JP2001509946A - ケーブル用の組成物 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
ケーブル用の組成物が記載されている。前記組成物は、式中、R1=HまたはCH3、R2=HまたはCH3、n=1〜20である式1の(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含むエチレンコポリマーからなる。前記組成物は、ケーブルの絶縁層または半導体層として用いることができる。
Description
【発明の詳細な説明】
ケーブル用の組成物
本発明は、電気ケーブル用の組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、電気
ケーブル用の組成物、特に、電気ケーブル用の内部および外部半導体層ならびに
絶縁層用の組成物、に使用可能である(メタ)アクリレート−エステル−含有エ
チレンポリマーに関するものである。
中電圧および高電圧用のケーブルおよび特に電力ケーブルは、電気導体の周囲
に押し出された複数のポリマー層から成る。電気導体は、通常、内部半導体層で
先ず被覆され、引き続いて絶縁層で被覆され、その後、外部半導体層で被覆され
、引き続いて、もしあれば、水遮断層で被覆され、外側がシース層で被覆される
。
絶縁層および半導体層は、通常、架橋されたエチレンホモポリマーおよび/ま
たはコポリマーからなる。ケーブルの押出の場合、過酸化物、例えば、過酸化ジ
クミルの添加によって架橋されたLDPE(低密度ポリエチレン、すなわち、高
圧でラジカル重合によって調製されるポリエチレン)は、現在主要なケーブル絶
縁材料である。従来のLDPEの不都合な点は、水の存在下および強い電場の作
用の下で、樹枝状に分岐した欠陥、いわゆる水ツリー(water trees)、の形成に
さらされがちなことであり、このことは破損および起きうる絶縁破壊につながり
うる。この傾向は、材料中の異質部分、微小空隙および不純物の存在によって強
く影響される。水ツリー劣化は、ポリマー材料および特に、架橋ポリエチレンが
中電圧および高電圧用のケーブルの主要な絶縁材料になった特に1970年代以
来、注意深く研究されてきた。過去長年において、これらの研究は、ケーブルの
構造、製造手順および使用済材料の質および清浄度における改善をもたらしてき
た。これらの改善は、製造されたケーブルの耐用年数を増加させてきた。それで
もなお、耐−水ツリー劣化性に関して、なお更に改善された材料が明らかに要求
されている。こうした改善された耐−水ツリー劣化性は、ケーブルの絶縁層材料
に対して望ましいばかりでなく、半導体層材料に対しても望ましい。ケーブルの
半導体層材料のもう一つの重要な特性は、高い耐クラック形成性である。
欧州特許EP−A−0,057,604号明細書から、ポリオレフィンと全組
成物の重量に基づいて5〜50重量%のカーボンブラックと、0.1〜20重量
%の量の約1000〜20000の分子量を有するポリエチレングリコールとか
ら主としてなる半導体組成物を添加することにより、水ツリー劣化を抑制するこ
とが知られている。この組成物は、ケーブルの半導体層用を目的としており、ポ
リエチレングリコールを添加することにより、絶縁層と半導体層との間の境界か
ら絶縁層中に成長する水ツリーを排除することが可能であると言われている。
更に、米国特許明細書米国特許第4,812,505号には、ケーブル中の絶
縁層として使用可能であると共に、耐−水ツリー劣化性である組成物が開示され
ている。この組成物は、エチレンと、1−ブテン、1−ヘキサンまたは1−オク
テンなどの4〜8個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルファオレフィンと
のコポリマーからなり、また、その他に、0.1〜20重量%の量の約1000
〜20000の範囲の分子量を有するポリエチレングリコールからなる。
ポリエチレングリコールなどの水ツリー抑制添加物を用いる欠点は、特に、ポ
リエチレングリコールの分子量が高くない場合、ポリエチレングリコールと基本
ポリマー(ポリエチレン)との不十分な親和性に起因するポリエチレングリコー
ルの発汗の危険性が存在することである。他方、分子量が高い場合、効果的な混
合の可能性に悪い影響が出る。
欧州特許EP−A−0,538,033号明細書には、エチレンに加えて、7
〜30重量%のヒドロキシアクリレートと、ビニルエステル、アリルエステル、
およびヒドロキシル基を含まないアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ルの中から選択される0〜40重量%の第3のモノマーとからなる押出可能なエ
チレンヒドロキシアクリレートコポリマーまたはターポリマーが開示されている
。ヒドロキシアクリレートは、グリコールまたはポリグリコールおよびアクリル
酸またはメタクリル酸のあらゆるエステルからなることが可能であるが、好まし
くは、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレートまたはヒドロキシプロピルメタクリレートである
。この特許明細書によると、ヒドロキシアクリレートは、ホットメルトに関連し
て前から知られており、この特許明細書による押出製品、例えば、フィルムは親
水性であり、水分を吸収し伝達する。エチレンヒドロキシアクリレートコポリマ
ーは、例えば、極性プラスチックおよびその他の材料に対する接着性を改善し、
水素結合のゆえに強度特性を改善する。この特許明細書は、ケーブル用の組成物
中のポリマーの用途を示していない。
日本特許出願JP7644050のダウエントのアブストラクト番号77−8
5827Y/48から、25〜99.9重量%のエチレンと、75〜0.1重量
%のポリアルキレングリコールモノアクリレートと、0〜65重量%のその他の
エチレン性不飽和モノマーとからなるエチレンコポリマーは知られている。この
ポリマーは、塗料、インキなどのため、金属、紙、毛織物などの被覆剤として、
接着剤などとして、使用可能であると言われている。ケーブル用の組成物中のポ
リマーの用途は開示されていない。
本発明によると、驚くべきことに、エチレンポリマー中のコモノマーとして(
ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを使用すると、耐−水ツ
リー劣化性が改善されたケーブル用の組成物をもたらすことが可能になることが
今見出された。
本発明によると、次の式Iを有する(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ
)アクリレートをコノモマーとして含むエチレンコポリマーからなることを特
徴とするケーブル用の組成物がかくして提供される。
式中、R1=HまたはCH3、R2=HまたはCH3、n=1〜20である。更に
詳しくは、ケーブル用の絶縁層および半導体層に本発明による組成物を用いるこ
とが意図されている。
本発明のその他の際だった特徴および利点は、以下の明細書と付属のクレーム
から明らかになるであろう。
ここで用いられる「エチレンコポリマー」という表現は、エチレンと、その1
つが式Iを有する(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートから
なる1種またはそれより多くの他のモノマーと、の重合によって得られるエチレ
ンベースのポリマーを意味する。好ましくは、エチレンコポリマーは、エチレン
と式Iのモノマーとのポリマーからなり、もしくはエチレンと式Iのモノマーと
追加のモノマーとのポリマー、すなわち、後者の場合は、いわゆるターポリマー
からなる。
ここで用いられる「(メタ)アクリル酸」および「(メタ)アクリレート」とい
う表現は、アクリル酸およびアクリレート、ならびにメタクリル酸およびメタク
リレートを意味する。
上の式Iからわかる通り、式Iの(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)
アクリレートは、アクリル酸またはメタクリル酸と(ポリ)アルキレングリコー
ルとのエステルであり、アルキレングリコールは、エチレングリコールまたはプ
ロピレングリコールの中から選択され、アルキレンオキシド単位の数は、式Iに
おいて1〜20、すなわち、n=1〜20、好ましくは1〜10、まで変えられ
る。好ましくは、式IにおけるR1は、CH3、すなわち、エステル化の酸は、メ
タクリル酸であり、式IにおけるR2は、H、すなわち、エステル化の(ポリ)
アルキレングリコールは、(ポリ)エチレングリコールである。n=1である時
、式Iのモノマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)であり、R1
およびR2は記述された好ましい意味のものである。n=6である時、式Iのモ
ノマーは、ヘキサエチレングリコールメタクリレートであり、R1およびR2は記
述された好ましい意味のものである。
エチレンコポリマー中の式Iのコモノマーの量は、広い範囲内で異なってもよ
いが、コポリマーの好ましくは約0.1〜15重量%、更に好ましくは約2〜1
4重量%、を構成する。
上述の通り、エチレンコポリマーは、式Iのコモノマーに加えて、任意に、追
加のコモノマーからなることが可能であり、コモノマーがこうした追加のモノマ
ーを含有する、すなわち、コポリマーがターポリマーであることが好ましい。こ
の追加のモノマーは、エチレンおよび式Iの(ポリ)アルキレングリコールモノ
(メタ)アクリレートと共重合可能であるモノマーの中から選択することができ
る。こうしたモノマーは、当業者に対してよく知られており、広範な一覧表は不
要であるが、C3〜C8アルファオレフィン、例えば、プロペン、ブテンなどのビ
ニル不飽和モノマー、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、カルボキ
シル基およびエステル基などの官能基を含むビニル不飽和モノマーを例として挙
げることができる。こうしたモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸およびメ
チル−、エチル−およびブチル(メタ)アクリレートなどのそのアルキルエステ
ル、ビニルトリメトキシシランなどのビニル不飽和加水分解性シランモノマー、
酢酸ビニルなどからなることが可能である。
式Iの(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートに加えて、追
加のモノマーの量は、エチレンコポリマーの0〜約40重量%、好ましくは約1
〜30重量%、である。
上述のモノマーに関して、すべてのモノマー含有率の合計は100重量%であ
る。
本発明のエチレンコポリマーは、グラフト共重合またはフリーラジカル開始高圧
重合によって調製することができる。
グラフト共重合は、当該技術分野でそれ自体がよく知られている重合方法であ
るため、詳しい説明は不要であろう。一般的条件で、グラフト共重合は、過酸化
物、例えば、過酸化ジクミル(DCP)などのフリーラジカル開始剤の作用のも
とで、ビニル不飽和モノマーと、エチレンホモポリマーまたはエチレンコポリマ
ーなどのエチレンポリマーとの共重合によって行われる。グラフト共重合におけ
る温度は、フリーラジカルの生成を伴うフリーラジカル開始剤の分解に対して十
分であることが望ましく、それは、開始剤として過酸化ジクミルを用いることに
より、約150〜200℃を意味する。重合は、実用的には、例えば、押出機中
に成分を混合することにより行うことができる。
当該技術分野でこれもよく知られているフリーラジカル開始高圧重合は、一般
に、約100〜300MPaの高圧および約80〜300℃の高温において、オ
ートクレーブまたはチューブリアクターなどのリアクター中で、過酸化物、ヒド
ロペルオキシド、酸素またはアゾ化合物などのラジカル開始剤の作用のもとでモ
ノマーを反応させることにより行われる。反応が終了すると、温度および圧力は
低下し、得られた不飽和ポリマーは回収される。フリーラジカル開始中の高圧重
合によるエチレンポリマーの製造に関する更なる詳細については、Encyclopedia
of Polymer Science and Engineering,V6(1986),383-410頁、特に404-407頁、
を参照することができる。
上述の通り、エチレンコポリマー中の式Iの(ポリ)アルキレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレートを使用すると、耐−水ツリー劣化性(WTR)の改善が
もたらされるため、こうしたエチレンコポリマーが、ケーブル用の材料、例えば
、絶縁層材料または半導体層材料、として使用可能であることが本発明によって
見出された。ポリマー中に重合されて耐−水ツリー劣化性をもたらす式Iの(ポ
リ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートによって、それは、ポリマ
ー分子中にしっかり定着され、従来のWTR添加剤で起きるような移行も発汗も
、可能ではない。これは、本発明のポリマーの特別な利点である。利点である耐
−水ツリー劣化性に加えて、本発明のエチレンコポリマーが、それをケーブル中
の材料として用いる時、その他の好適で好ましい特性につながることも見出され
た。かくして、本発明によるエチレンコポリマーが、ケーブルの絶縁層と半導体
層の両方に価値がある絶縁耐力の改善を可能にすることが見出された。更に、本
発明のエチレンコポリマーは、ケーブルの半導体層のために価値がある良好な耐
環境応力亀裂性(ESCR)を有する。
本発明の理解を更に促進するために、幾つかの説明的であるが非限定的な例お
よび比較例を以下に示す。例1
いわゆるアシュクラフト(Ashcraft)試験によって、耐−水ツリー劣化性(WT
R)を3種のポリマー組成物、ポリマー1、ポリマー2およびポリマー3につい
て測定した。
アシュクラフト試験は、ポリマーのWTR特性を測定するための試験方法であ
り、アシュクラフトA.C.,"Water Treeing in Poymelic Dielectrics",Wor
ld Electrotechnical Congress in Moscow,USSR,22 June 1977,によって記載
されている。アシュクラフト試験によって、圧縮成形カップ中の針を用いて、う
まく特徴付けられた作用、すなわち、鋭敏な水充填押込がもたらされる。5kV
/6kHZの電圧を水の両端に加える一方で、カップの底を接地する。温
度を65℃に絶えず保つ。72時間のエージング後の水ツリー平均長さを特定の
絶縁材料中の水ツリーの成長速度の指標とみなす。
試験のために、圧縮成形試験片を種々のポリマーから調製した。その内のポリ
マー1は、2g/10minのメルトフローインデックス(MFR)を有する低
密度ポリエチレン(LDPE)からなっており、これを標準として用いた。ポリ
マー2は、水ツリー劣化を抑制する従来の薬剤として、約2000の分子量を有
する0.56重量部のポリエチレングリコール(PEG)を添加された、99.
1重量部の同じ種類のLDPEからなっていた。本発明による組成物であるポリ
マー3は、エチレンと、メタクリレート(13重量%)と、式中、R1=CH3、
R2=H、およびn=6である式Iのヘキサエチレングリコールモノメタクリレ
ート(3重量%)との20.0重量部のターポリマーを添加された、79.8重
量部の同じ種類のLDPEからなっていた。このポリマー組成物は、約2重量部
の過酸化ジクミルおよび安定剤(約0.2重量部)も含有していた。アシュクラ
フト試験からの結果を以下の表にまとめた。組成物 水ツリー 平均長さ 平均長さ
(μm) (%)
ポリマー1(標準) 374 100
ポリマー2(比較) 149 40
ポリマー3(発明) 126 34
試験結果は、本発明による組成物の改善されたWTR特性を明らかに示してい
る。例2
この例において、本発明による2種の組成物の耐−水ツリー劣化性をアシュク
ラフト試験によって比較した。これらの組成物は、エチレンと20重量%の酢酸
ビニルと9重量%のヒドロキシエチルメタクリレート(式中、R1=CH3、R2
=H、およびn=1である式IのコモノマーであるHEMA)とのターポリマー
からなる異なった含有率の水ツリー抑制ポリマーと併用して、MFR=2g/1
0minを有する低密度ポリエチレン(LDPE)からなっていた。一方の組成
物は、6.5重量%の水ツリー抑制ポリマーを含有していたのに対して、他方の
組成物は、14重量%の水ツリー抑制ポリマーを含有していた。アシュクラフト
試験によって、平均水ツリー長さを実施例1の標準ポリマーにおける平均水ツリ
ー長さの%で数え、6.5重量%のEVA−HEMAを有する組成物の場合に4
6%、14重量%のEVA−HEMAを有する組成物の場合に21%の平均水ツ
リー長さを数えた。従って、耐−水ツリー劣化性が、式Iのモノマーを含有する
水ツリー抑制ポリマーの含有率の増加につれて向上することは明らかである。例3
この例において、ケーブルの内部半導体を構成した3種の半導体ポリマー組成
物、すなわち、ポリマーA、ポリマーBおよびCの絶縁耐力を測定した。
第1の組成物(ポリマーA)は、18重量%の酢酸ビニルを有するエチレン酢酸
ビニルコポリマー(EVA)からなっていた。この組成物は、組成物を半導性に
するために40重量%のカーボンブラックを含有していた。この組成物を標準と
して用いた。
第2の組成物(ポリマーB)は、第1の組成物におけるのと同じEVAポリマ
ーからなっていた。相違は、約20000の分子量を有する0.6重量%のポリ
エチレングリコール(PEG)を別に添加していたことである。この組成物は、
40重量%のカーボンブラックを含有していた。この組成物は、先行技術の実施
例であった。
第3の組成物(ポリマーC)は、エチレンと18重量%の酢酸ビニルと3重量
%の式Iのモノマーとのターポリマーからなっていた。式Iのモノマーは、ヘキ
サエチレングリコールモノメタクリレート、すなわち、式IにおいてR1=CH3
、R2=H、およびn=6のものからなっていた。更に、組成物は、約40重量
%のカーボンブラックを含有していた。この組成物は、本発明による組成物であ
った。
上述の3種の各組成物を内部半導体層としてケーブル中に組み込んだ。ケーブル
は、内側から外側に見て、1.4mmの銅導体と、2.8mmの外径を有する内
部半導体層と、5.8mmの外径を有する絶縁層と6.1mmの外径を有する外
部半導体層とからなっていた。絶縁層は、2g/10minのMFRを有する低
密度ポリエチレンからなっており、外部半導体層は、エチレンブチルアクリレー
トコポリマーからなっており、約40重量%のカーボンブラックを添加していた
。ドイツ、ハノーバーのアルカテル社(Alcatel AG&Co)が開発し、ランド(Land H
.G.)、シェドリッヒ(Schadlich Hans),"Model Cable Test for Evaluating the
Aging Behaviour under Water Influence of Compound for Medium Voltage Ca
bles",Conference Proceedings of J1cable 91,24-29 1991年6月(フラ
ンス、ベルサイユ)の記事に記載された方法に準拠してこれらの試験ケーブルで
、絶縁耐力の試験を実施した。絶縁耐力の値として、Weibull線図からEmax
の63%(kV/mm)が指定された。一方でA)空気中90℃で16時間
エージング後に、他方でB)85/70℃水中で9kV/mmにおいて1000
時間エージング後、絶縁耐力を測定した。試験結果は以下の表に記載した通りで
ある。組成物 絶縁耐力
A(kV/mm) B(kV/mm)
ポリマーA(標準) 77.9 39.6
ポリマーB(先行技術) 95.6 40.6
ポリマーC(発明) 93.6 45.4
試験結果から見える通り、本発明による組成物は、内部半導体層として良好な
特性を示し、特に、85/70℃水中で9kV/mmにおいて1000時間エー
ジング後、優れた絶縁耐力を有していた。例4
この例において、エチレンと約15重量%のメチルアクリレートと約2重量%
のヘキサエチレングリコールモノメタクリレート、すなわち、実施例3における
のと同じ式Iのモノマー、とのターポリマーと、約40重量%のカーボンブラッ
クとからなる組成物を内部半導体層として有するケーブルで実施例3と類似の方
法で絶縁耐力を試験した。試験において、85/70℃水中で9kV/mmにお
いて1000時間エージング後、59.4kV/mmの絶縁耐力(Emaxの63
%)を得た。例5
この例において、特にケーブルの外部半導体層に対して重要な特性である耐環
境応力亀裂性(ESCR)を試験した。一方で50℃における10%Igepalで、
他方で50℃における空気中で、ASTM D 1693に準拠して試験を実施し
た。
3種の半導体ポリマー組成物(ポリマー1、2および3)を試験し、それらの
組成物は以下の通りであった。ポリマー1
(比較組成物):9重量%酢酸ビニルおよびMFR=9.5dg/1
0minを有するエチレン酢酸ビニルコポリマー。更に、組成物は約36重量%
のカーボンブラックを含有していた。ポリマー2
(比較組成物):18重量%酢酸ビニルおよびMFR=9dg/10
minを有するエチレン酢酸ビニルコポリマー。更に、組成物は約40重量%の
カーボンブラックを含有していた。ポリマー3
(本発明による):9重量%酢酸ビニル、10重量%のヒドロキシエ
チルメタクリレートおよびMFR=6dg/10minを有するエチレン酢酸ビ
ニルヒドロキシエチルメタクリレートターポリマー。更に、組成物は約36重量
%のカーボンブラックを含有していた。
ESCRの試験の結果を以下の表に示し、合計10個の試験片の内、ある時間
後に試験において破壊された試験片の数として結果を記載した。
破壊された試験片の数/時間 組成物 ESCR、空気、50℃ ESCR、10%、Igepal
ポリマー1 10/0 9/0
ポリマー2 3/4 9/1.5
ポリマー3 1/6 7/24
試験結果から見える通り、本発明による組成物は、ESCRが相当に改善され、
その結果として、ケーブルの外部半導体層用の材料として十分に適する。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID
,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
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G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,
TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V
N,YU,ZW
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 次の式Iを有する(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレ ートをコノモマーとして含むエチレンコポリマーから成ることを特徴とするケー ブル用の組成物 式中、R1=HまたはCH3、R2=HまたはCH3、n=1〜20である。 2. R1=CH3、R2=H、およびn=1〜10である、請求項1に記載の 組成物。 3. n=1である、請求項1または2に記載の組成物。 4. n=6である、請求項1または2に記載の組成物。 5. 前記式1の前記(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレー トが、前記エチレンコポリマーの0.1〜15重量%を構成する、前の請求項の いずれか1項に記載の組成物。 6. 前記エチレンコポリマーが、前記式1の前記(ポリ)アルキレングリコ ールモノ(メタ)アクリレートに加えて、追加のビニル不飽和コモノマーからな る、前の請求項のいずれか1項に記載の組成物。 7. 前記追加のビニル不飽和モノマーが、C3〜C8アルファオレフィン、( メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニルおよびビニル 不飽和加水分解性シランモノマーから選択される、請求項6に記載の組成物。 8. 前記追加のビニル不飽和コモノマーが、前記エチレンコポリマーの1〜 40重量%を構成する、請求項6または7に記載の組成物。 9. ケーブルの絶縁層を形成する、前請求項のいずれか1項に記載の組成物 。 10. ケーブルの半導体層を形成し、組成物を半導性にするのに十分な量の カーボンブラックを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の組成物。
Applications Claiming Priority (3)
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