JP2001510106A - バリヤー材料 - Google Patents

バリヤー材料

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JP2001510106A
JP2001510106A JP2000502939A JP2000502939A JP2001510106A JP 2001510106 A JP2001510106 A JP 2001510106A JP 2000502939 A JP2000502939 A JP 2000502939A JP 2000502939 A JP2000502939 A JP 2000502939A JP 2001510106 A JP2001510106 A JP 2001510106A
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bag
ethylene oxide
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ペターソン，アグネッタ
ユータス，ジャン
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Abstract

(57)【要約】 エチレンオキシドガスにより滅菌される物品(3; 103)、およびポリオレフィンを含む内層、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアミドを含む外層および酸化ケイ素を含む中間層を有するラミネートから形成された密封容器(6; 106)からなる、エチレンオキシドガスに暴露されるアセンブリ(10; 110)。上記ラミネートはエチレンオキシドガスを容器内に入れないように作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
（技術分野） 本発明は、エチレンオキシドガスに対するバリヤー材料に関する。
【０００１】 （背景技術） エチレンオキシドガスを医療用品の滅菌媒体として使用することは公知である
。適例として、エチレンオキシドを尿道カテーテルのようなカテーテルの滅菌の
ために使用することが挙げられる。これは典型的には、カテーテルを容器に収容
した後に達成され、たとえば、尿道カテーテルの場合には容器は透明な採尿バッ
グで、バッグは、尿道カテーテルを患者の尿道に通して、カテーテルによって膀
胱からドレインされた尿を採尿バッグに集めるのに適した形に作られている。採
尿バッグはカテーテルおよびバッグの内面の滅菌のためにエチレンオキシドを中
に入れるための通路を有する。この通路は典型的にはカテーテルをバッグ内に入
れるためのバッグの入り口である。
【０００２】 多くの尿道カテーテルには湿らせると摩擦が小さくなるような表面コーティン
グが施され、これによってカテーテルの尿道への挿入を容易にしている。このよ
うな親水性コーティングの非限定的な例は、出願人の欧州特許第0093093号およ び第0217771号に示されている。そこで、採尿バッグの中に、カテーテルをその 使用前に湿らせるための湿潤液を入れた液体容器が入っていると有用である。典
型的な湿潤液は水または生理食塩水である。液体容器にあらかじめ滅菌された水
または生理食塩水が入っていること、および容器がエチレンオキシドおよび容器
に入っている液体に対してバリヤー材料で構成されていることが好ましい。これ
は、水性の液体はエチレンオキシドガスと反応して2-クロロエタノールおよびエ
チレングリコールを生成し、また、未反応のエチレンオキシドをトラップするか
らである。これは、これらの毒性の物質が、“汚染された”湿潤液で湿ったカテ
ーテルによって尿道に運ばれるので望ましくない。
【０００３】 WO-A1-9726937(Astra AB)には、アルミニウム箔および塩化ポリビニリデン(PV
DC)を液体容器の製造に用いることが主張されている。けれども、これらの材料 は、この適用法に関して欠点を有する。バリヤーとしての要求に加えて、液体容
器は、その廃棄を容易にするために環境に害を与えない材料から形成されていな
ければならない。また、容器はエチレンオキシドガスに対して比較的不活性な材
料から形成されなければならない。そうでないと、容器の材料の中に2-クロロエ
タノールが形成されるが、これは、第一にこの物質の毒性の効力のために容器の
取り扱いの問題が生じるからであり、第二に2-クロロエタノールは湿潤液中に少
しずつ拡散するので、望ましくない。さらに、容器の材料はエチレンオキシドガ
スをトラップするものであってはならない。なぜならば、トラップされたエチレ
ンオキシドガスも湿潤液中に少しずつ拡散して、2-クロロエタノールを形成する
か、または湿潤液中にトラップされるからである。これまでに提案された液体容
器の材料はこれらの基準の１つ以上を十分に満足させるものではない。
【０００４】 ラミネート構造の酸化ケイ素(Si0x)のバリヤー層が酸素および水の透過性を低
下させることは公知である。たとえば、JP-A-5084276(Oike Ind. Co. Ltd)には 、延伸していないポリプロピレン(PP)からなる内層、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)からなる外層、および表面に酸化ケイ素フィルムを蒸着させたポリエチ レンテレフタレートからなる中間層を有するラミネートから形成された浸剤用の
保存用パッケージが開示されている。EP-A2-0550039(Toyo Boseki KK)には、フ ィルム、とりわけ、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタ
レート、ナイロンまたはポリビニルアルコール(PVA)上に酸化ケイ素を配置させ た中間バリヤー層を有する酸素透過性の低いラミネートが開示されている。一つ
の例において、ポリプロピレンからなる内層および外層とその間に挟まれた酸化
ケイ素/ポリエチレンテレフタレート複合物からなる12ミクロンの厚さのバリヤ ー層からなるラミネートから張りのある(crisp)包みが形成される。US-A-344268
6(Du Pont)には、ポリエステルまたはポリプロピレン基盤シート、ポリエチレン
またはポリアミドからなる熱シールできる最上層のシート、および0.02-2.0μm の範囲の厚さを有する酸化ケイ素層からなる中間バリヤーシートを有する酸素お
よび水を透過しない透明の柔軟な包装用ラミネートが開示されている。酸化ケイ
素層は、基盤シートの表面に形成されるか、あるいはたとえばポリエチレンテレ
フタレートから形成されたポリマー基層の表面に形成される。
【０００５】 けれども、当該技術分野において、このような酸化ケイ素を含むラミネートが
エチレンオキシドガスに対するバリヤーとして有効であるという開示はない。さ
らに、このようなラミネートがエチレンオキシドガスに対して比較的不活性であ
って2-クロロエタノールの生成が許容可能な水準に抑えられること、またはこの
ようなラミネートがエチレンオキシドガスをトラップしないことについての開示
もない。
【０００６】 出願人は、驚くべきことに、ポリオレフィンを含む内層、ポリエステル、ポリ
オレフィンまたはポリアミドを含む外層、および酸化ケイ素を含む中間層を有す
るラミネートはエチレンオキシドガスの透過性が低く、エチレンオキシドガスに
対して比較的反応性が低いことを見いだした。以下の節において、このようなラ
ミネートを“定義されたタイプのラミネート”と呼ぶ。
【０００７】 （発明の概要） 本発明によれば、定義されたタイプのラミネートはエチレンオキシドガスに対
するバリヤー材料の製造に使用される。
【０００８】 内層は、溶接層として機能することにより、エチレンオキシドガスを透過しな
いまたは実質的に透過しないラミネートから形成された熱シールされた容器を作
ることを可能にする。このような容器は、ラミネートの第１のシートをラミネー
トの第２のシート上にシートの内層が互いに隣接するように重ねた後、第１およ
び第２のシートの重ねられた縁に沿って熱シーリングをおこなうことによって形
成される。
【０００９】 外層はラミネートを補強または強化するように機能し、中間層はラミネートに
エチレンオキシドガスに対する主要なバリヤーの特性を与える。
【００１０】 内層または外層に用いるポリオレフィンは、ポリプロピレン、または、低密度
、高密度、および超高密度ポリエチレンを含むポリエチレンであってよい。定義
されたタイプのラミネートで、高温にさらすことになるシールされた容器を製造
するのであれば、容器の完全な形を保つために内層に高温ポリオレフィンを用い
なければならない。容器に、容器の内容物を滅菌するために温度が120℃にまで 達することのある蒸気滅菌法を施す場合には、内層としてポリエチレンが適して
いる。
【００１１】 ラミネートの外層に用いるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートであ
ってよい。代わりにポリアミドを用いる場合にはナイロンを用いることができる
。
【００１２】 酸化ケイ素を含む中間層は内層と外層の向かい合った表面の中間に配置された
酸化ケイ素の層であってよい。これは、内層および外層の向かい合った表面の一
方または他方に、それ自体は公知の方法で酸化ケイ素を配置することにより達成
される。別の方法では、中間層は、酸化ケイ素およびポリマーのマトリックスま
たはそのための基層からなる複合層であってよい。ポリマーのマトリックスまた
は基層の例としては、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ナイ
ロンのようなポリアミド、ポリプロピレンまたはポリビニルアルコールからなる
マトリックスまたは基層が挙げられる。このような複合材料の一つは日本、東京
の三菱化学株式会社(Mitsubishi Chemical Corporation)がTechbarrier-Tの商品
名で販売しており、酸化ケイ素をポリエチレンテレフタレートまたはポリビニル
アルコール基層の表面に配置させて、その基層に酸化ケイ素の金属で被覆した(m
etallised)表面を与えるようにしたものである。必要があれば、ラミネート中に
複数の中間酸化ケイ素複合層を用いてもよい。
【００１３】 ラミネート中の酸化ケイ素は、二酸化ケイ素(SiO2)、非化学量論的な酸化ケイ
素(たとえば、SiO)またはこのような酸化ケイ素の混合物であってよい。
【００１４】 本発明の好ましい実施形態において、定義されたタイプのラミネートは、ポリ
プロピレンからなる内層、ポリエチレンテレフタレートからなる外層、およびポ
リエチレンテレフタレートまたはポリビニルアルコールと、酸化ケイ素からなる
中間複合層を有する。
【００１５】 また、本発明によれば、定義されたタイプのラミネートから形成され、エチレ
ンオキシドガスに曝露された容器も提供される。
【００１６】 さらに、本発明は、エチレンオキシドガスによって滅菌される物品および定義
されたタイプのラミネートから形成された密封容器からなる、エチレンオキシド
ガスに曝露されたアセンブリを提供する。
【００１７】 アセンブリは、医療処置に用いられる医療器具である物品、および医療処置の
一部として上記器具に適用される物品または物質を入れた容器を有する医療用ア
センブリであってよい。器具は侵襲の医療処置に使用するもの、たとえば、体腔
内に挿入するためのカテーテルであってよい。このようなカテーテルの一つは尿
道カテーテルで、なかんずく前立腺癌の治療に用いる薬物の送達のため、または
患者の膀胱からのドレインのために患者の尿道に挿入するためのものである。尿
道カテーテルの挿入を容易にするために、カテーテルに、湿らせたときに摩擦が
小さくなるような親水性の外面コーティングを施すことは公知である。これを考
慮に入れて、アセンブリの物品は外面に親水性コーティングを施した尿道カテー
テルおよび使用前にカテーテルの親水性コーティングを湿らせるための滅菌した
湿潤液を入れた湿潤液容器であってよい。湿潤液は典型的には水性の液体、たと
えば生理食塩水または水である。
【００１８】 親水性の尿道カテーテルと共に用いるための湿潤液容器を作るために定義され
たタイプのラミネートの使用により、湿潤液容器内の湿潤液でカテーテルを湿ら
せた後に、エチレンオキシドガスまたは反応生成物がカテーテルによって患者の
尿道に運ばれることはほとんどまたは全くないことが保証される。定義されたタ
イプのラミネートの液体および蒸気のバリヤーとしての有効性もまた、カテーテ
ルを容器内の湿潤液によって必要以上に速く湿らせないことを保証する。また湿
潤液容器は透明とすることもできるが、これは、カテーテルを患者自身によって
装着するようにした場合、湿潤液容器が透明でその内容物を見ることができれば
、アセンブリを用いる際の患者の信頼が増すので有利である。この湿潤液容器は
廃棄するのも比較的容易である。
【００１９】 本発明の一つの実施形態において、以下に記載される例のように密封容器は内
部容器であり、アセンブリはさらに、エチレンオキシドガスが入るようになった
内部の容積を有し、この中に内部容器および物品が配置されている外側の容器か
らなる。物品が親水性コーティングされた尿道カテーテルで、内部容器がカテー
テルのための湿潤液容器である場合、外側の容器は採尿バッグである。エチレン
オキシドガスを外側の容器の内部の容積に入れるために、外側の容器は物品およ
び内部容器を内部に設置するための入り口のような開口部を有し、および/また は特に外側の容器が密封された封入物である場合には外側の容器はエチレンオキ
シドガス透過性の材料から形成される。
【００２０】 アセンブリは、外側の容器が物品および内部容器を使用する必要があるときま
で保存しておく包装になっている、密封された保存用パッケージであってよい。
この場合、外側の容器は典型的にはエチレンオキシドガスを透過する材料から作
られており、それによってエチレンオキシドガスが内部の容積にはいることがで
きる。別の方法では、アセンブリそれ自体が保存用パッケージに入っている。こ
の場合は、アセンブリをエチレンオキシドガスに曝露した後、保存用パッケージ
に入れる。
【００２１】 さらに、本発明によれば、親水性の外面コーティングを有する医療器具、およ
び定義されたタイプのラミネートから構成され、上記器具の親水性コーティング
を湿らせるための無菌の湿潤液の入った密封容器が入った保存用パッケージが提
供される。医療器具が膀胱ドレナージ（drainage)のための尿道カテーテルであ る場合には、保存用パッケージはさらに採尿バッグを含む。
【００２２】 さらに、本発明によれば、定義されたタイプのラミネートから湿潤液容器を形
成する段階、容器に蒸気またはガンマ線照射による滅菌工程をおこなって容器の
中の湿潤液を滅菌する段階、医療器具および滅菌された湿潤液容器を共にアセン
ブリに組み立てる段階、アセンブリにエチレンオキシドガスによる滅菌工程をお
こなって医療器具を滅菌する段階、および滅菌されたアセンブリを保存用パッケ
ージ容器に封入する段階からなる、親水性の外面コーティングを有する医療器具
および医療器具の外面の親水性のコーティングを湿らせるための湿潤液の入った
湿潤液容器が入った保存用パッケージを形成する方法が提供される。
【００２３】 （発明の代表的な実施形態の説明） まず図１について説明する。図１には透明で柔軟なプラスチック材料からなる
採尿バッグ１を含む第１のアセンブリ10が示されている。バッグ１は、その前端
に少なくとも挿入可能な長さの親水性の尿道ドレナージカテーテル３を収容する
のに十分な深さの細長いポケット２を有する。採尿バッグ１は、さらにポケット
２の後方に、ポケット２と液体が連絡できるようになっている採尿チャンバー12
を有する。さらに後方には、採尿バッグ１の入口14があり、これを通じて親水性
の尿道カテーテル３をバッグ１の中に配置することができる。
【００２４】 図からわかるように、カテーテル３は、朝顔のように開いた後方部分16および
後方部分16から前に延び、その前端の丸くなった先端４において終わる長く延び
たシャフト18からなる。カテーテル３には、後方部分16の開口端から先端４のド
レナージ開口５まで延びる管腔（図には示していない）が設けてある。カテーテ
ル３の長く延びたシャフト18には、たとえばポリビニルピロリドン(PVP)からな る親水性の外面コーティングが施されている。
【００２５】 袋の形の容器６は採尿バッグ１の内面に固定されている。袋６には無菌の水ま
たは生理食塩水または尿道カテーテル３の親水性コーティングを湿らせるのに適
した他の液体が入っており、袋は穴を開けることができるか、または他の方法、
たとえば手で圧力を加えることによって開くことができ、これによってカテーテ
ル３を使用する直前に実質的にすべての中に入っている水または生理食塩水をポ
ケット２に放出する。湿潤液は袋６の蒸気滅菌または袋６へのガンマ線照射によ
って滅菌できる。
【００２６】 アセンブリ10は、使用前に採尿バッグ１の内面およびカテーテル３を滅菌する
ためにエチレンオキシド滅菌工程を施す必要がある。袋６には無菌の水または生
理食塩水が入っているので、袋６の内容物を滅菌する必要はない。さらに、エチ
レンオキシドは水性の液体にトラップされ、また水性の液体と反応して2-クロロ
エタノールを生成する。このような毒性の物質が袋６の中の水または生理食塩水
に生成すると、これらはカテーテル３を湿らせるときにカテーテル３に移り、次
いでカテーテル３の使用に伴って尿道に運ばれる。したがって、袋６の材料は、
水および水蒸気ばかりでなく、エチレンオキシドに対しても透過性の低いもので
ある必要があり、滅菌された水または生理食塩水中のエチレンオキシドが3ppm未
満となるようにするのが好ましい。さらに、袋６は、エチレンオキシドをトラッ
プせず、またこれと反応して袋の材料中に容易に感知できるレベルの2-クロロエ
タノールを生成しないような材料から形成される必要がある。そうでないと、こ
れらの毒性の物質が袋６の取り扱いの問題を生じることがあり、および/または 袋６を開ける前にこれらの毒性の物質が水または生理食塩水に拡散する可能性が
ある。
【００２７】 本発明よれば、袋６はポリエチレンテレフタレートからなる外側に面した層、
ポリプロピレンからなる内層、および日本、東京の三菱化学株式会社(Mitsubish
i Chemical Corporation)が販売している酸化ケイ素を含む材料であるTechbarri
er-Tから作られた中間層からなるラミネートから構成される。下記に示すように
、このような構成により、袋６の水/水蒸気およびエチレンオキシドガスに対す る透過性が低くなり、これによって水または生理食塩水の汚染の問題を軽減する
と同時に、エチレンオキシドガスに曝露した後の袋の材料中の2-クロロエタノー
ルおよび未反応のエチレンオキシドの残留レベルをごくわずかに抑えることがで
きる。また、袋６をこの構成とすることにより使用後の廃棄が比較的容易になる
。
【００２８】 アセンブリ10をエチレンオキシドガスに曝露してカテーテル３、バッグ１の内
面および袋６の外面を滅菌した後、アセンブリを密封した保存用パッケージに保
存して、アセンブリを使用する必要があるときまで無菌状態に保つ。
【００２９】 使用に際して、たとえば、入口14を作っている材料を結ぶことにより、または
入口14を止め金で止めることにより、入口14を封管する。次に、たとえばバッグ
１の材料を通して袋６に圧力を加えることによって袋を開いて湿潤液をポケット
２の中に放出した後、滅菌されたカテーテル３をあらかじめ決められた時間湿潤
液に浸して、その親水性の外面を湿らせる。別の方法では、バッグ１の、カテー
テル３および袋６をバッグ１の内部にあらかじめ包装するために用いた入口の末
端を閉じる。入口14はエチレンオキシドをバッグ１の中に入れるための容易な経
路を提供するので、入口14が好ましい。そうでなければ、カテーテル３、バッグ
１の内面および袋６の外面を滅菌するために、バッグ１をエチレンオキシドガス
に対して透過性にする必要がある。
【００３０】 カテーテル３をあらかじめ決められた時間湿らせた後、バッグ１を上下逆さに
してポケット２の前の部分を破り取る。次に、カテーテル３の長く延びたシャフ
ト18を操作して、ポケット２の前端の開口部を通して患者の尿道に入れ、朝顔状
に開いた後方部分16が開口部と機械的な密封連結（mechanical seal connection
）部を形成するまで動かす。患者の膀胱内の尿がカテーテル３の管腔を通して後
方に運ばれて採尿チャンバー12に入る。カテーテル３を操作してバッグ１の中に
戻し、ポケット２の開いた先端を、たとえばポケット２を作っている材料を結ぶ
ことにより、またはポケット２を止め金で止めることにより閉じる。次に採尿チ
ャンバー12を開口して、集めた尿を注ぎ出した後、バッグ１および内容物を廃棄
する。
【００３１】 次に、図２から８について説明する。これらの図には、第２のアセンブリ110 が示されるが、これは上で図１を参照して説明した第１のアセンブリ10と極めて
類似しており、類似する物品を指示するためには類似する番号が用いてある。
【００３２】 第２のアセンブリ110と第１のアセンブリ10の違いは、無菌の湿潤液の入った 袋106のデザインであって、袋106は第１のアセンブリ10の袋６と同じ構成で作ら
れている。
【００３３】 図２および３からわかるように、袋106は採尿バッグ101の入口114内の操作可 能な位置に摩擦によって保持される。袋106は、袋106の操作可能な位置において
入口114の中に前向きに突き出している前方部分120、および、操作可能な位置に
おいて入口114から外に向かって後ろ向きに突き出している後方部分122を有する
。入口114の中での袋106のはまり方は、エチレンオキシドがバッグ101の内部に 入ったり出たりしてバッグ101の内面および袋106の外面およびカテーテル103を 滅菌することを妨げるほどぴったりしたものではない。無菌の湿潤液は、図に示
されるように、袋106の周辺のシーリングによって袋106の中に保持される。
【００３４】 次に図４および５を参照すると、袋106の前方部分120には前端124がある。前 端124から後方に向かって延びているのが破線126である。袋106の前端124から破
線126の一つの側に向かって前方に突き出しているのが第１のタブ128である。破
線126の他の側には長く延びた第２のタブ130を設ける。この図では、第２のタブ
130が前端124から前方に突き出している広げた位置で示されている。
【００３５】 図６に示されるように、長く延びた第２のタブ130は、図4および5に示される 広げた位置から、第２のタブ130が前端124から後方に向かって伸びている折り畳
まれた位置まで、前端124の周りをそれ自身の上に戻るように動くことができる 。第２のタブ130が折り畳まれた位置にある時に、袋106を、図２および３に示さ
れる入口114の中の操作可能な位置に挿入する。
【００３６】 再び図２および３を参照すると、第２のタブ130の大きさは、袋106が操作可能
な位置にあるときに第２のタブ130の引っ張る部分132が採尿バッグ101の入口114
から後ろ向きに突き出て、袋106の後方部分122の一部を形成するのにちょうどよ
い大きさであることが理解される。
【００３７】 図７および８には、袋106の内容物をポケット102の中に放出してカテーテル10
3の親水性の外面コーティングを湿らせるための操作が示されている。使用者は バッグ101の柔軟で透明なプラスチック材料を通して第１のタブ128をつかんだ後
、入口114から突き出している第２のタブ130の引っ張る部分132を後方に引いて 、破線126を引き裂き、湿潤液をポケット102の中に放出してカテーテル103を湿 らせる。
【００３８】 湿潤液をポケット102の中に放出した後、袋106をバッグ101から取り除き、廃 棄する。次に、バッグ101およびカテーテル103を、上で図１のアセンブリ10に関
して説明した方法で使用する。
【００３９】 必要があれば、バッグ101は、袋106およびカテーテル103をバッグ101内にあら
かじめ包装した閉じたバッグであってもよい。この例においては、バッグ101の 構成は、バッグがエチレンオキシドガスを透過するもので、また、袋106をバッ グ101の材料の上から上記の方法で開くことができるようなものとする。
【００４０】 袋106は図１の袋６に比べて、滅菌および包装の工程でよく使われる周期的な 圧力に対する耐性が強いので有利である。なぜならば、袋106はバッグ101の材料
を通して直接圧力を加えることによって開く必要がないが、このような必要があ
る場合には、バッグ101を通してこれを傷つけることなく高い圧力を加えること は不可能なので袋の縁をかなり弱くしなければならないからである。
【００４１】 上述の図１および図２から８を参照して説明した第１および第２のアセンブリ
10、110における袋６、106に使用したラミネートの構成の有効性は表１から明ら
かである。表1では、袋6、106のラミネートのバリヤーとしての特性を、食品の 包装への使用で公知の、選択した他の材料から形成された袋の対応する特性と比
較した。
【００４２】 表からわかるように、袋６、106のラミネートおよび選択された他の材料の水 蒸気および酸素透過性を表の第１列および第２列に比較したが、これらは食品の
包装に重要な特性である。このデータは材料の製造業者から提供された情報に基
づいており、その製造業者名を表１の下に列挙した。表１の第３列から第６列に
、袋にエチレンオキシドガス滅菌工程を施した後の、袋の材料および袋に入って
いる水の中のエチレンオキシドおよび2-クロロエタノールの残留量を示す。残留
量は滅菌後さまざまな時間をおいてガスクロマトグラフィーにより決定した。
【００４３】 表１からわかるように、二つのアルミニウムを含むラミネートは、低い酸素、
水蒸気、およびエチレンオキシド透過率を有する。さらに、これらはエチレンオ
キシド滅菌直後のラミネートおよび水中の両方において、2-クロロエタノールの
残留量が低いことを示す。けれども、これらのラミネートの欠点は、これらはア
ルミニウムを含むために廃棄が容易でないこと、および、これらは滅菌直後に高
いラミネート中に高残留量のエチレンオキシドを有することである。このエチレ
ンオキシドガスの高い残留量は、次第に水中に拡散して袋を使用する前に水中の
エチレンオキシドおよび2-クロロエタノールの残留量を増加させると予想される
。他方、エチレンオキシドが袋の材料の中にトラップされたまま留まるか、ラミ
ネートと反応してラミネート中の2-クロロエタノールの残留量を増加させるとす
ると、これは袋の取り扱いを困難にする。
【００４４】 表１に示されるように、ポリプロピレンはよい水蒸気のバリヤーであるが、酸
素およびさらに重要なことにはエチレンオキシドのようなガスに対する透過性が
低くない。
【００４５】 試験したエチレンビニルアルコールを含むラミネートは、酸素に対する透過性
は低かったが、エチレンオキシドガスまたは水蒸気に対しては低くなかった。こ
の材料に関するガス透過性の結果は、酸素に対するバリヤーとして有効な材料は
、必ずしもエチレンオキシドガスに対するバリヤーとして有効ではないことを示
している。
【００４６】 表１に示されるように、塩化ポリビニリデンバリヤーは水蒸気、酸素およびエ
チレンオキシドガスに対する透過性が低い。さらに、滅菌の５日後に、この材料
から形成された袋に入った水のみが低い2-クロロエタノールの残留量を示した。
けれども、滅菌の5日後に、このバリヤー中に大量の2-クロロエタノールが検出 された。また、この材料は廃棄が困難である。
【００４７】 試験した酸化アルミニウムを含むラミネートは、アルミニウムを含むラミネー
トと比較して、アルミニウムの含有量が低いので、環境により害を与えにくく、
そのため廃棄がより容易であるので、一見したところアルミニウムを含むラミネ
ートよりも有利である。けれども、表１の第４列に示すように、酸化アルミニウ
ムを含むラミネートはアルミニウムを含むラミネートまたは塩化ポリビニリデン
バリヤーよりもエチレンオキシドに対するバリヤーとしての効果が低い。重要な
ことは、滅菌の５日後のラミネート中の2-クロロエタノールおよびラミネート中
および水中のエチレンオキシドの残留量が比較的高いということである。
【００４８】 表１に示されるように、袋6、106を構成している酸化ケイ素を含むラミネート
は、水蒸気およびエチレンオキシドに対して低い透過性を有し、滅菌の５日後の
材料中および水中の2-クロロエタノールおよびエチレンオキシド残留量はわずか
に上昇したのみである。
【００４９】 表１は、酸化ケイ素を含むラミネートが、袋６、106の形成への使用に対して 、他の試験した材料と比べて極めてすぐれた特性を有することを明白に示してい
る。さらに、酸化ケイ素を含むラミネートは、特にアルミニウムを含むラミネー
トおよび塩化ポリビニリデンバリヤー材料と比較した場合、廃棄が比較的容易で
ある。
【００５０】 本発明が代表的な実施形態の特定の酸化ケイ素を含むラミネートに限定される
ものではなく、添付した請求の範囲の範囲内に含まれる他の酸化ケイ素を含むラ
ミネートをも包含することは、当業界に精通した人々には理解されるであろう。
【００５１】
【表１】
【００５２】 (1)Danisco Flexible EtO=エチレンオキシド (2)Paolini Informacion Tecnica ECH=2-クロロエタノール (3)三菱化学株式会社 RH=相対湿度 (Mitsubishi Chemical Corp.) (4)滅菌の直後 (5)滅菌の５日後 (6)滅菌の21日後
【図面の簡単な説明】
一例として、本発明の実施形態を添付する図面を参照して説明する。
【図１】 図１に、採尿バッグ、親水性の尿道ドレナージカテーテルおよび
それらと結合された湿潤液容器からなる第１のアセンブリを示す。
【図２】 図２に、採尿バッグ、親水性の尿道ドレナージカテーテルおよび
採尿バッグの入り口の操作可能な位置においてこれらと結合している開口部を持
たない湿潤液用袋からなる第２のアセンブリを示す。
【図３】 図３は、図２に示したアセンブリの採尿バッグの入り口の操作可
能な位置における開口部を持たない袋の分解組立図である。
【図４】 図４は、図２に示したアセンブリの開口部を持たない袋の、採尿
バッグの入り口から操作可能な位置に挿入する前の広げた形の正面図である。
【図５】 図５は、図４に示した開口部を持たない袋の側面図である。
【図６】 図６は、図２に示したアセンブリの開口部を持たない袋の、採尿
バッグの入り口から操作可能な位置に挿入する用意のできた折り畳んだ形の斜視
図である。
【図７】 図７は、図２に対応するが、湿潤液用袋が開いた図である。
【図８】 図８は、図３に対応するが、湿潤液用袋が開いた図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，Ｕ Ｓ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 エチレンオキシドガスに対するバリヤー材料を製造するため
    の、ポリオレフィンを含む内層、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアミ
    ドを含む外層、および酸化ケイ素を含む中間層を有するラミネートの使用。
  2. 【請求項２】 ポリオレフィンがポリプロピレンまたはポリエチレンである
    ことを特徴とする請求項１記載の使用。
  3. 【請求項３】 上記ラミネートの外層に用いるポリエステルがポリエチレン
    テレフタレートであることを特徴とする請求項１または２記載の使用。
  4. 【請求項４】 ポリアミドがナイロンであることを特徴とする請求項１、２
    、または３記載の使用。
  5. 【請求項５】 酸化ケイ素を含む中間層が、内層および外層の向かい合う表
    面の中間に配置された酸化ケイ素の層であることを特徴とする請求項１から４の
    いずれか１項記載の使用。
  6. 【請求項６】 中間層が酸化ケイ素およびそのための高分子マトリックスま
    たは基層からなる複合層であることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項
    記載の使用。
  7. 【請求項７】 マトリックスまたは基層がポリエステル、ポリアミド、ポリ
    プロピレンまたはポリビニルアルコールからなることを特徴とする請求項６記載
    の使用。
  8. 【請求項８】 マトリックスまたは基層に用いるポリエステルがポリエチレ
    ンテレフタレートであることを特徴とする請求項７記載の使用。
  9. 【請求項９】 マトリックスまたは基層に用いるポリアミドがナイロンであ
    ることを特徴とする請求項７記載の使用。
  10. 【請求項10】 上記ラミネートが、ポリプロピレンからなる内層、ポリエチ
    レンテレフタレートからなる外層、および酸化ケイ素とポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリビニルアルコールからなる中間複合層を有することを特徴とする
    請求項１記載の使用。
  11. 【請求項11】 ポリオレフィンを含む内層、ポリエステル、ポリオレフィン
    またはポリアミドを含む外層、および酸化ケイ素を含む中間層を有するラミネー
    トから形成されることを特徴とする、エチレンオキシドガスに暴露される容器(6
    ; 106)。
  12. 【請求項12】 エチレンオキシドガスにより滅菌される物品(3; 103)、およ
    びポリオレフィンを含む内層、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアミド
    を含む外層および酸化ケイ素を含む中間層を有するラミネートから形成される密
    封容器(6; 106)からなる、エチレンオキシドガスに暴露されるアセンブリ(10; 1
    10)。
  13. 【請求項13】 上記アセンブリが医療用アセンブリであって、上記物品が医
    療処置に使用するための医療器具(3; 103)であり、そして上記容器が医療処置の
    一部として上記器具に適用される物品または物質を含むことを特徴とする請求項
    12記載のアセンブリ。
  14. 【請求項14】 上記医療器具が親水性の外面コーティングを施した尿道カテ
    ーテル(3; 103)であり、上記容器がカテーテルの親水性コーティングを使用前に
    湿らせるための無菌湿潤液を含む湿潤液容器(6; 106)であることを特徴とする請
    求項13記載のアセンブリ。
  15. 【請求項15】 上記密封容器が内部容器であり、上記アセンブリがさらに、
    エチレンオキシドガスが入る内部容積を有する外側の容器(1; 101)を含み、この
    中に内部容器および物品が配置されていることを特徴とする請求項12から14のい
    ずれか１項記載のアセンブリ。
  16. 【請求項16】 上記アセンブリが密封された保存用パッケージであって、上
    記外側の容器が使用する必要があるときまで中に上記物品および内部容器を保持
    している包装であることを特徴とする請求項15記載のアセンブリ。
  17. 【請求項17】 上記外側の容器が採尿バッグ(1; 101)であることを特徴とす
    る、請求項14に従属するときの請求項15記載のアセンブリ。
  18. 【請求項18】 上記アセンブリが保存用パッケージに保持されていることを
    特徴とする請求項12から15または17のいずれか１項記載のアセンブリ。
  19. 【請求項19】 親水性の外面コーティングを有する医療器具(3; 103)、およ
    び上記器具の親水性コーティングを湿らせるための無菌湿潤液が入っており、ポ
    リオレフィンを含む内層、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアミドを含
    む外層および酸化ケイ素を含む中間層を有するラミネートから構成される密封容
    器(6; 106)を含む保存用パッケージ。
  20. 【請求項20】 医療器具が膀胱ドレナージ用の尿道カテーテル(3; 103)であ
    ることを特徴とする請求項19記載の保存用パッケージ。
  21. 【請求項21】 上記パッケージにさらに採尿バッグ(1; 101)が含まれること
    を特徴とする請求項20記載の保存用パッケージ。
  22. 【請求項22】 ポリオレフィンを含む内層、ポリエステル、ポリオレフィン
    またはポリアミドを含む外層および酸化ケイ素を含む中間層を有するラミネート
    から湿潤液容器を形成する段階、上記容器に蒸気またはガンマ線照射による滅菌
    工程をおこなって容器内の湿潤液を滅菌する段階、医療器具および滅菌した湿潤
    液容器を共にアセンブリに組み立てる段階、アセンブリにエチレンオキシドガス
    による滅菌工程をおこなって医療器具を滅菌する工程、および滅菌したアセンブ
    リを保存用パッケージ容器に封入する段階からなる、親水性の外面コーティング
    を有する医療器具(3; 103)および上記医療器具の親水性の外面コーティングを湿
    らせるための湿潤液が入っている湿潤液容器(6; 106)を含む保存用パッケージを
    形成する方法。
  23. 【請求項23】 実質的に、添付図面の図１または図２から８を参照して上に
    説明した通りのアセンブリ(10; 110)。
  24. 【請求項24】 実質的に、添付図面の図１または図２から８を参照して上に
    説明した通りの保存用パッケージ。
  25. 【請求項25】 実質的に、添付図面の図１または図２から８を参照して上に
    説明した通りの、親水性外面コーティングを有する医療器具(3; 103)および上記
    医療器具の親水性外面コーティングを湿らせるための湿潤液が入っている湿潤液
    容器(6; 106)を含む保存用パッケージを形成する方法。
  26. 【請求項26】 実質的に、添付図面の図１または図２から８を参照して上に
    説明した通りの容器。
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