JP2001515499A - n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの製造方法 - Google Patents

n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールを製造するにあたり、a)1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物を、式I:ROH[式中、Rは、非置換のC2〜C20−アルキルもしくはC2〜C20−アルケニルまたは1個もしくは2個のC1〜C10−アルコキシもしくはヒドロキシル基によって置換されているC2〜C20−アルキルもしくはC2〜C20−アルケニル、C6〜C10−アリールもしくはC7〜C11−アラルキルまたはメチル基である]のアルコールと、高温および高圧下に、ブレンステッド酸ならびに元素の周期律表のIA族、VIIA族もしくはVIIIA族の元素のリンもしくは窒素を含有する配位子との錯体の存在下に反応させ、式IIおよび式III: の付加物の混合物を形成させ、b)付加物IIIを付加物IIに異性化し、c)付加物IIIを、アセタールIV:

Description

【発明の詳細な説明】 n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの製造方法 本発明は、n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの製造方法に 関する。 n−ブチルアルデヒドおよびn−ブタノールは化学工業の主要な事業であり、 かつ広範に使用される。例えばn−ブチルアルデヒドは、世界中で4百万トン( メートル法)/年より多くの量が生産され、就中、可塑剤アルコールの製造のた めの出発材料として使用される。n−ブタノールは、例えばコーティングのため の溶剤として大量に使用される。 今日、n−ブチルアルデヒドは、大規模な工業で事実上専ら、コバルトまたは ロジウムのヒドロホルミル化触媒を実質的に使用する種々の方法を使用するプロ ペンのヒドロホルミル化によって製造される(Kirk-Othmer:Encyclopedia of Ch emical Technology,4th edition,Volum 4,pages 741-746,John Wiley & Son s,New York 1992)。 n−ブタノールは、量の点でn−ブチルアルデヒドの最も重要な二次生成物の 1つであり、これから水素添加によって得られる。アセトアルデヒドのアルドー ル縮合によっても製造されるn−ブタノールの製造の ための他の方法、例えばクロトンアルデヒドの水素添加は、今日歴史的に関心が あるだけであるか、または糖蜜の発酵による微生物のn−ブタノールの製造のよ うな分野的に重要なだけである(Kirk-thmer:Encyclopedia of Chemical Techno logy,4th edition,Volume 4,pages 694696,John Wiley & Sons,New York 1 992)。これらの方法、特にプロペンのヒドロホルミル化は、例えばコバルトで 触媒するヒドロホルミル化のための高圧プラントの建設または高価なロジウム触 媒の購入、ヒドロホルミル化において該触媒を取り扱うための装置および消費さ れるロジウム含有触媒溶液の後処理のための装置に高い資本経費が必要である。 更に、ヒドロホルミル化法によるn−ブチルアルデヒドの製造は、ヒドロホルミ ル化のために必要な合成ガスを提供する合成ガスプラントが必要である。ヒドロ ホルミル化法の他の欠点は、不可避的に製造されかつ限られた量でのみ更に使用 が可能である工業的にほとんど価値がない大量の副生成物のイソブチルアルデヒ ドである。 1,3−ブタジエンは、スチームクラッカー(steam cracker)中で大量に製 造される基礎的な化学薬品であり、例えばN−メチルピロリドンによる抽出によ ってスチームクラッカーのC4留分から単離される。1,3−ブタジエンは、大 量に入手可能であり、かつ非常に経済的な原材料である。しかしながら、原材料 の1,3−ブタジエンから出発するブタノールおよび/またはブチルアルデヒド の製造は、幾つかの難点を必然的に伴ってしまう。これは、1,3−ブタジエン が二量体化および重合反応を起こす傾向にあることと付加反応において1,2− 付加物および1,4−付加物の混合物を形成する傾向にあることの両者のためで ある。この化学的挙動の原因は、1,3−ブタジエン分子中の2個の共役二重結 合の存在である(Kirk-Othmer:Encyclopedia of Chemical Technology,4th edi tion,Volume 4,pages 676-683,John Wiley & Sons ,New York 1992)。 米国特許第2922822号明細書および東ドイツ国特許出願公開第2550 902号明細書は、液相中のアルコールを、酸性のイオン交換体の存在下に1, 3−ブタジエンと反応させて、相応の不飽和エーテルが得られることを開示して いる。米国特許第2922822号明細書においては、該反応を、大過剰のメタ ノールの存在下に実施しているが、これは不所望なジメチルエーテルの形成の増 加を惹起する。東ドイツ国特許出願公開第2550902号明細書の方法におい ては、ビニルシクロヘキセンが、主要生成物として形成される。欧州特許出願公 開第25240号明細書によれば、有利にはアルコールと1,3−ブタジエンと の付加反応は、後に再び除去する必要がある極性の非プロトン性溶剤の存在下に 実施される。英国特許第9 43160号明細書によれば、アルコールの付加反応は、銅塩の存在下にブレン ステッド酸を使用して実施される。 更に、ホスフィン配位子を有する遷移金属錯体が、アルコールと1,3−ブタ ジエンとの付加反応のための触媒として使用された。カウビン他(Chauvin et a l.(Bull.Chim.Soc.France(1974),652))によって、ニッケルおよびパラジウ ムのトリアルキルホスフィン錯体およびトリアリールホスフィン錯体を使用する アルコールと1,3−ブタジエンとの付加反応が調査された。これらの反応の幾 つかにおいて、アルコレート、特にフェノレートが共触媒として使用された。西 ドイツ国特許出願公開第206989号明細書によれば、トリアルキルホスフィ ンもしくはトリアリールホスフィンまたはトリアルキルホスフィットもしくはト リアリールホスフィット配位子とのアルキルパラジウム(II)錯体が、アルカ リ金属アルコレートの存在下にイソプレンとアルコールとの反応のために使用さ れる。カワズラ他(Kawazura et al.(J.Chem.Soc.Chem.Com.(1972)2213)) 、同じくデビルスト(Dewhirst(J.Org.Chem.32,(1967)1297))も、触媒とし て塩化ロジウム(III)を使用している。テイラー(Taylor(Symposium on ne w Routes to new Olefins;Division of Petroleum Chemistry,Inc.;Amerlcan C hemical Society,Boston Meeting,1972)によ って、塩化銅(I)とロジウム(I)−アルカジエン錯体によるアルコールと1 ,3−ブタジエンとの付加反応が調査された。ジョリー他(Jolly et al.(Synt hesis(1990)771))は、1,3−ブタジエンとトリアルキルホスフィン−パラ ジウム錯体との反応を挙げている。前記の全反応において、3−アルコキシブテ −1−エンと1−アルコキシブテ−2−エンとの混合物が生成する。これらの従 来の技術の反応の多くでは、変換率および収率が不十分であり、かつ前記反応は 、大量のオリゴマーのブタジエン誘導体を形成し、これらは事実上使用されない か、または非常に少量で使用されるだけなので、大規模な工業的方法で不可避的 に形成するこれらの副生成物の大部分を処分する必要がある。 米国特許第4788325号明細書およびチャン(Chang(J.Organomet.Chem.31 (1995),492))は、触媒としてジコバルトオクタカルボニル(Co2(CO )8)を使用する水素と一酸化炭素の存在下でのアリルエーテルとアルコールと の反応を記載している。これらの条件下では、ジコバルトオクタカルボニルは、 実用的な触媒活性種であるヒドリドコバルトテトラカルボニル(HCo(CO)4 )に変換される。この反応において、相応の飽和アセタールが得られる。更に 、チャンは、前記のコバルトカルボニルの存在下でこれらのアセタールを加水分 解して相応のアルデヒド が得られることを記載している。この方法の欠点は、コバルトカルボニルが加水 分解においてアルドール縮合触媒としても作用し、アセタールの加水分解におい て不所望なアルドール縮合副生成物の形成を引き起こすことである。他の欠点は 、使用されるコバルトカルボニル化合物が比較的容易に揮発し、かつ生成混合物 を蒸留によって後処理する際にアルデヒドまたはアルコールと一緒に部分的に排 出され、その結果、このアルデヒドまたはアルコールの更なる使用の前に、その 中に含まれるコバルトカルボニルを、大規模なコバルト除去工程によって除去せ ねばならないことである。従って、この方法は非経済的である。 米国特許第4658069号明細書は、付加的にホルミル基またはカルボキシ ル基を有するアリルエーテルを相応のジアセタールに変換するにあたり、その際 、アリルエーテルを、無水条件下でアルカノールと反応させ、次いで該反応で形 成する水を、第1工程で除去し、第2工程では、第1工程で得られたアリルエー テルアセタールを、ハロゲン化ルテニウム触媒とアルカノールを使用して飽和ジ アセタールに変換する方法に関する。また、ハロゲン化イリジウムも適当な触媒 として挙げられる。本願に記載される反応条件下では、飽和アセタールだけが形 成する。 特開昭47−25114号公報は、アセタールをアリルエーテルから、該エー テルとアルカノールとを塩 化ルテニウム(III)触媒の存在下に反応させることによって製造するための 方法に関する。該明細書の実施例においては、1−メトキシ−2,7−オクタジ エンをメタノールと反応させ、かつRuCl3によって窒素雰囲気下で1,1− ジメトキシオクテ−7−エンが生成する。更なる工程において、パラジウム触媒 上で2重結合を水素添加し、次いで第3工程では、このようにして得られたカプ リルアルデヒドジメチルアセタールを硫酸で加水分解して、カプリルアルデヒド が生成する。 国際特許公表第95/19334号明細書は、ブチルアルデヒドおよび/また はブタノールを製造するにあたり、その際、アルカノールと1,3−ブタジエン とを付加反応させ、次いで生成するアリルエーテルをエノールエーテルに異性化 し、かつ水または水と水素との反応によってブチルアルデヒドおよび/またはブ タノールに変換する方法に関する。 本発明の課題は、n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールを、高 い収率および選択率で製造することを可能にする原材料の1,3−ブタジエンか ら出発して前記生成物を製造するための、工業的に大規模に使用できる方法を提 供することであり、特にこの方法において形成する副生成物の量は少量であるか 、またはこれらの副生成物は望ましい工業的生成物であるべきである。更に、該 方法は、選択的にn−ブチ ルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールを、これらの化合物の需要により製 造を可能にする適応性があるべきである。該方法の実施は、合成ガスプラントの 存在によらず、高圧プラントまたは付加的な精製工程、例えばコバルト除去工程 なくして達成されるべきである。 前記課題は、 a)1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物と、式I: [式中、Rは、非置換であるか、または1個または2個のC1〜C10−アルコキ シもしくはヒドロキシル基によって置換されているC2〜C20−アルキルまたは アルケニル、またはC6〜C10−アリール、C7〜C11−アラルキルまたはメチル である]のアルコールとを、高めた温度および過圧下で、ブレンステッド酸また はリン含有配位子または窒素含有配位子との、周期律表のIA族、VIIA族ま たはVIIIA族の元素の錯体の存在下に反応させて、式II: および式III:の付加物の混合物を得、 b)付加物IIIを付加物IIに異性化し、 c)付加物IIを式IV: のアセタールに、アセタールIVの形成に十分な量のアルコールROH(I)お よびジコバルトオクタカルボニルまたはヒドリドコバルトテトラカルボニルと異 なる均一系または不均一系触媒の存在下に、液相中で、実質的に無水条件下で変 換させ、 d)次いで、n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールを、前記アセ タールIVから、これを液相中で水素と水または水と、ジコバルトオクタカルボ ニルまたはヒドリドコバルトテトラカルボニルと異なる均一系または不均一系遷 移金属触媒の存在下に反応させることによって製造し、かつアルコールROH( I)が遊離し、 遊離したアルコールROH(I)を、反応工程a)および/またはc)の反応に 再利用する、 n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの製造方法によって解決さ れると判明した。 このように、新規方法は、4つの反応工程a)〜d)で構成される。反応工程 a)およびb)は、個々に、連続的に、少なくとも2つの方法工程で、または単 一の方法工程で実質的に同時に実施でき、その際、ア ルコールROH(I)と1,3−ブタジエンとの付加反応を含む方法工程に付加 物IIIを再利用した後に、反応工程b)における付加物IIIの付加物IIへ の異性化は反応工程a)の付加反応と同時に実施される。一方、有利には反応工 程c)およびd)は、連続的に、2つの方法工程で実施される。結果として、新 規方法に関する方法の条件を、簡単な方法で、例えば現場に既に存在するプラン ト部分を新規方法のためのプラント中に組み込むことによって、該方法を実施す るためのプラントを設置する場所の位置的な条件に合わせることができる。更に 、新規方法は、高価な貴金属触媒を使用する必要がないように設計することがで きる。 用語“方法工程”は、本明細書中では、1つのプラントユニットに関して使用 され、該ユニットにおいて、個々の反応工程a)〜d)は、このプラントユニッ トで使用される1種または複数の触媒上で実施されるか、または多種の、特に2 種のこれらの反応工程は、連続的にこのプラントユニットで使用される1種また は複数種の触媒上で実施される。反応工程d)によるアセタールIVの加水分解 または加水分解/水素添加の組合せは、本明細書中に特に記載がない限りは、単 一の反応工程とする。 プラントユニットで使用される触媒またはプラントユニットで使用される各触 媒が、そこで使用される反 応条件下で、例えば反応工程b)による付加物IIIの付加物IIへの異性化お よび反応工程a)によるアルコールROH(I)と1,3−ブタジエンとの付加 反応を触媒することができるのであれば、結果として、これらの反応工程を厳密 に空間的に分離する必要はないので、本明細書は、反応工程a)およびb)を唯 一の方法工程で実施することを示している。プラントユニットは、唯一の反応器 または連結された多数の反応器のどちらかを有していてもよく、その際、該反応 器は、同一の触媒または、所望であれば別の触媒で充填されており、かつ同一の 操作方式ならびに同一または異なる温度および圧力条件下で作動される。操作方 式は、その都度水相中で均一系触媒を使用する操作または水相中で不均一系触媒 を使用する操作を示すと解されるべきである。従って、例えば本明細書は、一定 の反応工程を触媒可能な触媒が個々の連続的な反応器中で使用されるか、または これらの反応器中で異なる操作方式が使用される場合には、単一の方法工程の反 応に適用されない。 ブテニルエーテルIIの反応によってn−ブチルアルデヒドおよび/またはn −ブタノールを得ることは、前記の一体化された方法以外の方法で、例えばハロ ゲン化アリルとアルコールROH(I)との塩基の存在下での反応によって製造 されたブテニルエーテルIIから出発して実施することもできる。よって、n− ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの製造にあたり、式II: [式中、Rは非置換または1個もしくは2個のC1〜C10−アルコキシまたはヒ ドロキシル基によって置換されているC2〜C20−アルキルまたはアルケニル基 、またはC6〜C10−アリール、C7〜C11−アラルキルもしくはメチルである] のエーテルを、式IV: のアセタールに、アセタールIVを形成させるのに十分な量の、Rが前記のもの であるアルコールROH(I)およびジコバルトオクタカルボニルまたはヒドリ ドコバルトテトラカルボニルとは異なる均一系または不均一系の遷移金属触媒の 存在下に、水相において、実質的に無水条件下で変換し、引き続きn−ブチルア ルデヒドおよび/またはn−ブタノールを、前記アセタールIVから、これを水 相において水素と水または水と、ジコバルトオクタカルボニルまたはヒドリドコ バルトテトラカルボニルとは異なる均一系または不均一系の遷移金属触媒の存在 下に反応させることによって製造し、かつアルコールROH(I)が遊離する方 法が見出された。 新規方法を、以下でより詳細に記載する: 工程a)において、1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物 とアルコールROH(I)とを、反応式:に従って、触媒の存在下に反応させ、式IIの1,4−付加物および式IIIの 1,2−付加物が得られる。生成する1,4−付加物IIにおいては、2重結合 はシス型またはトランス型で存在してもよいが、これは該方法の更なる経路に関 しては重要ではない。付加物IIおよび付加物IIIは、一般に使用される反応 条件および触媒によって、モル比1:1〜1:3で形成する。 該反応で使用されるアルコールROH(I)の種類は、原則として該方法に関 しては重要でない。第一級アルコールおよび第二級アルコールの両者を使用して もよいが、有利には第一級アルコールが使用される。脂肪族アルコール、脂環式 アルコール、芳香族アルコールおよびアリール脂肪族アルコールを使用してもよ く、有利には脂肪族アルコールおよびアリール脂肪族アルコールが使用される。 一般に、新規方法で使用されるアルコールROH(I)は、RがC1〜C20−ア ルキル、C3〜C10−アルケニル、例えばアリルまたはブテ−2−エニル、C5〜 C20−アルカジエニル、 有利には累積2重結合を有さない、例えばオクタ−2,7−ジエン−1−イル− 、有利にはC1〜C4−アルキル、特にn−ブチル、C6〜C10−アリール、有利 にはフェニル、またはC7〜C11−アラルキル、有利にはベンジルであるアルコ ールである。基Rは、非置換またはC1〜C10−アルコキシおよび/またはヒド ロキシルによって置換されていてもよい。従って、ジオールもしくはトリオール またはアルコキシアルコールを、アルコールROH(I)として使用してもよい 。一般に、これらの置換基は、反応に重大な影響を与えないので、有利にはRが 非置換のアルコールROH(I)が使用される。勿論、多くの炭素原子を有する アルコールを使用することもできるが、かかる高級アルコールは、原則的に低級 アルコールよりも高価なため、有利には低級アルコールが経済的理由のため使用 される。 多くの触媒を、工程a)での触媒として、例えばブレンステッド酸または元素 の周期律表のIA族、VIIA族またはVIIIA族の遷移金属のホスフィン錯 体、特にパラジウムおよびニッケルのホスフィン錯体を使用してもよい。 使用されるブレンステッド酸は、例えば慣用の非酸化的ブレンステッド酸、例 えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、過塩素酸、フッ化水素酸、 テトラフルオロホウ酸、メタンスルホン酸またはトル エンスルホン酸であってもよいが、有利には、固体のブレンステッド酸、特に有 機または無機の陽イオン交換体が使用される。 有機の陽イオン交換体は、ブレンステッド酸官能基、例えばスルホニル、ホス ホニルまたはカルボキシル基を、ポリマー基材、例えばスルホン化フェノール/ ホルムアルデヒド樹脂、スルホン化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、ス ルホン化ポリスチレン、ポリ(パーフルオロアルキレン)スルホン酸またはスル ホン化した炭上に有する粉末状、ゲル状またはマクロ孔質のポリマー高分子電解 質を示すと解されるべきである。新規方法において、これらの陽イオン交換体を 形で使用することができる。有利には、陽イオン交換体は、新規方法において、 そのプロトン化された形、例えばH+形で使用される。適当な有機の陽イオン交 更に、新規方法においては、変性させた有機の陽イオン交換体、例えば付加的 にルイス酸、例えばハロゲン化銅(II)、特に塩化銅(II)、臭化銅(II )もしくはヨウ化銅(II)、または銅(II)塩、例えば硫酸銅(II)、硝 酸銅(II)もしくは酢酸銅(II)を有するものを使用して、有利な結果を得 ることができる。かかるルイス酸含有陽イオン交換体は、例えば英国特許第94 3160号明細書の方法によって製造することができる。ルイス酸含有イオン交 換体は、有利にはイオン交換体のブレンステッド酸基の水素イオンの一部だけを ルイス酸カチオンと交換した形で使用されるが、残留するブレンステッド酸基は 引き続きブレンステッド酸として作用する。一般に、有機のイオン交換体を、イ オン交換体上に存在するブレンステッド酸基の水素イオン5〜90モル%、有利 には10〜40モル%、特に15〜30モル%が関連のルイス酸と交換されるよ うなルイス酸量でドーピングする。 有機の酸性陽イオン交換体の代わりに、ブレンステッド酸活性を有する無機固 体、例えば米国特許第4440871号明細書、米国特許第4310440号明 細書、米国特許第4567029号明細書、米国特許 第4554143号明細書、米国特許第4500651号明細書、欧州特許出願 公開第158349号明細書、欧州特許出願公開第158349号明細書および 欧州特許出願公開第159624号明細書に開示されているような、例えばゼオ ライト、例えばH+形のβ−ゼオライトまたはY−ゼオライト、漂白土(bleachi ng earth)、例えばモンモリロナイトもしくはアタパルガイト、リン酸塩ベース の非ゼオライトモレキュラーシーブ、ならびに酸性の金属酸化物または酸で含浸 した金属酸化物を、新規方法で使用してもよく、これらの製造方法は、例えば米 国特許第4873017号明細書に記載されている。ブレンステッド酸活性を有 する有利な無機の固体は、H+形のβ−ゼオライトまたはY−ゼオライト、特に H+形のβ−ゼオライトである。β−ゼオライトは、例えば米国特許第4891 458号明細書の方法によって得ることができる。 特に有利には、有機のイオン交換体は、新規方法においてアルコールROH( I)とブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物との付加反応のために反 応工程a)において使用される。 液体または溶解させたブレンステッド酸触媒、特に硫酸、リン酸、トルエンス ルホン酸、メタンスルホン酸またはテトラフルオロホウ酸を、新規方法の反応工 程a)において使用すれば、一般的に採用される方法において、気体形または、 有利には液体形の1,3− ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物を、事前に装入した酸/アルコ ール混合物中に導通し、かつ生成する式IIおよび式IIIの付加物を、反応領 域から蒸留またはストリッピングによって分離する。慣用の反応器、例えばバブ ル塔、ループ型反応器等を、この目的のために使用してもよい。有利には、アル コール/1,3−ブタジエン混合物を、酸の溶液中に、例えばジェットによって 導入することができる。付加物IIおよび付加物IIIを、ブレンステッド酸の 水溶液から相分離器によっても分離することができる。バブル塔またはループ型 反応器の代わりに、撹拌釜のカスケード(stirred kettle cascade)を使用して もよく、その際、有利には反応は、1,3−ブタジエンが液体である圧力で、選 択された反応条件下で実施される。 しかしながら、新規方法において、有利には前記の有機触媒または無機触媒の 形の固体ブレンステッド酸、特に有機のイオン交換体が使用される。有利には、 これらを固定相中に配置し、その中を液体反応混合物が液相法(liquid phase p rocedure)または、有利にはトリクルベッド法で流通する。固定触媒床は、例え ば管形反応器または、有利には反応器のカスケード中に取り付けることができる 。また、反応物を気体形で触媒床中に導通させることもできるが、有利には液相 が使用される。勿論、反応工程a)によるアルコール ROH(I)と1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物との付 加反応は、連続的またはバッチ式のどちらかで実施することができる。 新規方法において、アルコール/1,3−ブタジエンのモル比は、広い範囲か ら選択することができる。一般に、アルコールROH/1,3−ブタジエンのモ ル比0.5:1〜8.0:1、有利には1:1〜5.0:1、特に有利には1. 5:1〜3.0:1が使用される。アルコールROH(I)と1,3−ブタジエ ンとの反応は、この方法を液相で実施する場合には、一般に20〜150℃、有 利には50〜120℃、特に60〜110℃および一般に1〜100バール、有 利には3〜50バール、特に5〜30バールで実施する。有利には、圧力は、1 ,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物が、使用される反応温度 で液体であるように選択する。より高い圧力の使用も可能である。有利には、使 用される反応温度は、使用される各ブレンステッド酸触媒に関する予備実験で最 適化する。 一般に、アルコールROH(I)/1,3−ブタジエン混合物は、固定触媒床 中に空間速度0.01〜0.5g/cm3・h、有利には0.05〜0.4g/ cm3・h、特に有利には0.10〜0.25g/cm3・hで導通させる。反応 混合物に溶剤を添加してもよいが、一般に必要ない、それというのも、使用さ れるアルコールならびに付加物IIおよび付加物IIIが溶剤として作用できる からである。反応器中でのアルコールROH/1,3−ブタジエン混合物の滞留 時間は、一般に1〜6時間であり、原則として、使用される反応温度に依存する 。 アルコールROH(I)と1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素 混合物との付加反応を、気相中で実施する場合には、一般に120℃未満の温度 および一般に20バール未満の圧力を使用する。所望であれば、反応ガスを、反 応条件下で不活性な気体、例えば窒素と混合することができるが、一般に反応ガ スは希釈せずに使用する。 新規方法の更なる態様においては、アルコールROH(I)の付加反応は、反 応媒体中に均一に溶解している遷移金属触媒または不均一系でありかつ元素の周 期律表のIA、VIIAまたはVIIIA族からの元素、例えば銅、ニッケル、 ロジウム、パラジウム、白金またはイリジウム、有利にはパラジウムまたはニッ ケルを含有する遷移金属触媒を使用して実施することができる。 有利には、これらの遷移金属触媒、特にパラジウムおよびニッケル触媒は、例 えば反応媒体中に均一に溶解しているホスフィン、2,2’−ビピリジンまたは 1,10−フェナントロリン配位子とのその錯体の形で使用される。この目的の ために、多くの異なるホス フィン、2,2’−ビピリジンまたは1,10−フェナントロリン配位子は、新 規方法においてIA族、VIIA族またはVIIIA族の金属、特にパラジウム およびニッケルを錯体形成させるために使用することができる。一座および多座 、特に二座のホスフィン配位子を使用してもよい。適当なホスフィン配位子は、 例えばトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、アルキルジアリール ホスフィン、アリールジアルキルホスフィン、アリールジホスフィン、アルキル ジホスフィンおよびアリールアルキルジホスフィンである。アルキルを有するホ スフィン配位子は、同一または異なるC1〜C20−アルキル、有利にはC1〜C6 −アルキルまたはC1〜C6−シクロアルキル基を有していてもよい。アリールを 有するホスフィン配位子は、同一または異なるC6〜C12−アリール基、特にフ ェニルまたはナフチルを有していてもよいが、またジフェニルを有していてもよ い。ヘテロ脂環式基、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、モルホ リン、オキサゾリジン、ピペラジンもしくはトリアゾリジン基またはヘテロ芳香 族基、例えばピロール、イミダゾール、オキサゾール、インドール、ピリジン、 キノリン、ピリミジン、ピラゾール、ピラジン、ピリダジンまたはキノキサリン 基を、他のアルキルまたはアリール基を有するホスフィン配位子は、更にIA族 、VIIA族またはVIIIA族の元素を錯体形成さ せるために使用してもよい。配位子のアルキル基またはアリール基は、非置換で あるか、または反応条件下で不活性な置換基、例えばC1〜C4−アルコキシ、ジ −C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C6−アルキル、ニトロ、シアノまたはスル ホネート基を有していてもよい。新規方法において適当なスルホン化されたホス フィン配位子の例は、特にトリスルホン酸トリフェニルホスフィン(TPPTS )およびモノスルホン酸トリフエニルホスフイン(TPPMS)である(Angew. Chem.105,(1993)1588)。 原則的に、新規方法では、IA族、VIIA族またはVIIIA族の元素、特 にパラジウムおよびニッケルを錯体形成させるためのかかる配位子の適用範囲に 対する制限はない。しかしながら、コストの理由のために、有利には容易に製造 できる配位子が使用される。 単なる例としての使用される配位子の一覧は以下のものである:トリメチルホ スフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピル ホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリデシルホス フィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ フェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフ ィン、テトラフェニルジホスフィノメタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィ ノ)エタン、テトラメチルジホスフィノメタン、テトラエチルジホスフィノメタ ン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニ ルホスフィノ)ブタン、テトラ−t−ブチル−ジホスフィノメタン、1,2−ビ ス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタン 、1,2−ビス(ジプロピルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジイソプロピ ルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジブチルホスフィノ)エタン、1,2− ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)エタン、1,1−ビス(ジシクロヘキシルホ スフィノ)メタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1, 4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、および欧州特許出願公開第2 79018号明細書、欧州特許出願公開第311619号明細書、国際特許公表 90/06810号明細書および欧州特許出願公開第71281号明細書中に記 載のビスホスフイン配位子。トリフェニルホスフィン(PPh3と略記する)の 他に有利なホスフィン配位子は、C1〜C4−アルキレン基を介して架橋している 二座のホスフィン配位子および一般式:[式中、nは1〜4の整数であり、基Aは同一または 異なるC1〜C10−アルキルまたはC5−シクロアルキルもしくはC6−シクロア ルキル基である]の二座のホスフィン配位子であり、その中の幾つかの典型的な ものを例として記載した。 前記の特許明細書に記載される方法によって製造する以外に、アルキルホスフ ィン配位子およびアリールホスフィン配位子を、慣用の方法、例えばホウベン− バイル(Houben-Weyl,Methoden der Organischen Chemie,Volume XII/1,4th edition,pages 17-65 and pages 182-186,Thieme,Stuttgart,1963 and Volu me E1,4th edition,pages 106-199,Stuttgart,1982)に記載の方法によって 製造することができる。 ホスフィン配位子の他に、本発明による方法においては、2,2’−ビピリジ ン配位子または1,10−フェナントロリン配位子の錯体形成特性のための役割 を担う−N=C−C=N−を有する、アルキル置換もしくはアリール置換または 縮合した2,2’−ビピリジン誘導体または1,10−フェナントロリン誘導体 の2,2’−ビピリジン配位子または1,10−フェナントロリン配位子、例え ば2,2’−ビキノリン、4,7−ジフェニル−1,10−フエナントロリン、 2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,5 −ジアザフルオレン、ジピリド[3,2−a:2’,3’−c]フェナジン、2 ,2’,6’,2’’−テルピリジンおよびそれらの 類似物質を使用することもできる。これらの配位子の幾つか、例えば2,2’− ビピリジンまたは1,10−フェナントロリンは市販されており、その他のもの は、Synthesis 1(1976)またはAust.J.Chem.23 ,(1970)1023に記載の方法によって製造することができる。 新規方法において反応工程a)のために使用することができるIA族、VII A族またはVIIIA族の元素、特にパラジウムおよびニッケルの錯体は、反応 混合物中でその場で製造するか、または事前に形成させ、次いで反応混合物に添 加してもよい。これらの錯体をその場で製造するためには、一般にIA族、VI IA族またはVIIIA族の元素の化合物、例えばそのハロゲン化物、有利には 塩化物、臭化物またはヨウ化物、その硝酸塩、シアン化物もしくは硫酸塩、また は特に有利にはこれらの金属の錯体化合物、例えばアセチルアセトネート、カル ボキシレート、カルボニル錯体もしくはオレフィン錯体、例えばエテンもしくは ブタジエン錯体を、関連の配位子と一緒に反応混合物に供給し、更に、本発明に より反応工程a)で使用することができる錯体を反応混合物中で形成させる。一 般に、本明細書中では、IA族、VIIA族またはVIIIA族の元素に関する 関連の配位子を、モル比1:200、有利には1:50、特に1:10で添加す る。 一般に1,3−ブタジエン/IA族、VIIA族またはVIIIA族の元素の モル比100:1〜100000:1、有利には200:1〜5000:1、特 に有利には400:1〜2500:1は、前記のIA族、VIIA族またはVI IIA族の錯体触媒、特にパラジウムまたはニッケル錯体触媒を使用する場合に 、新規方法の工程a)でのアルコールROH(I)と1,3−ブタジエンまたは ブタジエン含有炭化水素混合物中の1,3−ブタジエンとの付加反応において制 定され、その際、このモル比は、連続的方法においては、液体反応混合物中の定 常状態の1,3−ブタジエン濃度に基づくものである。 この実施態様におけるアルコールROH(I)/1,3−ブタジエンのモル比 は、広い範囲内で選択され、かつ原則的に重要ではない。例えば、1,3−ブタ ジエンと付加反応を実施すべきアルコールは、試薬としてだけでなく、錯体触媒 のための溶剤としても作用できる。従って一般に、アルコール/1,3−ブタジ エンのモル比0.5:1〜10:1、有利には1:1〜5:1、特に有利には1 :1〜3:1が、新規方法の反応工程a)において使用され、その際、これらの データは、該方法の連続的な態様の場合には、液体反応混合物中の定常状態の1 ,3−ブタジエンの濃度に基づくものである。 有利には、前記の錯体触媒を使用する新規方法の反 応工程a)によるアルコールROH(I)と1,3−ブタジエンとの付加反応は 、液相中で実施される。一般に、液体反応媒体中に溶解させた触媒を、事前に装 入しかつ1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物を液体形また は気体形でアルコール(I)と一緒に反応混合物中に導通させる。1,3−ブタ ジエンと付加反応を実施すべきアルコールまたは反応条件下で不活性な溶剤、有 利には高沸点溶剤を、反応媒体として使用してもよい。適当な溶剤の例は、反応 中に形成する縮合物、例えばアルコキシオクタジエン、アルコキシドデカトリエ ン、およびエーテル、例えばジブチルエーテルもしくはジオクチルエーテル、ジ エチレングリコールジブチルエーテル、低分子量の液体ポリエチレングリコール エーテルおよびスルホン、例えばスルホラン、または炭化水素、例えばミハゴー ル(Mihagol)である。ミハゴールは、市販のC10〜C14−炭化水素混合物であ る。勿論、異なる溶剤の混合物を反応媒体として使用してよい。 該方法のバッチ式の態様においては、一般に、反応は、撹拌オートクレーブ中 で実施される。次いで、有利には、生成する式IIおよび式IIIの付加物を、 蒸留によって反応混合物から分離し、その際、IA族、VIIA族またはVII IA族の元素、特にパラジウムまたはニッケルを含有する均一系触媒は、高沸点 溶剤中に溶解され、蒸留の塔底生成物中に残留する。 蒸留の塔底生成物中にこのように残留する触媒溶液は、所望であれば他の反応に 再利用することができる。 該方法の連続的な態様においては、1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有 炭化水素混合物を、有利には圧力下に液体形で、アルコールROH(I)および 均一に溶解させた遷移金属錯体触媒ならびに、所望であれば高沸点溶剤を含有す る反応混合物中に供給する。有利には、反応は管形反応器、ループ型反応器また は、有利には反応器のカスケードで実施する。有利には、未変換の1,3−ブタ ジエンは循環される。有利には、アルコールROH(I)を、反応において消費 される速度で反応混合物に連続的に計量供給する。 新規方法の他の連続的な態様においては、1,3−ブタジエンまたはブタジエ ン含有炭化水素混合物を、気体形で、触媒を含有する液体反応媒体中に導通させ てもよく、未変換の1,3−ブタジエンおよび容易に揮発する炭化水素は、アル コールとの反応中に形成する式IIおよび式IIIの比較的容易に揮発する付加 物を反応混合物からストリッピングするために使用される。アルコールROH( I)は、反応において消費される速度で反応混合物に連続的に計量供給すること ができる。 一般に、IA族、VIIA族またはVIIIA族の元素、特にパラジウムまた はニッケルの前記の錯体の存在下でのアルコールROH(I)と1,3−ブタジ エンとの付加反応は、20〜180℃、有利には40〜150℃、特に有利には 60〜120℃で、かつ有利には1〜20バール、特に有利には反応系の自己圧 下で実施される。 有利には、不均一系錯体触媒、有利にはIA族、VIIA族またはVIIIA 族の元素、特にパラジウムまたはニッケルをポリマー基材に固定したものを、新 規方法の反応工程a)で、アルコールROH(I)と1,3−ブタジエンとの付 加反応のために使用してもよい。かかるポリマー基材は、樹脂、例えばスチレン /ジビニルベンゼン樹脂またはフェノール/ホルムアルデヒド樹脂であってもよ く、これらの樹脂に、関連の配位子、すなわちホスフィン、1,10−フェナン トロリンもしくは2,2’−ビピリジンが一般には共有結合され、該配位子は、 更にIA族、VIIA族またはVIIIA族の元素、特にパラジウムまたはニッ ケルとも錯体を形成し、このようにして多かれ少なかれ錯体が固定される。無機 の担体材料を、有機試薬によってその表面を疎水性および化学的に変性させた後 に、IA族、VIIA族またはVIIIA族の錯体、特にパラジウムまたはニッ ケル錯体を固定するための不均一系の基材として使用することもできる。かかる 不均一系のポリマー結合性のIA族、VIIA族またはVIIIA族錯体、特に パラジウムおよびニッケル錯体は、例えばツアンギュウ他(Zhuangyu et al.(R eactive Polymer 9,(1988),249))の方法またはワン他(Wangetal.(J.Org. Chem.59,(1994)5358))による方法によって得られる。IA族、VIIA族お よびVIIIA族の元素の固定されたホスフィン錯体は、例えばハートレー(Ha rtley,Adv.Organomet.Chem.15,(1977),189,F.R.Hartley“Supported Metal Complexes”,Rledel,Dordrecht 1985)、スミス(K.Smith,“Solid Supports and Catalysis in Organic Synthesis”,Ellis Horwood,Prentice Hall,N.Y .1992)、ピットマン(C.H.Pittman“Polymer supported Reactions in Organic Synthesis”,page 249,Wiley,Chichester 1980およびC.H.Pittman J.Am.Che m.Soc.98,(1976),5407)およびアン(Ann.N.Y.Acad.Sci.245,(1977),15 )の方法によって得ることができる。かかる不均一系触媒を使用する利点は、特 に触媒を反応生成物から、より容易かつより慎重に分離できることである。前記 の触媒は、反応混合物が流通する固定床中に配置させるか、または反応混合物中 に懸濁し、かつ反応完了後に機械的に分離してもよい。 純粋な1,3−ブタジエンの代わりに、1,3−ブタジエン含有炭化水素混合 物を、新規方法で原材料として使用してもよい。かかる炭化水素混合物は、例え ばスチームクラッカーのC4留分として得られる。新規方法で使用する前に、有 利には、これらの炭化水素 混合物は、その中に存在する任意のアセチレン性またはアレン性の炭化水素から 、所望であればイソブテンから、その部分水素添加(Weissermel,Arpe:Industr ielle Organische Chemie;3rd edition,VCH Verlagsgesellschaft,Weinhe im 1988)によって除去される。次いで、1,3−ブタジエン含有炭化水素混合 物を、純粋な1,3−ブタジエンと同様に新規方法の反応工程a)に導入しても よい。有利には、反応混合物中に含有され、かつ反応工程a)で反応していない 飽和またはモノオレフィン性の炭化水素は、反応工程a)の反応混合物から、例 えば気−液分離器によって分離される。新規方法の反応工程a)における前記の 炭化水素混合物の反応で得られる式IIおよび式IIIの付加物を、更に以下の ように、反応工程a)で純粋な1,3−ブタジエンを使用して製造した付加物I IおよびIIIと同様に、n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノール に処理することができる。 新規反応の反応工程a)からの反応させた混合物は、一般に、未反応の1,3 −ブタジエンまたは飽和もしくはオレフィン性の炭化水素の他に、式IIおよび 式IIIの付加物を含有し、かつ特に反応工程a)において触媒としてブレンス テッド酸の使用により、以下で集合的な用語アルコキシオクタジエンと称される 、関連のアルコキシオクタジエンの複数の異性体を含有してもよい。アルコール ROH(I)と1,3−ブ タジエンとの付加反応において、アルコキシオクタジエンは二次反応で形成し、 この反応においては、まず1,3−ブタジエンはオクタトリエンへと二量体化し 、引き続き、該オクタトリエンはアルコールROH(I)と付加反応して、アル コキシオクタジエンを形成する。これらの成分の他に、反応工程a)からの反応 させた混合物は、少量の他の副生成物、例えばジブチルエーテル、オクタトリエ ン、ビニルシクロヘキセン、1,3−ブタジエンの三量体化によってドデカテト ラエンを形成し、引き続きアルコールROH(I)の付加によって形成されるア ルコキシドデカトリエン、およびドデカテトラエン、ジアルコキシオクテンなら びにジアルコキシブタンを含有していてもよい。これらの副生成物の形成が誘導 されることがあるが、所望であれば、該反応を反応工程a)において、例えば反 応混合物中の1,3−ブタジエン/アルコールROH(I)の比の選択ならびに 反応温度および圧力の選択によって実施することによって最少にすることができ る。 新規方法においてn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの製造 のために必要な付加物は、新規方法の所望な化合物の製造のために、反応混合物 中に大体等量で含有される異性体の式IIIの3−アルコキシブテ−1−エンか ら分離することができる式IIの1−アルコキシブテ−2−エンである。付加物 IIおよびIIIは、アルコールROH(I)と1,3−ブタジエンとの付加反 応において大体等量で生成するので、新規方法は、3−アルコキシブテ−1−エ ン(III)を、経済的な方法で所望の1−アルコキシブテ−2−エン(II) に変換することができないのであれば、大規模な工業には経済的ではない。付加 物IIIの所望の付加物IIへの変換が、容易かつ経済的に実施できると判明し た。 この目的のために、まず付加物IIIを、反応工程a)の反応させた混合物中 に含有する異性体の付加物IIから分離する。これは、有利には、反応工程a) からの反応させた混合物を、未変換の1,3−ブタジエンの、例えば気一液分離 器中での事前の除去後に、蒸留装置中に通過させ、その中で分別蒸留により分離 することによって実施できる。 前記の分別蒸留で、反応工程a)の反応させた混合物中に含有する副生成物、 1,3−ブタジエンの二量体および三量体ならびにそのアルコールROH(I) との付加物、および任意のポリアルコキシル化副生成物を、付加物IIから分離 することもできる。一般に、これらの副生成物は、新規方法の更なる過程におい て問題にはならないので、これらを除去する必要はない。別の蒸留法においては 、副生成物、特にオレフィン性の1,3−ブタジエンニ量体および三量体ならび にポリアルコキシル化副生成物の一部だけを、付加物 IIIの他に分離できるが、他の副生成物、特にアルコキシオクタジエンおよび 、所望であればアルコキシドデカトリエンを、更に引き続いて行う反応工程にお いて付加物IIに加えて処理してよく、その際、それぞれ所望の可塑剤アルコー ルであるオクタノールおよびドデカノールは、それぞれ反応工程a)のこれらの 副生成物から最終生成物として生成する。 より容易に揮発する付加物IIIの付加物IIからの蒸留による分離を、簡単 な方法で、例えば慣用の蒸留塔において実施する。次いで、所望の付加物から分 離された付加物IIIを、未変換の1,3−ブタジエンの場合のように、新規方 法の反応工程a)の方法工程に再循環させることができる。この付加物IIIの 再循環は、付加物IIIの異性化を惹起し、この方法工程において付加物IIが 生成し、最終的に不所望な付加物IIIの再形成の抑制をもたらし、その結果、 この循環方法を使用する場合には、実質的に、所望の付加物IIだけが、その不 所望な異性体IIIを生成せずに、この循環方法の仝体で優位に生成する。 付加物IIIを新規方法の反応工程a)の方法工程に再循環する代わりに、こ の付加物の異性化を、別の異性化工程において、付加物IIから分離した付加物 IIIの、例えば反応工程a)で使用できる1種の触媒を充填した異性化反応器 中への導通により、反応器中で形成し、かつ付加物IIIおよび付加物IIを含 有する異性化混合物からなる反応器の排出物を、例えば蒸留によって付加物II と付加物IIIとに分離し、新たに形成した付加物IIを新規方法の更なる過程 で処理し、n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールが生成し、かつ 付加物IIIを異性化反応器中に再循環させることによって実施することもでき る。 異性化反応器中での付加物IIを得るための付加物IIIの異性化は、溶剤の 存在または不在下に実施することができる。溶剤の添加は、特に元素の周期律表 のIA族、VIIA族またはVIIIA族の元素の前記の錯体の1種を、異性化 触媒として使用する場合に有利である。異性化を、溶剤の存在下に実施するので あれば、一般に、高沸点溶剤、例えばエーテル、例えばジエチレングリコールジ メチルエーテルもしくはトリエチレングリコールジメチルエーテルまたはジエチ レングリコールジブチルエーテルもしくはトリエチレングリコールジブチルエー テル、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、またはスルホン、例えばス ルホラン、高沸点の芳香族もしくは脂肪族炭化水素またはハロゲン化の脂肪族も しくは芳香族の溶剤、例えばジクロロベンゼンを使用する。また、低沸点溶剤の 使用も可能であるが、原則的には、異性化反応器からの排出物の蒸留による付加 物IIおよび付加物IIIへの分離においてより複雑な方法が必要である。 n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの製造のための新規方法 の更なる過程において、付加物IIを、反応工程c)においてアルコールROH (I)を使用して式IVのアセタールに触媒的に変換し、次いで、反応工程d) において水の存在下に触媒的に加水分解すると、n−ブチルアルデヒドが得られ 、かつ/または水および水素の存在下で触媒的に変換すると、n−ブタノールが 得られる。新規方法においては、反応工程c)およびd)は、2つの方法工程で 連続的にか、または1つの反応器で連続的に、いずれかにおいて実施することが できる。 前記のように、付加物IIを異性化し、かつアセタール化してアセタールIV を得る反応工程c)および該アセタールを水または水素および水と反応させてn −ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールを得る反応工程d)は、有利 には連続的に実施する。これらの反応工程は、以下の反応式(2): による化学反応からなる。 アリルエーテルIIとアルコールROH(I)とを反応させてアセタールIV を得る反応は、アリルエーテルIIの異性化の結果として形成することがあるエ ノールエーテル中間体V: を介して実施してもよい。この反応経路は、あまり詳細には調査されておらず、 従って明らかではないが、エノールエーテルVを一定の反応条件下で副生成物と して単離することができるという事がこのような反応機構を示している。かかる エノールエーテル副生成物の形成は、新規方法の費用効率に関しては重要ではな い、それというのも、エノールエーテルは、所望の最終生成物、例えばブチルア ルデヒドからその単離後に分離でき、かつ反応工程c)および/またはd)での 反応に再循環でき、その際、所望の最終生成物に変換されるからである。選択的 に、エノールエーテル副生成物は、方法の循環から、例えば新規方法としての蒸 留による最終生成物からの分離後に除去することもでき、例えば2重結合の選択 的水素添加による相応の飽和エーテルの製造のための他の使用に適用することが できる。かかるエーテルは、例えば溶剤として使用される。 反応工程c)による反応のためには、原則的に、反応工程a)を実施するため に使用でき、本明細書中の反応工程a)の説明に記載されている同様のアルコー ルROH(I)を使用することができる。反応工程c)を実施するために使用さ れるアルコールROH(I )は、前記の反応工程a)で使用されるのと同様のアルコールROH(I)でも よいが、それと異なってもよい。勿論、複数のアルコールROH(I)の混合物 を、反応工程c)に供給してもよい。しかしながら、反応工程c)で使用される アルコールROH(I)は、反応工程a)で使用されるものと同じでもよく、か つ特に有利には反応工程c)において、アルコールROH(I)はn−ブタノー ルである。 環式アセタールIVが、少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアルコール (I)を使用する場合にも形成しうることは、当業者には自体公知である。各最 終反応工程、すなわち一方はアセタールIVのn−ブチルアルデヒドへの加水分 解またはもう一方はアセタールIVのn−ブタノールへの加水分解/水素添加の 組合せは、反応条件の選択、特に反応において使用できる触媒ならびに反応物、 水および水素の量の選択によって調節でき、その結果、選択的には、最終生成物 であるn−ブチルアルデヒドまたはn−ブタノールが選択的に形成するか、また はこれらの2種の所望の生成物の混合物が新規方法の最終生成物として形成する 。 意想外にも、付加物IIのアセタールIVへの反応を触媒する、本発明により 使用されるべき触媒が一般にアセタールIVのn−ブチルアルデヒドへの加水分 解またはアセタールIVのn−ブタノールへの加水分 解/水素添加の組合せのための触媒としても適当であることが判明した。よって 、新規方法の特に有利な態様においては、n−ブチルアルデヒドおよび/または n−ブタノールのいずれを最終生成物として製造すべきであるかにかかわらず、 反応工程c)および反応工程d)の両者において同じ触媒を使用してもよい。 付加物IIのアセタールIVへのアセタール化およびアセタールIVのn−ブ チルアルデヒドへの加水分解またはアセタールIVのn−ブタノールへの加水分 解/水素添加の組合せの両者は、液相中で実施される。これらの反応工程の実施 において、均一系および不均一系触媒が使用される。 新規方法の特に有利な態様において、付加物IIのアセタールIVへのアセタ ール化および該アセタールのn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノー ルへの加水分解または加水分解/水素添加の組合せは、均一系触媒を使用して連 続的に実施される。 多数の遷移金属化合物、特に元素の周期律表の亜族VIおよびVIII、有利 にはモリブデン、鉄、コバルト、ニッケルおよび、特に白金族であるルテニウム 、ロジウム、パラジウム、白金、オスミウムおよび/またはイリジウム、特に有 利にはルテニウム、ロジウム、イリジウムまたはオスミウムからの元素を含有す る遷移金属化合物を、付加物IIのアセタールIVへのアセタール化および該ア セタールのn−ブチルアル デヒドおよび/またはn−ブタノールへの加水分解もしくは加水分解/水素添加 の組合せのための均一系触媒として使用してもよい。しかしながら、ジコバルト オクタカルボニル(Co2(CO)8)およびヒドリドコバルトテトラカルボニル (HCo(CO)4)は除く。 適当な触媒の例は、反応媒体に可溶性である前記の遷移金属、有利には白金族 の塩、特にハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、例えばそ のC1〜C20−カルボン酸塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロ ピオン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、2−プロピルヘプタン酸塩およびデカン 酸塩、ならびにスルホン酸塩、例えばメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸 塩、ナフタレンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメチルベン ゼンスルホン酸塩もしくはトリフルオロメタンスルホン酸塩、シアン化物、テト ラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩またはヘキサフルオロリン酸塩、前記の元素の 可溶性無機錯体化合物、特にその含水錯体、アミン錯体、ハロ錯体、ホスフィン 錯体、シアノ錯体もしくはアミノ錯体および該遷移金属とキレート形成剤、例え ばアセチルアセトン、ジオキシム、例えばジアセチルジオキシム、フリルジオキ シムまたはベンジルジオキシム、エチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、ニ トリロトリエタノール、尿素またはチオ尿素、ビスホ スフィン、ビスホスフィット、ビピリジン、テルピリジン、フェナントロリン、 8−ヒドロキシキノリン、クラウンエーテルもしくはポリアルキレングリコール との錯体、ならびに該遷移金属元素の有機金属化合物、例えばカルボニル錯体、 例えばHRuCl(CO)(PPh33、HRuCl(CO)(ヘキシルジフェ ニルホスフィン)3、RuH2(CO)(PPh33、RuH(CO)(CH3C O2)(PPh32、RuH2(PPh34またはIrCl(CO)(PPh33 である。 有利な塩状の均一系触媒は、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金および イリジウムのハロゲン化物、特に塩化物、硝酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、カル ボン酸塩およびシアン化物である。 反応工程c)およびd)を実施するために新規方法で有利に使用される無機錯 体化合物は、例えば三塩化ルテニウム、三塩化ロジウムまたはイリジウム ヘキ サアクアジトシレートである。 更に、反応工程c)およびd)を実施するために有利な均一系触媒は、前記の 遷移金属元素、特にコバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、 白金、オスミウムおよびイリジウムと、一座または多座、特に二座のホスフィン 配位子またはホスフィット配位子および/または錯体形成剤としての特性を(− N=C−C=N−)構造単位が担う含窒配位子、例え ば2,2’−ビピリジンまたは1,10−フェナントロリンならびにこれらの親 物質からの置換または縮合によって誘導された配位子との錯体である。前記の錯 体の中では、白金族であるルテニウム、ロジウム、イリジウムおよびオスミウム のホスフィンまたはホスフィット錯体、特にホスフィン錯体が特に有利である。 適当なホスフィン配位子は、例えば新規方法の反応工程a)を実施するために 適当であり、かつ本明細書の反応工程の説明において挙げられ、ホスフィン配位 子として記載される配位子である。トリフェニルホスフィンおよび前記のアルキ レン架橋したビスホスフィン配位子(前記参照)が、特に有利である。適当な2 ,2’−ビピリジンまたは1,10−フェナントロリン配位子は、例えば新規方 法の反応工程a)を実施するために適当であり、該反応工程の説明において挙げ られる2,2’−ビピリジンまたは1,10−フェナントロリン配位子、ならび にその誘導体および構造類似体(前記参照)として記載される配位子である。 適当なホスフィット配位子は、例えばトリアルキルホスフィット、アルキルジ アリールホスフィット、トリアリールホスフィット、アルキル ビスホスフィッ ト、アリール ビスホスフィットおよびアルキル アリール ビスホスフィットで ある。アルキルを有するホスフィット配位子は、同一または異なるC1〜C10− 、有利にはC1〜C6−アルキルまたはシクロアルキル 基を有していてよい。アリールを有するホスフィット配位子は、同一または異な るC6〜C12−アリール基、特にフェニルまたはナフチルを有していてもよいが 、また、ジフェニルまたはビナフチルを有していてもよい。更に、ヘテロ脂環式 基、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、モルホリン、オキサゾリ ジン、ピペラジンまたはトリアゾリジン、またはヘテロ芳香族基、例えばピロー ル、イミダゾール、オキサゾール、インドール、ピリジン、キノリン、ピリミジ ン、ピラゾール、ピラジン、ピリダジンもしくはキノキサゾリン基を他のアルキ ルもしくはアリール基と一緒に有するホスフィット配位子を、遷移元素の錯体形 成のために使用してもよい。ホスフィット配位子のアルキルもしくはアリール基 は、非置換であるか、または反応条件下で不活性の置換基、例えばC1〜C4−ア ルコキシ、ジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C6−アルキル、ヒドロキシル 、ニトロ、シアノもしくはスルホネートを有していてもよい。スルホネート置換 されたホスフィット配位子およびその錯体は、一般に水溶性である。適当なホス フィット配位子は、例えば欧州特許出願公開第472071号明細書、欧州特許 出願公開第213639号明細書、欧州特許出願公開第214622号明細書、 酉ドイツ国特許出願公開第2733796号明細書、欧州特許出願公開第226 1号明細書、欧州特許出願公開第2821号明細書、 欧州特許出願公開第9115号明細書、欧州特許出願公開第155508号明細 書、欧州特許出願公開第353770号明細書、米国特許第4318845号明 細書、米国特許第4204997号明細書および米国特許第4362830号明 細書に記載されるトリメチルホスフィット、トリエチルホスフィット、トリプロ ピルホスフィット、トリイソプロピルホスフィット、トリブチルホスフィット、 トリシクロペンチルホスフィット、トリシクロヘキシルホスフィット、トリフェ ニルホスフィットならびにモノホスフィットおよびビホスフィット配位子である 。 前記の遷移金属の有機金属化合物の中で、リン含有配位子、特にホスフィット 配位子を有する白金族のカルボニル錯体、例えばHRh(PPh33(CO)、 IrCl(CO)(PPh33、[Ir(cod)PPh32]PF6(cod は、1,5−シクロオクタジエン配位子の略である)、HRuCl(PPh33 (CO)、HRu(CO)(CH3COO)(PPh32、H2Ru(CO)(P Ph33、RuCl2(CO)2(PPh33もしくはRuH(CO)(C919 COO)(PPh32[C919COOはカプロン酸のアニオンである]は、反 応工程c)およびd)を実施するための均一系触媒として特に有利である。これ らの均一系触媒の中でも、ハロゲン不含の錯体、例えば配位子としてOH−酸性 有機化合物の共役塩基を有 するものが有利である。その際、OH−酸性有機化合物は、水溶液中で酸性であ る化合物、例えばモノカルボン酸、モノスルホン酸または非キレート化フェノー ルを意味すると解されるべきである。この種の有利に使用される配位子は、モノ カルボン酸、例えば酢酸アニオン、プロピオン酸アニオン、酪酸アニオン、イソ 酪酸アニオン、吉草酸アニオン、ピバル酸アニオン、カプロン酸アニオン、エナ ント酸アニオン、カプリル酸アニオン、2−エチルヘキサン酸アニオン、2−プ ロピルヘプタン酸アニオン、カプリン酸アニオン、ラウリン酸アニオン、ミリス チン酸アニオン、パルミチン酸アニオン、ステアリン酸アニオン、オレイン酸ア ニオン、安息香酸アニオン、アルキル安息香酸アニオン、ナフトエ酸アニオンお よびアルキルナフトエ酸アニオンまたは非キレート化フェノレートアニオンもし くはスルホン酸アニオンから由来するC2〜C30−カルボン酸アニオンである。 反応工程c)およびd)のための均一系触媒として有効なかかる有機遷移金属 化合物において配位子として有利に使用できるフェノレートは、例えばフェノレ ートアニオンおよびナフトレートアニオンおよび反応工程c)およびd)の反応 条件下で不活性な置換基によって置換されているフェノレートアニオンおよびナ フトレートアニオン、例えばC1〜C20−アルキル置換、有利にはC1〜C10−ア ルキル置換されているフ ェノレートアニオンまたはナフトレートアニオン、例えばメチルフェノレートア ニオン、ノニルフェノレートアニオン、2,6−ジ−t−ブチルフェノレートア ニオンまたは2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノレートアニオンである 。 この目的のために有利に使用することができるスルホン酸配位子は、例えばア ルカンスルホン酸アニオン、例えばメタンスルホン酸アニオン、オクタンスルホ ン酸アニオン、ドデカンスルホン酸アニオン、オクタデカンスルホン酸アニオン もしくはトリフルオロメタンスルホン酸アニオンまたはアリールスルホン酸アニ オン、例えばトルエンスルホン酸アニオンである。 酸性の有機化合物から由来する配位子を有し、かつ本発明により使用できる均 一系触媒の製造を、前記の他の遷移金属の類似の錯体化合物の典型的な例として の前記のルテニウム錯体化合物に関して以下に簡単に概説する: カルボキシレート配位子を有する錯体を、例えばウトレー他(Uttley et al, Inorganic Syntheses,Vol.XVII,(1977),125)によって得られたRuH2(P Ph33(CO)から出発して、ロビンソン他(Robinson et al,J.Chem.Soc. ,Dalton Trans.(1973),1912)、フレディアーニ他(Frediani et al,ibid. (1990),165,ibid.(1990),3663およびFrediani et al,J.Organomet Chem .C17-C19(1993)454)に よって得られたものと類似の方法によって相応のカルボン酸と反応させることに よって製造することができる。フェノレート配位子を有する相応の配位子は、同 様に、H2Ru(CO)(PPh33と関連のフェノールとの反応によって得る ことができる。スルホン酸配位子を有する錯体は、例えば米国特許第48929 55号明細書に記載の方法によって得ることができる。ハロゲン含有均一系触媒 は、例えばウトレー他(uttley et al,Inorganic Syntheses,Vol.XV,(1974) ,45)の方法によってRuClとホルムアルデヒドとの反応によって製造するこ とができる。 前記の触媒を、そのまま反応バッチに添加するか、または(これは、特にカル ボキシレート配位子またはフェノレート配位子を有する均一系触媒に適用される )反応混合物中においてRuH2(PPh33(CO)と関連のカルボン酸また は関連のフェノールとの反応によってその場で製造することができる。 ヒドリド配位子を有さない錯体から出発して、ヒドリド配位子を有する錯体を 、元素の水素(H2)の存在下に、例えば反応工程d)による水素添加反応の条 件下でその場で製造することもできる。 前記のようにカルボキシレート配位子、スルホネート配位子またはフェノレー ト配位子で変性させ、更にカルボニル含有配位子および/またはリン含有配位子 、特にホスフィン配位子またはホスフィット配位子、 有利にはホスフィン配位子を有する遷移金属の有機金属化合物、特に有機ルテニ ウム化合物は、新規方法の反応工程c)およびd)の触媒に関して均一系触媒と して、高活性および高選択率ならびに高い安定性、従って長時間の使用を特徴と している。これらの均一系触媒の高活性および高選択率は、付加物IIのアセタ ールIVへの変換およびアセタールIVのブチルアルデヒドまたはブタノールを 得るための加水分解または加水分解/水素添加の組合せに関連する。従って、有 利には全行程の選択率および費用効率も影響を受ける。 これらの均一系触媒の有利な特性を、更に遷移金属カルボキシレートまたはフ ェノレート錯体、関連の酸性化合物の形成のために必要な化学量論的量より多い 量の存在下に、反応工程c)およびd)による反応を実施することによって改善 することができ、その結果、関連の酸性化合物が、反応混合物中に遊離形で、均 一系触媒として使用される有機遷移金属化合物と平衡して存在する。有利には、 この目的のために使用される酸性化合物は、有機遷移金属化合物において遷移金 属に結合するものと同じであるが、他の酸性有機化合物の添加が、この処理に相 当する。一般に、酸性有機化合物は、均一系触媒として作用する有機遷移金属化 合物に対しての1:1のモル比で使用される。 反応混合物への水素の添加は、最終生成物であるn −ブチルアルデヒドの製造のためには必須ではないが、少量の水素の添加は、必 要であればカルボニル含有均一系触媒を使用する少量の一酸化炭素の添加と一緒 に、これらの均一系触媒の使用時間の延長を導くことができる。原則的に、合成 ガスを、この目的のために使用することができる。本明細書中では、使用される 反応温度および使用される分圧によって、水素および/または一酸化炭素が、均 一系触媒として存在する遷移金属錯体と反応混合物中で反応し、従って幾つかの そのヒドリドおよびカルボニル配位子とは実質的に異なる触媒的に活性な遷移金 属錯体が、これらの条件下で反応混合物中に平衡状態で一緒に存在することがあ ると留意すべきである。 均一系触媒、特にリン含有配位子を有する均一系触媒の活性、選択率および安 定性を改善するために、ホスフィンまたはホスフィットを、一般に遷移金属のホ スフィンまたはホスフィット錯体に対して2〜100モル量、有利には2〜20 モル量、特に有利には2〜10モル量で添加する。均一系触媒として使用される 遷移金属錯体を、反応混合物中でその場で製造するのであれば、関連の遷移金属 に対して、それ相応に大過剰で、ホスフィンまたはホスフィット配位子が有利に は使用される。 反応媒体に均一に可溶性の遷移金属触媒は、一般に反応器に供給される付加物 IIに対して0.001〜 1.0モル%、有利には0.01〜1.0モル%の量で使用する。添加されるべ き均一系触媒の量が、その都度使用される均一系触媒の触媒活性に依存するとい うことは、当業者には明らかである。使用される均一系触媒の種類によって、従 ってより多いまたはより少ない量の触媒を反応混合物に添加することも有利であ る。有利には、その都度使用される均一系触媒の最適な量は予備実験で決定され る。 前記の均一系触媒を使用して実施する反応工程c)およびd)は、バッチ式で 、例えば撹拌釜中においてか、または連続的に、例えばループ型反応器もしくは 撹拌釜のカスケード中において、一般に20〜200℃、有利には60〜180 ℃、特に80〜160℃で、かつ一般に1〜100バール、有利には10〜60 バールで実施することができる。付加物IIのアセタールIVへの変換および該 アセタールのn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールへの変換は、 添加される溶剤、例えば脂肪族または芳香族の炭化水素、例えばトルエン、ベン ゼンまたはシクロヘキサン、アルコール、有利にはアセチル化のために使用され るアルコールROH(I)、特にn−ブタノールの過剰量で、高級脂肪アルコー ルまたはグリコール、エーテル、例えばジブチルエーテル、テトラヒドロフラン またはジオキサン、または液体の低分子量ポリアルキレングリコール、ハロゲン 化された脂肪族または芳香 族の炭化水素、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼンもしくは ジクロロベンゼン、スルホキシドもしくはスルホン、例えばジメチルスルホキシ ドもしくはスルホランの存在または不在下に実施することができる。 前記の慣用の溶剤中で実施する代わりに、付加物IIを異性化およびアセチル 化し、アセタールIVを得、それをn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブ タノールに変換することは、ホスフィン溶融液中で実施することもできる。有利 には、この方法はホスフィン含有均一系触媒の場合に使用することができる。原 則的に、任意の所望のホスフィンを、一般に溶剤として使用されるホスフィンの ために選択することができるが、溶融液中で使用されるホスフィンは、有利には 均一系触媒として使用される遷移金属錯体中の配位子として使用されるものであ る。 反応工程c)およびd)において付加物IIを最終生成物であるn−ブチルア ルデヒドおよび/またはn−ブタノールに変換する際に更なる溶剤を添加しない のであれば、反応物自体、すなわちアセタールIVの加水分解のために本発明に より使用される付加物II、アセタールIV、アルコールROH(I)および水 、ならびに反応の最終生成物は、本発明により使用される均一系触媒を溶解する 。 添加されるアルコールROH(I)の量は、広い範 囲内で変化させることができる。アセタールIVの形成のために必要な該アルコ ールの等モル量を、所望であれば上回ってもよい。反応工程c)を実施するため には、一般にアルコールROH(I)を、反応器中に、この反応工程で使用され る付加物IIに対してI/IIのモル比1:1〜100:1、有利には1:1〜 10:1、特に1:1〜5:1で供給する。付加物IIに対して大過剰のモル量 のアルコールROH(I)は、通常、反応工程c)およびd)での反応の結果に 悪影響を及ぼさないが、有利にはアルコールROH(I)は、前記の比で使用さ れる。 最終生成物であるn−ブチルアルデヒドおよびn−ブタノールの製造のために 、水を反応工程c)からの反応混合物に、反応器中に供給され、かつ新規方法の 過程において反応工程c)でアセタール中間体IVに変換される付加物IIに対 して、一般に1:1〜100:1、有利には1:1〜20:1、特に有利には1 :1〜10:1のモル比で添加する。 水の存在は、反応工程c)での付加物IIおよびアルコールROH(I)から のアセタールIVの形成に悪影響を及ぼすので、反応工程c)およびd)を、連 続的に実施し、かつ水を反応工程d)が実施されるまで添加しない。従って、反 応工程c)は、実質的に無水条件下で、すなわち技術的に有効な水の不在下に実 施される。勿論、新規方法の収率および費用効率に対 して可測な作用をもたらさない痕跡量の水の存在は許容することができる。 バッチ式の方法においては、まず、付加物IIを、反応器、例えば撹拌釜中で 前記の条件下でアルコールROH(I)と反応させ、アセタールIVが生成し、 かつ反応完了後に、反応水を、反応工程d)でのアセタールIVのn−ブチルア ルデヒドへの更なる変換のために、生成する反応混合物中に導通させることがで きる。水の導入およびそのアセタールIVとの反応は、反応工程c)のために使 用されるのと同じ反応器中で、すなわち1ポット反応で実施することができ、反 応工程c)およびd)を連続的に異なる反応器中で実施することもできる。同様 に、該方法の連続的態様においては、水は、例えば管形反応器またはカスケード 反応器中においてストレートに通過させて、反応工程c)での反応に必要な滞留 時間が経過した後に別々の入口を介して反応管または反応器カスケードの反応器 中に供給することができる。 所望の最終生成物が、n−ブタノールである場合に、反応工程c)に供給され る付加物IIに対して、一般に1:1〜100:1、有利には1:1〜50:1 、特に有利には1:1〜10:1のモル比の水素を、アセタールIVの加水分解 のために必要な水の他にも、反応工程c)からの反応混合物と混合する。バッチ 式の方法においては、この混合は、必要量の水素を、 反応器中に圧入するか、または反応媒体中に水素を、バブル塔もしくは水素の分 散のためのジェットを有するループ型反応器を使用して分散させることによって 実施することができる。水素の混合は、前記のように反応工程c)の反応後に反 応工程d)での加水分解/水素添加の組合せのために必要な水と一緒に実施する ことができる。 反応工程d)におけるアセタールIVのn−ブチルアルデヒドへの加水分解ま たは加水分解/水素添加の組合せは、付加物IIからアセタールIVを形成させ るために使用されるものと同じ触媒を使用して実施することができるので、一般 に、反応物である水または水素および水の添加の前、すなわち反応工程d)の開 始前に、反応工程c)からの反応混合物を後処理するする必要はない。 所望の最終生成物がn−ブタノールおよびn−ブチルアルデヒドの混合物であ るならば、該生成混合物中のこれらの生成物の比は、例えば水素の添加および/ または使用される反応温度によって達成することができる。化学量論的量を下回 る水素を使用するのであれば、出発材料の一部分だけがn−ブタノールへと水素 添加することは明らかであり、より低い反応温度の使用によって、出発材料の一 部分だけをn−ブタノールへと水素添加するような程度に水素添加反応速度を低 下させることができる。 反応の完了後に、一般に反応生成物を、蒸留によって後処理し、その際に、使 用される均一系触媒を、蒸留の塔底生成物から回収し、所望であれば、例えば触 媒溶液を、付加物IIのアセタールIVへのアセチル化を伴う反応工程c)およ び/または反応工程d)、すなわちその加水分解および、所望であれば水素添加 に再循環することによって再使用することが可能である。新規方法において均一 系触媒の再循環が望ましい場合には、溶剤、有利には反応生成物であるn−ブタ ノールおよびn−ブチルアルデヒドより高温で沸騰する溶剤を反応混合物に添加 してもよい。使用される均一系触媒が、蒸留条件下で化学的および熱的に安定で あれば、高沸点溶剤の添加を省くことができ、例えばトリフェニルホスフィン溶 融液の形の不均一系触媒を反応中に再循環させることができる。 蒸留による後処理において、更に、反応生成物であるn−ブチルアルデヒドお よび/またはn−ブタノールを、加水分解もしくは水素添加によってアセタール IVから遊離したアルコールROH(I)を分離するか、または前段階の反応工 程c)およびd)に添加し、その際、有利には、アセチル化のために添加したア ルコールROH(I)の量を、新規方法の第1工程、アルコールROH(I)と ブタジエンとの付加反応および/または新規方法の反応工程c)に再循環する。 ブタジエンの部分的な二量体化および三量体化の結果 として形成するオクタノールもしくはドデカノールまたはこれらのアルコールに 相応のアルデヒドを、新規方法の有用な副生成物として、蒸留による反応生成物 の後処理において得ることができる。蒸留による後処理において副生成物として 単離される、任意の不完全に変換されたアセタールIVまたは任意のエノールエ ーテルは、反応工程c)またはd)に再循環させることができる。 新規方法の更なる態様において、付加物IIのアセタールIVへのアセタール 化および該アセタールのn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールへ の加水分解または水素添加は、液相中で不均一系触媒を使用して実施される。 意想外にも、実質的に反応媒体に不溶性である慣用の不均一系水素添加触媒を 、付加物IIのアセタールIVへの変換およびアセタールIVのn−ブチルアル デヒドへの加水分解またはアセタールIVのn−ブタノールへの加水分解/水素 添加の組合せの両者のための触媒として使用することができる。これらの水素添 加触媒の中で、元素の周期律表のIA族、VIA族、VII族もしくはVIII A族の1種以上の元素、所望であればVA族の1種以上の元素と組み合わせて、 特にクロム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、コバルト、ニ ッケル、ロジウム、イリジウム、オスミウム、パラジウムおよび/または白金を 、所望であれば鉄および/または銅の1種以上の元素と組み合わせて含有してい る触媒が有利である。 有利には、特に活性な水素添加触媒、例えばニッケルまたは白金族を、触媒毒 として作用しかつこの方法で部分的に被毒させることができる主族元素でドーピ ングしてよい。この処理の結果として、アセタールIVのn−ブタノールへの加 水分解/水素添加の組合せにおいて、より高い選択率を達成することができる。 かかる特に活性な水素添加触媒の部分的な被毒のために適当な主族元素の例は、 カルコゲン、例えば硫黄、セレンおよびテルル、ならびにリン、ヒ素、アンチモ ン、ビスマス、スズ、鉛およびタリウム元素である。この目的のために適当な亜 族元素は、例えば水銀およびカドミウムである。 新規方法で使用することができる不均一系触媒は、例えば沈殿法触媒である。 かかる触媒は、その触媒的に活性な成分を、その硝酸塩および/または酢酸塩か ら、例えばアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の水酸化物および/ま たは炭酸塩溶液を添加して、例えば僅かに可溶性の水酸化物、水和酸化物、塩基 性塩または炭酸塩として沈殿させ、次いで生成する沈殿物を乾燥させ、引き続き 、一般に300〜700℃、特に400〜600℃でか焼し、関連の酸化物、混 合酸化物および/または混合原子価の酸化物に変換し、これを、例えば還元剤、 例えば水素または水素含有 ガスで、原則的に50〜700℃、特に100〜400℃で還元し、低い酸化状 態の関連の金属および/または酸化物化合物を生成し、かつ実用的な触媒活性形 に変換することによって製造することができる。原則的に、還元は、更なる水が 形成されなくなるまで続ける。担体を有する沈殿法触媒の製造において、触媒活 性成分の製造は、関連の担体の存在下で実施してもよい。しかしながら、有利に は触媒活性成分を、例えば水ガラス溶液を使用して触媒活性成分を沈殿させる場 合と同様に関連の塩溶液から担体と同時に沈殿させることができる。 有利には、担体上に堆積物として、水素添加を触媒する金属もしくは金属化合 物を含有する水素添加触媒を、新規方法で使用する。触媒活性成分の他に担体を 含有する前記の沈殿法触媒の他に、一般に担体上に、例えば含浸によって触媒活 性成分を適用した担体触媒は、新規方法のために適当である。 触媒活性金属の担体への適用方法は、原則的に本方法に関しては重要でなく、 種々の方法で実施することができる。触媒活性金属は、これらの担体に、例えば 関連の元素の塩もしくは酸化物の溶液または懸濁液で含浸させることにより適用 し、乾燥させ、引き続き金属化合物を、還元剤、有利には水素、水素含有ガスま たはヒドラジンを使用して還元させることによって低い酸化状態の関連の金属も しくは酸化性化合物が得ら れる。これらの担体に触媒活性金属を適用するための別の可能性は、容易に熱分 解する塩、例えば硝酸塩もしくは容易に熱分解する錯体化合物、例えば触媒活性 金属のカルボニルもしくはヒドリド錯体の溶液で担体を含浸させ、かつこの方法 で含浸させた担体を、吸収された金属の熱分解のために300〜600℃に加熱 することからなる。有利には、この熱分解は、不活性ガス雰囲気下で実施される 。適当な不活性ガスは、例えば窒素、一酸化炭素、水素もしくは希ガスである。 更に、触媒活性金属を、触媒担体上に蒸着もしくは溶射によって堆積させること ができる。 これらの担体触媒中の触媒活性金属の含有量は、原則的に新規方法の成功のた めには重要ではない。これらの担体触媒中の触媒活性金属のより高い含有量は、 より低い含有量の場合より高い空時収量を惹起することは当業者には明らかであ る。しかしながら、一般に使用される担体触媒は、触媒活性金属の含有量が、全 触媒に対して0.1〜80重量%、有利には0.5〜30重量%のものである。 これらの前記の含有量は、担体を伴う全触媒に対するものであるが、種々の触媒 は、著しく異なる密度および特定の表而積を有するので、新規方法の結果に悪影 響を及ぼすことなく、これらの前記の値を上回るか、または下回ってもよい。勿 論、複数の触媒活性金属を、各担体に適用してもよい。更に、触媒活性金属を、 西ドイツ国特許出願公開第 2519817号明細書、欧州特許出願公開第147219号明細書および欧州 特許出願公開第285420号明細書の方法によって担体に適用してもよい。前 記の明細書による触媒において、触媒活性金属は、例えば含浸によって担体上に 堆積させた前記の金属の塩または錯体の熱処理および/または還元によって製造 される合金として存在する。 沈殿法触媒ならびに担体触媒の活性化は、反応混合物中で、その場でそこに存 在する水素によっても実施することができるが、有利にはこれらの触媒は、これ らを新規方法で使用する前に活性化させる。 一般に、アルミニウムもしくはチタンの酸化物、二酸化ジルコニウム、シリカ 、ケイソウ土、シリカゲル、クレー、例えばモンモリロナイト、ケイ酸塩、例え ばケイ酸マグネシウムもしくはケイ酸アルミニウム、ゼオライト、例えばZSM −5もしくはZSM−10ゼオライト、ならびに活性炭を、担体として使用して よい。有利な担体は、アルミナ、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムおよび活性 炭である。勿論、種々の担体の混合物を、新規方法で使用できる触媒のための担 体として使用してもよい。 以下の触媒は、反応工程c)およびd)を実施するために使用できる不均一系 触媒の例である: 二酸化白金、アルミナ上パラジウム、シリカ上パラジウム、硫酸バリウム上パ ラジウム、二酸化ジルコニ ウム上パラジウム、活性炭上ロジウム、アルミナ上ロジウム、シリカ上ルテニウ ムもしくは活性炭上ルテニウム、シリカ上ニッケル、シリカ上コバルト、アルミ ナ上コバルト、鉄カルボニル粉末、ラネーレニウム(Raney rhenium)、活性炭 上レニウム/パラジウム、活性炭上レニウム/白金、酸化白金/酸化ロジウム混 合物、活性炭上白金/パラジウム、亜クロム酸銅、亜クロム酸バリウム、アルミ ナ上ニッケル/酸化クロム、硫化コバルト、硫化ニッケル、銅/酸化モリブデン (VI)/シリカ/アルミナ触媒、セレンまたは鉛で部分的に被毒した活性炭上 パラジウム触媒および西ドイツ国特許出願公開第3932332号明細書、米国 特許第3449445号明細書、欧州特許出願公開第44444号明細書、欧州 特許出願公開第147219号明細書、西ドイツ国特許出願公開第390408 3号明細書、西ドイツ国特許出願公開第2321101号明細書、欧州特許出願 公開第415202号明細書、西ドイツ国特許出願公開第2366264号明細 書および欧州特許出願公開第100406号明細書による触媒。 新規方法において、有利にはブレンステッド酸および/またはルイス酸を含有 する水素添加触媒を使用してもよい。 例えば、触媒活性金属自体を、この金属が、触媒活性化の間に、水素または水 素含有ガスによって関連の 金属に完全に還元されないならば、ブレンステッド酸またはルイス酸中心として 作用させてもよい。これを、例えば亜クロム酸塩含有触媒、例えば亜クロム酸銅 に適用する。更に、かかるルイス酸またはブレンステッド酸もしくは塩基性中心 を、使用される担体を介して触媒中に導入することができる。ルイス酸またはブ レンステッド酸中心を有する担体は、例えばアルミナ、二酸化チタン、二酸化ジ ルコニウム、シリカ、ケイ酸塩、クレー、ゼオライト、マグネシウムおよびアル ミニウムの混合酸化物ならびに活性炭である。 従って、新規方法で有利に使用される水素添加触媒は、ブレンステッド酸また はルイス酸として作用する担体上に堆積させた元素の周期律表の亜族I、VI、 VIIおよび/またはVIIIの元素、特に亜族VIIおよびVIIIの元素を 有する担体触媒である。特に有利な触媒は、例えば活性炭上ルテニウム、アルミ ナ上ルテニウム、シリカ上ルテニウム、酸化マグネシウム上ルテニウム、二酸化 ジルコニウム上ルテニウム、二酸化チタン上ルテニウム、アルミナ上パラジウム 、シリカ上パラジウム、二酸化ジルコニウム上パラジウム、硫酸バリウム上パラ ジウムならびにセレンまたは鉛で部分的に被毒された活性炭上パラジウム触媒で ある。 ルイス酸またはブレンステッド酸成分、例えばゼオライト、アルミナもしくは シリカ、リン酸または硫酸 を、自体がかかるブレンステッド酸もしくはルイス酸中心を有さない水素添加触 媒に添加してもよい。これらは、一般に、使用される触媒の重量に対して0.0 1〜5重量%、有利には0.05〜0.5重量%、特に有利には0.1〜0.4 重量%の量で添加する。 また、不均一形の、元素の周期律表のVIA族およびVIIIA族の遷移金属 の錯体を有する不均一系触媒、例えば関連の遷移金属をポリマー基材に固定した ものは、付加物IIのアセタールIVへの変換および引き続き行う該アセタール のn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールへの加水分解または加水 分解/水素添加の組合せのためにも適当であり、その際、該錯体を、これらの反 応工程の均一系触媒のために使用することが可能である。 かかるポリマー基材は、樹脂、例えば、有利には遷移金属の錯体形成のために 使用される関連の配位子を共有結合させたスチレン/ジビニルベンゼン樹脂また はフェノール/ホルムアルデヒド樹脂であってもよく、また、これらの配位子は 、関連の遷移金属と錯体を形成し、従って該金属を多かれ少なかれ固定する。か かる不均一系の、2,2’−ビピリジンもしくは1,10−フェナントロリン配 位子を有する、ポリマーに結合した遷移金属錯体触媒または不均一系の、触媒活 性遷移金属のホスフィンもしくはホスフィット錯体を、例えばこれらの触媒の製 造のための反応工程a)の 説明の際に記載した文献の方法によって製造することができる。 前記の不均一系触媒を使用して、付加物IIのアセタールIVへのアセタール 化および引き続いて行う該アセタールのn−ブチルアルデヒドおよび/またはn −ブタノールへの加水分解または水素添加は、連続的とバッチ式の両方で実施す ることができる。 不均一系触媒は、液体反応媒体中の懸濁液または、有利には1つの固定相もし くは複数の固定相中に配置して使用することができる。液体反応媒体中に懸濁さ せた不均一系触媒の使用によって、該方法を、例えば撹拌釜またはループ型反応 器中で実施することができる。固定相中に配置した不均一系触媒を使用する場合 には、一般に反応混合物を、液相法もしくはトリクルベッド法によって固定した 触媒床上に通過させる。 アセタールIVの加水分解およびその加水分解と水素添加との組合せの両者は 、断熱的または恒温的に運転される反応器中で実施することができる。本明細書 においては、一般に触媒を、液体反応混合物と一緒に空間速度0.01〜10、 有利には0.02〜3、特に有利には0.03〜1反応混合物(kg)/触媒( l)/時間で投入する。不均一系触媒を使用する場合には、反応は、溶剤の存在 または不在下に実施してもよい。使用される溶剤は、均一系触媒下での方法を実 施する際にも使用できるものと同じ溶剤であってもよ い。 不均一系触媒においても、反応工程d)のために必要な水の添加は、反応工程 c)において付加物IIおよびアルコールROH(I)からのアセタールIVの 形成に悪影響を及ぼす。従って、不均一系触媒においても、水は、反応工程c) の反応の完了後まで添加せず、かつ反応工程d)の反応を、水の添加または水素 と水の添加によって開始させる。従って、不均一系触媒下でのバッチ式の方法に おいて、水の添加または水素と水の添加は、均一系触媒下で反応工程c)および d)を実施するための前記の場合と同様の方法で実施される。ストレートに通過 させる連続的方法において、n−ブチルアルデヒドの製造のための水またはn− ブタノールの製造における水素と水を、反応工程c)からの反応混合物と水また は水素と水が接触する際に、触媒床上での反応混合物の滞留時間の間に反応工程 c)の反応が完了するように配置した別々の入口を介して触媒床中に供給する。 選択的に、複数の触媒床を、反応器または連結した複数の反応器中に配置しても よく、その際、反応工程c)での反応を、1つまたは複数の第1の触媒床中で実 施し、かつ反応工程d)での反応を、水の添加または水素と水の添加の後に、1 つまたは複数の下流の触媒床中で実施する。 従って、反応工程c)は、不均一系触媒下で、実質的に無水条件、すなわち技 術的に有効量の水の不在下 でも実施される。勿論、新規方法の収率および費用効率に可測な効果をもたらさ ない痕跡量の水の存在が許容されることは明らかである。 アセタールIVの付加物IIからの製造のために添加されるアルコールROH (I)の量は、広い範囲内で、反応工程c)の不均一系触媒の場合にも変化させ てもよい。必要とされる等モル量を、所望であれば上回ってもよい。反応工程c )を実施するために、一般にアルコールROH(I)を、反応器にI/IIのモ ル比もしくは該反応工程で使用される付加物IIに対して1:1〜100:1、 有利には1:1〜10:1、特に1:1〜5:1で供給する。付加物に対して大 過剰のアルコールの重量モル濃度は、一般に反応工程c)およびd)での反応の 結果に不利な効果を及ぼさないが、有利にはアルコールROH(I)は、前記の 比で使用される。加水分解を、不均一系触媒下で実施する際に、反応工程c)で 製造されたアセタールIVからn−ブチルアルデヒドを分離するために反応工程 d)で必要とされる水は、反応工程c)からの反応混合物中に、事前に反応工程 c)に供給される付加物IIの量に対して、一般に1:1〜100:1、有利に は1:1〜50:1、特に有利には1:1〜10:1のモル比で添加する。有利 には、反応工程d)でのアセタールIVの加水分解のために添加される水の量は 、反応工程c)に事前に供給される付加物IIの量に 依存する。それというのも、一般に反応工程c)からの排出物は、更なる後処理 なしに、該反応工程による反応のために使用されるからである。液相中の不均一 系触媒上でのアセタールIVを得るための付加物IIの異性化とアセタール化と の組合せならびに引き続いて行うn−ブチルアルデヒドを得るための該アセター ルの加水分解は、一般に20〜300℃、有利には50〜280℃、特に有利に は80〜250℃、ならびに一般に1〜100バール、有利には1〜50バール 、特に2〜10バールで実施される。 不均一系触媒下での方法を実施する際に、反応工程d)でのn−ブタノールの 製造において水の他に必要とされる水素を、反応工程c)からの排出物に、本来 反応工程c)に供給される付加物IIに対して、一般に1〜100、有利には1 .5〜80、特に2〜40のモル比で添加される。有利には、n−ブタノールの 製造のために反応工程d)で使用されるべき水素量は、反応工程c)に供給され る付加物IIの量に依存する。それというのも、反応工程c)からの排出物は、 原則的に反応工程d)において事前の後処理なしに反応させるからである。水相 中の不均一系触媒上でのアセタールIVを得るための付加物IIの異性化とアセ タール化との組合せおよび引き続いて行うn−ブタノールへの該アセタールの加 水分解/水素添加は、一般に、20〜300℃、有利には50〜280℃、特に 有利には80〜250℃で、かつ一般に1〜300バール、有利には5〜250 バール、特に20〜200バールで実施する。勿論、n−ブタノールの製造のた めに必要であり、かつ付加物IIに依存する水とアルコール(I)の量は、付加 物IIからn−ブチルアルデヒドを製造するために必要な水とアルコールの量と 同量であることは明らかである。 所望の最終生成物がn−ブチルアルデヒドとn−ブタノールとの混合物であれ ば、一般に水、アルコール(I)と水素を、前記と同様の方法で、反応工程c) で導入される付加物IIに対する比で混合し、それにより所望の生成物の比で両 方の最終生成物を得ることができる。更に、反応器の排出物中のこれらの2種の 最終生成物の比は、一定の不均一系触媒、例えば高い加水分解活性を有しかつ該 活性に比べて比較的低い水素添加活性を有する不均一系触媒の使用によって調節 することもできる。例えばその水素添加特性に関して不活化または部分的に被毒 させた触媒、例えばセレンもしくは鉛で部分的に被毒させた活性炭上パラジウム 触媒を、有利にはこの目的のために使用できる。 一般に、反応工程d)からの液体反応排出物は、蒸留によって、均一系触媒に よって該反応を実施するための記載と同様に後処理される。不均一系触媒を使用 する際には、勿論、均一系触媒を使用する際には有利な触媒の再循環を行なわな い。有利には、遊離したア ルコールROH(I)または反応工程d)で再び添加されるアルコールROH( I)を、アルコールROH(I)と1,3−ブタジエンとの付加反応を伴う反応 工程および/または反応工程c)での反応に再循環させることは、均一系触媒を 使用する該反応工程での反応のための記載と同様に実施することができる。 前記のように、新規方法の利点は、同じ不均一系触媒を、反応工程c)での異 性化/アセタール化の組合せとアセタールIVのn−ブチルアルデヒドへの加水 分解または反応工程d)でのアセタールIVの加水分解/水素添加の組合せのた めの両者に使用できることであり、その結果として触媒費用を削減することがで きる。しかしながら、新規方法によるn−ブチルアルデヒドおよび/またはn− ブタノールの製造のために使用される装置の種類および更に、ブチルアルデヒド /ブタノール比に関する新規方法の最終生成物の所望の組成によって、本発明に より使用されるべきもののうちで異なる不均一系触媒を、個々の反応工程c)お よびd)において使用する場合に、有利なことが判明することがある。 反応工程c)およびd)は、連続的反応工程で実施されるので、種々の操作方 式を、個々の方法工程において使用することができる。例えば、付加物IIのア セタールIVへの変換は、選択的に均一系触媒下または不均一系触媒上で実施す ることができ、かつn−ブ チルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールを得るためのアセタールIVの加 水分解もしくは加水分解/水素添加の組合せは、選択的に液相中で均一系触媒ま たは不均一系触媒を使用して実施することができる。 有利には、加水分解または加水分解/水素添加の組合せにおいてアセタールI Vから遊離されたアルコールROH(I)を、反応工程a)での反応および/ま たは反応工程c)での反応に再循環する。 前記のように、新規の統合した方法の反応工程a)およびb)で製造されるブ テニルエーテルIIの代わりに、別の方法で製造される式IIのブテニルエーテ ルを、反応工程c)において使用してもよい。反応工程c)およびd)を実施す る際の前記の記載は、統合された方法外で別の方法で製造されるような式IIの ブテニルエーテルを、反応工程c)で出発材料として使用する際に、勿論完全に 適用可能である。このような方法は、製造現場で式IIのブテニルエーテルを別 の製造方法から入手できる場合に有利である。 新規方法を、フローチャートを参照して図においてより詳細に説明する。該図 は、アルコールROH(I)と1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水 素混合物との付加反応、ならびにアセタールIVを得るための付加物IIの異性 化およびアセチル化および該アセタールのn−ブチルアルデヒドおよび/または n−ブタノールへの加水分解または加水分解/水素添 加の組合せの両者を、液相中で単一の方法工程で実施する新規方法の有利な態様 を図によって示している。この方法のフローチャートは、新規方法の出発材料、 中間体および生成物の流れの経路のみを図解することを意図しているので、理解 しやすいように、プラント、例えばポンプ、熱交換器、バルブまたはリレーの明 瞭な細部は、この方法のフローチャート中には描いていない。 1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物とアルコールROH (I)、有利にはn−ブタノールの混合物は、1,3−ブタジエンとアルコール ROH(I)をそれぞれ供給配管3および供給配管4を介して供給することで、 供給配管1を介して反応器2に供給される。勿論、出発材料も、別の配管を介し て反応器2に供給することができる。反応器2中で、アルコールROH(I)を 、有利にはブレンステッド酸、特に酸性の陽イオン交換体を使用して1,3−ブ タジエンと付加反応させ、その際、一般に出発材料IIおよびIIIの混合物が 生成する。実質的に付加物IIおよびIII、比較的高沸点のブタジエン誘導体 および未変換の1,3−ブタジエンならびにアルコールROH(I)からなる反 応器2からの反応排出物を、例えば配管5を介して気/液分離器6に供給し、そ の際、気体状1,3−ブタジエンを、蒸留によって反応器2の反応排出物の液体 成分から分離し、かつ配管 7、配管8および配管1を介して反応器2に再循環させるか、または配管7およ び配管9を介して燃焼のためのフレアに供給する。蒸留塔6で分離された液体混 合物を、配管10を介して蒸留塔11に導通し、その際により容易に揮発する付 加物IIIを、蒸留によって、ほとんど揮発しない付加物IIならびに存在して いる任意のアルコールROH(I)および比較的高沸点のブタジエン誘導体から 分離する。次いで、付加物III、未変換のアルコールROH(I)および存在 している任意の未変換の1,3−ブタジエンを、配管12および配管1を介して 反応器2に再循環し、そこで付加物IIIを、新たに導入した1,3−ブタジエ ンおよびアルコールROH(I)の存在下に異性化し、付加物IIを得る。選択 的に、未変換アルコールROH(I)を、付加物IIと一緒に配管13を介して 反応器14に供給してもよい。反応器2から蒸留塔11に反応器排出物と一緒に 供給された低沸点物、例えばビニルシクロヘキセンを、所望であれば、蒸留塔1 1中で分離された残留ブタジエンと一緒に、出口42を介してフレアに供給する 。1つの蒸留塔11の代わりに、連結された複数の蒸留塔を、蒸留によって反応 器2から液体の反応排出物を分離するために使用することもできる。1個の蒸留 塔11を使用する代わりに複数の蒸留塔を使用する場合に、反応器2からの排出 物中に含有する比較的高沸点の反応生成物、所望であ ればジブチルエーテル、アルコキシオクタジエンまたはアルコキシドデカトリエ ンを付加物IIから分離し、かつプロセスから除去することができる。これらの 化合物は、反応工程c)およびd)による更なる工程に悪影響を及ぼさないので 、分離を省いてもよく、かつジブチルエーテル、アルコキシオクタジエンまたは アルコキシドデカトリエンを、配管13を介して反応器14に付加物IIと一緒 に供給してもよい。 より容易に揮発する付加物IIIならびに低沸点副生成物および任意の高沸点 副生成物を含有していない、蒸留塔11からの液体排出物を、配管13を介して 所望であれば未変換アルコールROH(I)と一緒に反応器14に供給し、そこ で付加物IIを、配管43によって再循環されたアルコールROH(I)、所望 であれば配管15を介して新たに添加されたアルコールROH(I)、有利には 配管43または配管15を介して再循環されたn−ブタノールもしくは新たに添 加されたn−ブタノールと、均一系もしくは不均一系遷移金属触媒の存在下で反 応させ、アセタールIVが生成し、次いで該アセタールをn−ブチルアルデヒド に加水分解するか、または加水分解/水素添加の組合せにおいてn−ブタノール および、所望であればn−ブチルアルデヒドに変換する。図示される態様におい て、反応器14は、反応混合物をストレートに通過させる管形反応器の形である 。水と水素は、図示される ように反応器14の異なる高さに取り付けられるか、または同じ高さに取り付け られていてもよい供給器17および供給器18を介して反応器中に供給すること ができる。プラント中で、n−ブチルアルデヒドのみを製造すべきであれば、水 素供給配管16を閉じたままでよく、または触媒の使用時間の改善に必要な水素 量を、該配管を介して、所望であれば配管16を介して導入してもよい。所望で あれば、一酸化炭素を、この目的のために反応器中に水素と一緒に導通させても よい。 実質的に、n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノール、比較的高沸 点のブタジエン誘導体、例えばオクタノールもしくはドデカノール、未変換の水 、場合により過剰の水ならびに、反応器14中で均一系触媒を使用するのであれ ば、溶解させた触媒を含有する、反応器14からの液体反応排出物を、配管19 を介して蒸留塔20に供給する。n−ブタノールを製造するために供給器18を 介して添加してもよく、かつ未変換である水素を、反応器14から配管21を介 して大部分を除去し、かつ配管18もしくは配管16を介して反応器14に再循 環させるか、または燃焼させる。 蒸留塔20中で、反応器14からの反応排出物を、その成分に蒸留によって分 離する。より容易に揮発するn−ブチルアルデヒドは、塔頂で配管22を介して 、所望であれば低沸点副生成物と一緒に分離され、所望であれば更なる精製のた めに記載していない付加的な蒸留工程に供給する。新たに形成したn−ブタノー ルを、配管23を介して蒸留塔から分離し、かつ更なる使用のために配管24を 介して供給する。より高沸点の生成物、例えばジブチルエーテル、オクタノール およびドデカノールは、図で出口26と示される、蒸留塔20の塔底の複数の出 口を介して分離することができる。反応器14で均一系触媒を使用するのであれ ば、触媒溶液は、蒸留塔20の塔底から配管27を介して除去され、必要であれ ば消費された触媒の部分流を除去した後に、反応器14に配管28を介し、かつ 新たな触媒溶液を配管29を介して添加して再循環させる。 所望であれば、反応器14中の反応は、該反応器中でn−ブチルアルデヒドだ けまたはn−ブタノールだけが製造されるように調節することができる。このよ うな場合、例えばn−ブタノールだけを反応器14で製造するならば、次いで、 所望であれば反応器14と並行に作動する反応器30中で新規方法の更なる態様 においてn−ブチルアルデヒドを製造し、かつ配管31を介して蒸留塔11の排 出物の部分流を供給する。反応器14と同様に、反応器30においては、付加物 IIを、プラントの定常作動状態が達成されるまでアルコールI、有利には配管 23、配管25および配管 44を介して供給されるn−ブタノールもしくは配管37、25および44を介 して供給されるn−ブタノールまたは配管33を介して新たに供給されるn−ブ タノールと反応させ、アセタールIVが得られ、かつ該アセタールを、n−ブタ ノールへと水素添加するのではなく、n−ブチルアルデヒドに加水分解する。加 水分解のために必要な水を、供給配管32を介して、図では反応混合物をストレ ートに通過させる管形反応器として描かれている反応器30に供給する。反応器 30からの液体排出物を、配管34を介して蒸留塔35中に導通させ、そこでn −ブチルアルデヒドを配管36を介して分離する。加水分解でアセタールIVか ら分離したn−ブタノールまたは反応器2でn−ブタノールの代わりに使用され るアルコールROH(I)を、配管37を介して蒸留塔から分離し、かつ配管2 5および配管1を介して反応器2に再循環させ、その際、再び新たな1,3−ブ タジエンと反応させ付加物IIおよびIIIを得るか、または選択的に反応器3 0での反応から、そこに含有される水を除去した後(図示せず)に配管25およ び配管44を介して反応器30に再循環させることができる。 高沸点生成物、例えば二量体および三量体のブタジエン誘導体は、図で出口3 8と示される複数の出口を介して蒸留塔35の塔底で分離することができる。反 応器30において均一系触媒を使用する場合には、有 利には触媒溶液は、蒸留塔35の塔底から配管39を介して、所望であれば消費 した触媒の部分流を除去した後に配管40を介して、かつ新たな触媒溶液を配管 41を介して反応器30に再循環される。 新規方法の有利な態様において、n−ブタノールをアルコールROH(I)と して使用する際に、蒸留塔20中で単離され、かつ配管23を介して分離され、 1,3−ブタジエンから新たに形成したn−ブタノール、および本来配管4また は15を介して添加されるn−ブタノールおよび反応器14における反応工程c )の間に再び遊離されるn−ブタノールからなるn−ブタノールを、2つの部分 流に分割し、その際、新たに形成したn−ブタノール量を、更なる使用のために 配管24を介して供給し、かつ本来アルコールROH(I)として使用されるn −ブタノール量を、配管25および配管1を介して反応器2に再循環させ、前記 のように配管25および配管44を介して、場合により存在しかつ反応器14と 並行して作動する反応器30に供給されないならば、配管23および43を介し て反応器14に再循環される。プラントの設計および結果の要求により、これら のブタノール流は、図示されておらず、かつ配管37と配管25との交差点およ び配管25と配管44との交差点ならびに配管23が配管24と配管25とに分 岐する点に存在する分配器によって分配することができる。定常作動状態がプラ ントにおいて達成されるまで、更に、反応器14および/または反応器30は、 それぞれ、配管15および配管33を介してn−ブタノールが供給されてもよい 。 n−ブタノール以外のアルコールROH(I)を使用する場合に、その沸点に よって、該アルコールを、図示されていない分離出口を介して蒸留塔20から除 去し、かつ配管25および配管1を介して反応器2に、かつ/または配管43も しくは配管44を介して反応器14もしくは反応器30に、それぞれ再循環する 。 配管23を介して蒸留塔20から分離されたn−ブタノールおよび別々の出口 を介して分離され、かつn−ブタノールと異なる任意のアルコールROH(I) は、更に使用されるか、または反応器2および反応器14に再循環される前に、 記載していない更なる蒸留による精製を実施し、そこに含有されている任意の不 純物、例えばジブチルエーテル、および反応器14の反応からの水の残留量を除 去する。同様のことを、出口26を介して分離される高沸点生成物の蒸留による 更なる精製に適用する。分離出口を介して分離される任意のアルコールROH( I)および配管23を介して分離され、かつ再循環されるn−ブタノールの蒸留 による精製は、方法の循環において不純物および水の形成を回避するための一定 の循環において必要である 。蒸留塔20からの排出物の蒸留による精製は、慣用の蒸留法によって実施する ことができ、本発明の対象を形成しない。同様に、このことは、配管36、配管 37および配管38を介して蒸留塔35から分離された生成物にも適用される。 これに関連して、蒸留塔11、蒸留塔20および蒸留塔35からの出口を単に図 解的に示したことを再度指摘する。これらの蒸留塔で蒸留されるべき生成物の組 成は、反応器2、反応器14および反応器30で使用される方法によって変化し 、これは、その都度存在する生成物の組成によって生成物を分離するために必要 である1個または複数の蒸留塔を相応に規格することは当業者の通常の作業であ る。 新規方法によって、最終生成物であるn−ブチルアルデヒドおよびn−ブタノ ールは、1,3−ブタジエンから出発して、これらの生成物の製造のために出発 材料としてブタジエンを使用する、今までに知られている方法の場合より高い選 択率で得られる。 実施例 実施例においては、市販されている4−t−ブチルピロカテコールで安定化し た1,3−ブタジエンを使用した。 例1(反応工程a) 0.31の撹拌オートクレーブを、n−ブタノール67.0g(0.90モル )および水およびn−ブタ ノールで事前に洗浄したH+形の15.0gのLew −ブタジエン47.9g(0.88モル)を、反応器中に圧入した。90℃およ び9バールでの10時間の反応時間後に、3−ブトキシブテ−1−エンに関して 選択率48.4%および1−ブトキシブテ−2−エンに関して選択率41.1% (ブタジエンに対する)が、変換率46%において判明した。 例2 0.31の撹拌オートクレーブを、n−ブタノール67.0g(0.90モル )および事前に水およびn−ブタノールで洗浄したH+形の11.5gのLew 換体3.5gで充填した。次いで、1,3−ブタジエン47.0g(0.88モ ル)を、オートクレーブに圧入した。90℃および自己圧下での反応の10時間 後に、3−ブトキシブテ−1−エンに関して選択率46.8%および1−ブトキ シブテ−2−エンに関して選択率44.3%(ブタジエンに対する)が、変換率 69.1%で得られた。 例3 加熱可能な1.41の管形反応器を、水およびn−ブタノールで洗浄したH+ 形の銘柄Amberlit た。1,3−ブタジエンおよびn−ブタノールを、液相中において20バールで 反応器の上流で混合し、次いで連続的にイオン交換体床上に導通させた。反応パ ラメーターである温度、流速および1,3−ブタジエン/n−ブタノールのモル 比を、広い範囲内で調査した。種々の試験条件下で得られた結果を、第1表に示 す。生成物の組成分析を、較正されたガスクロマトグラフィーによって実施した (ブタジエンに対する)。 例4 第2表、第3表および第4表に記載される反応条件下でのn−ブタノールと1 ,3−ブタジエンとの付加反応での一連の試験は、0.31の撹拌オートクレー ブ中で実施し、かつ前記の表中に示される結果が得られた。第2表は、触媒とし て異なる酸性のドーピングしていないイオン交換体を使用することに関し、第3 表は、異なる量のドーピングしていないLewati 換体との混合物を触媒として使用した場合の試験結果を示し、かつ第4表は、触 媒として種々の銅(II)塩でドーピングしたイオン交換体とそれぞれのドーピ ングしていないイオン交換体との混合物によって得られた結果を示している。 例5(付加物IIIの付加物IIへの異性化) 撹拌オートクレーブを、n−ブタノール6.0g、3−ブトキシブテ−1−エ ン2.0gおよび乾燥させ体1.2gで充填した。この反応混合物を、105℃に加熱し、2時間および6 時間の反応時間後に、試料を採取し、かつ3−ブトキシブテ−1−エン/1−ブ トキシブテ−2−エンの比をガスクロマトグラフィーによって測定した。反応時 間による該比の変化を、第5表に示す。 例6 例3に記載した装置中で、1,3−ブタジエン、n−ブタノール、およびn− ブタノールと1,3−ブタジエンとの付加反応で生じ、大部分の1−ブトキシブ テ−2−エンを事前に蒸留によって除去したブトキシブテンの混合物を、液相中 で反応器の上流で混合し、次いでイオン交換体床上に20バールおよび種々の温 度で連続的に導通させた。これらの試験結果を、第6表に示す。全ての分析は、 較正されたガスクロマトグ ラフイーによって実施した。 例7(例6との比較) 例7を、例6と同様に実施した、但しブトキシブテンを使用せずに1,3−ブ タジエンとn−ブタノールだけを反応器に供給した。結果を第6表に示す。 第6表における例6と例7の結果の比較は、n−ブタノールと1,3−ブタジ エンとの付加反応で形成した不所望な3−ブトキシブテ−1−エンを付加反応に 再循環させることによって、該副生成物の更なる形成が抑制されることを示して いる。 例8 ゼオライト触媒下でのn−ブタノールと1,3−ブタジエンとの付加反応 a)H+形のゼオライトの製造 市販のNa形のYゼオライト(モジュラス(modules):5)を、以下のよう にH+形に変換した: ゼオライト100gを、イオン交換のために硫酸アンモニウムによって80℃ で処理し、次いで水で洗浄し、110℃で乾燥させ、500℃で5時間か焼した 。この処理をもう1度繰り返した。生成するYゼオライト(H+形)は、まだナ トリウム0.02重量%を含有しており、かつそのX線回折像は、典型的なH+ 形のYゼオライトのX線回折像(FAU構造)と一致した。 米国特許第4891458号明細書の実施例1によって製造したNaゼオライ トを、同様に処理した。 b)0.31の撹拌オートクレーブを、n−ブタノール67.0g(0.90 モル)および例8a)により製造したH+形のYゼオライト5gで充填した。次 いで、1,3−ブタジエン49.7g(0.92モル)を圧入した。130℃お よび9バールでの6時間の反応時間後に、3−ブトキシブテ−1−エンの形成に 関して選択率32.4%および1−ブトキシブテ−2−エンの形成に関して選択 率20.3%が、1,3−ブタジエンの変換率35.9%で測定された。 c)n−ブタノール0.90モルおよび1,3−ブタジエン0.88モルを、 例8a)により製造したH+形のYゼオライト5gの存在下に例8a)と同様に 反応させた。変換率40.0%において、3−ブトキシブテ−1−エンは選択率 42.5%で、かつ1−ブトキシブテ−2−エンは選択率16.5%で形成した 。 例9 プロトン触媒によるn−ブタノールとブタジエン含有炭化水素混合物との付加 反応 0.31の撹拌オートクレーブを、n−ブタノール51.0g(0.69モル )およびH+形の10.0 、1,3−ブタジエン含有炭化水素混合物(n−ブタン/イソブタン15.4% 、1−ブテン/2−ブテン45.4%、イソブテン1.0%、ブタジエン38. 2%)40.0gを、オートクレーブ中に圧入した。100℃および43バール での反応時間10時間後に、反応を停止させ、この反応混合物をガスクロマトグ ラフイーによって分析した: 結果: ブタジエン変換率 18% イソブテン変換率 47% 1−ブテン/2−ブテン変換率 4% 3−ブトキシブテ−1−エン形成の選択率 41% 1−ブトキシブテ−2−エン形成の選択率 46% ビニルシクロヘキセン形成の選択率 9% 例10 均一系遷移金属触媒の存在下での、n−ブタノールと1,3−ブタジエンまた はブタジエン含有炭化水素との付加反応 a)0.31の撹拌オートクレーブを、n−ブタノール74.0g(1.0モ ル)、パラジウムアセチルアセトネート0.205g(0.66ミリモル)およ び1−(ジイソプロピルホスフィノ)−3−(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロ パン2.02g(7.3ミリモル)で窒素雰囲気下で充填した。次いで、1,3 −ブタジエン34.7g(0.64モル)を圧入した。80℃および9バールで の反応時間20時間後に、反応を停止させ、この反応混合物を、ガスクロマトグ ラフイーによって分析した。 結果: ブタジエンの変換率 88% 3−ブトキシブテ−1−エン形成の選択率64.5% 1−ブトキシブテ−2−エン形成の選択率34.3% b)0.31の撹拌オートクレーブを、n−ブタノール54.8g(0.75 モル)、パラジウムアセチルアセトネート0.122g(0.4ミリモル)およ び1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン0.68g(1.6ミリ モル)ならびにMihag ol30gで窒素雰囲気下で充填した。次いで、1,3−ブタジエン26.0g (0.48モル)を圧入した。80℃および10バールでの反応時間10時間後 に、反応を停止させ、この反応混合物をガスクロマトグラフイーによって分析し た。 結果: ブタジエンの変換率 99% 3−ブトキシブテ−1−エン形成の選択率41.3% 1−ブトキシブテ−2−エン形成の選択率58.7% c)0.31の撹拌オートクレーブを、n−ブタノール54.8g(0.75 モル)、パラジウムアセチルアセトネート0.122g(0.4ミリモル)およ び1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン0.34g(0.8ミリ モル)で窒素雰囲気下に充填した。次いで、C4留分(1,3−ブタジエン52 .9%、イソブテン22.3%、1−ブテン/2−ブテン20.4%、ブタン4 .4%)25.9gを圧入した。70℃および11バールでの反応時間10時間 後に、反応を停止させ、この反応混合物をガスクロマトグラフィーによって分析 した。 結果: ブタジエンの変換率 82% イソブテンの変換率 0% 1−ブテン/2−ブテンの変換率 0% 3−ブトキシブテ−1−エン形成の選択率48.3% 1−ブトキシブテ−2−エン形成の選択率48.3% 例11(付加物IIのアセタールIVへの変換) ガラスのオートクレーブを、触媒HRuCl(CO)(PPh330.022 g、トリフェニルホスフィン0.031g、デカン酸0.005g、1−ブトキ シブテ−2−エン3.18g(24.8ミリモル)およびn−ブタノール1.8 3g(24.8ミリモル)で充填した。160℃および自己圧下での反応時間1 6時間後に、この反応混合物を、較正されたガスクロマトグラフィーによって分 析した。変換率85%において、1,1−ジブトキシブタンは選択率85.1% で、かつ1−ブトキシブテ−1−エンは選択率10.1%で得られた。 例12(均一系触媒を使用するアセタールIVのn−ブチルアルデヒドへの加 水分解) ガラスのオートクレーブを、水3.0g、触媒HRuCl(CO)(PPh3 30.022g、トリフェニルホスフィン0.031g)デカン酸0.005 gおよび1,1−ジブトキシブタン3.0gで充填し、かつ160℃で1時間撹 拌した。この反応混合物を、較正されたガスクロマトグラフィーによって分析し た。変換率90%において、n−ブチルアルデヒドは選択率85%で形成した。 例13(均一系触媒を使用する単一の工程における付加物IIのアセタールI Vへの変換とアセタールI Vのn−ブチルアルデヒドへの加水分解) a)ガラスのオートクレーブを、触媒HRuCl(CO)(PPh330.0 22g)トリフェニルホスフイン0.031g、デカン酸0.005g、1−ブ トキシブテ−2−エン3.18g(24.8ミリモル)およびn−ブタノール1 .83g(24.8ミリモル)で充填し、かつ自己圧下、155℃で8時間撹拌 した。次いで、水2.2g(122ミリモル)を添加し、かつ撹拌を更に1時間 155℃で続けた。この反応混合物を、較正されたガスクロマトグラフィーによ って分析した。変換率99%において、n−ブチルアルデヒドは選択率80%で 、かつ1,1−ジブトキシブタンは選択率9%で得られた。 b)ガラスのオートクレーブを、触媒HRuCl(CO)(PPh330.0 22g、トリフェニルホスフィン0.031g、デカン酸0.005g、1−ブ トキシブテ−2−エン3.18g(24.8ミリモル)、n−ブタノール1.8 3g(24.8ミリモル)および水2.2g(122ミリモル)で充填し、かつ 自己圧下、155℃で16時間撹拌した。この反応混合物を、較正されたガスク ロマトグラフイーによって分析した。変換率48%において、n−ブチルアルデ ヒドは選択率80%で、1−ブトキシブテ−1−エンは選択率10%で、かつ1 ,1−ジブトキシブタンは選択率0.3%で得られた。 例14(均一系触媒を使用するアセタールIVのn−ブタノールへの加水分解 および水素添加の組合せ) ガラスのオートクレーブを、水3.0g、触媒HRuCl(CO)(PPh3 30.022g、トリフェニルホスフイン0.031g、デカン酸0.005 gおよび1,1−ジブトキシブタン3.0gで充填し、次いで10バールの水素 を圧入した。160℃での反応時間14時間後に、この混合物を、較正されたガ スクロマトグラフィーによって分析した。変換率99%において、n−ブタノー ルは、選択率98.5%で形成した。 例15(均一系触媒を使用する単一の工程での付加物IIのアセタールIVへ のアセタール化と該アセタールのn−ブタノールへの水素添加) ガラスのオートクレーブを、触媒HRuCl(CO)(PPh330.022 g、トリフェニルホスフィン0.031g、デカン酸0.005g、1−ブトキ シブテ−2−エン3.18g(24.8ミリモル)、n−ブタノール1.83g (24.8ミリモル)および水2.2g(122ミリモル)で充填し、次いで1 0バールの水素を圧入した。155℃での反応時間16時間後に、この反応混合 物を、較正されたガスクロマトグラフィーによって分析した。変換率72%にお いて、n−ブタノールは選択率65%で、かつn−ブチルアルデヒドは選択率2 0%で形成した。 例16(液相中での不均一系触媒を使用する付加物IIのアセタールIVへの アセタール化) ガラスのオートクレーブを、不均一系触媒である活性炭上パラジウム(Pd1 0重量%)0.10g、1−ブトキシブテ−2−エン3.0g(24ミリモル) およびn−ブタノール1.73g(24ミリモル)で充填した。150℃で水素 雰囲気下(1バール)に16時間後に該反応混合物を較正されたガスクロマトグ ラフィーによって分析した。変換率21%において、1,1−ジブトキシブタン は選択率42%で、ジブチルエーテルは選択率25%で、かつ1−ブトキシブテ −1−エンは選択率22%で形成した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU ,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,GE,HU, ID,IL,JP,KR,KZ,LT,LV,MX,N O,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK,TR ,UA,US (72)発明者 ミヒャエル レーペル ドイツ連邦共和国 D―67157 ヴァッヘ ンハイム ペガウアー シュトラーセ 10

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールを製造する方法にお いて、 a)1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物と式I: [式中、Rは、非置換または1個もしくは2個のC1〜C10−アルコキシまたは ヒドロキシル基によって置換されているC2〜C20−アルキルまたはC2〜C20− アルケニルであるか、またはC6〜C10−アリール、C7〜C11−アラルキルまた はメチルである]のアルコールとを、高めた温度および過圧下に、ブレンステッ ド酸の存在下または元素の周期律表のIA族、VIIA族もしくはVIIIA族 の元素とリン含有配位子もしくは窒素含有配位子との錯体の存在下で反応させ、 式II: および式III: の付加物の混合物を得、 b)付加物IIIを付加物IIへと異性化し、 c)付加物IIを、アセタールIVを形成するのに十 分な量のアルコールROH(I)ならびにジコバルトオクタカルボニルまたはヒ ドリドコバルトテトラカルボニルと異なる均一系もしくは不均一系の遷移金属触 媒の存在下に液相中で、実質的に無水条件下で式IV: のアセタールに変換し、 d)次いで該アセタールIVからn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタ ノールを、該アセタールと水素と水または水との液相中でのジコバルトオクタカ ルボニルまたはヒドリドコバルトテトラカルボニルと異なる均一系もしくは不均 一系の遷移金属触媒の存在下での反応によって製造し、かつアルコールROH( I)が遊離し、遊離したアルコールROH(I)を反応工程a)および/または 反応工程c)の反応に再循環させることを特徴とするn−ブチルアルデヒドおよ び/またはn−ブタノールの方法。 2.1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物とアルコールR OH(I)との反応を、酸性のイオン交換体の存在下で実施する、請求項1記載 の方法。 3.1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物とアルコールR OH(I)との反応を、元素の周期律表のIA族、VIIA族もしくはVIII A族からの遷移金属のアルキル−ホスフィン錯体、アリール−ホスフィン錯体ま たはアリールアルキル−ホスフィン錯体を含有する触媒の存在下で実施する、請 求項1記載の方法。 4.1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物とアルコールR OH(I)との反応を、ロジウム、ニッケル、パラジウム、イリジウムまたは白 金のアルキル−ホスフィン錯体、アリール−ホスフィン錯体またはアリールアル キル−ホスフィン錯体を含有する触媒の存在下で実施する、請求項1記載の方法 。 5.付加物IIIの付加物IIへの異性化を、反応工程a)においてアルコー ルROH(I)と1,3−ブタジエンまたはブタジエン含有炭化水素混合物との 付加反応の触媒のために使用されるのと同様の触媒の存在下で実施する、請求項 1記載の方法。 6.付加物IIIを付加物IIから分離し、次いで付加物IIIを反応工程a )に再循環させ、そこで異性化させて付加物IIを得る、請求項1記載の方法。 7.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に均一に可溶性の触媒の 存在下に連続的に実施する、請求項1記載の方法。 8.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に均一に可溶性でありか つ元素の周期律表のVIA族および/またはVIIIA族の元素の一座もしくは 多座のホスフィンもしくはホスフィット錯体である触媒の存在下に連続的に実施 する、請求項1記載の方法。 9.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に均一に可溶性でありか つ元素の周期律表のVIA族および/またはVIIIA族の元素のホスフィン錯 体もしくはホスフィット錯体ならびに過剰のホスフィン配位子もしくはホスフィ ット配位子からなる触媒の存在下に連続的に実施し、反応工程d)を、水素およ び水の存在下に実施して、n−ブタノールを製造する、請求項1記載の方法。 10.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に均一に可溶性であり かつ白金族グループの元素のホスフィンもしくはホスフィット錯体からなる触媒 の存在下に連続的に実施する、請求項1記載の方法。 11.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に均一に可溶性であり かつ元素の周期律表のVIIIA族の元素の塩である触媒の存在下に連続的に実 施する、請求項1記載の方法。 12.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に均一に可溶性であり かつ元素の周期律表のVIA族および/またはVIIIA族の元素のアクア錯体 、アミン錯体、ハロ錯体、シアノ錯体、カルボニル錯体、アミノ錯体および/ま たはアセチルアセトナト錯体である触媒の存在下に連続的に実施する、請求項1 記載の方法。 13.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に均一に可溶性であり かつ元素の周期律表のVIA族および/またはVIIIA族の元素の塩またはア クア錯体、アミン錯体、ハロ錯体、シアノ錯体、アミノ錯体および/またはアセ チルアセトナト錯体である触媒の存在下に実施し、反応工程d)を水の存在下に 実施してn−ブチルアルデヒドを製造する、請求項1記載の方法。 14.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に均一に可溶性の触媒 下に連続的に実施し、かつ反応工程d)を、水素と水または水の存在下に実施し て、生成物であるn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールの除去後 に得られる触媒溶液を、反応工程c)および/またはd)を実施するために再使 用する、請求項1記載の方法。 15.反応工程c)およびd)を、液相中で、反応媒体に実質的に不溶性の少 なくとも1種の不均一系触媒の存在下に連続的に実施する、請求項1記載の方法 。 16.反応工程c)およびd)を、液相中で、元素の周期律表のIA族、VI A族、VIIA族および/またはVIIIA族の1種以上の元素を含有する少な くとも1種の不均一系触媒の存在下で、1種以上のVA族の元素の存在または不 在下に連続的に実施する、 請求項1記載の方法。 17.反応工程c)およびd)を、液相中で、元素の周期律表のIA族、VI A族、VIIA族および/またはVIIIA族の1種以上の元素を含有する少な くとも1種の不均一系触媒の存在下で、1種以上のVA族の元素および付加的に 担体の存在および不在下に連続的に実施する、請求項1記載の方法。 18.反応工程c)およびd)を、液相中で、元素の周期律表のIA族、VI A族、VIIA族および/またはVIIIA族の1種以上の元素を含有する少な くとも1種の不均一系触媒の存在下で、1種以上のVA族の元素および付加的に 担体としてアルミナ、二酸化チタン、シリカ、二酸化ジルコニウム、ケイ酸塩、 クレー、ゼオライトおよび/または活性炭の存在または不在下に連続的に実施す る、請求項1記載の方法。 19.反応工程c)およびd)を、液相中で、パラジウムを含有する少なくと も1種の不均一系触媒の存在下に連続的に実施する、請求項1記載の方法。 20.反応工程c)およびd)を、液相中で、その都度固定床中に配置される 少なくとも1種の不均一系触媒の存在下に連続的に実施する、請求項1記載の方 法。 21.反応工程c)およびd)を、液相中で、その都度2〜5つの固定床中に 配置される少なくとも1種の不均一系触媒の存在下に連続的に実施する、請求項 1記載の方法。 22.反応工程c)およびd)を、液相中で、個々の方法工程中で均一系およ び/または不均一系触媒を使用して連続的に実施する、請求項1記載の方法。 23.使用されるアルコールROH(I)がn−ブタノールである、請求項1 記載の方法。 24.n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノールを製造するための 方法において、式II: [式中、Rは、非置換または1個もしくは2個のC1〜C10−アルコキシ基また はヒドロキシル基によって置換されているC2〜C20−アルキル基またはC2〜C20 −アルケニル基であるか、またはC6〜C10−アリールもしくはC7〜C11−ア ラルキル基またはメチル基である]のエーテルを、アセタールIV: [式中、Rは前記のものである]を形成するために十分な量の、Rが前記のもの であるアルコールROH(I)ならびにジコバルトオクタカルボニルもしくはヒ ドリドコバルトテトラカルボニルと異なる均一系または不均一系の遷移金属触媒 の存在下で、液相中および実質的に無水条件下で式IVのアセタールに変換し、 次いで該アセタールIVからn−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブタノー ルを、アセタールIVと水素と水または水とのジコバルトオクタカルボニルまた はヒドリドコバルトテトラカルボニルと異なる均一系または不均一系の遷移金属 触媒の存在下の液相中での反応によって製造し、かつアルコールROH(I)を 再び遊離させることを特徴とする、n−ブチルアルデヒドおよび/またはn−ブ タノールの製造方法。
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