JP2001507238A - アミンオキシダーゼ活性を有する血管付着タンパク質−1 - Google Patents

アミンオキシダーゼ活性を有する血管付着タンパク質−1

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Abstract

(57)【要約】 VAP-1は、炎症状態のもとでその細胞表面発現が誘導される内皮細胞のシアロ糖タンパク質である。それは、L−セレクチン非依存性形式においてヒト末梢リンパ節血管内皮細胞への循環中リンパ球の結合を媒介することが以前に示されている。VAP-1 cDNAを精製し、そしてその分子のごくN末端に置かれた単一の膜貫通領域を有する84.6KDの分子量のII型膜貫通タンパク質をコードすることを示した。VAP-1は、生体内では主として170-180KDの二量体として存在する。細胞外領域には6つの潜在的N−グリコシル化部位があり、そして3つの推定O−グリコシル化部位も存在する。VAP-1は現在既知であるいずれの付着分子に対しても有意な類似性を持たないが、銅含有アミンオキシダーゼ群に対して有意な同一性を有する。酵素アッセイは、VAP-1を膜結合型アミンオキシダーゼであると限定した。よって、VAP-1は二元機能を有する新規タイプのアミンオキシダーゼである。適切なグリコシル化と、正当な炎症環境において、リンパ球の付着を媒介する部位の管腔内皮細胞表面上でのVAP-1 発現により、VAP-1がリンパ球回帰の新規機構に関与する付着レセプターとして機能できるようになる。他の部位でのそれの主な機能は、それの固有のアミンオキシダーゼ活性に依存し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 アミンオキシダーゼ活性を有する血管付着タンパク質−1 発明の分野 本発明は、VAP-1と称する、付着機能とアミンオキシダーゼ活性を有する新規 ヒト内皮細胞付着タンパク質をコードする核酸に向けられる。 発明の背景 血液と組織の間のリンパ球の連続再循環は、免疫系が機能を果たすのに非常に 重要である。この過程は、リンパ球が抗原を捜し求めて体内のあらゆる場所を巡 回しながら、特殊化された微小環境中の組織区画において抗原の攻撃に対するそ れらの応答を発生させそしてそれをまとめる機会を与える。その後、リンパ球は 、それらが抗原と遭遇した部位に特異的に戻り(回帰)、それによって免疫応答 の選択性を増大させることができる。循環中のリンパ球上の多数のレセプターと 後毛細管小静脈の内皮細胞の表面上に発現されたリガンドとの間の付着相互作用 は、遊出過程のための手段とその過程を選択的に制御する手段の両方を提供する 。最近、循環中のリンパ球が自由に流れている血液から組織へと入るのに必要な 一連の現象のカスケードの説明がかなり進展したけれども、この過程の多くはな お解明すべきである。特に、現在知られている付着分子の機能は、正常状態と炎 症状態においてこれまで明らかにされている個々の再循環経路と結合特異性を全 て明らかにするにはまだ十分でない。 現在の仮定は、幾つかのレセプター−リガンド組合せ間の連続的であるが重複 している分子相互作用のカスケードに頼るという、内皮への白血球の付着の多段 階モデルを提唱している〔Butcher,E.G. & Picker,L.J.,Science 272:60-66(1996);Springer,T.A.,Cell 76:301- 314(1994)〕。血流中の白血球と血管壁との初期の一時的且つ連鎖的相互作用は 、理論的にはセレクチンとそれらの糖タンパク質リガンドとにより行われる。イ ンテクリンや他の分子もこの段階に役割を果たし得る。この巡回およびサンプリ ング段階の後、適当なシグナルの存在下で、活性化されたインテグリンとそれら のIgスーパーファミリーリガンドとの結合により媒介される強固な付着が起こ り得る。固定化サイトカインおよびそれらの化学誘引物質のレベルの局所的上昇 が、適当なレセプターにより媒介されるこの局所的活性化と、その後の細胞内へ のシグナルの導入を開始するのに関与しているのかもしれない。最終段階は、あ まり解明されていないメカニズムによる組織中への内皮下層からの結合細胞の遊 出(transmigration)である。組織特異的再循環経路は、適当な部位における特 定の付着分子レセプター−リガンド組合せの調節発現に基づいている。 本発明者らは以前に、新規ヒト内皮細胞付着分子を認識し且つ凍結切片アッセ イにおいて扁桃高内皮性小静脈(HEV)へのリンパ球結合を阻害することができる モノクローナル抗体(MAb)1B2を記載した〔Salmi,M.& JalKanen,S.,Scienc e 257:1407-1409(1992);米国特許第5,512,442号および同第5,580,780号並びに 米国特許出願第08/447,799号明細書(これらは全て参考として本明細書中に組入 れられる)〕。MAb 1B2は血管付着タンパク質−1(VAP-1)に特異的であり、従 ってそれを限定する。炎症状態では、VAP-1の表面発現が誘導され、その分子が 血管内皮細胞の管腔表面上に観察される〔Salmi,M.他,J.ExP.Med.178:225 5-2260(1993)〕。扁挑組織のMAb 1B2免疫沈澱により、1つは90KD(キロダルト ン)でもう1つは170-180KDである異なる分子量を有する2種類のVAP-1 が検出され得る。しかしながら、非還元条件下での免疫ブロッティング後には、 170〜180KD種がほとんど優勢である〔Salml,M.& Jalkanen,S.,J.ExP.Med .183:569-579(1996)〕。わずかに異なる分子量を有する免疫反応性VAP-1が他の 場所、特に血管系の平滑筋細胞並びに他の平滑筋含有組織にも検出され得るが、 それらの細胞中のVAP-1の機能はなお調査すべきである。McNab他は、VAP-1が肝 臓の洞様毛細血管内皮上で発現されそしてTリンパ球の結合を媒介することを報 告している〔McNab,G.他,Gastroenterology110.522-528(1996)〕。特異的グ リコシダーゼを使った扁桃VAP-1の研究は、VAP-1が、おそらくα2,3結合とα 2,6結合の両方の型のシアル酸残基を豊富に有するNおよびO結合型糖類を含 有する、シアロ糖タンパク質であることを示した。脱シアル酸分子は凍結切片ア ッセイにおいてもはやリンパ球結合を媒介できないので、VAP-1がシアル酸依存 性形式で且つ剪断条件下でリンパ説組織中でのHEVへのリンパ球結合を媒介する ことも示された〔Salmi,M.& Jalkanen,S.,J.ExP.Med.183:569-579(1996) 〕。VAP-1分子は、皮膚、腸、扁桃および滑膜の病気によって引き起こされるあ る種の炎症状態のもとではアップレギュレートされるが、この現象を誘導するメ ディエーターはまだ同定されていない〔Arvilommi,A.-M.他,Eur.J.Immunol .26:825-833(1996);Salmi,M.他,J.ExP.Med.178:2255-2260(1993)〕。V AP-1もpNAdも剪断条件下でPLNへのリンパ球結合を媒介することができるが、VAP -1はMAb MECA-79により限定されるPLN(末梢リンパ節)アドレッシン(PNAd)とは 異なる。しかしながら、PNAdとは対照的に、VAP-1はL−セクレチン非依存性形 式で作用することができ、且つL−セクレチン陰性リンパ球の結合を媒介するこ とができる〔Salmi,M.他,J.ExP.Med.183:569-579(1996)〕。従って、VAP- 1は既知セク レチンとは独立に作用する新たな経路において重要な付着機能を有する分子であ り、PLN型のHEVへのリンパ球結合の初期相互作用を媒介すると思われる。 発明の要約 本発明は、血管付着タンパク質−1(VAP-1)をコードする精製された核酸分 子であって、 (a) 図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2)を含んで成るポリペプチドを コードする精製された核酸分子; (b) 図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号1)のVAP-1コード配列 を含んで成る精製された核酸分子; (c) 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされるア ミノ酸配列を含んで成るVAP-1 ポリペプチドをコードする精製された核酸分子; (d) 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 ヌクレオチド配列のコード配列を含 んで成る精製された核酸分子; (e) (a),(b),(c)または(d)に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列に相補的なヌ クレオチド配列を含んで成る精製された核酸分子; (f) 遺伝暗号の縮重のために(b)または(d)の核酸分子のコード配列とは異な るヌクレオチド配列を含んで成る精製された核酸分子;および (g) (e)の分子にハイブリダイズし、且つ図1に記載のVAP-1 配列(配列番号 2)に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を有するVAP-1をコー ドするヌクレオチド配列を含んで成る、精製された核酸分子 から成る群より選ばれた精製された核酸分子に向けられる。 本発明は更に、組換えベクターの作製方法であって、ベクターとして機能する ことができるDNA配列中にVAP-1 核酸分子の配列を含 む分子を挿入することを含んで成る方法にも向けられる。本発明は更にそのよう なVAP-1 DNAを含んで成る組換えベクターに向けられる。本発明はまた、宿主細 胞にVAP-1を提供する方法であって、宿主細胞中にVAP-1 をコードするDNAを導入 することを含んで成る方法にも向けられる。本発明は、そのように導入されたDN Aを含んで成る組換え宿主細胞にも向けられる。本発明は、血管付着タンパク質 −1(VAP-1)ポリペプチドの生産方法であって、本発明のVAP-1をコードするDNA を含有する組換え宿主細胞を、コードされるVAP-1ポリペプチドが発現されるよ うな条件下で培養することを含んで成る方法にも向けられる。 本発明は更に、宿主細胞にアミンオキシダーゼ活性を提供する方法であって、 VAP-1をコードする核酸を用いて前記宿主細胞を形質転換せしめることを含んで 成る方法にも関する。 本発明はまた、血管付着タンパク質(VAP-1)の発現を改変する方法であって、( a)宿主細胞中に、(i)VAP-1ターゲティング配列;および(ii)前記VAP-1 ターゲテ ィング配列に連結された調節配列を含んで成るDNA 構成物を導入し;そして(b) 前記DNA 構成物と内因性VAP-1配列との間の相同組換えに適した条件下で前記宿 主細胞を維持することを含んで成る方法にも向けられる。本発明は、VAP-1の発 現が上記方法により改変されているそのような宿主細胞にも向けられる。 本発明はまた、(a)VAP-1ターゲティング配列;および(b)前記VAP-1ターゲティ ング配列に連結された調節配列、を含有する組換え宿主細胞にも向けられる。 本発明は、アミンを酸化する方法であって、前記アミンを本発明のVAP-1ポリ ペプチドと反応させることを含んで成る方法に向けられる。前記アミンは、例え ば、ベンジルアミンおよびメチルアミン であることができる。VAP-1 ポリペプチドは、 (a')図1に記載のVAP-1 アミノ酸配列(配列番号2)を含んで成る精製され たポリペプチド; (b')図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号1)によりコードされ るVAP-1 アミノ酸配列を含んで成る精製されたポリペプチド; (c')受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされる アミノ酸配列を含んで成る精製されたポリペプチド; (d')(a')〜(c')のいずれかのポリペプチドをコードするDNAの相補物にハイ ブリダイズし、且つ図1(配列番号2)に記載のアミノ酸配列に対して少なくと も80%の同一性を示すアミノ酸配列を有するヌクレオチド配列によりコードされ るVAP-1 アミノ酸配列を含んで成る精製されたポリペプチド;および (e')(a')または(b')のポリペプチドのエピトープ含有部分のアミノ酸配列を 含んで成る精製されたポリペプチド から成る群より選ばれた配列に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を 有する。 本発明はまた、アミンオキシダーゼ活性の阻害方法であって、アミンオキシダ ーゼ活性を有する試料に有効量の阻害剤を提供することを含んで成る方法にも向 けられる。前記阻害剤は、例えば、セミカルバジド、ヒドロキシルアミン、プロ パルギルアミン、イソニアジド、ニアラミド、ヒドララジン、プロカルバジン、 モノメチルヒドラジン、3,5−エトキシ−4−アミノメチルピリジン、または MDL72145〔=(E)−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−フルオロアリ ルアミン〕であることができる。 本発明は更に、リンパ球への内皮細胞の血管付着タンパク質−1(VAP-1)媒 介結合を改変する方法であって、阻害または増強によっ て、前記内皮細胞中のアミンオキシダーゼ酵素活性を改変することを含んで成る 方法に向けられる。 図面の簡単な説明 図1. ヒト肺cDNAライブラリーより単離されたVAP-1 cDNA配列およびVAP-1 ンパク質の推定アミノ酸配列。免疫精製VAP-1 タンパク質から精製されそして配 列決定されたN末端,トリプシンペプチドおよびV8ペプチドが四角で囲まれて いる。四角で囲まれた領域内のイタリック体のアミノ酸残基は、ペプチド配列決 定の間のそのサイクルによりアミノ酸を指定できなかったことを示す。潜在的N −グリコシル化部位は矢印で指したアスパラギンにより示され、そして推定O− グリコシル化部位は矢印で指した四角により示される。残基5〜27の膜貫通領域 は陰影により示される。図面の下部に記載される尺度図には、膜貫通領域の位置 (黒く塗ったTMD領域により示される)と、該分子の細胞外部分にある推定グ リコシル化部位の相対位置がそれぞれNおよびO(それぞれN結合およびO結合 糖類を表す)により示される。目盛棒は50アミノ酸を表す。 図2.VAP-1の膜配向および細胞領域を決定するための、VAP-1でトランスフェ クトしたCOS-7 細胞のFACS分析。COS-7 細胞をトランスフェクトするのに用いた 2つのVAP-1 発現プラスミドの構造を示す図がこの図面の上部に記載される。VA P-1は生来のVAP-1 発現構成物である。VAP-1 FLAGはFLAGエピトープで標識され たVAP-1である。模擬トランスフェクションに用いる陰性対照は、VAP-1が発現ベ クター中に逆向きに置かれている構成物により提供される。欄1:トランスフェ クションに用いた発現構成物。欄2:トランスフェクトされた細胞の透過性増加 なし(−)または透過性増加あり(+)。欄3:陰性対照MAb 染色。欄4:抗VA P-1 MAb 1B2 染色。 欄5:抗FLAG MAb M2 染色。欄A〜Fは、トランスフェクションに 用いた発現構成物または模擬対照、およびトランスフェクトされた細胞の染色パ ターンを示す。矢印は陽性染色の細胞集団を示す。透過性増加なしでは、細胞染 色は抗VAP-1 MAb 1B2を使った場合に観察される(FACSパネルの列BとC,欄4 )。模擬対照でトランスフェクトされた細胞は陰性であった(FACSパネルの列A ,欄4)。無染色は、VAP FLAGでトランスフェクトされた細胞において抗FALG M Abを使った場合に観察された(列C,欄5)。しかしながら、透過性増加細胞で は、VAP-1でトランスフェクトされた細胞はまだ陽性であった(列E,欄4)が 、VAP-1 FLAGでトランスフェクトされた細胞も抗FLAG MAbで陽性染色された(列 F,欄5)。このことは、抗FLAG MAbに対する細胞の透過性増加がそのMAbをFLA Gエピトープに接近できるようにし、従ってこのエピトープが細胞内にあること を示す。 図3.配列データが入手可能である銅アミンオキシダーゼファミリーの哺乳動 物メンバー(VAP-1を含む)の多重整列。左側の表示は、各列に整列された特定 タンパク質を指す:BSAO:ウシ血清アミンオキシダーゼ;VAP-1:ヒト血管付着 タンパク質−1;PDAO1:ヒト胎盤ジアミンオキシダーゼ1;PDA02:ヒト胎盤ジ アミンオキシダーゼ2:rat DAO:ラットジアミンオキシダーゼ。数字は整列し たタンパク質の各列の最初のアミノ酸に該当する。各配列は、最も最近入手可能 なデータベースより抽出し、そしてGCG Pileupを使って整列させた。VAP-1と同 一性を有する残基は、GCG Boxshadeを使って強調した。 図4.COS-7細胞中で発現されたVAP-1のシアリダーゼ処理。VAP-1でトランス フェクトしたCOS-7 細胞と模擬トランスフェクトしたCOS-7 細胞からの細胞溶解 物をシアリダーゼで処理した後(+)または処理せずに(−)、VAP-1 MAb 1B2 (1〜4レーン)または 陰性対照MAb 3G6を使って免疫ブロッティングしそして探査した。 図5.A.洗浄およびスクイーズによりリンパ球を部分的に除去したヒト腸平 滑筋および扁桃支質から抽出されたポリA+RNA中のVAP-1 mRNAのノーザンブロッ ト分析。両方の軌跡に4.2kbのハイブリダイズするmRNAが検出できる。B.種々 のヒト組織のVAP-1 mRNAのノーザンブロット分析。ノーザンブロットはClontech Laborato-riesより入手し、そして各レーンに等量のmRNAを負荷した。全てのフ ィルターを、完全なコード配列を含む32P標識VAP-1 cDNAプローブを使って探査 し、そして高緊縮性条件(ハイブリダイゼーション後の洗浄条件が0.1%×SS C,0.1%SDS中で65℃で2×45分間であった)で洗浄した。 図6.VAP-1 cDNAでトランスフェクトしたAx細胞はリンパ球の付着を媒介する 。A.VAP-1 cDNAまたは模擬対照で安定にトランスフェクトしたAx細胞の細胞表 面上でのVAP-1の発現。ヒストグラム中、染色強度がX軸上にlog目盛りで示され 、そして細胞の相対数がy軸上に示される。B.VAP-1 トランスフェクタントへ の増加したVAP-1 依存性リンパ球結合。PBL(単層培養物の最上部に現れる小 さい球体;その例が矢印で示される)は模擬トランスフェクタント(右)よりも VAP-1 トランスフェクタントのほうに相当多く結合した。位相差顕微鏡写真,10 0×倍率。C.結合の定量。5つの独立した実験結果を平均±SEMとして表す 。 発明の詳細な説明 白血球表面レセプターと血管内皮細胞上のそれらのリガンドとの相互作用は、 血液と様々なリンパ系器官との間のリンパ球輸送量に加えて炎症部位中への白血 球の遊出も決定的に調節する。白血球−内皮細胞付着反応を媒介する血管付着タ ンパク質−1(VAP-1)をコードするcDNAクローンを記載する。コードされるVAP -1は、驚くべ きことにアミンオキシダーゼ活性も有する。高等動物では、アミンオキシダーゼ が生体アミンの代謝に関係していると考えられている〔Mclntire,W.& C.Hart mann,Principles and Applications of Quinoproteins,V.L.Davidson編,Mar cel Dekker,Inc.,N.Y.,第6章(1992)〕。VAP-1 cDNA 本発明は、図1に示すヌクレオチド配列を与える(配列番号1)cDNAクローン を配列決定することにより決定された図1に示すアミノ酸配列(配列番号2)を 有する血管付着タンパク質−1(VAP-1)ポリペプチドをコードするポリヌクレ オチドを含んで成る精製された核酸分子を提供する。このヌクレオチド配列を含 有するクローンは、ブダペスト条約のもと、DSMZ(ドイツ国D-38124 Braunschwe ig,Mascheroder Weg 1bのDeutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellku lturen GmbH)に1997年5月7日に寄託され、そして受託番号DSM 11536を付与さ れた。寄託されたクローンはpUC19 プラスミド中に含まれる。 モノクローナル抗体(MAb)免疫親和性カラムを使って、VAP-1の90KD単量体形と 170-180KD二量体形のそれぞれを、トリプシンとV8プロテアーゼで消化した後に 中間部配列を得るのに十分な量となるように、平滑筋の界面活性剤溶解物より精 製した。90KD VAP-1の一部をN末端配列決定にかけ、そしてヒト腸平滑筋から調 製したmRNAについてのRT-PCR実験のための部分縮重オリゴヌクレオチドプライマ ーをデザインするのに使った。 それらのプライマーを使って約700bpの単−cDNA断片を増幅させ、その配列を 分析するためにpUC18中にクローニングした。より長いcDNAクローンを見つける ために、10個のヒトcDNAライブラリーのパネルをPCRにより分析してVAP-1 cDNA を含むものを同定し、そして 最も強いシグナルを与えるライブラリーを、PCR 生成VAP-1 cDNA断片を使ってス クリーニングした。このようにして、ヒト肺および心臓cDNAライブラリーから多 数の重複するcDNAクローンを単離した。それらのクローンから、ATGメチオニ ンコドンで始まる2292bpの連続転写解読枠を含有する、図1に記載のような2501 bpの単一cDNA(配列番号1)を誘導し、それをpUC19中にサブクローニングした 。このクローン中に含まれる、図1(配列番号1)に記載のVAP-1 cDNAのヌクレ オチド配列は、図1(配列番号2)に記載の決定された763 アミノ酸残基から成 りそして約84.6KDの分子量を有するタンパク質をコードし、図1のヌクレオチド 配列(配列番号1)の80〜82位に開始コドンを含有する。 本発明のVAP-1は、銅含有アミンオキシダーゼ(EC 1.4.3.6)と称する酵素群 に対して有意な同一性を有する。図1(配列番号2)に示すVAP-1 タンパク質は 、エシェリキア・コリ(Escherichiacoli;大腸菌)Cu−モノアミンオキシダー ゼに約24%同一であり、そしてこの群の噛乳動物メンバーに約41〜81%同一であ る。最大同一性はウシ血清アミンオキシダーゼに対してである(81%)。 特に断らない限り、本明細書中に用いる各「ヌクレオチド配列」は、デオキシ リボヌクレオチド(A,G,CおよびTと略す)の配列として与えられる。しか しながら、DNA 分子またはポリヌクレオチドの場合、核酸分子またはポリヌクレ オチドの「ヌクレオチド配列」とはデオキシリボヌクレオチドの配列を意味する 。RNA 分子またはポリヌクレオチドの場合、対応する配列はリボヌクレオチド( A,G,CおよびU)の配列であり、この場合は指摘のデオキシリボヌクレオチ ド配列中の各チミジンデオキシリボヌクレオチド(T)がリボヌクレオチドウリ ジン(U)により置き換えられる。 本発明の核酸分子は、mRNAのようなRNAの形であってもよく、あ るいはクローニングにより得られたまたは合成により製造されたcDNAおよびゲノ ムDNAを含むDNAの形であってもよい。DNAは二本鎖でも一本鎖でもよい。一本鎖D NAまたはRNAはセンス鎖としても知られるコード配列でもよく、あるいはアンチ センス鎖または相補鎖とも呼ばれる非コード鎖であってもよい。 「精製された」核酸分子とは、生来の環境から分離されたまたは合成により製 造されたDNAまたはRNA核酸分子を意味する。精製されたRNA 分子としては、本発 明のDNA 分子の試験管内RNA 転写物が挙げられる。 別の面では、本発明は、受託番号 DSM 11536として1997年5月7日に寄託され たプラスミド中に含まれるcDNAによりコードされるアミノ酸配列を有するVAP-1 ポリペプチドをコードする精製された核酸分子を提供する。本発明は更に、図1 に示されるヌクレオチド配列(配列番号1)または上記寄託クローン中に含まれ るVAP-1 cDNAのヌクレオチド配列を有する精製された核酸分子、あるいは上記配 列のうちの1つに相補的な配列を有する核酸分子を提供する。そのような単離さ れた分子、特にDNA 分子は、染色体とのin situハイブリダイゼーションによる 遺伝子マッピング用プローブとして、および例えばノーザンブロット分析により ヒト組織中でのVAP-1 遺伝子の発現を検出するのに有用である。 本発明は更に、本明細書中に記載の精製された核酸分子の断片に向けられる。 寄託されたcDNAのVAP-1 ヌクレオチド配列または図1に示すVAP-1 ヌクレオチド 配列(配列番号1)を有する精製された核酸分子の断片とは、本明細書中に記載 のような診断プローブおよびプライマーとして有用である、少なくとも約15ヌク レオチド(nt)、より好ましくは少なくとも約20nt、更に好ましくは少なくとも約 30nt、更により好ましくは少なくとも約40ntの長さの断片を意 味する。もちろん、長さ50〜1500ntのより長い断片も本発明に従って有用であり 、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1に示すヌクレオチド配列(配列 番号1)の全部ではないにせよ大部分に相当する断片も同様に有用である。VAP- 1 遺伝子が寄託されそして図1に示すヌクレオチド配列(配列番号1)が提供さ れるので、そのようなDNA 断片の作製は当業者が日常的に行うことであろう。例 えば、制限エンドヌクレアーゼ開裂、音波処理による剪断、またはオリゴヌクレ オチド合成を使って容易に様々なサイズの断片を作製することができる。 別の面では、本発明は、緊縮性ハイブリダイゼーション条件下で、上述した本 発明の核酸分子、例えば受託番号DSM 11536中に含まれるVAP-1 cDNAクローン、 中のポリヌクレオチドの一部分にハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んで 成る精製された核酸分子を提供する。「緊縮性ハイブリダイゼーション条件」と は、50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl,15mMクエン酸三ナトリウム) 、50mM リン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハーツ溶液、10%硫酸デキストラ ンおよび20g/mlの変性され剪断されたサケ精子DNAを含有する溶液中での42℃で 一晩のインキュベーション後に、0.1×SSC中で約65℃でフィルターを洗浄す ることを意味する。 ポリヌクレオチドの「一部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、 参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、より好ましくは少な くとも約20nt、更に好ましくは少なくとも約30nt、更により好ましくは約30〜70 ntにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNAかRNA)を意味する。それらは診 断プローブおよびプライマーとして有用である。もちろん、長さ50〜1500ntのよ り長い断片も本発明に従って有用であり、寄託されたcDNAのVAP-1 ヌクレオチド 配列または図1に示すヌクレオチド配列 (配列番号1)の全部ではないにせよ大部分に相当するポリヌクレオチドも同様 に有用である。そのような部分は従来のDNA ハイブリダイゼーション技術に従 ってプローブとして有用であり、あるいは例えば、Molecular Clontng,A Labo ratory Manual,第2版,Sambrook,J.,Fritsch,E.F.& Maniatis,T.編,Col d Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)(これ は参考として本明細書中に組み込まれる)に記載のようなポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)による標的配列の増幅用のプライマーとして診断上有用である。 本発明の精製された核酸分子としては、図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列 (配列番号1)の80〜82位に開始コドンを有する転写解読枠(ORF)を含んで 成るDNA 分子、および遺伝暗号の縮重のために上述したものとは実質的に異なる がまだVAP-1 タンパク質をコードする配列を含んで成るDNA 分子が挙げられる。 もちろん、遺伝暗号は当該技術分野で周知である。よって、縮重変異体を作製す るのは当業者が日常的に行うことである。 本発明は更に、VAP-1 タンパク質の一部分、類似体または誘導体をコードする 、本発明の核酸分子の変異体に関する。変異体は、天然の対立遺伝子変異体また はスプライス変異体のような天然に存在するものであってもよい。「対立遺伝子 変異体」とは、ある生物の染色体上の所定の位置を占有する遺伝子の幾つかの別 形態のうちの1つを意味する。Genes II,Lewin,B.編,John Wiley & Sons,N ew York(1985)。天然に存在しない変異体は、当該技術分野で既知である突然 変異誘発技術を使って作製することができる。 そのような変異体としては、ヌクレオチド置換、欠失または付加により得られ るものが挙げられる。置換、欠失または付加には1または複数のヌクレオチドが 関与する。変異体はコード領域、非コー ド領域またはその両方に変更を有してもよい。コード領域中の変更は、保存的ま たは非保存的アミノ酸置換、欠失または付加を生じてもよい。それらの中で特に 好ましいのは、VAP-1 タンパク質またはそれの一部分の性質と活性を変更しない サイレント置換、付加および欠失である。保存的置換もこの点で特に好ましい。 本発明の別の態様は、以下(a)〜(g)の核酸分子に対して少なくとも90%同一、 より好ましくは少なくとも95%,96%,97%,98%または99%同一であるヌクレ オチド配列を有するポリヌクレオチドを含んで成る精製された核酸分子を包含す る:(a)図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2)を含んで成るポリペプチドを コードする核酸分子;(b)図1に記載のVAP-1ヌクレオチド配列(配列番号1)の VAP-1コード配列を含んで成る核酸分子;(c)受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を含んで成るVAP-1 ポリペプチ ドをコードする核酸分子;(d)受託番号11536に含まれるVAP-1 ヌクレオチド配列 のコード配列を含んで成る核酸分子;(e)(a),(b),(c)または(d)のVAP-1 ヌク レオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子;(f)遺伝暗号 の縮重のために(b)または(d)の核酸分子のコード配列とは異なるヌクレオチド配 列を含んで成る核酸分子;および(g)(e)の分子にハイブリダイズし且つ図1に記 載のVAP-1 配列(配列番号2)に対して少なくとも90%の同一性を示すアミノ酸 配列を有するVAP-1をコードするヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子。これ はそれらの核酸分子がVAP-1 活性を有するポリペプチドをコードするかどうかに 無関係である。その理由は、特定の核酸分子がVAP-1 活性を有するポリペプチド をコードしない場合であっても、当業者はその核酸分子をどのように〔例えばハ イブリダイゼーションプローブまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマ ーとして〕使用するかを知っているからである。 しかしながら、好ましいのは、図1に示すVAP-1 核酸配列に対してまたは実際に VAP-1 タンパク質活性を有するポリペプチドをコードする寄託されたcDNAの VAP-1 核酸配列に対して、少なくとも90%,95%,96%,97%,98%もしくは99 %同一である配列を有する核酸分子である。 VAP-1 ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも例 えば90%「同一」であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、その ポリヌクレオチド配列がVAP-1 ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列 の各100 ヌクレオチドあたり10個までの点変異を含んでもよいこと以外は、その ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列と同一であることを意味する。 任意の特定の核酸分子が、例えば図1に示すVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号 1)に対してまたは寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に対して少 なくとも90%,95%,96%,97%,98%もしくは99%同一であるかどうかは、既 知のコンピュータープログラム、例えばBestfitプログラム(Wisconsin Sequenc e Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,Univer sity Research Park,575 Science Drive,Madison,WI53711)を使って便利に決 定することができる。ベクターおよび宿主細胞 本発明は、本発明の精製されたDNA分子を含有するベクター、VAP-1をコー ドするDNAにより遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるVAP-1 ポリペプチドまたはそれの断片の生産にも関する。 ポリヌクレオチドは、宿主中での増殖についての選択マーカーを含有するベク ターに連結せしめることができる。一般に、プラスミドベクターは沈澱物におい て、例えばリン酸カルシウム沈澱物にお いて、または帯電した脂質との複合体において導入される。ベクターがウイルス である場合、それを適当なパッケージング細胞系を使って試験管内パッケージン グし、次いでそれを用いて宿主細胞を形質導入せしめることができる。選択マー カーとしては、真核細胞系の場合にはジヒドロ葉酸レダクターゼまたはネ才マイ シン耐性遺伝子、そしてE.コリや他の細菌を培養する場合にはテトラサイクリ ンまたはアンピシリン耐性遺伝子を挙げることができる。 着目のポリヌクレオチドに対してシス作用性の調節領域を含んで成るベクター が好ましい。宿主により、補足因子により、または宿主中への導入によるベクタ ーそれ自体により、適当なトランス作用性因子を供給することもできる。この点 で好ましい態様では、ベクターが、誘導性発現および/または細胞型特異的発現 であることができる、特異的発現に備えるものである。そのようなベクターの中 で特に好ましいのは、容易に操作することができる環境因子、例えば温度および 栄養添加物により誘導できるものである。 本発明において有用な発現ベクターとしては、染色体由来、エピソーム由来お よびウイルス由来ベクター、例えば細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母 エピソーム、酵母染色体要素、ウイルス(例えばバキュロウイルス、パポバウイ ルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイル スおよびレトロウイルス)由来のベクター、並びにそれらの組合せに由来するベ クター、例えばコスミドおよびファミジドである。 DNA挿入断片は適当なブロモーター、例えば幾つか挙げると、λファージPL プロモーター、E.コリlac,trpおよびtac プロモーター、SV40初期および後 期プロモーター並びにレトロウイルスLTRのプロモーター、に作用可能に連結す べきである。他の適当なプロモーターは当業者に周知であろう。発現構成物は、 転写開始部 位、転写終結部位、および転写領域中に翻訳のためのリボソーム結合部位を更に 含むだろう。該構成物により発現された成熟転写物のコード部分は、好ましくは コード配列の出発点には翻訳開始コドンをそしてコード配列の終点には適当に配 置された終止コドン(UAA,UGAおよびUAG)を含むだろう。 そのような組換えDNA技術は、細胞中のVAP-1発現とアミンオキシダーゼ活 性を改変するために適用することができる、Treco他,WO 94/12650およびTreco 他,WO 95/31560(この両方が参考として本明細書中に組み込まれる)に記載さ れた組換え法も包含する。特に、宿主ゲノム中に調節領域(例えばプロモーター )を導入して内因性VAP-1の発現を改変することができる。 よって、本発明は、血管付着タンパク質−1(VAP-1)の発現が改変されてい る組換え宿主細胞を作製する方法であって、(a)宿主細胞中に、(i)VAP-1 ター ゲティング配列;および(ii)前記VAP-1 ターゲティング配列に連結された調節配 列を含んで成るDNA構成物を導入し、そして(b)前記DNA構成物と内因性VAP -1 配列との間の相同組換えに適した条件下で前記宿主細胞を維持することを含 んで成る方法に関する。本発明はまた、VAP-1の発現が上記方法により改変され ている組換え宿主細胞にも関する。 本発明は、例えは、通常はVAP-1を発現しないかまたは所望の環境もしくはホ ルモン条件下で通常はVAP-1を発現しない細胞においてVAP-1の発現を活性化する ことにより、VAP-1 遺伝子の発現を改変する方法にも関する。VAP-1の発現の改 変は、本発明の配列を使って生来の遺伝子の発現を不活性化することを含む。内 因性VAP-1 遺伝子に通常連関している調節領域を、対応する非トランスフェクト 細胞で明らかであるよりも高いレベルで該遺伝子を発現させるかまたは対応する 非トランスフェクト細胞で明らかであるものとは異 なる調節もしくは誘導パターンを該遺伝子が示すようにする調節配列を用いて置 換するかあるいは無力にするために、相同組換えまたはターゲティングが用いら れる。従って、本発明は、細胞中の所望の生成物をコードする内因性遺伝子を活 性化することによるタンパク質の生産方法にも関する。 DNA構成物をターゲティングせしめようとする場合、それは少なくともター ゲティング配列および好ましくは更に調節配列も含まなければならない。Treco 他,WO 94/12650およびTreco他,WO 95/31560に記載されたように、追加の構成 物成分、例えば選択マーカー、増幅可能マーカー、またはエキソンおよび不対ス ライス供与部位がしばしば存在する。そのような構成物中のDNAは外因性DN Aと呼ぶことができ、それは本発明の方法により宿主細胞中に導入される。外因 性DNAは、トランスフェクション前に細胞中に存在する内因性DNAと同一の または異なる配列を有することができる。 DNA構成物中の1または複数のターゲティング配列は、VAP-1 遺伝子座のと ころでVAP-1 遺伝子を含有する特定の細胞のゲノム中への正当な相同組換えを可 能にするDNA配列である。ターゲティング配列は、例えば調節配列から得られ 、そして通常は調節配列の両端に置かれた、細胞のゲノム中に通常存在するVAP- 1 DNA配列と相同であるDNA配列である。DNA構成物を中に挿入しようと するVAP-1 部位と関連して、使用される1または複数のターゲティング配列が選 択される。 DNA構成物中の調節配列は、1もしくは複数のプロモーター、エンハンサー 、骨格付着領域もしくは基質付着部位、陰性調節要素、転写因子結合部位、また はそれらの組合せから成ることができる。 DNA配列の導入部位は、一般に内因性VAP-1 遺伝子の内部もし くは上流、またはVAP-1 機能に影響を及ぼす部位であろう。内因性VAP-1 遺伝子 の発現を改変するDNA配列は、単一のDNA構成物として、またはトランスフ ェクトされた細胞のゲノム中で物理的に結合された状態になる別々のDNA配列 として、宿主細胞中に導入することができる。更に、一端にもしくは両端に一本 鎖領域を含むかまたは含まない直鎖状の二本鎖DNAとしてDNAを導入するこ とができ、あるいは環状DNAとしてDNAを導入することができる。調節DN Aを宿主細胞に導入した後、ゲノムDNAと導入されたDNAの一部分との間で 相同組換えが起こるのに適した条件下で細胞を維持する。ゲノムDNAと導入さ れたDNAとの間の相同組換えは、内因性VAP-1 遺伝子の発現を改変する配列が VAP-1 遺伝子に作用可能に連結されている、相同組換え宿主細胞をもたらす。こ の方法により製造された相同組換え宿主細胞は、VAP-1 タンパク質の発現に適し た条件下で培養でき、従って試験管内でVAP-1 タンパク質を生産することができ 、あるいは該細胞をVAP-1 タンパク質の生体内デリバリーに(すなわち遺伝子療 法に)利用することができる。 ターゲティング現象は、例えば、新規調節配列の調節下に内因性VAP-1 遺伝子 を配置する(例えばプロモーターかエンハンサーのいずれか一方または両方を前 記内因性遺伝の上流に挿入することにより)、調節配列の単純挿入であることが できる。ターゲティング現象は、調節要素の単純除去、例えば組織特異的陰性調 節要素の除去であることができる。ターゲティング現象は現存の要素を置き換え ることができ;例えば組織特異的エンハンサーを、天然に存在する要素より広範 囲のもしくは異なる細胞型特異性を有するエンハンサーにより、または対応する 非トランスフェクト細胞とは異なる調節もしくは誘導パターンを示すエンハンサ ーにより、置き換えること ができる。 遺伝子ターゲティングを使って、VAP-1の現存調節領域を、別の遺伝子から単 離された調節配列と、または遺伝子操作法により合成された新規調節配列と置き 換えることができる。この方法によると、外因性DNAの導入が、内因性(ゲノ ム)配列の全部もしくは一部を置換することによって、あるいは他の方法で内因 性配列の機能を破壊することによって、内因性VAP-1 遺伝子の発現を調節する内 因性配列の不活性を引き起こす。 受容宿主生物中での外因性DNAの発現に必要な追加の配列と共に、外因性D NAと所望により選択マーカーをコードするDNAとを含有するDNA構成物を 用いて、VAP-1 生産を改変しようとする細胞をトランスフェクトする。内因性遺 伝子発現を改変するための相同組換え法の詳細は、Treco他,WO 94/12650および Treco他,WO 95/31560中に与えられている(両刊行物ともに参考として本明細書 中に組み込まれる)。 DNA構成物または組換え構成物は、様々な方法により、例えば形質転換、ト ランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形 質導入、リン酸カルシウム沈澱、およびリポソームー,ポリブレンーまたはDEAE デキストラン−媒介トランスフェクションにより、細胞中に導入することができ る。そのような方法は多数の標準実験マニュアル、例えば、Davis他,Basic Met hods In Molecular Biology(1986)中に記載されている。あるいは、感染性ベ クター、例えばレトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、アデノウ イルス関連ウイルス、おたふくかぜウイルスおよびポリオウイルスベクターを使 ってDNA構成物を導入することができる。 適当な宿主の代表例としては、細菌細胞、例えばE.コリ(E. coli)、ストレプトマイセス(Streptomyces)およびサルモネラ・チフィムリウ ム(Salmonera typhimurium)細胞;心筋細胞、例えば酵母細胞;昆虫細胞、例 えばドロソフィラ(Drosophila)S2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9 細胞 ;動物細胞、例えばAx細胞およびCRL 1988細胞(共に内皮細胞)、CHO 細胞、CO S 細胞およびBowes 黒色腫細胞;並びに植物細胞が挙げられるが、それらに限定 されない。上記宿主細胞に適した培地および培養条件は当該技術分野で既知であ る。 適当な原核および真核ベクターは当業者に容易に明らかであろう。 既知の細菌プロモーターの中で本発明での使用に適したものとしては、E.コ リ lacIおよびlacZプロモーター、T3およびT7プロモーター、gpt プロモータ ー、λ PRおよびPLプロモーター並びにtrpプロモーターが挙げられる。適当な真 核プロモーターとしては、CMV早期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプ ロモーター、初期および後期SV40プロモーター、レトロウイルスLTRのプロ モーター、例えばラウス肉腫ウイルス(RSV)のプロモーター、並びにメタロ チオネインプロモーター、例えばマウスメタロチオネインIプロモーターが挙げ られる。 高等真核生物による、本発明のVAP-1 ポリペプチドをコードするDNAの転写 は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強することができ る。エンハンサーは、通常は約10〜300bpのシス作用性DNA要素であり、一定 の宿主細胞型でのプロモーターの転写活性を増加させる働きをする。エンハンサ ーの例としては、複製開始点の後側bp100〜270のところに置かれたSV40エンハ ンサー、シトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後側 にあるポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられ る。 VAP-1 ポリペプチドは、修飾された形で、例えば融合タンパク質として発現せ しめることができ、そして分泌シグナルだけでなく追加の非相同機能領域も含ん で成ることができる。例えば、追加のアミノ酸の領域、特に荷電アミノ酸の領域 をVAP-1 ポリペプチドのN末端に付加して、精製中のまたはその後の後処理と保 存中の宿主細胞内での安定性と存続性を高めることができる。また、ペプチド成 分をVAP-1 ポリペプチドに付加して精製を容易にすることができる。特に、分泌 もしくは抽出を誘導するため、安定性を高めるため、および精製を容易にするた めのポリペプチドへのペプチド成分の付加は、当該技術分野で良く知られている 日常的な技術である。 VAP-1 タンパク質は、例えば硫酸アンモニウムまたはエタノール沈澱、酸抽出 、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマト グラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ フィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグ ラフィーといった周知の方法により、組換え細胞培養物から回収しそして精製す ることができる。本発明のポリペプチドは、天然より精製された生成物、化学合 成方法により製造された生成物、および例えば細菌、酵母、高等植物、昆虫およ び哺乳動物細胞などを含む原核または真核宿主から組換え技術によって生産され た生成物を包含する。組換え生産法において使用する宿主細胞に依存して、本発 明のポリペプチドはグリコシル化ポリペプチドまたは非グリコシル化ポリペプチ ドであることができる。VAP-1 ポリペプチドおよび断片 図1のVAP-1 cDNAの決定されたヌクレオチド配列(配列番号1)は、図1 のヌクレオチド配列(配列番号1)の80〜82位に開始コドンを有しそして84.6KD の分子量を有する図1(配列番号2) の763アミノ酸残基のタンパク質をコードする転写解読枠を含有する。このタン パク質は、単量体あたり6個の潜在的N−グリコシル化部位と3個の推定O−グ リコシル化部位を有する〔O−グリコシル化部位推定EメールサーバーNetOglyc @cbs.dtu.dk(Hansen他,Biochem.J.308:801-813(1995)を使って決定した 〕(図1)。 よって、本発明は更に、寄託されたcDNAによりコードされるアミノ酸配列 または図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2)を有する精製されたVAP-1 ポリ ペプチド、または前記ポリペプチドの一部分を含んで成るペプチドもしくはポリ ペプチドを提供する。「ペプチド」および「ポリペプチド」という用語は同義語 と見なされ(一般に理解されるように)、そして状況がペブチド結合により連結 された少なくとも2つのアミノ酸から成る鎖を示すことを必要とする時には各用 語は互いに交換可能に用いることができる。 当該技術分野では、VAP-1 タンパク質の構造または機能に有意な影響を及ぼす ことなくVAP-1 ポリペプチドのアミノ酸配列を幾分変更できると理解される。よ って、本発明は更に、実質的なVAP-1 ポリペプチド活性を示す、VAP-1 ポリペプ チドの変異体も包含する。そのような変異としては、欠失、挿入、逆位、反復お よび類似残基の置換が挙げられる。わずかな変更またはそのような「中性」アミ ノ酸置換は、一般に仮性にあまり影響を与えないだろう。どのアミノ酸変更が表 現型上サイレントである(即ち、たぶん機能に有意な悪影響を及ぼさない)かに 関する指針は、Bowie,J.U.他,Science247:1306-1310(1990)に見つけること ができる。変更は好ましくは重要でない性質のもの、例えばVAP-1 タンパク質の 折り畳みまたは活性に有意な影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換である。 本発明のVAP-1 タンパク質の機能に不可欠であるアミノ酸は、当該技術分野で 既知の方法により、例えば部位特異的突然変異誘発お よび欠失分析により同定することができる。次いで得られた変異体分子を生物学 的活性について、例えばアミンオキシダーゼ活性または付着機能について試験す る。 本発明のポリペプチドは、好ましくは実質的に精製された形で提供される。VA P-1 ポリペプチドの組換え生産変形は、例えばSmith & Johnson,Gene 67:31-4 0(1988)に記載された一段階法により、実質的に精製することができる。 本発明のポリペブチドは、上述したものに少なくとも90%相同、より好ましく は少なくとも95%相同、更により好ましくは少なくとも96%,97%,98%または 99%相同であるポリペプチドを包含する。更に本発明のポリペブチドは、寄託さ れたcDNAによりコードされるVAP-1 ポリペプチドまたは図1のVAP-1 ポリペ プチド(配列番号2)に少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同 一、更により好ましくは少なくとも96%,97%,98%または99%同一であるポリ ペプチドを包含し、そして少なくとも30アミノ酸、より好ましくは50アミノ酸を 有するそれらのポリペプチドの一部分も包含する。 VAP-1 ポリペプチドの参照アミノ酸配列に対して少なくとも例えば90%「同一 」であるアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、そのポリペブチドのアミノ酸 配列がVAP-1 ポリペブチドの参照アミノ酸配列の各100 アミノ酸あたり10個まで のアミノ酸変更を含んでもよいこと以外は、そのポリペプチドのアミノ酸配列が 参照配列と同一であることを意味する。 本発明のポリペブチドは、VAP-1 タンパク質発現を検出するためのアッセイに おいて有用であるポリクローナルおよびモノクローナル抗体を惹起せしめるのに 用いることができ、あるいはVAP-1 タンパク質機能を増強または阻害することが できるアゴニストおよびア ンタゴニストとして用いることもできる。VAP-1に対して惹起されたモノクロー ナル抗体の詳細は、Salmi,M.& Jalkanen,S.,Science 257:1407-1409(1992 )、米国特許第5,512,442号および同第5,580,780号明細書、並びに米国特許出願 第08/447,799号明細書に記載されている(これらは全て参考として本明細書中に 組み込まれる)。更に、そのようなポリペプチドは、酵母2ハイブリッド系〔Fi elds & Song,Nature 340:245-246(1989)〕において、本発明に係るアゴニス トおよびアンタゴニスト候補でもあるVAP-1タンパク質結合タンパク質を「捕捉 する」ためにも利用できる。 本明細書中で用いる「抗体(Ab)」または「モノクローナル抗体(MAb)」なる 用語は、完全抗体だけでなく、VAP-1 ンパク質に特異的に結合することができる 抗体断片〔例えばFabおよびF(ab')2断片〕を包含する意味である。Fabおよび F(ab')2断片は、完全抗体のFc断片を欠いており、循環からより迅速に浄化さ れ、そして完全な抗体よりも非特異的な組織結合が少ない〔Wahl他,J.Nuc.Me d.24:316-325(1983)〕。よって、それらの断片が好ましい。 本発明の抗体は様々な方法のいずれかにより調製することができる。例えば、 ポリクローナル抗体を含有する血清の生産を誘導するために、VAP-1 タンパク質 またはそれの抗原性断片を発現する細胞を動物に投与することができる。好まし い方法では、VAP-1 タンパク質の調製物を調製し、そしてそれを精製して天然汚 染物質を実質的に含まないようにする。次いで、より大きい比活性のポリクロー ナル抗血清を生産させるために、そのような調製物を動物に導入する。 最も好ましい方法では、本発明の抗体はモノクローナル抗体(またはそれのVA P-1 タンパク質結合性断片)である。そのようなモノクローナル抗体はハイブリ ドーマ技術を使って調製することができ る〔Kohler他,Nature 256:495(1975);Kohler他,Eur.J.Immunol.6:511 (1976);Kohler他,Eur.J.Immunol.6:292(1976);Hammerling他,Monoc lonal Antibodies and T-CellHybridomas,Elsevier,N.Y.(1981)563-681頁 〕。 本明細書中に記載の方法に従って本発明の抗体のFab,F(ab')2および他の断 片を使用できることは理解されよう。そのような断片は、典型的にはパパイン( Fab断片を生成する)またはペプシン(F(ab')2断片を生成する)のような酵素 を使った、タンパク質加水分解開裂により製造される。あるいは、組換えDNA 技術の適用によりまたは合成化学によりVAP-1 タンパク質結合性断片を製造する ことができる。 上述のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマより誘導された遺伝子構 成物を使って、「ヒト化」キメラモノクローナル抗体を製造することができる。 キメラ抗体の製造方法は当該技術分野で既知である。概説についてはMorrison, Science 229:1202(1985);Oi他,BioTechniques 4:214(1986);Cabilly他, 米国特許第4,816,567号;Taniguchi他,欧州特許第171496号明細書を参照のこと 。VAP-1 の使用 本発明のVAP-1は、銅含有アミンオキシダーゼ(酵素分類 EC1.4.3.6)と称す る酵素群(ファミリー)と有意な同一性を有する。図1(配列番号2)に示すVA P-1 タンパク質は、エシェリキア・コリのCu−モノアミンオキシダーゼに約24% 同一であり、そしてこの群の哺乳動物メンバーに約41〜81%相同である。最高の 同一性はウシ血清アミンオキシダーゼに対してであった(81%)。モノアミンオ キシダーゼ(MAO)基質のベンジルアミンを使った時、VAP-1を発現するCH O細胞では有意なアミンオキシダーゼ酵素活性が検 出されたが、模擬トランスフェクショトした細胞では検出されなかった。銅含有 モノアミンオキシダーゼの阻害剤であるセミカルバジドおよびヒドロキシルアミ ンの存在下では、VAP-1はベンジルアミンに対して全く活性を持たなかった。 よって、本発明のDNAによりコードされるペプチドを使って、アミンオキシ ダーゼ活性を有するVAP-1 ポリペプチドとアミンを反応させることにより、アミ ンを酵素的に酸化することができる。アミンは、例えば、幾つかの内因性アミン および生体異物芳香族アミンであることができる。アミンは、例えば、内因性お よび生体異物脂肪族アミン、例えばメチルアミンでもよい。好ましくはアミンが ベンジルアミンである。 アミンオキシダーゼ基質としてベンジルアミンを用いるアミンオキシダーゼア ッセイ条件は、下記の材料と方法の項目において詳細に記載する。0.2〜5mlの最 終容量、好ましくは0.5mlの最終容量で、リン酸ナトリウム緩衝剤を0.05〜0.2mM の最終濃度、好ましくは0.1mMの最終濃度になるように添加する。未標識ベンジ ルアミンを1〜100ナノモルの濃度、好ましくは80ナノモルの濃度で添加し、そ して比活性が0.1〜1.0μCi、好ましくは0.4μCiとなるように14C−ベンジルア ミンを添加する。0.05〜0.5ml、好ましくは0.1mlの細胞溶解物試料をアッセイ用 に添加することができる。37℃で1時間インキュベーション後、0.1〜0.5g/l、 好ましくは0.35g/lのジフェニルオキサゾールを含有するトルエンを使って、ア ミンオキシダーゼ反応のアルデヒド生成物を抽出する。このトルエン/ジフェニ ルオキサゾール混合物を使って追加の抽出を行うことができる。最初の抽出(お よび2回目の抽出)を液体シンチレーションカウンター中で14Cについてカウン トする。 本発明は更に、有効量のアミンオキシダーゼ阻害剤を提供するこ とによりVAP-1 アミンオキシダーゼ活性を阻害する方法に関する。阻害剤は、例 えば、セミカルバジド、ヒドロキシルアミン、プロパルギルアミン、イソニアジ ド、ニアラミド、ヒドララジン、プロカルバジン、モノメチルヒドラジン、3, 5−エトキシ−4−アミノメチルピリジンまたはMDL72145〔(E)−2−(3, 4−ジメトキシフェニル)−3−フルオロアリルアミン〕であることができ、好 ましくはセミカルバジドまたはヒドロキシルアミンである。セミカルバジドは、 10〜1000μMの濃度で、またはその中のいずれかの範囲の濃度で、例えば50〜10 00μMまたは80〜500μMの濃度で、好ましくは100μMの濃度で提供することが できる。ヒドロキシルアミンは、0.1〜100μMの濃度で、またはその中のいずれ かの範囲の濃度で、例えば1〜10μMまたは2〜8μMの濃度で、好ましくは5 μMの濃度で提供することができる。 本発明によれば、リンパ球への内皮細胞の血管付着タンパク質−1(VAP-1)媒 介結合は、宿主にアミンオキシダーゼの阻害剤または増強剤を提供することによ り改変することができる。宿主は哺乳動物細胞系、動物またはヒトであることが できる。本発明は試験管内でまたは生体内での処置に用いることができる。 本発明を一般的に記載してきたが、例示目的で提供するのであって限定するつ もりではない下記の実施例を参照することにより、本発明が更に容易に理解され るだろう。 実施例 実施例1 VAP-1 cD NAの単離 外科手術で除去した材料から、VAP-1を強力に発現するヒト腸平滑筋を得、VAP -1 タンパク質を精製するための源としてそれを使用した。MAb 免疫親和性カラ ムを使って、トリプシンおよびV8プロ テアーゼ消化後に中間部ペプチド配列を得るために十分な量において、平滑筋の 界面活性剤溶解物からVAP-1の90KD形と170-180KD形を精製した。加えて、90KDVA P-1の一部をそのままN末端配列決定にかけた。VAP-1の両形態からそれらのペプ チドを精製するのに使ったHPLCカラムからのペプチド溶出プロフィールは全く同 一であり、同様に対応するピークのぺプチド配列も同一であり、このことはタン パク質が2つの90KDサブユニットから構成される二量体であることを示した。 それらのVAP-1 ペプチド配列を一部使って、ヒト腸平滑筋より調製したmRNAに 対するRT-PCR実験用に、部分縮重オリゴヌクレオチドプライマーをデザインした 。それらのプライマーを使って約700bpの単−cDNA断片を増幅せしめ、配列 決定するためにpUC18中にクローニングした。該cDNA配列は、免疫精製したV AP-1 材料のトリプシンペプチドおよびV8ペプチドの配列のうちの幾つかを含 むタンパク質をコードする連続転写解読枠を含み、それによって正しいcDNA 断片が増幅されたことを確認した。より長いcDNAクローンを単離するために 、PCRにより10個のヒトcDNAライブラリーのパネルを分析して、VAP-1 c DNAを含むものを同定し、そして最強シグナルを与えるライブラリーを、PC R生成VAP-1 cDNA断片を用いてスクリーニングした。こうして、多数の重複 したcDNAクローンをヒト肺および心臓cDNAライブラリーより単離した。 それらのクローンからATGメチオニンコドンで始まる2292bpの連続転写解読枠 を含む2501bpのcDNAを誘導し、そしてpUC19中にサブクローニングした。こ の開始コドンの後に、精製90KD VAP-1 タンパク質のN末端に見つかるペプチド 配列と、タンパク質配列決定により同定されたVAP-1 トリプシンペプチドとV8 ペプチドの全部をコードする連続転写解読枠が続いた(図1)。 該クローン中には80bpの5’非翻訳領域とTAG終止コドンの後ろの129bpの3 ’非翻訳領域が存在した。このcDNAの3’末端にはポリアデニル化シグナル もポリA配列も見つからなかった。このことは、生来のVAP-1 mRNAが、ここ で単離されたcDNAよりも長いかもしれないことを示唆する。 このcDNAを含有する発現ベクターを用いたトランスフェクションによるCO S-7 細胞中でのVAP-1 の一時的発現は、細胞の一集団におけるVAP-1 MAb 1B2で の強力な表面染色を引き起こした(図2,FACSパネルの列B,欄4)。対照トラ ンスフェクト細胞は陰性であった(図2,FACSパネルの列A,欄4)。よって、 VAP-1 cDNAでトランスフェクトされた細胞の表面上に発現される免疫反応性 VAP-1をコードするcDNAが単離されたと結論づけた。VAP-1 タンパク質 VAP-1 cDNAに含まれる転写解読枠は、84.6KDの763アミノ酸をコードした 。入手可能なタンパク質配列データベースの検索は、VAP-1が銅含有アミンオキ シダーゼと称する酵素群(酵素分類EC1.4.3.6)に対して有意な同一性を有する ことを明らかにした。この同一性は、エシェリキア・コリのCu−モノアミンオキ シダーゼに対する24%から、この酵素群の哺乳動物メンバーに対する41〜81%に まで及んだ。最高の同一性はウシ血清アミンオキシダーゼに対してであり(81% )、ウシ血清アミンオキシダーゼはその分子のN末端にある短い領域を除いて該 タンパク質の全長を通して有意な保存を示した。配列データが入手可能である銅 含有アミンオキシダーゼ群の4つの他の哺乳類メンバーとVAP-1との多重整列が 図3に示される。 VAP-1は現在既知であるいずれの付着分子に対しても有意な同一性を示さず、 そのような付着タンパク質の中に時折見つかるタンパ ク質領域のいずれも含まないが、本発明者らは残基726〜728のRGFモチーフの 存在に気付いた。この共通して存在するモチーフのインテグリン結合(あるとし たら)に関する機能的有意性は未知である。該タンパク質は、単量体あたり6つ の潜在的N−グリコシル化部位と3つの推定O−グリコシル化部位〔O−グリコ シル化部位推定EメールサーバーNetOglyc@cbs.dtu.dkを使って推定した(Hanse n他,Biochem.J.308:801-813(1995)〕を有した(図1)。 タンパク質配列の調査は、図1(配列番号2)に示される分子のごくN末端に ある主として疎水性の23個のアミノ酸の領域(残基5〜27)を除いて、膜貫通領 域の特徴を有する明白な領域を明らかにしなかった。この疎水性領域は、Heijne ,G.,Nucl.Aczds.Res.14:4683-4690(1986)の方法により分析した時にそれが 19位に潜在的な開裂部位を含んでいたので、開裂可能な分泌シグナルであるか、 または膜貫通領域であると解釈することができた。90K DVAP-1 タンパク質のN 末端タンパク質配列は、我々が精製した材料においてこの疎水性領域が開裂され なかったことを示し、従ってたぶん分泌のための通常の開裂可能なシグナル配列 ではないだろうということを示した。その上、この疎水性領域に隣接する残基の 電荷特性は、それが細胞質性N末端領域とC末端細胞内領域を有するII型膜タン パク質の膜貫通領域であるかもしれないことを示唆した〔Hartmann,E.他,Proc .Natl.Acad.Sci USA 86:5786-5790(1989)〕。 この疎水性領域が膜貫通領域として機能するのかどうかを決定するため、そし て膜内のVAP-1の配向を確かめるため、本発明者らは、市販のMAb M2により認識 されるFLAGエピトープが、推定膜貫通領域の推定上の細胞質側にある開始メチオ ニンコドンの後ろに枠内に置いたVAP-1 cDNA発現構成物を作製した。この構 成物、および該ベクター中に逆向きにVAP-1 cDNAが置かれた対照構成物を用 い てCOS-7 細胞をトランスフェクトし、そしてそれぞれMAb M2と1B2により認識さ れるFLAGエピトープとVAP-1 エピトープの発現を、浸透性増加細胞と非浸透性増 加細胞のFACS分析により分析した(図2)。FLAG MAbでの染色は浸透性増加細胞 においてのみ観察された(図2,列F,欄5)が、VAP-1の染色は浸透性増加細 胞と非浸透性増加細胞の両集団において観察された(図2,列CとF,欄4)。 対照トランスフェクト細胞はFLAG MAbとVAP-1 MAbの両方で陰性であった(図2 ,列AとD,段4と5)。このことは、N末端FLAGエピトーブが細胞膜の細 胞質側に位置し、疎水性領域が脂質二重膜を貫通し、そして付着阻止MAbにより 認識される大きなC末端細胞外領域が存在することを示した。推定グリコシル化 部位は全て分子の細胞外部分に位置する。 COS-7 細胞中で一時的に発現された組換えVAP-1の大きさとグリコシル化状態 を調べるために、SDS-PAGE上で分離したVAP-1の細胞抽出物と模擬トランスフェ クト細胞を、事前のシアリダーゼ消化を使ってまたは使わずに(図4)、MAb 1B 2で免疫ブロッティングした。シアリダーゼ処理による170-180KDから約180-190K DへのVAP-1の見かけ分子量の増加は、組換えVAP-1が生来のVAP-1と同様にシアロ 糖タンパク質であることを示し、そして負に帯電したシアル酸の除去により起こ る正味の負電荷の減少は、SDS-PAGE上でVAP-1の移動度の減少を引き起こす。シ アリダーゼ処理による同様な影響は扁桃VAP-1においても観察されている〔Salmi M.& Jalkanen,S.,J.ExP.Med.183:569-579(1996)〕。VAP-1 発現 ヒト腸平滑筋およびリンパ球涸渇扁桃支質より単離したmRNAのノーザンブ ロット分析は、クローン化VAP-1 cDNAが両組織の4.2kbのmRNAにハイブ リダイズすることを示した(図5A)。 更なるノーザンブロット分析は、4.2kb VAP-1 mRNAが広範囲のヒト組織にお いて発現されることを示した。該mRNAは末梢血白血球中には検出できなかっ たが、他の組織と比較すると肺、小腸および垂において強力に発現された。脾臓 、胸腺、精巣、肝臓、膵臓、腎臓、骨髄および胎児肝臓ではVAP-1 mRNAが少 量のみ検出された。前立腺、卵巣、結腸の粘膜内層、心臓、胎盤、骨格筋および リンパ節では中間レベルの発現が観察された(図5B)。長期オートラジオグラ フィー後であっても他のmRNA種は全く検出されなかった。材料と方法 抗体(Ab)および試薬。VAP-1に対するマウスMAb 1b2およびニワトリT細胞に 対するMAb 3G6は、Salmi,M.& Jalkanen,S.,Science 257:1407-9(1992)に記 載されている。FLAGペプチド(DYKDDDDK)を認識するMAb M2はKEBO LaB,Espoo ,Finlandより入手した。 VAP-1 の精製および配列決定。腹部手術より得られた正常腸試料から固有層を 切除した。平滑筋細胞壁を小切片に切り刻み、それを溶解緩衝液(150mM NaCl, 10mM Tris塩基,pH7.2,1.5mMMgCl2,1% NP-40,1%アブロチニンおよび1mM PMS F)中で一晩溶解させた。清澄化した後、正常ラット血清、非結合性MAbおよび抗 VAP-1 MAb(3mg/mlビーズ)を末端に取り付けたCNBr活性化セファロースビーズ 5mlを含む免疫親和性カラムに溶解物上清を順次適用した。この特殊カラムを溶 解緩衝液で洗浄し、そして50mM トリエチルアミンを用いてVAP-1 抗原を溶出さ せた。溶出液を即座に凍結し、続いて凍結乾燥した。次いで試料を非還元性Laem mli試料緩衝液中に溶解し、そして5〜12.5% SDS-PAGE ゲル上で分離した。 電気ブロッティングによってポリビニリジンジフルオリド膜 (Applied Biosystems Inc.,Foster City,CA,USA)に移行させた後、その膜 をクーマシーブルーで染色し、そして90KDバンドと170-180KDバンドを切り取っ た。170-180KDバンド全部と90KD バンドの一部を、Fernandez他〔Fernandez,J .他,Anal.Biochem.201:255-262(1992)〕により記載された通りにトリプシ ン(配列決定用,Boehringer Mannheim GmbH,Mannheim,Germany)で消化した 。溶出させたペプチドを、Vydac C18カラム(2.1×150mm)上でのHPLC(150 A ;Applied Biosystems)により分離した。オンライン型フェニルチオヒダントイ ンアミノ酸分析装置(120A;Applied Biosystems)が装備されたタンパク質配 列決定装置(477A;Applied Biosystems)上でN末端配列分析を行った。90KD材 料の残りの部分は予備消化を行わずにN末端配列分析にかけた。トリプシン消化 後、V8プロテアーゼ(配列決定用,Boehringer Mannheim GmbH)で膜を再消化 し、そして溶出させたペプチドを上記の通り精製しそして配列決定した。それら のペプチドの幾つかの配列をレーザー補助マトリックス脱着質量分析法(Laserm at,Finnigan)を使って分析してそれらの推定分子量を確かめた。 分子生物学技術。E.コリからの小規模および大規模プラスミド単離、制限酵 素消化、プラークハイブリダイゼーション、λファージ精製およびファージDN A抽出、E.コリ形質転換、cDNA合成、並びにプラスミドの作製は、標準技 術〔Sambrook,J.他,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)〕に従って実施 した。アガロースゲルからのDNAの単離は、製造業者により与えられた教示に 従ってQIAEX キット(QIAEGEN,Hilden,Germany)を使って行った。DNAプロ ーブはAmersham Multiprime DNA標識キットと約3000 キューリー(Ci)/ミ リモルの量の[α−32P] -dCTP(Amersham,Bucks,UK)を使って標識した。オートラジオグラフィーはAm ersham Hyperfilm MP上で、必要なら映像強化膜を使って実施した。PCR断片 を平滑末端化し、そしてSureClone キット(Pharmacia,Uppsala,Sweden)を使 ってpUC18中にクローニングした。プラスミドDNAは、製造業者の教示に従っ てSequenaseversion 2.0キット(United States Biochemical Corporation,Cle veland,OH,USA)を使って、またはthe University of Turku,Department of Medical GeneticsのDNA配列決定施設において配列決定した。配列の集成およ び分析は、Genetics Computer GroupのWisconsin Package version 8.1-UNIXを 使って行った。データベース比較は、国際バイオテクノロジー情報センター(th e National Center for Biotechnology Information)のBLAST Eメールサーバ ーまたはWWWサーバー(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を使って行った。配 列決定用およびPCR用のオリゴヌクレオチドプライマーはKebo Lab(Espoo,F inland)より商業的に入手した。PCRは、製造業者により推奨される条件下で 、Dynazymeポリメラーゼ(Finnzymes,Espoo,Finland)を使っておよびPCR プライマーの特徴に関して選択される増幅変数パラメーターを使って実施した。 RT−PCRにより平滑筋mRNAより得られたVAP-1 cDNA断片を増幅させ るのに使用したプライマーは、VAP-1のN末端タンパク質配列AVITIFA(配列番号 4)(完全タンパク質の残基13〜19)よりデザインしたN2プライマー:gctgtg atcacmatyttygc(配列番号3)、およびトリプシンペプチド配列 VFYQGR(配列 番号6)(残基264〜269)よりデザインしたT4プライマー:ccggccctgrtagaasac (配列番号5)であった。それらのプライマーを使った増幅条件は、94℃で1分 ;55℃で1分;72℃で2分を30サイクルであった。製造業者の教示に従ってUltr aspec(Biotecx,Houston,TX, USA)を使って細胞系および組織から全RNAを調製した。ヒト多組織ノーザン ブロットをClontech Laboratories(PaloAlto,CA,USA)より入手し、そして製 造業者により推奨される通りに32P標識プローブとハイブリダイズさせた。ヒト cDNAライブラリーパネル並びに肺(カタログNo.HL3004a)および心臓(カ タログNo.HL3O26a)cDNAライブラリーは、Clontech Laboratoriesより入手 した。 細胞培養および哺乳動物細胞中でのVAP-1 cDNAの発現。ATCC(Rockville, MD)より入手したCOS-7細胞(サル繊維芽細胞)、CHO 細胞(チャイニーズハムス ター卵巣細胞)およびCRL 1998(ヒト不死化請静脈内皮細胞)を、VAP-1のトラ ンスフェクションと発現のための宿主として使用した。COS-7細胞とCRL 1998細 胞は、10%ウシ胎児血清(PAA-Linz,Austraria),2mMグルタミン(Biological Industries,Israel)並びに128U/mlのぺニシリンおよび128μg/mlのストレプト マイシンが補足されたRPMI 1640(Gibco BRL)中で増殖させた。CHO細胞は同じ 補足物を有するα−MEM+CH0 ヌクレオシド中で増殖させた。発現ベクターpcDNA3 (Invitrogen,SanDiego,CA)中にサブクローニングしたVAP-1 cDNAから成る 発現プラスミドを一時的なCOS-7 細胞トランスフェクションと安定したトランス フェクションCHO 細胞系の作製に使用した。Bio-Rad Gene Pulser装置を使った エレクトロポレーションにより(0.3kV,960μF,RPMI+1mMピルビン酸ナトリウ ム,2mMグルタミン,血清不含有,O.4cmキュベット)発現プラスミド(20μg) を使って細胞をトランスフェクトした。一時的トランスフェクト細胞をトランス フェクション後3日目にアッセイした。安定トランスフェクト細胞は、0.5mg/m lゲネチシン(Gibco BRL)の存在下で4週間培養することにより選択した。実施例2 VAP-1 酵素活性 VAP-1が銅含有アミンオキシダーゼ群に、特に分泌されたウシ血清アミンオキ シダーゼ(BSAO)に有意に同一であるという発見は、VAP-1がアミンオキシダー ゼ活性を有するかどうかを調べることに我々を誘導した。銅含有アミンオキシダ ーゼは、珍しいキノン補因子の存在、酵素に結合した銅の存在、および第一級ポ リアミンまたはモノアミンに対してのみの活性により識別される。よって、それ らはFAD 含有細胞内(ミトコンドリア)モノアミンオキシダーゼ〔McIntire,W. S.& Hartmann,C.,Principles and Applications of Quinoproteins,第97頁 (V.L.Davidson編),Dekker,New York(1993)〕とは異なる。 VAP-1がどの活性タイプを有するかを調べるために、VAP-1 タンパク質を発現 する安定なCHO 細胞トランスフェクタントを作製した。それらの細胞の音波処理 溶解物を、基質としてプトレシンを使ってジアミンオキシダーゼ(DAO)活性 について、または基質としてベンジルアミンを使ってモノアミンオキシダーゼ( MAO)活性についてアッセイした。陽性対照として市販のDAOおよびMAO をアッセイし、そして陰性対照は模擬プラスミドでトランスフェクトされたCHO 細胞溶解物により提供した。その結果は、VAP-1 発現細胞がプトレシンに対して はわずかな活性しか持たないが、MAO基質であるベンジルアミンを使うと有意 な活性が検出されることを示した(表1)。しかしながら、モノアミンオキシダ ーゼ(MAO)基質であるベンジルアミンを使うと、VAP-1を発現するCHO細胞お よび市販のウシ血漿MAOの陽性対照において有意な活性が検出された(表1) 。模擬CHO 細胞溶解物はささいな酵素活性しか示さなかった。銅含有モノアミン オキシダーゼの特異的阻害剤である100 μMセミカルバジドおよび10μMヒドロキシルアミン〔Lyles,Int.J.Bzochem .Cell Biol.28:254-274(1996)〕の存在下では、VAP-1はベンジルアミンに対 して全く活性を示さなかった(表1)。 その上、本発明者らは、Ax細胞中で発現された付着能力のあるVAP-1も、セミ カルバジドおよびヒドロキシルアミンにより阻害可能である、ベンジルアミンに 対するMAO活性を有することを証明した。Ax細胞自体が、セミカルバジドまた はヒドロキシルアミンにより阻害できないベンジルアミンに対する生来のMAO 活性を有するようであり、同様に模擬対照細胞においても低レベルの活性が観察 された(表1)。 生体内のVAP-1でMAO活性が観察されることを確かめるために、扁桃からVAP -1を免疫アフィニティー精製し、そしてそれを三重反復試験においてアッセイし た。扁桃VAP-1は、トランスフェクトされたCHO細胞からのVAP-1と同様に、煮沸 試料のものの4.5倍である、37℃で1時間あたり0.09のA490増加を有することに より、ベンジルアミンに対する活性を有することが証明された。得られた扁桃VA P-1 タンパク質の収率が非常に低かったために比活性を測定することはできなか った。 アミンオキシダーゼ活性を測定する際に基質として常用されるベンジルアミン は生体内には認められない。多数の生体内に存在する内因性アミンがVAP-1によ って利用できるかどうかを調べるために、試験した(表2)。1mMのメチルアミ ンはVAP-1によって容易に利用されるようであるが、試験した他のアミンはいず れも反応性を証明できなかった。表1においてアッセイした溶解物に比べて、そ れらの細胞溶解物においてベンジルアミンを使って観察された比活性が低いのは 、細胞の異なるバッチ間で観察されるVAP-1 発現の変動を反映している。 VAP-1中のキノン補因子の存在は、免疫精製した扁挑VAP-1 材料の一部を還元 条件下でのSDS-PAGEにより分離し、そしてその材料をニトロセルロース上に移行 せしめることにより証明された。次いでニトロセルロースフィルターを酸化−還 元サイクル条件下でニトロブルーテトラゾリウム/グリシン酸Naにより染色して 、タンパク質中のキノン成分を特異的に染色した〔Paz,M.A.他,J.Biol.Chem .266:689-92(1991)〕。色素は単量体の90KD VAP-1と二量体の180KD VAP-1の両 方と反応し、これは扁桃VAP-1が好ましくは各サブユニット中に1個のキノン補 因子を有することを示す。材料と方法 アミンオキシダーゼアッセイ。VAP-1 cDNA発現プラスミドにより安定にト ランスフェクトされた集密CHOまたはAx細胞(フラスコあたり10-15×106個)を フラスコから10mlの100mMリン酸緩衝液,pH7.2の中にかき落とし、遠心分離し、 そして細胞ペレットを更に10mlの緩衝液で洗浄した。最後に細胞ペレットを1.5m lのリン酸緩衝液中に再懸濁し、中程度の動力で氷上で2×10秒の音波処理によ り細胞を溶解させた(Braun音波処理器)。音波処理した細胞溶解物をそのまま 酵素アッセイに使用した(アッセイあたり50-100μl)かまたは−20℃で保存し た後で酵素アッセイに使用した。標準としてウシγグロブリンを使用しそしてBi o-Rad タンパク質アッセイキット(Bio-Rad Laboratories,Hercules,CA,USA )を使って、Bradford法により全タンパク質濃度を測定した。 アミンオキシダーゼ活性は、D'Agostino,L.他,Biochem.Pharm.38:47-49( 1989)(参考として本明細書中に組み込まれる)により記載された方法による14C −標識プトレシン(Amersham)、Baylin,S.B.& Margolis,S.,Biochem.Biop hys.Acta 397:294-306(1975)(参考として本明細書中に組み込まれる)により 記載された 方法による3H−ヒスタミン(New England Nuclear)、および14C−ベンジルアミ ン(Amersham)を基質として使って、反応あたり80ナノモルの未標識ベンジルア ミン基質を含む0.4μCiの前記標識を使用することを除いてプトレシンと同様に して、以前に記載された技術に従って測定した。0.5mlの反応容量は、100mMリン 酸ナトリウム緩衝液,pH7.2、0.4μCiの14C−ベンジルアミン(Amersham)、80 ナノモルの未標識ベンジルアミン、および反応あたり最大100μlまでの粗溶解 物の試料を含有した。37℃で1時間のインキュベーション後、0.35g/lのジフェ ニルオキサゾールを含有するトルエン 900μlを添加しそして激しく振盪するこ とにより、アルデヒド反応生成物を抽出した。相分離した後、700μlのトルエ ン層を除去し、700μlのトルエン/ジフェニルオキサゾールを使って再抽出を 行い、このうちの500μlを除去して最初の抽出液に添加し、そして液体シンチ レーションカウンター中で14Cについてカウントした。全ての酵素アッセイは、 煮沸試料(100℃,10分)または非発現試料の存在下で、二重反復または三重反 復試験において実施し、そしてその結果を、1分あたり1mgタンパク質あたり使 用した基質のピコモル(ピコモル・分-1・mg-1)として表す。粗製のブタ腎臓D AOおよびウシ血漿MAOの対照はSigma Chemical Company(St.Louis,MO,U SA)から入手した。考察 VAP-1を認識するMAb 1B2による目立った染色は、幾つかの部位、特にPLN型 リンパ系組織の血管の内皮細胞において観察される。しかしながら、それらの部 位で観察されるVAP-1の総レベルは比較的低いので、タンパク質配列情報を得る のに十分な量の内皮VAP-1を単離しそして精製することは困難であることかわか った。VAP-1が見つかる別の組織のうち、それが最も豊富に存在するのは血管系 の平滑筋および腸関連平滑筋である〔Salmi,M.他,J.ExP.Med.178:2255-22 60(1993)〕。それらの源からのVAP-1は、おそらくグリコシル化の相違のため に大きく異なる分子量を有するが、他の点では扁桃およびPLN型組織において 以前に分析された形態と似ている。 腸平滑筋から精製したVAP-1より得られたタンパク質配列情報を使って、この 付着分子をコードするcDNAを単離した。この証拠は次の点に基づく:第一に 、免疫精製したVAP-1より得られたタンパク質配列は、その後に単離されたVAP-1 cDNAクローンの推定タンパク質配列中に見つかった。第二に、VAP-1 cD NAを発現するトランスフェクトされた細胞がVAP-1を限定するのに最初に使用 したMAb1B2〔Saimi,M.& Jalkanen,S.,Science 257:1407-1409(1992)〕に よって表面染色され、そしてそれらの細胞から免疫沈澱せしめたVAP-1が、生体 体で見つかるものと同様な分子量、170-180 KDを有していた。 VAP-1は、その分子のN末端に膜貫通領域を有する、大きい二量体形のII型膜 貫通タンパク質である。細胞内領域は特に小さく、長さがわずか4アミノ酸であ るが、二量体あたり約163KDのグリコシル化された大きい細胞外領域を残す。12 個のN−結合グリコシル化部位と6個の推定O−結合グリコシル化部位の潜在的 グリコシル化部位は全て細胞外領域に位置する。それらの全てが利用されるのか どうかは現在未知であるけれども、以前のデータは、VAP-1が、N−結合した炭 水化物の末端残基上またはO−結合した糖の一部として担持され得る多数のシア ル酸残基、並びにN−結合した糖類とO−結合した糖類の両方を含有することを 示唆している。炭水化物および特にシアル酸はVAP-1の付着機能に重要な役割を 果たしていると考えられるので〔Saimi,M.& Jalkanen,S.,J.ExP.Med.183 : 569-579(1992)〕、どのグリコシル化部位が利用されそしてそれらの上にどんな 炭水化物が担持されているかを調べることが必要であろう。 ノーザンブロットにより調査したいずれの組織においても有意に異なるサイズ のVAP-1 mRNA種は観察されなかったし、分析した全てのVAP−1 cDN AクローンおよびPCR断片が同様な配列を含んだので、変異形mRNAにより コードされるVAP-1の形態が存在することを示唆する決定的証拠はない。よって 、本発明者らは、どうやら免疫ブロッティングと免疫沈澱により以前に研究した VAP-1の優先形態をコードするcDNAをクローニングできたようである。しか しながら、試験したそれらの組織のほとんど全てが、血管組織もしくはその他の 源からの平滑筋に加えて血管内皮も含むので、それらの組織に非常に類似したm RNA型が存在するにしても、平滑筋VAP-1 mRNAと内皮VAP-1 mRNAとを 識別することは不可能である。よって、既に単離されたものとわずかに異なるm RNAによってコードされるVAP-1の他の形態が存在するかもしれないことは考 えられる。 興味深いことに、膜貫通領域を有するVAP-1のN末端領域は、それの相同体BSA Oから最大分岐する分子の部分である。BSAOは血清中に高レベルで見つかる分泌 タンパク質であることが知られており、そして分泌の過程でタンパク質分解プロ セシングにより除去される分泌シグナル配列をN末端に有する〔Mu,D.他,J.B iol.Chem.269:9926-9932(1994)〕。よって、BSAOとVAP-1は同様な生理学的 性質を持たないかもしれない。予備的な証拠は、マウスVAP-1がヒトVAP-1に見つ かるものに類似した膜貫通領域を有し、従ってヒト分子と同じ機能を有するかも しれないと示唆している。VAP-1の細胞外領域はアミンオキシダーゼ酵素活性を 含み、よってVAP-1は 細胞外酵素(ectoenzyme)として機能することができる。銅含有アミンオキシダ ーゼ酵素は、広範囲に異なる基質特異性を有する酵素の分岐クラスであるけれど も、それらは大きく2つのタイプに分類することかできる。すなわち、プトレシ ンおよびヒスタミンのようなポリアミンに対する活性を有するものと、VAP-1の ようにモノアミンオキシダーゼ活性を有するもの。モノアミンオキシダーゼの生 理学的基質は不明であるが、幾つかの候補がある。 それらの酵素の別の特徴は、幾つかの論争の主題となっているがトパキノン( 6−ヒドロキシドーパ)のようなエンドウマメのアミンオキシダーゼにおいて同 定されているおよび架橋リジンチロシルキノンのようなリジルオキシダーゼにお いて同定されている化学的本質である、珍しいカルボニル含有補因子の存在であ る。ヒトを含む幾つかの哺乳動物種では、細胞膜においておよび血清中の可溶性 形態において見つかる銅含有モノアミンオキシダーゼが同定されている。この活 性はセミカルバジドやヒドロキシルアミンのようなカルボニル反応性物質による 阻害に感受性であり〔Lyles,G.A.,Intl.J.Btochem.Cell Biol.28:259-27 4(1996)〕、そしてそのような感受性の酵素は一般にセミカルバジド感受性アミ ンオキシダーゼ(SSAO)と呼ばれる。本発明者らは、他の銅含有モノアミンオキ シダーゼの研究から、VAP-1が、おそらく酵素に結合した銅を含む反応による自 己プロセシングによって形成される、共有結合したキノンを含むことを証明した 。それらの結果と、カルボニル反応性物質であるセミカルバジドおよびヒドロキ シルアミンに対するVAP-1酵素活性の感受性は、VAP-1が膜結合型SSAOであること を示す。 SSAOの生体内基質があまり知られておらず且つそれらの基質特異性が種間でか なり異なるので、SSAOの生理学的役割を明らかにする のは困難であった。内因性および生体異質の第一級モノアミンの代謝が1つの候 補となる機能であると思われ、そしてこれが平滑筋のような非内皮部位で見つか るVAP-1の機能であるのかもしれない。 VAP-1のSSAO活性がそれの付着性質に何らかの役割を果たしているかどうかは 現在のところ不明である。セミカルバジドおよびヒドロキシルアミンの存在下で 、VAP-1でトランスフェクトされたCRL 1998細胞およびPBL(末梢血リンパ球 )を使って行った予備的な試験管内付着実験は、それらの阻害剤の存在下ではVA P-1 トランスフェクト細胞に結合するPLBの数が増加するので、該酵素活性が それらの細胞間の付着性相互作用に対して負の影響を有するかもしれないことを 示唆した。この影響が一次的なものであるのか、細胞により使われる付着機構に 対して何らかの直接且つ特異的作用を有する酵素活性により引き起こされるのか 、または第二に、モノアミン活性の生成物によって細胞の生理学的状態が悪影響 を受け、その結果それらの付着能力を減少させるのかについては分かっていない 。 実施例3 付着アッセイ pcDNA3中のVAP-1 cDNAを使ってAx細胞(CHO細胞のような他の可能な宿主より もより一層天然の機能的環境をVAP-1に提供するラットHEV 由来内皮細胞系)を トランスフェクトせしめた。FACS分析(図6A)により測定するとそれらの細胞 表面上にVAP-1を発現している安定なトランスフェクタントを得、そしてそれら をリンパ球付着アッセイにおいて使用した。回転条件下で分析した時、VAP-1で トランスフェクトしたAx細胞に結合したPBLは、模擬トランスフェクトした細 胞よりも25.6倍多かった(図6Bおよび6C)。VAP-1 トランスフェクタントへ の増加した結合は、抗VAP-1 MAb処理により、完全には除去されないけれども、 統計学上有意に阻害さ れた(阻害29.6%±10.7%,P=0.05)。それらの付着結果を5つの独立した実 験からプールした。この実験では、2〜3個の並行したトランスフェクタント単 層培養物を常に3つの独立にトランスフェクトした細胞系と6つの異なる提供個 体からのPBLを使って分析した。それらのデータは、VAP-1 cDNAが、トランス フェクトした細胞の細胞表面上に存在し且つAx細胞中で発現させると直接的にP BLの結合を媒介することができる機能的付着分子をコードすることを示す。材料と方法 VAP-1が安定して発現されるAx細胞または模擬対照トランスフェクタントを、 ゼラチンを予備コートした顕微鏡用スライド上に描いたワックスペンの円の中に 塗抹した(直径2cmの円あたり20,000細胞)。細胞を集密にまで増殖させ、そし て2回洗浄した後、付着細胞単層培養物を完全に覆うように各ワックスペンの円 の中に、10%FCSと10mM HEPESを含有するRPMI 1640培地(アッセイ媒質)100μl を添加した。その間に、フィコール遠心分離を使って新しく採取した血液からP BLを単離し、そしてアッセイ媒質中に40×106細胞/mlの濃度に調整した。そ の後、スライドを7℃で60rpmで回転するオービタルシェーカーに移し、PBL 懸濁液5μlを各ワックスペン円の上に添加した。スライドを注意深くデカンテ ーションし、冷RPMI中に1回漬けて非付着細胞を除去した。1%グルタルアルデ ヒドを含む氷冷PBS中でスライドを垂直にして一晩インキュベートすることに より、付着細胞を各区域に固定した。接眼レンズの格子状目盛(倍率200倍)を 使って付着細胞の数をカウントした。格子は0.25mm2の面積を有した。トランス フェクタントが集密単層培養物を形成している円の中心の0.25mm2の予め限定し た区域9つを各スライド上でカウントした。試料あたり2枚のスライド〔総面 積=4.5mm2(0.25mm2×9領域×2枚)〕を5回の独立した実験の各々において カウントした。ある実験では、VAP-1に対する阻止mAb(1B2とTK8-14の組合せ、 共にアッセイ媒質中50μg/mlに希釈したもの)またはクラスが一致した陰性対照 mAb(3G6と7C7の組合せ、共に50μg/ml)の存在下で付着アッセイを実施した。そ れらのMAbをスライド上のトランスフェクタント単層培養物と共に37℃で30分間 予備インキュベートした後、標識したリンパ球を添加した。上述したのと同様に 、5つの独立した実験において付着細胞の数をカウントした。考察 VAP-1を発現するAxに対して行った付着アッセイは、cDNAが、PBL上の リガンドとの相互作用を媒介することができ且つAx細胞へのPBLの安定結合を もたらすことができる機能的VAP-1をコードすることを示した。しかしながら、 抗VAP-1 mAb 1B2およびTK8-14により、この増加された付着が完全には阻害され なかった。このことは、ラット由来Ax細胞中のVAP-1 分子が、その生来の環境に おいて機能するのと全く同じようには機能しないことを示唆する。mAbがもはやV AP-1とそのリガンドとの相互作用を完全に阻害できないように、Ax細胞中の該タ ンパク質の炭水化物修飾、局所的膜環境またはVAP-1 コンホメーションがヒトHE V 中のものとは有意に異なるのかもしれない。トランスフェクタント上ではVAP- 1 分子の亜集団がmAb 1B2とmAb TK8-14により認識される何らかのエピトープを 欠いている形態で存在するのかもしれない。最後に、安定トランスフェクタント におけるVAP-1の長期過剰発現が、Ax細胞表面上の1または複数の別の付着分子 の発現を変化させるという可能性も残している。この別の推定付着分子の機能は 、もちろん、抗VAP-1 mAbにより阻害可能である。HEV結合アッセイでは、VAP-1 がリン パ球のL−セレクチンとは独立に機能することが示され、VAP-1がCD4+PBLよ りもずっと良好にCD8+PBLの結合を媒介することを示した。免疫磁気的に精製 したL−セレクチン陰性細胞並びにCD4+およびCD8+細胞の分析は、Axトランスフ ェクタントへの効率的結合にL−セレクチンが必要でなかったこと、そしてPB LのCD8+細胞サブセットがCD4+細胞よりもVAP-1 トランスフェクタントを数倍多 く付着した(データは示してない)ことから、Ax VAP-1 cDNAトランスフェクタ ントはそれらの観察結果を再現する。 各アッセイは三重反復試験において実施し、そして平均比活性±SEMを示す。ND は実施せず。 異なる試料に対して2回実験を行って結果を比較し、1つの代表的実験の結果 を示す。各アッセイは三重反復試験において実施し、平均比活性±SEMを与える 。 本発明をその特定態様に関して記載してきたが、更なる変更が可能であり、一 般に本発明の原理に準ずる本発明のいずれの変更、使用または応用を包含するも のであり、そして本発明か属する技術の範囲内での既知のまたは常用のプラクチ スの中に入る逸脱、添付の請求の範囲内に入る逸脱、および上述した本質的特徴 に当てはめることができる逸脱といった、本発明からの逸脱を含むつもりである 。 本明細書中に言及する全ての刊行物、特許出願および特許明細書の開示の全内 容が参考として本明細書中に組み込まれる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年6月1日(1999.6.1) 【補正内容】 請求の範囲 1. 血管付着タンパク質−1(VAP-1)の膜貫通形態をコードする精製された核 酸分子であって、 (a) 図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2)を含んで成るポリペプチドを コードする精製された核酸分子; (b) 図1に記載のVAP-1ヌクレオチド配列(配列番号1)のVAP-1コード配列 を含んで成る精製された核酸分子; (c) 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされるア ミノ酸配列を含んで成るVAP-1 ポリペプチドをコードする精製された核酸分子; (d) 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 ヌクレオチド配列のコード配列を含 んで成る精製された核酸分子; (e) (a),(b),(c)または(d)のVAP-1 ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオ チド配列を含んで成る精製された核酸分子; (f) 遺伝暗号の縮重のために(b)または(d)の核酸分子のコード配列とは異な るヌクレオチド配列を含んで成る精製された核酸分子;および (g) (e)の分子にハイブリダイズし且つ図1に記載のVAP-1 アミノ酸配列(配 列番号2)に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を有するVAP- 1をコードするヌクレオチオ配列を含んで成る、精製された核酸分子 から成る群より選ばれた精製された核酸分子。 2. コードされるVAP-1がアミンオキシダーゼ活性を有する、請求項1の核酸 分子。 3. 図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号1)を有する、請求項1 の核酸分子。 4. 図1に記載のVAP-1 アミノ酸配列(配列番号2)を有するVAP-1 ポリペプ チドをコードする図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号1)を有する 、請求項1の核酸分子。 5. 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンのヌクレオチド配列を 有する、請求項1の核酸分子。 6. 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされるア ミノ酸配列を有するVAP-1 ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する 、請求項1の核酸分子。 7. cDNA分子である、請求項1の核酸分子。 8. RNA分子である、請求項1の核酸分子。 9. 組換えベクターの作製方法であって、ベクター中に請求項1の精製された 核酸分子を挿入することを含んで成る方法。 10.請求項9の方法により作製された組換えベクター。 11.宿主細胞にVAP-1を提供する方法であって、前記宿主細胞に請求項1の精 製された核酸分子を導入することを含んで成る方法。 12.請求項1の精製された核酸分子を含有する組換え宿主細胞。 13.血管付着タンパク質−1(VAP-1)ポリペプチドの生産方法であって、請求 項12の組換え宿主細胞を、前記VAP-1 ポリペプチドが発現されるような条件下で 培養し、そして前記VAP-1 ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。 14.宿主細胞にアミンオキシダーゼ活性を提供する方法であって、前記宿主中 に請求項2の核酸を導入することによる方法。 15.血管付着タンパク質−1(VAP-1)の膜貫通形態の発現を改変する方法で あって、 (a) 宿主細胞中に、 (i)VAP-1の膜貫通形態をターゲティングする配列;および (ii)前記VAP-1 ターゲティング配列に連結された調節配列 を含んで成るDNA構成物を導入し;そして (b) 前記DNA構成物と内因性VAP-1 DNA 配列との間の相同組換えに適した条件 下で前記宿主細胞を維持する ことを含んで成る方法。 16.前記調節配列が所望の条件下で前記VAP-1の発現を抑制する、請求項15の 方法。 17.前記調節配列が所望の条件下で前記VAP-1の発現を増強する、請求項15の 方法。 18.組換え宿主細胞であって、 (a) VAP-1の膜貫通形態をターゲティングする配列;および (b) 前記VAP-1 ターゲティング配列に連結された調節配列を含有する組換え 宿主細胞。 19.アミンを酸化する方法であって、前記アミンを、アミンオキシダーゼ活性 を有する血管付着タンパク質−1(VAP-1)ポリペプチドの膜貫通形態と反応さ せることを含んで成る方法。 20.前記VAP-1 ポリペプチドが、 (a')図1に記載のVAP-1 アミノ酸配列(配列番号2)を含んで成る精製され たポリペプチド; (b')図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号1)によりコードされ るVAP-1 アミノ酸配列を含んで成る精製されたポリペプチド; (c')受託番号 DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされる アミノ酸配列を含んで成る精製されたポリペプチド; (d')(a')〜(c')のいずれか1つのポリペプチドをコードするDNAの相補物に ハイブリダイズし且つ図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2)に対して少なく とも80%の同一性を示すアミノ酸配列を有するヌクレオチド配列によりコード されるVAP-1 アミノ酸配 列を含んで成る精製されたポリペプチド;および (e')(a')または(b')のポリペプチドのエピトープ含有部分のアミノ酸配列を 含んで成る精製されたポリペプチド から成る群より選ばれた配列に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を 有する、請求項19の方法。 21.前記アミンがベンジルアミンおよびメチルアミンから成る群より選ばれる 、請求項19の方法。 22.アミンオキシダーゼ活性の阻害方法であって、前記アミンオキシダーゼ活 性を有する試料に有効量の阻害剤を提供することを含んで成る方法。 23.前記阻害剤が、セミカルバジド、ヒドロキシルアミン、プロパルギルアミ ン、イソニアジド、ニアラミド、ヒドララジン、プロカルバジン、モノメチルヒ ドラジン、3,5−エトキシ−4−アミノメチルピリジンおよびMDL72145〔(E )−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−フルオロアリルアミン〕から成 る群より選ばれる、請求項22の方法。 24.血管付着タンパク質−1(VAP-1)により媒介されるリンパ球への内皮細 胞の結合を改変する方法であって、前記内皮細胞中のアミンオキシダーゼの酵素 活性を阻害することを含んで成る方法。 25.血管付着タンパク質−1(VAP-1)により媒介されるリンパ球への内皮細 胞の結合を改変する方法であって、前記内皮細胞中のアミンオキシダーゼの酵素 活性を増強することを含んで成る方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,ID,IL,IS,JP,KG,KR ,KZ,LT,LU,LV,MD,MK,MN,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SE,SG,S I,SK,TJ,TM,TR,UA,UZ,YU (72)発明者 スミス,デビット ジョン フィンランド国,エフイーエン―20810 トゥルク,オジャリネ 29 (72)発明者 ボノ,ペトリ フィンランド国,エフイーエン―20100 トゥルク,ナークリンピハ 3

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 血管付着タンパク質−1(VAP-1)をコードする精製された核酸分子であっ て、 (a) 図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2)を含んで成るポリペプチドを コードする精製された核酸分子; (b) 図1に記載のVAP-1ヌクレオチド配列(配列番号1)のVAP-1コード配列 を含んで成る精製された核酸分子; (c) 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされるア ミノ酸配列を含んで成るVAP-1 ポリペプチドをコードする精製された核酸分子; (d) 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 ヌクレオチド配列のコード配列を含 んで成る精製された核酸分子; (e) (a),(b),(c)または(d)のVAP-1 ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオ チド配列を含んで成る精製された核酸分子; (f) 遺伝暗号の縮重のために(b)または(d)の核酸分子のコード配列とは異な るヌクレオチド配列を含んで成る精製された核酸分子;および (g) (e)の分子にハイブリダイズし且つ図1に記載のVAP-1 配列(配列番号2 )に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を有するVAP-1をコード するヌクレオチド配列を含んで成る、精製された核酸分子 から成る群より選ばれた精製された核酸分子。 2. コードされるVAP-1がアミンオキシダーゼ活性を有する、請求項1の核酸 分子。 3. 図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号1)を有する、請求項1 の核酸分子。 4. 図1に記載のVAP-1 アミノ酸配列(配列番号2)を有するVAP-1 ポリペプ チドをコードする図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号1)を有する 、請求項1の核酸分子。 5. 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンのヌクレオチド配列を 有する、請求項1の核酸分子。 6. 受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされるア ミノ酸配列を有するVAP-1 ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する 、請求項1の核酸分子。 7. cDNA分子である、請求項1の核酸分子。 8. RNA分子である、請求項1の核酸分子。 9. 組換えベクターの作製方法であって、ベクター中に請求項1の精製された 核酸分子を挿入することを含んで成る方法。 10.請求項9の方法により作製された組換えベクター。 11.宿主細胞にVAP-1を提供する方法であって、前記宿主細胞に請求項1の精 製された核酸分子を導入することを含んで成る方法。 12.請求項1の精製された核酸分子を含有する組換え宿主細胞。 13.血管付着タンパク質−1(VAP-1)の生産方法であって、請求項12の組換 え宿主細胞を、前記VAP-1 ポリペプチドが発現されるような条件下で培養し、そ して前記VAP-1 ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。 14.宿主細胞にアミンオキシダーゼ活性を提供する方法であって、前記宿主中 に請求項2の核酸を導入することによる方法。 15.血管付着タンパク質−1(VAP-1)の発現を改変する方法であって、 (a) 宿主細胞中に、 (i)VAP-1 ターゲティング配列;および (ii)前記VAP-1 ターゲティング配列に連結された調節配列 を含んで成るDNA構成物を導入し;そして (b) 前記DNA構成物と内因性VAP-1 DNA配列との間の相同組換えに適した条 件下で前記宿主細胞を維持する ことを含んで成る方法。 16.前記調節配列が所望の条件下で前記VAP-1の発現を抑制する、請求項15の 方法。 17.前記調節配列が所望の条件下で前記VAP-1の発現を増強する、請求項15の 方法。 18.組換え宿主細胞であって、 (a) VAP-1 ターゲティング配列;および (b) 前記VAP-1 ターゲティング配列に連結された調節配列を含有する組換え 宿主細胞。 19.アミンを酸化する方法であって、前記アミンを、アミンオキシダーゼ活性 を有する血管付着タンパク質−1(VAP-1)ポリペプチドと反応させることを含 んで成る方法。 20.前記VAP-1 ポリペプチドが、 (a')図1に記載のVAP-1 アミノ酸配列(配列番号2)を含んで成る精製され たポリペプチド; (b')図1に記載のVAP-1 ヌクレオチド配列(配列番号1)によりコードされ るVAP-1 アミノ酸配列を含んで成る精製されたポリペプチド; (c')受託番号DSM 11536に含まれるVAP-1 cDNAクローンによりコードされる アミノ酸配列を含んで成る精製されたポリペプチド; (d')(a')〜(c')のいずれか1つのポリペプチドをコードするDNAの相補物に ハイブリダイズし、且つ図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2)に対して少な くとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を有するヌクレオチド配列によりコード されるVAP-1 アミノ酸配 列を含んで成る精製されたポリペプチド;および (e') (a')または(b')のポリペプチドのエピトープ含有部分のアミノ酸配列 を含んで成る精製されたポリペプチド から成る群より選ばれた配列に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を 有する、請求項19の方法。 21.前記アミンがベンジルアミンおよびメチルアミンから成る群より選ばれる 、請求項19の方法。 22.アミンオキシダーゼ活性の阻害方法であって、前記アミンオキシダーゼ活 性を有する試料に有効量の阻害剤を提供することを含んで成る方法。 23.前記阻害剤が、セミカルバジド、ヒドロキシルアミン、プロパルギルアミ ン、イソニアジド、ニアラミド、ヒドララジン、プロカルバジン、モノメチルヒ ドラジン、3,5−エトキシ−4−アミノメチルピリジンおよびMDL72145〔(E )−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−フルオロアリルアミン〕から成 る群より選ばれる、請求項22の方法。 24.血管付着タンパク質−1(VAP-1)により媒介されるリンパ球への内皮細 胞の結合を改変する方法であって、前記内皮細胞中のアミンオキシダーゼの酵素 活性を阻害することを含んで成る方法。 25.血管付着タンパク質−1(VAP-1)により媒介されるリンパ球への内皮細 胞の結合を改変する方法であって、前記内皮細胞中のアミンオキシダーゼの酵素 活性を増強することを含んで成る方法。
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