JP2001510512A - 高い破断点伸びを有する液晶源のセルロース繊維及びその製造方法 - Google Patents

高い破断点伸びを有する液晶源のセルロース繊維及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、液晶源のギ酸セルロース繊維であって、高い破断点伸びと以下の特徴を有するものに関する。a)光学偏光顕微鏡の下で、ギ酸セルロース繊維のフィラメントが、ギ酸セルロース繊維の液晶源に典型的な層状構造を有すること。b)DS≧2;Ar≧8;Te<45;Mi>500;Er>10の関係を満たすこと。(ここで、DSは、繊維中のギ酸エステル基によるセルロースの置換度(%)、Arは、繊維の破断点伸び(%)、Teは、繊維の靱性(cN/tex)、Miは、繊維の初期モジュラス(cN/tex)及びErは、繊維の破断点エネルギー(J/g)である。)本発明は、このギ酸セルロース繊維を、ギ酸セルロースの液晶溶液の「乾燥ジェット湿式紡糸」によって得る方法であって、ここで水は、凝固剤として使用される。本発明は、それ自身高い破断点伸びを有するギ酸セルロースから再生されたセルロース繊維、及びこの繊維を得る方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 高い破断点伸びを有する液晶源のセルロース繊維及びその製造方法 本発明はギ酸セルロース繊維及びこのギ酸エステルから再生されたセルロース の繊維、そしてまたそれらがギ酸セルロースの液晶溶液、即ち、高濃度のポリマ ーを有する溶液から出発して使用される場合のこのような繊維の製造方法に関す る。 ポリマーの液晶溶液は、紡糸の分野では、特に米国特許第3,767,756号明細書 (これはアラミド繊維に関する)、又は米国特許第4,746,694号明細書(これは 芳香族ポリエステル繊維に関する)に示されているように、低い破断点伸びと合 わせて、靱性及び引張モジュラスの非常に高い性質を有する“工業”繊維と称さ れるものを得るのに知られている方法で使用される。又、セルロースをベースと する液晶溶液の紡糸は、例えば、特許番号WO 85/05115として公開された国際特 許出願PCT/CH85/00065に記載されているように、高い機械的性質を有するセルロ ース繊維を得ることを可能にする。 この出願WO 85/05115、又はその相当する特許EP-B-179,822号及び米国特許第4 ,839,113号はセルロースをギ酸及びリン酸と反応させることによりギ酸セルロー スの液晶溶液を得ることを開示している。これらの溶液は“乾燥ジェット湿式紡 糸”技術と称されるものを使用して紡糸されてもよく、ギ酸セルロース繊維、並 びにこれらのギ酸エステル繊維の再生処理後に再生セルロース繊維を得る。非液 晶溶液から紡糸された、通常のセルロース繊維、例えば、レーヨン繊維又はビス コース繊維と較べて、WO 85/05115に記載された繊維は、それらが由来する紡糸 溶液の液晶の性質のために、かなり規則的な構造又は配向された構造、ひいては かなり大きい強度及びモジュラスを桔徴としている。それらの靱性は、それらが ギ酸エステル繊維又はこのギ酸エステルから再生されたセルロースの繊維である か否かに応じて、50〜60cN/texから80〜100cN/texまで、又はそれ以上まで変化 することがあり、それらの初期モジュラスはおそらく3000〜3500cN/texに達し、 それらの破断点伸びの値は、引換えに、3%〜4%の程度に低い。 これらの高強度、高モジュラス繊維を得るために、凝固工程がアセトン中で行 われる。現在、アセトンは比較的コストのかかる揮発性製品であり、更にこれが 特別な安全手段を必要とする爆発のリスクを伴う。このような欠点はアセトンに 特別ではなく、それらの少なくとも幾つかについて、紡糸工業に使用される多数 の有機液体、特に凝固剤としての有機液体に普通である。 それ故、前記機械的性質の低下を犠牲にしてでさえも、このアセトンを工業的 観点から更に有利であり、かつ使用し易い凝固剤で置換することによりアセトン の使用の別法を見いだすことが実に望ましかった。 前記出願WO 85/05115の紡糸方法においてアセトンを単に水で置換すると、非 常に不十分な機械的性質を有し、かつ実際に工業上重要ではない繊維をもたらす ことが判明している。第一に、それらの靱性は“工業”用途(例えば、空気入り タイヤの強化用)を満足するのに明らかに不十分であり、第二にそれらの破断点 伸びは“織物”用途(例えば、衣料工業)(これらは破断点伸びの高い値を必要 とする)にはあまりにも不十分である。 今、本件出願人は、自らの研究中に、新規な特定の紡糸方法のために、織物用 途の要件を満足し、即ち、少なくとも8%の破断点の高い伸びを有するギ酸セル ロース繊維を得ることが可能であることを発見した。この特定の紡糸方法は前記 ギ酸セルロースをベースとする液晶溶液で出発することを使用し、凝固剤として アセトンではなく水を使用する。それ故、それは特に有利である。 それ故、こうして、ギ酸セルロースをベースとする同液晶溶液から出発して、 凝固剤の性質を変更して、アセトン中の凝固により高い機械的強度の工業繊維を 得、又は水中の凝固により破断点の高い伸びの織物繊維を得ることが可能である 。これらの二つの相補方法の存在は前記出願WO 85/05115に記載された基本発明 の工業用途の分野に特別である。 従って、本発明の第一の目的は下記の性質を特徴とする液晶源のギ酸セルロー ス繊維である。 a)光学偏光顕微鏡の下に、そのフィラメントがその液晶源に典型的な層状構造(b anded structure)を有する。 b)それは下記の関係を満たす。 DS≧2;Ar≧8;Te<45;Mi>500;Er>10 DSは繊維中のギ酸エステル基によるセルロースの置換度(%)であり、Arは繊 維の破断点伸び(%)であり、Teはその靱性(cN/tex)であり、Miはその初期モジ ュラス(cN/tex)であり、かつErはその破断点エネルギー(J/g)である。 破断点伸びArは少なくとも10%であることが好ましく、少なくとも12%である ことが更に好ましい。 性質のこの組み合わせは液晶源のギ酸セルロース繊維について全く予期しない ものである。何とならば、初期液晶溶液の高度に規則的な性質が繊維と先天的に 不適合であり、その破断点伸びが8〜12%の値に達することがあり、更に従来技 術の文献が4〜4.5%の値を越える破断点伸びを有する液晶源のギ酸セルロース 繊維を記載していないからである。 又、本発明は“乾燥ジェット湿式紡糸”方法と称されるものを使用してギ酸セ ルロースの液晶溶液の紡糸及び水中の凝固による上記ギ酸セルロース繊維の製造 方法に関するものであり、この方法はそれが下記の工程を含むことを特徴とする 。 a)出発点は少なくとも1種のリン酸中のギ酸セルロースの溶液であり、この溶液 は周囲温度で静止時に光学異方性である。 b)この溶液は、その溶液が光学異方性(それが静止している場合)であるような 温度(Tf)で紡糸口金を通して押し出される。 c)次いで、こうして押し出された溶液が非凝固層、好ましくは空気を通して延伸 される。 d)次いで、凝固手段に通すことにより、こうして延伸された溶液が水(その温度 (Tc)は5℃より高い)中で凝固され、繊維が凝固手段から現れる際に受ける引張 応力(σc)が5cN/tex未満の値に保たれる。 e)こうして形成された繊維が洗浄され、可能な場合には乾燥されてもよい。 紡糸溶液中のギ酸セルロースの濃度は少なくとも16%であることが好ましく、 22%(重量%)以上であることが更に好ましい。このような濃度(織物目的のセ ルロース繊維、例えば、ビスコース繊維を紡糸するには普通でない濃度)は、そ れらが紡糸溶液中の溶媒の量を減少することを可能にする点で特に有利である。 更に、それらは本発明の紡糸方法を特に高速で使用することを可能にする。 本発明のギ酸セルロース繊維は本発明の別の目的を形成する再生セルロース繊 維の前駆体として使用し得る。 本発明は特にそれ自体高い破断点の伸びを有する、液晶源のギ酸セルロースか ら再生されたセルロースの繊維に関する。この繊維は下記の性質を特徴とする。 a)光学偏光顕微鏡の下で、そのフィラメントがその液晶源に典型的な層状構造を 有する。 b)それは下記の関係を満たす。 0<DS<2;AR≧8;TE<45;MI>500;ER>10 DSは繊維中のギ酸エステル基によるセルロースの置換度(%)であり、ARは繊 維の破断点伸び(%)であり、TEはその靱性(cN/tex)であり、MIはその初期モジ ュラス(cN/tex)であり、かつERはその破断点エネルギー(J/g)である。 また、本発明は下記の工程を含む上記再生セルロース繊維の製造方法に関する 。 a)出発点は本発明のギ酸セルロース繊維である。 b)このギ酸エステル繊維は、繊維が各手段への導入時に受ける引張応力(σc) が5cN/tex未満であるように、再生手段、洗浄手段次いで乾燥手段を通すことに より処理される。 また、本発明は織物、特に衣料又は家具の分野における本発明の繊維の使用に 関するものであり、これらの繊維はおそらく、例えば、織り繊維もしくは不織繊 維、又は編まれた連続繊維の状態、或いは短繊維(ステープル繊維)の状態であ る。 本発明、及びその利点は以下の説明及び非限定実施態様を参考にして容易に理 解されるであろう。 I.使用した測定及び試験 I-1.重合度 重合度はDPと称される。セルロースのDPは既知の方法で測定され、このセルロ ースは粉末形態であり、又は前もって粉末に変換される。 溶解されたセルロースの固有粘度(IV)が最初に1970年のスイス規格SNV 195 59 8に従って測定されるが、0.5〜0.05g/dlの間で変化する異なる濃度で測定される 。固有粘度は式: IV=(1/Ce)×Ln(t1/t0) により定義される。 式中、Ceは乾燥セルロースの濃度を表し、t1は希薄なポリマー溶液の流れの期間 を表し、t0はウベローデ型粘度計中の純粋な溶媒の流れの期間を表し、かつLnは ネイピアの対数を表す。測定は20℃で行われる。 次いで極限粘度[η]がゼロ濃度への固有粘度IVの外挿により測定される。 平均分子量MWがマーク−ホウウィンク式: [η]=K×MW α により求められる。 式中、定数K及びαは夫々K=5.31×10-4;α=0.78であり、これらの定数は固 有粘度を測定するのに使用された溶媒系に相当する。これらの値がL.バルタサリ により文献Tappi 48,627(1965)に示されている。 最後に、DPが式: DP=(MW)/162 に従って計算される。 162は基本セルロース単位の分子量である。 セルロースのDPが溶液中のギ酸セルロースから測定されている場合、このギ酸 エステルは最初に単離され、次いでセルロースが再生される必要がある。 次いで以下のように進行する。溶液が最初に分散機中で水で凝固される。濾過 及びアセトンによる洗浄後に、粉末が得られ、次いでこれが少なくとも30分間に わたって40℃で真空下でオーブン中で乾燥される。ギ酸エステルが単離された後 、セルロースがこのギ酸エステルを還流時に規定水酸化ナトリウムで処理するこ とにより再生される。得られたセルロースが水洗され、乾燥され、DPが上記のよ うにして測定される。 I-2.置換度 ギ酸セルロースによるセルロースの置換度は又ホルミル化度と称される。 ここに記載された方法により測定された置換度はエステル化され、即ち、ギ酸 エステル基に変換されているセルロース中のアルコール官能基の%を示す。これ は、セルロース単位中の三つのアルコール官能基が全てエステル化される場合に 、100%の置換度が得られること、又は、例えば、平均で三つのうちの0.9のアル コール官能基がエステル化される場合に、30%の置換度が得られることを意味す る。 置換度は、特性決定がギ酸セルロース(溶液中のギ酸エステル又はギ酸エステ ル繊維)又はギ酸セルロースから再生されたセルロースの繊維のいずれについて 行われるのかに応じて異なって測定される。 I-2.1.ギ酸セルロースに関する置換度 置換度が溶液中のギ酸セルロースについて測定される場合、このギ酸エステル は節I-1に上記されたように溶液から最初に単離される。それがギ酸エステル繊 維について測定される場合、これらの繊維が最初に長さ2〜3cmの片に切断され る。 こうして調製されたギ酸セルロース200mgが正確に計量され、三角フラスコに 導入される。水40ml及び規定水酸化ナトリウム(1N NaOH)2mlが添加される。そ の混合物が窒素の雰囲気下で15分間にわたって還流して90℃に加熱される。こう して、セルロースがギ酸エステル基をヒドロキシル基に再変換することにより再 生される。冷却後に、過剰の水酸化ナトリウムがデシ規定塩酸溶液(0.1N HCl)で 逆滴定され、こうして置換度がそれから演鐸される。 I-2.2.再生セルロース繊維に関する置換度 繊維約400mgが長さ2〜3cmの片に切断され、次いで正確に計量され、水50ml を含む100mlの三角フラスコに導入される。規定水酸化ナトリウム(1N NaOH)1ml が添加される。その混合物が周囲温度で15分間攪拌される。こうして、セルロー スが、それらを連続繊維に直接紡糸した後に、行われた再生に耐えた最終のギ 酸エステル基をヒドロキシル基に変換することにより完全に再生される。過剰の 水酸化ナトリウムがデシ規定塩酸溶液(0.1N HCl)で滴定され、こうして置換度が それから演繹される。 本説明中、置換度はそれが繊維(これらがギ酸セルロースの繊維又はこのギ酸 エステルから再生されたセルロースの繊維を問わない)について測定される場合 にDSと称される。 I-3.溶液の光学的性質 溶液の光学等方性又は異方性は、試験溶液の液滴を線形直交偏光器と光学偏光 顕微鏡(オリンパスタイプBH2)の分析装置の間に入れ、続いて静止している(即 ち、動的応力の不在下の)この溶液を周囲温度で観察することにより測定される 。 既知の方法では、光学異方性溶液(又、液晶溶液と称される)は光を偏光解消 する溶液、即ち、こうして線形直交偏光器と分析装置の間に入れられた時に、光 の透過(着色された組織)を可能にする溶液である。光学等方性溶液は、同じ観 察条件で、偏光解消の上記性質を有しない溶液であり、顕微鏡の視野は黒色のま まである。 I-4.繊維の機械的性質 “繊維”という用語はここでは既知の方法で多数の要素フィラメントから形成 されたマルチフィラメント繊維(又、“紡績糸”と称される)を表すものと理解 される。下記の全ての機械的性質はプレコンディショニングを受けた繊維につい て測定される。“プレコンディショニング”という用語は、少なくとも24時間に わたってヨーロッパ規格DIN EN 20139の標準雰囲気(20±2℃の温度;65±2%の 湿度)のもとに、測定前の繊維の貯蔵を表すものと理解される。セルロース繊維 について、このようなプレコンディショニングはそれらの含水量を乾燥繊維の15 重量%未満の平衡レベルで安定化することを可能にする。 繊維の線密度は少なくとも三つのサンプル(夫々が50mの長さに相当する)に ついて繊維のこの長さを計量することにより測定される。線密度はtex(繊維1000 mの重量(グラム数))で示される。 延伸中の機械的性質(靱性、初期モジュラス、伸び及び破断点エネルギー)は Zwick GmbH&Co(ドイツ)1435型又は1445型引張機を使用して既知の方法で測定 される。低い前保護撚り(約6°のらせん角)を受けた後に、繊維が200mm/分の 公称速度で400mmの初期長さにわたって張力を受ける。示された全ての結果は10 回の測定の平均である。 靱性(線密度により割られた破断負荷)及び初期モジュラスはcN/tex(tex当 たりのセンチニュートン−1cN/texは約0.11g/den(デニール当たりのグラム数) に等しいことが思い出されるであろう)で示される。初期モジュラスはカー伸び 曲線の線形部分の傾斜と定義され、これは0.5cN/texの標準予備引張の直後に生 じる。破断点伸びは%として示される。破断点エネルギーはJ/g(グラム当たりの ジュール)で示され、即ち、繊維の重量の単位により示される。 I-5.繊維の光学的性質 繊維の層状構造を検出し、観察するために、繊維のフィラメントを直交偏光器 と分析装置の間に入れることにより、溶液を研究するのに使用されたのと同じ光 学偏光顕微鏡(上記§I-3を参照のこと)が使用される。層状構造の検出を促進 するために、フィラメントは減光に近い位置に置かれることが好ましい。 通常の方法では、試験すべき夫々のフィラメントがガラススライドの上に置か れ、セルロースに適したインデックスの液体で含浸され、次いで全体がカバース リップで覆われる。フィラメントは200〜1000の倍率で透明性によりそのまま観 察される。400の倍率が大半の場合に高度に好適である。1000の倍率について、 界浸レンズが既知の方法で使用され、これはカバースリップ上の浸漬液の付着を 必要とし、その後にレンズが所定の位置に運ばれる。 II.発明の実施の条件 最初に、紡糸溶液の製造が記載され、次いでギ酸セルロースの繊維を得るため のこれらの溶液の紡糸が記載される。第三節では、ギ酸エステルから再生された セルロースの繊維を得るためのギ酸セルロース繊維の再生が記載される。 II-1.紡糸溶液の調製 ギ酸セルロース溶液はセルロース、ギ酸及びリン酸又は、例えば、上記出願WO 85/05115に示されたようなリン酸をベースとする液体を混合することにより調 製される。 セルロースは種々の形態、特に、例えば、生状態のセルロースプレートを微粉 砕することにより調製された粉末の形態であってもよい。その初期含水量は10重 量%未満であり、かつそのDPが500〜1000であることが好ましい。 ギ酸はエステル化酸であり、リン酸(又はリン酸をベースとする液体)は以下 の記載において“溶媒”又は“紡糸溶媒”と称されるギ酸セルロースの溶媒であ る。一般に、使用されるリン酸はオルトリン酸(H3PO4)であるが、その他のリン 酸、又はリン酸の混合物が使用されてもよい。リン酸は、場合に応じて、固体形 態、液状で使用されてもよく、又はギ酸に溶解されてもよい。 これらの2種の酸の含水量は5重量%未満であることが好ましい。それらは単 独で使用されてもよく、又はおそらく小比率でその他の有機酸及び/又は無機酸 、例えば、酢酸又は硫酸を含んでもよい。 上記出願WO 85/05115に示された記載によれば、溶液のセルロース濃度(“C ”と称される)は大きな程度で、例えば、10%〜30%で変化し得る。この濃度C はエステル化されなかったセルロースを基準として計算して溶液の合計重量に対 するセルロースの重量%である。重量比(ギ酸/リン酸)が又広範囲内で調節し 得る。 ギ酸セルロースを製造する時、ギ酸及びリン酸の使用が、セルロースの初期重 合度を過度に低下しないで一般に20%より大きいギ酸セルロースの高置換度、並 びにギ酸セルロースの無定形領域及び結晶領域の両方中のこれらのギ酸エステル 基の均一な分布の両方を得ることを可能にする。 溶液を得るのに適した混錬手段が当業者に知られている。それらは溶液が得ら れるまでセルロース及び酸を、好ましくは調節可能な速度で、正確に混和し、混 錬することができる必要がある。“溶液”はここでは知られているように固体粒 子が裸眼に見えない均一な液体組成物を意味するものと理解される。混錬は、例 えば、Z形アームを含むミキサー又は連続スクリューを備えたミキサー中で行い 得る。これらの混錬手段は真空下の排気用の装置及び、例えば、溶解操作を促進 し、又は生成中の溶液の温度を調節するために、ミキサー及びその内容物の温度 を調節することを可能にする加熱、冷却装置を備えていることが好ましい。 例えば、下記の操作方法が使用し得る。 例えば、約3/4のオルトリン酸対1/4のギ酸(重量部)を含む、オルトリン酸(9 9%の結晶性)とギ酸の混合物が、Z形アーム及び押出スクリューを含む二重ケ ーシングミキサーに導入される。次いで粉末セルロースが添加され、その含水量 は周囲空気湿度と平衡している。全バッチが、溶液が得られるまで約1〜2時間 の期間にわたって混合され、例えば、混合物の温度が10〜20℃に保たれる。 こうして得られた紡糸溶液は紡糸に供され、例えば、通常の操作、例えば、脱 気段階又は濾過段階以外の先行の変換を用いないで紡糸されるために、例えば、 ミキサー出口に置かれた押出機スクリューにより紡糸機に直接移し得る。 本発明を実施するのに使用される紡糸溶液は光学異方性溶液である。これらの 溶液は下記の特性(重量%)の少なくとも一つを有することが好ましい。 ・それらのセルロース濃度“C”が16%から26%までの範囲内にあり、それらの 合計ギ酸濃度“F”(即ち、エステル化に消費されたギ酸の部分十最終溶液中に 残っている遊離ギ酸の部分)が8%から20%までの範囲内にある。 ・溶液中のセルロースの置換度が20%より大きい。 ・溶液中のセルロースのDPが300〜900である。 ・それらが10%未満の水を含む。 これらの紡糸溶液は下記の特性の少なくとも一つを有することが更に好ましい 。 ・Cが22%に等しく、更に好ましくは22%より大きく、かつFが10%より大きい 。 ・溶液中のセルロースの置換度が30%〜45%である。 ・溶液中のセルロースのDPが350〜600である。 II-2.溶液の紡糸 マルチフィラメント繊維、即ち、多数の要素フィラメントを含む繊維の紡糸の 一般的な場合がここで考慮される。 紡糸溶液は“乾燥ジェット湿式紡糸”技術と称されるものを使用して紡糸され る。この技術は紡糸口金と凝固手段の間で紡糸口金の出口に置かれた非凝固流体 層、一般に空気を使用する。 混錬手段及び溶解手段から出現する際に、溶液は紡糸ブロック(そこでそれが ビスコースポンプに供給する)に向かって移される。このビスコースポンプから 溶液がフィルターにより先行された少なくとも一つの紡糸口金を通って押し出さ れる。紡糸口金へのその輸送中に、溶液が紡糸溶液の性質に従って徐々に所望の 紡糸温度(これは一般に30℃〜80℃である)にされ、この温度はその溶液が静止 している場合にそれが光学異方性であるように選ばれる。 こうして、“紡糸温度”、Tfは紡糸溶液が紡糸口金を通って押し出される瞬間 の紡糸溶液の温度を意味するものと理解される。Tfは40℃から60℃までの範囲内 にあることが好ましい。 夫々の紡糸口金は可変数の押出キャピラリーを含んでもよく、この数はおそら く、例えば、50から2000まで、又はそれ以上に変化する。又、繊維の線密度を増 大し、一つの同じ紡糸ヘッド中に平行に配置された多数の紡糸口金を使用するこ とが可能である。キャピラリーは一般に円筒形であり、それらの直径がおそらく 、例えば、50μmから100μm(マイクロメートル)まで変化するが、それらの断面 は既知の方法で異なる形状を成形フィラメントに付与するように適合されてもよ い。 それ故、紡糸口金を出ると、可変数の要素液脈(liquid vein)から形成された 液体押出物が得られる。夫々の要素液脈は凝固帯域への侵入の前に非凝固流体層 中で延伸される(下記の回転−延伸係数を参照のこと)。この非凝固流体層は空 気(それ故、“空気ギャップ”という名称)であることが好ましく、その厚さAg は数mmから数十mm(ミリメートル)まで、例えば、5mmから35mmまで変化し得る 。知られているように、“非凝固層の厚さAg”は水平に配置された紡糸口金の下 面と、凝固帯域への入口(凝固液の表面)の間の距離を意味するものと理解さ れる。非凝固層を通過した後、こうして延伸された全ての液脈が凝固帯域に侵入 し、凝固剤(又は凝固媒体)と接触する。後者の作用下で、それらがギ酸セルロ ースの沈殿及び紡糸溶媒の抽出によりギ酸セルロースの固体フィラメントに変換 され、これらがこうして繊維を形成する。 本発明によれば、使用される凝固剤は水である。 有利には、この凝固水はおそらく界面活性剤を除いて添加物を含まない。 凝固媒体の温度、Tcは本発明を実施するのに重要なパラメーターである。それ は+5℃より高い必要がある。Tcは10℃より高く、更に好ましくは15℃より高いよ うに選ばれる。 5℃に近い低温、例えば、5℃〜10℃が或る場合にそれらの形成中に或る種の フィラメント粘着(“マリッド(married)フィラメント”)をもたらし得ること が観察された。これは紡糸操作を乱し、一般に得られた紡績糸の品質に有害であ る。界面活性剤、例えば、イソプロパノール、又は石鹸、例えば、ホスフェート 系石鹸の添加が上記難点を排除し、又は少なくとも軽減するのに可能な一つの解 決策である。 当業者は簡単な最適化試験により紡糸溶液の特別な特性及び所望される機械的 性質に従って凝固媒体の温度を調節することができるであろう。一般に、温度Tc は紡糸溶液それ自体の濃度Cが高い程高いように選ばれる。 凝固中に凝固剤中で溶液により自然に与えられる紡糸溶媒(又は更に一般には 初期紡糸溶媒の一部を形成する化合物)の量はその方法の重要なパラメーターで はなく、本発明の実施の特別な条件に応じて、数%から10〜15%、又はそれ以上 まで(凝固剤の合計重量%)変化し得る。 使用すべき凝固手段は、凝固媒体を含む既知装置(その中で、形成されている 繊維が循環する)である。紡糸口金の下に配置された浴が非凝固層からの出口で 使用されることが好ましく、この浴は一般にその底で“紡糸管”と称される垂直 の円筒形管により延長され、その中で凝固された繊維が通過し、凝固媒体が又循 環する。 フィラメントが凝固浴中の形成中に通過する凝固剤の合計の深さ(Pc)は、浴へ の入口から紡糸管への入口まで測定して、例えば、10mmから40mm、又はそれ以上 までの広範囲内で変化し得る。それにもかかわらず、使用される凝固浴の特別な 形状寸法に応じて、凝固剤の低い深さが又或る場合に“マリッドフィラメント” の形成をもたらし得ることが注目された。こうして、この深さPcは10mmより大き く、更に好ましくは少なくとも20mmに等しいように選ばれることが好ましい。 凝固期中に、繊維が凝固手段からの出口で受ける引張応力(σc)が5cN/tex未 満である必要があることを考慮して、繊維が受ける張力をできるだけ低いレベル に保つように試みる。 応力σcは2cN/tex未満の値に保たれることが好ましい。 知られているように、この応力σcは多数のパラメーターの複雑な結果であり 、その中に紡糸溶液の粘度ひいてはそのセルロース濃度C、紡糸温度Tf、非凝固 層の厚さAg、凝固浴中の凝固媒体の深さPc、紡糸速度及びこの浴の形状寸法が挙 げられる。当業者はσcを5cN/tex朱満に保つためにこれらの異なるパラメーター を調節することができるであろう。特に液体媒体中で操作することができる既知 の引張試験機がこれらの張力を監視するのに使用される。 凝固手段を出ると、例えば、水平撓み点後に、繊維が洗浄手段に送られ、駆動 装置、例えば、モーター付きシリンダーに巻き取られる。この駆動装置に関する 紡糸製品の速度が“紡糸速度”(又は供給速度もしくは駆動速度)と称され、Vf と称される。それは繊維が一旦形成された時の紡糸設備中の繊維の通過の速度で ある。 紡糸速度と紡糸口金中の溶液の押出速度の比が、知られているように、回転− 延伸係数(FEFと略記される)と称されるものを定義し、これは、例えば、この 場合には一般に2〜10である。 一旦凝固されると、繊維はそれが中性になるまで洗浄されるべきである。“中 性洗浄”は紡糸溶媒の全て又は実質的に全てを繊維から抽出することを可能にす るあらゆる洗浄操作を意味するものと理解される。この操作は有利にはセルロー スの自然膨潤媒体である水で行われる。洗浄水の温度はその方法の重要なパラメ ーターではない。周囲温度(例えば、15℃〜20℃)又は必要により高温の水を使 用して洗浄速度論を改良することが可能である。例えば、洗浄水を含む浴又はブ ース(その中で、洗浄すべき繊維が循環する)からなる既知の洗浄手段が使用さ れてもよい。洗浄時間は、本発明の実施の特別な条件に応じて、典型的には数秒 から数十秒まで変化し得る。 洗浄後に、ギ酸セルロース繊維が既知の方法であらゆる好適な手段により乾燥 される。例えば、繊維を加熱ロールに連続的に通すことにより操作することが可 能である。200℃未満、例えば、150℃から190℃までの乾燥温度が使用されるこ とが好ましい。 有利には、本発明の方法は紡糸速度の非常に広い範囲内で行われ、これは、例 えば、50m/分から150m/分又はそれ以上まで変化し得る。 ギ酸セルロース繊維そのものを特性決定し、又は使用することが所望される場 合、即ち、セルロースを再生しないことが所望される場合、洗浄段階は仕上げら れた、即ち、洗浄され、乾燥された繊維中の残留紡糸溶媒の量が乾燥繊維の重量 に対し0.1重量%〜0.2重量%を越えないように行われることが好ましい。 又、こうして紡糸され、乾燥され、又は乾燥されなかったギ酸セルロース繊維 を、ギ酸セルロースから再生されたセルロースの繊維を調製する目的で、インラ インかつ連続的に再生の手段に直接送ることが可能である。 II-3.ギ酸エステル繊維の再生 “ギ酸セルロースから再生されたセルロースの繊維”はここではギ酸エステル 基による置換度(DS)が0〜2%である繊維、即ち、セルロースの分子が実際に全 てのその置換ギ酸エステル基を除去されたことを意味するものと理解される。 再生方法は知られているようにセルロース誘導体繊維を再生媒体、一般に水酸 化ナトリウム水溶液中で処理し、次いでこうして再生された繊維を洗浄し、次い でそれを乾燥させることからなり、これらの三つの操作は、原則として、“再生 ライン”と称される一つの同じ処理ラインで連続的に行われる。 8%以上の高い破断点の伸びを有する本発明の再生セルロースの繊維を得るた めの本発明の再生方法は下記の工程を含む。 a)出発点は本発明のギ酸セルロース繊維であり、 b)次いで繊維が各手段への入口で受ける引張応力(σr)が5cN/tex未満であるよ うに、ギ酸エステル繊維がそれを再生手段、洗浄手段次いで乾燥手段に通すこ とにより処理される。 本発明のこの方法は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行われることが好ましく 、その水酸化ナトリウムの濃度Csはせいぜい5%であり、又は少なくとも16%( 重量%)に等しい。何とならば、5重量%〜16重量%の水酸化ナトリウムでは、 ギ酸セルロース繊維のフィラメントが或る場合に再生中に部分表面溶解を受け得 ることが実際に注目されたからである。このような溶解(これは特にマリッドフ ィラメントの存在をもたらし得る)は繊維の機械的性質、又はその後の使用に有 害であり得る。 再生ラインは通常の方法では再生手段、続いて洗浄手段(これら自体は乾燥手 段により追随される)からなる。全てのこれらの装置は本発明を実施するのに重 要ではない。再生手段及び洗浄手段は特に浴、パイプ、タンク又はブース(その 中で、再生媒体又は洗浄媒体が循環する)からなってもよい。例えば、夫々が二 つのモーター駆動シリンダー(そのまわりに、処理すべき繊維が巻かれ、次いで この繊維が使用された液体媒体(再生又は洗浄)で噴霧される)を備えたブース を使用することが可能である。 再生手段中の滞留時間は、勿論、ギ酸エステル繊維を充分に再生し、こうして 再生セルロースの最終繊維に関する下記の関係を満足するように調節されるべき であろう。 0<DS<2 当業者は、本発明の実施の特別な条件に応じて、例えば、1〜2秒から約10〜 20秒まで変化し得るこれらの滞留時間を調節することができるであろう。 慣例的に、本発明に従い、部分的に再生され、例えばDSが2%〜10%であ る繊維セルロースは、ギ酸セルロース繊維のカテゴリーに入る。 洗浄媒体は、好ましくは水であり、紡糸用として、周囲温度又はより高い温度 で使用され、もし必要であれば、洗浄速度を増加する。消費しなかった水酸化ナ トリウムの中和剤を、この洗浄水に添加してもよいだろう。 乾燥手段は、例えば、洗浄した繊維が循環する換気された加熱トンネル、又は これとは別に繊維が巻かれる加熱シリンダーから構成される。乾燥温度は、臨界 ではなく、広い範囲、例えば、100℃〜200℃で、発明の実行のための特定 条件により、特に、再生ラインの通過速度に依存して変化してよい。好ましくは 、200℃未満の温度が使用され、例えば、150℃〜190℃の温度が使用さ れる。乾燥手段から出現する際に、繊維が巻き取りスプールから取り上げられ、 かつ残留水分量が、モニターされる。好ましくは、乾燥条件(温度及び時間)は、 当該残留水分量が、乾燥繊維の重量に対して10%〜15%に調節される。 典型的に、必要な洗浄及び乾燥時間は、数秒〜数十秒の間で、使用された手段 及び本発明の実行のための特定条件に依存して変化する。 再生ラインを通過する間、できるだけ低くした張力(繊維がそれぞれ再生、洗 浄及びその後の乾燥手段に入るときに受ける引張応力σr)は、5cN/tex未満で ある。当該張力は、これらの異なる手段で測定するのが困難なため、これらの手 段に入るときに、好適な張力計を使用してモニターすることが好ましい。 本発明によれば、それぞれ再生、洗浄及び次いで乾燥手段への入口で受ける引 張応力σrは、好ましくは、2cN/tex未満に維持される。現実の工業条件下で、 特に高い再生速度で、これらの引張応力の下限値は、一般に約0.1〜0.5cN/t exであり、これより低い値は、工業的観点からすれば非現実的で、工程及び製品 の安定性からも望ましくない。 再生速度(Vr)、即ち、繊維が再生ラインを通過する速度は、広い範囲、例え ば50m/分〜150m/分、又はそれ以上の範囲で変化してよい。 本発明の再生セルロース繊維を得る方法は、紡糸工程とインラインかつ連続的 に行われるのが好ましく、全体の一連の製造、つまり溶液を紡糸口金を通した溶 液の押し出しから再生繊維の乾燥までが連続しているのが好ましい。 III.実施例 以下の実施例は、本発明に従っても従わなくても、ギ酸セルロース繊維の製造 を例示し、又はギ酸セルロースから再生されたセルロース繊維を例示する。これ らの繊維は、全て上記セクションIIの記載で調製されたギ酸セルロースの液晶溶 液から開始する。 III-1.本発明の繊維 III-1.1.ギ酸セルロース繊維(表1): 全27回の紡糸試験をギ酸セルロース繊維において、本発明の紡糸工程に従い 、詳しくは、上記パラグラフII−1及びII−2に示すように、11の異なる 紡糸溶液(A〜Kで示す溶液)で行った。 表1は、本発明の工程を行う特定の条件、及び得られた繊維の特性を示す。 表1で使用した省語及び単位は、以下の通りである。 試験番号:紡糸試験の番号及び対応する繊維の番号(A-1からK-1で表示) C:紡糸溶液中のセルロース濃度(重量%) F:紡糸溶液中の合計ギ酸濃度(重量%) P:紡糸溶液中のリン酸濃度(重量%) Tf:紡糸温度(℃) Ag:空気の非凝固層の厚さ(mm) Tc:凝固媒体の温度(℃) σc:繊維が凝固手段からの出口で受ける引張張力(cN/tex) Vf:紡糸速度(m/分) Ti:繊維の線密度(tex) Te:繊維の靱性(cN/tex) Ar:繊維の破断点伸び(%) Mi:繊維の初期モジュラス(cN/tex) Er:繊維の破断エネルギー(J/g) DS:繊維中のギ酸エステル基によるセルロースの置換度(%) これらの異なる紡糸試験において、同じ文字(例えばA)を異なる繊維に対して 使用することは、これらの繊維が、同じ溶液から得られること、つまり4種の繊 維A-1〜A-4は、例えば、濃度がC=22%、F=18%、P=60%の同一の紡 糸溶液(A)から、紡糸パラメーター(Tf、Ag、Tc等)を変化させて紡績する ことを示す。 これらの試験を行うために、特に、以下のような特定条件が使用される。 ・11種の紡糸溶液を、粉末セルロース(初期の水分量は約8重量%、DPは5 00〜600)、ギ酸及びオルトリン酸を、それぞれ水に対して2.5重量%入れ て調製する。 ・全容液は、任意に異方性であり、かつ全部で10%(重量%)未満の水を含む。 ・紡糸口金は、円筒型で、直径50〜65μmの250のキャピラリーを有する 。但し試験Jでは、200のキャピラリーを使用する。 ・Tfの値は、40℃〜60℃の範囲に含まれる。 ・FEFの値は、約4〜9で変化する。 ・凝固水は、いかなる添加物も含まない。但し、界面活性剤(例えば試験D-1及び D-2用のイソプロパノール)を除く。 ・凝固媒体中のリン酸の量は、5%未満(重量%)のレベルに安定される。 ・洗浄水は、ほぼ15℃の工業用水である。 ・繊維は、180℃の加熱シリンダーに通すことによって乾燥する。 ・完成した繊維、即ち洗浄され、乾燥された繊維は、残留リン酸の量が0.1% 未満(乾燥繊維に対する重量%)だった。 紡糸溶液中のセルロースのDPは、400〜450であり、これは、特に溶解 後の低い脱重合を示す。 溶液中のセルロースの置換度は、セルロースに対して16〜22重量%含む溶 液で平均して30〜50%であり、より濃縮した溶液(セルロースに対して22重 量%より大きい)で20%〜30%である。 表1に示した全ての機械的性質は、10回の測定から計算した平均値である。 但し、線密度を除く(3回の測定の平均)。平均値の標準偏差(この平均値に対す る%)は、一般に1〜2.5%だった。 表1を読むと、全ての繊維が、以下の関係を満たすことが注目される。 DS≧2;Ar≧8;Te<45;Mi>500;Er>10 DSの値は、20%〜45%であり、実際にDS値は、対応する紡糸溶液で測 定した置換度と実質的に同じである。 更に、ギ酸セルロース繊維の多くは、以下の好ましい関係を満たすことが注目 される。 Ar≧10;Te≧25;Mi≧1000;Er≧15 より好ましくは、ギ酸セルロース繊維は、少なくとも以下の関係の1つを満た す。 Ar≧12;Te≧30;Mi≧1200;Er≧20 表1の実施例の大多数において、フィラメント線密度(繊維の線密度Tiをい くつかのフィラメントに分けた線密度)は、2.2dtex(デシtex)である。しか しながら、この線密度は、広い範囲、例えば1dtex〜5dtex又はそれ以上に、紡 糸条件を公知の方法で調節することによって変化する。例えば、繊維B-1及びF-1 は、それぞれ4.1dtex及び3.7dtexのフィラメント線密度を有する。 表1の繊維は、全て本発明の工程を使用して用いられる。 特に、温度Tcは、常に5℃より高く、引張応力σcは、常に5cN/texより小 さく、Ar及びErの最大値(例えばAr≧10及びEr≧20)は、一般に10 ℃より大きいTcと2cN/texより小さいσcに対して得られる。 表1の全ての実施例において、濃度Cは16%〜26%であり、濃度Fは、8 %〜20%である。好ましくは、本発明の方法は、非常に高濃度のC、つまり2 2%以上で行われ、可能であれば、一般的に、靱性Teの値を増加し;前記濃度 Cに対して、10%より大きいFで操作することが好ましい。これは、F値が低 いと、溶液がより粘性になり、紡ぐのが困難で、かつ靱性が低くなり得るからで ある(例えば、試験B-1〜B-3参照)。 一方、紡糸速度は速く、大部分で100〜150m/分である。 III-2.2.再生セルロースの繊維(表2): 5回の試験を、ギ酸セルロースから再生されたセルロースの繊維で、本発明の 工程に従って、詳しくは、上記パラグラフII−3に示すように、前記紡糸試験 で既に使用した3種の異なる紡糸溶液(A、F及びIで示す溶液)で行った。 表2は、本発明の工程を行う特定条件、及び得られた繊維の特性を示す。 表2で使用した省語及び単位は、以下の通りである。 試験番号:試験の番号及び対応する繊維の番号(A-5からI-2で表示) C、F、P、Tf、Ag、Tc、σc:前記表1と同義 Cs:再生手段の水酸化ナトリウム濃度(重量%) Vr:再生速度(m/分) TI:繊維の線密度(cN/tex) TE:繊維の靱性 AR:繊維の破断点伸び(%) MI:繊維の初期モジユラス(cN/tex) ER:繊維の破断エネルギー(J/g) DS:再生繊維中のギ酸エステル基によるセルロースの置換度(%) これらの試験を行うために、特に、以下のような特定の条件が使用される。 ・本発明の紡糸工程の段階a)〜e)が使用され、ギ酸繊維は紡糸ラインから出現 し、洗浄するが、乾燥せず、インラインでかつ連続的に再生される(VrはVf に等しい); ・これら初期ギ酸セルロース繊維は、紡糸ラインから出現して系統的に得られ、 その後乾燥して機械的性質を測定した試料(数百メートル)であり、全て本発明に 従い、特にその破断点伸びArは、少なくとも8%である; ・その後、ギ酸繊維を再生手段、洗浄手段及び次いで乾燥手段に通すことによっ て処理し、繊維が当該各異なる手段への入口で受ける引張応力σrは、全ての場 合で5cN/tex未満、好ましくは2cN/tex未満である; ・再生媒体は、周囲温度(約20℃)で使用され、水酸化ナトリウムの水溶液であ る。当該水酸化ナトリウムの濃度Csは、試験に応じて5%〜30%変化する; ・再生、洗浄及び乾燥手段は、処理する繊維を巻く駆動シリンダーを備えたブー スによって形成される; ・繊維をほぼ15℃の工業用水で洗浄する; ・そのように洗浄した繊維を、180℃の加熱シリンダーに通すことによって乾 燥する。 ・再生手段の滞留時間は、およそ15秒であり、洗浄手段も同様で、乾燥手段で はおよそ10秒である。 ・乾燥手段から出現すると、繊維は、12%〜15%(乾燥繊維に対する重量%) の残留水分量を有する。 表2に示した全ての機械的性質は、表1のように、10回の測定から計算した 平均値である。但し、線密度を除く(3回の測定の平均)。平均値の標準偏差(こ の平均値に対する%)は、一般に1〜2.5%だった。 表2を読むと、全ての繊維が、以下の関係を満たすことが注目される。 0<DS<2;Ar≧8;TE<45;MI>500;ER>10 更に、ギ酸セルロース繊維の多くは、以下の好ましい関係を全て満たすことが 注目される。 TE>30;MI>1200;ER>15 液晶源の本発明の繊維は、ギ酸セルロースでもこのギ酸エステルから再生され たセルロースであってもよく、フィラメントは、光学偏光顕微鏡の下で、液晶源 では典型的な層状構造を有する。 そのような層状構造(または「ひだ状構造」)は、例えば、アラミド繊維のフィ ラメントであって、当該フィラメントは公知の方法で液晶溶液から出発するもの として、次の文書に記載されている。Journal of Polymer Science-Polymer Phy sics Edition-18、871〜876頁、1980年、Journal of Applied Polymer Science- Applied Polymer Symposium-41、269〜292頁、1985年。 この特定構造は、フィラメント形成の間(即ち、凝固の間)にセットされ、ある 程度の弛緩状態のを写したもの(photograph)であり、これは、液晶溶液(紡績口 金及び空気ギャップ中で展開された延伸領域から出現して発展するもの)のモジ ュラスに依存して多少特徴づけられる。 そのような層状構造は、光学偏光顕微鏡で、等方性、即ち、非液晶の紡糸溶液 から得られるギ酸セルロースの繊維では見られない。 この層状構造は液晶源のギ酸セルロース繊維(溶液の弛緩の欠如または弛緩が 非常に小さい)でも肉眼では見えないが、この特定の層状構造は、存在すれば、 このタイプの溶液に対する液晶源の確かな徴候になる。 予想外にも、少なくとも8%の破断点伸びを有する本発明の繊維は、全てこの 層状構造を光学偏光顕微鏡の下で示すことが注目される。これに対し、そのよう な構造は、一般的に光学偏光顕微鏡では、前記国際出願WO 85/05115で教示する ようなアセトン中で凝固した繊維では見えず、この繊維は、破断点伸びの低い値 を有する。 III-2.本発明に従わない繊維(表3) 全11回の紡糸試験を、本発明に従わずに行い、2回の試験(F-5及びF-6)は、 次いで上記表2の試験で使用した再生ライン(Cs=30%)で直接処理することに よって連続的に行った。 従って、得られた全ての繊維は、ギ酸セルロース繊維である。但し、F-5及びF -6は除かれ、これらは再生セルロースである(DSは2%未満)。 これら11種の繊維は、前期試験で既に使用した7種の異なる紡糸溶液から得 られる(溶液は、A〜D、F、H〜Jで示す)。 表3は、態様の特定条件及び得られた繊維の特性を示す。略語及び単位は、上 記表1と同様であるが、符号Ti、Te、Ar、MiおよびErが、試験F-5及 びF-6の再生セルロース繊維の機械的性質に対応することを除く。 これらの試験を行うために、紡糸工程及びもし適当であれば再生工程であって 本発明の工程に従うものが使用されるが、次の2種の特定の条件の1つが除かれ る。温度Tcが5℃を超えないこと、及び応力σcが5cN/texより大きいことで ある。 これらの繊維は、靱性または特に初期モジュラスの有利な特性にも関わらず、 本発明に従わないので、繊維は、特に少なくとも8%の破断点伸びを有さないこ とが注目される。 さらに、表3の繊維の大部分は、本発明の繊維として前述したような層状構造 を光学偏光顕微鏡の下で有さない。高引張応力σc及びσrを紡糸及び/又は再生 中に、例えば5〜10cN/texかそれ以上で使用すると、破断点伸び(Arまたは AR)は8%より低くなり、頻繁に層状構造の消失が同時に起こることを特に述 べる。この現象は、たぶん、過剰に高い張力が溶液の弛緩を凝固中に阻止するた めか、または、層状構造がギ酸繊維上に存在するときは、再生中に「ひだ状でな い」構造を含むためであり、従って層状構造が消失する。 結論として、本発明の繊維は、特性の組み合わせによって特徴づけられ、液晶 源のギ酸セルロースをベースとする繊維において新規かつ意外なものであり、少 なくとも8%の破断点伸びを有し、伝統的なビスコース繊維と比べて、張力は同 一又は大きく、初期モジュラスは実質的に大きい。本発明の繊維は、ビスコース 繊維と比較して、さらに非汚染工程を使用して、高紡糸速度で製造される利点が ある。 勿論、本発明は前記実施例に限定されるものではない。従って、例えば、異な る成分を、本発明の精神を変えることなく、おそらく前記ベース成分(セルロー ス、ギ酸、リン酸、凝固水)に添加してもよい。付加成分は、好ましくはベース 成分と化学的に反応しないものであり、例えば、可塑剤、糊(size)、色素、溶液 の製造中にエステル化され得るセルロースを除くポリマーであり;これらは、例 えば紡糸溶液の紡績能力又は得られた繊維の使用特性を改善することができる製 品であってもよい。 本明細書で使用した「ギ酸セルロース」の語は、セルロースの水酸基を、ギ酸 エステル基に加え、ギ酸エステル基以外の基と置換することを含み、例えばエス テル基、特に酢酸エステル基において、他の基を有するセルロースの置換の程度 は、好ましくは10%未満である。 最後に、「紡糸」又は「繊維」の語は、非常に広い意味でとらえ、これらの語 は、ギ酸セルロースの液晶溶液から得られた被膜も包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (72)発明者 オーブリー ジャン クロード フランス エフ―63100 クレルモン フ ェラン アレ ド マロンニエール 6ペ ール

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の特性によって特徴づけられる液晶源のギ酸セルロース繊維。 a)光学偏光顕微鏡の下で、当該繊維のフィラメントが、当該繊維の液晶源に典 型的な層状構造を有すること。 b)DS≧2;Ar≧8;Te<45;Mi>500;Er>10の関係を満た すこと。 (ここで、DSは、繊維中のギ酸エステル基によるセルロースの置換度(%)、 Arは、繊維の破断点伸び(%)、Teは、繊維の靱性(cN/tex)、Miは、繊維 の初期モジュラス(cN/tex)及びErは、繊維の破断点エネルギー(J/g)である。 ) 2.Ar≧10;Te≧25;Mi≧1000;Er≧15の関係を満たす、請 求項1に記載の繊維。 3.Ar≧12;Te≧30;Mi≧1200;Er≧20の関係のうち少なく とも1つを満たす、請求項2に記載の繊維。 4.ギ酸セルロースの液晶溶液を「乾燥ジェット湿式紡糸」と呼ばれる方法を使 用して紡糸し、請求項1乃至3のいずれかに記載のギ酸セルロース繊維を得る方 法であって、 a)出発点が、少なくとも1種のリン酸中のギ酸セルロースの溶液であり、この溶 液は周囲温度で静止時に光学異方性である工程、 b)この溶液を、その溶液が光学異方性(それが静止している場合)であるような 温度(Tf)で紡糸口金を通して押し出す工程、 c)次いで、こうして押し出された溶液を、非凝固層、好ましくは空気を通して延 伸する工程、 d)次いで、凝固手段に通すことにより、こうして延伸された溶液を水(その温度 (Tc)は5℃より高い)中で凝固し、繊紬が凝固手段から出現する際に受ける引張 応力(σc)を5cN/tex未満の値に保つ工程、 e)こうして形成された繊維を洗浄し、可能な場合には乾燥する工程、 を含むことを特徴とする方法。 5.前記セルロース濃度(C)が16%〜26%であり、かつ合計ギ酸濃度(F) が8%〜20%である(非エステル化セルロースに対する重量%)、請求項4に記 載の方法。 6.前記Cが22%以上であり、前記Fが10%より大きい、請求項5に記載の 方法。 7.以下の特徴の少なくとも1つを満たす、請求項4乃至6のいずれかに記載の 方法。 ・Tfが40℃〜60℃である。 ・Tcが10℃より大きい。 ・σcが2cN/tex未満である。 ・非凝固層の厚さAgが5〜35mmである。 8.凝固水が、界面活性剤を除いて、添加物を含まない、請求項4乃至7のいず れかに記載の方法。 9.ギ酸セルロースから再生されたセルロースの繊維であって、ギ酸エステル基 によるセルロースの置換度DSが0〜2%であり、請求項1乃至3のいずれかに 記載のギ酸セルロース繊維の再生処理後に得られることを特徴とする繊維。 10.以下の特性によって特徴づけられる、ギ酸セルロースから再生された、液 晶源のセルロース繊維。 a)光学偏光顕微鏡の下で、ギ酸セルロース繊維のフィラメントが、ギ酸セルロ ース繊維の液晶源に典型的な層状構造を有すること。 b)0<DS<2;AR≧8;TE<45;MI>500;ER>10の関係を 満たすこと。 (ここで、DSは、繊維中のギ酸エステル基によるセルロースの置換度(%)、 ARは、繊維の破断点伸び(%)、TEは、繊維の靱性(cN/tex)、MIは、繊維 の初期モジュラス(cN/tex)及びERは、繊維の破断点エネルギー(J/g)である。 ) 11.TE>30;MI>1200;ER>15の関係を満たす、請求項10に 記載の繊維。 12.請求項10又は11に記載の再生セルロース繊維を得る方法であって、 a)出発点が、請求項1乃至3のいずれかに記載のギ酸セルロース繊維である工 程、 b)繊維が各手段への入口で受ける引張応力(σr)が5cN/tex未満、好ましくは2 cN/tex未満であるように、ギ酸エステル繊維を再生手段、洗浄手段及び次いで乾 燥手段に通すことによって処理する工程、 を含むことを特徴とする方法。 13.水酸化ナトリウム水溶液を、多くても5%又は少なくとも16%(重量%) の濃度で使用する、請求項12の方法。 14.織物分野における、請求項1乃至3又は9乃至11のいずれかに記載の繊 維の使用。
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