JP2001501266A - 熱接着されてカールした二成分繊維のスパンボンド布の集中製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 異なる特性を有する２つのプラスチックからなる、熱接着され、カールした二成分繊維からなるスパンボンド布の製造のための方法が開示される。本発明の方法は、３つの工程からなる：第１の工程では、２つのプラスチック材料から紡糸された繊維がカールしない状態で取出され、伸展される。第２の工程では、繊維はシーブベルト上に置かれ、熱接着される。第３の工程では、得られた不織布の二成分繊維は、縦および／または横の伸展および熱処理によって最終的にカールされる。

Description

【発明の詳細な説明】 熱接着されてカールした二成分繊維のスパンボンド布の集中製造方法 本発明は、異なる特性を有する２つのプラスチック材料からなる熱接着されて カールした二成分繊維のスパンボンド布の製造方法に関する。 このような方法は、EP 0 391 260 A1に開示されており、ここでは、スクリー ンベルト上に置かれた複合繊維がカールされ、熱の効果、すなわち熱風によって 互いに接着する。この方法において、熱風が供給される直前に、不織布を膨らま すようにシーブベルト（sieve belt）を介して冷気が下から吹かれる。このよう な不織布は、厚みが２．３ｍｍまでである。このような方法によって形成された 不織布は、おむつ、または生理用ナプキンなどの衛生用製品において吸収層(acq uisition layer)として用いることができる。いくつかの用途に対して、これら の不織布は薄すぎるか、肌触りが堅すぎ、また、容量が十分に大きくない。同様 の方法は、US 5 382 400にも開示されている。 これらおよび他の方法に共通しているのは、単繊維が熱処理によってのみカー ルされる事実である。熱接着もまた、単繊維を熱で処理している間に生じる。す なわち、個々の繊維は、それらの結合点で接着する。この方法で得られる不織布 は、全ての要件を満たさない。特に、衛生用製品に用いられる場合、これらは特 に容量が不十分であることが多い。 本発明の課題は、最初に述べた種類の方法であって、熱接着されてカールした 二成分繊維から容量があるスパンボンド布を形成し得、不織布の強度、空隙率、 個々の繊維のカール、および最終重量に関する特性に特に影響し得る方法を提供 することである。必要であれば、この方法によって形成された不織布の防水性(w atertightness)は、この方法によって影響を受けるようにする。 この課題は、本発明の特徴を有する方法によって解決される。 異なる特性を有する２つのプラスチック材料からなる、熱接着されてカールし た二成分繊維のスパンボンド布を製造する本発明の方法において、２つのプラス チック材料から紡糸された布を、第１の工程においてカールされていない状態で 取出し(drawn off)、および伸展し、第２の工程においてシーブベルト上に配置 して熱接着し、第３の工程において、この方法で形成された不織布の二成分繊維 を縦および／または横に伸展し、熱処理によってカールする。 驚いたことに、不織布の特性は、熱処理中に縦および横に伸展したときに直接 影響され得ることを示した。本発明の方法における二成分繊維の実際のカールは 、縦および／または横の伸展に続いて弛緩している間に得られた。カール率は、 スパンボンド布の繊維に対する熱および機械の混合作用によって増加され得、こ れによって、この方法によって得られる不織布は、従来技術の方法によって得ら れる不織布に比べてより容量が大きくなる。従来の方法によって形成された不織 布では、カールの一部、よって、容積の一部が熱接着および他の熱処理中に失わ れる。 熱接着の後にのみ機械伸展を行うことによって不織布をカールし、それによっ て、従来の方法によって得られる布に比較して、この方法によって得られた不織 布の容積を増加することが有利であることが見出された。 より大きな容積は、本発明による方法によって形成された不織布がおむつおよ び生理用ナプキンの吸収層として用いられるときに特に有利である。 本方法の有益な実施形態の１つでは、後者がサイドバイサイド型の二成分繊維 を用いて実施される。本発明の別の実施形態では、本方法は偏心性コアを有する 二成分繊維を用いて実施される。サイドバイサイド型および偏心性コアを有する 型の中実または中空の二成分繊維を用いることによって、製品のより柔らかな感 触が得られる。この柔らかな感触は、以前、衛生に用いられた不織布の全てを置 換し得る。 本発明の別の実施形態は、各繊維の隣接するセグメントが異なる材料からなる セグメント化された中空二成分繊維を用いて実施される方法を提供する。別の実 施形態において、不織布の繊維がカールしてフィブリル化するように伸展および 熱処理される。ここで、特にセグメント化された二成分繊維を一定の伸展程度以 上に伸展すると、フィブリル化が得られる、すなわち、制御された分裂開口また は開裂開口が生じるという知識を利用した。この方法によって伸展およびフィブ リル化された繊維が再び弛緩されたとき、これらはフィブリル化に加えて、カー ルする。 この方法で得られた不織布は、同一の基礎重量であるが明らかに低い空隙率を 有し、不織布の防水性をさらに高める。 本発明の有益な実施形態の１つでは、繊維は２つのポリプロピレン粒状物から 紡糸される。第１のポリプロピレン粒状物のＭＦＩ粘度範囲は１６から３５であ り、第２のポリプロピレン粒状物のＭＦＩ粘度範囲は、８から１０ポイントであ り、第１のポリプロピレン粒状物のＭＦＩ粘度範囲よりも低い。 あるいは、繊維は、２つの異なるポリオレフィン、またはポリオレフィンおよ びＰＥＴから紡糸され得る。 本発明を、図面、説明、および特許請求の範囲を参照にして更に説明する。図 面に示すのは以下の通りである。 図１：本発明の方法を用いて製造した吸収層を有するおむつの断面図。 図２：サイドバイサイド型の二成分繊維の断面図。 図３：偏心性コアを有する二成分繊維の断面図。 図４：セグメント化された中空二成分繊維の断面図。 図１は、本発明による方法によって形成されたスパンボンド布１２を用いたお むつ１０の形態の例証的な実施形態である。スパンボンド布１２を形成するため に、図２に示すサイドバイサイド型の中空繊維２２が、それ自体が公知の機器に よって紡糸される。中空のサイドバイサイド型繊維２２は、異なる特性を有する プラスチック材料からなる２つの円柱包膜の半端２４および２６からなる。よっ て、円柱包膜の半端２４は、１６から３５のＭＦＩ粘度範囲を有するポリプロピ レンからなり、円柱包膜の半端２６は、円柱包膜の半端２４のポリプロピレンよ り下回る８から１０ポイントのＭＦＩ粘度範囲を有するポリプロピレンからなる 。 この方法で得られる多数の中空繊維２２は、伸展がいかなるカールをも生成し ないような方法で取出される。次いで、中空繊維２２はそれ自体が公知である機 器を用いてシーブベルト上に配置され、熱接着される。後に続く工程において、 熱接着の後に形成されたスパンボンド布１２は、フィルム製造で知られる装置に よって、機械方向および横方向の両方に伸展される。この伸展方法および後に続 く弛緩の間、不織布１２のカール、よって膨らみは、円柱包膜の半端２４および ２６の多様な伸展特性により、個々の中空繊維２２において生じる。不織布が同 時に熱処理されることが特に重要である。 この方法で得られる不織布１２は、おむつ１０においてコア１４上に吸収層１ ６として用いられる。この吸収層１６は、体液を吸収するコア１４を生物体に接 触しているカバー層２０から空間的に分離する機能を果たす。これは、カバー層 ２０は概して優れた多孔性が保たれなくてはならず、半透構造として設計され得 ないので、吸収層１６が、コア１４に収集された流体が処理される生物体の体表 面に再接触するのを防ぐように機能することを意味する。最後に、コア１４に保 持される流体はカバー層２０に結合されたフィルム１８によって出て行くことを 防止される。 本発明の方法によって製造されたスパンボンド布は、図３に示すケーシング３ ０および偏心性コア３２を有する二成分繊維２８の製造のためのカバー層２０の 材料として用いられ得る。このような繊維２８を用いて製造されたスパンボンド 布は、柔らかい感触を有し、肌に快適であるのでカバー層２０として用いるのに 適切である。 本発明の方法によって製造されるスパンボンド布がしっかりした防水特性を有 することになっている場合、図４に示す繊維３４が用いられて製造される。図４ に示す繊維３４の断面図は、個々のセグメント３６および３８からなる。隣接す るセグメント３６および３８は、異なるＭＦＩ粘度範囲を有するポリプロピレン 、異なる相のＰＰおよびＰＥなどのポリオレフィン、またはＰＥＴとポリオレフ ィンの組合せなどの異なる素材によって形成される。繊維３４が伸展されたとき 、これらはフィブリル化する。すなわち、繊維３４は、セグメント３６および３ ８の隣接する表面に沿って分裂する。この繊維３４のフィブリル化は、空隙率を 明らかに低める一方、不織布の基礎重量は同一に維持するので不織布の防水性を 増加する結果となる。これはこの方法によって製造された不織布をおむつ１０ま たは同様の衛生用製品のカバー材料として用いることが可能になる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｄ０４Ｈ 3/16 Ｄ０４Ｈ 3/16

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．異なる特性を有する２つのプラスチック材料からなる、熱接着されて、カー ルした二成分繊維からスパンボンド布の製造方法であって、 該２つのプラスチック材料から紡糸された繊維（２２；２８；３４）をカール していない状態で取出し、伸展する第１の工程と、 該繊維（２２；２８；３４）をシーブベルトの上に配置し、熱接着する第２の 工程と、 得られた不織布の該二成分繊維を縦および／または横に伸展および熱処理する ことによってカールさせる第３の工程と、 を含む、方法。 ２．前記方法が、サイドバイサイド型の二成分繊維（２２）を用いて実施される ことを特徴とする、請求項１に記載の方法。 ３．前記方法が、偏心性コア（３２）を有する二成分繊維（２８）を用いて実施 されることを特徴とする、請求項１に記載の方法。 ４．前記方法が、セグメント化された中空二成分繊維（３４）を用いて実施され 、該各繊維（３４）の隣接セグメント（３６、３８）が異なる材料からなること を特徴とする、請求項１に記載の方法。 ５．前記不織布の前記繊維（３４）が、縦および／または横の伸展および熱処理 によってカールされ、フィブリル化される、請求項４に記載の方法。 ６．第１のポリプロピレン粒状物が１６から３５のＭＦＩ粘度範囲を有し、第２ のポリプロピレン粒状物が、該第１のポリプロピレン粒状物のＭＦＩ粘度範囲を 下回る８から１０ポイントであるＭＦＩ粘度範囲を有する２つのポリプロピレン 粒状物から前記繊維（２２；２８；３４）が紡糸されることを特徴とする、請求 項１から５のいずれかに記載の方法。 ７．前記繊維（２２；２８；３４）が、２つの異なるポリオレフィンから紡糸さ れることを特徴とする、請求項１から５のいずれかに記載の方法。 ８．前記繊維（２２；２８；３４）が、ポリオレフィンおよびＰＥＴから紡糸さ れることを特徴とする、請求項１から５のいずれかに記載の方法。