JP2001506910A - 車輪止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 装置の可動部分はベアリング（６）の外側においてハブ（７）内を通るロッドによって剛性的につながれた二本のリング（１１と１３）を具備する。バネ（２０）はピン（２１）が穴（２２）に係合するように固定リング（１０）に対して強固部材を押しつける。レバー（１５）はリング（２３）によって支持されたカム（１８）のあるアームを有する。スピンドル（１９）周りにレバー（１５）を揺動することで車輪は車輪止めあるいは解放される。

Description

【発明の詳細な説明】 車輪止め装置 本発明は乗物の車輪、特に車椅子の車輪止め装置に関する。 車椅子タイプの乗物はたいていフレームの外に配設された二つの主要車輪を具 備し、該車輪は車椅子の使用者が簡単に手にすることができるハブを有する。あ る場合、ハブ周りで車輪に固定された外側にあるリングにより車椅子は駆動装置 やモータを使用せずに動かせる。しかしながら、安全に乗物を停止させておくこ とが望まれており、このために車輪止め装置がすでに提案されている（米国特許 第５３７９８６６号）。この車輪止め装置はハブの外側端部に設けられたレバー により制御される。この公知の車輪止め装置は車輪止め位置で互いに係合する可 動部分と固定部分とを有する機構を具備し、レバーにより制御される。しかしな がら、この公知の車輪止め装置では、上記機構の二つの部品がハブ内に組み込ま れている。この構成は比較的小型であるように見えるが、結果として車輪を外す ために簡単に取外せるハブジャーナル軸を車椅子に備えつけるのが不可能になる 。この車輪止め装置はあまり実用的ではないので使われていない。今までのとこ ろ、この車輪止め装置の好ましい点はタイヤに作用するレバー装置にあった。し かしながらこのレバー装置は第一にタイヤの圧力に依存しており、第二にタイヤ 上でスリップしてしまうため安全な車輪止めができない。 従って本発明の目的は取外し可能なジャーナル軸に取付られた車輪を有する乗 物に取外しを妨げないように取付けられ、小型で且つ安全な操作ができる車輪止 め装置を提案することにある。 このために、本発明は乗物、特に車椅子のフレーム要素に関連す る車輪止め装置に関し、該車輪止め装置はフレームに連結されたジャーナル軸と 、ベアリングを介しつつ、ジャーナル軸を軸にして回転する車輪のハブと、フレ ームの反対側のハブの端部に取り付けられた揺動レバーと、フレーム要素に一体 的に設けられた固定部分と車輪止め位置で固定部分に係合し且つレバーにより制 御される可動部分とを具備する車輪止め機構とを具備し、固定部分がジャーナル 軸のシャフト周りに配設され且つフレーム要素に直接一体的に設けられた車輪止 め構成要素を有し、可動部分が固定部分に対応し且つベアリングの外側でシャフ トに沿って延びるリンクを介してレバーに取り付けられる車輪止め要素を具備す ることを特徴とする。 可動部分の車輪止め要素はフレーム側のハブの凹部内に位置する。前記可動部 分には一つあるいはそれ以上のバネが作用し、このバネは少なくとも車輪止め位 置の安定した場所に可動部分を保持する。可動部分は二本のリンクロッドとロッ ドの外端部にレバーを支持し且つ揺動させる手段とを具備し、該二本のリンクロ ッドはベアリングの外径より長いシャフトからの距離において軸線方向にハブを 横断する。これらバネは固定車輪止め構成要素の方へ永続的に作用し、レバーを 支持し且つ揺動させる手段はレバーの二本のアームのために直径方向両側に回転 スピンドルを具備し、該アームはレバーの揺動に応答して可動部分の軸線方向の 移動を制御するようにハブの円形側面に当接するカムを有する。 バネはレバーと組み合わせられ、カムと車輪止め装置の可動部分との間のリン クの幾何形状は車輪止め位置と解放位置との間でレバーが１８０度揺動するよう に作られ、これら二つの位置ではバネの力あるいはレバーの形状による弾力によ って安定する。 実施例において、固定車輪止め構成要素は一本あるいはそれ以上のピンによっ て形成され、このあるいはこれらピンは可動部分の穴 またはノッチと協働する。 他の実施例において、固定車輪止め構成要素はジャーナル軸と同軸で直立した フレームに固定されたリングに設けられた一つあるいはそれ以上の穴またはノッ チによって形成され、この穴またはノッチは車輪止め機構の可動部分の一部を形 成する一本またはそれ以上のリンクロッドの一方の端部と協働する。 車輪止め機構のレバーと可動部分との間のリンクは該レバーが互いに９０度ま たは１８０度にの角度をなす二つの静止位置を有するように配設され、一方は車 輪止め位置であり、他方は解放位置である。 一つの実施例を図面を参照して本発明の主題の様々な変更部分のある一つの例 として以下に述べる。 図１および図２はそれぞれ車輪止め装置の水平面および垂直面の断面図である 。 図３は構造が異なる車輪止め装置の主要構成要素を図示した透視概略図である 。 図１において、参照番号１は断面矩形のバーを示しており、車椅子のような乗 物のフレームの一部である。取外し可能なジャーナル軸２はアダプタソケット３ に係合しており、バー１の穴内にワッシャ４およびナット５によって固定される 。ジャーナル軸２はその外側端部からのみ素早く取外すことが可能なタイプであ る。ジャーナル軸２は二つのボールベアリング６を有しており、該ボールベアリ ング６の外側リングはハブ７の内面のスロットに保持されており、該ハブ７の二 つの周端フランジ８は車輪のスポークを取り付けるための穴を有する（図示せず ）。 フレームのバー１にアダプタソケット３を固定する際に、ナット５により非回 転リング１０をバーに固定する。この非回転リングは バー１に係合するように皿座繰りされる（図２参照）。非回転リング１０は車輪 止め機構の固定部分に属する。 本車輪止め機構の可動部分は全体的にハブ７に組み込まれる。可動部分は内側 リング１１、二本のリンクロッド１２（図２）および外側リング１３からなる剛 性のある強固な部材を具備する。二つのリング１１およびリング１３はハブ７の 端部の円筒形の凹部に嵌まっており、ロッド１２はシャフトからの距離がベアリ ング６の外径より大きくなるようにハブのシャフトに平行な穴を通る。ハブの凹 部は強固部材１１、１２、１３が車輪止め装置の作動に必要なだけ移動できる深 さを有する。最終的に、本車輪止め機構の可動部分は手動制御装置を有する。図 １に見られるように、リング１３は直径方向両側に位置する二つの突出部１４を 有し、これら突出部１４は制御ハンドル１７を有するレバーシャフト１６と、レ バーシャフト１６の端部に固定された二本の偏心バー１８とにより形成される制 御レバー１５を支える。これら偏心バーはスピンドル１９を介して同軸で突出部 １４を中心として揺動し、該スピンドル１９はこれらの部品のうちの一方の部品 に打ち込まれると共に他方の部品に摩擦なしで係合せしめられる。バー１８のハ ブ側の端部の輪郭はハブ７の外面に固定された硬質材料からなる細いリング２３ に当接し、カムのように作動するような形状である。カムの輪郭はスピンドル１ ９の軸線に対して同心ではない。この輪郭を図２に図示する。 本実施例では、車輪止め機構はバネによって作動せしめられることが図１から 分かる。本実施例では、バネは二つの圧縮された短い二本のバネ２０からなり、 これらバネ２０は内側リング１１を有するハブ７の凹部の底面の対応したボアに 係合する。ジャーナル軸２の両側に設けられたこれらバネは内側リング１１を押 し、それとともに強固部材１１、１２、１３をリング１０の方へ押す。リング１ ０は穴に打ち込まれた一本あるいはそれ以上の突出ピン２１を有し、一方、内側 リング１１は突出ピン２１の直径に適合する対応した数の穴２２を有する。図１ および図２に図示された位置において、車輪止め機構は車輪止め状態とされてい る。レバー１５は水平面で延びる。カム１８の半径が最も小さい部分はリング２ ３に当接しており、強固部材１１、１２、１３は図２のように最左端にある。二 つの穴２２は突出ピン２１に係合し、固定リング１０に対してハブを固定する。 車輪を解放するには単に、ハンドル１７を掴んでレバー１５を上方に持ち上げる ことだけが必要である。このレバーの揺動により強固部材１１、１２、１３がバ ネ２０の付勢作用に抗して右方へ引っ張られ、内側リング１１は突出ピン２１か ら解放される。カム１８上部の平らな部分はリング２３に押しつけられ、レバー １５が安定した位置にあることが確実となる。レバー１５を逆に動かす際には、 強固部材が左に動けるようになる位置に穴２２がくるまでリング１１は突出ピン ２１のヘッドに押しつけられる。 本実施例においてはその変更例としてカムの幾何形状を車輪止め動作がレバー １５の１８０度の角度変化となるような形状とすることも可能である。しかしな がら、図３に１８０度の角度変化の別の実施例を図示する。ここでは可動部分の 強固部材は単純である。 この概略図には解放位置にあるハブ２５およびジャーナル軸２６が図示されて いる。車輪止め機構の固定部分は二つのノッチ部分２８を有するリング２７であ る。このリングは図示されていない手段によって乗物のフレームに固定されてい る。可動強固部材は二本の平行なロッド２９によって形成され、これらロッド２ ９は例えば内側リング１１と同様のリングによってハブ２５内の凹部に同様に嵌 め込まれるように相互接続される。しかしながら、これらロッドはリングを通り 、そのロッドの端部はノッチ部分２８に係合すること により可動部分のロック要素を形成する。ロッドの端部はリングの厚さ分だけリ ングに埋め込まれ、該リングは周囲にノッチのあるリングあるいはディスクであ る。固定部分は第一実施例と同様に、可動リングのカラーまたはリングの開口や ノッチと協働する突出ピンを有するように形成される。バネ２０と同様のバネが ハブとリングの間に提供される。 ロッド２９の外端部はハブの前面３０上に現れる。 図３のように、制御レバー３１は揺動可能であり且つ端部が偏心カム３３であ る二本の平行アーム３２を有する。これらカムはその内面に鉛直の溝を有し、こ れらカムはレバーが実線で描かれた位置から図３の右側の位置へ揺動するとアー ム３２の弾力に抗して回転スピンドル３４上で横方向へ移動する。レバーのアー ムの弾力とカム３３の作用面とを適切に調節することにより、車輪止め装置の操 作が確実になり且つ二つの端部位置でレバーが安定する。レバーが係合位置から 外れて下げられてもロックされたままである。１８０度の移動は操作するのに生 ずべき力を減少し、これは身体障害者の乗物の場合には重要である。 いずれの例においても、取外し可能なジャーナル軸２あるいは２６を車輪の外 側からアクセスし、素早く簡単に取外し可能であることが好ましい。 本発明の装置には車輪止め機構があるにも関わらず初めに車輪の方向決めをせ ずとも取付け且つと取外すことができるという利点がある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．フレームに連結されたジャーナル軸と、 ベアリングを介しつつ前記ジャーナル軸を軸として回転する車輪ハブと、 前記フレームの反対側の前記車輪ハブの端部に取り付けられる揺動レバーと、 フレーム要素に一体的に設けられた固定部分と前記レバーに制御され且つ車輪 止め位置において固定部分に係合する可動部分とを有する車輪止め機構とを具備 する車輪止め装置において、 前記固定部分は前記ジャーナル軸のシャフトの周りに配設され且つフレーム要 素に一体的に設けられた車輪止め構成要素を有し、前記可動部分は前記固定部分 に対応し且つベアリングの外側でシャフトに沿って延びるリンクを介してレバー に取り付けられる車輪止め要素を有することを特徴とする乗物、特に車椅子のフ レーム要素に対する車輪止め装置。 ２．前記可動部分の前記車輪止め要素は前記フレーム側のハブの凹部内にあり 、前記可動部分はベアリングの外径より長いシャフトからの距離において軸線方 向にハブを横断する二本のリンクロッドと、これらロッドの外端部においてレバ ーを支持し且つ揺動する手段とを具備することを特徴とする請求項１に記載の車 輪止め装置。 ３．前記機構の前記可動部分は一本あるいはそれ以上のバネが作用し、該バネ は車輪止め位置の少なくとも安定した位置に前記可動部分を保持することを特徴 とする請求項２に記載の車輪止め装置。 ４．前記レバーを支持し且つ揺動する前記手段は前記レバーの二本のアームの ために直径方向両側に二つの回転スピンドルを具備し、前記アームはレバーの揺 動に応答して可動部分の軸線方向の移動 の制御をするために前記ハブの前記周囲に当接するカムを有することを特徴とす る請求項３に記載の車輪止め装置。 ５．前記バネは永続的に固定車輪止め要素の方へ作用することを特徴とする請 求項３に記載の車輪止め装置。 ６．前記バネはレバーと組み合わされ、前記カムと前記車輪止め機構の前記可 動部分との間のリンクの幾何形状は車輪止め位置と解放位置との間でレバーが１ ８０度揺動するようにされており、これら二つの位置はバネの力またはレバーの 形状による弾力によって安定せしめられることを特徴とする請求項４に記載の車 輪止め装置。 ７．前記固定車輪止め構成要素は一本あるいはそれ以上のピンによって形成さ れ、このピンあるいはこれらピンは前記可動部分の穴またはノッチと協働するこ とを特徴とする請求項１に記載の車輪止め装置。 ８．前記固定車輪止め構成要素はジャーナル軸と同軸で直立したフレームに固 定されたリングに設けられた一つあるいはそれ以上の穴またはノッチにより形成 され、該穴またはノッチは車輪止め機構の可動部分の一部を形成する一本あるい はそれ以上のリンクロッドの一方の端部と協働することを特徴とする請求項１に 記載の車輪止め装置。 ９．前記車輪止め機構の前記レバーと前記可動部分との間のリンクは該レバー が互いに９０度あるいは１８０度の角度をなす二つの静止位置を有するように配 設され、一方はロック位置であり、他方は解放位置であることを特徴とする請求 項１に記載の車輪止め装置。