JP2001513576A - 側副経路を介する補体活性化を阻害するためのプロセス - Google Patents

側副経路を介する補体活性化を阻害するためのプロセス

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JP2001513576A JP2000507398A JP2000507398A JP2001513576A JP 2001513576 A JP2001513576 A JP 2001513576A JP 2000507398 A JP2000507398 A JP 2000507398A JP 2000507398 A JP2000507398 A JP 2000507398A JP 2001513576 A JP2001513576 A JP 2001513576A
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Abstract

(57)【要約】 側副経路を介して補体の活性化を阻害するプロセスであって、側副経路を介して補体活性化産物の形成を阻害する工程を包含するプロセス、が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、本明細書中で参考として援用されている、1997年8月26日に
出願された米国特許出願第08/918,349号の一部継続出願である。
【0002】 (発明の技術分野) 本発明の分野は、補体活性化である。より詳細には、本発明は、側副経路を介
する補体活性化を阻害するためのプロセスに関し、これは、側副経路を介する補
体活性化産物の形成(すなわち、生成または産生)を阻害することを包含する。
【0003】 (発明の背景) 補体系は、微生物の感染および他の急性の傷害に対する炎症性の応答を開始し
そして増幅するための、初期の作用機構を提供する。(Liszewski,M
.K.およびJ.P.Atkinson,1993、Fundamental
Immunology,第3版、W.E.Paul.編、Raven Pres
s,Ltd.New York)。補体活性化は、潜在的な病原体に対する貴重
な第一線の防御を提供するが、防御性の炎症性応答を促進する補体の活性もまた
、宿主に対して潜在的な脅威を示し得る(Kalli,K.R.、P.Hsu、
およびD.T.Fearon、1994、Springer Semin Im
munopathol.15:417−431;Morgan,B.P.、Eu
r.J.Clinical Investig.24:219−228)。例え
ば、C3およびC5タンパク質分解産物が集まり、そして好中球を活性化する。
これらの活性化された細胞は、分解性の酵素の放出において見境がなく、器官の
傷害を生じ得る。さらに、補体活性化は、すぐ近くの宿主細胞に対して、および
微生物標的に対して溶解性の補体成分の沈着を生じ得、それによって宿主細胞の
溶解を生じる。種々の疾患状態における補体媒介性の組織傷害の重要性の増大す
る認識は、有効な補体阻害薬物の必要性を強調する。補体の傷害を阻害する認証
された薬物は、現在のところ存在しない。
【0004】 補体は、古典的経路および側副経路と呼ばれる、2つの異なる酵素的なカスケ
ードのいずれかを通じて活性化され得る。(Liszewski,M.K.およ
びJ.P.Atkinson,1993、Fundamental Immun
ology、第3版、W.E.Paul編、Raven Press,Ltd.
、New York)。古典的経路は、通常は、外来の粒子に結合させられた抗
体によって誘発され、従って、特異的抗体の生成のためには、その粒子への事前
の暴露が必要とされる。古典的経路に特異的に関与する4つの血漿タンパク質が
存在する:C1、C2、C4、およびC3。免疫複合体中のIgGまたはIgM
のFc領域とのC1の相互作用は、血漿タンパク質C4を切断し得るC1プロテ
アーゼを活性化し、これによってC4aおよびC4bフラグメントを生じる。C
4bは別の血漿タンパク質C2に結合し得る。得られる種であるC4b2は、古
典的経路のC3コンベルターゼであるC4b2aを形成するためにC1プロテア
ーゼで切断される。C3切断産物であるC3bのC3コンベルターゼへの付加は
、古典的経路のC5コンベルターゼであるC4b2a3bの形成を導く。
【0005】 古典的経路とは対称的に、側副経路は、外来のまたは他の異常な表面(細菌、
酵母、ウイルスに感染した細胞、または損傷した組織)によって自発的に誘発さ
れ、従って、侵襲生物に対して即時に応答し得る(Liszewski,M.K
.およびJ.P.Atkinson,1993、Fundamental Im
munology、第3版、W.E.Paul編、Raven Press,L
td.、New York)。側副経路に直接的に関与する4つの血漿タンパク
質が存在する:C3、第B因子および第D因子、ならびにプロペルジン(第P因
子とも呼ばれる)。側副経路を誘発する最初の相互作用は、完全には理解されて
いない。しかし、自発的に活性化されたC3(しばしばC3(H2O)と呼ばれ る)は、第B因子に結合し、これは次いで、第D因子によって切断されてC3コ
ンベルターゼ活性を有する複合体(C3(H2O)Bb)を形成すると考えられ る。得られるコンベルターゼは、C3をタンパク質分解的に改変して、C3bフ
ラグメントを産生する。これは、標的に共有的に付着し得、次いで、第B因子お
よび第D因子と相互作用して側副経路のC3コンベルターゼであるC3bBbを
形成する。側副経路のC3コンベルターゼは、プロペルジンの結合によって安定
化される。プロペルジンはその半減期を6倍から10倍に延長する(Lisze
wski,M.K.およびJ.P.Atkinson,1993、Fundam
ental Immunology、第3版、W.E.Paul編、Raven
Press,Ltd.、New York)。しかし、機能的な側副経路のC
3コンベルターゼを形成するためには、プロペルジンの結合は必要ではない(S
chreiber,R.D.、M.K.Pangburn、P.H.Lesav
re、およびH.J.Muller−Eberhard、1978、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 75:3948−3952;Sisso
ns,J.G.、M.B.Oldstone、およびR.D.Schreibe
r、1980、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:559
−562)。側副経路のC3コンベルターゼの基質がC3であるので、従って、
C3は、補体および反応産物の両方である。C3コンベルターゼは増大しつつあ
る量のC3bを生成するので、増幅ループが確立される(Liszewski,
M.K.およびJ.P.Atkinson,1993、Fundamental
Immunology、第3版、W.E.Paul編、Raven Pres
s,Ltd.、New York)。古典的経路もまたC3bを生成し得るので
、このC3bは第B因子に結合し得、それによって側副経路に関与する。これに
よって、より多くのC3bが標的に沈着する。例えば、上記のように、抗原に対
する抗体の結合は、古典的経路を開始する。抗体が細菌につくと、古典的経路は
C3bを生成し、これは標的の病原体に結合する。しかし、後に続く沈着した1
0%から90%までのC3bが、側副経路から生じ得ることが示唆されている(
Liszewski,M.K.およびJ.P.Atkinson,1993、F
undamental Immunology、第3版、W.E.Paul編、
Raven Press,Ltd.、New York)。古典的経路の開始に
続くさらなるC3bの形成に対する側副経路の実際の寄与は、明確には定量され
ておらず、従って未知のままである。C3コンベルターゼへのC3bの添加は,
側副経路のC5コンベルターゼであるC3bBbC3bの形成を導く。
【0006】 古典的経路および側副経路の両方がC5に集まり、これは、複数のプロ炎症性
の影響を有する産物を形成するように切断される。集められた経路は、末端補体
経路(terminal complement pathway)と呼ばれて
いる。C5aは最も強力なアナフィラトキシンであり、これは、平滑筋および血
管の緊張、ならびに血管の透過性における変更を誘導する。これはまた強力なケ
モタキシン(chemotaxin)であり、そして好中球および単球の両方の
活性化因子である。C5a媒介性の細胞性活性化は、複数のさらなる炎症性媒介
因子(サイトカイン、加水分解性酵素、アラキドン酸代謝物、および反応性酸素
種を含む)の放出を誘導することによって、炎症性の応答を有意に増幅し得る。
C5切断は、細胞膜傷害複合体(MAC)としてもまた公知であるC5b−9の
形成を誘導する。MACがその溶解性の孔形成複合体としての役割に加えて、炎
症において重要な役割を果たし得ることの強力な証拠が、現在存在する(Lis
zewski,M.K.およびJ.P.Atkinson,1993、Fund
amental Immunology、第3版、W.E.Paul編、Rav
en Press,Ltd.、New York)。
【0007】 補体活性化は、種々の疾患状態および症状、ならびに種々の医学的な手順(上
記に引用されている参考文献を参照のこと)(例えば、心筋梗塞;虚血/再灌流
傷害;発作;急性の呼吸窮迫症候群(ARDS);敗血症;火傷;体外循環(E
CC)によって生じる合併症(最も一般的には、心肺のバイパス(CPB)によ
って生じるものを含むが、人工透析、または血漿瀉血、または血小板フェレーシ
ス、または白血球除去、または体外膜酸素添加(ECMO)、またはヘパリン誘
導性の体外LDL沈殿(HELP)によって生じるものをも含む);レントゲン
写真の対比媒体の使用;移植拒絶;慢性関節リウマチ;多発性硬化症;重症筋無
力症;膵炎;およびアルツハイマー病)による合併症に寄与していることが意味
される。このような薬剤について有意な医学的必要性が存在するにもかかわらず
、慣用的な臨床的使用に有用な有効な補体阻害性薬物は、なお存在していない。
【0008】 補体の免疫防御能力を完全に遮断することなく特定の病因を生じる経路のみを
特異的に阻害する能力が、高く望まれる。入手可能な臨床的データに基づいて、
ほとんどの急性の傷害の設定においては、補体活性化は、側副経路によって主に
媒介されるようである(Moore,F.D.1994、Advan.Immu
nol.56:267−299;Bjornson,A.B.、S.Bjorn
son、およびW.A.Altemeier,1981 Ann.Surg.1
94:224−231;Gelfand,J.A.,M.Donelan、およ
びJ.F.Burke,1983、Ann.Surg.198:58−62)。
これらの知見は、これが、種々の急性の傷害の設定(例えば、心筋梗塞、ARD
S、再灌流傷害、発作、火傷、および心肺のバイパス後の炎症)において、側副
経路によって媒介される組織傷害を特異的に阻害するために有利であることを示
唆する。これは、免疫複合体のプロセシングを行うため、および感染に対する宿
主の防御における補助のために、古典的経路を完全なままにしておく。側副経路
の必須の成分である第B因子および第D因子は、側副経路の特異的阻害のための
魅力的な標的である。しかし、その必須ではない役割のために、プロペルジンは
、このような介入のための適切な標的であるとは予想されない。
【0009】 (発明の要旨) 本発明は、側副経路の補体活性化を阻害するプロセスを提供する。このプロセ
スは、C3コンベルターゼのプロペルジンによって誘導される安定化を阻害する
工程を包含する。プロペルジンによって誘導されるC3コンベルターゼの安定化
は、C3bまたはC3bBbに対するプロペルジンの結合を阻害することによっ
て阻害される。C3bに対するプロペルジンの結合は、プロペルジンを、プロペ
ルジンに対する有効量の抗体に暴露することによって阻害される。
【0010】 本発明のプロセスは、急性または慢性の病理学的傷害(例えば、心筋梗塞、急
性の呼吸窮迫症候群、火傷、発作、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、アルツハ
イマー病、または虚血/再灌流傷害であるが、これらに限定されない)を罹患し
ている被験体(ヒトを含む)中のインビボでの側副経路を介する補体活性化を阻
害することにおいて特に有用である。補体活性化のインビボでの阻害は、被験体
に抗プロペルジン抗体を投与することによって達成される。抗プロペルジン抗体
を含有する薬学的組成物もまた、提供される。
【0011】 本発明は、1つの局面において、側副補体経路を介する補体活性化産物の形成
(すなわち、生成または産生)を選択的に阻害するために有効な抗プロペルジン
剤の量を被験体に投与することによる、被験体における側副補体経路の活性化の
有害な影響を阻害するプロセスを提供する。このような側副経路依存性活性化産
物の形成は、補体活性化によるこのような産物の生成または産生をいう。この産
物は、生成されるかまたは産生されると、検出され得、そして側副経路依存性の
C3a、C5a、および/またはC5b−9(MAC)産物を含む。本発明に従
う抗プロペルジン剤は、本明細書中に記載されるようにプロペルジンをプロック
し、そして側副補体経路の活性化産物の形成を選択的に阻害する。個のような薬
剤として、抗プロペルジン抗体、抗プロペルジン抗体の抗原結合フラグメント、
およびプロペルジンに由来するペプチドが挙げられる。好ましくは、抗プロペル
ジン剤は、Fcγレセプターおよび/または古典的補体経路を実質的には活性化
しない。
【0012】 本発明は、別の局面において、被験体中の古典的補体経路の活性化の有害な影
響を阻害するためのプロセスを提供する。ここでは、古典的補体経路は、側副補
体経路の活性化産物(例えば、側副経路依存性のC3a、C5a、MAC)の形
成を選択的に阻害するために有効な抗プロペルジン剤の量を被験体に投与するこ
とによって、開始される。
【0013】 本発明は、別の局面において、被験体中の古典的補体経路の活性化の有害な影
響を阻害するためのプロセスを提供する。ここでは、古典的補体経路は、側副補
体経路を介する補体活性化産物(例えば、側副経路依存性のC3a、C5a、M
AC)の形成を選択的に阻害するために有効な、側副経路のC3コンベルターゼ
を阻害する薬剤の量を被験体に投与することによって、開始される。
【0014】 本発明は、別の局面において、以下を包含する、被験体に対して医学的手順を
行うためのプロセスを提供する:(a)被験体の血管からの循環血液を、導管を
介して通過させ、そして被験体の血管に戻す工程であって、その導管が、被験体
の血液中で補体活性化、血小板活性化、白血球活性化、または血小板−白血球接
着の少なくとも1つを生じ得る物質を含有する管腔表面を有する、工程;および
(b)その導管を通じる循環血液の通過によって生じる、補体活性化、血小板活
性化、白血球活性化、または血小板−白血球接着の少なくとも1つを減少させる
ために有効な量で、被験体の血流中に抗プロペルジン剤を導入する工程。ここで
、工程(a)は、工程(b)の前および/または間および/または後に行われる
。好ましくは、抗プロペルジン剤は、補体成分C3aおよびC3bへの補体成分
C3の側副経路依存性変換を減少させ、そして/またはC5b−C9の側副経路
依存性形成を減少させ、そして/または側副経路依存性白血球活性化を減少させ
る。本発明に従う治療的手順を含む医学的手順として、例えば、心肺のバイパス
(CPB)手順を含む、体外循環手順が挙げられる。
【0015】 本発明は、別の局面において、パッケージング物質およびパッケージング物質
中に含まれる薬剤(すなわち、薬学的組成物)を含有する製品を提供する。ここ
で、(a)その薬剤は、抗プロペルジン剤を含有し、抗プロペルジン剤は、被験
体の血管からの循環血液の導管を通じる通過によって引き起こされる、補体活性
化、血小板活性化、白血球活性化、または血小板接着の少なくとも1つを低下さ
せるために有効であり、その導管は、被験体の血液中で補体活性化、血小板活性
化、白血球活性化、または血小板−白血球接着の少なくとも1つを生じ得る物質
を含有する管腔表面を有する;そして、(b)パッケージング物質は、その薬剤
が体外循環手順に関連する用途のためであることを示すラベルを含む。本発明に
従う製品は、抗プロペルジン剤が心肺のバイパス手順に関連する用途のためであ
ることを示すラベルを含む。
【0016】 本発明は、その必要性を有する被験体中の側副補体経路を通じる補体活性化産
物の形成を選択的に阻害するための医薬品の調製における、抗プロペルジン剤の
使用を提供する。古典的補体経路が開始される被験体における、側副補体経路を
介する補体活性化産物の形成を選択的に阻害するための医薬品の調製における、
抗プロペルジン剤の使用もまた、提供される。さらに、古典的補体経路が開始さ
れる被験体における、側副補体活経路を介する補体活性化産物の形成を選択的に
阻害するための医薬品の調製における、側副経路のC3コンベルターゼを阻害す
る薬剤の使用が、提供される。
【0017】 (発明の詳細な説明) (I.発明) プロペルジンは、別の経路に直接関与する3つの独特の血漿タンパク質の1つ
である。第D因子および第B因子とともに、3つ全てが、別の経路を阻害するた
めの治療用薬剤の開発のための可能性のある標的である。以下に示すように、プ
ロペルジンは、別の経路を介する補体活性化を阻害するプロセスのための適切な
標的であることが、本明細書中で最初に示された。プロペルジンはまた、伝統的
な補体経路が開始されている場合にもなお、適切な標的であることが、本明細書
中で最初に示された。
【0018】 第D因子は、単一の既知の天然の基質のみを有するセリンプロテイナーゼであ
る:第B因子は、C3bに対して結合する(Volanakis,J.E.、S
.R.Barnum、およびJ.M.Kilpatrick、1993、Met
hods in Enzymol.223:82−97)。第D因子の血清濃度
2μg/mlは、全ての補体タンパク質のなかで最も低い(Liszewski
,M.K.およびJ.P.Atkinson,1993、Fundamenta
l Immunology、第3版、W.E.Paul編、Raven Pre
ss,Ltd.、New York)。第D因子は、別の経路の律速酵素である
ことが既知であり、従って、別の経路を介する補体活性化の阻害の治療的方法の
ための適切な標的である。しかし、本発明者らは、第D因子のインヒビターが補
体活性化を阻害するための理想的な治療的薬剤ではないかもしれないいくつかの
理由が存在すると考えている。第1に、セリンプロテイナーゼもまた、凝固およ
びフィブリン溶解システムに決定的に関与し、そして、第D因子の特異的なイン
ヒビターを同定することが困難であることが証明されている(Kilpatri
ck,J.M.、1996、IBC’s Second Annual Con
ference on Controlling the Comlement
System for Novel Drug Development,C
onference Binder;Whitty,A.、1996、IBC’
s Second Annual Conference on Contro
lling the Complement System for Nove
l Drug Development,Conference Binder
)。第2に、第D因子は小さいタンパク質(24.4kDa)であり、そして迅
速に再吸収され、そして1時間あたり60%の部分的な代謝速度で腎臓によって
代謝される。第D因子の定常状態の血清濃度は、合成の同様に高い速度によって
維持される。従って、複雑な薬物投与レジメを伴わずに、延長された期間につい
て患者の血清中の第D因子活性を阻害することは、困難であり得る。第3に、第
D因子は、脂肪細胞によって合成され、そして第D因子が脂質の代謝において調
節的な役割を有し得る、遺伝的に肥満であるマウスを用いる研究からの証拠が、
存在する(White,R.T.、D.Damm、N.Hancock、B.S
.Rosen、B.B.Lowell、P.Usher、J.S.Flier、
およびB.M.Speigelman.、1992、J.Biol.Chem.
267:9210−9213)。従って、第D因子の阻害は、補体阻害には直接
関連しない、患者に対して有害な二次的影響を有し得る。
【0019】 第B因子は、別の経路において鍵となる役割をはたす。なぜなら、これは、C
3転換酵素C3bBbに、触媒サブユニットBbを提供するからである(Lis
zewski,M.K.およびJ.P.Atkinson,1993、Fund
amental Immunology、第3版、W.E.Paul編、Rav
en Press,Ltd.、New York)。従って、第B因子はまた、
別の経路を介する補体活性化を阻害する治療的方法の別の適切な標的であるよう
である。第B因子は、単独では、既知の触媒活性を有さないチモーゲンであるが
、C3bの結合後、第B因子セリンプロテイナーゼは、第D因子による切断によ
って活性化され得る。このことに基づいて、別の経路を阻害するための治療的薬
剤として第Bb因子触媒活性の特異的インヒビターを開発することが可能である
はずである。しかし、第D因子を用いる実験と同様に、血液の凝固の止血に関与
するセリンプロテイナーゼをもまた阻害しない、第Bb因子プロテイナーゼ活性
のインヒビターを同定することが困難であることが証明された(Whitty,
A.、1996、IBC’s Second Annual Conferen
ce on Controlling the Complement Sys
tem for Novel Drug Development,Confe
rence Binder)。いかなる場合においても、本発明者らは、第B因
子はおそらく、別の経路を阻害するための治療的薬剤の開発のための最良の標的
ではないと考える。第B因子は豊富な血清タンパク質(約210μg/ml)で
あり(Clardy,C.W.、1994、Infect.Immun.62:
4539−4555;Liszewski,M.K.およびJ.P.Atkin
son,1993、Fundamental Immunology、第3版、
W.E.Paul編、Raven Press,Ltd.、New York)
、そしてこれはおそらく、別の経路の活性化を効率的にブロックするために、第
B因子のインヒビターの同様に高い濃度を必要とする。しかし、ヒト第B因子に
対するモノクローナル抗体が調製されており、そして内毒素(LPS)による別
の補体経路の活性化をブロックするそれらのインビトロでの能力について試験さ
れている(Clardy,C.W.1994、Infect Immun.62
:4539−4555)。試験した4つのモノクローナル抗第B因子抗体の1つ
は、別の経路の活性化を有効にブロックし得た。試験した他の3つの抗体は、ブ
ロッキング抗体に対して類似である親和性を有することを除いて、ブロックしな
かった。Clardyら、前出(1994)によって引用された抗第B因子モノ
クローナル抗体の3つの他の実験においては、2つのモノクローナルが、別の経
路の転換酵素を安定化させることによって第B因子活性を増大させ、1つは、C
3bに対するBの結合を増強することによって第B因子活性を増大させ、3つが
、転換酵素を不安定化させることによって第B因子活性を低下させ、そして2つ
が、C3bへの第B因子の結合をブロックすることによって第B因子活性を低下
させた。
【0020】 プロペルジンは、本質的に不安定なC3およびC5転換酵素複合体(C3bB
bおよびC3bBbC3b)に結合し,そしてそれを安定化させるその能力によ
って、別の経路の調節における役割を果たす(Nolan,K.F.およびK.
B.M.Reid、1993、Methods Enzymol.223:35
−47)が、C3転換酵素の安定化の実際の機構は知られていない(Daoud
aki,M.E.、J.D.BechererおよびJ.D.Lambris、
1988、J.Immunol.140:1577−1580)。これらの複合
体に対するプロペルジンの結合は、Bb触媒サブユニットの解離速度の低下を生
じ得、そしてまた、ネガティブな調節タンパク質(第I因子および第H因子)に
よる分解から複合体を保護し得る。しかし、プロペルジンは、機能的なC3転換
酵素活性のためには必要ではない(Schreiber,R.D.、M.K.P
angburn,P.H.LesavreおよびH.J.Muller−Ebe
rhard、1978、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75
:3948−3952;Sissons,J.G.、M.B.Oldstone
およびR.D.Schreiber、1980、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 77:559−562;Pangburn,M.K.および
H.J.Muller−Eberhard、1984、Springer Se
min.Immunopathol.7:163−192)。正常なヒト血漿中
のプロペルジンの濃度は、4.3〜5.7μg/mlであると決定されており、
これを最も少量の補体タンパク質の1つとしている(Nolan,K.F.およ
びK.B.M.Reid、1993、Methods Enzymol.223
:35−47)。初期の研究においては、プロペルジンの血漿濃度は、20〜2
5mg/mlの範囲であることが報告された;しかし、この概算は、タンパク質
の不正確な分子吸光係数に基づく。プロペルジンの正確な血漿濃度が有意に低い
ことが、現在は公知である(Nolan,K.F.およびK.B.M.Reid
、1993、Methods Enzymol.223:35−47)。ヒト単
球、好中球、およびTリンパ球がプロペルジンを合成する(Schwaeble
,W.、W.G.Dippold、M.K.Schafer、H.Pohla、
D.Jones、B.Luttig、E.Weihe、H.P.Huemer、
M.P.Dierich、およびK.B.M.Reid、1993、J.Imm
unol.151:2521−2528;Schwaeble,W.、U.Wi
rthmuller、B.Dewald、M.Thelen,M.K.Scha
fer、P.Eggelton、K.Whaley、およびK.B.M.Rei
d、1996、Molec.Immunol.33(1):48;Schwae
ble,W.、H.P.Huemer、J.Most、M.P.Dierich
、M.Strobel、C.Claus、K.B.M.RediおよびH.W.
Ziegler−Heitbrock、1994、J.Eur.Biochem
.219:759−764)。ほとんどの他の補体タンパク質とは異なり、プロ
ペルジンは、肝臓で合成されるようではない。プロペルジンは、ヒトの好中球の
顆粒中に貯蔵され、そして生理学的に関連するレベルのTNF、Il−8、fM
LP、およびC5aがその迅速な分泌を誘導する(Schwaeble,W.、
U.Wirthmuller、B.Dewald、M.Thelen、M.K.
Schafer、P.Eggelton、K.Whaley、およびK.B.M
.Reid、1996、Molec.Immunol.33(1):48)。ヒ
ト単球細胞株においては、TNFおよびIL−1はプロペルジンmRNAの豊富
さおよびタンパク質の分泌の両方を増強した(Schwaeble,W.、H.
P.Huemer、J.Most、M.P.Dierich、M.Strobe
l、C.Claus、K.B.M.RediおよびH.W.Ziegler−H
eitbrock、1994、J.Eur.Biochem.219:759−
764)。
【0021】 本発明に従うと、別の経路において特有に関与する3つの補体タンパク質のう
ち、プロペルジンが、急性の炎症性傷害を処置するための経路特異的補体インヒ
ビターの開発のための最も魅力的な標的である。本明細書中で以下に実証される
ように、C3転換酵素へのプロペルジンの結合を妨げる抗プロペルジン抗体は、
別の経路の活性化を全体的に阻害する。従って、本明細書中で最初に記載されて
いるように、プロペルジンは、別の経路の通常の活性化に必要である。伝統的な
補体経路の開始に関与する条件を含む補体活性化においてプロペルジンが中心的
な役割を果たすことが本明細書中で実証されているので、別の補体経路の活性化
を選択的に、そして強力に阻害するプロセスにおいて予想以上に有効である抗プ
ロペルジン薬剤がスクリーニングされ得、そして選択され得る。これには、別の
経路を介する補体活性化産物の形成を阻害するためのプロセスが含まれる。
【0022】 (II.補体の別の経路の活性化を阻害するプロセス) 1つの局面において、本発明のプロセスは、別の経路を介する補体活性化の阻
害を提供する。これには、別の経路を介する補体活性化産物の形成(例えば、M
ACの形成)を阻害することを含む。
【0023】 プロペルジンがC3転換酵素とどのように相互作用するかは十分に理解されて
いないが、プロペルジンの主要な結合特異性は、C3bに対して指向されるもの
であることが示されている(Nolan,K.F.およびK.B.M.Reid
、1993、Methods Enzymol.223:35−47)。C3b
上のプロペルジン結合部位は、ペプチド阻害研究によって判断されるように、C
3のα鎖中の残基1402−1435に対して局在化されている(Daouda
ki,M.E.、J.D.Becherer、およびJ.D.Lambris、
1988、J.Immunol.140:1577−1580)。重複ペプチド
の分析は、この部位が、残基1424−1432にさらに細かく区別され得るこ
とを示す(Alzenz,J.、J.D.Becherer、I.Esparz
a、M.E.Daoudaki、D.Avita、S.Oppermann、お
よびJ.D.Lambris、1989、Complement Inflam
m.6:307−314)。プロペルジンが第B因子に結合し、そしてこの相互
作用が分子のBa部分およびBb部分の両方の部分上の部位を通じて起こるよう
であることもまた、明らかである。プロペルジンは細胞に結合したC3bに結合
するが、この結合は、細胞に結合したC3bBbで有意に増強され、このことは
、C3bおよびBbの両方の結合部位が、転換酵素複合体とのプロペルジンの相
互作用に寄与し得ることを示唆する(Farries,T.C.、P.J.La
chmann、およびR.A.Harrison、1988、Biochem.
252:47−54)。従って、C3bに対するプロペルジンの結合は、C3b
が第B因子に結合されていないかまたは結合されてC3bBb(別の経路のC3
転換酵素)を形成しているかにかかわらず、阻害され得る。実施例において本明
細書中で以下に詳細に示されるように、C3bおよびC3bBbの両方に結合す
るプロペルジンをブロックする抗プロペルジン抗体が、スクリーニングされ得、
そして同定され得る。
【0024】 本発明のプロセスに従って、C3bに対するプロペルジンの結合は、有効量の
抗プロペルジン抗体(好ましくは、ブロッキング抗体、そして最も好ましくは、
本明細書中に記載されるような、プロペルジンへの結合の際にFcγレセプター
を活性化する能力を欠失しているブロッキング抗体)の存在化でのプロペルジン
の暴露によって阻害される。抗体の有効量を決定するための手段は、当該分野で
周知である。抗プロペルジン抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであ
り得る。モノクローナル抗体の使用が好ましい。本発明に従って、プロペルジン
に対するブロッキング抗体が同定されており、そして、市販の供給源(例えば、
Quidel)から得られ得るか、または当該分野で周知の技術を使用して調製
され得る。本発明に従って有効である抗プロペルジン薬剤は、好ましくは、別の
経路の活性化を選択的にブロックする抗体であり、別の経路を介する補体活性化
産物の形成をブロックすることを包含する。しかし、このようなブロッキング抗
体に加えて、他のブロッキング薬剤(例えば、別の経路もしくは伝統的な経路、
またはそれらの両方の開始後に、C3a、C5a、および/またはMACの別の
経路に依存する形成を実質的にまたは全体的に阻害することが実証されているブ
ロッキングペプチド)が、本明細書中に記載されているような本発明によって同
様に意図される。
【0025】 プロペルジンに対するポリクローナル抗体が、プロペルジンまたはその免疫原
性部分で動物を免疫することによって調製され得る。抗体の産生のために動物を
免疫化するための手段は、当該分野で周知である。例示の目的で、哺乳動物は、
プロペルジンを含む接種物で注射され得る。プロペルジンは、単独で、またはキ
ャリアタンパク質(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH))と
組み合わせて、接種物中に含まれ得る。プロペルジンは、当該分野で周知である
ように、その免疫原性を増強するためにアジュバント中に懸濁され得る。次いで
、免疫学的に活性な抗体を含有する血清が、当該分野で周知の標準的な手順を使
用して、このように検疫された動物の血液から産生される。
【0026】 プロペルジンと特異的に免疫反応する抗体の同定は、抗体とプロペルジンとの
間での結合体を形成するように、このような抗体を含有することが予想される血
清をプロペルジンに暴露することによって行われる。次いで、結合体の存在が、
当該分野で周知の標準的な手順を使用して決定される。
【0027】 プロペルジンはまた、プロペルジンに対するモノクローナル抗体を調製するた
めにも使用され得、そしてこのようなモノクローナル抗体を同定するためのスク
リーニングアッセイとしても使用され得る。モノクローナル抗体は、Kohle
rら(Nature、256:495、1975)によって記載されているよう
な標準的な技術に従って調製されたハイブリドーマから産生される。簡潔には、
適切な哺乳動物(例えば、BALB/cマウス)が、プロペルジンの注射によっ
て免疫化される。予め決定された期間の後、脾臓細胞がマウスから取り出され、
そして細胞培養培地中に懸濁される。次いで、脾臓細胞は、ハイブリドーマを形
成させるために、不死化細胞株と融合させられる。形成されたハイブリドーマは
細胞培養物中で増殖させられ、そしてプロペルジンに対するモノクローナル抗体
を産生するそれらの能力についてスクリーニングされる。
【0028】 C3bに対するプロペルジンの結合の阻害は、別の経路を介する補体活性化の
阻害と関連する。本明細書中実施例において以下に詳細に示すように、抗プロペ
ルジン薬剤(好ましくは、抗プロペルジン抗体)は、C3bおよびC3bBbに
対するプロペルジンの結合をブロックするだけではなく、別の経路の産物(C5
b−9、膜攻撃複合体(MAC)(この複合体は、補体活性化の最終的な産物で
ある)を含む)の形成をもブロックする。なおさらに、実施例中のデータは、抗
プロペルジン薬剤(好ましくは、抗プロペルジン抗体)がまた、MACによって
媒介される別の経路に依存する赤血球の溶解をブロックすることを示す。なおさ
らに、実施例中のデータは、抗プロペルジン薬剤(好ましくは、抗プロペルジン
抗体およびそれらの抗原結合フラグメント(例えば、F(ab)2))が、心肺 のバイパスのモデルにおいて、および伝統的な経路の補体活性化の条件において
、別の経路の補体活性化を阻害することにおいて有効であることを示す。
【0029】 本発明の知見は、既存の文献の観点においては驚くべきことであり、そして予
想外である。例えば、Schreiberらは、別の経路がプロペルジン以外の
別の経路のタンパク質のすべてを混合することによって機能的に組み立てられ得
ることを実証した;これは、プロペルジンが、別の経路の開始および増幅に必要
ではないことを結論づけた(Schreiber,R.D.、M.K.Pngb
urn、P.H.LesavreおよびH.J.Muller−Eberhar
d、1978、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:394
8−3952)。さらに、IgGの非存在化でのはしかウイルスに感染したHe
La細胞によって開始される別の経路の活性化は、プロペルジンの非存在下また
は存在下で同じであった(Sissons,J.G.、M.B.Oldston
e、およびR.D.Schreiber、1980、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 77:559−562)。これらの以前の知見は、「プ
ロペルジンは経路の活性化については必須の成分ではないが、その存在は、結合
したC3bのより迅速な増幅を生じる」という一般的に受け入れられている仮説
を導いた(下線は強調)(Pangburn,M.K.およびH.J.Mull
er−Eberhard、1984、Springer Semin.Immu
nopathol.7:163−192)。これらの参考文献は、別の経路の介
入のための標的としてのプロペルジンの同定から離れた有効な教示である。対照
的に、本発明に従って、プロペルジンは、別の補体経路の活性化のための必須の
成分としてここで同定され、そして別の補体経路の活性化のために必要とされる
。従って、本発明のプロセスは、抗プロペルジン薬剤による別の経路の選択的阻
害に関する。このような薬剤は、伝統的な補体経路の開始に関する状態を含む別
の補体カスケードを驚くほどに、そして有効にブロックする。
【0030】 (III.病理学的な傷害を処置するプロセス) 本発明にプロセスを使用する補体活性化を阻害する能力は、補体活性化が欠失
している臨床的な兆項を有する患者の処置のための治療レジメを提供する。補体
システムは、多数の急性および慢性の疾患の状態および条件の病因、ならびに以
下を含む種々の医学的手順による合併症に寄与すると考えられている:心筋梗塞
【0031】
【化1】 発作
【0032】
【化2】 再灌流障害
【0033】
【化3】 敗血症/敗血症性ショック
【0034】
【化4】 火傷
【0035】
【化5】 心肺のバイパス後の炎症
【0036】
【化6】 血液透析
【0037】
【化7】 レントゲン写真の対比媒体の使用
【0038】
【化8】 移植拒絶
【0039】
【化9】 慢性関節リウマチ
【0040】
【化10】 多発性硬化症
【0041】
【化11】 重症筋無力症
【0042】
【化12】 膵炎
【0043】
【化13】 およびアルツハイマー病
【0044】
【化14】 補体のみが、これらの状態の病因の原因であるわけではないが、それにもかかわ
らず、補体が主要な病理学的機構であり、そしてこれらの疾患状態の多くにおけ
る臨床的な制御の有効な指摘を提示する。
【0045】 補体活性化産物は、上記の条件の多くを有する患者から単離された生物学的液
体または疾患組織中で検出されており、そして補体活性化産物の豊富さとの臨床
的な指標の重篤さとの間の相関関係が、いくつかの疾患について実証されている
(Zilow,G.、A.Sturm、U.Rother、およびM.Kirs
chfink、1990、Clin.Exp.Immunol.79:151−
157;Hack,C.E.、J.H.Nuijens、R.J.F.Felt
−Bersma、W.O.Schreuder、A.J.M.Eerenber
g−Belmer、J.Paardekooper、W.Bronsveld、
およびL.G.Thijs、1989、Am.J.Med.86:20−26;
Gelfand,J.A.、M.Donelan、およびJ.F.Burke、
1983、Ann.Surg.198:58−62)。ヒト疾患の異なる群の病
因において補体が直接関与していることを示す最も魅力的な証拠は、このような
疾患の当該分野で受け入れられた動物モデルを使用する研究による。このような
動物モデルにおいては、伝統的な経路を活性化する抗体の除去
【0046】
【化15】 コブラの毒液因子による補体の欠失
【0047】
【化16】 補体活性の阻害
【0048】
【化17】 または特異的な補体成分中の遺伝的欠損を動物において試験すること
【0049】
【化18】 が全て、病因を廃棄するかまたは遅延させることが示されている。
【0050】 遺伝した欠損が、ほぼ全ての補体成分についてヒトにおいて認識されている(
Liszewski,M.K.およびJ.P.Atkinson,1993、F
undamental Immunology、第3版、W.E.Paul編、
Raven Press,Ltd.、New York)。同じ経路の補体の欠
失は、同様の臨床的な問題を生じる。伝統的な経路の補体欠損(C1、C4,C
2)は、C3の欠損と同様に、共通して、種々の発熱性の微生物および免疫複合
疾患による感染を生じる。別の経路の補体欠損(P、D)はしばしば、Neis
serial感染を生じる。プロペルジン欠損が免疫複合疾患またはNeiss
eria以外の微生物での感染の可能性の増大を生じることの証拠は存在しない
。第B因子中のホモ接合性欠損は記載されていない(Morgan,B.P.お
よびM.J.Walport、1991、Immunology Today
12:310−306)。
【0051】 別の補体経路の不活化は、活性化が疾患状態の病理学的影響に関連する被験体
において特に有用である。本明細書中で上記に示すように、補体活性化は、疾患
状態の大きなそして種々の群に関連することが公知である。別の経路を介する補
体活性化は、急性の傷害の状態において特に顕著である。
【0052】 全身性の髄膜炎疾患を有する患者における補体によって誘導される劇症の髄膜
炎菌性の敗血症は、おそらく、別の経路による活性化によって優先的に引き起こ
される(Brandtzaegら、Journal of Infection
s Disease、173:647−55、1996)。成体の呼吸窮迫症候
群(ARDS)を有する患者においては、補体活性は、最初の48時間に別の経
路を介してのみ生じた(Zilowら、J.Exp.Immunology、7
9:151−57、1990)。両方の経路を介する補体活性化を抑制する薬剤
が、心臓血管疾患の動物モデルにおいて虚血性の心筋の炎症および壊死を処置す
るために使用されている(Weismanら、Science、249:146
−71、1990)。Weismanらによると、多数の自己免疫疾患に関連す
る急性の組織損傷は、補体活性化の結果である。補体によって誘導される組織損
傷は、免疫複合体によって誘導される脈管炎、糸球体腎炎、溶血性貧血、重症筋
無力症、II型コラーゲン誘導性関節炎、および虚血において見出される。
【0053】 再灌流の間に虚血性の心臓の損傷を誘導することにおける別の補体経路の役割
もまた、報告されている(Amsterdamら、Amer.J.Physio
l.、268:H448−H457、1995)。Mulliganら、199
2、J.Immunol.148:1479−1485は、補体活性化がグリコ
ーゲンによって誘導される腹膜炎、IgG免疫複合体の肺胞内または皮内での蓄
積後の肺および皮膚の損傷、コブラの毒液因子の注射後の補体の血管内活性化に
よって生じる急性の肺の損傷、ならびに熱傷後の急性の皮膚および肺の損傷を含
む種々の組織の損傷において役割を果たすことを報告した。
【0054】 種々の医学的手順は、体外循環(ECC)を利用する。これは、血液透析、血
漿瀉血、血小板フェレーシス、白血球搬出、体外膜酸素添加(ECMO)、ヘパ
リン誘導性の体外LDL沈殿(HELP)、および最も一般的には、心肺のバイ
パス(CPB)を含む。これらの手順は、正常な細胞性の機能および鬱血を変化
させ得る外表面に、血液または血液産物を暴露する。例えば、CPBがしばしば
、外科手術後の合併症(一般的には、「潅流後症候群」と呼ばれる)を生じる複
雑な炎症性の応答を誘導することが、十分に確立されている。これらの外科手術
後の事象は、呼吸不全、出血障害、腎不全、および最も重篤な場合には、多臓器
不全である(Wan,S.、J−L.LeClerc、およびJ−L.Vinc
ent、1997、Chest 112:676−692)。これらのCPBに
関連する問題の主要な予想される原因は、バイパス手順の間の補体の不適切な活
性化である。
【0055】
【化19】 CPB回路の管材料および酸素供給装置の表面との血液の接触が、別の補体経路
の活性化を生じるようであるが(Chenoweth,K.、S.Cooper
、T.Hugli、R.Stewart、E.Blackstone、およびJ
.Kirklin、1981、N.Engl.J.Med.304:497−5
03;Velthuis,H.、P.G.M.Jansen、C.E.Hack
、L.Eijsan、およびC.R.H.Wildevuur、1996、An
n.Thorac.Surg.61:1153−1157)、伝統的な補体経路
がCPBの間に活性化されるという証拠もまた存在する(Wachtfogel
,Y.T.、P.C.Harpel、L.H.Edmunds,Jr.およびR
.W.Colman、1989、Blood 73:468−471)。さらに
、伝統的な補体カスケードは、患者の血液へのプロタミンの添加に起因して、C
PBの終結後に開始される。プロタミンは、外科手術の間に抗凝固剤として添加
されたヘパリンに結合し、そしてそれを除去するために臨床的に利用される。ヘ
パリン−プロタミン複合体は、伝統的な補体経路の有意な活性化を生じ(Ste
inberg,J.D.Kapelanski、J.Olson、およびJ.W
eiler、1993、J.Thorac.Cardiovasc.Surg.
106:1901−1918)、さらにそれによって潅流後症候群に寄与する。
【0056】 活性化された補体種(特に、アナフィロトキシン(anaphylotoxi
n)C3aおよびC5a)は、多くの細胞型による種々の炎症性の応答を誘発す
ることが公知である。例えば、C5aは、好中球について細胞接着分子の発現を
アップレギュレートし得、そして好中球および単球の両方からのリソソーム酵素
およびフリーラジカルの解離にも関し得る(Chenoweth,D.およびT
.Hugli、1978、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 7
5:3943−3947;Fletcher,M.P.、G.Stakl、およ
びJ.Longhurst、1993、Am.J.Physiol.265:H
1750−H1761)。同様に、C5aは、血小板を活性化し得、それによっ
てそれらを正常な凝固機能を不能にする(Foreman,K.E.、A.A.
Vaporciyan,B.K.Bonish、M.L.Jones、K.J.
Johnson、M.M.Glovsky、S.M.Eddy、およびP.A.
Ward、1994、J.Clin.Invest.94:1147−1155
)。最後に、最終的活性化された補体産物であるC5b−9(膜攻撃複合体)も
また、血小板および内皮細胞機能に影響を与え得る。
【0057】
【化20】 CPB後に生じる種々の問題をおそらく導くことが、好中球、血小板、および他
の循環している細胞に対するこれらの補体種の作用である。
【0058】 最近、補体活性化が、実際に、免疫の不全に関する多くの変化の原因であり、
そして止血システムがCPB後に見出されることの直接的な実験的証拠が存在し
ている。可溶性の補体レセプター1型(sCR1)(これは、伝統的な補体経路
および別の補体経路の両方の活性化を妨げる)(Gillinov,A.M.、
P.A.DeValeria、J.A.Winkelstein、I.Wils
on、W.E.Curtis、D.Shaw、C.G.Yeh、A.R.Rud
olph、W.A.Baumgartner、A.Herskowitz、およ
びD.E.Cameron、(1993、Ann.Thorac.Surg.5
5:619−624))を使用して、CPB手順を受けたブタにおける補体活性
化によって改善された肺血管耐性を阻害することを実証した。刺激したCPBの
エキソビボモデルを利用して、Rinderら(1995、前出)は、C5への
モノクローナル抗体の付加が、バイパス手順の間に生じた好中球および血小板活
性化を有意に低下させたことを示した。C5抗体は、伝統的な補体経路および別
の補体経路の両方においてC5の切断をブロックし、従って、膜攻撃複合体およ
びアナフィロトキシンC5aの両方の産生を妨げる。補体、血小板、もしくは白
血球活性化、または体外循環を介する患者の血液の通過によって生じる血小板−
白血球接着を減少させるための、このような抗C5モノクローナル抗体の使用は
、WO95/25540(PCT/US95/03614)に記載されている。
【0059】 (IV.薬学的組成物) 従って、本発明のプロセスは、別の経路を介する補体活性化を阻害するために
使用され得、抗プロペルジン薬剤(好ましくは、抗プロペルジン抗体またはその
抗原結合ドメイン)の有効阻害量を、補体の不活化を必要としている患者に投与
することによる、患者における別の経路を介する補体活性化産物の形成を阻害す
ることを包含する。好ましくは、抗プロペルジン薬剤(最も好ましくは、抗プロ
ペルジン抗体またはその抗原結合ドメイン)は、薬学的組成物の形態で投与され
る。
【0060】 このような薬学的組成物は、開示される1つ以上の無毒性の薬学的に受容可能
なキャリアとともに処方された、抗プロペルジン薬剤(好ましくは、抗プロペル
ジン抗体)の治療有効量を含有する。本明細書中で使用される場合、用語「薬学
的に受容可能なキャリア」は、無毒性の、不活性な(insert)固形の、半
固形の、または液体の増量剤、希釈剤、カプセル化物質、または任意の型の処方
補助剤を意味する。薬学的に受容可能なキャリアとして作用し得る物質のいくつ
かの例は、以下である:糖(例えば、ラクトース、グルコース、およびスクロー
ス);デンプン(例えば、コーンスターチ、およびジャガイモデンプン);セル
ロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エ
チルセルロース、およびセルロースアセテート);粉砕されたトラガカント;麦
芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、ココアバターおよび座剤ワックス);
油(例えば、ピーナッツオイル、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油;オリーブオイル
;トウモロコシ油;および大豆油);グリコール(例えば、ポリエチレングリコ
ール);エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天
;緩衝化剤(たとえば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アル
ギン酸;発熱物質を含まない水;等張性の生理食塩水;Ringer溶液;エチ
ルアルコール;ならびにリン酸緩衝化溶液、ならびに他の無毒性の適合性の潤滑
剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)。そし
て、発色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤、保存剤
、および抗酸化剤もまた、処方者の判断に従って組成物中に存在させられ得る。
【0061】 本発明の薬学的組成物は、ヒトおよび他の動物に、経口的に、直腸的に、非経
口的に、槽内的に、膣内的に、腹腔内的に、経皮的に、局所的に(散剤、軟膏、
または点滴剤によるように)、口腔的に投与され得るか、または経口もしくは鼻
のスプレーとして投与され得る。
【0062】 経口投与のための液体投与形態として、薬学的に受容可能な乳濁物、マイクロ
エマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。
活性な化合物に加えて、液体投与形態は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤
、および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、カルボ
ン酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特
に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およ
びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレン
グリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル)、ならびにそれらの混合物の
ような当該分野で一般的に使用される不活性な希釈剤を含有し得る。不活性な希
釈剤のほかに、経口的な組成物もまた、湿潤剤、乳濁化剤、および懸濁剤、甘味
剤、矯味・矯臭剤、および芳香剤のようなアジュバントを含み得る。
【0063】 注射可能な調製物(例えば、滅菌の注射可能な水溶性または油性の懸濁物)が
、適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を使用して、当該分野で公知の方法
に従って処方され得る。滅菌の注射可能な調製物はまた、例えば、1,3−ブタ
ンジオール中の溶液のような、無毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒
中の、滅菌の注射可能な溶液、懸濁物、または乳濁物であり得る。中でも、使用
され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液(米国薬局方)お
よび等張性の塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌の不揮発性の油が、溶媒
または懸濁媒体として便利に使用される。この目的のためには、合成のモノグリ
セリドまたはジグリセリドを含む、任意の低刺激性の不揮発性油が、使用され得
る。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)が、注射可能な調製物中で使用され
る。
【0064】 注射可能な処方物は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、また
は使用の前に、滅菌水または他の滅菌の注射可能な媒体中に、溶解され得るかま
たは分散させられ得る滅菌の固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって
滅菌され得る。
【0065】 薬物の効果を延長させるために、皮下または筋肉内注射によって薬物の吸収を
遅延させることが、しばしば所望される。これは、水溶性に乏しい結晶性または
非結晶性の液体懸濁物の使用によって達成され得る。次いで、薬物の吸収の速度
は、その溶解の速度に依存し、これは順に、結晶のサイズおよび結晶形態に依存
し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物の遅延型の吸収は、油のビヒクル
中に薬物を溶解または懸濁することによって達成される。蓄積注射の形態は、ポ
リラクチド−ポリラクチド−ポリグリコリドのような生分解性ポリマー中で薬物
のマイクロカプセルマトリクスを形成することによって作製される。薬物対ポリ
マーの比、および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物の放出速度
が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)お
よびポリ(無水物)が挙げられる。蓄積注射可能な処方物もまた、体組織と適合
性であるマイクロエマルジョンのリポソーム中に薬物を捕捉することによって調
製される。
【0066】 腸投与または膣投与のための組成物は、好ましくは、座剤であって、これは、
適切な無刺激性の賦形剤、またはキャリア(例えば、ココアバター,ポリエチレ
ングリコール)、または座剤ワックス(これは、室温では固体であるが、体温で
は液体であるため、腸腔または膣腔中で融解し、そして活性な化合物を放出する
)と、本発明の化合物とを混合することによって調製され得る。
【0067】 同様の型の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、および高分子量のポリエチ
レングリコールなどのような賦形剤を使用して、柔らかいおよび硬い充填された
ゼラチンカプセル中で増量剤として使用され得る。
【0068】 活性な化合物はまた、上記のような1つ以上の賦形剤でマイクロカプセル化さ
れた形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体投
与形態が、腸溶性剤皮、薬学的処方物の分野で周知の放出制御剤皮のような剤皮
および殻を用いて調製され得る。このような固体投与形態においては、活性な化
合物は、少なくとも1つの不活性な希釈剤(例えば、スクロース、ラクトース、
またはデンプン)とともに混合され得る。このような投与形態はまた、通常に実
施される場合は、さらなる物質、他の不活性な希釈剤(例えば、錠剤用の潤滑剤
および他の錠剤用の酸(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セル
ロース))を含み得る。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合においては、投与
形態はまた、緩衝化剤を含有し得る。これらは、必要に応じて、不透明化剤(o
pacifying agent)を含有し得、そしてまた、それらが腸管の特
定の部分において、必要に応じて、遅延させられた様式で、有効成分のみまたは
それらを優先的に放出する組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例とし
て、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0069】 本発明の化合物の局所的または経皮的投与のための投与形態として、軟膏、パ
スタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉体、溶液、スプレー剤、吸入剤
、または貼付剤が挙げられる。有効成分は、必要とされ得る場合には、薬学的に
受容可能なキャリアおよび任意の必要とされる保存剤または緩衝化剤とともに、
滅菌条件下で混合される。眼用処方物、点耳剤、眼軟膏剤、粉体、および溶液も
また、本発明の範囲内にあることが意図される。
【0070】 軟膏、パスタ剤、クリーム剤、およびゲル剤は、本発明の活性な化合物に加え
て、動物性脂肪および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラ
ガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイ
ト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物のような賦形剤を
含有し得る。
【0071】 粉体およびスプレー剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケ
イ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、または
これらの物質の混合物のような賦形剤を含有し得る。スプレー剤はさらに、クロ
ロフルロ炭化水素のような通常の噴射剤を含有し得る。
【0072】 経皮貼付剤は、身体に対して化合物の制御された送達を提供する付加された利
点を有する。このような投与形態は、適切な媒体中に化合物を溶解させるかまた
は分散させることによって作製され得る。吸収の増強剤(enhancer)も
また、皮膚を通過する化合物の流れを増大させるために使用され得る。速度は、
速度制御膜を提供することによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲル
中に化合物を分散させることによってのいずれかで制御され得る。
【0073】 以下の実施例は本発明の好ましい実施態様を説明し、そしていかなる方法でも
明細書および請求の範囲を制限しない。
【0074】 (実施例) (実施例1:C3b−プロペルジン結合) ポリスチレンマイクロタイタープレートを、Veronal緩衝化生理食塩水
(VBS):(5mMのジエチルバルビツレート、120mMのNaCl、5m
MのMgCl2、5mMのEGTA)中のヒトC3b(ウェルあたり0.5μg /50μl)(Calbiochem,San Diego,CA,カタログ番
号No.204860)で、一晩4℃にてコーティングした。C3b溶液の吸引
後、ウェルを、0.5%のヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma Che
mical Company,St.Louis,MO、カタログ番号No.A
9511)を含有するVBSで室温にて2時間ブロックした。C3bコーティン
グをしなかったウェルをバックグラウンドコントロールとして提供した。ブロッ
キング溶液中、種々の濃度でヒトプロペルジン(またはP因子)(Advanc
ed Research Technology,San Diego,CA、
カタログ番号No.A139)のアリコートを、ウェルに添加した。室温にて2
時間のインキュベーション後、ウェルを、VBSで広範にリンスした。
【0075】 C3b結合プロペルジンを、ブロッキング溶液の1:1000希釈でマウスモ
ノクローナル抗ヒトプロペルジン抗体(検出抗体)(Quidel,San D
iego,CA、抗ヒトプロペルジンモノクローナル抗体P#2、カタログ番号
No.A235)の添加によって検出した。これを、室温にて1時間のインキュ
ベートした。VBSでのプレートの洗浄後、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウス
抗体(ブロッキング溶液での1:1000希釈)(Sigma Chemica
l Company)を添加し、そして1時間インキュベートした。プレートを
、VBSで再び徹底的にリンスし、そして100μlの3,3’,5,5’−テ
トラメチルベンジジン(TMB)基質(Kirkegaard & Perry
Laboratories,Gaithersburg,MD、カタログ番号
50−65−00)を添加した。25℃にて10分間のインキュベーション後、
TMBの反応を、100μlのリン酸の添加によって停止させ、そしてプレート
をマイクロプレートリーダー(例えば、SPECTRA MAX 250、Mo
lecular Devices,Sunnyvale,CA)中で450nm
で読み取った。C3bに対するプロペルジンの結合の概算されるKdは、50% の最大結合でのプロペルジンの濃度に基づいた(Microcal Origi
n Program)。
【0076】 マウス抗ヒトプロペルジンモノクローナル抗体(ブロッキング抗体)がC3b
−P結合を阻害する能力を、一定の濃度のプロペルジン(2nM)に対して種々
の濃度でこの抗体(ブロッキング抗体、Quidel、抗ヒトプロペルジンモノ
クローナル抗体P#1、カタログ番号No.A233)を添加することによって
評価した。C3bに結合したプロペルジンの量を、上記の抗体検出システムを用
いて検出した。
【0077】 図1に示すように、ヒトプロペルジンは、マイクロタイタープレートのウェル
上に固定化されているC3bに結合する。最大結合の半分に到達するために必要
とされるプロペルジンの濃度として規定される、これらのデータによる見かけの
結合定数は、約1nMである。ブロッキング抗プロペルジンモノクローナル抗体
が、このアッセイにおいてプロペルジンとともに添加される場合、C3bに対す
るプロペルジン結合の用量依存性の阻害が、観察される(図2)。1nMのIC 50 値は、この抗体がプロペルジンに対して高い親和性で結合し、それによってC
3bとのその相互作用をブロックすることを示す。
【0078】 (実施例2:C3b(Bb)−プロペルジン結合) このアッセイを、いくらかの変更を伴って上記の実施例1に記載するように行
った。簡潔には、マイクロタイターウェルをC3bでコーティングし、洗浄し、
ブロックし、そしてブロッキング溶液で希釈した種々の濃度の正常ヒト血清(N
HS)(Sigma Chemical Company、カタログ番号No.
S1764)とともに、2時間室温にてインキュベートした。この結合アッセイ
の条件下では、血清中のB因子は、固相に結合したC3bに結合し、そして血清
中のD因子による切断後に、C3bBbを生成する。プロペルジンは、高い親和
性でC3bBbに結合することが公知である(Farries,T.C.、P.
J.Lachmann、およびR.A.Harrison、1988、Bioc
hem.252:47−54)。コーティングしていないウェルを、バックグラ
ウンドコントロールとして提供した。洗浄後、結合したプロペルジンを、上記の
実施例1に記載するように、抗プロペルジン抗体を用いて検出した。
【0079】 C3b(Bb)に対するプロペルジンの結合を阻害するブロッキング抗体の影
響を評価するために、上記の実施例1に記載の種々の濃度のブロッキング抗体を
、固定した血清濃度(ブロッキング溶液中で4%)に対して添加した。C3b(
Bb)に結合したプロペルジンの量を、上記の実施例1に記載した検出システム
を使用して検出した。
【0080】 精製したプロペルジンに加えて、血清中のプロペルジンは、固定化したC3b
に結合し得る。血清もまたB因子を含有するので(これはC3bに結合して、D
因子による切断後にBbへの転換を生じる)、血清によって誘導されるプロペル
ジンは、このアッセイ形式においてC3bBb複合体に結合しているようである
。実施例1のブロッキング抗プロペルジンモノクローナル抗体が、C3bでコー
ティングしたウェルに対してヒト血清とともに添加される場合、C3bBb(図
3)に対するプロペルジンの結合の用量依存性の阻害が存在する。再び、このア
ッセイにおけるIC50値は1〜2nMであり、これは、上記の実施例1に記載の
ように、図2において得られた結果と一致する。
【0081】 (実施例3:側副経路に依存するMACアッセイ) 上記の実施例1および2の結合データは、プロペルジンモノクローナル抗体が
、C3bへのプロペルジンの結合および機能的なC3コンベルターゼ(C3bB
b)を妨げることを明らかにする。文献によって、プロペルジンがC3コンベル
ターゼを安定化することが示唆されているので、プロペルジン抗体が側副補体カ
スケードの最終的な局面に対して評価し得る程度の影響を与え得るかどうかを決
定することが、本発明者らの目的であった。この経路の最終産物は、C5b−9
膜攻撃複合体(MAC)である。側副経路を介するMACの形成に対するプロペ
ルジン抗体の影響を分析するために、細菌のLPSを側副補体経路のカスケード
を開始するための基質として使用する1つのアッセイを利用した。
【0082】 上記の研究は、Salmonella typhosa(S.Typhosa
)(Sigma Chemical Company、カタログ番号No.63
86)に由来するリポポリサッカライド(LPS)が補体側副経路活性化のため
の強力な基質として作用することを実証した(Clardy,C.W.、199
4、Infect.Immun.62:4539−4555)。マイクロタイタ
ーウェルを、VBS中のLPS(ウェルあたり2μg/50μl)で一晩、4℃
にてコーティングした。コーティングしなかったウェルを、バックグラウンドコ
ントロールとして提供した。LPS溶液の吸引後、ウェルを、ブロッキング溶液
で処理し、そして種々の濃度の正常ヒト血清とともにインキュベートした。37
℃にて3時間のインキュベーション後、蓄積したMACを、マウス抗ヒト可溶性
C5b−9モノクローナル抗体(Quidel、カタログ番号No.A239)
を用いて、上記の実施例に本質的に記載される標準的なELISA方法論を使用
して検出した。MAC形成に対するブロッキング抗体の影響を、固定した血清濃
度(ブロッキング溶液中で4%)に対して種々の濃度のブロッキング抗体を添加
することによって評価した。可溶性のC5b−9の形成の阻害の量を、上記の実
施例に記載する抗体検出システムを使用して決定した。
【0083】 図4に示すように、漸増量の正常ヒト血清(これは、補体成分の全てを含有す
る)の添加は、LPS表面へのMACの蓄積の増大を生じた。このアッセイにお
けるMACの形成は、図5に見られるように、プロペルジンモノクローナル抗体
の添加によって完全に妨げられ得る。これらのデータは単に、文献において示唆
されているような、プロペルジンが側副経路の速度論を安定化させそして変化さ
せることを示すだけではなく、プロペルジンがこのカスケードの進行に実際に不
可欠であることを初めて実証する。
【0084】 (実施例4:側副経路に依存する溶血) これらの結果を確認しそして拡大するために、プロペルジン抗体を、側副経路
の別のアッセイにおいて試験した。ウサギの赤血球は、側副補体カスケードを開
始し、そして得られたMACの形成がこれらの細胞の溶解を引き起こす。プロペ
ルジン抗体が側副経路を完全に阻害し得る場合、ヒト血清でバッチ処理されたウ
サギの赤血球に対する試薬の添加は、細胞性の溶解を妨げるはずである。これは
、インタクトな赤血球によって引き起こされる光の散乱を試験することによって
アッセイされ得る;溶解した細胞は、光を回析させず、そして必然的に散乱した
光の減少が存在する。ウサギの赤血球が補体側副経路を特異的に活性化し、それ
によってC5b−9複合体による細胞の溶解を生じることが確立されている(N
olan,K.F.およびK.B.M.Reid、1993、Properdi
n.Methods Enzymol.223:35−47)。正常ヒト血清を
、5mMのMgCl2および10mMのEGTAを有するGelatin Ve ronal Buffer(GVB)(Advanced Research
Technology)中で種々の濃度で、固定した数のウサギの赤血球(Ad
vanced Research Technology)とともに37℃にて
インキュベートした。光の散乱の段階的な減少(インタクトな細胞の溶解に起因
する)を、温度を制御したELISAプレートリーダー(Polhillら、J
.Immunol.121:383−370)中で、時間の関数として595n
mで測定した。ウサギの赤血球の溶血を阻害するブロッキング抗体の能力を決定
するために、種々の濃度のブロッキング抗体を、固定した濃度の正常ヒト血清(
8%)に対して添加し、そしてアッセイを、上記のように行った。データをSp
ectraMaxプレートリーダーおよびソフトウェアを用いて記録し、そして
分析した。
【0085】 図6に示すように、プロペルジン抗体の非存在化での血清の添加は、細胞の溶
解および光の散乱の劇的な減少を生じた。漸増濃度の抗体の添加は、MAC媒介
性細胞破壊を完全にブロックする30nMの抗体を用いて、赤血球の溶解におけ
る減少を引き起こした。これらの結果によって、C3コンベルターゼに結合し、
そしてC3コンベルターゼとのプロペルジンの相互作用をブロックするモノクロ
ーナル抗体が、側副補体経路の影響を完全に廃止し得る強力な試薬であることを
確認する。
【0086】 当業者は、補体のインビトロでの研究が、補体システムのインビボでの状態の
代表であり、そして指標であることを認識し、そして受け入れている。例示の目
的で、リポポリサッカライド(LPS)と会合したプロペルジンを検出するため
のインビトロでのELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)手順の使用は、「補
体の機能の評価のため、特に補体不全状態の検出のための、簡単で、迅速、かつ
信頼性の高い方法」である(Fredriksonら、J.Immunol.M
eth.,166:263−70、1993)。著者らは、インビトロでの技術
が、疾患状態における側副補体経路活性化を検出することにおいて良好である同
程度の尤度で、インビボで使用され得ると結論付ける。
【0087】 同様に、インビトロでの溶血試験を使用するC3bとのプロペルジンの結合を
研究するための34アミノ酸のペプチドの使用が、感染およびC3コンベルター
ゼの安定化の機構の両方の間のプロペルジンの役割の適切な指標であることを見
出した(Daoudakiら、J.of Immun.,140:1577−8
0、1988)。
【0088】 なおさらに、標準的なウサギの赤血球溶血アッセイ(実施例4において本明細
書中で詳細に記載する)(このアッセイは、側副補体経路の活性を測定するため
に使用される)が、「ヒトの側副経路の活性についての最も便利なアッセイであ
る」ことが、当業者に受け入れられている(Pangburn,Meth.In
Enzymology,162:639−53、1988)。
【0089】 (実施例5:心肺バイパス:チュービングループモデル) 上記の実施例1−4において述べられたように、心肺バイパス(CPB)にお
ける補体活性化の阻害に対する、抗プロペルジンモノクローナル阻止抗体の効果
を調べるため、Gong,J.,R.Larsson,K.N.Edkahl,
T.E.Mollnes,U.NilssonおよびB.Nilsson,19
96,J.Clin.Immunol. 16:222−229に述べられてい
るように、CPBのチュービングループモデルが利用された。健常なドナーから
の全血が、血液1mlあたりヘパリン20Uを含む7mlのvacutaine
rチューブ(Becton Dickinson,San Jose,CA)に
集められた。CPB中に使用されるようなポリエチレンチューブ(PE 330
;内径2.92mm;外径3.73mm;Clay Adams,NJ)は0.5 mlのヘパリン処理したヒト血液で満たされ、シリコンチューブの短いフラグメ
ントでループへと閉じられた。20mMのEDTA(補体を不活性化する)を含
むヘパリン処理した血液が、バックグラウンドコントロールとされた。試料およ
びコントロールのチュービングループは37℃の水浴中で1時間垂直に回転され
た。インキュベーション後、血液試料は、最終的なEDTA濃度が20mMにな
るように0.5MのEDTAを含む、1.7mlのシリコン処理したエッペンドル
フチューブに移された。試料は遠心分離(4000×gで5分間、4℃)され、
血漿が集められた。血漿試料は試料希釈緩衝液で10%に希釈され、C3aおよ
び可溶性MAC(sMAC)の量がELISAアッセイキットを使用して、製造
業者の使用説明書に従って決定された(Quidel、カタログ番号A015(
C3a)およびA009(C5b−9/MAC))。補体の阻害の研究ために、
実施例1−4で述べられた様々な濃度(100−600nM)の抗プロペルジン
モノクローナル阻止抗体が、37℃、1時間の循環の直前に、ヘパリン処理した
血液に加えられた。37℃の水浴中での1時間の循環/回転の後、アリコートが
、上記で述べられたようにELISAアッセイキット(Quidel)を使用し
て、可溶性MACおよびC3aについて分析された。
【0090】 この単純化されたCPBの例(そこでは、標準的なCPBチューブが、空気と
血液の界面を残すように部分的に新鮮ヒト血液で満たされ、そしてそのチューブ
がシリコンスリーブでループを作るように端と端をつながれて、バイパス回路中
を通る血液の流れを促進するために、温めた水浴(37℃)中でこの血液で満た
されたループが回転される)を用いると、チューブ中の血液が回転する間に補体
が著しく活性化される。重要なことに、抗ヒトプロペルジン阻止抗体はこの補体
活性化を有意に阻害する。これは図7Aに見ることができる。ここではループモ
デル中の可溶性細胞膜傷害複合体(sMAC)の形成が、100nMの抗プロペ
ルジン抗体によってほとんど完全に阻害されている。同様に、同量の抗体はC3
aの形成を有意に低減させる(図7B)。
【0091】 これは、CPBのモデルにおいて、側副経路の活性化を選択的に阻害する薬剤
の効果を初めて証明したものである。対照的に、現在までCPBプロトコールに
おいて補体活性化を阻害するために実験的に使用されてきた全ての以前の薬剤は
、補体の古典的経路と側副経路の両方を阻害する(例えば、Gillinov,
A.M.,P.A.DeValeria,J.A.Winkelstein,I
.Wilson,W.E.Curtis,D.Shaw,C.G.Yeh,A.
R.Rudolph,W.A.Baumgartner,A.Herskowi
tzおよびD.E.Cameron,1993,Ann.Thorac.Sur
g. 55:619−624;Rinder,C.S.,H.M.Rinder
,B.R.Smith,J.C.K.Fitch,M.J.Smith,J.B
.Tracey,L.A.Matis,S.P.SquintoおよびS.A.
Rollins,1995,J.Clin.Invest. 96:1564−
1572)。CPB中には古典的経路と側副経路の両方が活性化されると示唆さ
れてきたので(Wachtfogel,Y.T.,P.C.Harpel,L.
H.Edmunds,Jr.およびR.W.Colman,1989,Bloo
d 73:468−471)、側副経路を標的とした薬剤のこれらの結果は、特
に驚くべきことである。
【0092】 (実施例6:阻止剤:Fcγレセプター活性化の欠如) 上記の実施例5で述べられたように、抗プロペルジンモノクローナル阻止抗体
は、心肺バイパスのチュービングループモデルにおいて、可溶性MACおよびC
3aの産生を強力に阻害する。補体活性化によって産生される炎症誘発性物質(
C5a、C3aおよびsMAC)は、白血球、血小板、および内皮細胞を活性化
することが知られている。好中球活性化のマーカーとして、チュービングループ
モデル中の全血の、好中球エラスターゼの血清中レベルも決定された。期待され
たとおり、チュービングループ内でインキュベートされた血液試料中のエラスタ
ーゼレベルは、コントロール試料におけるレベルを超えて増加した。しかし、エ
ラスターゼの放出は抗プロペルジンモノクローナル抗体によって阻害されなかっ
た。むしろ、抗体の濃度を上げると予想外の血清中エラスターゼレベルの上昇が
みられた。もし抗プロペルジンモノクローナル抗体がプロペルジンを含む血液に
加えられた時に免疫複合体が産生されるなら、これらの免疫複合体は好中球のF
cγレセプターと相互作用して細胞を活性化し得る。Fcγレセプターおよびそ
の活性化についてはRavetch,J.V.およびJ.P.Kinet,19
91,Ann.Rev.Immunol. 9:457−492、およびHul
ett,M.D.およびP.M.Hogarth,1994,Adv.Immu
nol. 57:1−127に概説されている。
【0093】 補体側副経路の活性化を選択的に阻害する本発明による薬剤は、好ましくは、
例えばそれらの抗原との免疫複合体形成を介してFcγレセプターを活性化しな
い薬剤である。そのような薬剤は当該分野で知られている様々なアッセイにより
、それらのFcγレセプターを活性化する能力によってスクリーニングされ得る
。スーパーオキシドの産生は好中球および他の食細胞のFcγレセプター(RI
I)を介した活性化に対する典型的な反応の1つであるので、希釈した全血中の
細胞から放出されるスーパーオキシドに対する特異的なアッセイが、薬剤および
そのような薬剤による好中球の活性化におけるFcγレセプターの可能な役割に
ついて、スクリーニングおよび評価するために利用された。モノクローナル抗体
薬剤はその抗原に結合して薬剤を凝集させるには一般的に無効であり、従って免
疫複合体の形成を介したFcγレセプターの活性化には無効である。しかし、抗
プロペルジンモノクローナル阻止抗体のFcγ活性化が次のように検出された。
【0094】 希釈した全血中のスーパーオキシド生成に対する化学ルミネセンスアッセイが
行われた(Tose,M.F.およびA.Itamedani,1992,Am
.J.Clin.Pathol. 97:566−573)。新鮮血が指の穿刺
により集められ、すばやく37℃で10mMのHEPES(pH7.4)緩衝溶 液で処理されたPen−Strepを含むフェノールレッドフリーのRPMI−
1640培地中に350倍に希釈された。この培地はまた、スーパーオキシドに
よって還元されると化学ルミネセンスを発する化合物である10μMのルシゲニ
ン(Sigma Chemical Co.)を含む。酸化バーストの潜在的刺
激物質(例えばPMAまたはC5a)または緩衝調節剤が、2組の希釈された血
液−ルシゲニン−RPMI培地の1mlの試料に加えられ、37℃で2−3時間
インキュベートされた。規則的な間隔で、それぞれの試料を「cpm」を決定す
るためにシングルフォトンモードで操作される液体シンチレーションカウンター
(Packard Model 1900 TR)に移して、化学ルミネセンス
がモニターされた。コントロール実験は、特定の「cpm」シグナルは100μ
g/mlのスーパーオキシドジスムターゼ(Sigma Chemical C
o.)を試料に加えることにより完全に阻害されることを証明した。
【0095】 Fcγレセプター(RII)の重要な特徴の1つは、重合体の免疫複合体の結
合により活性化され、単量体のIgGは無効であることである。したがって、免
疫複合体が形成され、その結果としてFcγレセプターを介して細胞が活性化さ
れるためには、血液細胞はプロペルジンおよび抗プロペルジンモノクローナル抗
体に同時に曝露されなければならない。化学ルミネセンスアッセイの結果は、希
釈した血液試料中のスーパーオキシドレベルは、5μg/mlのプロペルジン単
独、または100nMのモノクローナル抗体単独のどちらを加えてもコントロー
ルレベルを超えて有意に上昇しないことを証明している。しかし、5μg/ml
のプロペルジンおよび100nMのモノクローナル抗体を希釈した血液試料に同
時に加えると、スーパーオキシドの産生はコントロールレベルを超えて著しく増
加し、細胞の活性化がFcγレセプターを介しておこっていることを示している
。C5aもまた、好中球の酸化バースト反応を、C5aレセプターを介して活性
化し、10nMのC5aを含む試料がこのアッセイにおけるポジティブコントロ
ールであった。抗ヒトプロペルジンモノクローナル抗体はヒトタンパク質に対し
て特異的に結合し、ラットプロペルジンには結合しない。この特異性と矛盾する
ことなく、血液試料を5μg/mlのラットプロペルジンおよび100nMの抗
ヒトモノクローナル抗体とインキュベーションしても、スーパーオキシドの産生
を、コントロールレベルを超えて増加させなかった。この研究の結果は、好中球
の活性化はプロペルジンモノクローナル抗体免疫複合体の、細胞上のFcγレセ
プターへの結合を介するものであり、チュービングループモデルにモノクローナ
ル抗体を加えたときエラスターゼ放出の増加を引き起こすことを示している。
【0096】 Fcγレセプターの相互作用を回避する、本発明による薬剤の設計に使用され
得るいくつかの可能な方法がある。モノクローナル抗体薬剤に関しては、1つの
手段はヒト化抗体を構築するときにヒトγ4IgGアイソタイプを選択すること
である。γ4IgGアイソタイプはFcγレセプターと結合しない。そのかわり
に、例えば1本鎖抗体および抗原結合領域を含む、Fc領域を欠くようなモノク
ローナル抗体薬剤が遺伝子工学的に作られ得る。さらに、もう1つのアプローチ
は、タンパク質分解酵素により部分的に消化して、モノクローナル抗体のFc領
域を化学的に取り除き、それによって例えばFabまたはF(ab)2フラグメ ントのような抗原結合抗体フラグメントを産生することである。そのような抗原
結合抗体フラグメントおよび誘導体は、同様に側副経路補体活性化の強力なイン
ヒビターとして有用である。
【0097】 この研究においては、タンパク質分解が、マウスIgG1である上記の実施例
で述べられた抗プロペルジンモノクローナル阻止抗体のFc領域を除去するため
に利用された。特に、フィシン消化(Mariani,M.,M.Camagn
a、L.TarditiおよびE.Seccamani,1991,Mol.I
mmunol. 28:69−71)を用いてマウスIgG1からF(ab)2 を産生する手順が利用された。フィシンによる連続的なこのIgG1抗体の切断
により、F(ab)2に対応する116kDの種、および切断されたFc領域に 対応する32kDのもう1つの種ができる。フィシン消化の条件は、高い収率で
F(ab)2を産生し、クマシン染色したSDS−PAGEゲルにおいてインタ クトなIgGのバンドがまったく検出できない条件と同一であった。
【0098】 このF(ab)2フラグメントの補体活性化インヒビターとしての強さを、実 施例4で述べられたウサギRBC溶血アッセイを用いて、インタクトな抗プロペ
ルジンモノクローナル抗体の強さと比較した。両方を3.3nM(部分的阻害) または6.7nM(完全な阻害)で試験した場合、その結果は、F(ab)2フラ
グメントを含むフィシン消化したモノクローナル抗体薬剤は、インタクトなモノ
クローナル抗体と本質的に同一の阻害活性を有することを示した。それに加えて
、これらの抗プロペルジン製剤は、実施例5で述べられた心肺バイパスのチュー
ビングループモデルにおいて、C3およびsMAC産生のインヒビターとして本
質的に同等の強さを有する。
【0099】 図8に示されているように、F(ab)2およびインタクトな抗体の活性を、 希釈した血液を用いてスーパーオキシド産生アッセイにおいて比較した場合、イ
ンタクトなモノクローナル抗体(100nM)およびプロペルジン(5μg/m
l)を両方希釈した血液試料に加えると、スーパーオキシドの産生はコントロー
ルレベルを超えて著しく増加する。それに比べて、F(ab)2(100nM) およびプロペルジン(5μg/ml)の両方を加えた後の希釈した血液試料中の
スーパーオキシド産生は、実質的に低減し、F(ab)2のみを加えた後のスー パーオキシド産生と同様であった(図8)。より後の時間(>130分)では、
スーパーオキシド産生は、両方のF(ab)2を含む試料中で、コントロールの 試料よりわずかに高かった(図8)。しかし、F(ab)2調製物は、夾雑して いるFc、微量のインタクトなモノクローナル抗体を除くために精製されておら
ず、少量のそのような混合物がわずかな残留性の応答を生じたのであろう。Fc
夾雑物は所望ならば標準的な精製方法によって除かれ得る。この研究の結果は、
F(ab)2のような抗原結合フラグメントの産生は本質的にFcγレセプター の結合を介した血液細胞の活性化を排除し得ることを示している。
【0100】 抗プロペルジンモノクローナル抗体を用いたこのタイプの活性化が他の抗補体
モノクローナル抗体に関して言及されていないことが興味深い。例えば、C5に
対するモノクローナル抗体は、C5(補体経路の終点)に集まり、C5の切断を
阻害し、そしてMACおよびC5aの生成を阻害することによって、補体の古典
的経路および側副経路を阻害することが示されている(WO95/25540[ PCT/US95/03614];Rinderら、前出(1995))。
【0101】 本発明によって、そのようなFcγレセプターの活性化を欠き、側副補体経路
の活性化産物の形成を選択的に阻害する過程において特に有効な、好ましい治療
薬剤がスクリーニングおよび調製され得る。それに加えて、本発明による薬剤は
、好ましくは側副経路活性化産物の形成を選択的に阻害し(すなわち、古典的経
路の成分は阻害せず)、古典的補体経路を活性化しない薬剤である。Fcγレセ
プターへの結合を介する細胞の活性化に加えて、免疫複合体が補体成分C1へ結
合することにより、補体活性化の古典的経路の引き金となり得る。補体活性化の
古典的経路が上記で述べられた抗プロペルジンモノクローナル阻止抗体によって
活性化されなかったことを示すために、2組の正常ヒト血清(NHS)試料が、
200nMの抗プロペルジンモノクローナル抗体(30μg/ml)と共に、ま
たは無しに、37℃で120分間インキュベートされた。0、30、60、およ
び120分に50μlのアリコートが混合物から取られ、全てのマグネシウムお
よびカルシウム依存性の補体活性化を止めるために、EDTAを最終的な濃度が
13mMになるように加えてキレートされた。補体活性化産物C3aの濃度が、
全ての試料において、ELISAキットを用いて製造業者の使用説明書に従って
決定された(Quidel、カタログ番号A015)。抗プロペルジンモノクロ
ーナル抗体を含む試料は、どれも対応するコントロールの試料と比較してC3a
レベルが増加しなかった。これらの結果は抗プロペルジンモノクローナル阻止抗
体が古典的経路の活性化を引き起こさないことを示している。さらに、これらの
結果は、C1によって認識される免疫複合体における構造決定因子がFcγレセ
プターによって認識されるものと異なっていることを示唆している。本発明によ
る好ましい薬剤は、従って、本明細書中において示されたように、Fcγレセプ
ターまたは古典的補体経路を実質上活性化しない薬剤である。
【0102】 (実施例7:古典的経路の活性化:ヘパリン−プロタミン複合体) ヘパリン処理した血液にプロタミンを加えると古典的補体経路が活性化される
ことが示されている(Cavarocchi,N.C.,H.V.Schaff
,T.A.Orszulak,H.A.Homburger,W.A.Schn
ellおよびJ.R.Pluth,1985,Surgery 98:525−
531)。従って、補体の活性化は、上記の実施例5で利用されたようなバイパ
ス回路のチューブを血液が循環している間だけでなく、CPBの手順の最後にプ
ロタミン(抗凝固薬のヘパリンを中和するため)を加えた後にも起こる。プロタ
ミンの可溶性MACの産生に対する効果を評価するために、ヘパリン処理した血
液が、100μg/mlのプロタミンと共に、上記の実施例1−5で述べられた
ように抗プロペルジンモノクローナル阻止抗体の非存在下、または存在下で、3
7℃で60分間、チューブ内でインキュベーションされた。試料はELISAキ
ットを用いて製造業者の使用説明書(Quidel、カタログ番号A009)に
従って処理され、sMACの産生が分析された。
【0103】 図9に示されているように、抗プロペルジンモノクローナル抗体は、ヘパリン
処理された新鮮血が上記で述べられたように、100μg/mlのプロタミンと
共に、抗プロペルジンモノクローナル抗体の非存在下、または13、66、20
0、または330nM存在下で、37℃で60分間、チューブ内でインキュベー
ションされた条件下で、sMACの産生によって検出されたように、ヘパリン−
プロタミン複合体によって開始される補体の活性化を阻害する。
【0104】 補体の活性化はバイパス回路を血液が流れている間だけでなく、CPBの完了
時にプロタミンを加えた後にも起こるため、およびこの後者の活性化は古典的補
体経路が関与するため(Cavarocchi,N.C.,H.V.Schaf
f,T.A.Orszulak,H.A.Homburger,W.A.Sch
nellおよびJ.R.Pluth,1985,Surgery 98:525
−531)、側副経路特異的な抗プロペルジン製剤が、図9に示されたようにヘ
パリン−プロタミン複合体によって引き起こされた補体活性化産物の生成を抑制
または事実上阻害したことは予想外のことである。
【0105】 側副経路のC3コンバターゼは、理論上では古典的経路において産生されたC
3bから組み立てられ得るため、側副経路が多少は古典的経路により開始された
最終活性化産物の生成に寄与し得ることが示唆されていたが、この仮説に注意を
向けるような実験的データが全般的に不足していた。比較的最近の研究は、側副
経路の古典的経路に対する寄与に関する問題を、特にそれはプロペルジンの役割
に関係するので、より明確に提示した。特に、Fredriksonら(199
3)は、古典的経路の活性化後のMAC産生量に対するプロペルジン欠乏の影響
を調査した。彼らの結果は血清中にプロペルジンが存在しないことは古典的経路
のMAC生成に影響がないことを明らかにしている。対照的に、古典的経路の成
分(すなわちC1q、C2、C4)の涸渇は、彼らのアッセイ系ではMACの産
生を完全になくした。これらの結果は抗プロペルジン製剤を用いたプロペルジン
作用の阻害は、プロタミン−ヘパリン複合体によって古典的経路が開始された後
の、活性化された補体種の生成に影響を与えないことを示している。この解釈に
対するさらなる支持は、Soderstrom,C.,J.H.Braconi
er,D.DanielssonおよびA.G.Sjoholm,1987,J
.Infect.Dis. 156:107−112の研究により提供される。
彼らは、古典的補体経路を介する血清の殺菌反応が、プロペルジン欠乏血清にお
いて損なわれないことを示した。これらの結果は特にプロペルジン作用の阻害は
、古典的補体経路の開始後、補体活性化タンパク質の生成に、たとえあるとして
もわずかな影響しか与えないことを示している。より一般的には、これらのデー
タは、古典的経路に誘発される補体活性化産物の生成への側副経路の寄与がごく
わずかであることを意味する。このより一般的な解釈は、側副経路特異的な成分
であるB因子に対する抗体は古典的経路補体活性化に影響を与えないことを報告
した、Clardy,C.W.,1994,Infect.Immun. 62
:4549−4555の研究により支持される。
【0106】 臨床的CPB中にみられること、および上記に示されたことに一致して、プロ
タミンをヘパリン処理したヒト血液に加えると、sMACの生成によって測定さ
れるように有意な補体活性化を引き起こす(図9)。驚くべきことに、抗プロペ
ルジン抗体を、プロタミンを加える前にヘパリン処理した血液に加えると、sM
AC形成がほとんど完全に阻害され(図9)、抗プロペルジン製剤が、古典的お
よび側副補体経路の両方を阻害できるために、CPBに伴う灌流後の合併症を低
減するのに有効であることを証明している。
【0107】 (実施例8:古典的経路の活性化:免疫複合体) 古典的補体経路は、代表的には、免疫複合体(例えば、外来粒子と結合した抗
体)によって誘発される。従って、特異的な抗体の産生にはその粒子に予め曝露
されていることが必要である。古典的経路の最初の段階には4つの血漿タンパク
質が関与する。すなわち、C1、C2、C4、およびC3である。C1が免疫複 合体のIgGまたはIgMのFc領域と相互作用することが、血漿タンパク質C
4を切断し得るC1タンパク質分解酵素を活性化して、C4aおよびC4bフラ
グメントができる。C4bはもう1つの血漿タンパク質C2に結合し得る。その
結果できた種C4b2は、C1タンパク質分解酵素によって切断され、古典的経
路C3コンバターゼであるC4b2aを形成する。C3コンバターゼはへのC3
の切断産物であるC3bの添加により、古典的経路C5コンバターゼであるC4
b2a3bが形成される。免疫複合体の、C3aおよび可溶性MACの産生に対
する影響を評価するために、免疫複合体が、ウサギ抗卵アルブミンIgG(28
mg)(Biodesign,Kennebunk,ME)および卵アルブミン
(0.67mg)(Sigma Chemical Company)を3ml のPBS中で3日間、4℃で最大限沈殿するようにインキュベーションして調製
された。予備的な実験は、この試薬の比が抗原−抗体反応の当量点に対応するこ
とを証明している。沈殿が15,000rpmで5分間、4℃で遠心分離して集 められ、5mlのPBS中に再懸濁、および再遠心分離して3回洗浄された。最
後の沈殿はPBS中に1mg/mlで再懸濁され、アリコートにして−70℃で
凍結された。SDS−PAGE分析によって沈殿が本質的に抗体および抗原のみ
を含むことが確認された。
【0108】 抗プロペルジンモノクローナル抗体の、古典的経路が免疫複合体によって開始
されている補体活性化の状況に対する影響について調べるために、3組の90%
のNHSを含む50μlの試料が10μg/mlの免疫複合体(IC)またはP
BS存在下、37℃でインキュベートされた。および、同時に行われた3組の試
料(+/−IC)も、37℃でインキュベートする間、200nMの抗プロペル
ジンモノクローナル抗体を含んでいた。37℃、2時間のインキュベーション後
、13mMのEDTAが全ての試料にさらなる補体の活性化を止めるために加え
られ、試料はすぐに5℃に冷却された。試料は補体活性化産物(C3aおよびs
C5b−9)がELISAキット(Quidel、カタログ番号A015および
A009)を用いて製造業者の使用説明書に従って分析される前に−70℃で保
存された。sMACアッセイの結果は図10に示されている。
【0109】 驚くべきことに、抗プロペルジンモノクローナル抗体を、免疫複合体を加える
前に血清に加えると、C3aおよびsMACの両方の形成(図10に示されてい
るようにsMACでは約80%)が実質上阻害された(例えば≧50%)。上記
の実施例7で述べられたヘパリン−プロタミン複合体での結果と同様に、側副経
路特異的抗プロペルジン製剤が、図10に示されたように、免疫複合体によって
古典的経路が開始された後、活性化された補体種の生成を減弱または実質上阻害
したことは同じように予想外のことであった。
【0110】 (実施例9:心肺バイパス:エキソビボ体外循環) 抗プロペルジン抗体製剤を含む抗プロペルジン製剤の、循環血液が患者の血管
から導管を通って患者の血管に戻ることを伴うCPBおよび他の体外手順中の補
体活性化の低減における有用性をさらに確認するために、新しく集められたヒト
血液を、小児科の体外循環を必要とする外科的手順の間に代表的に使用されるも
のと同じ回路に流す研究が行われた。実施例6で述べられたように調製されたF
(ab)2抗プロペルジン製剤が、これらの研究で使用された。
【0111】 小児科の体外回路は中空繊維の小児科膜酸素供給器(Lilliput ox
ygenator)、ポリ塩化ビニルのチューブ、ポリカーボネートの接合具、
および最小に閉塞性のローラーポンプを用いて組み立てられた。酸素供給器およ
び回路構成要素は400mlのPlasmalyteで満たされた。血液(22
5ml)は健常ボランティアから1000Uのヘパリンを含むトランスファーパ
ックに取られ、次にそれは体外回路に加えられた。体外循環中の補体の阻害を研
究するために、PBS(約25μg/mlの血液)中の抗プロペルジンモノクロ
ーナル抗体のF(ab)2調製物が、血液が体外回路に加えられる直前に、トラ ンスファーパックに加えられた。血液が最初のポートからリザーバに導入された
とき、最終的な回路の容量が400mlに、および最終的なヘマトクリットが2
0%になるように、225mlの最初の液体は同時に酸素供給器の出口に向かっ
て引かれた。血液は最初の液体と共に循環し、2分以内に完全に混ざり合った。
基準となる試料が取られ、0時間として示された。回路は37℃で30分間保た
れ、次に5分以上かけて28℃に冷却され60分間その温度に保たれた。その後
、さらに60分間、37℃に再び温められた。血液試料は再循環中、複数の時点
で採取された。すぐに遠心分離して血清試料が調製され、アリコートとしてC3
aまたはsMACを、ELISAキットを用いて製造業者の使用説明書(Qui
del:C3aキット、カタログ番号A015;sMACキット、カタログ番号
A009)に従って分析するまで、または好中球エラスターゼを、ELISAを
用いてBrower,M.S.およびP.C.Harpel,1983,Blo
od 61:842−849に述べられているように分析するまで、−70℃で
保存された。
【0112】 図11に示されているように、新鮮ヒト血液が、抗プロペルジンモノクローナ
ル抗体のF(ab)2調製物の非存在下(黒丸)または存在下(白丸)で、小児 科のバイパス回路をポンプで流されるCPBのエキソビボモデルにおいて、抗プ
ロペルジンモノクローナル阻止抗体のF(ab)2製剤は補体の活性化を阻害す る。上記で述べられたように、血液試料はバイパス手順中の様々な時間において
集められ、sMAC(図11A)、C3a(図11B)またはエラスターゼ−ア
ンチトリプシン複合体(図11C)について分析された。
【0113】 この研究に関しては、利用された2つのバイパス回路は共通の拍動しないポン
プに接続されたので、2つの系の血流は同一であった。1つの回路は未処理の血
液を含んでいたのに対して、もう1つは抗プロペルジン製剤が循環の開始前に加
えられた血液を含んでいた。それに加えて、この研究では抗プロペルジンモノク
ローナル抗体のF(ab)2製剤が、プロペルジン抗プロペルジン複合体がFc γレセプターに結合して細胞のシグナル伝達の発生を引き起こさないことを保証
するために利用された。このF(ab)2抗体フラグメントは実施例6で述べら れたように、フィシンを用いたタンパク質分解による切断によって調製された。
標準的なタンパク質分解方法および標準的な組換え方法が、フラグメント、誘導
体、1本鎖抗体(SCA)およびFcγレセプターに結合する免疫グロブリンの
Fc部分を欠く抗原結合領域を含む、抗体に基づくタンパク質を調製するために
利用され得る(Janeway,C.およびP.Travers,Jr,199
4,Immunobiology:the Immune System in
Health and Disease. pp3:28−3:30. Ga
rland Publishing,Inc.,New York)。その代わ
りに、もし望ましいならまたは必要なら、Fcγレセプターと相互作用しないI
gGのγ4サブクラス抗体を利用することによって、治療的抗体がFcγレセプ
ターに結合する可能性を排除し得る(Janeway,C.およびP.Trav
ers,Jr.,前出(1994))。
【0114】 図11に示されているように、このCPBのエキソビボモデルにおいて血流が
開始されるとsMAC(図11A)およびC3a(図11B)の生成が急速にお
こり、これらの活性化補体成分のレベルはバイパス時間と相関を有して増加した
。同様に、好中球活性化のマーカーであるエラスターゼ−アンチトリプシン複合
体(Finn,A.,S.Naik,N.Klein,R.J.Levinsk
y,S.StrobelおよびM.Elliott,1993,J.Thora
c.Cardiovasc.Surg. 105:234−241)の血中レベ
ルも、CPB回路中での循環時間と共に増加した(図9)。CPB中の好中球活
性化は補体活性化種のこれらの細胞への結合により起こると仮定されてきた(R
inder,C.S.,H.M.Rinder,B.R.Smith,J.C.
K.Fitch,M.J.Smith,J.B.Tracey,L.A.Mat
is,S.P.SquintoおよびS.A.Rollins,S.A.,19
95,J.Clin.Invest. 96:1564−1572;Wan,S
.,J−L.LeClercおよびJ−L.Vincent,1997,Che
st 112:676−692)。同時に行われている、F(ab)2抗プロペ ルジンモノクローナル抗体薬剤で処理された血液を含む回路は、全バイパス時間
においてsMACおよびC3aが事実上存在しなかったことで明らかなように、
本質的に補体の活性化がみられなかった。重要なことに、F(ab)2抗プロペ ルジンはまた、血中エラスターゼ−アンチトリプシン複合体レベルの低減によっ
て証明されたように、好中球の活性化も低減させた(図11C)。これらの結果
は上記の実施例5で述べられたチュービングループモデルで得られた結果を確認
している。これらの結果はさらに、Fcγレセプターを活性化する能力を欠く抗
プロペルジン製剤は、体外循環およびその後のヘパリンとプロタミンの複合体化
により起こる、補体の活性化および関連する細胞の炎症事象を、効果的に低減さ
せることを証明している。
【0115】 (実施例10:阻止剤:プロペルジン由来のペプチドのスクリーニング) Fredriksonら、前出(1996)によって述べられたようなヒトプ
ロペルジンのいくつかのデカペプチドが調製され、上記の実施例で抗プロペルジ
ン抗体について述べられたように、側副補体経路の活性化の効果を阻止する能力
について調べられた。特に、これらのプロペルジン由来ペプチドはMACの形成
を阻止する能力について、ELISAを用いて実施例3で述べられたように分析
された。プロペルジンの43−52アミノ酸からなるペプチド1(分子量115
8)、プロペルジンの48−57アミノ酸からなるペプチド2(分子量1320
)、およびプロペルジンの73−82アミノ酸からなるペプチド3(分子量13
09)はそれぞれ、このアッセイにおいて、それぞれ268μM、335μM、
および242μMのIC50で、MACの形成を抑制した。対照的に、プロペルジ
ンの218−227アミノ酸からなるペプチド4(分子量1173)は、このア
ッセイにおいて同様にはMACの形成を阻止しなかった(IC50>600μM)
。これら4つのペプチドを、上記の実施例2で述べられたように調べると、ペプ
チド1、2、および3はC3bBbの結合を阻止するが、ペプチド4は阻止しな
かった。3つの阻止ペプチドのIC50は約400−600μMの範囲であった。
【0116】 III型プロペルジン欠乏症の患者から得られた機能不全のプロペルジンタン
パク質の特徴を調べるための、Fredriksonら、前出(1996)によ
る以前の研究において、上記で述べられた4つのペプチドを含む、ヒトプロペル
ジンの87個の部分的に重なり合うデカペプチドが合成された。これらのペプチ
ドが0−200μg/mlの濃度で、C3bで覆われたプレートへのプロペルジ
ンの結合と競合する能力を分析すると、9、10、15、44(本明細書中のペ
プチド1、2、3および4に対応する)および81と示された5つのペプチドが
、Fredriksonら、前出(1996)によって、プロペルジンとC3の
結合に関して競合すると決定された。これらのペプチドは上記で述べられたMA
C形成アッセイのような補体活性化の分析はされなかった。
【0117】 本発明によって、プロペルジンは今や側副経路の活性化において決定的な成分
であることが証明されたので、プロペルジン由来ペプチドを含む抗プロペルジン
製剤は、本明細書中で証明されたように、例えばMAC形成を阻止することによ
って側副経路の活性化を阻止する能力についてスクリーニング、同定、および選
択され得る。スクリーニングアッセイはMAC形成の阻止は高いペプチド濃度に
おいては本質的に完全であることを示したので、プロペルジンは再び側副経路の
活性化に必要であることが証明された。プロペルジン由来ペプチドを含む抗プロ
ペルジン製剤は、本発明によって、様々な段階および状況の疾患を有する患者お
よび様々な医学的処置による合併症を有する患者、および本明細書中で記述およ
び言及されたような急性および/または慢性の病気による被害をうけている患者
を含む、側副経路または古典的経路のどちらかが開始された患者における、側副
補体経路の活性化産物の産生(すなわち、形成または生成)を選択的に阻止する
過程で有効な薬剤であると同定され得る。
【0118】 (実施例11:インヒビター:スクリーニングおよび同定) 好ましい抗ヒトプロペルジン抗体を含む、側副補体経路を介する補体活性化産
物の形成を選択的に阻止する薬剤は、本明細書中で示されているように、古典的
補体経路の開始を伴う状況下を含んで、側副補体経路依存的活性化産物の形成ま
たは生成を実質上または完全に阻止する能力によって入手、そしてスクリーニン
グ、同定および選択され得る。
【0119】 7つの市販の入手可能な抗ヒトプロペルジンモノクローナル抗体が阻止活性に
よってスクリーニングされた。すなわち(1)Quidel抗ヒトFactor
P#1(A233);(2)Quidel抗ヒトFactor P#2(A2
35);(3)Dako(Santa Barbara,CA)抗ヒトFact
or P(MO837);(4)Serum Institute(Copen
hagen,Denmark)抗ヒトFactor P(HYB039 Clo
ne 06);(5)Serum Institute抗ヒトFactor P
(HYB039 Clone 04);(6)Biogenesis(Pool
e,UK)抗ヒトFactor P(Clone 10−18)[Quidel #1と同一];およびBiogenesis抗ヒトFactor P(Clo ne 10−24)[Quidel #2と同一]である。これら7つの抗体はそ
れぞれプロペルジンと高い親和性で(KD=0.1−1nM)結合し得た。しかし
、Quidel P#1モノクローナル抗体(およびBiogenesisの同
一のモノクローナル抗体(Clone 10−18))のみが、MAC形成を完
全に阻止することによって検出されるように、側副経路の補体活性化を完全に阻
止した。Serum Institute HYB039 clone 04は
領域的な阻止のみが認められ、このモノクローナル抗体の濃度を高くしても完全
な阻止には至らなかった。この部分的に阻止するモノクローナル抗体および完全
に阻止するQuidel #1モノクローナル抗体はプロペルジンに対して同等
の結合親和性を有する(KD=0.1−0.2nM)。本発明によれば、薬剤は従 って、本明細書中に述べられた、C3bの結合阻害(実施例1)、C3bBbの
結合阻害(実施例2)、側副経路依存的MAC形成の阻止(実施例3および5−
7)、側副経路依存的溶血の阻止(実施例4)、側副経路依存的なC3a形成の
阻止(実施例5−7)、または白血球活性化(例えばエラスターゼ−アンチトリ
プシン、CD11b/CD18)、血小板活性化(例えばP−セレクチン、GP
IIIa、GPIb(CD45b)、GPIIb)および血小板−白血球 接着のマーカーを含む側副経路依存的な細胞活性化の1つかそれ以上のマーカー
の阻止(実施例7)を含む、1つかそれ以上のアッセイにおいて本質的に完全な
、部分的な阻止活性、または阻止活性の無さに関して効果的にスクリーニングさ
れる。薬剤はさらにFcγレセプターおよび/または古典的経路の活性化の欠如
に関してスクリーニングされ得る(実施例6)。
【0120】 (図面の簡単な説明) 以下の図面は、明細書の一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、C3bに対するヒトプロペルジンの結合を示す。
【図2】 図2は、抗プロペルジンモノクローナル抗体を使用する、C3bに対するプロ
ペルジンの結合の用量依存性阻害を示す。
【図3】 図3は、抗プロペルジンモノクローナル抗体を使用する、C3bBbに対する
プロペルジンの結合の用量依存性阻害を示す。
【図4】 図4は、細胞膜傷害複合体(MAC)の沈着に対する、補体成分を含有するヒ
ト血清の影響を示す。
【図5】 図5は、抗プロペルジンモノクローナル抗体によって引き起こされる細胞膜傷
害複合体(MAC)の沈着の阻害を示す。
【図6】 図6は、ウサギの赤血球溶解に対する抗プロペルジンモノクローナル抗体の影
響を示す。
【図7A】 図7は、心肺のバイパス(CPB)のチュービングループ(tubing l
oop)モデルにおける、抗プロペルジンモノクローナル抗体を使用する、側副
補体経路活性化産物(C3a(図7B)およびMAC(図7A)を含む)の形成
の阻害を示す。
【図7B】 図7は、心肺のバイパス(CPB)のチュービングループ(tubing l
oop)モデルにおける、抗プロペルジンモノクローナル抗体を使用する、側副
補体経路活性化産物(C3a(図7B)およびMAC(図7A)を含む)の形成
の阻害を示す。
【図8】 図8は、プロペルジンを用いる抗プロペルジンモノクローナル抗体のF(ab
2フラグメントの調製物を使用する、過酸化物生成の欠失によって検出される ような、Fcγレセプター活性化の喪失を示す。
【図9】 図9は、抗プロペルジンモノクローナル抗体を使用する、ヘパリン−プロタミ
ン複合体によって開始される側副補体経路活性化産物(MACを含む)の形成の
阻害を示す。
【図10】 図10は、抗プロペルジンモノクローナル抗体を使用する、オボアルブミン/
抗オボアルブミン免疫複合体によって開始される側副補体経路活性化産物(MA
Cを含む)の形成の阻害を示す。
【図11】 図11は、心肺のバイパス(CPB)のエキソビボモデルにおいて抗プロペル
ジン剤を使用する、側副経路依存性補体および白血球活性化産物の形成の阻害(
C3a(図11B)、MAC(図11A)、またはエラスターゼ−抗トリプシン
複合(図11C)産物の形成の阻害を含む)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 G (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ペアレント, ジェイムズ ビー. アメリカ合衆国 オハイオ 44121, ク リーブランド, グリーン ロード 1939, アパートメント 101 Fターム(参考) 4C077 AA01 AA02 AA03 AA05 AA12 BB01 BB02 EE01 KK01 4C084 AA17 MA13 MA28 MA31 MA32 MA35 MA37 MA38 MA41 MA43 MA52 MA56 MA57 MA60 MA63 MA66 ZA022 ZA162 ZA362 ZA512 ZA542 ZA592 ZA812 ZA892 ZA942 ZB012 ZB152 ZB212 4C085 AA14 BB11 BB43 CC02 DD63 EE01

Claims (84)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C3コンベルターゼのプロペルジン誘導性安定化を阻害する
    工程を包含する、側副補体活性化を阻害するプロセス。
  2. 【請求項2】 前記C3コンベルターゼのプロペルジン誘導性安定化が、プ
    ロペルジンのC3bへの結合を阻害することによって阻害される、請求項1に記
    載のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記プロペルジンのC3bへの結合が、有効量の抗プロペル
    ジン抗体にプロペルジンを曝露することによって阻害される、請求項2に記載の
    プロセス。
  4. 【請求項4】 前記C3bがC3bBbの形態である、請求項3に記載のプ
    ロセス。
  5. 【請求項5】 前記抗プロペルジン抗体がモノクローナル抗体である、請求
    項3に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記C3bが被験体の血漿または間質液中に存在する、請求
    項3に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 前記被験体がヒト被験体である、請求項6に記載のプロセス
  8. 【請求項8】 前記ヒト被験体の補体が活性化されている、請求項7に記載
    のプロセス。
  9. 【請求項9】 補体活性化が、心筋梗塞、急性呼吸困難症候群、火傷、発作
    、膵炎、心肺バイパス、または虚血/再灌流傷害のような急性の病理学的傷害を
    介してである、請求項8に記載のプロセス。
  10. 【請求項10】 補体活性化が、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、重症筋
    無力症、またはアルツハイマー病のような慢性状態に貢献する、請求項8に記載
    のプロセス。
  11. 【請求項11】 前記抗プロペルジン抗体が、前記被験体の血漿または間質
    液中に投与される、請求項6に記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 被験体において側副補体経路活性化の有害な効果を阻害す
    るプロセスであって、該被験体に、側副補体経路活性化産物の形成を選択的に阻
    害するのに有効な量の抗プロペルジン剤を投与する工程を包含する、プロセス。
  13. 【請求項13】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項12
    に記載のプロセス。
  14. 【請求項14】 前記側副補体経路活性化産物がC3aおよびC5aである
    、請求項12に記載のプロセス。
  15. 【請求項15】 前記抗プロペルジン剤が抗プロペルジン抗体である、請求
    項12に記載のプロセス。
  16. 【請求項16】 前記抗プロペルジン剤が抗プロペルジン抗体の抗原結合フ
    ラグメントである、請求項12に記載のプロセス。
  17. 【請求項17】 前記抗プロペルジン剤がプロペルジン由来のペプチドであ
    る、請求項12に記載のプロセス。
  18. 【請求項18】 前記抗プロペルジン剤が、Fcγレセプターを活性化する
    能力を欠失している、請求項12に記載のプロセス。
  19. 【請求項19】 古典的補体経路が開始される被験体において該古典的補体
    経路活性化の有害な効果を阻害するためのプロセスであって、該被験体に、側副
    補体経路活性化産物の形成を選択的に阻害するために有効な量の抗プロペルジン
    剤を投与する工程を包含する、プロセス。
  20. 【請求項20】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項19
    に記載のプロセス。
  21. 【請求項21】 前記側副補体経路活性化産物がC3aまたはC5aである
    、請求項19に記載のプロセス。
  22. 【請求項22】 前記抗プロペルジン剤が抗プロペルジン抗体である、請求
    項19に記載のプロセス。
  23. 【請求項23】 前記抗プロペルジン剤が、抗プロペルジン抗体の抗原結合
    フラグメントである、請求項19に記載のプロセス。
  24. 【請求項24】 前記抗プロペルジン剤がプロペルジン由来のペプチドであ
    る、請求項19に記載のプロセス。
  25. 【請求項25】 前記抗プロペルジン剤が、Fcγレセプターを活性化する
    能力を欠失している、請求項19に記載のプロセス。
  26. 【請求項26】 古典的補体経路が開始される被験体における該古典的補体
    経路活性化の有害な効果を阻害するためのプロセスであって、該被験体に、側副
    補体経路活性化産物の形成を選択的に阻害するのに有効な量の、側副経路C3コ
    ンベルターゼを阻害する薬剤を投与する工程を包含する、プロセス。
  27. 【請求項27】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項26
    に記載のプロセス。
  28. 【請求項28】 前記側副補体経路活性化産物が、C3aまたはC5aであ
    る、請求項26に記載のプロセス。
  29. 【請求項29】 前記薬剤が抗プロペルジン抗体である、請求項26に記載
    のプロセス。
  30. 【請求項30】 前記薬剤が、抗プロペルジン抗体の抗原結合フラグメント
    である、請求項26に記載のプロセス。
  31. 【請求項31】 前記薬剤がプロペルジン由来のペプチドである、請求項2
    6に記載のプロセス。
  32. 【請求項32】 前記薬剤が、Fcγレセプターを活性化する能力を欠失し
    ている、請求項26に記載のプロセス。
  33. 【請求項33】 被験体に対して医療手順を行うためのプロセスであって、
    以下: (a)該被験体の血管からの循環血液を、導管を介して通し、そして該被験体
    の血管に戻す工程であって、該導管は、該被験体の血液中で補体活性化、血小板
    活性化、白血球活性化、または血小板白血球接着の少なくとも1つを引き起こし
    得る物質を含有する管腔表面を有する、工程;および (b)該被験体の血流中に、該循環血液の該導管を介する通過により生じる補
    体活性化、血小板活性化、白血球活性化、または血小板白血球接着の少なくとも
    1つを低減させるのに有効な量の抗プロペルジン剤を導入する工程、 を包含し、ここで工程(a)は、工程(b)の前、および/または間、および/
    または後に行われる、 プロセス。
  34. 【請求項34】 前記抗プロペルジン剤が、補体成分C3の補体成分C3a
    およびC3bへの前記側副経路依存性変換を低減する、請求項33に記載のプロ
    セス。
  35. 【請求項35】 前記抗プロペルジン剤が、C5b〜C9の前記側副経路依
    存性形成を低減する、請求項33に記載のプロセス。
  36. 【請求項36】 前記抗プロペルジン剤が前記側副経路依存性白血球活性化
    を低減する、請求項33に記載のプロセス。
  37. 【請求項37】 前記抗プロペルジン剤が、プロペルジンに特異的に結合し
    、そして側副経路C3コンベルターゼを阻害する、請求項33に記載のプロセス
  38. 【請求項38】 前記医療手順が、体外循環手順である、請求項33に記載
    のプロセス。
  39. 【請求項39】 前記体外循環手順が、心肺バイパス手順である、請求項3
    8に記載のプロセス。
  40. 【請求項40】 前記抗プロペルジン剤が抗プロペルジン抗体である、請求
    項33に記載のプロセス。
  41. 【請求項41】 前記抗プロペルジン剤が、抗プロペルジン抗体の抗原結合
    フラグメントである、請求項33に記載のプロセス。
  42. 【請求項42】 前記抗プロペルジン剤が、プロペルジン由来のペプチドで
    ある、請求項33に記載のプロセス。
  43. 【請求項43】 前記抗プロペルジン剤が、Fcγレセプターを活性化する
    能力を欠失している、請求項33に記載のプロセス。
  44. 【請求項44】 パッケージング物質および該パッケージング物質内に含ま
    れる薬剤を含む製品であって、ここで: (a)該薬剤が抗プロペルジン剤を含み、該抗プロペルジン剤が、被験体の血
    管からの循環血液を、導管を介して通し、そして該被験体の血管に戻すことによ
    って引き起こされる補体活性化、血小板活性化、白血球活性化、または血小板接
    着の少なくとも1つを低減するのに有効であり、該導管が、該被験体の血液中の
    補体活性化、血小板活性化、白血球活性化、または血小板白血球接着の少なくと
    も1つを引き起こし得る物質を含む管腔表面を有し、そして、 (b)前記パッケージング物質が、該薬剤が体外循環手順と関連して使用する
    ためであることを示すラベルを含む、 製品。
  45. 【請求項45】 前記ラベルが、前記薬剤が心肺バイパス手順と関連して使
    用するためであることを示す、請求項44に記載の製品。
  46. 【請求項46】 被験体における側副補体経路活性化産物の形成を選択的に
    阻害するための医薬品の調製における、抗プロペルジン剤の使用。
  47. 【請求項47】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項46
    に記載の使用。
  48. 【請求項48】 前記側副補体経路活性化産物がC3aまたはC5aである
    、請求項46に記載の使用。
  49. 【請求項49】 前記抗プロペルジン剤が、抗プロペルジン抗体である、請
    求項46に記載の使用。
  50. 【請求項50】 前記抗プロペルジン剤が抗プロペルジン抗体の抗原結合フ
    ラグメントである、請求項46に記載の使用。
  51. 【請求項51】 前記抗プロペルジン剤がプロペルジン由来のペプチドであ
    る、請求項46に記載の使用。
  52. 【請求項52】 前記抗プロペルジン剤が、Fcγレセプターを活性化する
    能力を欠失している、請求項46に記載の使用。
  53. 【請求項53】 古典的補体経路が開始される被験体において側副補体経路
    活性化産物の形成を選択的に阻害するための医薬品の調製における、抗プロペル
    ジン剤の使用。
  54. 【請求項54】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項53
    に記載の使用。
  55. 【請求項55】 前記側副補体経路活性化産物がC3aまたはC5aである
    、請求項53に記載の使用。
  56. 【請求項56】 前記抗プロペルジン剤が抗プロペルジン抗体である、請求
    項53に記載の使用。
  57. 【請求項57】 前記抗プロペルジン剤が抗プロペルジン抗体の抗原結合フ
    ラグメントである、請求項53に記載の使用。
  58. 【請求項58】 前記抗プロペルジン剤が、プロペルジン由来のペプチドで
    ある、請求項53に記載の使用。
  59. 【請求項59】 前記抗プロペルジン剤がFcγレセプターを活性化させる
    能力を欠失している、請求項53に記載の使用。
  60. 【請求項60】 古典的補体経路が開始される被験体において側副補体経路
    活性化産物の形成を選択的に阻害するための医薬品の調製における、側副経路C
    3コンベルターゼ阻害剤の使用。
  61. 【請求項61】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項60
    に記載の使用。
  62. 【請求項62】 前記側副補体経路活性化産物がC3aである、請求項60
    に記載の使用。
  63. 【請求項63】 前記薬剤が、抗プロペルジン抗体である、請求項60に記
    載の使用。
  64. 【請求項64】 前記薬剤が抗プロペルジン抗体の抗原結合フラグメントで
    ある、請求項60に記載の使用。
  65. 【請求項65】 前記薬剤がプロペルジンに由来するペプチドである、請求
    項60に記載の使用。
  66. 【請求項66】 前記薬剤がFcγレセプターを活性化する能力を欠失して
    いる、請求項60に記載の使用。
  67. 【請求項67】 (a)(1)側副補体経路活性化産物の形成を選択的に阻
    害し;そして(2)Fcγレセプターを実質的に活性化しない、抗プロペルジン
    抗体または抗プロペルジン抗体の抗原結合フラグメント、および(b)薬学的に
    受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
  68. 【請求項68】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項67
    に記載の薬学的組成物。
  69. 【請求項69】 前記側副補体経路活性化産物が、C3aまたはC5aであ
    る、請求項67に記載の薬学的組成物。
  70. 【請求項70】 前記抗プロペルジン抗体が、モノクローナル抗プロペルジ
    ン抗体である、請求項67に記載の薬学的組成物。
  71. 【請求項71】 前記モノクローナル抗プロペルジン抗体がヒトγ4IgG
    アイソタイプを有する、請求項70に記載の薬学的組成物。
  72. 【請求項72】 前記抗プロペルジン抗体の抗原結合フラグメントが(Fa
    b)2である、請求項67に記載の薬学的組成物。
  73. 【請求項73】 (a)側副補体経路活性化産物の形成を選択的に阻害し、
    そして(b)実質的にFcγレセプターを活性化しない、抗プロペルジン抗体ま
    たは抗プロペルジン抗体の抗原結合フラグメントを含む、抗プロペルジン剤。
  74. 【請求項74】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項73
    に記載の抗プロペルジン剤。
  75. 【請求項75】 前記側副補体経路活性化産物がC3aまたはC5aである
    、請求項73に記載の抗プロペルジン剤。
  76. 【請求項76】 前記抗プロペルジン剤がモノクローナル抗体である、請求
    項73に記載の抗プロペルジン剤。
  77. 【請求項77】 前記モノクローナル抗プロペルジン抗体がヒトγ4IgG
    アイソタイプを有する、請求項76に記載の抗プロペルジン剤。
  78. 【請求項78】 前記抗プロペルジン抗体の抗原結合フラグメントが、(F
    ab)2である、請求項73に記載の抗プロペルジン剤。
  79. 【請求項79】 抗プロペルジン剤をスクリーニングおよび選択する方法で
    あって、(a)該薬剤を側副補体経路活性化産物の形成を阻害するその能力につ
    いてアッセイする工程;(b)該薬剤をFcγレセプターを活性化させるその能
    力についてアッセイする工程;および(c)側副補体経路活性化産物の形成を阻
    害し、そしてFcγレセプターを実質的に活性化しない薬剤を選択する工程、を
    包含する、方法。
  80. 【請求項80】 前記側副補体経路活性化産物がMACである、請求項79
    に記載の方法。
  81. 【請求項81】 前記側副補体経路活性化産物がC3aまたはC5aである
    、請求項79に記載の方法。
  82. 【請求項82】 前記抗プロペルジン剤がモノクローナル抗体である、請求
    項79に記載の方法。
  83. 【請求項83】 前記モノクローナル抗プロペルジン抗体がヒトγ4IgG
    アイソタイプを有する、請求項82に記載の方法。
  84. 【請求項84】 前記抗プロペルジン抗体の抗原結合フラグメントが(Fa
    b)2である、請求項79に記載の方法。
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