JP2001507799A - 示差熱検出を行う湿度センサー及び検出方法 - Google Patents

示差熱検出を行う湿度センサー及び検出方法

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JP2001507799A JP53004598A JP53004598A JP2001507799A JP 2001507799 A JP2001507799 A JP 2001507799A JP 53004598 A JP53004598 A JP 53004598A JP 53004598 A JP53004598 A JP 53004598A JP 2001507799 A JP2001507799 A JP 2001507799A
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Abstract

(57)【要約】 水分応答性素子を測定環境に置き、素子の熱容量又は熱抵抗の温度係数を測定する、水分測定方法が提供される。系は、センサー素子を第一の温度と第二の温度との間でサイクルし、各温度におけるセンサー容量を得ることによって作動される。温度係数に相当するセンサー容量の差分は、予め作成された気体湿度又は露点対容量増分値の表と比較される。

Description

【発明の詳細な説明】 示差熱検出を行う湿度センサー及び検出方法 発明の背景 本発明は水分、すなわち水蒸気の、又は気体の露点の測定に関し、特に絶対湿 度又は露点を広範囲な温度及び圧力条件下において迅速に測定する小型固体セン サーを使用する上記測定に関する。 この種の測定を実施する技術は、乾球温度計と湿球温度計との温度差をプロッ トする19世紀の方法から、周囲の湿度に応じて抵抗又は電気容量を変える小型 の回路素子又は構造体により種々の方法又は測定環境で湿度を測定する近代的な 方法まで発達している。能動回路素子を薄型又は小型にすることにより、大気に 対して比較的迅速に平衡に達する計器を提供することができ、またポリマー又は セラミックのような材料の膜を利用することにより、作動パラメーター表の作成 が容易に実施されその効果が維持され又再較正して精度が達成されるように、或 いは少なくとも長期の反復使用が可能なように、これらの計器を比較的長寿命に できる。 湿度センサーへのこのような試みの例は米国特許第3,523,244号に記 載されている。同特許には厚さ0.25μm程度の酸化アルミニウム層が導電性 の基体上に形成され、薄い導電性の多孔質頂部表面電極により覆われた感知素子 が記載されている。酸化物層、つまり不規則な多孔構造を有する硬い水和形態の 酸化アルミニウムがその厚さを通して水蒸気を透過拡散させる。この材料は周囲 大気中の水の分圧に比例して水を吸収し、その抵抗及び電気容量変化の両者が基 体と表面電極との間で容易に測定できる。上記のように、能動層の厚さがが比較 的薄いために、感知素子は周囲湿度に対して迅速に応答し、その応答時間は飽和 の程度に応じて通常数分の1秒から数分の範囲にあり、数桁の範囲に渡って変化 する広範囲な湿度値を有する。 このような装置の読み取りは、例えばロードセル、ダイアフラム型容量性圧力 差測定器などの多数の容量性及び抵抗性センサーに対して使用されている型の従 来型の回路を用いて行われる。これは容量測定ブリッジ、又は同様な回路により 実施できる。例えば、数百〜数千Hzの方形波又は鋸歯状波振動を素子に加える ことによりセンサーをサイクル的に充放電させ、センサーに生じた電圧を同期的 にサンプリングし、増幅し、整流し、そして正規化(例えば0から1ボルトの) 信号として出力することができる。各種の態様において、直流電圧の読み出しは 絶対湿度に厳密に比例するか、或いは極く単純に湿度の読みを反映している。よ り一般的には、容量は湿度並びに素子の温度と共に変化し、その読み出しは、先 ず出力値の表を作成し、表を蓄積し、次いで蓄積した表から任意の温度、圧力又 は他の直接測定された条件に対して正しい較正尺度を適用することにより、得る ことができる。 米国特許第3,523,244号に記載された水和セラミック膜の他に、ポリ スルフォンその他の多種のポリマー膜が感水層として使用され、センサーの応答 性、安定性、その他の特性を向上させている。 このようなセンサーを使用する一つの方法は先ず固定温度において各相対湿度 に対するセンサー容量の較正曲線を取得し、それを蓄積する。次にセンサーを測 定場所で使用するときに、未知の相対湿度又は露点を有する試料気体をセンサー に流す。対応した容量値が測定され、未知の相対湿度は、事前に作成されている 容量対相対湿度の較正曲線上の対応する値を見いだすことにより知ることができ る。相対湿度とセンサー温度の両者が分かると、対応した露点も又単一値に決定 され、或いは飽和水蒸気圧対温度の関係を示す周知の表から実験的に見いだされ るか補間できる。しかしながら、センサーは一般に非常に小型であるので、上記 の方法は暗に試験気体温度でのセンサー容量又は抵抗を測定するものであり、そ れには素子が使用される全ての温度に対して較正曲線を取得し蓄積する必要があ る。水分含有量の他の測定法も初期較正又はそれに続く測定に使用することがで きる。 この測定は理論的には非常に正確であるが、実際にはこの方法には多数の誤差 原因がある。第1に、温度検出誤差があると、不適当な較正曲線に依存すること になる。第2に、実際問題として較正曲線はセンサーが構成され或いは組み込ま れたときに作成されるので、長期にわたるセンサーの経時変化(エージング)に より、その特性が最初に測定されたものから偏倚する。第3に、検出法が薄層に よる水の吸収又は脱着に依存するためにヒステリシス誤差が生じ、また平衡を起 こす駆動力がその前に測定された湿度値の影響を受けることがあり、そのため現 在の測定値の読みは、前の相対湿度と、新たな異なった湿度がセンサーに印加さ れた時間長とに依存しうる。この記憶現象は何日も何週間も続くことがある。さ らに、容量測定ブリッジ、電圧計、接続ケーブルの寄生容量、又はワイヤの曲げ 又は再配置による容量変化、或いは温度に応じて生じる他の回路パラメーター等 のシステム誤差は全て、基本信号又はそれらの湿度測定値への変換の不正確さの 原因となる。 これらの誤差源の多くは装置の再較正又は再設定、センサーのベークアウト或 いはゼロ合わせ、乾燥した基準気体を所定時間流す初期化又はパージング等の方 法、その他センサー又は電子回路に特有の他の方法により、複雑な測定環境内で 克服することができる。さらに、マイクロプロセッサーにより制御される回路で 動作するとき、通常行われるように、通常のエージング特性の表を装置に組み込 んでおき、これらの効果の幾つかに対して見積もりの補正係数を適用することが できる。しかし、一定のオフセット値に線形補正項を加える等の標準的な補正プ ロトコルは水分パラメーター値の中間範囲例えば1−95%RHにおいて正確性 を達成できることが期待できるに過ぎない。平衡に達する速度が遅くドリフト効 果及び遅プロセスが生じる痕跡量の水分測定に対しては、元の較正表の単純な又 は定式的な更新では殆ど又は全く精度は改善されない。 理論的には、これは次のように理解できる。従来一般に使用されている容量対 水分の較正曲線は次式で表される。 C=C0+F(水分) (1) 従来のセンサー感度はΔF/Δ(水分)で、典型値は約0.4pF/%RHであ り、気体の水分含有量は適当な単位を選択して表される(分圧、RH、露点/氷 点、等)。C0及びF(水分)はいずれも初期センサー較正のために通常行われる 実験手法により決定される。すなわち、既知の湿度を有する一連の気体環境中に センサーを置き、その特性を測定し、結果を表にして蓄積させる。次いで、セン サーの容量Cを測定して次式を得る。 F(水分)=C−C0 (1') これは水分含有量そのものに対応する。 しかしながら、C0及びF(水分)は較正後の比較的短期間にのみ初期値を保 持するに過ぎない。センサーの「エージング」、平衡条件の未達成、前の環境から の「記憶」効果、浮遊容量の変化、等の各種の原因で、C0及びF(水分)は次 第にその初期値から偏る。従って、ある時間の後には「真の」較正曲線又は現在 の実際の応答は次のようになる。 C=(C0+δC0)+F(水分)*α ここにδC0は原点(ゼロ)ドリフトとして知られている。 係数αは較正曲線の「勾配」であり、比較的長期間(例えば数ヶ月或いはそれ 以上)では1に等しいと仮定しても問題ない。この仮定は少なくともきれいな背 景気体環境中での実験データに基づくものであり、実際問題としては典型的な下 端側測定範囲5%RH以下では追加の誤差を生じない。 そこで、測定の時点で水分含有量は次式で表される。 F(水分)=C−(C0+δC0) (2) しかし、残念ながら、δC0はセンサーの最新の較正が行われていない限りは一 般には未知である。これに対する一般的な解法は測定時の式(2)の(C0+δ C0)を初期較正時に得られた値C0で単に置換することである。これはしかしF (水分)値における±δC0が不確かであり、典型的には0.5〜2%RH程度 の湿度測定誤差を生じるであろう。 解析モデルと、センサーを露点又は霜点に冷却することにより得た100%R Hの少なくとも1つの「絶対」測定を伴う異なった温度での数点の容量測定のよ うな略式の一組の測定とを使用して、その場で再較正することにより測定精度を 向上することは可能である。これらのデータ点は次に現在のC0の値とセンサー の感度を更新し、それにより、蓄積されている較正曲線を更新するのに用いられ る。このような方法の一つは米国特許第5,033,284号に記載されており 、必要とされるデータ点を得るのに加熱又は冷却したセンサーを用いる方法が開 示されている。実際問題として、この種の補正はセンサーが0%〜100%RH のうちの中間値範囲で使用された場合に適正である。この方法は一定の水の分圧 に おける温度変化が一定温度における水の圧力変化を模擬することができるという 事実に基づいている。 しかし幾つかの限界要因のため、この方法を、例えば約−40℃未満の気体の 霜点及び約0.5%未満の相対湿度の測定のような非常に低い湿度範囲の測定に は適用することはできない。温度データ点の一つが霜点程度に低い温度であると いう上記の条件の他に、較正曲線を更新するための計算に使用する解析モデルは 個々のセンサーの特性を考慮していない。例えば、較正曲線の係数C0及びαは 温度に依存しないと暗に仮定されている。しかし、実際には係数C0は温度23 ℃未満に対して少なくとも0.01%RH/℃、より典型的な平均値としては0 .05〜0.2%/℃に等しい温度ドリフトを示す。新規データ点はそれ自体で 約数十℃の温度変化を必要とするので、この因子自体で既に少なくとも約0.5 %RHの較正曲線誤差を生じる。加えて、真の較正曲線を表すのに使用される多 項式は最初の数項に限定すべきであり、精度のためには較正中及び水分測定中に 各温度点でのセンサーの水分平衡を取る必要がある。これらの条件はこうした補 正の範囲と有用性を厳しく限定する。 まとめると、固体湿度センサーとその関連計測手段の開発は比較的丈夫で小型 の反復測定が可能なセンサーを可能にしたが、これらの測定はセンサー及び電気 信号処理に関連した物理的特性のために、改良すべき限界を有する。 従って、精度、安定性又は較正の容易さを向上した湿度センサーを提供するこ とが望まれる。 発明の概要 本発明の方法は相対湿度センサーとして広く使用されている容量型ポリマーセ ンサーのような水分センサーが、水蒸気の分圧が一定でも、センサー温度が変動 すると容量変化を示すという一般的な観察に基づいている。すなわち、それらの 特性は変数温度及び湿度に対して定義された二次元表面としてグラフ化できる。 従来の測定系はこの特性関数の一連の一次元断面をルックアップ基準として蓄積 しているが、これらの曲線の性質は経時変化と個別のオフセットの影響を受け、 非常に低い湿度値のような湿度の極限領域では本質的に不正確となり、雑音とオ フセットが信号を完全に隠蔽してしまう可能性がある。さらに、中間的な低湿度 においてさえも効果的な測定に要する応答時間は大きく増大する。本発明はより 安定で大幅に拡張された範囲をカバーする基準点を提供する二次元的な湿度/温 度応答の形態に依存する。簡単に述べると、本発明は2つの温度の間でセンサー の温度係数を測定してセンサーの較正を行い、これらの温度の間でセンサーを駆 動し、試料環境下で差分測定を行うことにより、測定値を得る。応答時間は感知 膜の水分平衡が遅プロセスである非常に低い水分値でも充分に速いままである。 この差分測定により同一のセンサーチップが拡張された湿度範囲及び長期にわ たって高い精度をもって使用されることを可能にし、従来の単一点測定系で使用 された既存のセンサーを時折再較正するのに使用されることを可能にし、又絶対 湿度の直接測定に使用されることを可能にする。 本発明は、RHセンサー出力の温度依存性を利用するものであり、従来使用さ れたものとは異なるセンサー出力パラメーターを使用し、それに対応して完全に 異なった較正曲線を使用し、それにより測定から貧弱な挙動のC0を消去する。 基本的な着想は、センサー出力又は基本測定パラメーターとして、センサーの温 度変化により誘起されるセンサーの容量増分又は変動を使用することである。こ れに対応して、予想される水分値の範囲に対して較正値ΔCを蓄積し、このパラ メーターを水分の読みに変換する。センサーは好ましくは2つの固定温度の間で 作動され、絶対水分測定ではなくて相対水分測定、例えば相対湿度(RH)が望 まれる場合には、周囲温度の測定を必要とする。 これは本発明の湿度測定法により達成されるもので、本方法では、湿度応答素 子が測定環境に置かれ、その容量又は抵抗の温度係数が測定される。典型的な装 置は、感知素子を第1の温度と第2の温度の間でサイクルさせ、各温度でセンサ ー容量を測定することにより作動する。次いで、センサー容量の差、又は容量の 温度係数が測定量として取られ、そして予め作成された気体露点対容量増分の較 正曲線中で調べられる。このようにして行われた差分測定は装置のドリフト、ケ ーブルの容量変化、種々のエージング、遅いヒステリシス、或いはセンサー容量 の変動に起因するシステム誤差を持たない。さらに、周囲温度ではなくてセンサ ー温度がセンサーの読みを支配するので、初期較正は較正点の完全な行列の測定 を必要とせず、単に一組のΔC対水分曲線を測定するだけで良い。 一つの態様においては、容量型の相対湿度センサーを電気加熱器又は熱電気冷 却器あるいはその両方に熱的に接触させ、加熱器及び/又は冷却器は感知素子を 第一の温度から第二の温度まで駆動するように作動するが、この作動は好ましく はマイクロプロセッサー制御チップなどのデジタル式装置、又は温度によりスイ ッチが切り替わる単純なアナログ式装置によって制御される。周囲温度に応じて 、装置の温度は初期値に受動的に戻りうるし、あるいは加熱器又は冷却器によっ て能動的に駆動されうる。こうした温度変化の頻度又はサイクル時間は、意図す る試料気体の温度及び相対湿度の範囲内にあるセンサーの時間定数に相当するよ うに選択され、測定は好ましくは、温度領域の両端側においてなされる。例証的 な態様にあっては、白金膜を感知膜下の基体内又は基体上に被覆し、制御した電 力で電圧を加えて膜を加熱する。ペルチエ装置を冷却器として用いても良い。こ れらは数秒又は数分の時間定数又はサイクル時間で、センサー温度が2個の固定 温度間に収まるように駆動される。2つの温度において上端及び下端の容量を読 み取り、読み取りの差を得て、同じ2つの温度において基準気体を用いて予め作 成した較正値の表を参照する。好ましくは、固定サイクル時間を用い、試料環境 に置いたセンサーを用いて各サイクルごとに低温及び高温において容量を連続的 に測定する。測定された容量差は、露点値の範囲について予め作成したΔC対露 点の表と比較する。 あるいは、こうした差分測定は、より大きな間隔又はより延長した期間(例え ば一週間又は一ヶ月)においてのみ行い、その間に従来のC対水分較正表を参照 する測定を行っても良い。この場合、こうして得られたより正確なΔC測定値を 用いて実際の水分値を決定する。現在測定された容量の値がΔC測定により得ら れた値と異なる場合には、従来の蓄積された容量較正表を補正または更新し、セ ンサーの応答の変化に対応させる。従ってΔC測定センサーを用いて、別の従来 のセンサーについての較正表を再較正しても良く、これによって、従来のエージ ングのあるセンサーに必要で、時間がかかり高価な再較正処理を避けることがで きる。こうして得られた更新されたC対露点表のみをしばらくの間用いて、標準 的な変換法に適用し、露点測定の結果を得る。この再較正プロトコルにおいては 、両方の測定(すなわちC測定に基づく従来の測定及び本発明によるΔC差分測 定) が実際には同時にそして同じ気体部分を用いることによって行われると仮定され 、従って各単一ΔC差分測定それぞれから得られた湿度データが、従来のC対露 点較正曲線の点較正を提供するのに充分である。換言すると、試料気体湿度の同 じ現在の値は2つの異なる方法で同時に測定される。ΔC差分測定法を用いて補 正較正曲線を決定し、次いで1点C測定を行い、従来法通りに蓄積した湿度曲線 を照合する。次いでしばらく(数時間、数日間又はそれ以上)の間従来法のみを 用いた後、さらに他のΔC差分測定の結果を得て上記したように他の較正に用い る。 ΔC差分測定は、非常に短時間(例えば5〜15秒間隔)で容易に行うことが でき、従ってΔC測定及び再較正を自動的に制御する装置を用いることによって 、補正処理は「透明」すなわち目立たなくなり、従来の湿度測定法より遅くなる ということはない。この態様においては較正を行う間隔を、従来の測定が安定を 保っている期間(例えば1時間、1日又は1週間)に応じて設定することもでき る。この場合処理又は測定環境の関数となる。 本発明は更に、マイクロプロセッサーを用いた制御装置に、より複雑なアルゴ リズムを組み込むことも企図している。例えば、一連の従来法による測定値にお ける変化が、事前に設定されたしきい値未満であり続ける限りは、ΔC差分測定 プロトコルを一時的に省略することができる。しきい値を超えた時に、制御装置 が再較正を行う。これによってΔC差分測定の動誤差が最小化される。 本発明の方法を実施する装置の一つの態様にあっては、センサーを加熱する加 熱器が提供され、センサー温度を周囲温度より高い第1の温度T1に、次いで第 2の高温T2に上昇させるように、センサーを2サイクルで又は2つの異なる加 熱器電力において作動する。その後、温度は受動的冷却によってT1に戻るが、 更に再度T2に上昇させてもよい。各温度においてセンサーを読み取り、読みと り値の差をセンサー出力とする。他の態様においては、ペルチエ冷却器をセンサ ーと熱的に接触させる。この冷却器は、感知素子の温度を周囲温度より低い1個 以上の温度(T-1、T-2)に下降させるように作動される。ここでも又、センサ ーは周囲との受動的相互作用によってより高い温度に戻る。第3の態様において は、系は加熱器と冷却器との両方を有し、感知素子は容量測定を行う2つの温度 に態動的に駆動される。既知のサイクル時間で装置を能動的にT1に、次いでT2 に駆動し、更にT1に戻すことによって、記憶効果を繰り返し可能なものにし、 サイクル条件の関数とする。同一温度、同一サイクル間隔で作成されたΔC−露 点較正表において、これらは正確に表現される。本出願者は較正表の作成に用い られるのと同じ温度サイクル時間及び端点温度を用いた測定を連続的に行った場 合、上記測定法が長時間に渡って極めて正確で安定したものであることを発見し た。このセンサー系は、5%RH未満の低水分及び低温において特に有用である 。 図の簡単な説明 本発明の上記した特徴及びその他の特徴は、背景技術並びに例証的態様及び本 発明の実施を表わす図を参照にして、下記の説明によって理解されるであろう。 図1は先行技術の湿度センサーを例証する。 図2は温度と露点との関数として湿度を示した表である。 図3は様々な温度における露点の関数としてセンサー容量を表わしたグラフで ある。 図3Aは様々な露点における温度の関数としてセンサー容量を表わしたグラフ である。 図4、4A、4B及び4Cは加熱器、冷却器又はその二者を備えた本発明のセ ンサーの態様を例証する。 図4Dは図4Bの態様における加熱器の特徴を例証する。 図5は本発明の方法によるシステムの作動を例証する。 詳細な説明 図1は、本発明及び先行技術において使用可能な湿度検出系を概略的に示した 図である。図1に示すように、系10は少なくとも基体2及び能動湿度感知層3 を包含する感知素子1、並びに感知素子1が内在する、虚像で示した環境室5を 含有する。電極7a及び7bは能動層3(環境中の湿度に応答する薄い膜として 図示されている)の異なる側面に接続されている。感知素子1は測定回路に設置 されるが、図示されている例においては、回路は震動信号源8;フリップフロッ プ又はマイクロプロセッサー制御スイッチ又はスイッチ列などのタイマー及びス イッチユニット9;並びに様々な態様において同期的に又は部分的作動周期で作 動し容量又はセンサー1の他の電気的特徴を表わす出力信号を発生する増幅器1 1を含有する。図1に示すように、この出力はデジタル化されマイクロプロセッ サー又は制御装置13に入力され、出力信号をルックアップ表14に蓄積された 信号と比較し、センサーが置かれた相対湿度、分圧又は露点に対応する値を得る 。この湿度値はライン15上に出力信号として発生され、例えばパネルディスプ レーに入力されるか、プリンター、デジタル蓄積装置並びに他の形態の記録装置 又はディスプレーに出力される。 一般に例えば能動層3の容量等の、測定されたセンサー特性値は、材料の誘電 率ε×表面積÷厚さに比例し、上記したように厚さは一般に薄く、迅速な応答時 間を確立する1ミルより十分に小さい。アルミナ又は一般的なポリマー膜につい ては、誘電率εは約3〜5であり(これに対して水は81)、能動層において水が 増加又は減少するのにつれて、素子の容量はそれぞれ増加又は減少する。一般に 、プラスチック膜の水分は、空気中の水分圧に比例し、更に周囲温度の関数で表 わされる。最終的な出力は、全気体中の水蒸気の分圧又は露点測定値のいずれか として、即ち、飽和水蒸気圧が測定した水蒸気圧に等しくなる温度Tとして、水 (g)/立方メートルの絶対項で較正される。水分測定値は相対単位、即ち相対 湿度で表わされる。 図2は、氷に対する水蒸気圧を0〜20℃の温度範囲においてミリメートル水 銀柱で表わした表の主な部分を示す。この観察に基づいて作成された表は、様々 な形態の湿度出力測定値間における簡単な変換に従来用いられている。しかし初 期段階として、センサーの容量を作動条件下で予期される温度範囲及び湿度範囲 に渡って集める必要がある。 上記したセンサーに適用したように、典型的な膜容量は湿度0において約20 0pFであり、周辺空気の水蒸気が増加するにつれて上昇する。一般に水の吸収 又は着脱は、ポリマー感知膜表面における比較的低いエネルギーを有する表面上 の水分子と周辺水蒸気内の水分子との間に進行する平衡過程として、物理的にモ デル化できる。一般に、気体中の水分子のエネルギーは高く、温度が上昇するに つれて結合分子は表面から着脱し、表面分子の大部分が高エネルギーを獲得する 。 飽和圧力は、PS=PS0ΔE1/RTで表現できる(ここでΔE1は水の自由分子と 結合(液体)分子とのエネルギー差に相当し、Rはボルツマン定数を表わす)。 この平衡過程によって、気体中の湿度の飽和圧力が温度と共に急激に上昇する一 方で、液体状の水と気体状の水との間の分布状態における変化のためにセンサー の容量は温度と共に減少する。漸近線が水平であるため、高温及び飽和状態にお ける正確な読み取りは困難なものとなる。 これら曲線の一般的な形状は入れ子状になった一連の曲線であり、既知の温度 における容量の読みが特定の湿度又は露点値に変換できるという意味において可 逆的である。 上記したように、湿度センサーの抵抗及び/又は容量は、湿度及び温度両方の 関数で表わされる。この関数は、図3に示すように一連の異なる温度についての 容量対気体露点曲線の集合として慣習的に表わされるか、図3Aに示すように試 料気体の幾つかの異なる露点値についての、容量対温度曲線として表わされる。 気体の温度は少なくともセンサー表面においてセンサーの温度と一致すると仮定 される。従来の装置においては、こうした特徴的な容量曲線は一般的に装置が製 造又は組み立てられた時点で、既知の水分含有量を有する基準気体を用いて様々 な温度で時間のかかる較正法を実施して作成される。 図2に示す、様々な温度における氷上の水蒸気圧についての観察に基づく表又 はそれに同等で公知の表は、様々な単位の湿度出力測定値間の簡単な変換に従来 から用いられている。この様な表を用いて、図3及び図3Aに示すように容量対 露点及び温度の関数を、使用されている測定法にとって望ましい容量対圧力、相 対湿度又は他の水分測定単位に変換することができる。追加的なパラメーターを 測定してこれら変換のうち幾つかに反映させることができるが、これは圧力セン サーなどの別個のセンサーによって容易に測定される。例えば、気体圧力の読み が露点又は分圧を水(グラム)/キロの単位に変換するのに必要である。 しかし、初期段階として、センサーの容量対湿度/温度の関数は第一に較正プ ロトコルによって決定され、予期される作動条件範囲に渡る基準として蓄積され なければならず、少なくとも1個の水分測定単位によって表わされなければなら ない。 図3は、従来の測定法を反映する典型的な較正曲線の組を示す。ここでは試料 気体露点に対するセンサー容量がピコファラドの単位で10〜50℃の気体温度 範囲についてプロットされている。これらの蓄積された曲線を用いて、所与の気 体温度について、測定したセンサー容量を試料気体の露点測定値に容易に変換す る。次いで、表(図2)を用いてこれを絶対湿度又は相対湿度測定値に変換する ことができる。他の曲線を特定の条件範囲で用いて、測定(例えば、ある制限さ れた条件範囲においてあまり温度の影響を受けることのない容量対相対湿度など の測定)を簡略化することができる。しかし上記したように水分に対するセンサ ーの応答は経時的にドリフトし、較正曲線を新たに作成するか、較正点の小さな 集合から変化の性質が予測できる場合には、古い曲線を補正する必要がある。 上記したセンサーのエージングによるドリフト、測定器具のヒステリシス及び システム誤差は実際のセンサー応答曲線に影響を与え図3に示す一連の曲線を上 方又は下方に移動させる。このような移動は実質的に等大(isometric)である 、すなわち形状又は曲線上の2点間の距離を変えることなく曲線が移動する。実 施においてはこのような較正曲線のドリフトによって、市販の相対湿度センサー の測定誤差は約±1%以上となる。同様の移動が、他の一般的な単位で表わされ る較正曲線にも見られる。 図3Aは観察に基づいて作表した、様々な露点についてのセンサー容量対温度 曲線の組を示す。図3Aのこれらの曲線は図3に示す複数の固定温度における一 連の曲線の「鉛直断面」とみなすことができる。 図3Aに見られるように、センサー容量増分ΔCによって表わされ、異なる2 温度(図3Aにおいては例えば30℃と60℃)において取られる、各曲線上の 二点間の鉛直距離は、曲線の上方/下方ドリフトに関わらず実質的に同じである 。同時に、2個の固定温度点間の増分ΔCは露点の増加関数として表わされる。 より一般的には、容量増分と周囲気体の露点との一対一相互関係は、予期される 操作条件範囲内の任意の2温度点において成立させることができる。 本発明はこの対応関係を用いて、まず2個の固定温度間のΔC値を直接測定し 表を作成することによってセンサーの較正データを確立し、次いで較正曲線を同 様に得た差分測定値に適用することによって測定を行う。較正は依然として正確 であり、「エージング」及び上記した他の誤差要因の影響を受けることは実質的 にない。この容量増分測定法を用いることによって、再較正すること無く±0. 0 2%未満の累積測定誤差の相対湿度を一年以上に渡って達成した。その上更にこ れらの差分測定は、特に痕跡量の水分測定において、先行技術の単一点測定法に 比べて非常に正確である。本発明は新規な測定プロトコルにおけるこの特性と、 それに対応する装置を利用する(図4、4A〜4D及び5を参照にして以下に説 明する)。 本発明の基本的装置は二温度間でセンサーを駆動しΔC測定を行う。この測定 値は次いで蓄積された較正曲線を介して変換される。 図4は、本発明による湿度検出の向上したセンサーを示す。図に示すように、 センサーは基体又は支持体2上に感知膜3を有する。電極接触部3a、3bはセ ンサーの上部表面及び下部表面に備わっている。(例えば支持体2のボディー内 又は表面上で膜を金属化することによって形成した)加熱素子20は、組み立て 品に熱を供給して温度が上昇するように適用されており、一方で熱電対又は他の 温度感知装置25は、感知素子3の上部に形成されるか近接するように搭載され ており、表面において温度を正確に反映する信号を提供する。他の形態の加熱器 制御もまた企図される。例えば、薄い白金膜を加熱器として用いた場合、温度制 御は加熱器を2個の異なる精密抵抗器を用いたブリッジ型に配置することによっ て(例えばマイクロプロセッサー制御下のスイッチ又はスイッチ列作動を通じて) 達成される。抵抗値は、抵抗が特定温度T1又はT2における加熱器の抵抗と同等 になる又は比例するように選択され、また、この設定抵抗値からの変動値に比例 して電力が加熱器に供給されるように、加熱器に接続された電力源の増加がブリ ッジ上に発生する不均衡な電圧によって制御される。従って、白金加熱器には望 ましい設定抵抗点に達するまで電力が供給される。達成した時点で、コンピュー ターによって他の抵抗器に切り替えられ、異なる温度に達するように加熱器に電 力が供給される。白金膜は、感知膜の下に隣接するように設置されるか、或いは 表面を被覆する。従って、上記したように一個以上の熱電対を提供することによ ってより正確な制御(例えば温度依存又は環境依存補正の導入)が可能になるが 、白金膜は正確に感知膜温度を表わす。典型的な系においては、回路又はマイク ロプロセッサーが各温度又は温度サイクル中のある固定時点でセンサー読み取り を行い、逐次的な差が差分センサー値又はΔCセンサー値として検出される。従 っ て、周囲温度ではなくセンサー温度が出力を決定し、そのセンサーについて作成 された較正表を参照にして水分値が決定される。 図4Aは、本発明による湿度センサーの他の態様を例証する。この態様におい ては、熱電気冷却器又はペルチエ効果冷却器16が感知膜3の支持体として提供 されている。上記したように、表面電極がセンサー容量における変化を検出する ために備えられ、温度センサー(図示せず)が表面温度を決定するために適当な 位置に搭載されても良い。自動制御装置が温度勾配を検出し実際の表面温度を外 挿又は内挿するために、幾つかの熱電対を備えても良いことは容易に理解される 。但し一般的にはその寸法は、一個の温度感知素子でも正確な感知を行える搭載 配置が十分に可能なほどに小さいものである。本発明は更に、冷却器及び加熱器 の両方が備わり、それぞれが異なる時間に電圧を加えられ別個に温度を上昇又は 下降させる態様を企図している。電気回路又はマイクロプロセッサー制御装置が 2個の異なる温度T1及びT2(相対湿度センサーはその温度に上げられ、上記し たように容量を測定するために他の回路を制御する)を設定する系に各センサー が組込まれることは理解される。 熱電気冷却器がセンサーに備わっている場合、電流の方向を逆にして冷却素子 中の高温−低温分布を逆転させることで、加熱を簡単に達成できることも理解さ れる。従って例えば、200mAの設定電流を連続的に冷却素子に供給し、電流 の極を逆転させることによって温度変化を達成することができる。ある電流方向 ではセンサーは周囲温度未満に冷却されるのに対し、方向を逆転した場合には熱 電気素子16が熱ポンプとして作用してセンサーの温度が上昇する。熱電対出力 をモニターすることによって電流を逆転させ、センサー容量を適宜測定すること ができる。本発明の系は、幾つかの異なる処理環境に適合させた複数の対応する 較正曲線を用いて、幾つかの異なる温度差分設定に用いるように適応させること もできる。例えば、図3Aを簡単に参照すると、マイナス40℃の露点について の応答曲線の特徴として、より実質的なΔC出力が40℃と60℃との間よりむ しろ20℃と40℃との間で得られることがわかる。従って、そのように低い露 点測定に用いられる場合には、系はこうした2個の低い温度間で較正されサイク ルされ、効果的な感度及び測定の範囲を向上させる。 図5は本発明による容量測定の作動のトーンモードを示す。センサーの温度は 時間に対して鉛直方向にプロットされ、各間隔における代表的な容量測定点が示 されている。センサーの温度が2つの温度間で上下に切り替わるにつれて、セン サー容量測定値C1、C2、C3…が測定され、プロセッサーは差分C1−C2 、C3−C4を計算する(これらの差分をそれぞれΔC値とする)。センサー環境 に記憶効果又は高速変化が存在する状況では、制御装置はこれらの値のうち1個 以上を使用し、信号の平均化、平滑化又は他のアルゴリズム(例えばこれらの差 分が安定的なΔC値に収斂する連続的測定)を実施する。このΔC値が、予め蓄 積された表(これらの温度間におけるセンサー容量差を実際に測定された露点範 囲において蓄積している)で参照される。次いでプロセッサーは露点測定又は経 験的変換による望ましい対応物(例えば周囲温度における相対湿度)を出力する 。気体温度又は処理室温度の読みは一般に高い精度でもって別個に行われ、こう した追加のデータをマイクロプロセッサーによる露点からRHなどへの変換に用 いることができることは理解される。 異なる2温度だが同じ試料気体部分を用いて、又は少なくとも同じ水分含有量 において、少なくとも2回の容量測定が行われる。水分含有量の経時変化による 動誤差を避けるために、比較的小さな時間応答を有する水分センサーを用いるの が好ましい。これによってセンサーの温度変化及びこの変化前後の連続的2測定 を短期間に行うことができる。好適に用いられるセンサーとして、市販のMin iCap2センサー(Panametrics、Inc.マサチューセッツ州ウ ォルサム)が挙げられる。これらのセンサーの応答時間は0℃から180℃の範 囲で2秒未満であり、寸法が小さいので必要な温度変化及び連続容量測定を、比 較的低電力(1ワット未満)の加熱器を用いて5〜20秒の間隔で行うことがで きる。殆どの場合、このように十分に早いので動誤差を無視することができる。 2個以上のデータ点を利用した、より複雑なデータ処理アルゴリズムが当計器 分野において知られており、動誤差を最小化するために本発明に適切に用いるこ とができる。従って本発明は、自動数値フィルター処理、平均化、最適化、収斂 又は推定プロトコルを行う系をデータ点に適用することも企図している。例えば 、デジタル測定信号処理を用いて正確なΔC測定法を作成したり、変化する温度 、 圧力又は湿度条件の存在下において、測定した湿度値を補正する。 その上更に、上記した記述はセンサーの特性を2温度において測定しその差を 蓄積較正曲線を通じて湿度測定に変換するという測定に関するものであるのに対 し、本発明の顕著な特性は、センサーのエージング、浮遊容量又は他の同様の現 象に由来する移動又はドリフトが、差を計算する段階によって打ち消されるので 、測定が正確になるという点にある。 本発明の更なる特徴においては、得られた測定値を従来系(例えば図3の較正 曲線を用いた単一点センサー系)の更新又は再較正に適用する。この特徴による と、マイクロプロセッサー制御装置は、上記したようにΔC測定を行うように温 度ドライバーを制御し、次いで湿度値を、単一温度センサーC出力読み取りにつ いて蓄積された較正曲線を用いて同時に得られた値と比較する。蓄積した曲線の 更新には誤差関数を適用するが、これには曲線を単に上下移動させ、その後数日 間、数週間又は数ヶ月間、系が単一温度の読み取りモードでの作動を継続するこ とが含まれる。上記したように、ΔC補正プロトコルを迅速に行って、数秒のう ちに一個の測定曲線の移動補正を行うことができる。そのような補正プロトコル を用いれば、従来法に必要であった様々な較正又は補正プロトコル(例えば既知 の相対湿度で較正試料気体を定期的に供給し較正表を手間をかけて再作成する) を省略することができる。 更なる詳細及び可能な実施形態を図4B−4Dに示す。図4Bに示すように、 系は従来の感知ユニット(約2×2×0.3mmのシリコンチップ上のポリマー 膜RH感知ユニット21等)を用いて実施することができる。これはPanam etricsのMC−2ポリマーRHセンサーであっても良い。センサー21は 、薄い膜状の白金抵抗型熱装置(RTD)22に、両者間に確実に熱交換が起こ るように固定されている。RTD22は温度を制御する目的で加熱器及び温度セ ンサーとして用いられ、従って上記した図4の素子20、25を結合したものに なっている。図にあるように、RTD22は、抵抗器33、34、35、36; ブリッジに十分な電力を供給する増幅器37;並びに固体スイッチ38を包含す る温度制御回路に連結している。 センサー21はセンサー容量及び/又は容量の経時変化を測定する、デジタル 容量測定ブリッジ又はチップ29に電気的に連結している。スイッチ38及びブ リッジ29の両方はマイクロプロセッサーに基づく制御装置30に連結している 。本発明の一つの態様においては、制御装置30はわずか1個の測定アルゴリズ ムを実施し、わずか1個のセンサー較正曲線(初期に決定され制御装置30のメ モリーに蓄積されたもの)を用いる。更に他の態様にあっては、制御装置30は 下記に更に述べるように、2個の異なる較正曲線を用いて2個の異なるアルゴリ ズムを交換可能に実施するようにプログラムされている。 水分含有量が不明な気体試料がセンサー21に用いられる場合には、測定デー タは制御装置30によって収集され、処理され、任意の水分含有量単位でLCD ディスプレー32に表示される。 測定法の動的性質によってセンサー出力の揺らぎが起こり、特に試料気体の水 分含有量が迅速に又は不連続段階で変化している場合に、測定動誤差が起こる。 本出願者は、温度上昇及び温度下降の両方で取った幾つかの連続容量増分を平均 化することによって、このような揺らぎを減少させる又は除去できることを実験 から発見した。例えば、制御装置30にデジタルFIRフィルターを備えること によって動誤差を減少させることができる。較正曲線が十分に直線に近い場合に は、容量読み取りを水分含有量出力決定に変換する前に平均化が行われようと後 に行われようと差異はない。さもなければ(例えば容量対霜点較正の場合には)、 検出した容量値を第一に平均化するのが好ましい。 図4Bの系は抵抗加熱素子22を用いて、温度容量係数を得るためのセンサー 読み取りが行われる設定温度を確立し安定させる。RTD/加熱器抵抗対加熱器 温度の典型的なプロットを図4Dに示す。周囲温度の最高値が30℃である場合 には、図4Bの単純な態様を実施するためには、抵抗器35、36の値は40k Ω及び44kΩに近い値から選択することができる。この場合RTD22の温度 及びゆえに湿度センサー21の温度は、スイッチ38を介して抵抗器35又は3 6をブリッジに単に連結させ制御装置30でスイッチ及び測定サイクルを制御及 びモニターするだけで、それぞれ35℃及び55℃に近い温度間に容易に変換さ れる。 抵抗器35、36の精度は実施においては必要でない。抵抗器は単に一定期間 十分安定しており、低い温度係数を有していればよい。 図4Bの水分含有量測定装置又は系40はまず以下のように較正される。 制御装置30は55℃で30秒間、35℃で1分間の温度サイクルを設定する 。低温半サイクルの終わりと、高温半サイクルの終わりとにおけるセンサー容量 の差を測定する。この差は、上記したように温度変化により誘起されるセンサー 容量の増分又は差分測定ΔCとされる。任意に選択された単位(例えば露点/霜 点)で表わされる既知の水分含有量を有する基準気体部分をセンサーに適応する 。容量の増分が再現可能になった場合には、温度変化により誘起される容量増分 対水分含有量の較正曲線の較正点であると仮定される。読み取りが再現可能であ ると判明するまで、3〜5サイクルかかる。追加の露点基準気体を用いてこの工 程を繰り返し、これらの水分レベルに相当するΔCを得て較正表又は較正曲線を 完成させる。 処理気体サンプリング室等の測定環境に置かれた水分含有量を測定するために は、センサー21を、較正処理に用いたのと同一の温度間及び同一のタイミング でサイクルさせる。水分含有量が不明の気体部分をセンサー21に適用し、上記 したのと同様の方法で容量増分を測定する。次いで測定したΔCを、予め作成し た較正曲線を参照に水分値に変換し、この値を適当な水分単位で再計算して出力 測定の結果とする。出力測定結果は画面32に表示されるか、デジタル制御装置 にインターフェース接続されるか、記録されるか、さもなくば最終データとして 用いられる。 その場で連続測定する場合(例えば処理制御をする場合)に水分含有量が比較 的速く変化することでいわゆる動誤差が起こる。動誤差を回避するためには、蓄 積した較正曲線から水分値を決定する前に、プロセッサーを用いて温度下降及び 上昇の両方の段階から4個の最新容量増分値を得て平均化する。 好ましくはセンサーは低温で作動される。この結果、−50℃〜80℃の温度 範囲に渡ってRH感度はおおよそ一定になるので、露点/霜点感度が増加する。 図4Aに示したように、これは好ましくは熱電気冷却器16を図4Bの装置に追 加することによって達成される。そのような改変したセンサー・加熱器・冷却器 組み立て体を図4Cに示す。このような配置を用いることによって加熱冊の効率 的な最大「周囲」温度は、冷却器の型、電力及び値段に応じて、約30℃から− 20℃〜−60℃に下降させることができる。 30℃の周囲温度から−20℃の範囲において作動可能な比較的安価な冷却器 の場合には、抵抗器35、36の値を、それぞれ30kΩ及び33kΩに近い値 に設定することができ、これによって−15℃から0℃の間で様々なセンサー温 度が提供される。−15℃における0.005%RHの感度を±5°精度で−9 0℃の霜点にいたるまでの測定範囲に広げることができる。素子16が−40℃ の低いセンサー温度を達成することができる場合には、霜点測定感度は−100 ℃霜点にいたるまでの測定を実施するのに充分である。 一般に、上記した二つの温度を固定するためには、二者とも(例えば℃の単位 で)測定可能であるが、絶対的な温度値は厳密には必要ではない。較正又は測定 における設定温度が程よく一定であることを確認することが不可能又は好都合で ある場合に限り、温度を測定する必要がある。この場合、測定した温度のずれは 「系統的温度誤差補正」を実施するのに技術者が一般的に用いている標準手段を 用いて考慮される。 一定温度における容量対水分較正を用いた従来装置の場合には、約−60℃で より優れた感度を達成するのは実際には不可能なので、上記した結果は顕著であ る。これはドリフトが存在しないためばかりでなく、センサーと気体水分との平 衡に必要な一般的条件が、センサーが応答するのに必要な時間を数時間から数日 にまで増加させるからでもある。一方本発明による差分測定法では、後者の問題 が存在しない。センサーの温度が変化した後、センサーの容量は水分子の吸収又 は損失の程度に応じて同様に変化し始める。吸収及び脱着の速度は、通常水蒸気 分圧及びセンサー温度に依存し制限される。その結果、容量変化は較正の間でさ え少なからず遅れる。従って測定においては、変化が可能な最大値をとる場合、 即ち各温度において平衡が達成される場合、データ点をサンプリングする必要は ない。必要な水分測定精度に支配される精度を用いて測定されるべきである。従 って、温度変化サイクルが短すぎる場合には感度が減少し、温度サイクルが長す ぎる場合にはセンサー時間応答が過度に増加するので、低い温度ではタイミング が主に重要となる。 室温(又はそれ以上の温度)において、及び5%以上のRHレベルにおいて、 タイミングは通常問題にはならない。というのは水分又は温度が変化する場合に は、平衡に近い条件が数秒で達成されるからである。一方、0.01%RH及び −30℃の範囲では、完全な平衡に達するのに数日かかる。従って、これらの条 件下にあっては温度サイクル時間を好ましく最適化し、許容可能な短い時間で一 定の精度レベルを達成させる。 下記に理論の簡単な説明を述べるが、この説明によって本発明の有利な点がよ り十分に理解される。 水分子の吸収/脱着のメカニズムは2通りあることが知られている。「弱い」物 理的吸収は、低温においても数分未満の時間定数で迅速に起こる。しかし同じ条 件下の化学的脱着は遅く、数時間から数週間の時間がかかる。この区分は大まか なものであり、ある現象は両者の中間に収まることも理解される。本発明の原形 の態様においては、温度変化サイクルを水分子の物理的着脱及び化学的着脱に関 する2個の時間定数の間に設定している。約5分に固定された温度変化サイクル においては、センサー表面と気体との間の水分交換の迅速な吸収/脱着メカニズ ムのみが温度変換に続くほど十分に速い。化学的脱着工程が遅い場合には、遅い ゼロ容量変化(ゼロドリフト)と同等な結果になる。これによる測定精度への影 響はないことが判明している。従って「真の」平衡は必要ではない。 感度の期間を「速い」着脱のみに設定したことによって、真の平衡の場合に比 べて感度が減少していることもありうる。しかし、物理的に吸収された分子と化 学的に吸収された分子との間の比は、−100℃の霜点においてでさえも少なく とも2:1が保たれることが実験で示されている。従って、本発明の非平衡感知 法を使用することによって、最悪の場合約0.7倍に感度が減少することになる 。正確な比の値はサイクル時間、個々のセンサー特性、温度などに依存する。本 発明の実施にあたっては同じ固定温度とサイクル時間が較正と測定とに用いられ るので、上記した値全てを知る必要はない。従って、本較正法を持ちいればいか なる霜点における問題も自動的に解決される。 感度における僅かな減少は重要でないということも指摘するに値する。長期に 渡り達成される精度は、±0.001pFという低い容量測定誤差によって制限 されるのではなく、むしろ較正曲線のゼロドリフトによって制限される。同時に 本発明はセンサーの応答速度を、容量対水分較正に依存する平衡の場合に比べて 千倍にする。 数学的な見地から、センサー容量を一定温度における水分含有量の関数(上記 式(2)における関数F)として測定する代わりに、本発明では温度について、 同じ関数の第一の派生値を測定した。式(2)の右辺及び左辺の温度Tについて 派生値をとると、下記式のようになる。 ΔC/ΔT=Δ(C0+δC0)/ΔT+ΔF/ΔT 実際には、2回の温度測定は数分の間隔をおかずに行われる。δC0はそれ自 体比較的小さく、非常にゆっくりと変化する時間の関数である。温度の変化と容 量測定には通常約10秒から数分かかる。数分間の間に起こるδC0の変化は無 視できるので、下記式が得られる。 Δ(C0+δC0)/ΔT〜Δ(C0)/ΔT 実験上は、これはゼロに近い値(0.02pF/℃未満が一般的)をとり、測 定したドリフトが時間の経過と共に±0.0002pF/(℃*年)未満と非常 に安定する。従って水分含有量測定誤差は低RH端側において±0.002%R H未満となる。 従って、較正曲線は下記式となる。 ΔC/ΔT=(ΔC0/ΔT)+(ΔF/ΔT)(水分) (3) ΔT=(T2−T1)=一定であることから、式(3)は以下のようになる。 ΔC=(ΔT)(水分)+ΔC0 (4) 又は (ΔF)(水分)=ΔC−ΔC0 センサー容量温度係数としてのΔC/ΔT及びセンサーの温度変化により誘起 されるセンサー容量増分としてのΔCの二者は、気体水分含有量の関数であり、 C0と関係なく較正曲線に交換可能に用いることができる。 センサーの感度は容易に計算することができる。(4)の較正曲線については 、感度は以下のようになる。 Δ(ΔF)/[Δ(水分)] 温度サイクル時間及び温度は、容量測定におけるランダム誤差、温度係数、動 誤差の最小化及びその他の実施要素を考慮に入れて公知の技術方法で好ましく最 適化される。このように最適化された条件(例えば(T1−T2)が約15℃)に 設定されたセンサー系を用いると、感度は−70℃の霜点以上において、従来系 の「古典的な」感度の通常約80%であり、−90℃の霜点未満で作動される場 合には50〜70%であることが分かった。低端側(ゼロドリフト)におけるR H測定精度は、「平均」又は典型的な従来法のRH感知素子が用いられた場合でも 、一年あたり±0.005%RHより良好であった。 これは、センサー容量がセンサー出力パラメーターであり、約200pFのC0 のゼロ容量の「最大」水分含有量を表わすパラメーターとして測定され、一年あ たり1%以上のRHの平均ゼロドリフト±δC0を有する従来の測定条件とは対 照的である。本発明の測定方法は、温度変化がひきおこした容量増分[又は「ゼ ロ水分」センサー容量増分の「最大」水分含有量を表わすパラメーターとしての センサー容量温度係数(又は「ゼロ」温度係数)、(ΔC0/ΔT)*(T2−T1): 量は通常0.1pF未満]を測定する。適切なセンサーを選択することによって 、この値をより小さくすることが可能である。この新しい「ゼロ」平均ドリフト は一年あたり0.005%RH未満である。0.1%RH未満では、センサーの 感度は1pf/%RH以上であることは注目するに値する。従って、温度変化が 引き起こした容量増分水分感度が「古典的な」容量水分感度の約50〜80%で ある一方、一年あたりのゼロドリフトは300倍以上低い。その結果、測定の精 度は、少なくとも水分測定範囲の低端側において、従来の「基準」より少なくと も200倍良好であると考えられる。 較正曲線の勾配(感度)はC0に比べて、時間の経過と共に非常に安定するこ とが知られている。従って、実際には5%RHあたりでより良い測定精度が得ら れる。一般には、本発明は0〜約5%RHで最適になると考えられる。 本発明によって企図される(特に−70℃以上における)動誤差問題を解決す る他の方法は、本発明と既存の測定系アルゴリズムを同時に用いることである。 これはよく知られた補正法であり、気体部分の未知の気体濃度を信頼のある分析 器で測定し、これと同じ気体を用いて処理環境を測定する他の分析器を較正する 。本発明のこの特徴において、第一に差分測定を利用して基準水分測定装置を用 い、 試料気体の未知の水分含有量を測定する。その直後、「古い」既知の較正曲線とア ルゴリズムを用いて第二の水分測定を行う。「古い」既知の水分測定装置を使用可 能にするアルゴリズムにおけるこの切り替えは、これらの測定が二つとも同じ気 体プローブについて実施できるほど十分に速く行われると仮定される。既存の単 一C較正曲線を次いで全体として上方又は下方に移動させ、第二の測定結果が、 第一の(差分)測定によって得られた結果と数値的に等しくなるようにする。そ の後、次の較正が行われるまで、移動した較正曲線を単一点C基準として用いる 。 この場合、装置の一部(センサー、制御装置、固定具など)が、連続的に行わ れる2つの異なる測定(それぞれ異なる較正曲線が得られ、異なる制御/感知段 階を用いる)の実施に交換可能に再使用できることは注目に値する。本発明は更 に、水、気体又は蒸気以外の材料の濃度及び/又は分圧を測定することもできる 。というのは、作動は単に表面の吸収/着脱の物理的特性に依存するからである 。この場合、混合気体中の所定の気体又は蒸気に対する感度を有する、適当な吸 収型のセンサーを、水分センサーの代わりに用いる。 本発明を、図に示した特殊な態様及び好ましい実施を参照に説明した。しかし 、過去に開発された多くの回路、制御系、方法、湿度センサーを操作・補正する 装置全てを、本発明の向上した方法及びセンサーと共に用いることができ、組込 むことができる。従って、ここに開示説明された発明、その別形態及び改変は、 当業者により実施されうるが、別形態・改変は付属の請求項に述べるように本発 明の範囲内のものとみなされる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも抵抗及び容量のいずれかを含む電気的特性を変化させること によって周囲湿度に応答する湿度応答表面膜を有する感知素子にして、該電気的 特性を検出する検出回路中に該感知素子を設置するための電極を有する感知素子 であって、 環境中の水分に応答するように感知環境に挿入されるように適合され;装置の 出力が、係数の蓄積表を参照することによって該環境中の水分の測定値を提供す る、該電気的特性の温度係数になるように、該電気的特性が測定されるときに、 第一の温度T1とそれと異なる第二の温度T2との間に該感知素子を作動するよう に形成された温度制御素子をさらに包含する感知素子 を包含する、湿度測定用の湿度感知装置。 2. 第一及び第二の温度との間に該感知素子をサイクルする該手段が、 制御装置及び 制御装置によって制御される感知サイクル中に感知素子の温度を変化させる温 度駆動素子 を包含することを特徴とする請求項1に記載の装置。 3. 該温度駆動素子が少なくとも加熱器又は冷却器のいずれかを有すること を特徴とする請求項2に記載の装置。 4. 該温度駆動素子が低い露点/霜点条件における差分測定値を得るために 作動されることを特徴とする請求項3に記載の装置。 5. 温度係数初期測定値の較正表を蓄積する蓄積手段をさらに包含し、該制 御装置が表中の測定された差分熱の特徴を参照することによって湿度を決定する ことを特徴とする請求項3に記載の装置。 6. 該表が、露点値の範囲について、T1及びT2における特徴的な差分の表 であることを特徴とする請求項5に記載の装置。 7. 該表が湿度測定範囲についての差分の表であることを特徴とする請求項 5に記載の装置。 8. 周囲水分に応じて変化する電気的特性を有する感知素子を提供し; 試料に露出している間に第一の温度T1とそれと異なる第二の温度T2との間で サイクルするように該感知素子を駆動し; T1とT2との間で該電気的特性の温度係数を測定し; 測定した係数を蓄積した感知素子の温度係数較正測定値の表と比較して試料の 水分値を得る 段階を包含する、水分測定方法。 9. 水分値の関数として差分値の表を作成し、 該差分値と蓄積した差分値の表とを比較して該測定値を得る 段階を更に包含する、請求項8に記載の方法。 10. 第一の温度T1とそれと異なる第二の温度T2との間でサイクルするよ うに該感知素子を駆動する段階が、感知素子を能動的に冷却及び/又は加熱する ことによって実施されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。 11. 第一の温度T1と第二の温度T2との間で感知素子がサイクルするよう に能動的に駆動する段階が、 加熱器及び冷却器を備え、そして 該温度T1及びT2の間に素子を駆動するように少なくとも加熱器又は冷却器の いずれかを制御する ことによって達成されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。 12. 温度T1と温度T2との間に感知素子を能動的に駆動する段階が、感知 素子を周囲温度とは異なる該温度の片方に能動的に駆動し、感知素子を周囲温度 に近いもう一方の該温度に受動的に戻す段階を包含することを特徴とする、請求 項11に記載の方法。 13. センサーの有する湿度応答性の電気的特性を感知し、蓄積した表を通 じて感知した特性を湿度測定値に変換する段階を包含する改良された湿度測定方 法にして、 特定の温度で得られた該湿度応答性の電気的特性の温度係数に相当する、差分 測定値の表を蓄積し、そしてその後 同じ温度で該特性を感知して差分を得て、該温度係数の蓄積表と差分を比較し て正確な湿度測定値を得る 段階を包含する湿度測定方法。 14. 単一点容量測定センサー系を該正確な測定値に従って再較正し、よっ て単一点センサー系の精度を蓄積する又は長期間向上させる 段階を更に包含する、請求項13に記載の方法。 15. 電気的に測定可能なパラメーターを表すセンサーの増分の関数、例え ば容量の増分対既知の気体水分含有量として較正曲線を作成し(ここで該増分は 、一定の水蒸気分圧において、2個の固定温度間におけるセンサー温度の変化に より誘起される)、そして 少なくとも該固定温度に近似した温度間でセンサー温度を変化させることによ って未知の水分含有量を測定し、同時に該センサーに未知の水分含有量を有する 気体部分を適用し、温度変化により誘起される同じ該電気的に測定可能なパラメ ーター増分を測定し、そして該増分測定結果を予め作成した較正表に適用するこ とによって未知の水分含有量を得る 段階を包含する、吸収型水分センサーを用いた気体水分含有量測定方法。 16. 較正曲線の作成と測定の実施の両方が、該2個の固定温度間で同じ固 定サイクル時間を用いて、センサーをサイクルすることによってなされ、1個の 固定温度の半サイクルの終わりと、続くもう1個の固定温度の半サイクルの終わ りそれぞれにおける2個の該電気的パラメータ値の間の差分を評価する際に、セ ンサーの温度変化(例えば容量における増分)によって誘起される該センサーの 電気的に測定可能なパラメーター増分を測定する ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。 17. 較正の高温及び測定の低温が電気的手段によって程よく一定に保たれ ることを特徴とする、請求項15に記載の方法。 18. 該2個の固定温度が周囲温度又は試料気体温度未満、試料気体の露点 /霜点温度以上に保たれることを特徴とする請求項15に記載の方法。 19. 公知の水分測定法(例えば一定温度における容量対水分容量較正曲線) と交換可能に用いられて未知の水分含有量を有する本質的に同じ気体プローブを 測定し、水分測定結果を該公知の較正曲線の一点再較正用の基準点として適用す ることを特徴とする、請求項15に記載の方法。 20. 気体水分含有量の基準関数として電気的パラメーターを出力する水分 センサー; 2個の異なる温度間でセンサー温度を変化させる手段を提供する、該センサー に熱的に連結した温度変化装置、例えば適当な温度制御装置を備えた電気加熱器 、熱電気冷却器又はその両者;及び 水分センサーの温度変化によって誘起される該センサーの電気的パラメーター の増分を測定する測定器具; を包含する差分熱水分検出用装置。 21. 較正時に設定された初期値と程よく等しい固定高温及び低温を測定時 に保持する制御装置を包含する、請求項20に記載の装置。 22. 該測定器具が、幾つかの連続するセンサー温度変化のそれぞれにおい て独立して測定された多数の該電気的センサーパラメーター増分、又は多数のそ れに対応する水分含有量測定値の、平均を得る手段を備えることを特徴とする、 請求項21に記載の装置。 23. 一般的な電気構成部品に再接続し、差分測定又は単一点センサー測定 を交換可能に実行するように作動可能なスイッチ及びスイッチ制御装置を包含す る、請求項20又は21に記載の装置。
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