分離し、希釈し、β -ガラクトシド比色指示薬、X-galの存在下にBHK細胞の新鮮な単層に平板培養し た。青色に変わったウイルスプラークを取り出し、3回のプラーク作製により、 組み換えウイルスをクローン形態で分離した。ゲノムの完全性はサザンブロッテ ィングにより確認した。 EHV-1遺伝子9 EHV-1遺伝子9は、発表されているEHV-1 Ab4株の配列の座標11,135と12,115の 間に位置している。このDNA配列(上記のようにAb1株由来)を上記の様にPCRによ り増幅し、980塩基対のフラグメントをプラスミドLITMUS 38中にクローニング した。pDM580と命名された得られたプラスミドを、制限エンドヌクレアーゼPm 1とBsp M1を用いて切断し、377bpフラグメントを外した。残りのプラスミドを T4 DNAポリメラーゼを用いてブラント末端化し、CMVIE3プロモーター制御下のβ -ガラクトシド遺伝子のカセットをこの部位の中に結合し、pDM581を作製した。 前章に記載されている方法と全く同様に、感染性ウイルスDNAをpDM581によりト ランスフェクションし、細胞病原性を進行させた。子孫ウイルスを分離し、希釈 し、β-ガラクトシド比色指示薬、X-galの存在下にBHK細胞の新鮮な単層に平板 培養した。青色に変わったウイルスプラークを取り出し、3回のプラーク作製に より、組み換えウイルスをクローン形態で分離した。ゲノムの完全性はサザンブ ロッティングにより確認した。 HSV-1 TK遺伝子を含むEHV-1株を作製するための組み換えカセットの構築 プラスミドpHSV-106(Life Science Technologies)をBamH1を用いて切断し、完 全なHSV-1 TK遺伝子を含む3.4Kbpフラグメントを作製した。 BamH1 TKフラグメントの両端に結合するための適切な制限酵素部位を含める 様に、EHV-1 TK遺伝子(遺伝子38)を挟む2組のPCRプライマーをデサインした。4 04bpを包含する5'フランキング領域、1,002bpを包含する3’フランキング領域を BamH1フランキングに結合させ、pUC18の中にクローニングした。適切な方向のDN A配列が存在するクローンをスクリーニングし、典型的なクローンをp38TKと命名 した。 作製されたp38TKを作製されたEHV-1 DNAにより同時トランスフェクションし 、標準法により組み換えウイルスを分離した。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年2月9日(1999.2.9) 【補正内容】 請求の範囲(補正) 1.場合によっては、腫瘍の治療において利用でき、医薬組成物として用いる ためのヒト組織において複製可能なウマのヘルペスウイルス。 2.抗ヘルペス剤を用いて宿主または患者若しくはその両方から除去すること ができることを特徴とする請求項1に記載のウイルス。 3.前記抗ヘルペス剤への増強した感受性を示すように組み換えにより作製あ るいは改変されることを特徴とする請求項1〜2のいずれに記載のウイルス。 4.前記作製が該ウイルスの中に単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝 子の挿入を含むことを特徴とする請求項3に記載のウイルス。 5.前記ウマのヘルペスウイルスを宿主又は患者若しくはその両方から除去で きるように、抗ヘルペス剤への増強した感受性を示すように作製あるいは改変さ れることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のウイルス。 6.前記ウイルスが分裂する細胞においてのみ複製することを特徴とする請求 項1〜5のいずれかに記載のウイルス。 7.前記ウマのヘルペスウイルスは1型(EHV-1)であることを特徴とする請 求項1〜6のいずれかに記載のウイルス。 8.前記ウイルスがヒトに対する病原性に関与または関係する少なくとも1つ の遺伝子を欠如しているか少なくとも1つの突然変異を有するため、該ウイルス の遺伝子産物がヒトに対する病原性を欠失しているか、あるいは病原として機能 しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のウイルス。 9.前記病原性遺伝子が突然変異体であることまたは削除されたことまたは機 能不全であることを特徴とする請求項8に記載のウイルス。 10.前記病原性遺伝子が遺伝子13または遺伝子49または遺伝子9若しく はその全てであることを特徴とする請求項8または9のいずれに記載のウイルス 。 11.前記ウイルスが、選択された遺伝子あるいは治療用の薬としての薬剤を 担持するのように修飾されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1 つに記載のウイルス。 12.複製能力を有するが、抗ヘルペス剤またはその相同体またはその類似体 に対し高い感受性を示すように遺伝的に改変、修飾された抗ヘルペス剤に感受性 を有するウマのヘルペスウイルス。 13.前記ウイルスが医薬品として使用することを特徴とする請求項12に記 載のウイルス。 14.請求項2〜11のいずれかに記載のウイルスの特徴を更に含むことを特 徴とする請求項12または13のいずれかに記載のウイルス。 15.請求項1〜11のいずれかに記載のウイルス、あるいは、請求項12〜 14のいずれかに記載のウイルスと任意の適切な担体を含んでなる医薬組成物。 16.任意の腫瘍治療において医薬品として使用するためのヒト組織において 複製可能な単純ヘルペスウイルスHSV-1株HFEMウイルス。 17.前記ウイルスが抗ヘルペス剤を用いて宿主または患者若しくはその両方 から除去されやすいことを特徴とする請求項16に記載のウイルス。 18.前記ウイルスが、前記抗ヘルペス剤への増強した感受性を示すように、 組み換えにより作製あるいは改変されることを特徴とする請求項15〜17のい ずれか1つに記載のウイルス。 19.前記作製が、該ウイルスの中に単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ 遺伝子の挿入を含むことを特徴とする請求項18に記載のウイルス。 20.前記ウイルスが、前記ウマのヘルペスウイルスを宿主または患者若しく はその両方から除去できるように、抗ヘルペス剤への増強した感受性を示すよう に作製あるいは改変されることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1つに 記載のウイルス。 21.前記ウイルスが分裂する細胞においてのみ複製することを特徴とする請 求項15〜20のいずれか1つに記載のウイルス。 22.前記ウイルスがヒトに対する病原性に関与または関係する少なくとも1 つの遺伝子を欠如しているか少なくとも1つの突然変異を有するため、該ウイル スの遺伝子産物がヒトに対する病原性を欠失しているか、あるいは病原として機 能しないことを特徴とする請求項15〜21のいずれか1つに記載のウイルス。 23.前記病原性遺伝子が突然変異体であることまたは削除されたことまたは 機能不全であることを特徴とする請求項22に記載のウイルス。 24.前記病原性遺伝子が遺伝子U13または遺伝子U50若しくはその両方 であることを特徴とする請求項22または23のいずれかに記載のウイルス。 25.前記ウイルスが、選択された遺伝子あるいは治療用の薬としての薬剤を 担持するのように修飾されていることを特徴とする請求項15〜24いずれか1 つに記載のウイルス。 26.複製能力を有するが、抗ヘルペス剤またはその相同体またはその類似体 に対し高い感受性を示すように遺伝的に改変、修飾された抗ヘルペス剤に感受性 を有する単純ヘルペスウイルスHSV-1株HFEMウイルス。 27.前記ウイルスが医薬品として使用することを特徴とする請求項26記載 のウイルス。 28.請求項17〜25のいずれか1つに記載のウイルスの特徴を更に含むこ とを特徴とする請求項26または27のいずれかに記載のウイルス。 29.請求項16〜25のいずれか1つに記載のウイルス、または、請求項2 6〜28のいずれか1つに記載のウイルスと任意の適切な担体を含む医薬組成物 。 30.腫瘍を有する、あるいは腫瘍を持つ可能性がある患者に請求項1、12 、16または26のいずれか1つに記載の医薬組成物の治療有効量を投与ステッ プを含んでなる患者の治療方法。 31.場合によっては、前記有効量の抗ヘルペス剤を前記患者に投与すること により前記医薬組成物による治療を選択的に中止または弱らせるステップを更に 含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。 32.前記抗ヘルペス剤がアシクロビルであることを特徴とする請求項31に 記載の方法。 33.前記医薬組成物が治療部位に注入されることを特徴とする請求項30に 記載の方法。 34.前記抗ウイルス剤が治療部位に注入されることを特徴とする請求項31 または32のいずれかに記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 9/12 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 メレディス,デイヴィッド・マーク イギリス国、エルエス9 7ティーエフ リーズ、セント・ジェイムズ・ユニヴァー シティ・ビルディング、クリニカル・サイ エンシズ・ビルディング、ザ・ユニヴァー シティ・オヴ・リーズ、ウェスト・ライデ ィング・メディカル・リサーチ・ユニッ ト、モレキュラー・メディシン

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.腫瘍を治療するための、抗ヘルペス薬を用いて宿主または患者もしくはそ の両方から除去できる、ヒトの組織において複製能力を有する停止可能な治療用 ウイルス製剤の使用。 2.前記ウイルスがヒト組織において複製可能なヘルペスウイルスであること を特徴とする請求項1に記載の使用。 3.前記ウイルス製剤がαヘルペスウイルスであることを特徴とする請求項1 と2のいずれかに記載の使用。 4.前記ウイルス製剤がヒト単純ヘルペスウイルスであることを特徴とする前 記請求項1〜3のいずれか1つに記載の使用。 5.前記ウイルス製剤がヒト単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)であることを 特徴とする請求項4に記載の使用。 6.前記ウイルス製剤がHSV-1株HSEMであることを特徴とする請求項5に記載 の使用。 7.前記ウイルス製剤がウマのヘルペスウイルス1型(EHV-1)であることを特 徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の使用。 8.前記ウイルスが前記抗ヘルペス薬に対する増強した感受性を示すように、 遺伝子組み換えにより作製あるいは改変されている請求項1〜7のいずれか1つ に記載の使用。 9.前記作製が前記ウイルス製剤に単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺 伝子の挿入を含むことを特徴とする請求項8に記載の使用。 10.前記製剤が(遺伝子の)組み換えにより、分裂する細胞においてのみ複 製できるように作製されることを特徴とする前記請求項1〜9のいずれか1つに 記載の使用。 11.腫瘍を治療するためにヒトの組織において複製可能なウマの ヘルペスウイルスの使用。 12.前記ウマのヘルペスウイルスが、前記抗ヘルペス薬に対する増強した感 受性を有するので、前記ウマのヘルペスウイルスを宿主または患者もしくはその 両者から除去できるように、組み換えにより作製あるいは改変されていることを 特徴とする請求項11に記載の使用。 13.前記作製が前記ウマのヘルペスウイルスに単純ヘルパスウイルスチミジ ンキナーゼ遺伝子の挿入を含むことを特徴とする請求項12に記載の使用。 14.前記ウイルスが、ヒトにおける病原性に関与するまたは関係する少なく とも1つの遺伝子を欠ける、または少なくともそれらの1つの突然変異体を有す るため、該ウイルスの遺伝子産物がヒトに対する病原性を欠き、あるいは機能し ないウイルスであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の使 用。 15.前記病原性遺伝子が、突然変異されることまたは削除されたことまたは 機能不全であることことを特徴とする請求項14に記載の使用。 16.前記病原性遺伝子が、請求項5または6に記載のウイルス型にしたがい 、U13またはUL15であることをと特著とする請求項14または15に記載 の使用。 17.前記病原性遺伝子が、請求項7に記載のウイルス型にしたがい、遺伝子 13または遺伝子49または遺伝子9もしくはそれらのすべてであることをと特 著とする請求項14または15に記載の使用。 18.複製能力は有し、かつ抗ヘルペス薬またはその相同体またはその類似体 に対し高い感受性を示すように遺伝的に改変、修飾された抗ヘルペス薬に感受性 を獲得した動物ウイルス。 19.前記抗ヘルペス薬がアシクロビルであることを特著とする請求項18に 記載のウイルス。 20.前記改変が前記ウイルスへのチミジンキナーゼ遺伝子の挿入を含むこと を特徴とする請求項18または19に記載のウイルス。 21.前記ウイルスがαヘルペスウイルスであることを特徴とする請求項18 〜20のいずれか1つに記載のウイルス。 22.前記ウイルスがウマのヘルペスウイルスであることを特徴とする請求項 21に記載のウイルス。 23.前記ウイルスが、選択された遺伝子あるいは治療用の薬としての薬剤を 担持するのように修飾されていることを特徴とする請求項18〜22のいずれか 1つに記載のウイルス。 24.請求項18〜23に記載の1種類以上のウイルスを含む任意の適切な担 体との組み合わせである医薬組成物。 25.腫瘍を有する、あるいは腫瘍をもつ可能性がある患者の治療方法であっ て、 i)治療するために、前記患者に請求項24に記載の医薬組成物を投与するステ ップと、 ii)場合によっては、有効量の抗ヘルペス薬を前記患者に投与することにより 前記医薬組成物による治療を選択的に中止または弱らせるステップと を含んでなる患者の治療方法。 26.前記医薬組成物が治療部位に注射されることを特徴とする請求項25に 記載の方法。 27.前記抗ウイルス薬が治療部位に注射されることを特徴とする請求項25 と26のいずれかに記載の方法。
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