【発明の詳細な説明】
紫外線または可視光線によって重合および/または架橋させることが
できる被覆組成物
本発明は、貧電子オレフィン性二重結合を有する少なくとも1種の化合物(A
)、および富電子オレフィン性二重結合を有する少なくとも1種の化合物(B)
を含んで成る、紫外線または可視光線によって重合および/または架橋させるこ
とができる被覆組成物に関する。
マレイミドは、この種の化合物と富電子二重結合を有する化合物の両方を使用
して、照射によって重合させることができる被覆組成物における貧電子二重結合
として好都合なモノマーである。US−A−5446073に開示されるように
、マレイミドは、富電子二重結合を有する化合物が適切に選択される場合に、光
開始剤を不要にすることができるので、この種の組成物において特に好都合であ
る。
しかし、マレイミドの合成は常に困難であるために、これらの化合物を高価に
し、その結果、それらが一部分を構成する組成物を高価なものにする。
市場において一般に入手可能なマレイミド(その合成にあまり費用がかからな
いマレイミド)は、芳香族基でN置換されているマレイミドである。そのような
マレイミドは事実上、不溶性であるために、ある種の用途に使用することができ
ない。さらに、芳香族基は、それらを有するマレイミドの回収性(withdrawing
nature)を減少させ、いくらかの紫外線を吸収する。
さらに、一般に、重合組成物において、それらが充分に重合していない場合に
、マレイミドモノマーが移動の問題を生じる危険性がある。
前記のような短所を有さない新規マレイミドの研究において、出願人は、マレ
イミド官能基を有するプレポリマーから成る新規な(A)型の化合物を見い出し
、該新規化合物は、非常に広範囲の化合物に利用することができ、および所望の
特性に関してポリマー鎖の性質および構造を改質することができる合成法の非常
に優れた柔軟性および融通性によって、付着性、硬度、可撓性、弾性、耐磨耗性
、耐溶剤性、および外部挙動の特性が要求される、光学ファイバーの被覆、木材
、
紙、金属、プラスチックまたはガラスのような基材の被覆のような用途における
特定の要求を満足させる多くの可能性を有する。さらに、この新規化合物(A)
は、これまでは得ることが困難であった、貧電子二重結合を有する化合物と富電
子二重結合を有する化合物の両方を使用して照射によって重合させることができ
る被覆組成物において特に好都合な、脂肪族マレイミドを含む。従って、驚くべ
きことに、化合物(A)が下記に記載されるマレイミド官能基を有するプレポリ
マーである製剤の反応性が、化合物(A)が前記と同様のプレポリマーであるが
、マレイミド基によって官能化されていない同様の製剤の反応性の、最大10倍
もの高さであり、および、商業的に入手可能なマレイミドモノマーとの混合によ
る同様の非官能化プレポリマーの反応性の、最大6倍もの高さであることが見い
出された。
言い換えるならば、新規製剤の皮膜は、これらの参考製剤の最大10倍もの短
い期間において、非粘着性フィルムに導く。
従って、本発明の要旨は、第一に、前記に記載される重合性および/または架
橋性組成物であって、
マレイミド官能基(f):
[式中、R1およびR2はそれぞれ、H、C1〜C12アルキルまたはハロゲンであ
る。]
を有し、および
・式(I):[式中、R1およびR2は前記と同様に規定される。]
で示される少なくとも1種の無水マレイン酸;
・−NH2官能基、ならびに−OH、−NH2、−NH−、−COOH、
[式中、R3はC1〜C5アルキル残基を表す。]から選択される少なくとも1つ
の他の官能基Fを有する少なくとも1種の化合物(II);
・重縮合および/または重付加によるプレポリマー鎖の形成のための、少なく
とも1種の化合物(III);
の反応生成物から成るプレポリマーであって、
化合物(II)を初めに、無水マレイン酸(I)と反応させて、マレアミド酸官能
基(f'):
の形成と共に、無水マレイン酸の環を開き、次に、これを熱の作用下に少なくと
も部分的に閉環して、官能基Fによって官能化された基によってN置換されたマ
レイミドを得、
該プレポリマーの鎖を、
− 官能基Fを有する、形成されたN置換マレイミド;
− 化合物(III);
− 該N置換マレイミドと同時に形成される、官能基Fを有するかまたは有さ
ない非環化生成物;
− 化合物(II)によって開環された後に、過剰において見い出される場合が
ある無水マレイン酸(I);
の重縮合および/または重付加によって形成し、
化合物(III)の官能基が、官能基Fが−OH、−NH2、−NH−および−CO
OHから選択される少なくとも1つであるとき、該N置換マレイミドがそれらの
官能基Fを介して直接に鎖上にグラフトすることよって鎖が形成されるように選
択され、または官能基Fが−COOR3または−OCOR3であるとき、官能基F
のエステル交換後に、該N置換マレイミドが鎖上に縮合または付加されるよ
うに選択され、化合物(II)および(III)の官能基および割合が、反応媒質の
ゲル化を防止するように選択されるプレポリマー、
から化合物(A)が選択されることを特徴とする組成物である。
プレポリマー(A)において、一般に、化学量論的または実質的に化学量論的
条件下に、あるいは化合物(II)に対して無水物(I)の過剰において、化合物
(II)を無水物(I)と反応させる。
式(I)の無水物が無水マレイン酸であるのが好ましい。
化合物(II)は特に、式H2N−A−OH、H2N−A−COOH、H2N−A
−COOR3、
およびH2N−A−NH2[式中、Aは線状、分岐または環状アルキレン残基、あ
るいはアリーレン(arylene)残基を表し、これらの残基が、酸素または硫黄原
子によって、あるいは−NR4−基[R4は水素またはアルキルを表す。]によっ
て中断されていてもよい。]の化合物から選択される。
この/これらの化合物(II)の例として、下記のものを挙げることができる:
− アミノアルコール、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン、イ
ソプロパノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、およびN−(
2−アミノエチル)エタノールアミン;
− アミノ酸、例えば、バリン、p−アミノ安息香酸、アラニン、2−アミノ
ヘキサン酸、6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、および2−アミノ
イソ酪酸;
− 前記アミノ酸のメチルまたはエチルエステル;
− 酢酸のようなC2〜C5カルボン酸と、前記アミノアルコールとのエステル
;
− ジアミン、例えば、エチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−および/または2,4,4−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、5−メチルノナ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)
メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ−5−エチルシクロヘキシル)メタン、
1,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)エタン、2,2'−ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)プロパン、2,2'−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,9−ジオキ
サドデカン−1,12−ジアミン、および4,7,10−トリオキサトリデカン−
1,13−ジアミン;および
− 商品名Jeffamine(登録商標)として市販されている、ポリオキシエチレ
ン化および/またはポリオキシプロピレン化ジ−またはトリアミン。
三官能価化合物(II)、例えば、L−セリン、3−ヒドロキシ−4−アミノ安
息香酸、および3−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、ならびに他のトリアミン
、例えば、N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン、およびN−(
3−アミノプロビル)−1,3−プロパンジアミンも例示することができる。
・ N置換マレイミドが、−OH、−NH2または−NH−であるF官能基を有
する場合、化合物(III)は特に、
− 少なくとも1種の多酸および/または少なくとも1種の環状無水物;および
− ポリオール、一官能価または多官能価エポキシ、ポリアミン、およびポリ
イソシアネートから選択される少なくとも1種;または
− 少なくとも1種のポリイソシアネート;および
− 随意に、ポリオール、一官能価または多官能価エポキシ、多酸および/ま
たは環状無水物、およびポリアミンから選択される少なくとも1種;
であり;
・ N置換マレイミドが、−COOHであるF官能基を有する場合、化合物(II
I)は特に、
− ポリオール、一官能価または多官能価エポキシおよびポリアミンから選択
される少なくとも1種;および
− 随意に、多酸および/または環状無水物またはポリイソシアネート;また
は
− 少なくとも1種のポリイソシアネート;および
− 随意に、ポリオール、一官能価または多官能価エポキシ、多酸および/ま
たは環状無水物、およびポリアミンから選択される少なくとも1種;
であり、
・ N置換マレイミドが、
であるF官能基を有する場合、化合物(III)は特に、
− −OH官能基、ならびに−OH、−NH−および−COOHから選択され
る少なくとも1つの他の官能基を有するエステル交換を可能にする少なくとも1
種の化合物;および
− 該他の官能基が−OHまたは−NH−である場合は、N置換マレイミドが
−OH、−NH2または−NH−であるF官能基を有する場合に前記に規定され
る化合物(III);および
− 該他の官能基が−COOHである場合は、N置換マレイミドが−COOH
であるF官能基を有する場合に前記に規定される化合物(III);
であり、
・ N置換マレイミドが、
であるF官能基を有する場合、化合物(III)は特に、
− 酸性官能基、ならびに−OH、−NH−および−COOHから選択される
少なくとも1つの他の官能基を有する、エステル交換を可能にする少なくとも1
種の化合物;および
− 該他の官能基が−OHまたは−NH−である場合は、N置換マレイミドが
−OH、−NH2または−NH−であるF官能基を有する場合に前記に規定され
る化合物(III);および
− 該他の官能基が−COOHである場合は、N置換マレイミドが−COOH
であるF官能基を有する場合に前記に規定される化合物(III);
である。
化合物(III)としてのポリオールは、ジオールまたはトリオールが好ましい
が、より高い官能価のポリオール(例えば、ペンタエリトリトール)が少量で存
在することもできる。ジオールまたはトリオールとしては、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1
,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリ
エチレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセ
ロール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−
ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、4'−(2−ヒドロキシエトキシ)
−2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメチル−3−ヒ
ドロキシプロピル 2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、および
ジブロモネオペンチルグリコール、ならびに、特に200〜1000の重量平均
分子量を有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、またはポリ
ウレタンポリオール、を例示することができる。随意に、モノアルコールを少量
で添加することもできる。
化合物(III)としてのエポキシ化合物は一般に、モノ−およびジエポキシ化
合物であり、特に、エピクロロヒドリン、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプ
タン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサン
カルボキシレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ
デカン、3,3,3−トリクロロプロピレンオキシド、およびアリルグリシジルエ
ーテルを挙げることができる。
化合物(III)としてのポリイソシアネートは特にジイソシアネートであり、
例えば、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、4,4'
−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4"−トリイソシ
アネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニレンジイソシア
ネート、3,3'−ビス(4,4'−トリレン)ジイソシアネート、1,4−シクロ
ヘキシレンジメチレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、
1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、
および3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、なら
びに、イソシアネート末端を有するポリウレアまたはポリウレタン型のプレポリ
マー、例えば、ポリオールおよび/またはポリアミンと過剰のポリイソシアネー
トとの縮合物;ならびに、分子中にイソシアヌレート環を有するポリイソシアネ
ート、およびイソシアネート末端官能基を有するビウレットである。
イソシアヌレート環を分子中に有するポリイソシアネートの例として、Rhone-
Poulenc社によってTolonate HDTの商品名で市販されているヘキサメチレンジイ
ソシアネートのトリマー、またはHuls社によってVestanat T 1890/100の商品名
で市販されているトリス[1−イソシアナトメチル−1,3,3−トリメチルシク
ロヘキサン]イソシアヌレートを挙げることができる。
ビウレットの例としては、Bayer社によってDesmodur N100の商品名で市販され
ている1,6−ジイソシアナトヘキサンのビウレットを挙げることができる。
化合物(III)としての多酸の例として、二酸、例えば、マレイン酸、フマル
酸、、クロロマレイン酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、テトラコン
酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、琥珀酸、メチル琥珀酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、テトラブロモフタル酸、テトラクロロフタル酸、グルタ
ル酸、ピメリン酸、およびピロメリット酸などを主に挙げることができる。
飽和または不飽和の化合物(III)としての環状無水物は、無水マレイン酸、
無水琥珀酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、テトラ
ヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、塩素化無水物、例えば、
無水クロレンド酸、テトラクロロフタル酸無水物、およびテトラブロモフタル酸
無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、無水ナド酸、メチルナド酸無水物
、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、ならびに無水グルタル酸、から選択され
る。特に、無水マレイン酸または無水琥珀酸が挙げられる。3,3',4,4'−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸の二無水物(dianhydride)のような光開始フラ
グメントを含んで成る無水物を、ある種の用途に使用することができる。
化合物(III)としてのポリアミンは、好ましくはジアミンであり、例えば、
エチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、トリメチル
ヘキサン−1,6−ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−および/また
は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、デカメチ
レンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン
、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−
4−アミノ−5−エチルシクロヘキシル)メタン、1,2−ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)エタン、2,2'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、
および2,2'−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパンが例示
される。
−OH官能基、ならびに−OH、−NH−および−COOHから選択される少
なくとも1つの他の官能基を有する、エステル交換を可能にする化合物(III)
の例は、2−ヒドロキシベンゼン酢酸、パラ−ヒドロキシ安息香酸、メタ−ヒド
ロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−4−
メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、2−(ブチルアミノ)
エタノール、2−(シクロヘキシルアミノ)エタノール、2−(フェニルアミノ
)エタノール、3−ヒドロキシピペリジン、4−ヒドロキシピペリジン、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,
6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、および
1,2−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサンである。
酸性官能基、ならびに−OH、−NH−および−COOHから選択される少な
くとも1つの他の官能基を有するエステル交換を可能にする化合物(III)の例
は、(2−ヒドロキシベンゼン)酢酸、パラ−ヒドロキシ安息香酸、メタ−ヒド
ロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−4−
メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、N−メチルグリシン、
2−(メチルアミノ)安息香酸、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸
、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、テトラブロモフタル酸、およびテトラ
クロロフタル酸である。
プレポリマー(A)の数平均分子量(Mn)は350〜5000、特に500
〜3000である(GPCによって測定、ポリスチレンで校正)。さらに、該プ
レポリマーは、プレポリマー1kgにつき、0.02〜5molのマレイミド基、特
に0.05〜2molのマレイミド基を含有することができる。
さらに、それらを形成した後に、本発明のプレポリマーの末端酸性官能基をモ
ノエポキシ化合物と反応させて、該プレポリマー(A)の酸価を、特に5mg KOH
/g未満になるように調節することができる。
本発明は、前記に記載されるプレポリマーの製造方法にも関し、該方法は、化
合物(II)を初めに無水マレイン酸(I)と反応させて無水マレイン酸の環を開
き、化合物(II)の第一級アミン官能基によってこれらの無水マレイン酸の環を
開くことによってマレアミド酸官能基を形成し、次に、加熱によって部分的に再
閉環してマレイミド環を形成し、このようにして形成されるマレイミドを化合物
(III)と反応させ、化合物(III)を含む重縮合および/または重付加反応によ
って該プレポリマーの鎖を形成し、および/または、(II)による(I)の開環
後に過剰無水マレイン酸が残存する場合は、該過剰無水マレイン酸(I)、非環
化生成物も鎖の組成に加わり、化合物(II)および(III)の官能基および割合
が反応混合物のゲル化を防止するように選択されるという条件下に、少なくとも
1種の化合物(I)、少なくとも1種の化合物(II)、および少なくとも1種の化
合物(III)(化合物(I)、(III)および(III)は前記に規定されている)
を反応させることを特徴とする方法である。
本発明の第一の実施態様によれば、
− 第一段階において、少なくとも1種の無水マレイン酸(I)を、極性溶媒
中において、化学量論的または実質的に化学量論的条件下に、少なくとも1種の
化合物(II)と反応させて、該無水物環を開き;
− 第二段階において、該極性溶媒の蒸発後、および適切であれば、化合物(
III)としての少なくとも1種の多酸および/または1種の環状無水物を反応混合物
へ添加後、第一段階から得られる反応混合物を加熱することによって環化反応を
行い、該環化が、前段階で開かれた無水マレイン酸の環を部分的に再閉環して、
部分環化生成物を得、該生成物は、反応が環状無水物(III)の不在下に行われ
た場合は、使用された(II)に依存して、−OHまたは−COOHまたは
または−NH2または−NH−によって官能化された基によってN置換されたマ
レイミドを含んで成り、あるいは、反応が環状無水物(III)の存在下に行われ
た場合は、該環状無水物(III)に対応する二酸の形成を伴って、−COOH、
または出発化合物(II)に依存して、−OHまたは−NH2または−NH−また
は
によって官能化された基によってN置換されたマレイミドを、適切であれば、反
応しなかった過剰無水物(III)または(I)との混合物として、含んで成り;
および
− 第三段階において、該部分環化生成物が、前記に規定される少なくとも1
種の化合物(III)との重縮合および/または重付加反応に使用される。
第一段階において、無水マレイン酸環が、化合物(II)の−NH2、−NH−
、またはOH官能基の少なくともいくつかによって開環され、−NH2官能基で
の開環は、マレアミド酸官能基(f'):
に導く。使用される化合物(II)の種類に依存して、該化合物(II)によって1
つまたはそれ以上の無水マレイン酸の環を開くことができる。(II)の−COO
Hまたは−COOR3または−OCOR3官能基は、存在する場合には、遊離した
状態で残存する。
この第一段階は一般に、0〜80℃、特に0〜20℃の温度において、1〜1
0時間、特に1〜3時間の時間で、アセトン、エタノール、クロロホルム、ジク
ロロメタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、メチルエチ
ルケトン、および酢酸エチルのような極性溶媒中で行われる。
・ 同じ溶媒が使用される場合以外は、第二段階(部分環化)を開始する前に、
第一段階の極性溶媒が一般に蒸発によって除去され、好都合なことに、この極性
溶媒を再循環させることができる。該環化は、硝酸、塩化、臭化、硫酸および酢
酸マグネシウム、硝酸、塩化、臭化および酢酸リチウム、硝酸、塩化および酢酸
マンガン(II)、硝酸、塩化、臭化、硫酸および酢酸コバルト(II)、ならびに
マレアミド酸の亜鉛塩のような金属塩から一般に選択される少なくとも1種の環
化触媒の存在下に行うのが好都合である。
第二段階が環状無水物((III)および/または過剰の(I))の存在下に行わ
れる場合、反応は一般に、40〜160℃、特に80〜120℃の温度において
、0.5〜10時間、特に1〜6時間の時間で、トルエンおよびキシレンのよう
な非プロトン溶剤中で行われる。反応を溶媒の不在下に行うこともでき、過剰無
水物が溶媒として作用すると考えることができる。
第二段階が無水物の不在下に行われる場合、反応は一般に、40〜160℃、
特に80〜110℃の温度において、0.5〜10時間、特に3〜7時間の時間
で、第一段階で得られるアミド酸の溶媒中で行われる。エタノールおよびメタノ
ールを挙げることができる。
次に、この段階で使用される溶媒を一般に蒸発させ、好都合なことに循環させ
ることができる。
・ 第三段階の重縮合および/または重付加反応は、当業者に既知の通常の反応
である:
− 少なくとも1種のポリオールまたはエポキシ、および適切であれば、少な
くとも1種の多酸または無水物との重縮合の場合は、この段階を、150〜25
0℃の温度において、適切であれば、テトラブチルチタネート、テトラブチルジ
ルコネート、ナフテン酸ジルコニウム、蓚酸錫および酢酸ナトリウムの混合物、
塩化第一錫、塩化第二錫、ジブチル錫オキシド、トリブチル錫ヒドロキシド、お
よびブチル錫酸のような、少なくとも1種のエステル化触媒の存在において、お
よび、適切であれば、ヒドロキノンおよびその誘導体、例えば、ヒドロキノンモ
ノメチルエーテル、トリメチルヒドロキノン、キノンおよびその誘導体、例えば
、トルヒドロキノン、t−ブチルモノヒドロキノン、パラ−t−ブチルカテコー
ル、フェノチアジン、N,N−ジアルキルヒドロキシアミン、ニトロベンゼン、
ジ−t−ブチルカテコール、p−フェノールアニリン、ジ(2−エチルヘキシル
)オクチルフェニルホスフィット、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシト
ルエン、ナフテン酸銅、メチレンブルーおよびそれらの混合物のような、少なく
とも1種のラジカル重合阻害剤の存在下に、行うことができる。触媒または触媒
混合物は通常、反応混合物の重量の約0.01〜0.2%の割合で存在し、阻害剤
または阻害剤混合物は通常、反応混合物の重量の約0.01〜0.2%の割合で存
在する。反応は一般に、大気圧において開始され、適切であれば、減圧下に停止
される。
− ポリイソシアネート、および適切であれば、少なくとも1種の多酸および/
または1種のポリオールおよび/または1種のエポキシとの反応の場合、ポリオー
ルも存在していれば無水物が存在することができ、この第三段階は、20〜20
0℃の温度において行うことができ、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミ
ン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、シアン化カリウムまたはシ
アン化ナトリウムのような触媒の存在下に、多酸とポリイソシアネートとの付加
反応を行うことができ、および、トリエチルアミン、ナフテン酸コバルト、塩化
第一錫、塩化第二錫、トリブチル錫ヒドロキシド、ジブチル錫オキシド、ジブチ
ル錫ジラウレート、またはテトラブチル錫のような触媒の存在下に、ポリオー
ルとポリイソシアネートとの付加反応を行うことができる。
第二段階が無水物((III)または過剰の(I))の存在下に行われる場合は、
第三段階において、ポリイソシアネートおよび/またはポリオールを、随意に多
酸(III)と共に付加することができ;第二段階が、無水物の不在下に行われる
場合は、第三段階において、ポリイソシアネートのみ、またはポリイソシアネー
トおよびポリオールおよび/または多酸を付加することができる。
エステル化(酸+アルコール)反応および付加反応が存在する場合、初めにエ
ステル化反応が150〜250℃において行われ、次に、付加反応(イソシアネ
ート+アルコールまたは酸)が150℃未満の温度において行われる。
さらに、予備段階において、無水物(I)の二重結合:
を、フラン、フラン誘導体、シクロペンタジエンまたはシクロペンタジエン誘導
体(フランおよびシクロペンタジエンが好ましい)から選択される保護剤との反
応によって、保護することができ、脱保護は、熱の影響下に第二段階から行うこ
とができる。
従って、この実施態様の方法は、各段階後に反応生成物の単離を必要としない
、ワンポット(one-pot)法であり、適切な場合にただ1つ行われる処置は、第
一および第二段階後の溶媒の蒸発である。
本発明の方法の第二の実施態様によれば、
− 第一段階において、化合物(I)が化合物(II)に対して化学量論的に過
剰であるようにして、少なくとも1種の無水マレイン酸(I)を、極性溶媒中で
、20〜150℃、特に80〜130℃の温度において、少なくとも1種の化合
物(II)と反応させて、−COOHまたは
によって官能化されたN置換マレイミド、無水物(I)の開環による生成物また
は無水物(I)に対応する二酸、を含んで成る部分環化生成物を、適切であれば
過剰無水物(I)との混合物として、形成し;および
− 第二段階において、該部分環化生成物を、前記に規定される少なくとも1
種の化合物(III)との重縮合および/または重付加反応に使用する。
本発明の方法の第三の実施態様によると、少なくとも1種の化合物(I)、少
なくとも1種の化合物(II)、ならびにポリオール、エポキシ化合物およびポリ
アミンから選択される少なくとも1種の化合物(III)、ならびに随意に多酸およ
び環状無水物を、化合物(II)に対して化合物(I)の化学量論的過剰において
、溶媒の不在下に、段階的または直接的または漸進的に到達される180℃〜2
00℃の温度において反応させ、適切であれば縮合の水を除去し、次に、適切で
あれば混合物を160℃未満の温度にし、少なくとも1種のポリイソシアネート
(III)を添加し、アルコール/イソシアネート反応をこの温度において行う。
本発明の方法の第四の実施態様によると、少なくとも1種の化合物(I)、お
よび少なくとも1種の化合物(II)を、化合物(II)に対して化合物(I)の化
学量論的過剰において、溶媒の不在下に、20〜150℃の温度において、1〜
3時間で反応させ、次に、ポリオール、エポキシ化合物およびポリアミンから選
択される少なくとも1種の化合物(III)、ならびに随意に多酸および環状無水物
を添加し、反応混合物を段階的または直接的または漸進的に到達される180℃
〜200℃の温度にし、適切であれば縮合の水を除去し、次に、適切であれば混
合物を160℃未満の温度にし、少なくとも1種のポリイソシアネート(III)を
添加し、アルコール/イソシアネート反応をこの温度において行う。
本発明の方法の第五の実施態様によると、少なくとも1種の化合物(I)、少
なくとも1種の化合物(II)、および化合物(III)としての、少なくとも1種の
ポリイソシアネートおよび少なくとも1種の多酸、ならびに随意に、ポリオール
、エポキシ化合物およびポリアミンから選択される少なくとも1種を、溶媒の不
在下に、化合物(II)に対して化合物(I)の化学量論的過剰において、160
℃未満の温度において、反応させる。
これらの第二〜第五の実施態様の方法も、ワンポット型である。
適切であれば追加段階を実施して、当業者に既知の条件下で、一般に110〜
150℃程度の温度においてモノエポキシ化合物を添加して、該モノエポキシ化
合物をプレポリマーの残留カルボキシル基と反応させることによって、ある種の
プレポリマーの酸価を例えば5mg KOH/g未満に減少させる。
本発明の組成物は、式:
[式中:
− RaおよびRbは、脂肪族、芳香族、または混合脂肪族−芳香族構造の、一
価または四価炭化水素に基づく基であり:
− n、pは1〜4であり;
− Dは、アルキレン、アリーレン(arylene)、アルキルアリーレン(alkyl
arylene)、またはアリールアルキレン残基であり;および、
− Eは、エステル(COOまたはOCO)結合、またはウレタン結合
である。]
で示されるN置換マレイミドから選択される少なくとも1種の化合物(A')をも
随意に含んで成ることができる。
n=1、およびRa=特にC1〜C12のアルキル、特にC6〜C12のアリール、
アリールアルキル、またはアルキルアリールの、これらのマレイミドの例は、N
−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド
、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−オクチルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、およびN
−フェニルマレイミドである。
本発明の組成物の一部を構成する化合物(B)は、下記のものから選択するの
が好都合である:
− 式(V):
[式中:
− R5、R6およびR7はそれぞれ、水素または脂肪族基、好ましくは、メ
チル、エチルまたはプロピルのようなC1〜C12アルキル基であり;
− R8は、例えばOHによって随意に置換されていてもよい脂肪族残基ま
たは芳香族残基である。]
で示される化合物;
− 式(VI)[式中:
− R9、R10およびR11はそれぞれ、水素または脂肪族基、好ましくは、
メチル、エチルまたはプロピルのようなC1〜C12アルキル基であり;
− R12は、有機ポリオールのn価の残基であり;
− nは、2〜6の整数である。]
で示される化合物;
− N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、N
−ビニルカルバゾール、N−ビニルカプロラクタム、パラ−メトキシスチレン、
イソオイゲノール、4−プロペニルアニソール、モノブチル 4−ビニルブトキ
シカーボネート、モノブチル4−プロペニルブトキシカーボネート、ならびにN
−ビニルホルムアミドおよびその誘導体;
から選択するのが好都合である。
式(V)の好ましい化合物として、一官能価ビニルエーテル、特に、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニ
ルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、またはドデシルビニルエーテルを例示することができる。
式(VI)の好ましい化合物として、多官能価のビニルエーテル、特に、ジ−
、トリ−、またはテトラ官能価有機ジオール、アセチレン、および塩基性触媒か
ら、高温において既知の方法によって得られるものを例示することができる。特
に、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビ
ニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、クロロヘキ
サンジメタノールジビニルエーテル、ビス(4−ビニルオキシブチル)スクシネ
ート、ビス(4−ビニルオキシメチルシクロヘキシルメチル)グルタレート、1
,3−ベンゼンジカルボン酸、およびビス[4−(エテニルオキシ)ブチル]エ
ステルを例示することができる。
富電子化合物(B)中の二重結合の数/貧電子化合物(A)、および適切な場
合は(A')中の二重結合の数の比は一般に、1:5〜5:1、好ましくは0.8
:1〜1:0.8である。
前記のように、本発明の化合物(A)の選択は、従来の光開始剤および光増感
剤の使用を完全に不要にすることができる。
しかし、ある種の用途においては、光開始剤および光増感剤を使用することが
考えられるが、この場合、これらの物質の濃度は、一般に使用される濃度より低
い。
光開始剤の例として、下記のものが挙げられる:
− α−ジケトン、例えば、ベンジルおよびジアセチル;
− アシロイン、例えば、ベンゾイン;
− アシロインエーテル、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、およびベンゾインイソブチル
エーテル;
− チオキサントン、例えば、チキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、チオキサントン−1−スルホン酸、イソプロプルチオキサントン−4−スル
ホン酸、イソプロピルチオキサントン、および2−クロロチオキサントン;
− ベンゾフェノン、例えば、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミ
ノ)ベンンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,
4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、またはMischlerケトン;
− プロピオフェノン、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン、または4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン
;
− アセトフェノン、例えば、アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフ
ェノン、α,α'−ジメトキシアセトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−[4−
(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、4'−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン、2
−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル
)−1−ブタノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、または
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン;
− キノン、例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−クロ
ロアントラキノン、または1,4−ナフトキノン;
− α−ヒドロキシアリールケトン、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン;
− ハロゲン化化合物、例えば、塩化フェナシル、トリブロモメチルフェニル
スルホン、またはトリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;
− ペルオキシド、例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド;および
− 他の化合物、例えば、ベンジルジメチルアセタール、イソアミルN,N−
ジメチルアミノベンゾエート、エチルN,N−ジメチルアミノベンゾエート、ベ
ンゾインベンゾエート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン
、α−アシルオキシムエステル。
これらの化合物は、個々に光開始剤として、またはそれらのうちの少なくとも
2つの混合物の形態において光開始系として使用することができる。さらに、少
なくとも1種の光活性剤を、光開始剤または光開始剤系との組み合わせにおいて
使用することもできる。
本発明の組成物は、モノマーまたはオリゴマー反応性稀釈剤、非反応性溶剤ま
たは稀釈剤、および顔料のような一般的添加剤から選択される少なくとも1種を
も含んで成ることができる。
モノマーまたはオリゴマー反応性稀釈剤として、ビニルモノマー、例えば、ビ
ニルアセテート、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン;アクリルおよ
びメタクリルエステル、例えば、メチル(メト)アクリレート、エチル(メト)
アクリレート、イソプロピル(メト)アクリレート、n−ブチル(メト)アクリ
レート、イソブチル(メト)アクリレート、2−エチルヘキシル(メト)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、グリシジル(メト)アク
リレート、エチレングリコールジ(メト)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メト)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メト)アクリレート、
グリセリルジ(メト)アクリレート、グリセリルトリ(メト)アクリレート、1
,3−プロピレングリコールジ(メト)アクリレート、ジプロピレングリコール
ジ(メト)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メト)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メト)アクリレート、1,2,4−ブタントリオール
トリ(メト)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メト)アクリレート
、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メト)アクリレート、1,4−ベンゼンジ
オールジ(メト)アクリレート、ペンタエリトリチルテトラ(メト)アクリレー
ト、1,5−ペンタンジオールジ(メト)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンジ(メト)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メト)アクリレート
、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ
プロピオネート、イソボルニル(メト)アクリレート、およびテトラヒドロフル
フリル(メト)アクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテルのような
芳香族グリシジルエーテル、およびブタンジオールジグリシジルエーテルのよう
な脂肪族グリシジルエーテルから誘導される(メト)アクリレート、これらの特
定の例は、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジ(メト)アクリレー
ト、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メト)アクリレート、およびネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メト)アクリレートを含む;な
らびに、アクリルまたはメタクリルアミド、例えば、(メト)アクリルアミド、
ジアセトン(メト)アクリルアミド、N−(β−ヒドロキシエチル)(メト)ア
クリルアミド、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)(メト)アクリルアミド
、メ
チレンビス(メト)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メト)アク
リルアミド、ジエチレントリアミントリス(メト)アクリルアミド、ビス(γ−
(メト)アクリルアミドプロポキシ)エタン、およびβ−(メト)アクリルアミ
ドエチルアクリレート;を挙げることができる。
非反応性溶剤または稀釈剤として、エチルアセテート、ブチルアセテート、メ
トキシプロパノール、イソプロパノール、メチルエチルケトンまたはアセトンを
挙げることができる。
顔料は特に、フタロシアニンブルー、および二酸化チタンである。
組成物は、水中エマルジョンまたは水中分散液の形態にすることもできる。
所望される場合は、本発明の組成物が安定化される。標準量において使用され
、特に、フェノール系阻害剤、キノン、フェノンチアジンおよびその誘導体、ニ
トロキシル基を有する化合物、立体障害アミン、ニトロ芳香族化合物、ニトロソ
またはN−ニトロソ官能基を有する化合物、ホスファイト、およびチオエーテル
から選択される1種またはそれ以上のラジカル重合阻害剤を使用して、製剤の安
定化が行われる。フェノール系阻害剤の例として、特に、ヒドロキノン、ヒドロ
キノンモノメチルエーテル、オルト−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−パラ−ニトロソフェノール、パラ
−クレゾール、2,6−ジ−t−ビチル−パラークレゾール、および2,6−ジ−
t−ブチル−パラ−メトキシフェノールを挙げることができる。
本発明は、前記のような紫外線または可視光線によって重合および/または架
橋することができる組成物のフィルムを、基材に適用し、および該フィルムを紫
外線または可視光線に曝露することによって該組成物を硬化させることを含んで
成る被覆方法にも関する。特に、該組成物の硬化は、非粘着状態になるまで行わ
れる。
本発明の被覆組成物は、非常に広範囲の基材(木材、紙、アグリゲートボード
(aggregate boards)、パーティクルボード、金属、プライマーで被覆された金
属、ガラス、プラスチック、金属化プラスチック)に適用することができる。組
成物のフィルムの、基材への適用は、浸漬、吹き付け、ローラーによる被覆、カ
ーテンマシーン等によって行うことができる。
被覆組成物が紫外線によって硬化される場合に、180〜400nmの波長を有
する紫外線を放射するどのような適切な源でも使用することができ、例えば、水
銀アーク、炭素アーク、低圧または中圧または高圧水銀灯、回転流プラズマアー
ク、および紫外線下で電気発光性のダイオードを使用することができる。これら
の長管灯の電力は、管長1cmにつき、約80〜240ワットである。一般に、組
成物の薄フィルムで被覆される基材は、1つまたはそれ以上の前記灯の下を、1
〜300m/分の速度で、移動される。
光硬化促進剤を使用せずにこの重合を行うのに好適な灯は、例えば、Fusion社
によって市販されている、F300 Bulb DまたはH、F450 Bulb D、F600 Bulb Dまた
はHまたはExcimerである。
本発明は、前記組成物を架橋することによって得られる重合および/または架
橋組成物、ならびに、前記のような、紫外線または可視光線によって重合および
/または架橋させることができる組成物を硬化することによって得られる硬化フ
ィルムで被覆された基材にも関する。
下記実施例は、本発明を例示するものであり、本発明の範囲を限定するもので
はない。合成例1
イソプロパノールアミン1molを、5℃に冷却したアセトン(200ml)中の
無水マレイン酸(1mol)の溶液に、ゆっくり加える。混合物を室温で2時間で
攪拌後、アセトンを蒸発によって除去する。次に、トルエン600mlおよび無水
マレイン酸4molを加える。混合物を4時間で還流温度(110℃)にし、次に
、トルエンを蒸発によって除去する。プロピレングリコール14.7g、ヒドロ
キノン200ppm)およびナフテン酸銅15ppmを、得られる混合物30gに加え
る。縮合の水を除去しながら、混合物を初めに160℃において、次に200℃
において加熱し、反応を減圧下に終了させる。60mg KOH/gの酸価が得られたと
きに、反応を停止させる。GC(ポリスチレン標準)によって測定される、得ら
れるプレポリマーの数平均分子量は1875である。プレポリマーは、樹脂1kg
につき、0.36molのマレイミド官能基を有する。合成例2
イソプロパノールアミン15gを、5℃に冷却したアセトン(30ml)中の無
水マレイン酸(19.6g)の溶液に、ゆっくり加える。混合物を室温で2時間
で攪拌後、アセトンを蒸発によって除去する。次に、トルエン100ml、無水マ
レイン酸78.4g、および塩化亜鉛0.7gを加える。混合物を3時間で還流し
、次にトルエンを蒸発によって除去する。プロピレングリコール32.2g、ナ
フテン酸銅15ppm、およびヒドロキノン200ppmを、得られる混合物60gに
加える。縮合の水を除去しながら、混合物を180〜200℃で加熱し、反応を
減圧下に終了させる。49mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる
。GC(ポリスチレン標準)によって測定される、得られるプレポリマーの数平
均分子量は1249である。プレポリマーは、樹脂1kgにつき、0.54molのマ
レイミド官能基を有する。合成例3
イソプロパノールアミン37.5gを、5℃に冷却したアセトン(75ml)中
の無水マレイン酸(49g)の溶液に、ゆっくり加える。混合物を室温で2時間
で攪拌後、アセトンを蒸発によって除去する。次に、トルエン250ml、無水マ
レイン酸196g、および酢酸ナトリウム8.2gを加える。混合物を4時間で
還流し、次にトルエンを蒸発によって除去する。プロピレングリコール32.3
g、ナフテン酸銅15ppm、およびヒドロキノン200ppmを、得られる混合物7
0gに加える。縮合の水を除去しながら、混合物を180〜200℃で加熱し、
反応を減圧下に終了させる。49mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止
させる。GC(ポリスチレン標準)によって測定される、得られるプレポリマー
の数平均分子量は1382である。合成例4
フラン1molを、アセトン200ml中の無水マレイン酸(1mol)の5℃の溶液
にゆっくり加え、次に、混合物を室温で12時間で攪拌する。次に、アセトンを
加えて、付加物を充分に溶解させる。イソプロパノールアミン1molを、5℃に
冷却した溶液にゆっくり加える。混合物を室温で2時間で攪拌後、アセトンを蒸
発によって除去する。次に、トルエン600mlおよび無水マレイン酸4molを加
える。混合物を4時間で還流し、次に、溶媒を蒸発によって除去する。プロピレ
ングリコール15.2g、ヒドロキノン200ppm、およびナフテン酸銅15ppm
を、得られる混合物30gに加える。縮合の水を除去しながら、混合物を、初め
に160℃において、次に200℃において加熱し、反応を減圧下に終了させる
。40mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポリスチレ
ン標準)によって測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は1951
である。合成例5
最初の2段階に関しては、合成例1と同様に合成を行う。ジエチレングリコー
ル84.6g、ナフテン酸銅15ppm、およびヒドロキノン200ppmを、トルエ
ンの蒸発後に得られる混合物110gに加える。次に、縮合の水を除去しながら
、混合物を180〜200℃で加熱し、反応を減圧下に終了させる。38mg KOH
/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポリスチレン標準)によ
って測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は1362である。合成例6
エタノールアミン0.3molを、トルエン170ml中の無水マレイン酸(0.6m
ol)の溶液に加える。溶液を80℃で2時間で加熱する。次に、トルエン300
mlおよび無水マレイン酸0.9molを加える。混合物を4時間で還流し、溶媒を蒸
発によって除去する。ポリエチレングリコール1mol、ヒドロキノン200ppm、
およびナフテン酸銅15ppmを加える。縮合の水を除去しながら、混合物を、1
60℃において、次に200℃において加熱し、反応を減圧下に終了させる。4
4mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポリスチレン標
準)によって測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は1248であ
る。合成例7
無水マレイン酸1.4molを、60℃においてクロロホルム300mlに溶解する
。加熱を停止し、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン(0.7mol)を
滴下し、添加終了後、混合物を室温で3時間で攪拌する。次に、溶媒を蒸発によ
って除去する。無水マレイン酸0.21molおよびトルエン50mlを、得られる反
応生成物0.07molに加え、混合物を4時間で還流し、次に溶媒を蒸発によって
除
去する。プロプレングリコール15.4g、ヒドロキノン200ppm、およびナフ
テン酸銅15ppmを、得られる混合物35gに加える。縮合の水を除去しながら
、混合物を160℃において、次に200℃において加熱し、反応を減圧下に終
了させる。58mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポ
リスチレン標準)によって測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は
1308である。プレポリマーは、樹脂1kgにつき、マレイミド官能基1.2
0molを有する。合成例8
THFに溶解した無水マレイン酸98gを、THF150ml中のバリン117
.1gの溶液に、60℃でゆっくり加える。60℃で7時間で攪拌後、溶媒を蒸
発によって除去する。無水マレイン酸27.7gおよびトルエン150mlを、得
られる混合物20.3gに加え、混合物を4時間で還流し、次に、溶媒を蒸発に
よって除去する。プロピレングリコール25.6g、ナフテン酸銅15ppm、およ
びヒドロキノン200ppmを、得られる混合物44.0gに加える。縮合の水を除
去しながら、混合物を180〜200℃で加熱し、反応を減圧下に終了させる。
36mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポリスチレン
標準)によって測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は1438で
ある。合成例9
初めの2段階に関しては、合成例1と同様に合成を行う。プロピレングリコー
ル75g、ジエチレングリコール104.7g、ヒドロキノン200ppm、および
ナフテン酸銅15ppmを、トルエンの蒸発後に得られる混合物300gに加える
。次に、縮合の水を除去しながら、混合物を180℃において、次に200℃に
おいて加熱し、反応を減圧下に終了させる。45mg KOH/gの酸価が得られたとき
に、反応を停止させる。GC(ポリスチレン標準)によって測定される、得られ
るプレポリマーの数平均分子量は2689である。合成例10
イソプロパノールアミン0.26molを、5℃に冷却したアセトン(50ml)中
の無水マレイン酸(0.26mol)の溶液に、ゆっくり加える。混合物を室温で2
時間で攪拌後、アセトンを蒸発によって除去する。トルエン150mlおよび無水
琥珀酸1.04molを加える。混合物を4時間で還流し、次にトルエンを蒸発によ
って除去する。プロピレングリコール0.82mol、ヒドロキノン200ppm、お
よびナフテン酸銅15ppmを加える。縮合の水を除去しながら、混合物を160
℃において、次に200℃において加熱し、反応を減圧下に終了させる。60mg
KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポリスチレン標準)
によって測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は1166である。合成例11
イソプロパノールアミン0.5molを、5℃に冷却したアセトン100ml中の無
水マレイン酸(0.5mol)の溶液に、ゆっくり加える。混合物を室温で2時間で
攪拌後、アセトンを蒸発によって除去する。次に、エタノールを加え、混合物を
4時間で還流し、エタノールを蒸発によって除去する。無水マレイン酸15.7
g、プロピレングリコール12.8g、ナフテン酸銅15ppm、およびヒドロキノ
ン200ppmを、得られる生成物66gに加える。縮合の水を除去しながら、混
合物を180〜200℃で加熱し、反応を減圧下に終了させる。40mg KOH/gの
酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポリスチレン標準)によって
測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は1451である。合成例12
イソプロパノールアミン2.82gを、無水マレイン酸18.4gに、65℃で
ゆっくり加え、次に、混合物を2時間で100℃にする。次に、プロピレングリ
コール11g、ナフテン酸銅15ppm、およびヒドロキノン200ppmを加え、縮
合の水を除去しながら、混合物を180〜200℃で加熱し、反応を減圧下に終
了させる。48mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポ
リスチレン標準)によって測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は
1857である。合成例13
イソプロパノールアミン5.63gを、無水マレイン酸36.75gに、65℃
でゆっくり加える。混合物を1時間で80℃、1時間で100℃、および2時間
で120℃にする。次に、プロピレングリコール20.8g、ナフテン酸銅15p
pm、およびヒドロキノン200ppmを加え、縮合の水を除去しながら、混合物を
180〜200℃で加熱し、反応を減圧下に終了させる。58mg KOH/gの酸価が
得られたときに、反応を停止させる。GC(ポリスチレン標準)によって測定さ
れる、得られるプレポリマーの数平均分子量は1313である。プレポリマーは
、樹脂1kgにつき、マレイミド官能基0.49molを有する。合成例14
ナフテン酸銅15ppm、ヒドロキノン200ppm、次に、イソプロパノールアミ
ン3.75gを、無水マレイン酸24.5gに、65℃でゆっくり加える。混合物
を、30分間で80℃、1時間で100℃、次に1時間で120℃にする。次に
、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール30.7gを加え、縮合の
水を除去しながら、混合物を180〜200℃で加熱し、反応を減圧下に終了さ
せる。38mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(ポリス
チレン標準)によって測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量は15
55である。合成例15
イソプロパノールアミン15gを、無水マレイン酸98gに、60℃でゆっく
り加える。添加終了後、混合物を120℃で2時間で加熱する。プロピレングリ
コール37g、ナフテン酸銅15ppm、およびヒドロキノン200ppmを、得られ
る混合物60.5gに加える。縮合の水を除去しながら、混合物を180℃で加
熱し、反応を減圧下に終了させる。12mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応
を停止させる。フェニルグリシジルエーテル1.36g、およびベンジルトリエ
チルアンモニウムクロリド25mgを、得られるポリマー23.7gに加え、1
15℃にする。130℃で2時間で攪拌後、プレポリマーは1.5mg KOH/gの酸
価を示す。合成例16
アリルグリシジルエーテル1.55gを、105℃で、合成例15において製
造されるプレポリマー(12mg KOH/gの酸価を示す)31.3gに加える。温度
を、2時間45分で105℃から140℃に徐々に上昇させる。得られるプレポ
リマーは、2mg KOH/gの酸価を有する。合成例17
イソプロパノールアミン3.75gを、60℃で、ナフテン酸銅15ppmおよび
ヒドロキノン200ppmを含んで成る無水マレイン酸(24.5g)およびプロピ
レングリコール(14.6g)の混合物に加える。次に、縮合の水を除去しなが
ら、混合物を160℃において、次に200℃において加熱し、反応を減圧下に
終了させる。45mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。GC(
ポリスチレン標準)によって測定される、得られるプレポリマーの数平均分子量
は1319である。プレポリマーは、樹脂1kgにつき、0.48molのマレイミ
ド官能基を有する。合成例18
イソプロパノールアミン15gを、無水マレイン酸98gに60℃でゆっくり
加える。混合物を、30分間で80℃、30分間で100℃、次に1時間で12
0℃に加熱する。プロピレングリコール108.3g、ナフテン酸銅15ppm、お
よびヒドロキノン200ppmを、得られる混合物111gに加える。縮合の水を
除去しながら、混合物を180〜200℃で加熱し、反応を減圧下に終了させる
。24mg KOH/gの酸価が得られたときに、反応を停止させる。トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート3.5gを、得られる混合物30gに加え、混合物を
70℃で2時間で加熱する。160mg KOH/gのヒドロキシル価が得られたときに
、反応を停止させる。GC(ポリスチレン標準)によって測定される、得られる
プレポリマーの数平均分子量は1534である。合成例19
エタノールアミン4.58gを、無水マレイン酸36.7gに、60℃でゆっく
り加える。添加終了後、混合物を120℃で2時間で加熱する。次に、エチレン
グリコール24.88g、ヒドロキノン200ppm、および錫を基剤とするエステ
ル化触媒100ppmを加える。縮合の水を除去しながら、混合物を180℃で加
熱し、反応を減圧下に終了させる。2mg KOG/gの酸価が得られたときに、反応を
停止させる。残留カルボン酸官能基につき1.5当量の一官能化エポキシ化合物
、およびエポキシ/カルボン酸反応の触媒を、得られるプレポリマー100gに
加
え、140℃にする。140℃で30分後、0.5mg KOH/g未満の酸価、および
1100の数平均分子量(GCによって測定、ポリスチレン標準)を有するプレ
ポリマーを得る。プレポリマーは、樹脂1kgにつき、0.46molのマレイミド官
能基を有して成る。合成例20
イソプロパノールアミン1molを、5℃に冷却したアセトン中の無水マレイン
酸(1mol)の溶液に、ゆっくり加える。混合物を室温で2時間で攪拌後、アセ
トンを蒸発によって除去する。次に、トルエン600mlおよび無水マレイン酸4
molを加える。混合物を4時間で還流し、トルエンを蒸発によって除去する。ポ
リオキシプロピレンジアミン40.2g、キシレン20mlおよびヒドロキノン3
00ppmを、得られる混合物25gに加え、縮合の水を除去しながら混合物を1
80℃に加熱し、反応を減圧下に終了させる。69mg KOH/gの酸価が得られたと
きに、反応を停止させる。GPC(ポリスチレン標準)によって測定される、得
られるプレポリマーの数平均分子量は1063である。
合成例1〜20の全てにおいて、13C NMRがマレイミド基の存在を示した
。
下記の全適用例において、特に記載のない限り、製剤を「Kハンドコーター」
を用いてガラスに適用して、厚さ12μmのフィルムを得る。硬化が紫外線によ
って行われる場合、特に記載のない限り、使用される灯は、Fusion社によって市
販されている、電力定格120W/cmを有するF450灯(H-bulb)である。硬度は、
24時間後、室温において測定される。適用例1
:
ブタンジオールエーテル(BDVE)32.95gを、合成例1において得ら
れるプレポリマー67.05gに加える。鉛筆硬度Hを有するフィルムが、54
m/分において灯下を1回通過した後に得られる。35m/分における4回の通過
は、3Hの硬度に導く。適用例2
:
トリエチレングリコールジビニルエーテル(Rapicure(登録商標)DVE-3,ISP
)41.2gを、合成例1において得られるプレポリマー58.8gに加える。4
Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、35m/分において灯下を4回通過後
に得られる。適用例3
:
BDVE29.7gおよびトリメチロールプロパントリアクリレート(SR3
51)を、合成例1において得られるプレポリマー60.3gに加える。3Hの
鉛筆硬度を有するフィルムが、35m/分において灯下を2回通過後に得られる
。適用例4
:
BDVE32.95gを、合成例4において得られるプレポリマー67.05g
に加える。3Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、35m/分において灯下を2回
通過後に得られる。35m/分における4回の通過は、5Hの硬度に導く。適用例5
:
BDVE32.7gを、合成例6において得られるプレポリマー67.3gに加
える。2Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、100m/分において灯下を2回通
過後に得られる。54m/分における2回の通過は、3Hの硬度に導く。適用例6
:
BDVE32.9gおよびN−フェニルマレイミド20gを、合成例6におい
て得られるプレポリマー62.1gに加える。3Hの鉛筆硬度を有するフィルム
が、35m/分において灯下を1回通過後に得られる。適用例7
:
BDVE31.9gを、合成例7において得られるプレポリマー68.1gに加
える。>7Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下を2回通
過後に得られる。適用例8
:
BDVE31gを、合成例9において得られるプレポリマー69gに加える。
3Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、35m/分において灯下を1回通過後に得
られる。適用例9
:
39gのDVE−3を、合成例9において得られるプレポリマー61gに加え
る。HBの鉛筆硬度を有するフィルムが、35m/分において灯下を4回通過後
に得られる。適用例10
:
BDVE15.3gおよびトリメチロールプロパントリアクリレート(SR3
51)を、合成例17において得られるプレポリマー59.7gに加える。5B
の鉛筆硬度を有するフィルムが、10m/分において灯下を7回通過後に得られ
る。適用例11
:
BDVE30.5gを、合成例15において得られるプレポリマー69.5gに
加える。Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下を1回通過
後に得られる。適用例12
:
BDVE32.7gを、合成例11において得られるプレポリマー67.3gに
加える。3Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下を2回通
過後に得られる。適用例13
:
BDVE24.2gを、合成例17において得られるプレポリマー75.8gに
加える。4Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下を4回通
過後に得られる。適用例14
:
33gのBDVE、0.5gのDarocure(登録商標)1173、および0.5gのI
rgacure(登録商標)186を、合成例1において得られるプレポリマー67gに加
える。4Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下を1回通過
後に得られる。適用例15
:
32.7gのBDVE、および0.1gのDarocure(登録商標)1173を、合成
例6において得られるプレポリマー67.3gに加える。4Hの鉛筆硬度を有す
るフィルムが、54m/分において灯下を2回通過後に得られる。適用例16
:
32.7gのBDVE、および1.0gのDarocure(登録商標)1173を、合成例
6において得られるプレポリマー67.3gに加える。3Hの鉛筆硬度を有する
フィルムが、100m/分において灯下を1回通過後に得られる。適用例17
:
30gのヘキサンジオールジアクリレート(SR238)、および0.5gのD
arocure(登録商標)1173を、合成例6において得られるプレポリマー70gに
加える。HBの鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下を3回通
過後に得られる。適用例18
:
31gのBDVE、0.5gのDarocure(登録商標)1173、および0.5gのIr
gacure(登録商標)184(Ciba-Geigy)を、合成例9において得られるプレポリ
マー69gに加える。4Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、100m/分におい
て灯下を2回通過後に得られる。適用例19
:
31gのBDVE、1gのDarocure(登録商標)1173(Ciba-Geigy)を、合成
例9において得られるプレポリマー69gに加える。Hの鉛筆硬度を有するフィ
ルムが、100m/分において灯下を2回通過後に得られる。適用例20
:
29.8gのBDVE、1gのDarocure(登録商標)1173、4gのベンゾフェ
ノン、および1gのアクリルアミン(CN 386)を、合成例9において得られるプ
レポリマー66.2gに加える。2Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、100m/
分において灯下を2回通過後に得られる。適用例21
:
15.3gのBDVE、25gのトリメチロールプロパントリアクリレート(S
R 351)、および2gのDarocure(登録商標)1173を、合成例17において得ら
れるプレポリマ−59.7gに加える。2Bの鉛筆硬度を有するフィルムが、1
0m/分において灯下を1回通過後に得られる。適用例22
:
トリエチレングリコールジビニルエーテル53.2g、およびDiarylide 13黄
色顔料9.5gを、合成例1において得られるプレポリマー37.3gに加える。
製剤を、「Kハンドコーター」バーを用いて、厚さ6μmのフィルムの形態にお
いて適用し、80W/cmの電力定格を有する中圧Hg/Xe灯を用いて、架橋を行
う。充分に架橋した乾燥フィルムが、30m/分において灯下を4回通過後に得
られる。適用例23
:
顔料としてフタロシアニンブルー(β型)を用いて、実施例22と同様の結果
が、得られる。比較適用例
:
無水マレイン酸24.5g、プロピレングリコール20.9g、ナフテン酸銅1
5ppm、およびヒドロキノン200ppmを含有する混合物を、200℃において、
気圧下、次に減圧下(200mbar)でエステル化することによって得られる不飽
和ポリエステル樹脂を用いて、下記の5つの比較例を行った。得られる樹脂は、
45mg KOH/gの酸価、およびGPC(ポリスチレン標準)によって測定される数
平均分子量1913を有する。比較適用例1
:
BDVE31gを、前記で得られるポリエステル樹脂69gに加える。4Hの
鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下を9回通過後に得られる
。比較適用例2
:
BDVE31.5gおよびN−フェニルマレイミド10.4gを、前記で得られ
るポリエステル樹脂58.1gに加える。Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、1
00m/分において灯下を10回通過後に得られる。54m/分における6回の通
過は、Hの硬度に導く。比較適用例3
:
BDVE30.6gおよびN−シクロヘキシルマレイミド12.9gを、前記で
得られるポリエステル樹脂56.5gに加える。3Hの鉛筆硬度を有するフィル
ムが、100m/分において灯下を6回通過後に得られる。比較適用例4
:
BDVE31g、および0.1gのDarocure(登録商標)1173を、前記で得ら
れるポリエステル樹脂69gに加える。3Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、5
4m/分において灯下を4回通過後に得られる。比較適用例5
:
BDVE31.5g、N−フェニルマレイミド10.4g、および1gのDarocu
re(登録商標)1173を、前記で得られるポリエステル樹脂58.1gに加える。
3Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、35m/分において灯下を5回通過後に得
られる。
無水マレイン酸50g、プロピレングリコール21.3g、ジエチレングリコ
ール29.7g、ナフテン酸銅15ppm、およびヒドロキノン200ppmを含有す
る混合物を、200℃において、気圧下、次に減圧下(200mbar)でエステル
化することによって得られる不飽和ポリエステル樹脂を用いて、下記の2つの比
較例を行った。得られる樹脂は、49mg KOH/gの酸価、およびGPC(ポリスチ
レン標準)によって測定される数平均分子量1070を有する。比較適用例6
:
BDVE28.3gを、前記で得られる樹脂71.7gに加える。35m/分に
おける8回の通過後に、<6Bの鉛筆硬度を有する粘着性フィルムが得られる。比較適用例7
:
35.9gのDVE−3を、前記で得られる樹脂64.1gに加える。35m/
分における11回の通過後に、<6Bの鉛筆硬度を有する粘着性フィルムが得ら
れる。
下記表Iは、本発明のいくつかの適用例、およびそれらに対応する比較適用例
において、非粘着性フィルムを得るための、最少紫外線照射線量(J/cm2)(EI
T社製の、Power Puck UVラジオメーターを使用して測定される)を示している。
適用例24:
32.1gのDVE−3を、合成例19において得られるプレポリマー67.9
gに加える。HBの鉛筆硬度を有するフィルムが、20m/分において灯下を4
回通過後に得られる。8m/分における5回の通過は、2Hの鉛筆硬度に導く。適用例25
:
32.1gのDVE−3、0.5gのDarocure(登録商標)1173、および0.5
gのIrgacure(登録商標)184を、合成例19において得られるプレポリマー6
7.9gに加える。4Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下
を2回通過後に得られる。
下記の4つの比較例8〜11は、その製造が下記に記載されるプレポリマーを
用いて行われた。
無水マレイン酸49g、エチレングリコール42.5g、ヒドロキノン200p
pm、および錫を基剤とするエステル化触媒1000ppmから成る混合物を、徐々
に200℃にする。縮合の水を、初めに気圧下に、次に減圧下に除去する。得ら
れる樹脂は、1mg KOH/gの酸価を有する。
残留カルボン酸官能基につき、1.5当量の一官能価エポキシ化合物およびエ
ポキシ/カルボン酸反応の触媒を、該樹脂61gに加える。140℃で30分後
、0.5mg KOH/g未満の酸価、および1000の数平均分子量(GPCによって
測定、ポリスチレン標準)を有するプレポリマーを得る。比較適用例8
:
37.6gのDVE−3を、前記で得られる比較プレポリマー62.4gに加え
る。2Bの鉛筆硬度を有する乾燥フィルムが、20m/分において灯下を15回
通過後に得られる。8m/分における5回の通過は、<7Bの鉛筆硬度に導く。比較適用例9
:
37.6gのDVE−3、0.5gのDarocure(登録商標)1173、および0.5
gのIrgacure(登録商標)184を、前記で得られる比較プレポリマー62.4gに
加える。4Hの鉛筆硬度を有するフィルムが、54m/分において灯下を4回通
過後に得られる。比較適用例10
:
38.3gのDVE−3、および7.4gのN−ヒドロキシエチルマレイミドを
、前記で得られる比較プレポリマー54.3gに加える。4Bの鉛筆硬度を有す
るフィルムが、20m/分において灯下を11回通過後に得られる。8m/分にお
ける5回の通過は、2Bの鉛筆硬度に導く。比較適用例11
:
38.3gのDVE−3、7.4gのN−ヒドロキシエチルマレイミド、0.5
gのDarocure(登録商標)1173、および0.5gのIrgacure(登録商標)184を、
前記で得られる比較プレポリマー54.3gに加える。4Hの鉛筆硬度を有する
フィルムが、54m/分において灯下を4回通過後に得られる。
追加の結果を、下記表II〜IVに示す。