【発明の詳細な説明】
重合体
本発明は、生物医学的な用途における使用に特に適する新規な重合体材料、並
びにそれらの製造および使用方法に関する。
本発明によると、
a)一般式I
[式中、R26は水素またはC1-4−アルキル基であり、A1は−O−もしくは−N
R27−または基B9R−(OH)nであり、ここでR27は水素またはC1-4−アルキ
ル基であり、
B9は結合、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオ
リゴオキサアルキレン基であり、
R13はn+1官能性の(場合により置換されていてもよい)C1-24アルキレン基
であり、
nは1もしくはそれより多い整数である]のヒドロキシル−基を含有する単量体
、および
b)一般式(II)
[式中、R19は水素またはC1-4−アルキル基であり、或いは
A2は−O−または−NR21−であり、ここでR21は水素またはC1-4−
アルキル基であり、
R12は各アルキレン基の炭素数が1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-24アル
キレン、オキサアルキレンまたはオリゴオキサアルキレン基であり、
A3は結合または−O−であり、
各R16は独立してC1-6−アルキル基から選択される]
の反応性単量体
を含む単量体から製造される架橋−結合可能な重合体が提供される。
一般式Iのヒドロキシル基を含有する単量体において、R26は好ましくは水素
またはメチル、最も好ましくはメチル、である。A1は好ましくは−O−である
。B9は好ましくは結合である。
R13は好ましくはC2-6−アルキレン基、最も好ましくはC2-4−アルキレン、
最も好ましくはプロピレンから選択される。単量体Iは異なる基R13を有する化
合物の混合物からなっていてもよい。好ましくは、そのような混合物において、
全ての基R13は同数の炭素原子を有するが、異なる異性体の混合物を含んでなっ
ていてもよい。例えば、基R13がプロピレンである場合には、それは1,2−プ
ロピレンおよび1,3−プロピレンの混合物からなっていてもよい。
一般式IIの反応性単量体において、R19は好ましくは水素およびメチル基から
選択され、最も好ましくはR19はメチルである。A2は好ましくは−O−である
。A3は好ましくは−O−である。R12は好ましくはC2-6−アルキレン、好まし
くはC2-4−アルキレン、である。ここでも、式IIの単量体は異なる基R12を有
する化合物の混合物を含んでなっていてもよい。
R16はC1-6−アルキル基、好ましくはC1-2−アルキル基、から選択される。
好適な重合体は、一般式III
[式中、Bは場合により1個もしくはそれより多い弗素原子を含有していてもよ
くそして過弗素化された連鎖を含んでいてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のアル
キレン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレン連鎖であるか、或い
はXがBと双性イオン部分との間の炭素−炭素連鎖を含有する場合またはYがB
に結合した末端炭素原子を含有する場合には、原子価結合であり、
Xは双性イオン基であり、
Rは水素またはC1−C4アルキル基であり、そして
Aは−O−もしくは−NR1−であり、ここでR1は水素もしくはC1−C4アルキ
ル基であり、またはR1は−B−Xであり、ここでBおよびXは以上で定義され
ている通りである]
の双性イオン単量体を含む単量体から製造される。
式(III)の化合物において、KおよびBが合計で12個までの炭素原子を含
有することが好ましい。
一般式IIIの双性イオン単量体において、Rは好ましくは水素およびメチルか
ら選択され、そして最も好ましくはメチルである。
好ましくは、B9は式−(CR3 2)a−[式中、基−(CR3 2)−は同一もしくは相
異なり、そして各基−(CR3 2)−において基R3は同一もしくは相異なりそして
各基R3は水素、弗素またはC1-4アルキルもしくはフ
ルオロアルキル、好ましくは水素であり、そしてaは1〜12、好ましくは1〜
6である]のアルキレン基、
オキサアルキレン基、例えば各アルキル部分中の炭素数が1〜6のアルコキシア
ルキル、より好ましくは−CH2O(CH2)4−、または
式−[(CR4 2)bO]c(CR4 2)b−[式中、基−(CR4 2)−は同一もしくは相異な
りそして各基−(CR4 2)−において基R4は同一もしくは相異なりそして各基R4
は水素、弗素またはC1-4アルキルもしくはフルオロアルキル、好ましくは水素
であり、そしてbは1〜6、好ましくは2または3であり、そしてcは2〜11
、好ましくは2〜5である]のオリゴ−オキサアルキレン基、または
Xがbと永久的正電荷の中心との間に炭素−炭素連鎖を含有する場合またはYが
末端炭素原子を含有する場合には、原子価結合
である。
好適なBは炭素数が12までの場合により1個もしくはそれ以上の弗素原子を
含有していてもよいアルキレン、オキサアルキレンおよびオリゴ−オキサアルキ
レン基を包含する。
双性イオン単量体III上の好適な双性イオン基は、カチオン部分が第四級アン
モニウム基を基にしておりそしてアニオン部分がホスフェート基を基にしている
基である。好適な双性イオン基は燐酸アンモニウムエステル双性イオン基である
。好ましくは、アンモニウムは第四級アンモニウムであり、そしてホスフェート
基はジエステル基、またはアミド同族体である。一般的には、カチオン基はBか
ら遠いペンダント基Xの端部に位置する。
好ましくは、Xは式
[式中、部分X1およびX2は同一もしくは相異なり、−O−、−S−、−NH−
または原子価結合、好ましくは−O−、であり、そしてW+はアンモニウム、ホ
スホニウムまたはスルホニウムカチオン基および好ましくはC1-12−アルキレン
基であるアニオンおよびカチオン部分を結合する基を含んでなる基である]
の基である。
好ましくは、Wはカチオン基としてアンモニウム基、より好ましくは第四級ア
ンモニウム基、を含有する。
基W+は例えば式−W1−N+R23 3、−W1−P+R23a 3、−W1−S+R23a 2また
は−W1−Hetの基であってよく、ここでW1は場合により1個もしくはそれ以
上のエチレン系不飽和二重もしくは三重結合を含有していてもよい炭素数が1も
しくはそれ以上の、好ましくは2−6の、アルキレン、ジ置換されたアリール、
アルキレンアリール、アリールアルキレン、またはアルキレンアリールアルキレ
ン、ジ置換されたシクロアルキル、アルキレンシクロアルキル、シクロアルキル
アルキレンまたはアルキレンシクロアルキルアルキレンであり、この基W1は場
合により1個もしくはそれ以上の弗素置換基および/または1個もしくはそれ以
上の官能基を含有していてもよく、そして
基R23は同一もしくは相異なりそして各々が水素または炭素数1〜4のアルキル
、好ましくはメチル、またはアリール、例えばフェニルであるか、或いは基R23
の2個がそれらが結合されている窒素原子と一緒になっ
て炭素数が5〜7の複素環式環を形成するか、或いは3個の基R23がそれらが結
合されている窒素原子と一緒になって各環中の炭素数が5〜7の縮合環を形成し
、そして場合により基R23の1個もしくはそれ以上が親水性官能基により置換さ
れていてもよく、そして
基R23aは同一もしくは相異なりそして各々がR23または基OR23であり、ここ
でR23は以上で定義されている通りであり、或いは
Hetは芳香族の窒素−、燐−または硫黄−、好ましくは窒素−含有環、例えば
ピリジンである。
好ましくはW1は直鎖状アルキレン基、最も好ましくは1,2−エチレン、で
ある。
最も好適な群は以下で定義されている式(IVA)、(IVB)、(IVC)
、(IVD)および(IVE)の基であり:そのような基を含有する単量体は共
重合体を与えるために単独でまたは別の双性イオン単量体と組み合わせて使用す
ることができる。これらの基の中では、(IVB)が特に好ましい。
式(IVA)の基は
[式中、基R6は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1-4アルキルで
あり、そしてdは2〜4である]
である。
好ましくは、基R6は同一である。基R6の少なくとも1個がメチルであること
も好ましく、そして基R6が両者ともメチルであることがより
好ましい。
好ましくはdは2または3、より好ましくは3である。
Xが式(IVA)の基である時には、好ましくはBは式−(CR3 2)−または−
(CR3 2)2−の基、例えば−(CH2)−または−(CH2CH2)−、である。
式(IVB)の基は[式中、基R7は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1-4アルキルで
あり、そしてeは1〜4である]
である。
好ましくは、基R7は同一である。基R7の少なくとも1個がメチルであること
も好ましく、そして基R7が全てメチルであることがより好ましい。
好ましくはeは2または3、より好ましくは2である。
Xが式(IVB)の基である時には、好ましくはBは式−(CR3 2)−または−
(CR3 2)2−の基、例えば−(CH2)−または−(CH2CH2)−、である。
式(IVC)の基は
[式中、基R8は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1-4アルキルで
あり、R8aは水素またはより好ましくは基−C(O)B1R8bであり、ここでR8b
は水素またはメチル、好ましくはメチルであり、B1は原子価結合または直鎖状
もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキ
レン基であり、そしてfは1〜4であり、そして
Bが原子価結合以外である場合にはZは1であり、そしてBが原子価結合である
場合にはXが酸素または窒素原子に直接結合しているならZは0であり、そして
そうでないならZは1である]
である。
好ましくは、基R8は同一である。基R8の少なくとも1個がメチルであること
も好ましく、そして基R8が全てメチルであることがより好ましい。
好ましくはfは1または2、より好ましくは2である。
好ましくはB1は
原子価結合、
式−(CR3a 2)aa−[式中、基−(CR3a 2)−は同一もしくは相異なり、そして各
基−(CR3a 2)−において基R3aは同一もしくは相異なりそして各基R3aは水素
またはC1-4アルキル、好ましくは水素であり、そしては1〜12、好ましくは
1〜6である]
のアルキレン基、
オキサアルキレン基、例えば各アルキル部分中の炭素数が1〜6のアルコキシア
ルキル、より好ましくは−CH2O(CH2)4−、または
式−[(CR4a 2)baO]ca[式中、基−(CR4a 2)−は同一もしくは相異な
りそして各基−(CR4a 2)−において基R4aは同一もしくは相異なりそして各基
R4aは水素またはC1-4アルキル、好ましくは水素であり、そしてbaは1〜6
、好ましくは2または3であり、そしてcaは1〜12、好ましくは1〜6であ
る]のオリゴ−オキサアルキレン基
である。
好適な基B1は原子価結合並びに炭素数が12までのアルキレン、オキサアル
キレンおよびオリゴ−オキサアルキレン基を包含する。
好ましくはBおよびB1は同一である。
Xが式(IVC)の基である時には、好ましくはBは式
−[(CR4 2CR4 2)cOb]CR4 2CR4 2−の基、例えば
−(CH2CH2O)c(CH2CH2)−、である。
式(IVD)の基は
[式中、基R9は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1−C4アルキ
ルであり、R9aは水素またはより好ましくは基−C(O)B2R9bであり、R9bは
水素またはメチル、好ましくはメチルであり、B2は原子価結合または直鎖状も
しくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレ
ン基であり、そしてgは1〜4であり、そして
Bが原子価結合以外である場合にはZは1であり、そしてBが原子価結合である
場合にはXが酸素または窒素原子に直接結合しているならZは0であり、そして
そうでないならZは1である]
である。
好ましくは、基R9は同一である。基R9の少なくとも1個がメチルであること
も好ましく、そして基R9が全てメチルであることがより好ましい。
好ましくはgは1または2、より好ましくは2である。
好ましくはB2は
原子価結合、
式−(CR3b 2)ab−[式中、基−(CR3b 2)−は同一もしくは相異なり、そして
各基−(CR3b 2)−において基R3bは同一もしくは相異なりそして各基R3bは水
素またはC1-4アルキル、好ましくは水素であり、そしてabは1〜12、好ま
しくは1〜6である]のアルキレン基、オキサアルキレン基、例えば各アルキル
部分中の炭素数が1〜6のアルコキシアルキル、より好ましくは−CH2O(CH2
)4−、または式−[(CR4b 2)bbO]cb[式中、基−(CR4b 2)−は同一もしくは
相異なりそして各基−(CR4b 2)−において基R4bは同一もしくは相異なりそし
て各基R4bは水素またはC1-4アルキル、好ましくは水素であり、そしてbbは
1〜6、好ましくは2または3であり、そしてcbは1〜12、好ましくは1〜
6である]のオリゴ−オキサアルキレン基
である。
好適な基B2は原子価結合並びに炭素数が12までのアルキレン、オキサアル
キレンおよびオリゴ−オキサアルキレン基を包含する。
好ましくはBおよびB2は同一である。
Xが式(IVD)の基である時には、好ましくはBは式
−[(CR4 2CR4 2)bO]cCR4 2CR4 2−の基、例えば
−(CH2CH2O)c(CH2CH2)−、である。
式(IVE)の基は
[式中、基R10は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1-4アルキル
であり、R10aは水素またはより好ましくは基−C(O)B3R10bであり、ここで
R10bは水素またはメチル、好ましくはメチルであり、B3は原子価結合または直
鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサア
ルキレン基であり、そしてhは1〜4であり、そして
Bが原子価結合以外である場合にはZは1であり、そしてBが原子価結合である
場合にはXが酸素または窒素原子に直接結合されているならZは0であり、そし
てそうでないならZは1である]
である。
好ましくは、基R10は同一である。基R10の少なくとも1個がメチルであるこ
とも好ましく、そして基R10が全てメチルであることがより好ましい。
好ましくはhは1または2、より好ましくは2である。
好ましくはB3は
原子価結合、
式−(CR3c 2)ac−[式中、基−(CR3c 2)−は同一もしくは相異なり、そして各
基−(CR3c 2)−において基R3cは同一もしくは相異なりここで各基R3cは水素
またはC1-4アルキル、好ましくは水素であり、そし
てacは1〜12、好ましくは1〜6である]のアルキレン基、オキサアルキレ
ン基、例えば各アルキル部分中の炭素数が1〜6のアルコキシアルキル、より好
ましくは−CH2O(CH2)4−、または式−[(CR4c 2)bcO]cc−[式中、基−(
CR4c 2)−は同一もしくは相異なりそして各基−(CR4c 2)−において基R4cは
同一もしくは相異なりそして各基R4cは水素またはC1-4アルキル、好ましくは
水素であり、そしてbcは1〜6、好ましくは2または3であり、そしてccは
1〜12、好ましくは1〜6である]のオリゴ−オキサアルキレン基
である。
好適な基B3は原子価結合並びに炭素数が12までのアルキレン、オキサアルキ
レンおよびオリゴ−オキサアルキレン基を包含する。
好ましくはBおよびB3は同一である。
Xが式(IVE)の基である時には、好ましくはBは式
−[(CR4 2CR4 2)bO]cCR4 2CR4 2−の基、例えば
−(CH2CH2O)c(CH2CH2)−、である。
本発明に従う重合体は好ましくは式V
[式中、R14は水素またはC1-4−アルキルであり、
A4は−O−または−NR15−であり、ここでR15は水素、C1-4−アルキル基ま
たは基Qであり、
そしてQはヒドロキシル基、
未置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の弗素原子により置換されておりそ
して場合により1個もしくはそれ以上の炭素−炭素二重または
三重結合を含有していてもよい炭素数が1〜24の直鎖状もしくは分枝鎖状のア
ルキル、アルコキシアルキルまたは(オリゴアルコキシ)アルキル連鎖、
シロキサン基−(CR16a 2)qq(SiR16b 2)(OSiR16b 2)ppR16b(ここで、各
基R16aは同一もしくは相異なりそして水素または炭素数が1〜4のアルキル、
またはアラルキル、例えばベンジルもしくはフェネチルであり、各基R16bは炭
素数が1〜4のアルキルであり、qqは1〜6でありそしてppは0〜49であ
る)、および
カルボキシレート、スルホネート、ハイドロジェンホスフェートおよびホスフェ
ート基から選択されるアニオン基並びに−N+R31 3(ここで、各基R31は同一も
しくは相異なり、そして水素または炭素数が1〜6のアルキルであり、それらの
基R31の2個が一緒になって5〜7個の原子を含有する複素環式環を形成しても
よい)、+NHet(ここで、Hetは1個もしくはそれ以上の炭素数が1〜4
のアルキル基により置換されているかまたは未置換である不飽和複素環式環であ
る)、および基P+R32 3(ここで、各基R32 3において各基R32は同一もしくは
相異なりそして水素または炭素数が1〜6のアルキルであり、それらの基R31の
2個が一緒になって5〜7個の原子を含有する複素環式環を形成してもよい)か
ら選択されるカチオン基から選択される基Q5で置換されたC1-24−アルキルか
ら選択される]
の共単量体を包含する単量体から製造される。
式Vにおいて、基R14は好ましくは水素およびメチルから選択される。
A4は好ましくは−O−である。
式Vの単量体において、基Qは最も簡便には疎水性の基、好ましくは
アルキル、フルオロアルキルまたはシロキサン基である。
好適な単量体Vは、Qが
a)場合により1個もしくはそれ以上のエーテル酸素原子および場合により1個
もしくはそれ以上の例えば炭素数が6もしくはそれ以上の炭素−炭素二重もしく
は三重結合を含有していてもよいアルキル基、または
b)場合により1個もしくはそれ以上のエーテル酸素原子および場合により1個
もしくはそれ以上の炭素−炭素二重もしくは三重結合を含有していてもよい好ま
しくは炭素数が6もしくはそれ以上のフルオロアルキル基、または
c)50個までの珪素原子を好ましくは直鎖中に含有するシロキサン基である共
単量体である。
好ましくは、アルキルまたはフルオロアルキル基Qは24個までの炭素原子、
例えば18個までの炭素原子、を含有する。例えば、式Vの化合物において、Q
は未置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の弗素原子により置換されており
そして場合により1個もしくはそれ以上の炭素−炭素二重もしくは三重結合を含
有していてもよい炭素数が1−24の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル、アル
コキシアルキルもしくはオリゴアルコキシアルキル連鎖であるかまたは以上で定
義されているようなシロキサン基である。
最も好ましくは、Qは
式−(CR17 2)mCR17 3[式中、基−(CR17 2)−は同一もしくは相異なり、そし
て各基−(CR17 2)−において基R17は同一もしくは相異なりそして各基R17は
水素、弗素またはC1-4アルキルもしくはフルオロアルキルでありそしてmはQ
が弗素原子を含有しない場合には5〜23で
ありまたはQが1個もしくはそれ以上の弗素原子を含有する場合には1〜23、
好ましくは5〜23、である]のアルキル基、
未置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の弗素原子により置換された各アル
キル部分中の炭素数が1〜12のアルコキシアルキル、または式−[(CR18 2)n
O]o(CR18 2)nR18[式中、基−(CR18 2)−は同一もしくは相異なりそして各
基−(CR18 2)−において基R18は同一もしくは相異なりそして各基R18は水素
、弗素またはC1-4アルキルもしくはフルオロアルキルでありそしてnは2〜6
、好ましくは3〜4であり、そしてoは1〜12である]の(オリゴ−アルコキ
シル)アルキル基である。
特に好ましい基Qは場合により1個もしくはそれ以上の炭素−炭素二重または
三重結合を含有していてもよい直鎖状のアルキルまたはフルオロアルキル基であ
る。
Qが以上で定義されているシロキサンである場合には、各基−(CR16a 2)−は
同一もしくは相異なり、好ましくは同一であり、そして好ましくは各基R16aは
水素である。好ましくはqqは2〜4であり、そして最も好ましくは3である。
各基−(SiR16b 2)−は同一もしくは相異なり、好ましくは同一であり、そして
好ましくは各基R16bはメチルである。好ましくはppは4〜29である。
1つの特定の態様では、基Qはエチレン系不飽和、すなわち炭素−炭素二重ま
たは三重結合、を含有しない。
アルキル、フルオロアルキルまたはシロキサン基を含有する共単量体の特別な
例は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸n−ドデシル、
メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ヘキサデシ
ル、メタクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、p−オク
チルスチレン、p−ドデシルスチレンおよびモノメタクリルオキシプロピル末端
シロキサン類、特にポリ(ジメチルシロキサン)類を包含する。メタクリル酸n
−ドデシルが特に好ましい。
新規な重合体においては、基R26、R19、RおよびR14の全てが同じ意味、好ま
しくはメチル、を表すことが好ましい。基A1、A2、AおよびA4が同じ基を表
すことも好ましく、そして好ましくは−O−である。そのような共通の特徴が単
量体中に存在する場合には、単量体が同様な反応性の比を有するらしいため共重
合が最適な方式で進行すると信じられる。
重合体はそれらの成分単量体からラジカル重合により、典型的には熱、レドッ
クスまたは光化学的開始法を使用して製造される。重合条件は、式IIの単量体の
シリル基と式Iの単量体のヒドロキシル基との間の反応が重合中に意義ある程度
まで起きないようにできるであろう。
熱重合用には、40〜100℃、典型的には50〜80℃、の温度が使用され
る。光化学的重合用には、例えばガンマ線、紫外線、可視光線、またはマイクロ
波線の如き化学線を使用できる。典型的には、波長が200〜400nmの紫外
線が使用される。
重合は一般的には反応媒体中で実施され、それは例えば溶媒として例えばアセ
トニトリル、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチ
ル、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフ
ラン、または重合体が非プロトン性溶媒と反応する基を含有しない場合には水ま
たは炭素数が1〜4のアルカノール、例えばメタノール、エタノールもしくはプ
ロパン−2−オール、を使用
する液相中の単量体の溶液または分散液である。或いは、上記の溶媒のいずれか
の混合物を使用してもよい。
重合は1種もしくはそれ以上の重合開始剤、一般的にはフリーラジカル発生剤
、一般的には過酸化物またはアゾ開始剤、例えば過酸化ベンゾイル、2,2'−
アゾ−ビス(2−メチルプロピオニトリル)またはベンゾインメチルエーテル、の
存在下で実施できる。使用できる他の重合開始剤は"Polymer Handbook",3rd ed
ition,Ed.J.Brandrup and E.H.Immergut,Pub.Wiley-Interscience,New
York,1989に開示されている。
一般的には、重合は1〜72時間、好ましくは8〜48時間、例えば16〜2
4時間にわたり、そして例えば窒素またはアルゴンの不活性雰囲気下で行われる
。重合体は一般的には透析、非溶媒(例えばジエチルエーテルもしくはアセトン
)中での沈澱または限外濾過により精製される。生じた重合体は一般的には真空
下で例えば5〜72時間にわたり乾燥されそして10,000〜10,000,0
00、好ましくは20,000〜1,000,000の分子量を有する。
式Iの単量体が式11の単量体に対してモル過剰で存在することが好ましい。2
種の単量体は一般的には、重合体が使用される時に所望する水準の架橋結合を与
えるような量で、重合体中に供給される。好ましくは、式Iの単量体対式IIの単
量体のモル比は1:2〜10:1、好ましくは1:1〜10:1、最も好ましく
は2:1〜6:1、の範囲内である。
式IIIの双性イオン単量体が含まれる場合には、それは一般的には0.01%の
範囲内のモル量で、好ましくは少なくとも1%で、最も好ましくは少なくとも5
%で、例えば少なくとも10%で、含有される。合計
量は好ましくは50%より少なく、例えば15〜33%の範囲である。
式Vの共単量体が重合体中に含まれる場合には、それは.01〜99モル%の
範囲内の量で、最も好ましくは1〜95%の範囲内の量で、最も好ましくは10
〜90%の範囲内の量で、例えば25〜80%の範囲内の量で、存在できる。
式IIの単量体の量は一般的には少なくとも1%、好ましくは少なくとも2%、
例えば3〜10%の範囲内、である。式Iの単量体の量は一般的には式IIの単量
体のモル量より多く、その理由はこれが式IIの単量体のトリアルコキシシリル基
の完全な反応を促進させるからである。式Iの単量体の残存する架橋結合されて
いないヒドロキシル基はあまり反応性でないため、架橋結合された生成物中のそ
れの存在はそれが接触する流体または固体基質との反応性相互作用に関する問題
を引き起こさない。
架橋結合可能な重合体はコーテイング用途にとって特に有用である。本発明は
さらに、架橋結合可能な重合体を含有するコーテイング組成物も提供する。その
ような組成物は一般的には内部に重合体が溶解または分散する液体賦形剤を含ん
でなる。好ましくは、液体賦形剤は内部に重合体が溶解する重合体用の溶媒を含
む。例えば、溶媒は水をベースにした溶媒であってもよいが、より適切には有機
溶媒、例えばアルコールまたはエーテル溶媒、である。コーテイング組成物は下
層にある表面の湿潤化および/またはコーテイングの一体性を助ける他の成分を
含んでいてもよい。
本発明は、基質を本発明に従う液体コーテイング組成物でコーテイングし、そ
の後に溶媒をコーテイングから例えば蒸発により除去する段階が続く方法であっ
て、そしてここで重合体をコーテイング後に架橋結合
段階にかけ、そこではそれを式Iの単量体のヒドロキシル基と式IIの単量体の該
OR16基の1つとの間で架橋結合が起きるような条件にかける方法も提供する。
そのような反応条件は一般的には、重合体を例えば減圧下で温度を上昇させてア
ルコールR16OH副生物を除去することも含む。
あるコーテイング方法に関しては、単一段階で出発単量体を重合しそして架橋
結合することが望ましい。この場合には、コーテイング組成物は単量体および必
要に応じて単量体用の溶媒を含んでなり、そして単量体IIのトリアルコキシシリ
ル基と単量体Iのヒドロキシル基との間の反応がラジカル開始重合と同時に起き
るような条件にかけられる。
式IIと組み合わせた式Iの単量体の使用は非常に良好な架橋結合度を与えなが
ら、良好な一体性すなわち付着性を有するが適度な柔軟性も有する重合体生成物
を製造する。従ってそれは融通性のある基質、特に使用中に伸びまたは他の寸法
変化を受ける基質、上での使用のための良好なコーテイングを与える。例えば、
コーテイングされる基質は使用中に膨張するステントまたは他の生物医学的な器
具の金属であってよい。基質はエラストマー、または可塑的に膨張可能なプラス
チック材料であってよい。
本発明を以下の実施例でさらに説明する。実施例1
下記のものはメタクリル酸ヒドロキシプロピル(Hpm)を用いる場合および
用いない場合の膜に関する実験を概略記載するものである。数値は相対的モル量
を示す。
製造された膜は、
../001 燐酸2−(メタクリロイルオキシエチル)−2'−(トリメチルアンモ
ニウムエチル)内塩:メタクリル酸ラウリル:メタクリル酸3−トリメトキシシ
リルプロピル 30:60:10
../002 燐酸2−(メタクリロイルオキシエチル)−2'−(トリメチルアンモ
ニウムエチル)内塩:メタクリル酸ラウリル:メタクリル酸3−トリメトキシシ
リルプロピル 32:63:5
../003 燐酸2−(メタクリロイルオキシエチル)−2'−(トリメチルアンモ
ニウムエチル)内塩:メタクリル酸ラウリル:メタクリル酸3−トリメトキシシ
リルプロピル 33:65:2
../004 燐酸2−(メタクリロイルオキシエチル)−2'−(トリメチルアンモ
ニウムエチル)内塩:メタクリル酸ラウリル:メタクリル酸3−トリメトキシシ
リルプロピル:メタクリル酸ヒドロキシプロピル 29:50:2:10
../005 燐酸2−(メタクリロイルオキシエチル)−2'−(トリメチルアンモ
ニウムエチル)内塩:メタクリル酸ラウリル:メタクリル酸3−トリメトキシシ
リルプロピル:メタクリル酸ヒドロキシプロピル 23:47:5:25
である。
方法:
噴霧台を使用してガラスシートにポリテレフタル酸エチレン(PET)フィル
ムを積層することにより型を製造した。PTFEスペーサーを使用して型を組み
立てた。単量体溶液を型の中に注入しそして50Cで16時間にわたり重合させ
た。
観察:
実験/001は全ての場合に重合体フィルムを生成したが、各場合に得られた
フィルムは脆くそして取り扱い時に砕けた。
実験/002はある場合には単離可能なフィルムを生成したが、他の場合には
水中で16時間にわたり膨潤させた後でもPETから除去できない粘着性フィル
ムを生じた。
実験/003は一様にPETから除去できない粘着性フィルムを生じた。
実験/004はHpmの含有でも相変わらず粘着性フィルムを生じた。
実験/005は全ての場合に弾性であり且つかなり良好な摩耗および破壊強度
性質を示す透明フィルムを与えた。実施例2
この実施例は、重合体を予備製造しそして次にコーテイングする方法を示す。
この重合は以下に概略記載されている標準的方法に従うフリーラジカル溶液重合
技術を使用する。
三首丸底フラスコ(250ml)にデービスコンデンサー、窒素入り口、エタ
ノールである重合溶媒および温度計を装着した。コンデンサーの上部は塩化カル
シウム保護管で覆われており、そして磁気従動部がフラスコに加えられた。反応
システムに次に窒素ガスを用いて通気した。
双性イオン単量体を重量測定しそして次に反応溶媒中に溶解するまで撹拌した
。共単量体を重量測定しそして次に反応溶媒中に溶解するまで撹拌した。重合体
進行中に使用される開始剤は2重量/重量%の量のAIBNであり、そして次に
これを反応溶媒中に溶解させた。
溶液を次に真空下でブフナー漏斗を用いて反応容器中に濾過して加えた。溶液
を窒素の一定流を用いて20分間にわたりガス抜きし、その時
間後に窒素の流速を減じそして温度を62℃に高めた。重合は窒素の雰囲気下で
行われ、そして62℃に保たれた。
重合が完了した時に、熱源を除去しそして溶液を放冷して室温にした。回転蒸
発技術を用いて重合体が発泡しはじめる点まで溶媒を除去した。この溶液を次に
ジクロロメタンでさらに希釈しそして絶えず撹拌しながらアセトン中への滴下に
より沈澱させた。沈澱を次に窒素雰囲気下での真空濾過を用いて集めそして真空
中で25℃において16時間にわたり乾燥した。
重合体を次に液体窒素を用いて冷却しそして分析用ミルを用いて粉砕して微細
粉末にした。重合体を次に真空中で25℃において16時間にわたりさらに乾燥
した。得られた重合体の収率を記録した。
エタノールが反応溶媒であった。
この技術を使用して実施例1のモル比を有する重合体を製造することができた
。例えば1/005の単量体比を有する重合体を製造するために使用される時に
は、それは下記の性質を有する生成物を製造した:
元素分析:
C H N P Si
理論値 62.59 9.91 1.37 3.02 0.60
実測値 60.65 9.88 1.43 3.06 0.59
Mvは粘度平均分子量でありそしてダルトンで表示されている。
重合体は浸漬コーテイングを用いてエタノールから5および10mg/mlで
コーテイングされた。コーテイング速度は3mm/分であった。重合体は70℃
で4時間もしくはそれ以上、例えば一夜にわたり、加熱することにより架橋−結
合された。
重合体を次に加熱することにより架橋結合された多数の鋼製の冠状動脈血栓器
具をコーテイングするために使用しそしてインビトロ試験中のヒドロゲルコーテ
イングの性能を観察する多数の試験にかけた。
SEM顕微鏡検査の全ては日立S400電界放射SEMを用いて行った。伝導
性グラファイトパッドを用いて短柄(stubs)上に設置することによりサンプルを
製造した。スパッターコーテイングを使用しなかった。
重合体に関する分子量、慣性半径および第二ビリアル係数を静止光拡乱の使用
により得られたジムプロットから計算した。測定はPL−LSP光拡散光度計を
用いて30°で始まりそして15°の増分で増加させて行われた。重合体をエタ
ノール中で測定し、トルエンを対照として使用した。回折計を使用して溶液に関
するdn/dc値を確定した。
フィブリノーゲン吸着は我々の出願であるWO93/01221中で使用され
たものと同様な検定法を使用する。
結果および論議
重合体に関する分子量は200,000ダルトンの範囲であり、14nmの慣
性半径を有することが見いだされた。
新規重合体の生物学的な性能(フィブリノーゲン吸着)はバイオコンパタティ
ブルズ(Biocompatibles)により最近使用されている共重合体を含有するホスホリ
ルコリン基のものに匹敵することが示された。吸着値
は両方のPC重合体に関しては約0.2(ELISA試験における吸収に関する
比較単位)でありそして未コーテイング鋼鉄に関しては約1.8であった。
最終的な重合体コーテイングに要求される重要な性質はその機械的安定性であ
る。血管形成器具は配備される時に何度も変形および応力を受け、そのようなコ
ーテイングはこれらの条件に対応しなければならない。これは実験において示さ
れ、そこでは冠状動脈血栓ステントがヒドロキシアルキル/反応性シリル共重合
体およびメタクリル酸ヒドロキシプロピル単量体を含有していない比較的脆いコ
ーテイングでコーテイングされた。比較的脆い重合体コーテイングはバルーン膨
張に伴う応力下で破れる。新規重合体でコーテイングされたステントがこの工程
にかけられる時にはこれはそうではない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年11月12日(1998.11.12)
【補正内容】
請求の範囲
1.a)一般式I
[式中、R26は水素またはC1-4−アルキル基であり、
A1は−O−もしくは−NR27−または基B9R−(OH)nであり、ここでR27
は水素またはC1-4−アルキル基であり、
B9は結合、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオ
リゴオキサアルキレン基であり、
R13はn+1官能性の(場合により置換されていてもよい)C1-24アルキレン基
であり、そして
nは1もしくはそれより多い整数である]のヒドロキシル−基を含有する単量体
、
b)一般式(II)
[式中、R19は水素またはC1-4−アルキル基であり、
A2は−O−または−NR21−であり、ここでR21は水素またはC1-4−アルキル
基であり、
R12は各アルキレン基の炭素数が1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-24アル
キレン、オキサアルキレンまたはオリゴオキサアルキレン基であり、
A3は結合または−O−であり、そして
各R16は独立してC1-6−アルキル基から選択される]
の反応性単量体、および
c)一般式(III)[式中、Bは場合により1個もしくはそれより多い弗素原子を含有していてもよ
くそして過弗素化された連鎖を含んでいてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のアル
キレン、オキサアルキレンまたはオリゴーオキサアルキレン連鎖であるか、或い
はXがBと双性イオン部分との間の炭素−炭素連鎖を含有する場合には、原子価
結合であり、
Xは双性イオン基であり、
Rは水素またはC1−C4アルキル基であり、そして
Aは−O−もしくは−NR1−であり、ここでR1は水素もしくはC1−C4アルキ
ル基であるか、またはR1は−B−Xであり、ここでBおよびXは以上で定義さ
れている通りである]
の双性イオン単量体
を含む単量体から製造される架橋−結合可能な重合体。
2.双性イオン基Xが、カチオン部分が第四級アンモニウム基を基にしておりそ
してアニオン部分がホスフェート基を基にしている基、好ましくは燐酸アンモニ
ウムエステル双性イオン基である、請求項1に記載の重合体。
3.双性イオン基が基IVA、IVB、IVC、IVDおよびIVEから選択さ
れ、ここで
i)式(IVA)の基は
[式中、基R6は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1-4アルキルで
あり、そして
dは2〜4である]
であり、
ii)式(IVB)の基は
[式中、基R7は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1-4アルキルで
あり、そして
eは1〜4である]
であり、
iii)式(IVC)の基は
[式中、基R8は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1-4アルキルで
あり、
R8aは水素または基−C(O)B1R8bであり、ここでR8bは水素またはメチル、
好ましくはメチルであり、
B1は原子価結合または直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサ
アルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレン基であり、
fは1〜4であり、そして
Bが原子価結合以外である場合にはZは1であり、そしてBが原子価結合である
場合にはXが酸素または窒素原子に直接結合しているならZは0であり、そして
そうでないならZは1である]
であり、
iv)式(IVD)の基は[式中、基R9は同一もしくは相異なりそして各々が水素またはC1−C4アルキ
ルであり、
R9aは水素または基−C(O)B2R9bであり、R9bは水素またはメチル、好ましく
はメチルであり、
B2は原子価結合または直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレ
ンまたはオリゴ−オキサアルキレン基であり、
gは1〜4であり、そして
Bが原子価結合以外である場合にはZは1であり、そしてBが原子価結合である
場合にはXが酸素または窒素原子に直接結合しているならZは0であり、そして
そうでないならZは1である]
であり、
v)式(IVE)の基は
[式中、基R10は同一もしくは相異なりそして各々が水素または基−C(O)B3
R10bであり、ここでR10bは水素またはC1-4アルキルであり、
R10aは水素またはメチル、好ましくはメチルであり、
B3は原子価結合または直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレ
ンまたはオリゴ−オキサアルキレン基であり、
hは1〜4であり、そして
Bが原子価結合以外である場合にはZは1であり、そしてBが原子価結合である
場合にはXが酸素または窒素原子に直接結合しているならZは0であり、そして
そうでないならZは1である]
である、
請求項1または2に記載の重合体。
4.単量体が式V
[式中、R14は水素またはC1-4−アルキルであり、
A4は−O−または−NR15−であり、ここでR15は水素、C1-4−アルキル基ま
たは基Qであり、
そしてQはヒドロキシル基、
未置換であるかまたは1個もしくはそれ以上の弗素原子により置換され
ておりそして場合により1個もしくはそれ以上の炭素−炭素二重または三重結合
を含有していてもよい炭素数が1〜24の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル、
アルコキシアルキルまたは(オリゴ−アルコキシ)アルキル連鎖、
シロキサン基−(CR16a 2)qq(SiR16b 2)(OSiR16b 2)ppR16b(ここで、各
基R16aは同一もしくは相異なりそして水素または炭素数が1〜4のアルキル、
またはアラルキル、例えばベンジルもしくはフェネチルであり、各基R16bは炭
素数が1〜4のアルキルであり、qqは1〜6でありそしてppは0〜49であ
る)、および
カルボキシレート、スルホネート、ハイドロジェンホスフェートおよびホスフェ
ート基から選択されるアニオン基並びにカチオン基、−+NR31 3(ここで、各基
R31は同一もしくは相異なり、そして水素または炭素数が1〜6のアルキルであ
り、それらの基R31の2個が一緒になって5〜7個の原子を含有する複素環式環
を形成してもよい)、−+NHet(ここで、Hetは1個もしくはそれ以上の
炭素数が1〜4のアルキル基により置換されているかまたは未置換である不飽和
複素環式環である)、および基−P+R32 3(ここで、各基R32は同一もしくは相
異なりそして水素または炭素数が1〜6のアルキルであり、それらの基R31の2
個が一緒になって5〜7個の原子を含有する複素環式環を形成してもよい)から
選択される基Q5で置換されたC1-24−アルキル基、
から選択される]
の共単量体を含む、上記請求項のいずれかに記載の重合体。
5.液体賦形剤および賦形剤中に溶解または分散した請求項1〜4に記
載の重合体を含んでなるコーテイング組成物。
6.液体賦形剤が重合体を溶解する重合体用溶媒を包含する請求項5に記載の組
成物。
7.請求項1〜4のいずれかに記載の重合体を単量体IのOH基と単量体IIの該
OR基の1個との間で架橋−結合が起きるような条件にかけることにより製造さ
れる架橋結合された重合体。
8.a)一般式I
[式中、R26は水素またはC1-4−アルキル基であり、
A1は−O−もしくは−NR27−または基B9R−(OH)nであり、ここでR27は
水素またはC1-4−アルキル基であり、
B9は結合、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオ
リゴオキサアルキレン基であり、
R13はn+1官能性の(場合により置換されていてもよい)C1-24アルキレン基
であり、そして
nは1もしくはそれより多い整数である]のヒドロキシル−基を含有する単量体
、および
b)一般式(II)
[式中、R19は水素またはC1-4−アルキル基であり、或いは
A2は−O−または−NR21−であり、ここでR21は水素またはC1-4−アルキル
基であり、
R12は各アルキレン基の炭素数が1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-24アル
キレン、オキサアルキレンまたはオリゴオキサアルキレン基であり、
A3は結合または−O−であり、そして
各R16は独立してC1-6−アルキル基から選択される]
の反応性単量体、および
c)一般式(III)
[式中、Bは場合により1個もしくはそれより多い弗素原子を含有していてもよ
くそして過弗素化された連鎖を含んでいてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のアル
キレン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレン連鎖であるか、或い
はXがBと双性イオン部分との間の炭素−炭素連鎖を含有する場合には、原子価
結合であり、
Xは双性イオン基であり、
Rは水素またはC1−C4アルキル基であり、そして
Aは−O−もしくは−NR1−であり、ここでR1は水素もしくはC1−C4アルキ
ル基であるか、またはR1は−B−Xであり、ここでBおよびXは以上で定義さ
れている通りである]
の双性イオン単量体
を含む単量体を重合する方法。
9.重合体を単量体IのOH基と単量体IIの該OR16基の1個との間で架橋−結
合が起きるような条件にかける、請求項1〜4のいずれかに記載の重合体を架橋
−結合する方法。
10.重合体が架橋−結合反応前に基質にコーテイングされている請求項9に記
載の方法。
11.請求項1〜4のいずれかに記載の重合体を架橋結合することにより製造さ
れる架橋−結合された重合体でコーテイングされた基質を含んでなる製品。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C08F 230/08 C08F 230/08
C09D 143/04 C09D 143/04
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID
,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M
G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,
TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V
N,YU,ZW