JP2001505065A - シート状の植生用物体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも１つの土台(14)の上に配置される構造マット(12)、特にループ状マット(16)からなる植生用ストリップが開示され、そして構造マット(12)は、培地材料、および発芽し得る植物材料、特に種子、芽、胞子、および芽の部分で充填され得る。本発明によるシート状の植生用物体は、構造マット(12)が、構造マット(12)の第１の側縁領域(18)が土台(14)の第１の側縁領域の上に広がり、そして土台(14)の反対の第２の側縁領域(22)が、構造マット(12)の第２の側縁(22)の下に広がり、その結果、構造マット(12)および土台(14)が相互に重複するように土台(14)上に配置されることにより特徴付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】 シート状の植生用物体 本発明は、請求項１の上位概念による構造マット（特に、ループ状マット）を 有するシート状の植生用物体に関する。 このようなシート状の植生用物体は、例えば、欧州特許第172,839 B1号および 独国特許第42 19 275 C2号から公知である。これらおよび類似のシート状の植生 たは傾斜のある屋根にこのようなマットで緑化するために、植生用物体は、屋根 に並べて置かれ、ここで、植生用物体は、端と端を接した元口連結部を有するシ ートとして置かれる。ここで、植生用物体は、屋根表面に直接置かれるか、また は屋根に適用した基材層上に置かれるかのいずれかである。屋根に置かれる前に 、シート状の植生用物体は、通常、予め栽培される。すなわち、屋根に設置する 前に、植生用物体は、基材および発芽し得る植生材料で充填される。現在、植物 種子、ベンケイソウ属の種の芽、およびコケ類の胞子が、特に、発芽し得る植生 材料として適切であることが証明されている。 このような植生用物体の構造マットは、培地材料および植物部分の支えおよび 結合を提供するのに役立つ。構造マットの下に配置された多孔質土台（Unterlag e）は、通常、ココナッツ繊維、ロックウール、織物繊維、または他の適切な材 料から構成され、植物の根の保水性、排水、および支え、ならびに洗い流され得 る粒子についての分離層を提供する。 これまでに公知の植生用物体は、広範囲に証明されている。しかし、特に、長 期の乾燥期間に起因して、元口のはぎ目とともに置かれた植生用物体が、縮み始 め、それにより個々のシートの間に間隙を生じる。これらの間隙は、光学的印象 に干渉するだけでなく、風の力が植生用物体の下側に作用し得、それにより植生 用物体が風の吸引によって持ち上げられ、そして屋根の緑化が少なくとも部分的 に破壊されるという危険性をもたらす。培地材料を、植生用物体の下に敷く場合 、培地材料はまた、縮れた間隙を通る風の作用により侵食され得る。 独国特許第38 15 662 A1は、造園設計における使用のための平面構造部分を記 載し、この平面構造部分は、少なくとも２つの独立した構造層を有し、少なくと もその一方は自立構造を有する。底層は、その頂部に、大部分が天然の有機材料 からなる頂部層としての植生プレートを有する排水プレートにより形成される。 両方の層は、一緒に連結されて、ユニットを表す、形態の安定した構造部分を形 成する。両方の層は、底面排水プレートに対して平行な壁段で配置された頂部層 としての植生プレートを有して、本質的に同じ縦および横の寸法を有する方形と して設計される。 植生プレートと排水プレートとの間の補正部（Versatz）によって、平面構造 部分が置かれる平坦な屋根に植生プレートに続いて適用される植生基材からの隣 接する構造部分間に、連続した溝が形成されないような結果が達成されるはずで ある。公知の平面構造部分では、補正部が、一方に植生基材で完全に満たされた 植生プレートと、他方にその下に備え付け排水平面間に提供され、それにより植 生プレート自体は、雑に（Stumpf）そして補正部なしに相互に隣接するので、上 記の縮みによる間隙はまた、この平面構造部分においては避けられない。 それゆえ、本発明の課題は、緒言で言及した型のシートの形態の植生用物体を 作製することであり、それにより、乾燥に起因する縮みの結果が、補償または予 防され得る。 この課題は、請求項１の特徴の部分の特徴に示される、緒言で言及した型のシ ートの形態の植生用物体で解決される。 本発明によれば、シート状の植生用物体の構造マットは、構造マットの第１の 側縁領域が、土台の第１の側縁の上に広がり、そして土台の反対の第２の側縁領 域は、構造マットの第２の側縁の下に広がり、その結果、構造マットおよび隣接 する植生用物体の土台が重なるように土台上に配置される。 独国特許第38 15 662 A1号による公知の平面構造部分と重複するものがいく つか存在するが、この重複は、植生用物体自体に関するものではなく、その代わ りに植生用物体の下に設置された排水プレートに関する。 本発明は、驚くほど簡単な様式で、乾燥に起因する結果としての縮みが、予防 され得るかまたは少なくとも補償され得るシート状の植生用物体を作製する。言 い換えれば、本発明による２つの植生用物体が平行して重ねておかれると、１つ の植生用物体の構造マットが、他の植生用物体の土台を覆う。両方の植生用物体 が乾燥により縮んだ場合、１つの植生用物体の構造マットは、依然として他の植 生用物体の土台の少なくとも１つの端の領域を覆う。ここで、１つの植生用物体 の土台は、少なくとも部分的に出ているが、風の力が植生用物体の下側に作用し 得ないか、および／または必要な場合、植生用物体の下に配置した培地材料を侵 食し得ない。ここでは、光学的印象は、ほとんど全く影響されない。なぜなら、 土台は通常、比較的暗色の材料からなり、そしてさらに、植生用物体の端の領域 は、植生用物体上で生長した植物が一面に広がる。 植生用物体上の植物が、長期間生長した場合、すなわち、植物の根が構造マッ トを通じて土台の中まで生長した場合、乾燥による縮みは、ほぼ完全に回避され 得る。つまり、この場合、植生用物体の構造マットの突出領域の植物の根は、別 の植生用物体の土台中に生長する。この根の互生によって、隣接する接触する植 生用物体は、縮みプロセスが停止するかまたは少なくとも強力に大いに遅延され る程度まで互いにからみ合う。 植生用物体の重複は、両側で有利に均一であり、本発明の実用的な実施態様で は、重複の幅は２〜20cmである。このようにして、本発明による複数の植生用物 体は、構造マットおよび多孔質土台がその都度相互に隣接し、そして構造マット の突出領域が多孔質土台の露出領域を完全に覆うように設置され得る。このよう にして、閉鎖された複数の植生用物体の複合体が作製され得、ここで閉鎖された 植物複合体が保証される。 本発明の好ましい実施態様では、多孔質土台は、再生する新鮮な材料（例えば 、ココナッツ繊維、鉱滓綿、または織物繊維）のマットである。このようなマッ トは、植物のための水および栄養素の貯蔵槽として作用するのに非常に適切であ る。さらに、これらはまた、良好な排水が保証され、そして植物のための培地を 提供する。腐敗プロセスからの栄養素の供給が主な関心である場合、ココナッツ 繊維または織物繊維のマットが好ましい。防火が主な関心である場合、鉱滓綿の マットが好ましい。 本発明の好ましい実施態様では、土台は、合成繊維のフリース（Vlies）であ る。このようなフリースは、植生用物体が傾斜した屋根に置かれる場合、特に好 ましい。なぜなら、これらのフリースは、発生する張力を除去する状態にあるか らである。 本発明の実際の実施態様では、構造マットおよび土台は、各々、0.5〜2mの幅 を有し、そして植生用物体は0.5〜10cmの厚さを有する。 本発明の別の実施態様では、構造マットは、その下側でフリース（好ましくは ポリエステルフリース）に結合される。ここで、土台およびフリースは、請求項 10に記載の特徴部分の特徴に従って重複する。このようなポリエステルフリース （例えば、0.2〜３mmの厚さに、非常に薄く設計され得る）は、特に傾斜した屋 根の張力を吸収するために非常に適切であるが、同時に植物の根が多孔質土台の 中に互生するのを可能にする。 本発明のさらなる有利な実施態様は、明細書、図面、および請求の範囲から導 かれる。図面は以下を示す： 図１：本発明によるシート状の植生用物体の第１の実施態様を通しての断面図 ； 図２：本発明によるシート状の植生用物体の第２の実施態様を通しての断面図 ；および 図３：平行して設置された本発明による２つのシート状の植生用物体の部分的 領域を通しての断面図。 図１は、本発明によるシート状の植生用物体10の第一の実施態様を示す。これ は、多孔質土台14上に配置される構造マット12を有する植生用物体を示す。図１ に例示された実施態様において、構造マット12は、ループ状マット16から形成さ れ、このループ状マットは、中間に空間を有する構造を形成する複数のプラスチ ック繊維などを有する。ループ状マット16の厚さおよび高さは、約10mmであり得 る。ループ状マット16の代わりに、織物マット（示さず）がまた、本発明による 構造マット12として用いられ得る。 構造マット12の側縁領域18は、土台14の側縁20にわたって広がり、従って突出 部を形成する。植生用物体10の反対側には、基材14の側縁領域22が構造マット12 の１つの側縁24の下に広がり、それにより肩を形成する。 構造マット12および多孔質基材14は、上記のような様式で重なる。 図２は、本発明による植生用物体10の第２の実施態様を示す。この実施態様で は、構造マット12は、土台14の上に、図１による第１の実施態様のように配置さ れるが、構造マット12はここで、その下側26にポリエステルフリース28とともに 提供される。このポリエステルフリース28は、植生用物体が傾斜した屋根に設置 した場合に生じる張力を吸収するように作用する。 図３は、本発明による２つの植生用物体１0aおよび10bの設置の例として示す 。ここで、両方の植生用物体10aおよび10bは、図２からの植生用物体10に対する 設計に対応する。植生用物体10aおよび10bは、基材14aおよび14bの側縁20aおよ び20bと隣接して、そして構造マット12aおよび12bの側縁24aおよび24bと隣接し て、そしてポリエステルフリース28aおよび28bの縁30aおよび30bと隣接して設置 される。植生用物体10aの構造マット12aの重複する側縁領域18aは、植生用物体1 0bの多孔質基材14bの側縁領域22b上に置かれる。 図３に示す実施態様では、構造マット12aおよび12bは、培地32で少なくとも部 分的に充填される。この培地32は、腐植土、ピート、樹皮のマルチなどのような 有機材料、もしくは砂、砂利などのような粒状鉱物材料、または両方の混合物で あり得る。 図３はまた、植物34が、構造マット12aおよび12bの空洞空間の内側ならびに基 材14aおよび14b中に既にその根36をおろしていることを示す。植物34の根が互生 する能力によって、植生用物体10aの構造マット12aの重複領域は、植生用物体10 bの基材14bに結合される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．構造マット(12)、特にループ状マット(16)を有するシート状の植生用物体(1 0)であって、これは少なくとも１つの土台(14)の上に配置され、そして該構造マ ットは、培地材料(32)および発芽し得る植生材料、特に種子、芽、胞子、または 芽の部分で充填され得、該構造マット(12)は、該構造マット(12)の第１の側縁領 域(18)が該土台(14)の第１の側縁(20)の上に広がり、そして土台(14)の反対の第 ２の側縁領域(22)は該構造マット(12)の第２の側縁(24)の下に広がり、その結果 、隣接する植生用物体(10)の該構造マット(12)および該土台(14)が、相互に重複 するように、該基材(14)上に配置される、シート状の植生用物体(10)。 ２．前記植生用物体(10)の重複が両側で均一である、請求項１に記載のシート状 の植生用物体。 ３．前記植生用物体(10)の重複が、両側で２〜20cmの幅を有する、請求項１また は２の１項に記載のシート状の植生用物体。 ４．前記土台(14)が、ココナッツ繊維のような再生する新鮮な材料からなるマッ トである、請求項１から３の１項に記載のシート状の植生用物体。 ５．前記土台(14)が、鉱滓綿のマットである、請求項１から３の１項に記載のシ ート状の植生用物体。 ６．前記土台(14)が、織物繊維で構成されるマットである、請求項１から３の１ 項に記載のシート状の植生用物体。 ７．前記土台(14)が、合成繊維からなるフリースである、請求項１から３の１項 に記載のシート状の植生用物体。 ８．前記構造マット(12)および前記土台(14)が、各々、0.5〜2mの幅を有する、 請求項１から７の１項に記載のシート状の植生用物体。 ９．前記植生用物体(10)が、0.5〜10cmの厚さを有する、請求項１から８の１項 に記載のシート状の植生用物体。 １０．構造マット(12)、特にループ状マット(16)を有するシート状の植生用物体 (10)であって、これは少なくとも１つの基材(14)の上に配置され、該構造マット は、培地材料(32)および発芽し得る植物材料、特に種子、芽、胞子、または芽の 部分で充填され、該構造マット(12)の下側(26)は、フリース(28)に結合され、そ して該フリース(28)は、該フリース(28)の第１の側縁領域(18)が該基材(14)の第 １の側縁(20)の上に広がり、そして該基材(14)の反対の第２の側縁領域(22)は該 フリース(28)の第２の側縁(24)の下に広がり、その結果、隣接する植生用物体(1 0)の該フリース(28)および該土台(14)が、相互に重複するように該土台(14)の上 に配置される、シート状の植生用物体。 １１．前記フリース(28)が、ポリエステルフリースである、請求項１０に記載の シート状の植生用物体。 １２．完全に緑化された製品である、請求項１から１１の１項に記載のシート状 植生用物体であって、前記構造マット(12)が、培地材料(32)および発芽し得る植 物材料、特に種子、芽、胞子、および芽の部分で充填されている、シート状の植 生用物体。 １３．前記構造マット(12)が、有機材料により形成される、請求項１から１２の １項に記載のシート状植生用物体。 １４．前記構造マット(12)の前記有機材料が、ココナッツである、請求項１３に 記載のシート状の植生用物体。