【発明の詳細な説明】
ヒマシ油またはその誘導体から開裂生成物を製造する方法 発明の分野
本発明は、リシン化合物(ricinic compound)、触媒、水性溶液中のアルカリお
よび、収率を上げかつ純度を改善しつつ反応混合物の発泡および固化を減らすの
に十分な量の熱伝達流体の混合物を高温酸化することによって、ヒマシ油または
その誘導体から開裂生成物を製造するための方法および反応混合物に関する。
発明の背景
ヒマシ油およびその誘導体の開裂生成物は、いくつかの有用な用途を持つ。例
えば、1つの開裂生成物、セバシン酸ナトリウムは、セバシン酸への前駆体であ
る。セバシン酸は、ナイロン610およびアルキドの製造において非常に価値があ
る。残念なことに、そのような開裂生成物の工業生産に伴う面倒な問題がしばし
ば、このプロセスを高価で不経済なものにしている。
現在では、これらの開裂生成物は一般に、強アルカリおよび触媒の存在下での
ヒマシ油の高温苛性アルカリ酸化によって製造されている。いくつかの問題がこ
の製造方法を悩ませている。まず、ヒマシ油または誘導体がアルカリまたは苛性
アルカリで処理されるとき、反応混合物が激しく発泡する傾向を有し、および/
または反応体が固化する傾向がある。これらの問題は典型的には、進行中の酸化
反応を妨害し、あるいは停止さえする。さらに、反応体が固化するときに形成さ
れる硬いアルカリ石鹸は、さらなる問題を提起する。というのは、それは劣った
熱伝導体であり、かつ反応体の機械的撹拌による混合を困難にするからである。
そのような開裂生成物を製造する代替的方法が存在するが、その方法はしばし
ば、高い製造コストによって妨げられる。ヒマシ油およびその誘導体の開裂生成
物の製造を開示するいくらかの参考文献を以下で議論する。
米国特許第4,786,666号明細書は、エポキシ樹脂および脂肪酸からエポキシエ
ステルを作る方法を開示し、ここで、エポキシ樹脂は、2価フェノールのジグリ
シジルエーテルおよび2価フェノールと反応したヒマシ油ポリグリシジルエーテ
ルから作られる。ヒマシ油ポリグリシジルエーテルは、ヒマシ油とエピクロロヒ
ドリンとを、ルイス酸触媒を用いて反応させ、クロロヒドリン付加物を苛性アル
カリ剤で脱ハロゲン化水素することによって製造される。
米国特許第4,574,053号明細書は、粒状無機充填剤物質を充填した固形石鹸を
開示し、該充填剤物質は、充填剤と化学的に反応した脂肪酸でコーティングされ
ている。石鹸の基材に使用される脂肪酸は、ヒマシ油であり得る。
米国特許第4,299,976号明細書は、セバシン酸のための前駆体として有用な不
飽和ジエステルを製造する方法を開示し、これは、30〜150℃にて不活性雰囲気
下で、メチルペンタ-2,4-ジエノエートを、触媒量の均質なパラジウム錯体と接
触させることによって製造される。この特許はまた、セバシン酸を製造するため
の幾つかの方法を開示し、これは、ヒマシ油を使用した現存の工業的方法を包含
する。その方法は、245℃でリシノール酸を苛性アルカリ分解して、セバシン酸
2ナトリウムを生成し、次いでセバシン酸2ナトリウムを加水分解して、セバシ
ン酸を製造することによってなされる。
米国特許第4,298,737号明細書は、光分解性プラスチックにおけるUV安定剤と
して使用するために、ピペリジニル置換されたジアミンと適当な共反応体(co-re
actant)とを相間移動触媒および苛性アルカリの存在中で化合させることによる
、ピペリジニル置換された1,4-ジアザ-2-シクロアルカノンおよびその置換され
た誘導体の合成を開示する。苛性アルカリ剤は、所望の生成物の形成を遅らせ、
それによって発熱反応の制御を助ける。ヒマシ油は、任意成分として、安定化さ
れたポリマーに添加され得る。
米国特許第4,251,451号明細書は、分岐アルコールと直鎖アルコールとの混合
物を苛性アルカリと反応させて、カルボン酸塩を含む反応混合物を生成し、かつ
、発泡し固化する反応混合物の傾向を減らす不活性希釈剤を添加することによっ
て水素を遊離させる方法を開示する。水素放出の前であるが反応が始まった後に
、反応中の特定の時間に、遊離した水素の通過を可能にするために反応混合物の
流動性を維持しながら、反応混合物の泡形成および固化を阻止するのに十分な希
釈剤が添加される。さらに、この参考文献は、ヒマシ油またはその誘導体の酸化
に
おいて、上記した方法を使用することを開示しない。
米国特許第3,671,581号明細書は、出発物質(その1つは、セバシン酸を製造
するためのヒマシ油の酸化から得られた非酸性副生物である)を、250〜375℃の
温度にて、融解したアルカリ金属水酸化物と反応させることによる、カルボン酸
の製造方法を開示する。
米国特許第3,668,092号明細書は、カルボン酸エステル例えばヒマシ油、また
はエポキシ化合物を、ペルオキシ化合物の存在下でUV光で照射することによって
漂白する方法を開示する。同様の従来法は、苛性アルカリでの処理を含んでいた
。
これらの参考文献のいずれも、ヒマシ油および/またはその誘導体の先の酸化
を妨害した発泡および/または固化をいかにして減らすかについて開示しない。
発泡および/または固化を減らしながら、ヒマシ油またはその誘導体の開裂生成
物を製造して、生成物の収率および純度を上げることが望ましい。
発明の概要
本発明は、高温苛性アルカリ酸化反応により、リシン化合物から開裂生成物を
製造する方法に関する。これは、少なくとも1種の希釈剤、触媒および水性溶液
中のアルカリを合わせて、第1の混合物を形成し(ここで該希釈剤は、収率を増
加させ、純度を改善しながら、反応混合物の発泡および固化を減らすのに十分な
量で存在する)、リシン化合物を第1の混合物に添加して第2の混合物を形成し
、そして第2の混合物の温度を、熱分解反応を開始して、リシン化合物から開裂
生成物を形成させるのに十分なレベルまで上げることによって、達成される。
好ましい実施態様においては、リシン化合物は、ヒマシ油、リシノレエート、
リシン酸(ricinic acid)エステル、リシノール酸、リシノール酸アミド、リシノ
ール酸エステル、スルホン化されたリシノレエート、リシンエステル(ricinic e
ster)、リシンアルコール(ricinic alcohol)、リシノレイル酸(ricinoleyl acid
)、リシノレイル酸アミド、リシノレイルアルコール(ricinoleyl alcohol)、リ
シノレイルアルコールエステル、アルカリリシノレエートまたはそれらの混合物
である。より好ましい実施態様においては、リシン化合物は、グリセロールトリ
リシノレエート、グリセリルトリ(12-アセチルリシノレエート)、グリセリルト
リ(12-
ヒドロキシステアレート)、グリセリルトリ(12-アセトキシステアレート)、ロー
ト油(turkey red oil)、メチル化されたリシノレエート、メチルリシノレエート
、カプリルリシノレエート、プロピレングリコールリシノレエートまたはそれら
の混合物である。
1の実施態様においては、本方法はさらに、希釈剤と開裂生成物の分離を引き
起こすのに十分な量で、酸を第2の混合物に添加することを含む。別の実施態様
においては、本方法はさらに、開裂生成物を遊離の酸に転化するのに十分な量で
、酸を開裂生成物に添加することを含む。なお別の実施態様においては、リシン
化合物を添加する前に反応混合物を撹拌する。
好ましい実施態様においては、第1の混合物の温度が熱分解反応を行うのに十
分なレベルに達した後でリシン化合物を第1の混合物に添加し、それによって、
反応を開始させ、開裂生成物を生成させる。別の好ましい実施態様においては、
希釈剤が酸化安定性を有する。なお別の好ましい実施態様においては、希釈剤は
、芳香油、グリコール油、石油、フルオロカーボン油、および/またはシリコー
ン油の誘導体である。別の好ましい実施態様においては、反応温度は約250〜320
℃に上げられる。別の好ましい実施態様においては、アルカリは約9より高いpH
を有し、一方、なお別の実施態様では、アルカリは水酸化ナトリウムを含む。別
の実施態様においては、本方法はほぼ大気圧で起こる。
好ましい実施態様においては、開裂生成物はヘンデセン酸、ウンデセン酸、ウ
ンデシレン酸、10-ヒドロキシデカン酸、2-オクタノール、2-オクタノン(メチル
ヘキシルケトン)、オクテン、ヘプタン酸、ノナン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ヒドロキシデカン酸‐セバシン酸エステル、セバシン酸ナトリウム、また
はヒドロキシデカン酸エステルである。別の好ましい実施態様においては、触媒
は硝酸塩である。なお別の好ましい実施態様においては、遊離の酸はセバシン酸
である。
本発明はさらに、リシン化合物、水性溶液中のアルカリ、触媒および、収率を
上げ純度を改善しながら反応混合物の発泡および固化を減らすのに十分な量の化
学的に不活性な熱伝達流体を合わせることによって、高温酸化によりヒマシ油ま
たはその誘導体から開裂生成物を製造するための反応混合物に関する。
好ましい実施態様においては、熱伝達流体は酸化安定性を有する。別の実施態
様においては、反応はほぼ大気圧で生じる。より好ましい実施態様においては、
熱伝達流体は、芳香油、グリコール油、石油、フルオロカーボン油、および/ま
たはシリコーン油から誘導される。
本発明の好ましい実施態様においては、この反応の反応温度は約250〜320℃で
ある。別の好ましい実施態様においては、アルカリは約9より高いpHを有する。
より好ましい実施態様においては、アルカリは水酸化ナトリウムを含む。
別の好ましい実施態様においては、リシン化合物は、ヒマシ油、リシノレエー
ト、リシン酸エステル、リシノール酸、リシノール酸アミド、リシノール酸エス
テル、スルホン化されたリシノレエート、リシンエステル、リシンアルコール、
リシノレイル酸、リシノレイル酸アミド、リシノレイルアルコール、リシノレイ
ルアルコールエステル、アルカリリシノレエートまたはそれらの混合物である。
より好ましい実施態様においては、リシン化合物は、グリセロールトリリシノレ
エート、グリセリルトリ(12-アセチルリシノレエート)、グリセリルトリ(12-ヒ
ドロキシステアレート)、グリセリルトリ(12-アセトキシステアレート)、ロート
油、メチル化されたリシノレエート、ヒマシ油、メチルリシノレエート、カプリ
ルリシノレエート、プロピレングリコールリシノレエートまたはそれらの混合物
である。
1の好ましい実施態様においては、開裂生成物は、ヘンデセン酸、ウンデセン
酸、ウンデシレン酸、10-ヒドロキシデカン酸、2-オクタノール、2-オクタノン(
メチルヘキシルケトン)、オクテン、ヘプタン酸、ノナン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ヒドロキシデカン酸‐セバシン酸エステル、セバシン酸ナトリウム
、またはヒドロキシデカン酸エステルである。1の好ましい実施態様においては
、触媒は硝酸塩であり、より好ましい実施態様においては、触媒は硝酸ナトリウ
ムである。
発明の詳細な説明
希釈剤、例えば熱伝達流体は、ヒマシ油およびその誘導体の苛性アルカリ酸化
中に生じる、反応体の激しい発泡および/または固化を有利に減らす。熱伝達流
体は普通、閉鎖ループ加圧外部熱伝達系で使用される。それにもかかわらず、熱
伝達流体の均一加熱を与える能力は、それらがヒマシ油またはその誘導体の苛性
アルカリ酸化中に典型的に生じる反応体の激しい発泡および/または固化を軽減
することを可能にする。さらに、熱伝達流体の化学的不活性、低い揮発性および
流体分解に対する抵抗性は、本反応においてそれらを有用な希釈剤にする。
本発明は、アルカリ、触媒、および少なくとも1種の化学的に不活性な熱伝達
流体の存在下での高温酸化によって、ヒマシ油またはその誘導体から開裂生成物
、例えばヘンデセン酸、ウンデセン酸、ウンデシレン酸、10-ヒドロキシデカン
酸、2-オクタノール、2-オクタノン(メチルヘキシルケトン)、オクテン、ヘプタ
ン酸、ノナン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヒドロキシデカン酸‐セバシン
酸エステル、セバシン酸ナトリウムまたはヒドロキシデカン酸エステルを製造す
る方法を提供する。熱伝達流体の使用は、この種の従来の酸化反応において典型
的に見出される、反応体のひどい発泡および硬い塊の形成を減らしつつ、反応溶
液のより均一な加熱を有利に促進する。さらには、熱伝達流体は典型的には、有
害でなく、毒性がなく、かつしばしば、EPA規制を受けない(これは、それらを購
入したり、取り扱ったりするのを安価にする傾向がある)。本発明で使用される
熱伝達流体は、化学的に不活性であり、したがって、反応器壁やシールと反応せ
ず、それらは再利用されて、費用と廃棄物を減らすことができる。最後に、熱伝
達流体の使用は、加熱された反応器表面を覆い得る高付着性の研摩コークス(hig
h fouling abrasive coke)の形成を減じる。かくして、ヒマシ油またはその誘導
体の開裂生成物を製造するために熱伝達流体を使用することは、より高い純度を
有するより多い生成物をもたらす、より効率的な方法を有利に提供する。
開裂生成物を製造するには、まず、希釈剤、例えば熱伝達流体を、触媒および
アルカリ溶液の反応混合物に添加する。反応混合物を次に、酸化反応または熱分
解が行われ得る温度に加熱する。次に、ヒマシ油またはその誘導体を反応混合物
に加えるが、反応混合物の加熱の前に加えてもよい。一旦、所望の開裂生成物が
生成したら、反応溶液を冷却し、酸性にして、開裂生成物を望まない副生物およ
び希釈剤から分離することができる。
特に、本発明は、まず、有効量の熱伝達流体、触媒およびアルカリの水性溶液
を、苛性アルカリ酸化反応のために適した反応器、例えばParr反応器に仕込むこ
とを含む。ヒマシ油、その誘導体またはそれらの混合物(以後、「リシン化合物
」と称する)はまた、この時点で反応混合物に添加することができる。しかし、
反応混合物が酸化または熱分解反応を行うのに十分な温度に加熱された後で、リ
シン化合物を添加するのが好ましい。
好ましくは、希釈剤は熱伝達流体であり;より好ましくは、芳香油、グリコー
ル油、石油、フルオロカーボン油、および/またはシリコーン油から誘導された
熱伝達流体であり;最も好ましくは酸化安定性を有する熱伝達流体である。反応
のために好ましい希釈剤は、以下のものを含む:AMOLITE 11、AMOLITE 22、AMOLI
TE 32、AMOLITE 46、AMOLITE 68、AMOLITE 100、およびHEAT TRANSFER No.4199(
すべて、Amolite Lubricants Inc.から市販されていて入手可能、200 East Rand
olph Street,Chicago,IL 60601にて営業);FOMBLIN YR1500、GALDEN HT-90お
よびGALDEN HT-270(すべて、Ausimont USA Inc.から市販されていて入手可能、
主な業務場所は、10 Leonards Lane,Thorofare,NJ 08086-2150);CHEMTHERM 5
50、CHEMTHERM 650、CHEMTHERM 700、THERMALANE 600およびTHERMALANE 800(す
べて、Costal Chemical Co.Inc.から市販されていて入手可能、主な業務場所は
、3520 Veterans Memorial Drive,Abbeville,LA 70510-5708);DOWFROST、DOW
FROST HD、DOWTHERM A、DOWTHERM G、DOWTHERM HT、DOWTHERM J、DOWTHERM Q、D
OWTHERM SR-1、DOWTHERM 4000、SYLTHERM 800、SYLTHERM HFおよびSYLTHERM XLT
(すべて、Dow Chemical Co.から市販されていて入手可能、P.O.Box 2166,Mid
land,MI 48674-2166にて営業);CALORIA HT 43(Exxon Co.USAから市販されて
いて入手可能、225 East John Carpenter Freeway,Irving,TX 75062にて営業)
;MARLOTHERM LH、MARLOTHERM N、MARLOTHERM P1、MARLOTHERM P2、MARLOTHERM
SHおよびMARLOTHERM X(すべて、Huls America Inc.から市販されていて入手可
能、P.O.Box 456,80 Centennial Avenue,Piscataway,NJ 08855-0456にて営
業);MOBILTHERM LightおよびMOBILTHERM 603(Mobil Oil Corp.から市販されて
いて入手可能、3225 Gallows Road,Fairfax,VA 22037にて営業);THERMINOL 5
5、THERMINOL 59、THERMINOL 66、THERMINOL D12、THERMINOL VP1およびTHERMIN
OL FS(すべて、Monsanto Co.から市販されていて入手可能、800 North
Lindbergh Boulevard,St.Louis,MO 63167にて営業);MULTITHERM PG-1、MULT
ITHERM IG-2およびMULTITHERM 503(すべて、MultiTherm Corp.から市販されて
いて入手可能、主な業務場所は、125 South Front Street,Darby,PA19023-293
2);ULTRON SYNTHERM 700(Pacer Lubricants Div.,South Coast Terminalsから
市販されていて入手可能、主な業務場所は、7401 Wallisville Road,Houston,
TX 77020-3555);PARATHERM NFおよびPARATHERM HE(Paratherm Corp.から市販
されていて入手可能、主な業務場所は、1050 Colwell Road,Conshohocken,PA
19428);CALFLO AF、CALFLO FG、CALFLO HTFおよびCALFLO LT(すべて、Petro-Ca
nadaから市販されていて入手可能、主な業務場所は、150 6 Avenue South West
,Calgary,AB T2P 3Y);XCELTHERM MK1、XCELTHERM XT、XCELTHERM 550およびX
CELTHERM 600(すべて、Radco Industries Inc.から市販されていて入手可能、
主な業務場所は、39w930 Midan Drive,Lafox,IL 60147);FLUORINART FC-40、
FLUORINART FC-43、FLUORINART FC-70、FLUORINART FC-72、FLUORINART FC-77、
FLUORINART FC-84、FLUORINART FC-87、FLUORINART FC-3283、FLUORINART FC-32
84およびFLUORINAR TFC-5312(すべて、3M Specialty Productsから市販されてい
て入手可能、420 Frontage Road,West Haven,CT 06516-4154にて営業);フェ
ノール、クレゾール、キシレノール等、またはそれらの混合物。CALFLO-HTF、CA
LFLO-AF、PARATHERM NF、MARLOTHERM SH、THERMINOL 66、フェノールもしくはm-
クレゾール、またはそれらの混合物が、最も好ましい熱伝達流体の例である。こ
れらの熱伝達流体は、収率を増加させ、かつ開裂生成物の純度を改善しつつ、反
応混合物の発泡および固化を減らすのに十分な量で添加される。
リシン化合物の酸化を行うのに必要とされる触媒およびアルカリのタイプと有
効量は、当業者に良く知られており、容易に選択され得る。これらの特性は本発
明には必須ではない。触媒は一般に酸化剤であり、例えば臭素酸塩、塩素酸塩、
次亜塩素酸塩、過塩素酸塩、過酸化物、硝酸アルカリ金属塩、過マンガン酸アル
カリ塩、クロム酸塩、フェリシアン化物、ヒ酸塩、金属化合物例えば水酸化バリ
ウム、酸化バリウム、一酸化鉛、二酸化鉛、セスキ酸化鉛、亜酸化鉛、鉛丹、酸
化カドミウム、水酸化カドミウム、酸化亜鉛、または水酸化亜鉛である。硝酸ナ
トリウムが、その酸化力および均質性の故に、好ましい触媒である。アルカリが
約9より上のpHを与えるのが好ましく、より好ましくはアルカリがアルカリ金属
水酸化物であり、最も好ましくはアルカリが水酸化ナトリウムであるが、任意の
アルカリ溶液を使用できる。
反応を行うのに必要なリシン化合物の量は、当業者によく知られており、本発
明の必須の要素ではない。任意のリシン化合物が、本発明で使用するのに適当で
ある。好ましくは、リシン化合物は、ヒマシ油、リシノレエート、リシン酸エス
テル、リシノール酸、リシノール酸アミド、リシノール酸エステル、スルホン化
されたリシノレエート、リシンエステル、リシンアルコール、リシノレイル酸、
リシノレイル酸アミド、リシノレイルアルコール、リシノレイルアルコールエス
テル、アルカリリシノレエート、リシンアルコール類またはそれらの混合物であ
り、反応において使用できる。アルカリリシノレエートは、アルカリまたはアル
カリ土類金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムおよびバリ
ウム等またはそれらの混合物の塩であることができ、本反応において使用できる
。特に、本反応のためにより好ましいリシン化合物は、グリセロールトリリシノ
レエート、グリセリルトリ(12-アセチルリシノレエート)、グリセリルトリ(12-
ヒドロキシステアレート)、グリセリルトリ(12-アセトキシステアレート)、ロー
ト油(turkey red oil)、メチル化されたリシノレエート、ヒマシ油、メチルリシ
ノレエート、カプリルリシノレエート、プロピレングリコールリシノレエートま
たはそれらの混合物である。リシノール酸、メチル化されたリシノレエートおよ
びヒマシ油が、本発明において使用される最も好ましいリシン化合物である。
反応混合物が形成された後、反応混合物の温度を、熱分解反応を行うのに十分
なレベルまで増加させる。酸化または熱分解反応は、約200℃から、反応体また
は反応生成物の相当の分解が生じる温度までの範囲の温度で行うことができる。
好ましくは約235〜350℃の温度、最も好ましくは約250〜320℃の温度で反応を行
う。上記で議論したようなタイプおよび量のリシン化合物は、反応混合物の加熱
に先立ち添加することができるが、好ましくは、反応の温度が上記した範囲内と
なってから、反応混合物に添加される。
反応混合物は、一定時間、通常約2〜3時間同じ温度に保持され、その後、混合
物は水で希釈される。正確な反応時間は必須ではなく、当業者に公知であり、反
応が、少なくともいくらかの開裂生成物を製造するのに十分でなければならない
。反応は、反応の揮発性副生物を濃縮し、集めることができるのに十分な圧力で
行う。好ましくは、反応は大気圧で行う。次に、3相分離物が生じるまで、酸、
好ましくは硫酸または塩酸の溶液、より好ましくは約45〜55重量%の硫酸溶液を
混合物に添加する。溶液のpHが約6〜6.5に低下すると3相分離が起こる。3相分
離物の頂部層は、熱伝達流体を含み、これは可能な再利用のために分離すること
ができる。反応の望まない副生物、例えば脂肪酸または脂肪性不純物を含む中間
層がまた、他のプロセスにおける可能な使用のために分離される。優勢な所望の
開裂生成物を含む3相分離物底部層だけが保持される。所望の開裂生成物として
は、これに限定されないが、ヘンデセン酸、ウンデセン酸、ウンデシレン酸、10
-ヒドロキシデカン酸、2-オクタノール、2-オクタノン(メチルヘキシルケトン)
、オクテン、ヘプタン酸、ノナン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヒドロキシ
デカン酸‐セバシン酸エステル、セバシン酸ナトリウム、またはヒドロキシデカ
ン酸エステルが挙げられる。底部層はさらに、約2のpHまで酸性化して、開裂生
成物を遊離の酸、例えばセバシン酸へと転化することができる。
実施例
以下の実施例は、本発明を説明するために与えられており、限定と考えられる
べきではない。他に示さなければ、すべてパーセントは重量%と理解されるべき
である。実施例1〜6
種々の希釈剤を用いて試験を行って、セバシン酸を合成するときに得られる収
率と純度を評価した。スクリーニング設計(screening design)において、以下の
希釈剤を使用した:
名称 会社
THERMINOL 66 Monsanto
PARATHERM NF Paratherm Corporation
MARLOTHERM SH Huls America
CALFLO HTF Petro-Canada
CALFLO AF Petro-Canada
m-クレゾール EM Science
試験のそれぞれは3回ずつ行って、変則を除いた。得られたセバシン酸の純度
は、気‐液クロマトグラフィーによって測定した。
これらの試験のデータおよび結果は、セバシン酸の収率および純度を測定する
とき、希釈剤および実験の間の統計的な差異を示さない。m-クレゾールは、他の
熱伝達流体よりも小さい、収率および純度についての標準偏差を生じたが、スク
リーニングした例において使用した他の熱伝達流体のいくつかほどには環境的に
優しくない。
実施例1‐‐‐THERMINOL 66
2リットルのParr反応器に、43.4gのTHERMINOL 66、126.0gの50重量%水酸
化ナトリウム、15.6gの硝酸ナトリウム、34.3gの水、および125.9gのリシノ
ール酸を仕込んだ。異種混合物を280℃に加熱し、2時間その温度に保持した。
次に、反応塊を90℃の水3.3リットルで希釈した。このアルカリ性溶液を、50重
量%の硫酸を用いてpH6まで酸性化した。3相分離物が直ちに生じた。底部水性
相を、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層から分離した。底部相をさらに、
pH2.0に酸性化し、15〜20℃に冷却した。粗製セバシン酸をろ過により回収し、1
05℃にて12時間減圧乾燥した。結果は以下のようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 94.4 48
2 75.0 67.7 3 71.3 79.9
平均 80.2+/-12.4 65.2+/-16.1
実施例2‐‐‐PARATHERM NF
2リットルのParr反応器に、43.4gのPARATHERM NF、126.0gの50重量%水酸
化ナトリウム、15.6gの硝酸ナトリウム、34.3gの水、および125.9gのリシノ
ール酸を仕込んだ。異種混合物を280℃に加熱し、2時間その温度に保持した。
次に、反応塊を90℃の水3.3リットルで希釈した。このアルカリ性溶液を、50重
量%の硫酸を用いてpH6まで酸性化した。3相分離物が直ちに生じた。底部水
性相を、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層から分離した。底部相をさらに
、pH2.0に酸性化し、15〜20℃に冷却した。粗製セバシン酸をろ過により回収し
、105℃にて12時間減圧乾燥した。結果は以下のようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 80.3 71.8
2 78.3 74.7 3 59.7 86.0
平均 72.8+/-11.4 77.5+/-7.5
実施例3‐‐‐MARLOTHERM SH
2リットルのParr反応器に、43.4gのMARLOTHERM SH、126.0gの50重量%水酸
化ナトリウム、15.6gの硝酸ナトリウム、34.3gの水、および125.9gのリシノ
ール酸を仕込んだ。異種混合物を280℃に加熱し、2時間その温度に保持した。
次に、反応塊を90℃の水3.3リットルで希釈した。このアルカリ性溶液を、50重
量%の硫酸を用いてpH6まで酸性化した。3相分離物が直ちに生じた。底部水性
相を、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層から分離した。底部相をさらに、
pH2.0に酸性化し、15〜20℃に冷却した。粗製セバシン酸をろ過により回収し、1
05℃にて12時間減圧乾燥した。結果は以下のようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 63.9 75.1
2 42.6 84.3 3 57.3 83.8
平均 54.6+/-10.9 81.1+/-5.2
実施例4‐‐‐CALFLO HTF
2リットルのParr反応器に、43.4gのCALFLO HTF、126.0gの50重量%水酸化
ナトリウム、15.6gの硝酸ナトリウム、34.3gの水、および125.9gのリシノー
ル酸を仕込んだ。異種混合物を280℃に加熱し、2時間その温度に保持した。次
に、反応塊を90℃の水3.3リットルで希釈した。このアルカリ性溶液を、50重量
%の硫酸を用いてpH6まで酸性化した。3相分離物が直ちに生じた。底部水
性相を、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層から分離した。底部相をさらに
、pH2.0に酸性化し、15〜20℃に冷却した。粗製セバシン酸をろ過により回収し
、105℃にて12時間減圧乾燥した。結果は以下のようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 70.2 62.3
2 46.0 92.8 3 65.9 85.8
平均 60.7+/-12.9 80.3+/-16.0
実施例5‐‐‐CALFLO AF
2リットルのParr反応器に、43.4gのCALFLO AF、126.0gの50重量%水酸化ナ
トリウム、15.6gの硝酸ナトリウム、34.3gの水、および125.9gのリシノール
酸を仕込んだ。異種混合物を280℃に加熱し、2時間その温度に保持した。次に
、反応塊を90℃の水3.3リットルで希釈した。このアルカリ性溶液を、50重量%
の硫酸を用いてpH6まで酸性化した。3相分離物が直ちに生じた。底部水性相を
、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層から分離した。底部相をさらに、pH2.
0に酸性化し、15〜20℃に冷却した。粗製セバシン酸をろ過により回収し、105℃
にて12時間減圧乾燥した。結果は以下のようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 97.1 69.6
2 70.2 86.2 3 63.7 85.1
平均 77.0+/-17.7 80.3+/-9.3
実施例6‐‐‐m-クレゾール
2リットルのParr反応器に、43.4gのm-クレゾール、126.0gの50重量%水酸
化ナトリウム水性溶液、15.6gの硝酸ナトリウム、34.3gの水、および125.9g
のリシノール酸を仕込んだ。異種混合物を280℃に加熱し、2時間その温度に保
持した。次に、反応塊を90℃の水3.3リットルで希釈した。このアルカリ性溶液
を、50重量%の硫酸を用いてpH6まで酸性化した。3相分離物が直ちに生じた。
底部水性相を、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層から分離した。底部相を
さらに、pH2.0に酸性化し、15〜20℃に冷却した。粗製セバシン酸をろ過により
回収し、105℃にて12時間減圧乾燥した。結果は以下のようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 70.8 88.2
2 74.3 90.7 3 74.9 87.2
平均 73.3+/-2.2 88.7+/-1.8実施例7〜9
スクリーニング設計の後、応答表面設計(response surface design)を用いて
プロセスを最適化した。この組の試験の目的は、ヒマシ油およびその誘導体の幾
つかを用いて、応答表面モデル(response surface model)の強度を調べることで
あった。これらの試験のそれぞれは2回ずつ行って、変則を除いた。得られたセ
バシン酸の純度は、気‐液クロマトグラフィーを用いて試験した。これらの試験
の結果として、供給物間の変動が実験間の変動より大きいことが決定された。結
果は、供給物を切りかえることは収率に影響するが、純度に影響しないことを示
唆した。
実施例7‐‐‐メチルリシノレエート
2リットルのParr反応器に、960.1gのCALFLO AFを仕込んだ。加熱し、撹拌し
ながら、109.2gの水酸化ナトリウムの50重量%水性溶液を添加して、熱伝達流
体中の均質な分散物を得た。熱伝達流体およびアルカリ混合物の温度を285℃に
加熱した。10gの水に溶解した807gの硝酸ナトリウムと156.0gのメチルリシノ
レエートとの混合物を、3時間かけて熱アルカリ溶液に添加した。添加後、反応
塊をさらに4.4時間撹拌した。反応塊を次に、90℃の水3.3リットルで希釈した。
このアルカリ性溶液を、50重量%の硫酸を用いてpH6まで酸性化した。3相分離
物が直ちに生じた。底部水性相を、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層から
分離した。底部相をさらに、pH2.0に酸性化し、15〜20℃に冷却した。粗製セバ
シン酸をろ過により回収し、105℃にて12時間減圧乾燥した。結果は以下の
ようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 67.6 95.3 2 65.9 95.7
平均 66.7+/-1.2 95.5+/-0.3
実施例8‐‐‐リシノール酸
2リットルのParr反応器に、960.0gの熱伝達流体、CALFLO AFを仕込んだ。
加熱し、撹拌しながら、103.8gの水酸化ナトリウムの50重量%水性溶液を添加
して、熱伝達流体中の均質な分散物を得た。熱伝達流体およびアルカリ混合物の
温度を285℃に加熱した。10gの水に溶解した8.7gの硝酸ナトリウムと156.0g
のメチルリシノール酸との混合物を、3時間かけて熱アルカリ溶液に添加した。
添加後、反応塊をさらに4.4時間撹拌した。反応を次に、90℃の水3.3リットルで
希釈した。このアルカリ性溶液を、50重量%の硫酸を用いてpH6まで酸性化した
。3相分離物が直ちに生じた。底部水性相を、中間の副生物層および頂部熱伝達
流体層から分離した。底部相をさらに、pH2.0に酸性化し、15〜20℃に冷却した
。セバシン酸をろ過により回収し、105℃にて12時間減圧乾燥した。結果は以下
のようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 77.5 95.9 2 75.0 96.1
平均 76.2+/-1.8 96.0+/-0.14実施例9‐‐‐ヒマシ油
2リットルのParr反応器に、960.0gの熱伝達流体、CALFLO AFを仕込んだ。こ
の熱伝達流体は、先に実施例2で使用したものであった。加熱し、撹拌しながら
、84.2gの水酸化ナトリウムの50重量%水性溶液を添加して、熱伝達流体中の均
質な分散物を得た。熱伝達流体およびアルカリ混合物の温度を285℃に加熱した
。10gの水に溶解した8.7gの硝酸ナトリウムと156.0gのヒマシ油との混合物を
、3時間かけて熱アルカリ溶液に添加した。添加後、反応塊をさらに4.4時間
撹拌した。反応を次に、90℃の水3.3リットルで希釈した。このアルカリ性溶液
を、50重量%の硫酸を用いてpH6まで酸性化した。3相分離物が直ちに生じた。
底部水性相を、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層から分離した。底部相を
さらに、pH2.0に酸性化し、15〜20℃に冷却した。セバシン酸をろ過により回収
し、105℃にて12時間減圧乾燥した。結果は以下のようである:
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 69.1 96.0 2 71.1 95.5
平均 70.1+/-1.4 95.7+/-0.3
実験 収率% 純度%C10二塩基酸
1 69.1 96.0 2 71.1 95.5
平均 70.1+/-1.4 95.7+/-0.3実施例10〜11
最後に、熱伝達流体の劣化の前に、CALFLO AFを複数回使用することを試験す
るために、これらの試験を行った。
実施例10‐‐リシノール酸、再利用した熱伝達流体を使用
実施例8からの再利用熱伝達流体を使用して、2通りの実験を行った。得られ
たセバシン酸の純度は、気‐液クロマトグラフィーを用いて試験した。この実施
例は、熱伝達流体、CALFLO AFが、本発明の条件下で、劣化することなく、少な
くとももう1回再使用できることを証明した。実験 #1
2リットルのParr反応器に、960.0gの熱伝達流体、CALFLO AF(実施例8から
再利用)を仕込んだ。加熱し、撹拌しながら、103.8gの水酸化ナトリウムの50
重量%水性溶液を添加して、熱伝達流体中の均質な分散物を得た。熱伝達流体お
よびアルカリ混合物の温度を285℃に加熱した。10gの水に溶解した8.7gの硝酸
ナトリウムと156.0gのメチルリシノレエートとの混合物を、3時間かけて熱ア
ルカリ溶液に添加した。添加後、反応塊をさらに4.4時間撹拌した。反応を次に
、90℃の水3.3リットルで希釈した。このアルカリ性溶液を、50重量%の硫酸を
用
いてpH6まで酸性化した。3相分離物が直ちに生じた。底部水性相を、中間の副
生物層および頂部熱伝達流体層から分離した。底部相をさらに、pH2.0に酸性化
し、15〜20℃に冷却した。セバシン酸をろ過により回収し、105℃にて12時間減
圧乾燥した。
上記の方法により、純度96.2%C10二塩基酸、収率81.7%でセバシン酸が得ら
れた。
実験 #2
条件は上記と同様である。実験#2では、純度94.1%C10二塩基酸、収率77.2
%でセバシン酸が得られた。
実施例11‐‐‐Calflo AF
Calflo AFの再利用試験において、2組の10回の実験を使用した。試験は、2
リットルのParr反応器に、624gの新たなCalflo AFおよび82.6gの水酸化ナトリウ
ムの50%水性溶液を仕込むことを含んだ。熱流体およびアルカリ混合物の温度を
285℃に加熱した。10gの水に溶解した8.7gの硝酸ナトリウムと156gのリシノ
ール酸との混合物を、3時間かけて熱アルカリ溶液に添加した。添加後、反応塊
をさらに1時間撹拌した。反応を次に、90℃の水3.3リットルで希釈した。この
アルカリ性溶液を、50%の硫酸を用いてpH6〜6.5まで酸性化した。3相分離物
が直ちに生じた。底部水性相を、中間の副生物層および頂部熱伝達流体層からろ
過によって分離し、さらに2リットルの水で洗浄して、残留する硫酸および硫酸
ナトリウムを除去し、105℃にて12時間減圧乾燥した。中間層および頂部層は先
の実験におけるように再使用した。平均収率は95%信頼区間に基づき、純度は気
‐液クロマトグラフィーによって測定した。収率および純度は以下のようである
:組 #1
使用 収率% 純度%
1 73.8 95.1
2 73.4 95.7
3 80.6 95.5
4 82.8 95.2
5 76.4 95.5
6 77.6 94.8
7 76.6 94.5
8 74.3 94.7
9 69.4 94.9 10 71.2 94.6
平均 75.6+/-3.1 95.1+/-0.3
組 #2
使用 収率% 純度%
1 73.8 96.7
2 60.3 94.4
3 77.7 96.0
4 82.7 94.6
5 77.8 95.5
6 81.4 93.9
7 75.1 95.4
8 64.4 93.3
9 72.4 92.8 10 70.6 93.2
平均 73.6+/-5.4 94.6+/-1.0
本発明の好ましい実施態様を、先の発明の詳細な説明において記載してきたが
、本発明は、開示された実施態様に限定されず、本発明の意図および範囲からは
ずれることなく多くの変更が可能であることが理解される。化学的な詳細は、本
発明によって開示され、教示された方法および組成からはずれることなしに、当
業者によって、少し差があり、あるいは修正され得ることが理解される。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07C 51/16 C07C 51/16
55/20 55/20
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CN,CU,CZ,EE,GE,GH,GW,HU,I
D,IL,IS,JP,KG,KP,KR,KZ,LC
,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MK,MN,
MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,S
K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UZ,VN
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