JP2001500868A - n―ブチルアルキルエーテルの製造方法 - Google Patents
n―ブチルアルキルエーテルの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
n−ブチルアルキルエーテルを製造するに当り、a)1,3−ブタジエン又はブタジエンを含有する炭化水素混合物を、高められた温度及び高められた圧力でブレーンステズ酸の存在又は燐又は窒素を含む配位子を有する、元素の周期表のIb、VIIb又はVIIIb族からの元素の錯体の存在で、式:ROH〔式中Rは未置換の又はC1〜C10−アルコキシ−又はヒドロキシ基1〜2個で置換されたC2〜C20−アルキル−又はアルケニル−、C6〜C10−アリール−又はC7〜C11−アラルキル基又はメチル基である〕〕で示されるアルコールと反応させて式(II)及び式(III)の付加物の混合物を生成させ;b)これらの異性体を分離し、c)付加物IIIを異性化して付加物IIを生成させ、かつd)付加物IIを、液相中の均質又は不均質遷移金属触媒の存在又は気相中の不均質遷移金属触媒の存在で水素化して式(IV)のn−ブチルアルキルエーテルを生成させることによって、n−ブチルアルキルエーテルを製造する方法。
Description
【発明の詳細な説明】
n−ブチルアルキルエーテルの製造方法
本発明は、ブタジエンをアルコールと反応させて1−及び3−アルコキシブテ
ンから成る混合物を生成させ、3−アルコキシブテンを異性化して1−アルコキ
シブテンとなしかつ1−アルコキシブテンを水素化することによってn−ブチル
アルキルエーテルを製造する方法に関する。
n−ブチルアルキルエーテルは、化学工業の生成物であり、多方面で使用され
ている。すなわち例えばジ−n−ブチルエーテルは、種々の天然及び合成樹脂、
脂肪、油及びグリニャール反応における溶剤として使用されている。さらにジ−
n−−ブチルエーテルはエタノール又はブタノールとの混合物でエチルセルロー
スを溶解するために使用されている。
ジ−n−ブチルエーテルは大工業的には実際に種々の方法により専らn−ブタ
ノールの脱水によって製造されるが、これらの方法では反応は例えば硫酸又は触
媒、例えば塩化鉄、硫酸銅、シリカゲル又は酸化アルミニウムの存在で行う(K
irk−Othmer:Encyclopeda of Chemical T
echnology,4版、9巻、860〜876頁,John Wiley
& Sons,New Y
ork 1992;;Ullmann’s Encyclopedia of
Industrial Chemistry,5版、A10巻、23〜34頁、
Verlag Chemie Weinheim)。これらの方法は、特に不均
質触媒による脱水は副反応を惹起する高い反応温度を必要とする。さらに硫酸又
は金属塩を用いる均質方法の場合には、短い鎖長(C1〜C3)を有するアルコー
ルしか効果的に脱水されえない。
表面塗料工業において溶剤として使用される非対称n−ブチルアルキルエーテ
ル、例えば2−(n−ブトキシ)エタノール又は1−(n−ブトキシ)プロパノ
ール−2は、通常n−ブタノールとエチレンオキシド又はプロピレンオキシドと
の反応によって製造される(Encyclopedia of Chemica
l Processing and Desing,20巻,258〜274頁
,Marcel Dekker,Inc,New York and Base
l 1984)。米国特許第4843180号明細書からは例えば、ジエンをヒ
ドロキシ化合物と反応させて不飽和ブチルエーテルを生成させ、このものをもう
一つの段階で水素化して線状の飽和エーテルと主として枝分かれの飽和エーテル
から成る混合物にすることができることが公知である。
ところで本発明の目的は、容易に入手できるブタジ
エンから出発してn−ブチルアルキルエーテルを製造する方法を提案することで
あった。1,3−ブタジエンは多量に入手できかつ極めて安価な原料であるけれ
ども、従来はまだ1,3−ブタジエン又はブタジエンを含有する炭化水素混合物
を基剤とするn−ブチルアルキルエーテルを製造する、大工業的に使用できる方
法は知られていなかった。その理由は、二量化−及び重合反応を生じる1,3−
ブタジエンの傾向ならびに付加反応の際の1,2−及び1,4−付加物の混合物
の形成にあると見ることができる。この化学的特性の原因は1,3−ブタジエン
分子中の2個の共役二重結合の存在である(Kirk−Othmer:Ency
clopedia of Chemical Technology,4版,4
巻,676〜683頁,John Wiley & Sons,New yor
k 1992)。
かくして多数の文献箇所にはブタジエンとアルコールの反応、またブテニルエ
ーテルの水素化も記載されているが、従来は工業的に実施できる方法は見いださ
れなかった。
特にWO95/19334からは、ブタジエンにアルコールを付加してアルキ
ルブテニルエーテルを生成しかつ3−アルコキシブテン−(1)−化合物を異性
化することはすでに公知であり、詳細に記載されている。しかしこの場合エノー
ルエーテルを生じるもう一
つの異性化も起こる。1−アルコキシブテン−(2)の水素化は考慮されて、記
載されていない。
n−ブチルアルキルエーテルを生成する一般のアリルエーテルの水素化に関し
ては僅かな例しか知られていない。米国特許第3769352号、同第3670
029号及び同第4843180号明細書には、不飽和エーテルが水素化されう
るとしか記載されていない。
したがって本発明は、n−ブチルアルキルエーテルを製造するに当り、同生成
物を高い収率及び選択率をもって製造することができる、大工業的に使用可能で
、経済的な方法を見いだすという課題を基礎とした。
前記課題は、
a)1,3−ブタジエン又はブタジエンを含有する炭化水素混合物を、高められ
た温度及び高められた圧力
の存在又は燐又は窒素を含む配位子を有する、元素の周期表のIb、VIIb又
はVIIIb族からの元素の錯体の存在で、式I:
ROH I
〔式中Rは未置換の又はC1〜C10−アルコキシ−又はヒドロキシ基1〜2個で
置換されたC2〜C20−アルキル−、アルケニル−、シクロアルキル−又はシク
ロアルケニル−、C6〜C10−アリール−又はC7〜C11−アラルキル基又はメチ
ル基である〕
で示されるアルコールと反応させて式II:
及び式III
〔式中Rは前記のものを表す〕で示される付加物の混合物を生成させ、
b)式II及びIIIの付加物を分離し、
c)付加物IIIを、(a)に関して記載したような触媒の存在で異性化して付
加物IIを生成させ、かつ
d)付加物IIを、液相中の均質又は不均質の遷移金属触媒の存在又は気相中の
不均質の遷移金属触媒の存在で水素化して式IV:
で示されるn−ブチルアルキルエーテルを生成させることを特徴とする、n−ブ
チルアルキルエーテルの製造方法によって解決された。
本発明方法はしたがって4段階から成り、部分反応(a)及び(c)は選択的
に個々にかつ順次に又は並行的に又は一つの方法段階で行う。最後の場合には付
加物IIを生成する部分反応c)による付加物IIIの異性化は、付加物III
を1,3−ブタジエンへの
アルコールROHの付加の方法段階に復帰させた後、部分反応(a)による付加
と同時に進行する。
一般に部分反応(a)のための装置ユニットで使用される触媒は、そこで適用
される反応条件下で付加物IIIから付加物IIへの異性化及び1,3−ブタジ
エンへのアルコールIの付加を触媒することができ、その結果これらの部分反応
の経過の厳しい空間的分離は存在しない。しかしもちろん段階(a)のための装
置ユニットは単一の反応器も、連続的に接続された数個の反応器を包含すること
ができ、これらの反応器は同一の触媒又は場合により異なる触媒が充填してあり
、同じ操作法で、同一の又は異なる温度−及び圧力条件で操作される。この場合
操作法とは、その都度均質触媒又は不均質触媒を使用する液相での操作又は例外
的には気相での操作を意味する。
次ぎに本発明方法を詳述する:
段階(a)では、1,3−ブタジエン又はブタジエンを含有する炭化水素混合
物を触媒の存在でアルコールROH Iと方程式(I):により反応させて、式IIの1,4−付加物及び式IIIの1,2−付加物を生
成させる。生成された1,4付加物においては二重結合はシス形でもトランス形
でも存在しうる;しかしこれは方法のさらなる進行にとっては重要ではない。こ
の場合付加物II及びIIIは反応条件及び使用された触媒に応じて一般にモル
比1:1〜1:3で生じる。
反応で使用されるアルコールROH Iの種類は一般に方法にとって重要では
ない。第一アルコールも第二アルコールも使用できるが、好ましくは第一アルコ
ールを使用する。脂肪族、脂環式、芳香族ならびに芳香脂肪族アルコールを使用
できるが、好ましくは脂肪族及び芳香脂肪族アルコールを使用する。一般に本発
明方法では、RがC1〜C20−アルキル−、C2〜C10−アルケニル−、特にブテ
−2−エニル−、好ましくはC1〜C4−アルキル−、例えばn−ブチル基、C6
〜C10−アリール−、好ましくはフェニル基又はC7〜C11−アラルキル−、好
ましくはベンジル基である、アルコールROH Iを使用する。R基は場合によ
り、C1〜C10−アルコキシ−及び/又はヒドロキシル基のような置換基によっ
て置換されていてもよい。したがってアルコールROH Iとしてはまた、ジオ
ール、好ましくはエチレングリコール又は1,2−プロパンジオール、又はトリ
オール又はアルコキシアルコールも使用することができる。もちろんまた多数の
炭素原子を有するアルコールも使用することができる。このような高級アルコー
ルは一般に低級アルコールよりも高価なので、経済的理由から好
ましくは低級アルコールを使用する。前記のアルコールの中からn−ブタノール
がジ−n−ブチルエーテルの製造のためには好ましい。
段階(a)では触媒として多数の触媒、例えばブレーンステズ酸又は元素の周
期表のIb、VII又はVIIIb族からの遷移金属、特にパラジウム及びニッ
ケルの錯体を使用することができる。
ブレーンステズ酸としては、例えば慣用の非酸化性ブレーンステズ酸、すなわ
ちハロゲン化水素酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、過塩素酸、フッ化水素酸、テ
トラフルオロホウ酸、メタンスルホン酸又はトルエンスルホン酸、しかし好まし
くは固体のブレーンステズ酸、特に有機又は無機陽イオン交換体が適当である。
元素の周期表のIb、VIIb又はVIIIb族からの元素、例えば銅、ニッ
ケル、ロジウム、パラジウム、白金、レニウム又はイリジウム、好ましくはパラ
ジウム又はニッケルを含有する遷移金属触媒の錯体、特にホスフィン錯体は、反
応媒体中に均質に溶解されているか又は不均質に存在していてよい。
アルキルブテニルエーテルの製造は、一般に使用される触媒ならびに方法条件
に関してWO95/19334の記載により行われ、したがってこの文献及びこ
こに引用された以前の文献が参照されかつ明確にこの出願明細書に関連している
ので、そこに記載されていることは本願に組込まれていると見なすべきである。
アルコール/1,3−ブタジエンのモル比は広い範囲から選択することができ
る。一般には0.5:1〜10:1、好ましくは:1:1〜3.0:1、特に好
ましくは1.5:1〜2.5:1のアルコールROH/1,3−ブタジエン・モ
ル比を使用する。有利にはアルコールROHは常に少なくとも1モルの過剰で使
用する、それというのもそれによってより高い収率が得られるからである。アル
コールROH Iと1,3−ブタジエンとの反応は、方法を液相で実施する場合
には、一般に温度20〜150℃、好ましくは50〜120℃、特に60〜11
0℃の温度及び一般に1〜100バール、好ましくは5〜5バール、特に10〜
30バールの圧力で行う。有利には圧力を、1,3−ブタジエン又はブタジエン
を含有する炭化水素混合物が適用された反応温度で液状であるように選択する。
より高い圧力の適用も可能である。適用される反応温度は有利にはその都度使用
される触媒について予備実験で最適化される。
一般にアルコールROH/1,3−ブタジエン・混合物は、0.01〜0.5
g/cm3h、好ましくは0.05〜0.4g/cm3h、特に好ましくは0.1
0〜0.25g/cm3hの空間速度で触媒固定床中に通過される。反応混合物
に溶剤を加えることも可能であるが、一般には必要ない、それというのも使用さ
れるアルコールは付加物II及びIIIと同様に溶
剤としても作用しうるからである。アルコールROH/1,3−ブタジエン・混
合物の反応器中での滞留時間は一般には1〜6時間であり、一般には適用される
反応温度に依存している。
アルコールROH Iを、気相中で1,3−ブタジエン又はブタジエンを含有
する炭化水素混合物に付加する場合には、一般に120℃未満の温度及び一般に
は20バール未満の圧力を適用する。所望の場合には反応ガスは反応条件下で不
活性のガス、例えば窒素と混合してもよく、一般には反応ガスは希釈しないで使
用する。
原料として純粋な1,3−ブタジエンの代わりに1,3−ブタジエンを含有す
る炭化水素混合物も使用することができる。このような炭化水素混合物は例えば
蒸気分解装置でのいわゆるC4−フラクションとして得られる。有利には該炭化
水素混合物からその使用前に場合によりその中に含有されたアセチレン系又はア
レン系炭化水素をそれらの部分的水素化によって除去し(Weissermel
,Arpe:Industrielle Organische Chemie
;3版,VCH Verlagsgesellschaft,Weinheim
1988)、所望の場合にはイソブテンを除去する。次いで1,3−ブタジエ
ン含有炭化水素混合物を、純粋な1,3−ブタジエンと同様にして部分反応(a
)に導入することができる
。有利にはこれらの炭化水素混合物中に含有されていて、部分反応(a)での反
応時に反応しない飽和又はモノオレンフィン系炭化水素を、例えば気液分離器又
は圧力蒸留によって反応生成物から除去する。部分反応(a)におけるこの炭化
水素混合物の反応の際に得られる式II及びIIIの付加物は、部分反応(a)
における純粋な1,3−ブタジエンを用いて得られる付加物II及びIIIと同
様にしてさらに加工されてn−ブチルアルキルエーテルを生成することができる
。
本発明方法の部分反応(a)からの反応生成物は、一般に未反応の1,3−ブ
タジエン又はオレフィン系炭化水素の他に式II及びIIIの付加物ならびに場
合により、特に触媒としてブレーンステズ酸を使用する場合には、当該アルコキ
シオクタジエンの数種の異性体(以下ではそれらを集合的名称でアルコキシオク
タジエンと呼ぶ)を含有する。アルコキシオクタジエンはアルコールROH I
が1,3−ブタジエンに付加する際に副反応で生成するが、この副反応では先ず
1,3−ブタジエンが二量化してオクタトリエンになり、このものに次ぎにアル
コールROH Iが付加してアルコキシオクタジエンを形成する。部分反応(a
)からの反応生成物はこれらの成分の他に、なお少量の他の副生成物、例えばオ
クタトリエン、ビニルシクロヘキセン、ドデカテトラエンを生成する1,3−ブ
タジエンの三量化及び次ぎのアルコールROHの付加によって生成されたアルコ
キシドデカテトラエン、さらにドデカテトラエン及びジアルコキシブタンを含有
しうる。これらの副生成物の生成は、部分反応(a)における反応実施の方法、
例えば反応混合物中の1,3−ブタジエン/アルコールROHの割合、すなわち
過剰のブタノールの選択、反応温度及び圧力の選択によって影響され、所望の場
合には最小化されうる。
n−ブチルアルキルエーテルの製造のために必要な式IIの付加物は、反応生
成物中にほぼ同量で含有された異性体・式IIIの3−アルコキシブテンから蒸
留段階(b)で分離され、不所望な異性体・3−アルコキシブテン−1IIIを
所望の1−アルコキシブテン−2IIに転化される。
付加物IIIの分離は、有利には、部分反応(a)からの反応生成物を、未反
応1,3−ブタジエンを予め例えば気液分離器又は圧力蒸留で分離した後、分別
蒸留によって分離するように行うことができる。
分別蒸留の際にはまた、部分反応(a)からの反応生成物中に含有された副生
成物、すなわち1,3−ブタジエン−二量体及び−三量体ならびにそれらのアル
コールROH I付加物、場合により多重アルコキシル化副生成物及び過剰なア
ルコールROH Iを付加物IIから分離することもできる。これらの副生成物
は方法の継続的進行中で一般には有害作用を呈しない
ので、それらの分離は行わなくともよく、回収はアルキルブチルエーテルの蒸留
で初めて行う。またこの蒸留の際には次ぎのように行ってもよい:付加物III
の他は副生成物の一部分、特にオレフィン系1,3−ブタジエン−二量体及び−
三量体ならびに多重アルコキシル化副生成物しか分離せず、これに対して他の副
生成物、特にアルコキシオクタジエン及び所望ならばアルコキシドデカトリエン
は付加物IIと一緒に次ぎの部分反応で引続き加工するが、この際部分反応(a
)のこれらの副生成物から最終生成物としてオクチル−又はドデシルアルキルエ
ーテルが生成する。
本発明方法の好ましい実施態様によれば、所望の付加物から分離された付加物
IIIは未反応1,3−ブタジエンと同様に部分反応(a)の方法段階に復帰さ
れる、ここでは付加物IIを生成する付加物IIIの異性化が付加反応と同時に
起きるか又はこの復帰が不所望の付加物IIIの新しい生成を抑制し、その結果
この循環操作法を用いる場合には全量的関係においては実際に所望の付加物II
のみが生成されるが、その不所望の異性体IIIは形成されない。
付加物IIIの異性化はこのものを部分反応(a)の方法段階に復帰させる代
わりに別個の異性化段階(c)でも次ぎのようにして行うことができる:付加物
IIから分離された付加物IIIを例えば異性化触媒、すなわち一般には段階(
a)で使用されるような触
媒の装入された反応器中を通し、その中で形成された付加物IIIと付加物II
との異性化混合物から成る前記反応器の生成物を、例えば蒸留により付加物II
及び付加物IIIに分離し、新しく生成された付加物IIを引続き加工してn−
ブチルアルキルエーテルとなし、付加物IIIを再び異性化反応器に復帰させる
。
付加物IIを生成する付加物IIIの異性化は溶剤の存在又は不在で行うこと
ができる;好ましくは溶剤なしに作業する。異性化を溶剤の存在で行う場合には
、一般に高沸点溶剤、すなわちエーテル、例えばジ−又はトリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジ−又はトリエチレングリコールジ−ブチルエーテル、ス
ルホキシド、例えばジメチルスルホキシド又はスルホン、例えばスルホラン、高
沸点芳香族又は脂肪族炭化水素又はハロゲン化脂肪族又は芳香族溶剤、例えばジ
クロロベンゼンを使用する。低沸点溶剤の使用も同様に可能であるが、一般には
異性化反応器からの生成物を付加物II及びIIIに蒸留分離する際に増大され
た費用を必要とする。
また1−アルコキシブテ−2−エンを生じる3−アルコキシブテ−1−エンの
異性化も一般にはWO95/19334の記載により行うので、触媒及び方法実
施に関しては明らかに前記文献に関連しておりかつそこに記載されたことは本願
に組込まれている見なすべ
きである。
好ましい実施態様によれば、段階(a)の付加及び異性化(c)は、20重量
%までの水、例えば0.0001〜20重量%、好ましくは0.001〜10重
量%、特に0.01〜5重量%の水の存在で行う。
この手段によって所望のアルキルブテニルエーテルの収率は増大する。
水は、段階(a)〜(c)のいずれかで加えるか又はイオン交換体からの水の
除去(他の場合にはこれが普通である)を中断するすることによって導入するこ
とができる。蒸留によって異性体II及びIIIを分離する際には、一般にはエ
ーテル、アルコール及び水から成る共沸混合物が形成されるので、3−アルキル
ブテニルエーテルを含有する共沸混合物の復帰の場合には段階1での特定の水分
が保証されている。この水分は一般には十分である。場合により水分はさらに水
を加えることによって増大させることができる。最適な水分は有利には触媒の種
類に応じて予備実験によって確定する。例えばPUROLITE(登録商標)C
T 175(Purolite社、Deutschland GmbH Rat
ingen)を使用する場合には水分は0.5〜2重量%である。
第4段階(d)では、付加物IIが自体公知の触媒の使用下に接触水素化され
て式IVのエーテルを生じる。 n−ブチルアルキルエーテルIVを生成する付加物IIの水素化は、好ましく
は気相で又は液相でも行うことができる。液相でこの反応段階を実施する場合に
は均質ならびに不均質触媒を使用することができる。気相で作業する場合には、
一般に不均質触媒が好ましい。
付加物IIを水素化してn−ブチルアルキルエーテルIVを生成するための均
質触媒としては、多数の遷移金属化合物、特に元素の周期表のVb、VIb、V
IIb及びVIIIb族からの元素、好ましくは鉄、コバルト、ニッケル、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、白金、オスミウム及び/又はイリジウムを含有
するような化合物を使用することができる。
触媒としては、例えばこれらの遷移金属の塩、特に反応媒体中で溶解するこれ
らの遷移金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、例え
ばC1〜C20−カルボン酸塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、デカン酸塩、さらにクエン酸塩、酒石酸
塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩又はフマル酸塩、スルホン酸塩、例
えばメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩、
トルエンスルホン酸塩又はトリフルオロメタンスルホン酸塩、シアン化物、テト
ラフルオロホウサン酸塩、過塩素酸塩又はヘキサフルオロリン酸塩、さらにこれ
らの金属のオキソ酸の可溶性塩、特にアルカリ金属−、アルカリ土類金属−又は
オニウム塩、例えばアンモニウム−、ホスホニウム−、アルソニウム−又はスチ
ボニウム塩、これらの金属の可溶性無機錯体、特にアクア(Aquo)−、ハロ
ゲン−、ホスフィン−、ホスファイト−、シアノ−又はアミノ−錯体ならびにこ
れらの遷移金属とキレート化剤、すなわちアセチルアセトン、ジオキシム、例え
ばジアセチルジオキシム、フリルジオキシム又はベンジルジオキシム、エチレン
ジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ニトリロトリエタノール、尿素又はチ
オ尿素、ビスホスフィン、ビスホスフィット、ビピリジン、テルピリジン、フェ
ナントロリン、8−ヒドロキシキノリン、クラウンエーテル又はポリアルキレン
グリコールとの錯体、ならびにこれらの遷移金属の有機金属化合物、例えばカル
ボニル錯体、すなわちHRuCl(CO)(PPh3)3,HRuCl(CO)(
ヘキシルジフェニルホスフィン)3,RuH2(CO)(PPh3)3,RuH(C
O)(CH3CO2)(PPh3)2,RuH2(PPh3)3,HRh(CO)(P
Ph3)3又はIrCl(CO)(PPh3=トリフェニルホスフィン)が適当で
ある。。
好ましい塩様均質触媒は、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金及びイリ
ジウムのハロゲン化物、特に塩化物、硝酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン
酸塩及びシアン化物である。
水素化(d)を行うための好ましい均質触媒は、前記の遷移金属、特にコバル
ト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金及びイリジウムと、単
座又は多座の、特に二座のホスフィン−又はホスフィット配位子及び/又はその
錯生成剤としての特性が(−N=C−C=N−)の構造単位から誘導される窒素
含有配位子、例えば2,2−ビピリジン又は1,10−フェナントロピン、なら
びにこれらの基本構造から置換又は融合によって誘導される配位子とから成る錯
体である。
部分反応(d)を実施するための均質触媒として特に好ましく使用される有機
金属遷移金属化合物は、例えばカルボニル錯体、すなわちHRh(PPh3)3(
CO),HRuCl(CO)(PPh3)3,RuH(CO)(CH3CO2)(P
Ph3)2,RuH(CO)(C9H19CO2)(PPh3)2又はRuCl2(CO
)2(PPh3)3である。
適当なホスフィン配位子は、例えば部分反応(a)を実施するために挙げたホ
スフィン配位子と同じものであり、これはすでに言及している。適当な2,2−
ビピリジン−又は1,10−フェナントロリン−配
位子は、例えば部分反応(a)を実施するために挙げた配位子ならびにそこに挙
げた前記配位子の誘導体及び構造類似物であり、これはすでに言及している。
適当なホスフィット配位子は例えばトリアルキルホスフィット、アルキルジア
リールホスフィット、トリアリールホスフィット、アルキル−ビスホスフィット
、アリール−ビスホスフィット、アルキルアリール−ビスホスフィットである。
アルキル基を有するホスフィット配位子は同じか又は異なるC1〜C10−、好ま
しくはC1〜C6−アルキル−又はシクロアルキル基を有することができる。アリ
ール基を有するホスフィット配位子は同じか又は異なるC6〜C12−アリール基
、特にフェニル−又はナフチル基、しかしまたジフェニル基を有することができ
る。また遷移金属を錯化するためには、ヘテロ脂環式基、すなわちピロリジン−
、イミダゾリジン−、ピペリジン−、モルホリン−、オキサゾリジン−、ピペラ
ジン−又はトリアゾリジン基又はヘテロ芳香族基、すなわちピロル−、イミダゾ
ール−、オキサゾール−、インドール−、ピリジン−、キノリン−、ピリミジン
−、ピラゾール−、ピラジン−、ピリダジン−又はキノクサゾリン基を他のアル
キル−又はアリール基と一緒に有するホスフィット配位子を使用することもでき
る。ホスフィット配位子のアルキル−又はアリール基は置換されていてもよいか
又は反応条件下で不活性の置換分、例えばC1
〜C4−アルコキシ−、ジ−C1〜C4−アルキルアミノ−、C1〜C6−アルキル
−又はヒドロキシ−、ニトロ−、シアノ−又はスルホネート−基を有していても
よい。スルホネート置換ホスフィット配位子及びそれらの錯体は一般に水溶性で
ある。適当なホスフィット配位子は、例えばトリメチルホスフィット、トリエチ
ルホスフィット、トリプロピルホスフィット、トリイソプロピルホスフィット、
トリブチルホスフィト、トリシクロペンチルホスフィット、トリシクロヘキシル
ホスフィット、トリフェニルホスフィットならびにヨーロッパ特許出願公開第4
72071号、同第213639号、同第214622号明細書、ドイツ国特許
出願公開第2733796号明細書、ヨーロッパ特許出願公開第2261号、同
第2821号、同第9115号、同第155508号及び同第353770号明
細書、米国特許第4318845号、同第4204997号及び同第43628
30号明細書に記載されたモノ−及びビスホスフィット配位子である。
触媒として反応媒体中に均質に溶解するホスフィン−又はホスフイット錯体を
用いる水素化(d)の場合には、反応混合物にさらにホスフィン又はホスフィッ
ト、好ましくは使用された均質触媒中で配位子として使用されるホスフィン又は
ホスフィット、及び/又はアルカン酸のような酸、例えば酢酸、エチルヘキサン
酸又はデカン酸又はトルエンスルホン酸又はフェノー
ルを加えることが有利であると証明しうる。このような添加は均質触媒の使用期
間の延長をもたらし、さらにn−ブチルアルキルエーテルIVを生成する付加物
IIの反応の選択性、ひいては全方法の選択性を改良することができる。反応混
合物に一酸化炭素を加えるのも、特にカルボニル基を含む遷移金属錯体を均質触
媒として使用する場合には、同様な有利な効果を発揮することができる。
上記の効果を得るためには、一般にホスフィン又はホスフィットを遷移金属の
ホスフィン−又はホスフィット錯体に関して1〜100モル量、好ましくは1〜
20モル量、特に好ましくは1〜5モル量で加える。均質触媒として役立つ遷移
金属錯体が現場の反応混合物中で製造される場合には、有利には当該遷移金属に
関して適当に高い過剰のホスフィン−又はホスフィット配位子を使用する。
反応媒体中で均質に溶解する遷移金属触媒は、一般に反応器に供給した付加物
IIに対して好ましくは0.02〜0.2モル%の量で使用する。その都度使用
される均質触媒に対する最適量は有利には予備実験で求める。
前記の均質触媒を用いる水素化(d)は、不連続的には例えば撹拌反応器で、
又は連続的には例えばループ反応器、気泡塔又は撹拌反応器のカスケードで、一
般には60℃を超える温度及び一般には5〜100バ
ール、好ましくは10〜60バールの圧力で行うことができる。n−ブチルアル
キルエーテルIVを生成する付加物IIの反応は、添加された溶剤、すなわち脂
肪族又は芳香族炭化水素、例えばトルエン、ベンゼン、キシレン又はシクロヘキ
サン、アルコール、例えばブタノール、高級脂肪アルコール又はグリコール、エ
ーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン又は低分子ポリアルキレングリ
コール、ハロゲン化脂肪族又は芳香族炭化水素、例えばクロロホルム、ジクロロ
メタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、スルホキシド又はスルホン、例え
ばジメチルスルホキシド又はスルホンの存在又は不在で行うことができる。
水素化の際に他の溶剤を加えない場合には、反応体自体、つまり付加物II及
びn−ブチルアルキルエーテルIVも均質触媒の溶解を行う。
付加物IIの水素化のためには、水素を、反応器に供給した付加物IIを基準
にして一般には1:1〜100:1、好ましくは1:1〜50:1、特に好まし
くは1:1〜10::1のモル比で混入する。この混入は方法の不連続的操作法
の場合には、必要な水素量を反応器に圧入するか又は例えば気泡塔又は水素を分
散するためのジェットノズルを備えたループ反応器によって水素を反応媒体中で
分散することによって行う。水素の混入は一般に付加物II及び均質触媒を反応
器に装入する際に行うが、しかしまた有利には水素を
後で反応器中に給入してもよい。これらの手順のどれを選択するかは、使用され
る触媒及びその都度適用される圧力−及び温度条件ならびに反応器の構造に依存
している。最適な手順は有利には予備実験で決める。同様にして水素化の連続的
実施形式の場合には、例えば管反応器、気泡塔反応器又は充填塔で水素を他の反
応体と一緒に又は別個に連続的に導入することができる。
反応終了後には反応生成物を一般に蒸留により後処理するが、使用された均質
触媒は蒸留の塔底部から回収され、所望の場合には再使用することができる。本
発明方法で触媒の復帰が望ましい場合には、有利には反応混合物に溶剤、好まし
くはn−ブチルアルキルエーテルよりも高い温度で沸騰する溶剤を加えることが
できる。使用された均質触媒が蒸留の条件下で化学的及び熱的に安定である場合
には、高沸点溶剤の添加を省略して、均質触媒を固体で反応に再び復帰させるこ
とができる。
本発明方法の他の好ましい実施態様においては、n−ブチルアルキルエーテル
IVを生成する付加物IIの水素化は不均質触媒の使用下で行い、該方法を選択
的に液相で又は好ましくは気相で行う。
これらの水素化触媒のうち、元素の周期表のIb、VIb、VIIb及びVI
IIb族の1種以上の元素を、場合によりVb族の1種以上の元素と組合わせて
含有し、特に銅、亜鉛、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニ
ウム、コバルト、ニッケル、ロジウム、イリジウム、パラジウム及び/又は白金
を場合により鉄と組合わせて含有する触媒が好ましい。
特に活性の水素化触媒、ニッケル、コバルト又は白金金属は、触媒毒として働
く主族元素が添加され、このようにして部分的に被毒する。この手段によってn
−ブチルアルキルエーテルを生成する水素化の際のより高い選択性を達成するこ
とができる。適当な主族元素は例えばカルコゲン、すなわち硫黄、セレン及びテ
ルル、ならびに燐、ヒ素、アンチモン、ビスマス、錫、鉛及びタリウム元素であ
る。
不均質触媒としては例えばいわゆる沈殿触媒を使用することができる。このよ
うな触媒は次ぎのようにして製造する:その触媒活性成分をそれらの塩溶液、特
にそれらの硝酸塩及び/又は酢酸塩の溶液から、例えばアルカリ金属−及び/又
はアルカリ土類金属水酸化物及び/又は炭酸塩溶液を加えることによって、例え
ば難溶の水酸化物、水和酸化物、塩基性塩又は炭酸塩として沈殿させ、得られた
沈殿物を次ぎに乾燥し、次いでこれらを一般には300〜700℃、特に400
〜600℃で燒成することによって当該酸化物、混合酸化物及び/又は混合原子
価酸化物に変え、このものを一般には50〜700℃、特に100〜400℃で
還元剤、つまり水素又は水素含有ガスで処理することによって還元して低い酸化
段階の当該金属及び/又は酸化性化合物となしかつ実際の触媒的に活性の形に変
える。この場合一般には、水がもはや形成されなくなるまで還元を行う。担体物
質を含有する沈殿触媒の製造の場合には、当該担体物質の存在で触媒活性成分の
沈殿を行う。しかしまた触媒活性成分は有利には担体物質と一緒に同時に当該塩
溶液から沈殿させてもよい。
好ましくは、担体物質上に析出された水素化を触媒する金属又は金属化合物を
含有する水素化触媒を使用する。水素化(d)のためには、触媒活性成分の他に
なお付加的に担体物質も含有する前記の沈殿触媒の他に、一般に触媒活性成分が
例えば含浸によって担体物質上に施されているような担体触媒が適当である。
触媒活性金属を担体上に施す方法は一般に重要ではなく、種々の仕方で成就す
ることができる。触媒活性金属は、例えば当該元素の塩又は酸化物の溶液又は懸
濁液を担体物質上に含浸させ、乾燥し、次いで金属化合物を還元剤によって、好
ましくは水素、水素含有ガス又はヒドラジンによって還元してより低い酸化段階
の当該金属又は化合物にして担体上に施す。触媒活性金属を該担体上に施すため
の他の手段は、担体に触媒活性金属の熱的に容易に分解可能の塩、例えば硝酸塩
又は熱的に容易に分解可能の錯体化合物、例えばカル
ボニル−又はヒドリド錯体を含浸させ、このように含浸された担体を吸着された
金属化合物の熱分解のために300〜600℃の温度に加熱することである。こ
の熱分解は好ましくは保護ガス雰囲気下で行う。適当な保護ガスは例えば窒素、
二酸化炭素、水素又は希ガスである。さらに触媒活性金属は触媒担体上に蒸着又
は溶射によって付着させることもできる。
担体触媒における触媒活性金属の含量は本発明方法の成就にとっては原則とし
て重要ではなく、担体触媒における触媒活性金属のより高い含量は、当然一般に
はより低い含量よりも高い空時変換率をもたらす。しかし一般には全触媒に対し
て0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜50重量%である触媒活性金属の含
量を有する担体触媒を使用する。もちろんまたより多量の触媒活性金属がその都
度の担体物質上に施されていてもよい。さらに触媒活性金属は、例えばドイツ国
特許出願公開第2519817号、ヨーロッパ特許出願公開第147219号及
び同第285420号明細書の方法により担体上に施すこともできる。前記刊行
物による触媒の場合には触媒活性金属は合金として存在しており、この合金は例
えば含浸によって担体上に付着された前記金属の塩又は錯体の熱処理及び/又は
還元によって製造される。
沈殿触媒及び担体触媒の活性化はまた現場の反応混合物中でそこの存在する水
素によっても行うことがで
きが、好ましくはこれらの触媒はその使用前に活性化される。
担体物質としては一般に、アルミニウム及びチタンの酸化物、二酸化ジルコニ
ウム、二酸化ケイ素、多孔質珪藻土、シリカゲル、クレー、例えばモンモリロナ
イト、ケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウム又はアルミニウム、ゼオライト、例
えばZSM−5又はZSM−10ゼオライトならびに活性炭素を使用することが
できる。好ましい担体物質は酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニ
ウム及び活性炭である。
適当な不均質触媒としては、例えば次ぎの触媒を挙げることができる:二酸化
白金、酸化アルミニウム上のパラジウム、二酸化ケイ素上のパラジウム、硫酸バ
リウム上のパラジウム、活性炭上のロジウム、酸化アルミニウム上のロジウム、
二酸化ケイ素又は活性炭上のルテニウム、二酸化ケイ素上のニッケル、酸化アル
ミニウム上のニッケル、二酸化ジルコニウム上のニッケル、二酸化ケイ素上のコ
バルト、酸化アルミニウム上のコバルト、酸化アルミニウム上のコバルト/モリ
ブデン、カルボニル鉄粉、レニウムブラック(Rhenium−schwarz
)、ラネーレニウム、活性炭上のレニウム、活性炭上のレニウム−パラジウム、
活性炭上のレニウム−白金、二酸化ケイ素上の銅、酸化アルミニウム上の銅、活
性炭上の銅、多孔質珪藻土上の銅、シリカゲル上の銅、二酸化チタン上の銅、二
酸化ジルコニウム上の銅、ケイ酸マグネシウム上の銅、ケイ酸アルミニウム上の
銅、モンモリロナイト上の銅、ゼオライト上の銅、酸化アルミニウム上の銅/亜
鉛、ラネ−銅、酸化白金−酸化ロジウム−混合物、活性炭素上の白金−パラジウ
ム、亜クロム酸銅、亜クロム酸バリウム、酸化アルミニウム上のニッケル−酸化
クロム、ラネーニッケル、硫化コバルト、硫化ニッケル、硫化モリブデン(VI
)、銅−酸化モリブデン(VI)−二酸化ケイ素−酸化アルミニウム−触媒、セ
レン又は鉛で部分的に失効された(vergiftet)、活性炭上のパラジウ
ム触媒ならびにドイツ国特許出願公開第3932332号、米国特許第3449
445号、ヨーロッパ特許出願公開第44444号及び同第147219号、ド
イツ国特許出願公開第3904083号及び同第2321101号、ヨーロッパ
特許出願公開第415202号、ドイツ国特許出願公開第2366264号及び
ヨーロッパ特許出願公開第100406号明細書に記載の触媒。
本発明方法ではまた、ブレーンステズ酸−及び/又はリュイス酸中心又は塩基
中心を有する水素化触媒も使用することができる。このような触媒を使用する場
合には、一般にブレーンステズ酸又はリュイス酸又は塩基を反応混合物にさらに
加える必要はない。
例えば触媒活性金属が触媒を水素又は水素含有ガスで活性化する場合に完全に
は当該金属に還元されない
場合には、同金属自体がブレーンステズ酸−又はリュイス酸中心として作用する
。これは例えばレニウム−及び亜クロム酸塩含有触媒、すなわちレニウム担体触
媒及び亜クロム酸銅の場合に該当する。レニウム担体触媒においてはレニウムは
レニウム金属とレニウム化合物の混合物として高い酸化段階で存在しており、後
者はリュイス酸又はブレーンステズ酸のように作用することができる。さらにこ
のようなリュイス酸、ブレーンステズ酸又は塩基中心は使用された担体物質を介
して触媒中に導入されうる。リュイス酸−又はブレーンステズ酸中心を含有する
担体物質としては、例えば酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウ
ム、二酸化ケイ素、ケイ酸塩、クレー、ゼオライト及び活性炭を挙げることがで
きる。
したがって本発明方法では水素化触媒として、好ましくは元素の周期表のI、
VI、VII及び/又はVIIIの副族の元素、特に元素の周期表のI、VII
及びVIIIの副族の元素を、ブレーンステズ酸又はリュイス酸のように作用す
る担体物質上に付着された状態で含有する担体触媒を使用する。特に有利な触媒
は、例えば活性炭上の銅、二酸化ケイ素上の銅、多孔質珪藻土上の銅、シリカゲ
ル上の銅、二酸化チタン上の銅、二酸化ジルコニウム上の銅、ケイ酸マグネシウ
ム上の銅、ケイ酸アルミニウム上の銅、酸性白土(Bleicherde)上の
銅、ゼオライト上の銅、活
性炭上のルテニウム、酸化アルミニウム上のルテニウム、二酸化ケイ素上のルテ
ニウム、酸化マグネシウム上のルテニウム、二酸化ジルコニウム上のルテニウム
、二酸化チタン上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、二酸化ケイ
素上のパラジウム、硫酸バリウム上のパラジウム及びセレン又は鉛で一部分失活
された(vergiftet)、活性炭上のパラジウム触媒、酸化アルミニウム
上の白金、二酸化ケイ素上の白金、二酸化ジルコニウム上のニッケル、二酸化ケ
イ素上のニッケル、酸化アルミニウム上のニッケル、酸化アルミニウム上のニッ
ケル−銅、二酸化ケイ素上のコバルト、酸化アルミニウム上のコバルト、酸化ア
ルミニウム上のコバルト−モリブデンである。
このようなブレーンステズ酸又はリュイス酸中心自体を有しない水素化触媒に
は、リュイス酸又はブレーンステズ酸成分、例えばゼオライト、酸化アルミニウ
ム又は−ケイ素、リン酸又は硫酸を添加することができる。これらの成分は一般
に使用された触媒の重量を基準にして0.01〜5重量%、好ましくは0.05
〜0.5重量%、特に好ましくは0.1〜0.4重量%の量で添加する。
さらにn−ブチルアルキルエーテルIVを生成する付加物IIの水素化のため
には、この方法段階の均質触媒のために使用できる、元素の周期表のVIb、V
IIb及びVIIIb族からの遷移金属の錯体化合物
を不均質化された形で含有する不均質触媒、例えば当該遷移金属がポリマーマト
リックスに固定されているようなものも適当である。
このようなポリマーマトリックスは、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂又はフ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂のような樹脂であってよく、これらの樹脂に遷
移金属の錯生成のために役立つ当該配位子が好ましくは共有結合されていて、同
配位子が今度は当該遷移金属と共に錯体を形成し、同金属をこのようにしていわ
ば不動化する。
n−ブチルアルキルエーテルIVを生成する付加物IIの水素化は前記の不均
質触媒を用いて連続的にも不連続的にも行うことができる。
前記反応を液相で行なう場合には、不均質触媒は液体反応媒体中に懸濁されて
又は好ましくは1個の固定床又は数個の固定床に配置されて使用されうる。該方
法は液体反応媒体中に懸濁された不均質触媒を使用する場合には、例えば撹拌反
応器又はループ反応器で行なうことができる。1個の固定床に配置された不均質
触媒を使用する場合には、反応混合物は一般に逆流法(Sumpffahrwe
ise)又は順流法(Rieselfahrweise)で触媒固定床上を導く
。
水素化は断熱的又は等温的に操作される反応器で行なうことができる。一般に
触媒には、空間速度0.0
1〜10kg反応混合物/l触媒・h、好ましくは0.05〜6、特に好ましく
は0.08〜3kg/l・hを有する液体反応混合物を負荷させる。不均質触媒
を使用する場合には反応は溶剤の存在又は不在で行なうことができる。溶剤とし
ては、均質触媒下で該方法を実施する場合にも使用できる同じ溶剤を使用するこ
とができる。
水素は、不均質触媒の場合には、反応器に供給された付加物IIに対して一般
には1〜100、好ましくは1.5〜80、特に2〜40のモル比で加える。不
均質触媒により液相でn−ブチルアルキルエーテルIVを生成する付加物IIの
水素化は、一般には20〜400℃、好ましくは30〜350℃、特に好ましく
は80〜250℃の温度及び一般には1〜300バール、好ましくは5〜250
バール、特に20〜200バールの圧力で行う。
段階(d)からの液体反応生成物は、一般には均質触媒に関してすでに記載し
たように蒸留により後処理する。
水素化はまた気相でも行うことができる。このためには気相反応のためのそれ
自体慣用の反応器、例えば触媒が固定床又は流動床に配置されているようなもの
を使用することができる。反応器は断熱的又は等温的に操作することができる。
触媒の固定床配置を使用する場合には、触媒は1個の固定床又は有利には反応熱
の排出を改善するために数個、例えば2〜10個、好ましくは2〜5個の固定床
に配置されていてもよい。数個の触媒固定床又は反応器の断熱的操作法の場合に
は、反応ガスの中間床冷却及び/又は付加的量の冷却反応体、つまり水素又は付
加物IIの個々の固定床の間への圧入によって、反応ガスの温度を先行固定床を
出た後及び次ぎの固定床に入る前に下げて、反応の選択性を高めるのが有利であ
る場合もある。数個の固定床を使用する場合には、反応は、有利には最終固定床
前の個々の固定床では部分変換率まで、例えば50〜98%の変換率までしか行
われない。反応ガスは所望の場合には反応条件下で不活性のガス、例えば窒素、
飽和炭化水素又はアルゴンで希釈することができる。
気相での水素化の場合には、水素は反応器に供給された付加物IIに対して一
般には1〜200、好ましくは1.5〜80、特に好ましくは2〜40のモル比
で加える。水素は付加物IIと一緒に及び/又は数個の部分流に分けて、反応器
の種々の部分から反応器に供給することができる。一般に触媒には、大体におい
て付加物II、水素及び所望の場合には不活性ガスを含有する反応ガスを、空間
速度0.01〜10、好ましくは0.05〜5、特に0.07〜3kg反応ガス
/l触媒・hをもって負荷させる。反応は一般に20〜400℃、好ましくは1
00〜350℃、特に好ましくは150〜250℃の温度及び一般に0.5〜1
00バール、好ましくは0.9〜50バール、特に1〜20バールの圧力で行う
。
ガス状反応生成物の後処理のためには、同生成物を場合により大気圧に減圧し
た後蒸留器に直接導入し、そこで蒸留によりその成分に分離することができる。
ガス相での水素化のためには、原則として液相での反応の際にも使用する同じ
不均質触媒を使用することができる。ガス相法では好ましくは純粋に無機の鉱物
触媒を使用する。好ましい触媒は、例えば元素の周期表のI、VI、VII及び
/又はVIIIの副族の元素を、場合によりVの副族の1種以上の元素と組合わ
せて含有し、特にブレーンステズ酸、リュイス酸又は塩基作用をする担体物質上
に付着された元素の周期表のI、VII及びVIIIの副族の元素を含有する担
体触媒である。有利な触媒は、例えば活性炭上の銅、二酸化ケイ素上の銅、多孔
質珪藻土上の銅、シリカゲル上の銅、二酸化チタン上の銅、二酸化ジルコニウム
上の銅、ケイ酸マグネシウム上の銅、ケイ酸アルミニウム上の銅、酸性白土上の
銅、ゼオライト上の銅、活性炭上のルテニウム、酸化アルミニウム上のルテニウ
ム、二酸化ケイ素上のルテニウム、酸化マグネシウム上のルテニウム、二酸化ジ
ルコニウム上のルテニウム、二酸化チタン上のルテニウム、酸化アルミニウム上
のパラジウム、二酸化ケイ素上のパラジウム、硫酸バリウム上のパラジウム及び
セレン又は鉛で部分的に失
活された活性炭上のパラジウム触媒、酸化アルミニウム上の白金、二酸化ケイ素
上の白金、二酸化ジルコニウム上のニッケル、二酸化ケイ素上のニッケル、酸化
アルミニウム上のニッケル、酸化アルミニウム上のニッケル−銅、二酸化ケイ素
上のコバルト、酸化アルミニウム上のコバルト、酸化アルミニウム上のコバルト
−モリブデンである。
本発明方法を、有利な実施態様を図示する添付図面のフローチャートにより詳
述する。
供給管1を介して1,3−ブタジエン又はブタジエン含有炭化水素混合物(3
)及びアルコールROH I(4)、好ましくはn−ブタノールから成る混合物
を反応器2に導入する。反応器2でアルコールROH Iが触媒により1,3−
ブタジエンに付加され、この際付加物II及びIIIの混合物が形成される。大
体において付加物II及びIII、高沸点のブタジエン誘導体及び未反応の1,
3−ブタジエン及びアルコールROH Iから成る反応器2からの反応流出物は
、導管5を介して気液分離器6に供給され、そこでガス状1,3−ブタジエンが
反応流出物の液体成分から分離され、導管7、8を介して反応器2に再び復帰さ
れるか又は導管9を介してトーチに運ばれる(abgefackelt)。分離
器6で生じる液体混合物は導管10を介して蒸留塔11に導入され、ここで易揮
発性の付加物IIIが、難揮発性の付加物IIならび
にまだ場合により存在しているアルコールROH I及び高沸点ブタジエン誘導
体から蒸留により分離される。付加物III、未反応アルコールROH Iなら
びに場合によってまだ存在する未反応1,3−ブタジエンは次ぎに導管12を介
して反応器2に戻され、ここで付加物IIIは供給されたばかりの1,3−ブタ
ジエン及びアルコールROH Iの存在で異性化されて付加物IIを生じる。選
択的には、また未反応アルコールも場合により付加物IIと一緒に導管13を介
して反応器14に供給されうる。反応器2からの流出物と一緒に塔11に供給さ
れた低沸点生成物、例えばビニルシクロヘキサンは、所望の場合には塔11で分
離された残余ブタジエンと一緒に出口26を介してトーチ(Fackel)に運
ばれる。単一の蒸留塔11の代わりに数個の蒸留塔が連続的に接続されていても
よい。これによって反応器2の流出物中に含有された高沸点反応生成物、例えば
アルコキシオクタジエン又はアルコキシドデカトリエンが付加物IIから分離さ
れて、方法から除去される。これらの化合物は水素化(d)の際に有害作用を呈
しないので、分離を行わないでもよくかつアルコキシオクタジエン又はアルコキ
シドデカトリエンンは付加物IIと一緒に導管13を介して水素化反応器14に
供給されうる。
易揮発性付加物III及び低沸点副生成物、場合により高沸点副生成物を除去
した、塔11からの液体流
出物は、場合により未反応アルコールROH Iと一緒に導管13を介して水素
化反応器14に供給され、ここで付加物IIは均質又は不均質遷移金属触媒の存
在で水素化されてn−ブチルアルキルエーテルIVを生成する。導管15又は1
6を介して必要な水素が供給される。
反応器14からの反応流出物は大体おいてn−ブチルアルキルエーテル、高沸
点ブタジエン誘導体、例えばオクチルアルキルエーテル又はドデシルアルキルエ
ーテル及び、反応器14で均質触媒が使用された場合には触媒溶液を含有してお
り、この反応生成物は導管17を介して蒸留塔18に供給される。未反応水素は
大部分導管19を介して取出されかつ導管15又は16を介して反応に復帰され
るか又はトーチに運ばれる。所望の場合には水素はまた反応器14と蒸留塔18
との間に取付けられた気液分離器により分離され、前述のように引続き使用され
うる。
蒸留塔18では、反応器14からの水素化流出物は蒸留によりその成分に分け
られる。低沸点副生成物は塔頂より導管20を介して取出され、さらなる精製の
ために追加的蒸留段階(ここには図示してない)で後処理される。n−ブチルア
ルキルエーテルは導管21を介して塔から排出され、高沸点生成物、例えばオク
チルアルキルエーテル及びドデシルアルキルエーテルは数個の出口(22)を介
して塔18の下部で取出さ
れる。反応器14で均質触媒を使用した場合には、触媒溶液は塔18の塔底から
導管23を介して取出され、場合により既使用触媒の部分流を導管24を介して
除去しかつ導管25を介して新しい触媒を補充した後、再び反応器14に復帰さ
れる。
米国特許第2922822号明細書(例1)及びWO95/19334からは
なるほど、ブタジエンに対するアルコールの付加物の分離及び復帰によって異性
化を行い、二つの異性体の一方のみを製造することはすでに公知である。しかし
両刊行物には、付加反応、分離、異性化及び水素化の結合によって新規でかつ技
術的に極めて有利な方法でアルキルブチルエーテルを製造することが成功するこ
とは、記載されていないし、またそれらから予想され得ない。
実施例
例1(ブタジエンに対するアルコールの付加及び異性化)
(部分反応a)
ブチルブテニルエーテル混合物(3−ブトキシブテ−1−エン及び1−ブトキ
シブテ−2−エン)の製造を、WO95/19334の例1〜4ならびに8〜1
1に記載されているように行った。
別個の異性化段階で行うか又は式IIIの付加物を段階(a)に復帰させるこ
とによって行う、付加物IIを生成する付加物IIIの異性化は、WO95/1
9334の例5で記載されているように行った。
例2(均質触媒による付加物IIの水素化)
a)オートクレーブに触媒HRuCl(CO)(PPh3)30.25g及び1−
ブトキシブテ−2−エン26.95g(210mモル)を装入し、18バールの
水素雰囲気下で150℃で6時間撹拌した。次ぎに反応混合物を較正したガスク
ロマトグラフィーによって分析した。92%の変換率の場合には、ジ−n−ブチ
ルエーテルは選択率90%で得られ、1−ブトキシブテ−1−エンは選択率3%
で、1,1−ジブトキシブタンは選択率4%で得られた。
b)オートクレーブに触媒HRh(CO)(PPh3)30.24g及び1−ブト
キシブテ−2−エン26.95g(210mモル)を装入し、18バールの水素
雰囲気下で150℃で6時間撹拌した。次ぎに反応混合物を較正したガスクロマ
トグラフィーによって分析した。82%の変換率の場合、ジ−n−ブチルエーテ
ルは選択率76%で得られ、1−ブトキシブテ−1−エンは選択率13%で、1
,1−ジブトキシブタンは選択率8%で得られた。
例3(液相での不均質触媒による付加物IIの水素化)
ガラスオートクレーブに活性炭上のパラジウム触媒(10%)0.1g及び1
−ブトキブテ−2−エン7.0g(54mモル)を装入した。100℃で12バ
ールの水素圧下での3時間の反応後に反応混合物を較正したガスクロマトグラフ
ィーによって分析した。99%の変換率で、ジ−n−ブチルエーテルは選択率8
2%で得られた。
例4(気相での不均質触媒による付加物IIの水素化)
反応器中にニッケル/銅−酸化アルミニウム−触媒(NiOとして計算して5
0重量%のニッケル含量及びCuOとして計算して17重量%の銅含量を有する
)100mlを装入した。触媒床の温度を形成ガス(水素2%)の存在で大気圧
で2時間のうちに200℃の温度に高めた。次ぎに水素分を2時間毎に25%、
50%及び100%に高めた。次ぎに反応器を170℃に冷却し、1−ブトキシ
−2−エン24g/hを大気圧で反応器中を導通させた。同時に反応器に9.5
l/hの水素流を供給した。冷却後に単一相の液体の反応器流出物を較正したガ
スクロマトグラフィーによって分析した。99%の変換率で、ジ−n−ブチルエ
ーテルが選択率99%で得られた。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
// C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU
,BG,BR,CA,CN,CZ,GE,HU,IL,
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O,SG,SI,SK,TR,UA,US
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. n−ブチルアルキルエーテルを製造するに当り、 a)1,3−ブタジエン又はブタジエンを含有する炭化水素混合物を、高められ た温度及び高められた圧力でブレーンステズ酸の存在又は燐又は窒素を含む配位 子を有する、元素の周期表のIb、VIIb又はVIIIb族からの元素の錯体 の存在で、式I: ROH I 〔式中Rは未置換の又はC1〜C10−アルコキシ−又はヒドロキシ基1〜2個で 置換されたC2〜C20−アルキル−、アルケニル−、シクロアルキル−又はシク ロアルケニル−、C6〜C10−アリール−又はC7〜C11−アラルキル基又はメチ ル基である〕 で示されるアルコールと反応させて式II: 及び式III 〔式中Rは前記のものを表す〕で示される付加物の混合物を生成させ、 b)式II及びIIIの付加物を分離し、 c)付加物IIIを、(a)に関して記載したような触媒の存在で異性化して付 加物IIを生成させ、かつ d)付加物IIを、液相中の均質又は不均質の遷移金属元素触媒の存在又は気相 中の不均質の遷移金属元素含有触媒の存在で水素化して式IV: で示されるn−ブチルアルキルエーテルを生成させることを特徴とする、n−ブ チルアルキルエーテルの製造方法。 2. 1,3−ブタジエン又はブタジエン含有炭化水素混合物とアルコールRO H Iとの反応を酸性イオン交換体の存在で行う、請求項1記載の方法。 3. 1,3−ブタジエン又はブタジエン含有炭化水素混合物とアルコールRO H Iとの反応を、元素の周期表のVIIb又はVIIIb族からの遷移金属の アルキル−、アリール−又はアリールアルキル−ホスフィン錯体からの触媒の存 在で行う、請求項1記載の方法。 4. 1,3−ブタジエン又はブタジエン含有炭化水素混合物とアルコールRO H Iとの反応を、パラジウムのアルキル−、アリール−又はアリールアルキル −ホスフィン錯体からの触媒の存在で行う、請求項1記載の方法。 5. 付加物IIを生成する付加物IIIの異性化を 、部分反応(a)によるアルコールROH Iの付加の触媒作用のために使用さ れるような触媒の存在で行うか、又は付加物IIIを直接部分反応(a)に戻し 、そこで異性化して付加物IIを生成させる、請求項1記載の方法。 6. 水素化(d)を液相又は気相で不均質水素化触媒により行う、請求項1記 載の方法。 7. 水素化(d)を気相中で、元素の周期表のIb、VIb、VIIb及び/ 又はVIIIb族からの1種以上の元素を含有する、少なくとも1種の不均質触 媒の存在で行う、請求項1記載の方法。 8. 水素化(d)を、担体物質上のパラジウム、ニッケル又は銅又はこれらの 元素の混合物を含有する、少なくとも1種の不均質触媒の存在で行う、請求項1 記載の方法。 9. アルコールROH Iとしてn−ブタノールを使用しかつこのものを段階 (a)で少なくとも1モル過剰で使用する、請求項1記載の方法。 10.反応を少なくとも段階(a)〜(c)では反応混合物に対して20重量% までの水の存在で行う、請求項1記載の方法。
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