【発明の詳細な説明】
抗癌薬としてのヘテロ-ビアリール-ピリドキナゾリノン誘導体
DNA挿入抗腫瘍薬の大部分は、一般的な構造:1個または2個の柔軟な側鎖
を備えた三環式または四環式の発色団を有する。デニー(Denny)らは、有効な抗
癌薬としてのN-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-11-オキソ-11H-ピリド[2,
1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド(I)の合成および生物学的活性を報告した
。[ミューテイション・リサーチ(Mutation Research),232:233(1990)]。これら
の報告において、彼らは、この化合物があるインビトロ活性および突然変異誘発
活性を示したが、P388マウスモデルで不活性であったと主張している。エベ
イド(Ebeid)らは、N-(p-置換されたスルファモイルフェニル)-11-オキソ-1
1H-ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド(II)の合成を報告した。
インビトロ活性を示した化合物は、ただ1つである。[エジプシャン・ジャーナ
ル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンス(Egypt.J.Pharm.Sci.),33:
293(1992)]。
置換された11-オキソ-11H-ピリド[2,1-b]キナゾリンは、抗アレルギ
ー薬として特許されている。本願で説明するビアリール化合物は、これらの特許
および上記の参考文献のいずれにも包含されない。[米国特許第4,033,961号、第
4,104,389号および第4,384,396号]。
発明の簡単な要旨
本発明は、式:[式中、
(A)n=2〜4;
(B)R1およびR2は、同一または相異なり、H、(C1-C3)アルキル、-CH2
CH2OH、-CH2CH2NH2および-CH2CH2N(CH3)2からなる群から選択
されるか、あるいは、R1およびR2は、一緒になって、4〜7員環を形成するア
ルキル部分;
(C)R3は、H、-CH3、-CH2CH3および-CH2CH2NH2からなる群から
選択される;
(D)Yは、ピリドキナゾリノン核の2位または3位に存在する原子数5〜14
のヘテロ環式基(ここで、該ヘテロ環原子の1〜3個は、独立して、窒素、酸素
または硫黄)であり、また、Yは、所望により、-OR4、-NR5R6、-CO2H、
-CO2R4またはフェニルで一置換、二置換または三置換されていてもよい;
R4は、Hまたは(C1-C4)直鎖アルキル;
R5およびR6は、同一または相異なり、H、(C1-C4)直鎖アルキル、-CH2
CH2OH、-CH2CH2NH2および-CH2CH2N(CH3)2からなる群から選択
されるか、あるいは、R5およびR6は、一緒になって、4〜7員環を形成するア
ルキル部分]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
本発明の好ましい具体例は、式:[式中、
(A)n=2〜4;
(B)R1およびR2は、同一または相異なり、H、(C1-C3)アルキル、-CH2
CH2OH、-CH2CH2NH2および-CH2CH2N(CH3)2からなる群から選択
されるか、あるいは、R1およびR2は、一緒になって、4〜7員環を形成するア
ルキル部分;
(C)R3は、H、-CH3、-CH2CH3および-CH2CH2NH2からなる群から
選択される;
(D)Yは、ピリドキナゾリノン核の2位または3位に存在し、2-チエニル、
3-チエニル、2-フリル、3-フリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-ピリジニ
ル、3-ピリジニル、4-ピリジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-
ピリミジニル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、2-ピラジニル、2-オキサ
ゾリル、4-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、2-ベンゾチエニル
、3-ベンゾチエニル、4-ベンゾチエニル、5-ベンゾチエニル、6-ベンゾチエ
ニル、7-ベンゾチエニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、4-ベンゾ
フラニル、5-ベンゾフラニル、6-ベンゾフラニル、7-ベンゾフラニル、2-イ
ンドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7
−インドリル、2-キノリニル、3-キノリニル、4-キノリニル、5-キノリニル
、6-キノリニル、7-キノリニル、8-キノリニル、1-イソキノリニル、3-イ
ソキノリニル、4-イソキノリニル、5-イソキノリニル、6-イソキノリニル、
7-イソキノリニル、8-イソキノリニル、2-キナゾリニル、4-キナゾリニル、
5-キナゾリニル、6-キナゾリニル、7-キナゾリニルおよび8-キナゾリニルか
らなる群から選択される基であり、また、Yは、所望により、-OR4、-NR5R6
、
-CO2H、-CO2R4またはフェニルで一置換、二置換または三置換されていて
もよい;
R4は、Hまたは(C1-C4)直鎖アルキル;
R5およびR6は、同一または相異なり、H、(C1-C4)直鎖アルキル、-CH2
CH2OH、-CH2CH2NH2および-CH2CH2N(CH3)2からなる群から選択
されるか、あるいは、R5およびR6は、一緒になって、4〜7員環を形成するア
ルキル部分]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩により提供される。
本発明のより好ましい具体例は、式:
[式中、
(A)n=2;
(B)R1およびR2は、共に-CH3であるか、あるいは、R1およびR2は、一緒
になって、ピロリジン環を形成するアルキル部分;
(C)R3は、H;
(D)Yは、ピリドキナゾリノン核の2位または3位に存在し、3-ピリジニル
、4-ピリジニルおよび3-キノリニルからなる群から選択される基]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩により提供される。
R1およびR2は、好ましくは、同一または相異なる(C1-C3)アルキル基、あ
るいは、それらは、一緒になって、4〜7員環を形成する;より好ましくは、そ
れらは共にメチルであるか、あるいは、それらはピロリジン環を形成する。R3
は、好ましくはHである。Yは、好ましくは3-ピリジニル、4-ピリジニルまた
は3-キノリニルである。nは、好ましくは2である。
ここで用いる場合、「アルキル」という用語は、特に断らない限り、直鎖部分
および有枝部分をいずれも包含する。その例としては、メチル、エチル、イソプ
ロピル、n-プロピルおよびn-ブチルが挙げられる。
発明の詳細な説明
上記核の2位に結合したYを含有する本発明のピリドキナゾリノンの製造は、
下記のフローシートAに示されている。触媒量の鉱酸(例えば、塩酸)の存在下、
極性プロトン溶媒(例えば、エタノールまたは含水エタノール)中、80℃を越え
る温度で、2-アミノ-5-ヨード安息香酸2を2-クロロニコチン酸3と縮合させ
て、ヘテロ環式化合物4を得る。4のカルボン酸基は、カップリング剤(例えば
、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキ
サフルオロホスフェート(BOP試薬))、塩基(N,N−ジイソプロピルエチルア
ミン
在下で、アミン5と反応させることにより、アミド6に変換することができる。
ヘテロビアリール化合物7は、触媒量の(トリフェニルホスフィン)パラジウム(
0)、水中における塩基(例えば、炭酸ナトリウム)、および不活性溶媒(例えば、
トルエン)の存在下、還流温度またはそれ以下で、6をヘテロアリールホウ素酸8
とパラジウム(0)触媒カップリング反応させることにより製造する。
アミド6を製造する別の方法は、まず、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)
中、触媒量のジメチルホルムアミドの存在下で、4を塩化オキサリルと反応させ
ることにより、酸4をその酸塩化物9に変換することを必要とする。酸塩化物9
は、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、塩基(例えば、トリエチルアミン)
の存在下で、アミン5と反応させて、アミド6を得る。
ヘテロビアリール7への別の方法は、不活性溶媒(例えば、トルエン)中、パラ
ジウム(0)(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))の存
在下、還流温度またはそれ以下で、ヨウ化物6をヘテロアリールスズ誘導体10
と反応させることである。
3位に結合したYを含有する本発明のピリドキナゾリノンの製造は、2-アミ
ノ-4-ヨード安息香酸を出発物質として用いて同様に実施すればよい。本発明の
化合物は、2-アミノ-5-ブロモ安息香酸または2-アミノ-4-ブロモ安息香酸を
用いて製造してもよい。
上記核の3位に結合したYを含有する本発明のピリドキナゾリノンの製造は、
フローシートB(ここで、n、R1、R2、R3およびYは上記と同意義)に示され
ている。
無水4-ブロモフタル酸11は、溶媒(例えば、メタノール)中、周囲温度また
はそれ以上で、ナトリウムメトキシドと反応させて、2つのエステル12および13
の混合物を得る。この2つのエステルの混合物は、従来の方法(例えば、ク
ロマトグラフィー、再結晶または蒸留)で分離すればよい。あるいは、エステル12
および13の混合物は、不活性溶媒(例えば、トルエン)中、23℃〜150
℃の温度で、ジフェニルホスホリルアジド((PhO)2P(O)N3)と反応させた後
、含水アセトンで加水分解して、アミン14および15の混合物を得る。これら
のアミンは、クロマトグラフィー、再結晶または蒸留により、容易に互いに分離
可能である。
アミン14は、触媒量の鉱酸(例えば、塩酸)の存在下、極性プロトン溶媒(エ
タノール、メタノールまたは含水エタノール)中、80℃を超える温度で、2-ク
ロロニコチン酸3と縮合させて、ヘテロ環式化合物16を得る。16のカルボン
酸基は、カップリング剤(例えば、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジ
メチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬))、塩基
び不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下で、アミン5と反応させること
により、アミド17に変換することができる。
ヘテロビアリール化合物18は、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)、水中における塩基(例えば、炭酸ナトリウム)、および不活
性溶媒(例えば、トルエン)の存在下、還流温度またはそれ以下で、6をヘテロア
リールホウ素酸8とパラジウム(0)触媒カップリング反応させることにより製造
する。
アミド17を製造する別の方法は、まず、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタ
ン)中、触媒量のジメチルホルムアミドの存在下で、16を塩化オキサリルと反
応させることにより、酸16をその酸塩化物19に変換することを必要とする。
酸塩化物19は、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、塩基(例えば、トリ
エチルアミン)の存在下で、アミン5と反応させて、アミド17を得る。
ヘテロビアリール18への別の方法は、不活性溶媒(例えば、トルエン)中、パ
ラジウム(0)(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))の
存在下、還流温度またはそれ以下で、臭化物17をヘテロアリールスズ誘導体1 0
と反応させることである。
あるいは、アミン15は、Yが2位で置換された化合物を製造するのに用いれ
ばよい。本発明の化合物は、無水4-ヨードフタル酸を用いて製造してもよい。フローシートA フローシートA(つづき) フロートシートB フローシートB(つづき) 式8および10に包含される本発明の化合物の製造は、下記のフローチャート
C(ここで、Yは上記と同意義、Zはn-Bu、sec-Buおよびt-Buから選択
される)に示されている。
臭化ヘテロアリール20は、不活性溶媒(例えば、エーテル)中、−100℃〜
室温の温度で、アルキルリチウムZ-Liと金属-ハロゲン交換を行う。得られた
アニオンは、ホウ酸トリメチル(B(OMe)3)と反応させた後、酸性処理して、8
を得る。
上記アニオンは、トリブチルスズクロリド((n-Bu)3SnCl)と反応させて
、ヘテロアリールスズ誘導体10を得ることもできる。
ヘテロアリールスズ誘導体10への別の方法は、不活性溶媒(例えば、トルエ
ン)中、パラジウム(0)(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0))の存在下、還流温度またはそれ以下で、臭化物20をビス(トリブチルス
ズ)と反応させることである。
フローシートC 従って、本発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物の製造方法をも
提供する。かかる方法は、式21:
[式中、R7はブロモまたはヨード]
で示される化合物を式22:
Y-B(OH)2 22
または式23:
Y-Sn(R8)3 23
[式中、各R8は、独立して、(C1-C4)アルキル]
で示される化合物と反応させることからなる。
医薬上許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、スルホン酸、硫酸、リン酸、硝酸
、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、メタ
ンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マン
デル酸、桂皮酸、パルミチン酸、イタコン酸およびベンゼンスルホン酸などの医
薬上許容される有機酸および無機酸から誘導されるものである。
本発明の化合物は、下記の標準的な薬理学的試験法において、本発明の代表的
な化合物に対して得られた結果により示されるように、抗新生物薬として有用で
ある。
二細胞系試験法の説明
A2780SおよびA2780DDP細胞[バイオケミカル・アンド・モレキ
ュラー・プロパティーズ・オブ・シスプラチン-レジスタント・A2780セル
ズ・グローン・イン・フォリニック・アシッド(Biochemical and Molecular
Properties of Cisplatin-resistant A2780 Cells Grown in Folinic Acid)[ホ
リニン酸中で増殖させたシスプラチン抵抗性A2780細胞の生化学的および分
子論的性質];ワイ・ルー(Y.Lu)、ジェイ・ナン(J.Hnan)、およびケイ・スキ
ャンロン(K.Scanlon)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J . Biol.Chem.
),263,4891-4894,1988]を、5%ウシ胎児血清、50μg/mLスト
レプトマイシン、50単位/mLペニシリン、50μg/mLゲンタマイシン、0
.03%L-グルタミン、1nMエストラジオール、1nMテストステロン、5μ
g/mLインスリン、5μg/mLトランスフェリン、および5ng/mL亜セレ
ン酸を含有するRPMI 1640培地中、37℃、5%CO2を含有する加湿雰
囲気下で増殖させる。実験は、同じ培地で実施する。
実験の第0日目に、細胞を濃度5×104/mLでプレートする。第1日目に、
細胞をトリクロロ酢酸で固定し、残りの細胞に試験化合物の5倍希釈液を加える
(実験は2通り行う)。第3日目(薬物に48時間曝した後)に、すべての細胞をト
リクロロ酢酸で固定し、0.4%スルホロダミンBで染色し、吸光度を520n
mで読み取る。IC50(50%阻害を引き起こす濃度)を各薬物について求める。
マウス腫瘍の標準薬理学的試験法 マウスP388白血病
試験の第0日目に、CD2F1マウスに1×106腫瘍細胞を腹腔内注射する。
腫瘍移植後の第1、5および9日目に、薬物を腹腔内投与する。正の薬物応答は
、平均寿命の上昇率(%ILS)が偽薬処理した対照に比べて25%以上であるこ
とにより示される。薬物処理した動物の平均寿命が偽薬処理した対照より15%
以上も短い場合には、薬物は有毒であるとみなす。
マウス結腸26進行性転移性腫瘍
試験の第0日目に、CD2F1マウスに5×105腫瘍細胞を腹腔内注射する。
腫瘍移植後の第5、9および13日目に、薬物を腹腔内投与する。正の薬物応答
は、平均寿命の上昇率(%ILS)が偽薬処理した対照に比べて25%以上である
ことにより示される。薬物処理した動物の平均寿命が偽薬処理した対照より15
%以上も短い場合には、薬物は有毒であるとみなす。ヒト腫瘍の異種移植モデル
ヒト腫瘍断片を無胸腺ヌードマウスに皮下移植する。腫瘍量が100〜150
mgになるまで、腫瘍を増殖させる。試験の第0日目に、マウスを処理グループ
に入れる。このとき、各グループのマウスは、ほぼ同じ大きさの腫瘍(腫瘍の進
行段階)を有するようにする。第1、5および9日目に、薬物を腹腔内投与する
。第28日目まで7日ごとに、腫瘍の長さおよび幅をノギスで測定することによ
り、各マウスの腫瘍量を求める。次いで、各グループの動物について平均腫瘍量
を算出し、相対的な腫瘍増殖率を求める。相対的な腫瘍増殖率は、ある日の腫瘍
量と第0日目の腫瘍量との比率として定義される。%T/C(処理グループの相対
的な腫瘍増殖率を偽薬グループの相対的な腫瘍増殖率で割り、100を掛けた値
)の算出は、測定した各日に行う。正の薬物応答は、%T/C値が60%未満であ
り、スチューデントt検定のp値が0.05未満であることにより示される。薬
物投与に関係したグループにおける20%以上の死は、毒性を示す。表1 2つの癌細胞系、A2780DDPおよびA2780S系における インビトロでの細胞毒性の結果 表2 インビボでのマウス腫瘍の結果 上記の標準的な薬理学的試験法で得られた結果に基いて、本発明の化合物は、
抗新生物薬として有用である。さらに詳しくは、本発明の化合物は、新生物細胞
の増殖を阻害したり、新生物細胞の細胞死を引き起こしたり、また、新生物細胞
を根絶するのに有用である。それゆえ、本発明の化合物は、肉腫および癌種を含
めて、星状細胞腫、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌および卵巣癌などの充実性腫
瘍;白血病;リンパ腫;成人T細胞白血病/リンパ腫;ならびに他の新生物疾患
状態を治療するのに有用である。
上記の用途に加えて、本発明の化合物の多くは、本発明の他の化合物を製造す
るのに有用である。
本発明の活性化合物は、例えば、不活性な希釈剤または吸収性食用担体と共に
、経口的に投与したり、それらを硬質または軟質カプセルに封入したり、それら
を錠剤に圧縮成形したり、あるいは、それらを食物または食餌に直接配合すれば
よい。治療的な経口投与の場合、これらの活性化合物は、賦形剤と共に配合し、
錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤などの形態で用いればよ
い。かかる組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有すべき
である。これらの組成物中における上記化合物の割合は、もちろん、様々である
が、投与単位の重量の約2%〜約60%であると好都合である。かかる治療上有
用な組成物中における活性化合物の量は、適当な用量が得られるようなものであ
る。本発明による好ましい組成物は、経口投与単位が約1mg〜250mgの活
性化合物を含有するように製造される。
錠剤、カプセル剤などは、結合剤(例えば、トラガカントガム、アラビアゴム
、コーンスターチまたはゼラチン)、賦形剤(例えば、リン酸二カルシウム)、崩
壊剤(例えば、コーンスターチ、馬鈴薯デンブン、アルギン酸)、滑沢剤(例えば
、ステアリン酸マグネシウム)および甘味剤(例えば、ショ糖、乳糖またはサッカ
リン)を含有していてもよい。投与単位の形態がカプセル剤である場合、それは
、上記タイプの材料に加えて、脂肪油などの液状担体を含有していてもよい。
様々な他の材料が、剤皮として、あるいは投与単位の物理的形態を変更するた
めに存在していてもよい。例えば、錠剤は、シェラック、砂糖またはその両方で
コーティングされていてもよい。シロップ剤またはエリキシル剤は、有効成分に
加えて、ショ糖を甘味剤として、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを保存
剤として、色素ならびに香味剤(例えば、サクランボ香料またはオレンジ香料)を
含有していてもよい。
これらの活性化合物は、非経口的に投与してもよい。これらの活性化合物の液
剤または懸濁剤は、界面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)と適宜
混合した水中に製造することができる。分散剤は、グリセロール、液状ポリエチ
レングリコールおよびそれらの油中混合物中に製造することもできる。保存およ
び使用に関する通常の条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するため
に保存剤を含有する。
注射用途に適した医薬形態としては、無菌の水溶液または懸濁液、および、無
菌の注射液剤または分散剤を即席に調製するための無菌の粉末が挙げられる。す
べての場合に、その形態は、無菌でなければならず、また、注射が容易に可能と
なる程度に流動性でなければならない。それは、製造および保存の条件下で安定
でなければならず、また、微生物(例えば、細菌類および真菌類)の汚染作用に対
して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール
(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエチレングリコ
ール)、その適当な混合物、および植物油を含めて、溶媒または分散媒とするこ
とができる。
本発明の化合物は、エアロゾルの形態で気道に直接投与してもよい。
以下の実施例は、本発明の代表的な化合物の製造を説明するものである。
実施例1 2-ヨード-11-オキソ-11H-ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボン酸
2-アミノ-5-ヨード安息香酸(25g、95.0ミリモル)、2-クロロニコチ
ン酸(14.97g、95.0ミリモル)、濃塩酸(3.17mL、38ミリモル)お
よびエタノール(150mL)の溶液を18時間加熱還流した後、0℃に冷却した
。沈殿物を濾過により採取し、濾過物を新鮮なエタノール(200mL)で洗浄し
た。この濾過物を真空中、五酸化リン上で乾燥させて、生成物を黄色の固形物1
2.0gとして得た。
実施例2 N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-2-ヨード-11-オキソ-11H-ピリド- [ 2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
2-ヨード-11-オキソ-11H-ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボン酸(
25g、62.1ミリモル)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(7.16mL、6
5.2ミリモル)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(108.2mL、621ミ
リモル)およびジクロロメタン(570mL)の室温溶液に、ベンゾトリアゾール-
1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト(35.71g、80.7ミリモル)を一度に加えた。18時間攪拌した後、この
反応混合物を1N水酸化ナトリウム(700mL)で希釈し、ジクロロメタン(3
×500mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(700mL)で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を熱メタノール
から繰り返して再結晶して、生成物を黄色の固形物19.21gとして得た。
実施例3 2-ヨード-11-オキソ-N-[2-(1-ピロリジニル)エチル]-11H-ピリド- [ 2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
2-ヨード-11-オキソ-11H-ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボン酸(
2.0g、4.97ミリモル)、1-(2-アミノエチル)ピロリジン(1.26mL、
9.94ミリモル)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.33mL、24.8
ミリモル)およびジクロロメタン(50mL)の室温溶液に、ベンゾトリアゾール-
1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト(3.3g、7.45ミリモル)を一度に加えた。66時間攪拌した後、この反応
混合物を半分飽和した重炭酸ナトリウム(100mL)で希釈し、ジクロロメタン
(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(70mL)で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュク
ロマトグラフィーで繰り返して精製した。シリカゲル上で最初の精製(250g
、10%メタノール/クロロホルムで溶離)を行った後、第2の精製(シリカゲル
250g、45%メタノール/酢酸エチルで溶離した後、10%〜20%メタノ
ール/クロロホルムで勾配溶離)を行って、生成物を明るいレモン色の固形物1.
82gを得た。
実施例4 3-ピリジニルホウ素酸
−78℃に冷却したn-BuLi(61mL、2.5Mヘキサン溶液)に、Et2
O(−78℃)(100mL)に溶解した3-ブロモピリジン(20.0g)をカニュー
レで5分間にわたって加えた。10分後、Et2O(80mL)中におけるホウ酸
トリメチル(17.1g)の予備冷却した(−78℃)溶液を加えた。この反応混合
物を−78℃で1時間攪拌し、室温に1時間加温し、室温で1/2時間攪拌した
。この反応混合物に水20mLを加え、攪拌し続けた。得られた固形の沈殿物を
採取し、上澄みを濃縮して残渣を得た。この残渣にエチルアルコール(100m
L)および酢酸(8mL)を加えた後、35分間加熱還流し、室温に冷却し、濃縮
乾固して、淡黄色の発泡物を得た。この粗生成物は、次の工程でそのまま用いた
。
実施例5 4-(トリブチルスタンニル)ピリジン
4-ブロモピリジン・HCl(5.0g)をエーテル(50mL)および5M Na
OH(5.66mL)溶液中で20分間攪拌した。エーテル層を分離し、MgSO4
で乾燥させ、濾過した後、−78℃に冷却した。このエーテル溶液をカニューレ
でn-BuLi(12.34mL)の−78℃溶液に移した。暗褐色の不均質溶液を
−78℃で5分間攪拌した後、n-Bu3SnClを滴下した。この溶液は均質と
なり、色が黒褐色になった。−78℃で2時間攪拌し続けた。この反応混合物を
室温に加温した後、室温で15分間攪拌し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル
(3×50mL)で抽出した。得られた酢酸エチル抽出液を合わせ、食塩水(50
mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、残渣を得た
。この残渣をSiO2上で1回精製(250g、30%酢酸エチル/ヘキサンで溶
離)して、生成物6.5gを淡黄色の油状物として得た。この生成物を次の工程に
用いた。
元素分析の結果(C17H31NSn):
計算値:C,55.47%;H,8.49%;N,3.80%;Sn,32.24
%。
実測値:C,55.08%;H,8.57%;N,3.67%;Sn,32.25
%。
実施例6 N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-11-オキソ-2-(3-ピリジニル)-11H- ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-2-ヨード-11-オキソ-11H-ピリド[2,
1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド(100mg)、3-ピリジニルホウ素酸(2
25.41mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(66.2
2mg)および炭酸ナトリウム(2Mの0.57mL(1.15ミリモル))の混合物
を120℃〜125℃の油浴中で45分間加熱した。この反応混合物を室温に冷
却し、水(30mL)で希釈し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出した。合わせた
有機相を食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で
濃縮した。残渣をSiO2上で精製(50g、10%〜30%MeOH/CHCl3
で勾配溶離)して、所望の生成物(66mg)を得た。 実施例7 N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-11-オキソ-2-(4-ピリジニル)-11H- ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-2-ヨード-11-オキソ-11H-ピリド[2,
1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド(100mg)、4-(トリブチルスタンニル
)ピリジン(126.58mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)(26.49mg)およびトルエン6mLの混合物を130℃〜135℃の密
封容器中で5時間加熱した。このとき途中で、追加のテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(0)(40mg)を加えた。この反応混合物を一晩かけて
室温に冷却した。130℃〜135℃で3時間加熱し続けた後、室温に冷却し、
飽和NaHCO3(30mL)で希釈し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出した。
合わせたCH2Cl2抽出液を食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ
、濾過し、真空中で濃縮して、残渣を得た。これをシリカゲル上で精製(10%
〜15%MeOH/CHCl3で溶離)して、所望の生成物44mgを固形物とし
て得た。
実施例8 11-オキソ-2-(4-ピリジニル)-N-[2-(1-ピロリジニル)エチル]-11H- ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
2-ヨード-11-オキソ-N-[2-(1-ピロリジニル)エチル]-11H-ピリド[2
,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド(200mg)、4-(トリブチルスタンニ
ル)ピリジン(238.9mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)(49.99mg)およびトルエン9mLの混合物を125℃の密封容器中で
3時間加熱した後、室温で冷却し、飽和NaHCO3(30mL)で希釈し、CH2
Cl2(3×30mL)で抽出した。合わせたCH2Cl2抽出液を食塩水(50mL
)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、残渣を得た。こ
れをシリカゲル上で精製(120g、10%〜15%MeOH/CHCl3で溶離)
して、生成物を黄色の固形物/フィルム0.043gとして得た。
エレクトロスプレーMS=M/Z 414(M++H)。
実施例9 3-キノリニルホウ素酸
ジエチルエーテル50mL中における3-ブロモキノリン(14.6g(0.07
モル))の溶液を、アルゴン下、−40℃で、Et2O 50mL中における2Mn
-BuLi(37.5mL(0.075モル)(シクロヘキサン中))の溶液に加えた。
この反応混合物を15分間攪拌し、ホウ酸トリメチル0.075モル(7.8g、
8.5mL)を2分間にわたり急いで加えた。この混合物を0℃で15分間攪拌し
、H2O 4mLを加え、30分間攪拌し続けた。揮発分を真空中でエバポレート
して、黄色のタール状残渣を得た。この残渣をエチルアルコール150mLに溶
解し、酢酸4mLを加え、45分間還流した。揮発分を真空中でエバポレートし
て、黄色の油状残渣を得た。この残渣をエーテル40mLと共に攪拌して、黄色
の固形物を得た。これを濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、固形物11.
14gを得た。この固形物を水100mL中で攪拌し、濾過して、風乾後、固形
物3.26gを得た。この粗生成物は、次の工程でそのまま用いた。
実施例10 N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-11-オキソ-2-(3-キノリニル)-11H- ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-2-ヨード-11-オキソ-11H-ピリド[2,
1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド(750mg)、3-キノリニルホウ素酸(7
43.47mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(198.
67mg)、炭酸ナトリウム(2Mの4.3mL(8.6ミリモル))およびトルエン
33mLの混合物を120℃で7時間加熱し、室温に冷却した。この反応混合物
を水70mLで希釈し、CHCl3 3×70mLで抽出した。有機層をNa2S
O4で乾燥させ、真空中でエバポレートして、残渣を得た。この残渣をシリカゲ
ル上でのカラムクロマトグラフィーに付し、5%〜10%MeOH/CHCl3で
溶離することにより精製して、黄色の固形物501mgを得た。
実施例11 4-ブロモ-1,2-ベンゼンジカルボン酸2-メチルエステル 4-ブロモ-1,2-ベンゼンジカルボン酸1-メチルエステル
メタノール(20mL)に水素化ナトリウム(60%鉱油懸濁液1.0g、25ミ
リモル)を加える。すべての固形物が溶解した後、この溶液を、メタノール(50
mL)に溶解した無水4-ブロモフタル酸(2.27g、10ミリモル)の室温溶液
に加えた。この反応混合物を室温で10分間攪拌し、飽和炭酸カリウム溶液で希
釈し、酢酸エチルで2回抽出した。水層をpH1〜2に酸性化した後、新鮮な酢
酸エチルで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、
安息香酸異性体の混合物(2.21g)をロウ状固形物として得た。
実施例12 2-アミノ-4-ブロモ安息香酸メチル 2-アミノ-5-ブロモ安息香酸メチル
実施例11の混合物(2.07g、8ミリモル)、トリエチルアミン(6.0mL
、0.043モル)およびトルエン(80mL)の溶液に、ジフェニルホスホリルア
ジド(5.0g、0.018モル)を加え、この反応混合物を80℃で2時間加熱し
た。この反応混合物をアセトン(200mL)および水(40mL)で希釈し、さら
に80℃で8時間加熱し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲル
上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製(15%酢酸エチル/ヘキサンで溶離
)して、2-アミノ-4-ブロモ安息香酸メチルエステル(0.514g)を白色の固
形物として、および、2-アミノ-5-ブロモ安息香酸メチルエステル(0.930
g)を白色の固形物として得た。
2-アミノ-4-ブロモ安息香酸メチル
2-アミノ-5-ブロモ安息香酸メチル
実施例13 3-ブロモ-11-オキソ-11H-ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボン酸
2-アミノ-4-ブロモ安息香酸メチル(460mg、2ミリモル)、2-クロロニ
コチン酸(315mg、2ミリモル)、濃塩酸(5滴)、エタノール(5mL)および
水(25mL)の溶液を、18時間加熱還流し、0℃に冷却し、濾過した。得られ
た固形の濾過物を真空中で乾燥させて、次の実施例でそのまま用いた。実施例14 3-ブロモ-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-11-オキソ-11H-ピリド- [ 2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
3-ブロモ-11-オキソ-11H-ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボン酸
をジクロロメタン(25mL)に溶解した。この反応混合物にN,N-ジメチルエチ
レンジアミン(1g、0.0023モル)を加えた後、BOP試薬(1g、0.00
23モル)を加えた。この反応混合物を室温で30分間攪拌し、水で希釈し、ジ
クロロメタンで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し
た。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製(10%メタ
ノール/クロロホルムで溶離)して、生成物を黄色の固形物0.338gとして得
た。
実施例15 N-[1-(ジメチルアミノ)エチル]-11-オキソ-3-(3-ピリジニル)-11H- ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
実施例6の方法を、実施例14の生成物(39mg、0.1ミリモル)、実施例
4の生成物(123mg、1.0ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン
)パラジウム(0)(29mg、0.025ミリモル)、2M炭酸ナトリウム溶液(0.
5mL、1.0ミリモル)およびトルエン(5mL)と共に用いた。
収量:黄色の固形物6.0mg。
実施例16 N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-11-オキソ-3-(4-ピリジニル)-11H- ピリド[2,1-b]キナゾリン-6-カルボキサミド
実施例7の方法を、実施例14の生成物(39mg、0.1ミリモル)、実施例
5の生成物(55mg、0.15ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン
)パラジウム(0)(23mg、0.0020ミリモル)およびトルエン(2mL)と共
に用いた。
収量:黄色の固形物11.0mg。
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フロントページの続き
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