JP2001500376A - 組換えaavベクターを使用する治療分子の肝臓特異的送達のための方法および組成物 - Google Patents

組換えaavベクターを使用する治療分子の肝臓特異的送達のための方法および組成物

Info

Publication number
JP2001500376A
JP2001500376A JP10512823A JP51282398A JP2001500376A JP 2001500376 A JP2001500376 A JP 2001500376A JP 10512823 A JP10512823 A JP 10512823A JP 51282398 A JP51282398 A JP 51282398A JP 2001500376 A JP2001500376 A JP 2001500376A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aav
aav vector
liver
sequence
nucleotides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10512823A
Other languages
English (en)
Inventor
スリバスタバ,アロン
ポンナザーガン,セルバランガン
エイチ. クロエマー,ロバート
ワン,ズ―シャン
シー. ヨダー,マービン
ジョウ,シャン―ジェン
エスコベド,ジェイム
ドワーキ,バラバーニ
Original Assignee
カイロン コーポレイション
インディアナ ユニバーシティ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カイロン コーポレイション, インディアナ ユニバーシティ filed Critical カイロン コーポレイション
Publication of JP2001500376A publication Critical patent/JP2001500376A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • C12N15/86Viral vectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2750/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA ssDNA viruses
    • C12N2750/00011Details
    • C12N2750/14011Parvoviridae
    • C12N2750/14111Dependovirus, e.g. adenoassociated viruses
    • C12N2750/14141Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
    • C12N2750/14143Use of virus, viral particle or viral elements as a vector viral genome or elements thereof as genetic vector

Abstract

(57)【要約】 肝臓における、分泌タンパク質、アンチセンス分子、およびリボザイムのような治療分子を選択的に発現するための方法が提供される。この方法は、肝臓疾患または状態の処置における使用を見出した。この方法はまた、例えば、分泌タンパク質のような治療物質の全身投与が所望される任意の疾患または状態の処置における使用を見出した。この方法は、治療分子の治療的有効量を含有する治療分子AAVベクターの肝臓発現の必要性を有する哺乳動物患者に投与する工程を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 組換えAAVベクターを使用する治療分子の肝臓特異的送達のための 方法および組成物 背景 遺伝子治療による疾患および障害の治療的処置には細胞への新規の遺伝子情報 の移入および安定な挿入が含まれる。種々の物理学的および化学的方法が、真核 生物細胞への外因性DNAの導入のために開発されているが、ウイルスがこの目的 のためにより効果的であることが、一般に証明されている。いくつかのDNA含有 ウイルス(例えば、パルボウイルス、アデノウイルス、およびヘルペスウイルス )、およびRNA含有ウイルス(例えば、レトロウイルス)が、真核生物クローニ ングベクターおよび発現ベクターを構築するために使用され、そして遺伝子治療 ビヒクルとして探索されてきた。 レトロウイルスおよびアデノウイルスに基づくベクターは、特定の合併症およ び損傷に関連する。例えば、レトロウイルスは、新生物形成事象に深く関連する 。Donahue,Helper virus induced T cell lymphoma in non-human primates af ter retroviral mediated gene transfer,J.Exp.Med.176(1992)1125-1135を 参照のこと。アデノウイルスは、CTL応答を誘導する。Yang,MHC class 1-restr icted cytotoxic T lymphocytes to viral antigens destroy hepatocytes in m ice infected with E1-deleted recombinant adenoviruses,Immunity 1(1994 )433-442を参照のこと。アデノウイルスはまた、比較的大きな(35kb)ウイル スゲノムを必要とし、その制限された大きな配列を送達するためのビヒクルとし ての有用性を達成する。 従って、病原性または免疫原性のいずれでもない別のベクターが、有利である 。アデノウイルスと比較して、パルボウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)は 、多くのより小さなゲノムを有し、そのほとんどは外来DNAにより置換され得る 。パルボウイルスは、直径約25nmの小さなicohedralウイルスであり、約5キロ ベース(kb)の一本鎖DNAゲノムを含有する。これは2つの主要なクラスから構 成 される:AAVおよびそのサブタイプを含有する依存性ウイルス(AAV1,AAV2、AAV 3、AAV4、およびAAV5)、ならびに自律性パルボウイルス。後者は、溶菌的に感 染して、ヘルパーウイルスの援助なしに、組込みでない様式で細胞増殖を可能に する。一方で、AAVは、その最適な複製のために、へルパーウイルス(通常はア デノウイルス(または、ヘルペスウイルス))との同時感染を必要とする非病原 性ヒトパルボウイルスである。例えば、Berns,Parvovirus replication,Micro biol.Rev.54(1990)316-329、ならびにBernsおよびBohenzky,Adeno-associa ted viruses;更新,Adv.Virus Res.32(1987)243-306を参照のこと。 ヘルパーウイルスの非存在下で、野生型(wt)AAVは、ヒト19番染色体に部位 特異的様式で組み込むことを示している。KotinおよびBerns,Organization of adeno-associated virus DNA in latently infected Detroit 6 cells,Virol. 170(1989)460-467;Kotin,Mapping and direct visualization of a region- specific viral DNA integration site on chromosome 19q13-qter,Genomics 1 0(1991)831-834;Kotin,Site-specific integration by adeno-associated vi rus,Proc.Natl.Acad.Sci.87(1990)2211-2215、およびSamulski,Targeted i ntegration of adeno-associated virus(AAV)into human chromosome 19,EMB O J.10(1991)3941-3950を参照のこと。組換えAAVベクターは、組込みのこの 部位特異性を欠如するようである。Ponnazhagan,Adeno-associated virus 2-me diated transduction of murine hematopoietic cells and long-term expressi on of ahuman globin gene in vivo,第6回Parvovirus Workshop,Montpellier ,France.29頁、(1995)を参照のこと。それにもかかわらず、AAVに基づくベ クター系は、より一般的に使用されるレトロウイルスに基づくベクターおよびア デノウイルスに基づくベクターに対する安全な代替物であることが証明され得る ことが示唆されている。例えば、Muzyczka,Use of adeno-associated virus as a general transduction vector for mammalian cells,Curr.Top.Microbiol .Immunol.158(1992)97-129を参照のこと。人口の約90%がAAVに対して血清 陽性である(例えば、Blacklow,A sero-epidemiologic study of adeno-associ ated virus infection in infants and children,Am.J.Epidemiol.94(1971) 359-366を参照のこと)ので、組換えAAVによる偶発的な感染は、問題ないようで あ る。さらに、AAVの比較的高度な安定性、高度な力価、および高度な形質転換効 率は、AAVベクターの所望の特性に加えられる。Carter,Adeno-associated viru s vectors,Curr.Opin.Biotechnol.3(1993)533-538、およびSrivastava,Par vovirus-based vectors for human gene therapy,Blood Cells 20(1994)531- 538を参照のこと。 多数の研究が、AAV媒介性の首尾良い形質導入およびインビトロでの治療的遺 伝子の発現を報告している。例えば、以下を参照のこと: いくつかの研究が、インビボでのAAVベクターの安全性および効率を試験した (Flotte,Stable in vivo expression of the cystic fibrosis transmembrane conductance regulator with an adeno-associated virus vector,Proc.Natl .Acad.Sci.90(1993)10613-10617、およびKaplitt,Long-term gene express io n and phenotypic correction using adeno-associated virus vecters in the mammalian brain,Nature Genet.8(1994)148-153を参照のこと)。 いくつかの臨床徴候におけるAAVベクターの欠点は、AAV感染の一般的な性質で ある。以前の研究は、AAVが、種の境界を超える広い宿主範囲を有することを示 唆した。例えば、Muzyczka,Use of adeno-associated virus as a general tra nsduction vector for mammalian cells,Curr.Top.Microbiol.Immunol.158(1 992)97-129を参照のこと。自律性パルボウイルスLuIIIは、肝臓特異的発現が、 肝臓特異的エンハンサーおよび調節プロモーターを含む組換え体の使用を介して のみ得られているので、同様に広い宿主範囲を有するようである。Maxwell,Aut onomous parvovirus transduction of a gene under control of tissue-specif ic or inducible promoters,Gene Therapy 3(1996)28036を参照のこと。驚く ことに、本発明者らは、AAVが肝臓に対して器官向性を示し、そしてそれゆえ、 肝臓の疾患または状態の処置に独自に適合されることを発見した。ここで、疾患 または状態は、肝臓または疾患または状態において作製されたタンパク質に関与 することにより特徴付けられ、ここで、肝臓を介する治療薬の全身投与が所望さ れるかまたは有利である。 発明の要旨 1つの局面において、本発明は、肝臓における治療分子(例えば、分泌タンパ ク質、アンチセンス分子、およびリボザイム)の選択的な発現のための方法を提 供する。この方法は、肝臓の疾患または状態を処置することにおける用途を見出 す。この方法はまた、治療物質(例えば、分泌タンパク質)の全身投与が所望さ れる任意の疾患または状態を処置することにおける用途を見出す。この方法はま た、肝臓に由来するかまたは肝臓において通常作成されるタンパク質に関与する 、疾患または状態の処置における用途を見出した。 この方法は、治療分子の肝臓発現を必要としている哺乳動物患者に、治療分子 を含むAVVベターの治療有効量を投与することを包含する。本明細書中に記載さ れる方法を用いて投与され得る、肝臓疾患または状態を処置することにおいて有 用である治療分子として、例えば、インスリンおよびチミジンキナーゼが挙げ られる。肝臓由来のタンパク質または肝臓において通常作成されるタンパク質を 含む治療分子として、例えば、LDLレセプター、第VIII因子、第IX因子、フェニ ルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC )、およびα1-抗トリプシンが挙げられる。分泌タンパク質を含む治療分子(こ こで、全身投与が肝臓特異的送達を介して有意に達成される)として、例えば、 サイトカイン、増殖因子、およびコロニー刺激因子、G-CSFおよびGM-CSFが挙げ られる。本発明の方法および組成物における使用のために意図されるさらなるタ ンパク質治療分子は、以下に記載される。 肝臓疾患を処置することにおいて有用であるアンチセンス分子をコードする核 酸配列もまた含まれる。アンチセンス分子は、標的配列(アンチセンス配列が標 的配列に結合する)に対して、配列において十分に相補的であることによって、 過剰生産、欠損、または他の所望でない分子の発現を妨げるかまたは限定し得る RNA配列である。例えば、標的配列は、タンパク質をコードするmRNAの一部であ り得、そしてアンチセンスRNAは、mRNAに結合し、そして翻訳を妨げる。標的配 列は、転写に必要な遺伝子の一部であり得、そしてアンチセンスRNAは、遺伝子 セグメントに結合し、そして転写を妨げるかまたは制限する。例えば、C群アデ ノウイルスAd2およびAd5は、ウイルス(これは、細胞の小胞体網状組織でクラス I MHC分子に結合し、そして細胞表面への分子の末端グリコシル化および翻訳を 妨げる)のE3領域にコードされる19キロダルトンの糖タンパク質(gp19)を有す る。肝臓移植の前に、肝臓細胞は、gp19をコードするAAVベクターまたはウイル ス粒子(gp19の発現の際にクラスI MHC移植抗原の表面発現を阻害する)で感染 させられ得る。これらのドナー細胞は、低い危険性の移植片拒絶で移植され得、 そして患者に対する最小の免疫抑制療法を必要とし得る。これはまた、ドナー- レシピエント状態がより低い合併症を有して存在することを許容する。 同様の処置が、慢性B型肝炎感染または非A非B型肝炎を処置するために使用 され得る。ベクターは、構造的肝炎遺伝子、ポリアデニル化シグナル、または逆 方向のそのフラグメントを含むように操作され得、その結果、発現産物が肝炎ウ イルスmRNA転写物に結合し、構造タンパク質の転写を妨げ、そして最終的にウイ ルスを「不活化する」。例えば、Wu,Specific inhibition of hepatitis B vir al gene expression in vitro by targeted antisense oligonucleotides,J.Bi ol.Chem.267(1992)12436-12439、およびOffensperger,In vitro inhibition of duck hepatitis B virus replication and gene expression by phosphorot hioate modified antisense oligodeoxynyucleotides,EMBO J.12(1993)1257 -1262を参照のこと。 種々の疾患および状態を処置することにおいて有用であるリボザイムをコード する核酸配列もまた含まれる。リボザイムは、特定の配列でRNA切断を触媒し得 、そしてそれゆえ特定のmRNA分子を攻撃するのに有用である、RNAポリヌクレオ チドである。慢性骨髄性白血病において、例えば、「フィラデルフィア染色体転 座」は、bcr-abl融合タンパク質の発現およびabl腫瘍タンパク質の異常な機能を 引き起こす。融合mRNAが染色体転座を行った細胞においてのみ起こるので、そし て融合転写物がスプライス接合部で2つの可能な配列のみを含有するので、2つ のbcr-abl融合mRNAスプライス接合部のいずれかに特異的なリボザイムは、腫瘍 タンパク質の発現を阻害し得る。例示的なリボザイムには、A型肝炎、B型肝炎 、およびC型肝炎に対するリボザイムが挙げられる。ChristoffersenおよびMarr ,J.Med.Chem.38(1995)2023-2037ならびにBarpolome,J.Hepatol.22(1995 )57-64を参照のこと。 現在好ましい治療分子は、LDLレセプター、第VIII因子、第IX因子、PAH、TPO (トロンボポイエチン)、およびEPO(エリスロポイエチン)である。増殖因子 およびサイトカインもまた好ましい。本発明の目的のための治療分子の治療有効 量は、少なくとも約109〜約1011粒子/身体である。患者は任意の哺乳動物であ り得るが、霊長類の患者(特にヒトの患者)が、処置の方法から最も有利である ことが意図される。他の患者には、マウス、イヌ、ネコ、ウシ、およびウマの種 が含まれ得る。 本発明者らは、任意のAAVベクターが、本発明の方法において使用され得るこ とを意図する。このようなベクターの本発明における使用のための主な例および 好ましい例は、Srivastava,PCT Patent Publication WO 93/09239に開示されて いるAAV-2基礎ベクターである。本明細書中に開示されている本発明のベクター が最も好ましい。このようなベクターには、2個のAAV ITR(末端配列が反転し ている)が含まれ、ここで、ITRの真正(すなわち、天然)D-配列は、ヌクレオ チドの置換によって改変され、その結果、少なくとも5個の真正ヌクレオチドか ら18個までの真正ヌクレオチド、好ましくは、少なくとも10個の真正ヌクレオチ ドから18個の真正ヌクレオチド、最も好ましくは10個の真正(すなわち、天然) ヌクレオチドが保持され、そしてD-配列の残りのヌクレオチドは、欠失される かまたは非天然(すなわち、外因性)ヌクレオチドで置換される。保持される5 個の天然ヌクレオチドの好ましい配列は、5'CTCCA 3'である。AAV ITRの真正( すなわち、天然)D-配列は、HP形成に関与しないAAV ITR(すなわち、各末端に 1つの配列が存在する)の各々における20の連続ヌクレオチドである。外因性ま たは非天然置換ヌクレオチドは、天然のD-配列の同じ位置に見出されるヌクレ オチドとは違って、任意のヌクレオチドであり得る。例えば、天然のD-配列ヌ クレオチドCの適切な置換ヌクレオチドは、A、T、およびGであり、そして天 然のD-配列ヌクレオチドAの適切な置換ヌクレオチドは、T、G、およびCで ある。このような4つのベクターの構築は、実施例4に例示され、理解されるよ うに、ベクターpD-5、pD-15、およびpD-20が好ましく、そしてベクターpD-10が 最も好ましく、出発物質としてべクターpXS-22が使用される。 他の使用可能な例示的ベクターは、Nahreini,Gene 124(1993)257-262に開示 されているpWP-19、pWN-1である。このようなAACベクターの他の例は、psub201 である。Samulski,J.Virol.61(1987)3096を参照のこと。他の例は、Double-D ITRベクターである。Double-D ITRベクターをどのように作製するかは、米国特 許第5,478,745号に開示されている。さらに別のベクターは、Carter、米国特許 第4,797,368号、およびMuzyczka、米国特許第5,139,941号、Chartejee、米国特 許第5,474,935号、およびKotin、PCT特許公開WO 94/28157に開示されるベクター である。本発明の方法において使用可能なAAVベクターのなおさらなる例は、SSV 9AFABTKneoであり、これはAFPエンハンサーおよびアルブミンプロモーターを含 み、そして肝臓における優勢な発現を導く。その構造およびそれをどのように作 製するかは、Su、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子のアデノ随伴ウ イルス送達によるAFP陽性肝細胞ガン細胞の選択的殺傷、Human Gene Therapy 7( 1996)463-470に開示されている。これらの科学論文の開示、米国特許、および 特許刊行物は、本明細書中で参考として援用される。 本発明の実施に絶対必要ではないが、さらなる実施態様において、本発明のAA Vベクターは、ベクター中に含まれる外因性DNA配列の肝臓特異的発現の可能性を 最大化するために、肝臓特異的プロモーターを含み得る。プロモーターは、治療 的分子をコードする核酸の上流で、かつAAVベクター配列の間(例えば、psub201 内の逆末端反復間またはDouble D ITR配列の下流)に作動可能に連結される。好 ましい肝臓特異的プロモーターとしては、B型肝炎X遺伝子プロモーターおよび B型肝炎コアタンパク質プロモーターが挙げられる。これらの肝臓特異的プロモ ーターは、好ましくはそれらの関連するエンハンサーとともに使用される。エン ハンサーエレメントは、治療的分子をコードする核酸の5'末端または3'末端のい ずれかに連結され得る。B型肝炎X遺伝子プロモーターおよびそのエンハンサー は、Twu,J.Virol.61(1987)3448-3453において記載の方法を使用して、332塩基 対EcoRV-NcoI DNAフラグメントとして、ウイルスゲノムから得られ得る。B型肝 炎コアタンパク質プロモーターは、Gerlach,Virol 189(1992)59-66に記載の方 法を使用して、584塩基対のBamHI-BglII DNAフラグメントとしてウイルスゲノム から得られ得る。BamHI-BglIIフラグメントは、それが挿入される前に負の調節 配列を除去する必要があるかもしれない。他の肝臓特異的プロモーターとしては 、欧州特許公開0 415 731に開示されるようなAFP(α胎性タンパク質)遺伝子プロ モーター、およびRettenger,Proc.Natl.Acad.Sci.91(1994)1460-1464に開示さ れるようなα-1抗トリプシン遺伝子プロモーター、フィブリノーゲン遺伝子プロ モーター、およびアルブミン遺伝子プロモーター、APO-Al(アポリポタンパク質A l)遺伝子プロモーター、ならびに例えば、SGOT、SGPTおよびγグルタミルトラン スフェラーゼのような肝臓転移酵素に対するプロモーター遺伝子が挙げられる。 PCT特許公開WO 90/07936およびWO 91/02805もまた参照のこと。 本発明者らはまた、先天性であろうと後天性であろうと、任意の肝臓疾患また は任意の肝臓機能の欠損が、本発明の方法による処置に感受性であることを意図 する。例示的な肝臓疾患または肝臓機能の欠損としては、肝細胞ガン腫、黄疸、 感染性肝炎、アルコール肝損傷(アルコール誘導肝硬変を含む)、および非アル コール誘導肝硬変が挙げられる。 本発明者らはまた、肝臓において正常に作製される治療的分子の投与を必要と する任意の先天性または後天性疾患または欠損の処置が、本発明の方法による処 置に感受性であることを意図する。例示的な先天性疾患としては、LDLレセプタ ー欠損に起因する家族性高コレステロール血症、フェニルアラニンヒドロキシラ ーゼ欠損に起因するフェニルケトン尿症、尿素回転疾患、有機酸疾患、ウィルソ ン病、チロシン血症、α1-抗トリプシン欠損、およびオルニチントランスカルバ ミラーゼ機能の先天性欠損に起因する高アンモニア血症が挙げられる。例示的な 後天性疾患としては、非家族性高コレステロール血症および他の高リポタンパク 質血症が挙げられる。 本発明者らはまた、本明細書に記載の方法が、治療的物質(例えば、分泌タン パク質)が、例えば肝臓系による循環系内への侵入を介して全身投与を得るため に肝臓内で有利に発現される任意の疾患または条件を処置することにおける使用 を見出すことを意図する。本明細書に記載の任意のサイトカインおよび免疫調節 タンパク質をコードする遺伝子が、肝臓特異的インビボ発現を達成するために、 AAVベクターにおいて発現され得る。当業者に公知の本明細書に記載される形態 とは違ったこれらのサイトカインの形態が使用され得る。例えば、天然のIL-2( インターロイキン2)およびγインターフェロンをコードする核酸配列は、それ ぞれ米国特許第4,738,927号および同第5,326,859号に記載のように得られ得るが 、一方それらのタンパク質の有用な変異体が、米国特許番号第4,853,332号に記 載のように得られ得る。さらなる例として、M-CSF(マクロファージコロニー刺 激因子)の短い形態または長い形態をコードする核酸配列は、それぞれ米国特許 第4,847,201号および同第4,879,227号に記載のように得られ得る。AAVベクター 発現サイトカインまたは免疫調節遺伝子は、本明細書に記載のように産生され得 る。 種々の既知のペプチドホルモンおよび増殖因子を産生するAAVベクターは、本 発明の方法において使用されて、これらのタンパク質の治療的発現を生じ得る。 そのようなホルモン、増殖因子、および他のタンパク質のいくつかは、例えば欧 州特許0 437 478 B1に記載されている。例えば、ヒト成長ホルモン、インスリン 、カルシトニン、プロラクチン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、ヒト卵 膜 ゴナドトロピン、胸腺刺激ホルモンを含む種々のホルモンをコードする核酸配列 が使用され得る。ポリペプチドホルモンおよび増殖因子を発現するAAVべクター は、当業者に公知の方法によって調製され得る。さらなる例として、異なる形態 のヒトインスリンをコードする核酸配列は、欧州特許公開026598または070632に 記載のように単離され得、そして本明細書に記載のようにAAVベクターに取り込 まれ得る。 任意のポリペプチド増殖因子はまた、AAVベクターを用いるインビボでの肝臓 特異的発現によって治療的に投与され得る。例えば、IGF-1およびIGF-2増殖因子 ポリペプチドの異なる形態が、当該分野で周知であり、そして肝臓特異的発現の ためにAAVベクター中に取り込まれ得る。欧州特許0 123 228 B1を参照のこと。 線維芽細胞増殖因子の異なる形態の肝臓特異的発現もまた、本発明の方法によっ て達成され得る。米国特許第5,464,774号;第5,155,214号、および第4,994,559 号を参照のこと。 本発明の方法によって発現され得る、遺伝的疾患の処置に有用な多数のタンパ ク質が存在する。欠陥遺伝子の遺伝に起因する多くの遺伝的疾患(例えば、重症 複合免疫不全(SCID)、血友病A、血友病B、アデニンデアミナーゼ欠損、ゴシェ 症候群、遺伝的乳糖過敏症、および遺伝性肺気腫は、正常な遺伝子産物を産生す ることの不全を生じる。適切なホルモンの適切なレベルを産生する遺伝子の不能 に起因する疾患(例えば、糖尿病および下垂体機能低下症)もまた意図される。 血友病のような血液凝固疾患の処置に有用なVIII因子またはIX因子の肝臓特異 的発現は、本発明の方法を用いて入手可能である。PCT特許公開WO 96/21014は、 AAV発現のために当業者によって容易に適応し得るレトロウイルス発現のためのV III因子およびHGH(ヒト成長ホルモン)構築物を記載する。VIII因子ミニ遺伝子 (欧州特許公開232112およびPCT特許公開WO 91/07490を参照のこと)は、AAV発 現のために有利に使用され得る。遺伝性乳糖過敏症の処置のためのラクターゼの 発現、ADA欠損の処置のためのADAの発現、およびα-1抗トリプシンの処置のため のα-1抗トリプシンの発現もまた意図される。Ledley,J.Pediatrics 110:(1987 )157-174;Verma,Scientific American(1987年11月)68-84頁、およびPCT特許 公開WO95/27512を参照のこと。 本発明の方法を用いて肝臓特異的な様式で発現され得る、治療目的の種々の他 のタンパク質が存在する。例えば、組織因子阻害タンパク質(TFPI)の持続性の発 現は、敗血症およびDICを含む状態の処置、ならびに再灌流傷害の予防において 有用である。PCT特許公開WO 93/24143、WO 93/25230、およびWO 96/06637を参照 のこと。TFPIの種々の形態をコードする核酸配列は、例えば、米国特許第4,966, 852号、第5,106,833号、および第5,466,783号に記載のように入手され得、そし て本明細書に記載のように、AAVベクター中に取り込まれ得る。 エリスロポエチン(EPO)およびレプチンのような治療目的の他のタンパク質は 、本発明の方法に従ってAAVベクターによって肝臓内で発現され得る。EPOは、貧 血を含む種々の疾患の遺伝子治療処置に有用である。PCT特許公開WO95/13376を 参照のこと。レプチン遺伝子の遺伝子治療送達および肥満の処置におけるその使 用は、PCT特許公開WO 96/05309に記載されている。EPOまたはレプチンを発現す るAAVベクターは容易に産生され得、そして肝臓特異的発現は、記載される方法 を使用して達成され得る。他の例示的なタンパク質およびポリペプチドとしては 、インターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9 、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、およびIL-15のようなサイトカイン、α インターフェロン、βインターフェロン、γインターフェロン、GM-CSF、腫瘍壊 死因子(TNF)、CD3、ICAM-1、LFA-1、 LFA-3、ケモカイン(RANTES 1α、MIP-1α 、MIP-1β(Cocchi,Science 720(1996)1811-1815を参照のこと)、またはその ようなタンパク質のアナログを含む)が挙げられる。可溶形態のレセプターが、 因子自体が形態を変異され得る場合、しばしばアンタゴニストとして振る舞い得 るので、治療目的の核酸配列はまた、これらのタンパク質およびペプチドのアゴ ニスト、アンタゴニスト、またはリガンドであり得る。 本発明のAAVベクターおよび方法を使用して肝臓特異的様式において発現され 得る、治療目的のなおさらなるタンパク質およびポリペプチドとしては、プロテ インSおよびGas6、トロンビン、凝血Xa因子、CSF-1、またはM-CSF、IGF-1、IGF -2、酸性FGF、塩基性FGF、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、TGF、血小板由来増殖 因子(PDGF)、上皮増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(HGF)およびHGFアクチベータ ー、PSA、神経細胞増殖因子(NCGF),グリア細胞由来神経増殖因子(GDNF)、VFGF、 Arg-バソプレッシン、胸腺ホルモン、アゾキシメタン、トリヨードチロニン、LI F、アンフィレギュリン(amphiregulin)、可溶性トロンボモジュリン(thrombomod ulin)、幹細胞因子、骨形成タンパク質1、骨形態形成タンパク質、MGF、MGSA、 ヘレグリン(heregulin)、およびメラニン細胞刺激ホルモンが挙げられる。増 殖因子はまた、例えば、DGF、IGF、PDGF、FGF、またはKGFの1つまたはいくつか からなる混合物を組み合わせて使用され得る。完全長の増殖因子が使用され得る か、または活性フラグメント、短縮形態およびアナログのような増殖因子の形態 が使用され得る。「活性フラグメント」によって、本発明者らは、本発明の方法 に使用されるのに充分な生物学的活性が保持される、完全長より少ない配列を含 むポリペプチドを意味する。「アナログ」によって、本発明者らは、完全長タン パク質もしくはポリペプチドの1以上の天然の生物活性を有する成熟タンパク質 またはポリペプチドの短縮形態、スプライス変異体、アミノ酸置換、欠失、また は付加を有する変異体、対立遺伝子、および誘導体を意味する。従って、成熟タ ンパク質のアミノ酸配列に対して、同一であるか、または少なくとも60%、好ま しくは70%、より好ましくは80%、および最も好ましくは90%のアミノ酸配列相 同性を含むポリペプチドは、ヒト供給源に由来しようと非ヒト供給源に由来しよ うと、この定義内に含まれる。例えば、KGFの好ましい短縮型形態は、PCT特許公 開WO95/10434に記載されている。ヒトEGFに関しては、PCT特許公開WO 90/08771 および米国特許第5,096,825号を参照のこと。 増殖因子ポリペプチド、フラグメント、およびアナログは、天然に存在する供 給源からの単離、ペプチド合成法および製造によるポリペプチド鎖合成、または 組換えタンパク質の産生によって産生され得る。これらの方法は当業者に周知で ある。例えば、組換えPDGFの産生は、米国特許第5,045,633号および同第4,769,3 28号に記載され、そして組換えFGFおよびアナログの産生は、米国特許第5,229,5 01号;同第5,331,095号、および同第5,143,829号に記載されている。 他の種々の疾患が、本発明の方法によって処置され得る。例えば、高脂血症の 処置において有用なアポリポタンパク質Eまたはアポリポタンパク質Aの産生は 、本発明の肝臓特異的AAVベクターの投与を介して達成され得る。Breslow,Biot e chnology 12(1994)365を参照のこと。アンジオテンシンレセプターインヒビター (Goodfriend,N.Engl.J.Med.334(1996)1469を参照のこと)または腫瘍の処置に 有用なアンジオスタチン(O'Reilly,Nature Med.2(1996)689)の持続的産生が達 成され得る。 上記のタンパク質およびポリペプチドをコードする核酸配列は、種々の供給源 から入手可能である。例えば、変化された細胞生成物をコードする配列を含むプ ラスミドは、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC,Rockville.Mary land)のような寄託機関、または商業的供給源(例えば、Advanced Biotechnolog ies(Columbia,Maryland)およびBritish Bio-Technology Limited(Cowley,Oxfo rd,Great Britain)から入手され得る。例示的なプラスミドとしては、rasの変異 タンパク質を含むATCC番号41000および同41049が挙げられる。上記のタンパク質 およびポリペプチドをコードする他の核酸配列、ならびに本発明で有利に使用さ れるアンチセンス配列およびリボザイムのような他の核酸分子は、このような公 共の供給源から容易に入手され得る。例示的なものは、完全長GM-CSFコード配列 を含むBBG12、γ-インターフェロンコード配列を含むBBG6、TNFをコードする配 列を含むATCC番号39656、α-インターフェロンをコードする配列を含むATCC番号 20663、β-インターフェロンをコードする配列を含むATCC番号31902および同395 17、インターロイキン-1bコード配列を含むATCC番号67024、インターロイキン-2 をコードする配列を含むATCC番号39405、同39452、同39516、同39626、および同 39673、インターロイキン-4をコードする配列を含むATCC番号57592、インターロ イキン-5をコードする配列を含むATCC番号59394および同59395、ならびにインタ ーロイキン-6をコードする配列を含むATCC番号67153である。B型肝炎ウイルス をコードする分子クローン化ゲノムがATCCから入手可能である。ATCC番号45020 は、精製デーン粒子から抽出されたB型肝炎ウイルス(修正可能な誤差を有する )の全ゲノムDNAを、pBR322のBamHI部位中に含む。Blum TIG5(1989)154-158およ びMoriarty,Proc.Natl.Acad.Sci.78(1981)2606-2610を参照のこと。あるいは 、本発明で使用するためのcDNA配列は、その配列を発現するかまたは含む細胞か ら入手可能である。簡単には、1つの実施態様において、目的の遺伝子を発現す る細胞由来のmRNAは、オリゴdTプライマーまたはランダムプライマーを用い て逆転写酵素で逆転写される。次いで、一本鎖cDNAは、所望の配列のいずれかの 側の配列に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、PCR(米国特許第4, 683,202号;同第4,683,195号、および同第4,800,159号.PCR Technology:Princi ples and Applications for DNA Amphlification,Erlich(編),Stockton Press ,1989)によって増幅され得る。特に、二本鎖DNAは、熱安定性Taqポリメラーゼ 、配列特異的DNAプライマー、ATP、CTP、GTP、およびTTPの存在下で、加熱によ って変性される。合成が完全である場合に、可溶性DNA鎖(Soluble-stranded DNA )が生成される。このサイクルは、多くの回を繰り返されて、所望のDNAの階乗増 幅を生じ得る。核酸配列はまた、例えば、Applied Biosystems Inc.DNA合成機 によって新規に合成され得る。 別の実施態様において、B型肝炎ウイルス表面抗原をコードするDNA配列また はその機能的フラグメント、およびAAVキャプシドタンパク質をコードするDNA配 列を含むAAVハイブリッド(すなわち、キメラ)ベクターが提供される。このHBV 表面抗原ペプチドに対応するオリゴヌクレオチド配列は、平滑末端化され、AAVV P-1遺伝子の5'末端で連結される。詳細には、preS1領域のアミノ酸20〜47に対応 するHBV表面抗原の第27アミノ酸配列(Ishikawa,Proc.Natl.Acad.Sci.92(1995) 6259-6263;Klingmuller,J.Virol.67(1993)7414-7422、ならびにNeurath,Cell 46(1986)429-436およびVirol.176(1990)448-457を参照のこと)は、インフレー ムで、AAVウイルスキャプシドVP-1遺伝子へ融合される(Srivastava,J.Virol.4 5(1983)555-564を参照のこと)。組換えAAVベクター中にクローン化された治療的 分子をコードする核酸は、このAAV-HBVキメラヘルパーベクターを用いて、組換 えAAVウイルス粒子中へパッケージングされ得る。AAV-2キャプシド遺伝子はクロ ーン化され、そして利用可能である。Samulski,J.Virol.63(1989)3822-3828を 参照のこと。しかし、任意のAAV由来(詳細には、AAV-1、AAV-3、またはAAV-4由 来)のキャプシド遺伝子が使用され得る。HBVの分子生物学、構造、および遺伝 子産物の一般的な総説については、Yoffe、ヒトB型肝炎ウイルス研究における 進歩と展望、Prog.Med.Virol.40,107-140頁(Melnick,J,L.編)1993を参照の こと。 ベクターの宿主細胞の染色体内への組み込みを確立するために、宿主細胞はベ クターでトランスフェクトされるか、またはベクターを含む成熟ウイルス粒子で 感染される。トランスフェクションの方法は当該分野で周知であり、そして例え ば、裸のDNAトランスフェクション、マイクロインジェクション、および細胞融 合を含む。ウイルス粒子は、ヘルパーウイルス(例えば、アデノウイルス、ヘル ペスウイルス、またはワクシニアウイルス)との同時感染によって産生され得る 。ベクターおよびヘルパーウイルスの同時感染の後、宿主細胞が単離され、そし てヘルパーウイルスが不活化される。得られたヘルパーを含まないウイルス粒子 のストックを使用して、宿主細胞を感染させる。あるいは、ウイルス粒子はヘル パーウイルス感染細胞とベクターおよびヘルパープラスミドとの同時トランスフ ェクションによって産生される。プラスミドは、パルボウイルスrep遺伝子およ び非AAV ITR(例えば、アデノウイルスITR)を含む。同時トランスフェクションの 後、成熟ウイルス粒子は、標準的な方法を用いて単離され、そして任意の夾雑ア デノウイルスは、当業者に公知の方法を用いて不活化される。得られる成熟ウイ ルス粒子は、ヘルパーウイルスの非存在下で宿主細胞を感染させるために使用さ れ得る。 組換えAAVベクターおよびパッケージング細胞株を作製する方法、精製方法、 回収方法、および高力価べクターストックを生成する方法は、当該分野で公知で ある。例えば、Samulski、インビトロで切除され得る感染性アデノ随伴ウイルス ゲノム由来の組換えプラスミドおよびウイルス複製を研究するためのその使用、 J.Virol.61(1987)3096-3101、および組換えアデノ随伴ウイルスのヘルパーを含 まないストック:正常な組み込みはウイルス遺伝子発現に必要ではない、J.Viro l.63(1989)3822-3828、McLaughlin、アデノ随伴ウイルスの一般的形質導入ベク ター:プロウイルス構造の分析、J.Virol.62(1988)1963-1973、Flotte、インビ ボ形質導入の可能なパッケージング組換えアデノ随伴ウイルスベクターの改良系 、Gene Therapy 2(1995)29-37、Holscher、アデノ随伴ウイルス(AAV)rep遺伝子 を誘導性に発現する細胞株:rep陰性AAV変異体の生産的複製の必要性、J.Virol .68(1994)7169-7177、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)Rep78タンパク質の高レ ベル発現は、rep陰性AAV変異体による感染性の粒子形成に充分である、J.Virol .69(1995)6880-6885、Yang、アデノ随伴ウイルスRepタンパク質を誘導性に発現 する 細胞株の特徴づけ、J.Virol.68(1994)4847-4856、Ponnazhagan、組換えAAVベク ターを生成するための代替ストラテジー、VIth parvovirus Workshop,Montpell ier,France,71頁(1995)、Luhovy、組換えアデノ随伴ウイルスの正常および鎌 状細胞患者由来の造血幹細胞への安定な形質導入、Bio.Blood Marrow Transpl .2(1996)24-30、Tamayose、スルホン化セルロースカラムクロマトグラフィーを 用いることによる高力価組換えアデノ随伴ウイルスベクターの大量調製のための 新しいストラテジー、Hum.Gene Therap.7(1996)507-513、Maxwell、組換えAAV の産生および感染力価の決定のための改良法、VIth Parvovirus Workshop,Mont pellier.France,72頁(1995)、Chiorini、高力価組換えアデノ随伴ウイルスベク ターを用いたT細胞同時刺激分子B7-2のリンパ系細胞への高効率な移入、Hum.G ene Therap.6(1995)1531-1541、ならびにColosi、AAVベクターはヘルパーウイ ルスなしで効率的に産生され得る、Blood 10(1995)627aを参照のこと。 ベクターまたはウイルス粒子は、哺乳動物病体、特にヒトへの投与のために薬 学的組成物に取り込まれ得る。ベクターまたはウイルス粒子は、非毒性の不活性 な薬学的に受容可能な水性キャリア(好ましくは、3〜8の範囲、より好ましく は6〜8の範囲のpHで)において処方され得る。このような滅菌組成物は、再構 成の際に受容可能なpHを有する水性緩衝液に溶解される治療的分子をコードする 核酸を含むベクターまたはウイルス粒子を含む。このような処方物は、薬学的に 受容可能なキャリアおよび/または賦形剤(例えば、生理食塩水、リン酸緩衝化 生理食塩水、リン酸、およびアミノ酸、ポリマー、ポリオール、糖、緩衝液、保 存剤、および他のタンパク質)との混合物中に治療的有効量のAAVベクターまた はウイルス粒子を含む。例示的なアミノ酸、ポリマー、および糖等は、オクチル フェノキシポリエトキシエタノール化合物、ポリエチレングリコールモノステア リン酸化合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖、果糖、 ブドウ糖、麦芽糖、ブドウ糖、マンニトール、デキストラン、ソルビトール、イ ノシトール、ガラクチトール(galactitol)、キシリトール、乳糖、トレハロース 、ウシまたはヒト血清アルブミン、クエン酸、アセテート、リンゲル溶液および ハンクス溶液、システイン、アルギニン、カルニチン、アラニン、グリシン、リ ジン、バリン、ロイシン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、およびグリコ ー ルである。好ましくは、この処方物は4℃で少なくとも6ヶ月間安定である。 ウイルス粒子は、静脈内注入によって全身に投与され得る。投与量措置は、例 えば、患者の健康状態、状態の重篤度、体重、性別、食事、投与時間、および他 の臨床的素因のような薬物の作用を改変することが知られる種々の素因を考慮し て主治医または獣医によって決定される。一般的に、措置は身体あたり約109〜 約1011粒子の範囲であるべきである。好ましい用量は、身体あたり約1010粒子で ある。投与される用量の数は、上述の素因に依存して変化し得る。 AAVベクターまたはウイルス粒子はまた、例えばChakrabarti,J.Biol.Chem.2 64(1989)15494-15500の手順に従うエレクトロポレーションによるか、またはKan eda,Science 243(1989)375-78およびFerguson,J.Biol.Chem 261(1986)14760-1 4763の手順に従うプロトプラスト送達による当該分野で認識される方法を使用し てエキソビボで投与され得る。あるいは、肝細胞前駆細胞は本発明のベクターで 形質導入され、組織培養容器中で増殖され、取り出され、そして移植(grafting) または移植(transuplantation)によって外科的に患者内に導入され得る。前駆細 胞は、患者の腹腔空間内へか、または肝臓内、門脈系内、もしくは脾臓内へ直接 注入される微小キャリアビーズのような支持体に付着され得る。患者の肝細胞は 、肝臓生検、部分的肝切除を通してか、または同所肝臓移植のために取られた検 体から入手され、精製され、そして培養において増殖され得る。AAVベクターは 、ウイルスに曝露することによって肝細胞内へ導入され得、そして肝細胞は、移 植するかまたは患者の肝臓の除去されない部分と接触する腹腔内に細胞を配置す ることによって患者内へ再び導入され得る。このような方法は当該分野で公知で ある。例えば、Chang、遺伝子治療:胃腸の疾患および肝臓疾患の処置への適用 、Gastroenterology 106(1994)1076-1084を参照のこと。エキソビボ投与につい て、投薬量措置は、1〜100m.o.iの範囲内、好ましくは5〜20m.o.i.の範囲内で あるべきである。投薬量措置は、例えば、健康状態、体重、性別、食事、状態の 重篤度、投与時間、および他の臨床的素因のような薬物の作用を改変することが 既知の種々の素因を考慮して主治医によって決定される。投与される用量の数は 、上記の素因に応じて変化し得る。 本発明の肝臓特異的送達法は、肝臓の前処置を有するかまたは有さずに使用さ れ得る。前処理としては、HGFおよび/またはトランスフォーミング増殖因子α での処置によって誘導され得る良性肥厚を含む。Lui,Hepatology 19(1994)1521 を参照のこと。肝細胞増殖を誘導するのに有用なHGFの異なる形態が当該分野で 公知であり、そして使用され得る。例えば、欧州特許公開EP 0 461 560を参照の こと。HGFはまた、Joplin,J.Clin.Invest.90(1992)1284に記載のようにインビ ボで肝細胞増殖を誘導するために産生および投与され得る。肝細胞はまた、内因 性HGFの活性化を媒介または増強する薬剤の投与によって刺激され得る。HGFは、 増殖因子としては不活性である一本鎖タンパク質として産生される。次いで、一 本鎖HGFは、生物学的に活性な二本鎖形態に切断される。一本鎖HGFをその生理活 性形態へ変換することが示される酵素は、肝細胞増殖を誘導することに有用であ る。それゆえ、これらの酵素は、単独または肝臓の増殖を増強する外因性HGFと の組合せのいずれかで投与され得る。例示的な酵素としては、凝血因子XIIa、HG Fアクチベーター、HGF変換酵素、ウロキナーゼ、および組織プラスミノーゲンア クチベーターが挙げられる。例えば、HGFおよびウロキナーゼは、同時処方され 得、そしてIV注入によって投与されるかまたは注入の前に直ちに混合される。同 時処方される場合、低いpHでの貯蔵は、ウロキナーゼの活性を有利に最小化する 。高力価組換えレトロウイルスの産生および投与という表題を付けられた、PCT 特許公開WO 96/21014を参照のこと。 本発明の別の実施態様において、AAVベクターは、高コレステロール血症を罹 患する霊長類患者へコレステロール低下薬物とともに同時投与される。好ましい コレステロール低下薬物は、M-CSFである。米国特許第5,021,239号および同第5, 019,381号を参照のこと。他の好ましいコレステロール低下薬物としては、ナイ アシン、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、およびメバコール(mevacor)が挙げ られる。 図面の説明 図1:種々のネズミ組織において、実施例1に記載されるようにマウスに投与 されたvCMVp-lacZベクターのPCR増幅されたDNAフラグメントのサザン ブロット分析の説明図。 図2:種々のネズミ組織において、実施例2に記載されるようにマウスに投与 されたvHS2-βp-Aγ-グロビンベクターのPCR増幅されたDNAフラグメン トのサザンブロット分析の説明図。 図3:実施例2で詳述されるように、半定量的PCR増幅の結果のオートラジ オグラムの説明図。 図4:実施例5で詳述されるように、pSub201組換えAAVベクターおよびp D-10組換えAAVベクターの模式図。プラスミドpSub201におけるD-配列が陰 をつけた箱として示される。プラスミドpD-10において、D-配列内の遠位の10 個のヌクレオチドが代用(S)配列で置き換えられた。 発明の詳細な説明 ネズミ科哺乳動物被験体において、直接的な静脈内注射後、AAVベクターの 運命が追跡され、そして驚くべきことにAAVベクターが肝臓に対する器官向性 (organ-tropism)を有することが見出された。本発明のAAVベクターは、lacZ レポーター遺伝子またはヒトグロビン遺伝子を含んだ。lacZレポーター遺伝子 を含むAAVベクターを投与されたマウスにおいて、肝細胞中に発現が起こった が、βGalに対する細胞毒性Tリンパ球応答は、検出されなかった。組換えAA Vベクターは、マウスに直接に静脈内注射された場合、肝細胞中に大部分が貯留 した。 AAV逆末端反復(inverted terminal repeat(ITR))の間でクローン化され たCMVプロモーター(CMVp)駆動型lacZ遺伝子(vCMVp-lacZ)を含むA AV組換えウイルス株、ならびにAAV ITRの間でクローン化された、ヒト β-グロビンプロモーター(βp)および上流の高感受性部位2エンハンサーエレメ ント(upstream Hypersensitive site 2 enhancer element)により駆動される正 常のヒトAγ-グロビン遺伝子のゲノムコピーを含むAAV組換えウイルス株は、 Samulski,Helper-free Stocks of Recombinant Adeno-associated Viruses:Nor mal Integration Does Not Require Viral Gene Expression,J.Virol.63(19 89)3822-3828;Nahreini,Versatile Adeno-associated Virus 2-based Vectors for Constructing Recombinant Virions,Gene 124(1993)257-262;Zhou,Ad eno-associated Virus 2-mediated High Efficiency Gene Transfer into Immat ure and Mature Subsets of Hematopoietic Progenitor Cells in Human Umbili cal Cord Blood,J.Exp.Med.179(1994)1867-1875;Ponnazhagan,Lack of S ite-specific Integration of the Recombinant Adeno-associated Virus Genom es in Human Cells,5th Parvovirus Workshop,Crystal River,FL,USA p.P1- 29(1993);Ponnazhagan,Adeno-associated Virus 2-mediated Transduction of Murine Hematopoietic Cells and Long-term Expression of a Human Globin Ge ne in Vivo,6th Parvovirus Workshop,Montpellier,France,p29(1995);およ びPonnazhagan,Differential Expression in Human Cells from the P6 Promot er of Human Parvovirus B19 Following Plasmid Trans fection and Recombina nt Adeno-associated Virus 2(AAV2)Infection:Human Megakaryocytic Leukae mia Cells Are Non-Permissive for AAV Infection,J.Gen.Virol.77(1996 )1111-1122に記載される方法によってそれぞれの組換えプラスミドから生成さ れた。ウイルス株は、Wang,Parvovirus B19 Promoter at Map Unit 6 Confers Replication Competence and Erythroid Specificity to Adeno-associated Vir us 2 in Primary Human Hematopoietic Progenitor Cells,Proc.Natl.Acad. Sci.92(1995)12416-12420に記載されるプロトコルに従って、CsCl密度勾配 上で精製された。力価は、Srivastava,Parvovirus B19-induced.Perturbation of Human Megakaryocytopoiesis In Vitro,Blood 76(1990)1997-2004;Sriva stava,Construction of a Recombinant Human Parvovirus B19:Adeno-associat ed Virus 2(AAV)DNA Inverted Terminal Repeats Are Functional in an AAV- B19 Hybrid Virus,Proc.Natl.Acad.Sci.86(1989)8078-8082;Nahreiniお よびSrivastava,Rescue of the Adeno-associated Virus 2 Genome Correlates with Alterations in DNA-modifying Enzymes in Human Cells,Intervirol.3 3(1992)109-115;Zhou,Adeno-associated Virus 2-mediated Gene Transfer i n Murine HematopoieticbProgenitor Cells,Exp.Hematol.21(1993)928-933 ;Zhou,Adeno-associated Virus 2-mediated High Efficiency Gene Transfer i nto Immature and Mature Subsets of Hematopoietic Progenitor Cells in Hum an Umbilical Cord Blood,J.Exp.Med.179(1994)1867-1875および Zhou,Adeno-associated Virus 2-mediated Transduction and Erythroid Cell Specific Expression of aHumanβ-globin Gene,Gene Therapy 3(1996)223-2 29に記載されるように定量的なDNAスロットブロット上で決定された。 これらの高度に精製された組換えAAVベクターは、尾部静脈への直接的な静 脈注射によってC57B1/6マウスに投与された。 実施例1 サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター駆動型lacZ遺伝子(vCMVp-la cZ)を含む高度に精製された組換えAAVベクターをC57B1/6マウスに直接に 注射した。vCMVp-lacZの約1×1010個のウイルス粒子を各3匹ずつ4つの群 の12匹の動物の尾部静脈に静脈内注射した。これらの動物を注射後(post-inject ion(p.i.))の様々な時刻で屠殺し、そしてlacZ特異的プライマー対を使用する ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、それに続くサザンブロット分析によって、 組換えAAVウイルスのゲノムの存在について、種々の器官からの等量の組織を 検査した。 vCMVp-lacZ r-ウイルスの約1×1010個の粒子を0.2mlのイスコーヴ修正ダ ルベッコ培地に入れ、生後8週間のC57B1/6マウスの尾部静脈に注射した。1 群当たり3匹の動物を注射後1時間目、24時間目、72時間目、および1週間 目に屠殺した。個々の組織および器官を得、リン酸緩衝生理食塩水で広範にリン スし、そしてlacZ特異的プライマー対(すなわち、5'-GATGAGCGTGGTGGTTATGおよ び5'-TACAGCGCGTCGTGATTAG)を使用する35サイクルPCR増幅反応において、等 量を使用した。プラスミドpCMVp-lacZ(Ponnazhaganら、1996)およびpUC19(S ambrook,FritschおよびManiatis,Molecular Clonlng:A Laboratory Manual,C SHL Press,Cold Spring Harbor,NY,1989)を、それぞれポジティブコントロー ルおよびネガティブコントロールとして使用した。PCR生成物を1%のアガロ ースゲル上で電気泳動し、そしてlacZ特異的32P標識化DNAプローブを使用し て、サザンブロット(Southern,Detection of specific sequences among DNA f ragments separated by gel electrophoresis,J.Mol.Biol.98(1975)503-5 17)で分析した。 サザンブロット分析の結果を図1に示す。組換えAAVゲノムは、各群の動物 において注射後一週間目まで肝組織において大部分が検出された。矢印は、588 塩基対のlacZ特異的DNAフラグメントを示す。 実施例2 実施例1の結果を、実施例1と同一の条件下で組換えvHS2-βp-Aγ-グロビ ンウイルス粒子を注射すること、およびβ-グロビンプロモーター-Aγ-グロビン 遺伝子特異的プライマー対を用いる以外は、同じ技術を使用して、注射後7週間 目に種々の器官からの組織を検査することによって実証した。 ヒトβ-グロビン遺伝子クラスター(vHS2-βp-Aγ-グロビン)からの遺伝子座 制御領域(locus control region(LCR))からのDNase高感受性部位2(HS-2)エ ンハンサーエレメントを含むヒトβ-グロビンプロモーター駆動型ヒトAγ-グロ ビン遺伝子を含む高度に精製された組換えAAVベクター(Tuan,An erythroid specific,development stage-independent enhancer far upstream of the hum an”β-like globin"genes,Proc.Natl.Acad.Sci.86(1989)2554-2559を参 照のこと)をC57B1/6マウスに直接に注射した。 実施例1に記述されたように、vHS2-βp-Aγ-グロビンr-ウイルスの約1×1010 個の粒子を静脈内注射した。注射後7週間目に、種々の器官を得、そしてヒト β-グロビンプロモーター(5'-GATGGTATGGGGCCAAGAGA)およびAγ-グロビン遺伝子 (5'-GGGTTTCTCCTCCAGCATCT)の特異的オリゴデオキシヌクレオチドプライマー対 を用いてr-ウイルスゲノムの存在について分析した。偽の注射をした(mock-inje cted)マウスから得た肝組織をまたネガティブコントロールとして含んだ。サザ ンブロットの結果を図2に示す。矢印は、354塩基対のヒトγ-グロビン特異的D NAフラグメントを示す。 次に、肝細胞中のvHS2-βp-Aγ-グロビンベクターのコピー数を調査した。 ヒトβ-グロビンプロモーター-Aγ-グロビン遺伝子特異的オリゴデオキシヌクレ オチドプライマーまたはマウスβ-アクチン特異的オリゴデオキシヌクレオチド プライマーのいずれかを使用する半定量的PCR増幅アッセイにおいて、偽の注 射をしたマウスの肝臓およびvHS2-βp-Aγ-グロビンウイルスを注射したマウ スの肝臓から単離した等量のDNAを使用した。各動物からのほぼ等量の肝組織 を、1ml当たり10mM Tris.HCl/50mM KCl/2.5mM MgCl2/0.5% Tween-20/100μgプ ロテイナーゼKを含む55℃の緩衝液の中で一晩、溶解した。プロテイナーゼKを 不活性化するために溶解物を90℃で10分間熱し、そして5μlの各サンプルに対 し同一の条件下で二組のプライマー対を用いた30サイクルPCR増幅を行った。 形質導入したヒトグロビン遺伝子配列を増幅するためのプライマーは、実施例1 に記載するプライマーと同じであって、そしてマウスβ-アクチン遺伝子のプラ イマー配列は以下の通りである:5'-ACCTTCAACACCCCAGCCATおよび5'-TCAGGCAGCT CATAGCTCTT。各配列から354塩基対のDNAフラグメントを産出するようにプラ イマーを設計した。各反応混合物において2μCi[α-32P]dCTP(比活性800Ci/mmo l)の存在下でPCR反応を行った。ヒトグロビン遺伝子からの10パーセントのDN A生成物およびβ-アクチン遺伝子増幅反応からの15倍に希釈されたサンプルを6 %のポリアクリルアミドゲル上で分析し、そしてオートラジオグラフを行った。 対応するバンドの相対的強度をPhotoshop3.0プログラムを使用して、オートラジ オグラフをスキャンすることによって決定した。注射後7週間目の肝細胞の約4 %で、形質導入されたグロビン遺伝子が検出された。図3を参照のこと。 実施例3 次にr-AAVの直接注射によって送達されたlacZ遺伝子が転写的に活性かど うかを検査した。偽の注射したC57B1/6マウスおよびvCMVp-lacZを注射し たC57B1/6マウスからの肝臓を注射後一週間目に得、そして凍結保存した。Che ng,Separable Regulatory Elements Governing Myogenin Transcription in Mo use Embryogenesis,Science 261(1993)215-218に記載されるように組織切片 を固定し、そして5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド(X Gal)で染色し、そして光学顕微鏡下で可視化した。 注射後一週間目に肝臓を得、そして-40℃のイソ-ペンタン中で直ちに凍結した 。クリオスタットを使用して15μmの切片を調製し、そしてCheng,Separable re gulatory elements governing myogenin transcription in mouse embryogenesi s,Science 261(1993)215-218に以前に記載されたように、リン酸緩衝生理食 塩 水(PBS,135mM NaCl/2.5mM KCl/8mM Na2HPO4/0.6mM KH2PO4/0.55mMブドウ糖/リ ットル)中に2%ホルムアルデヒド/0.2%パラ-ホルムアルデヒドを含む溶液中で 5分間、氷上にて固定し、PBSで二度洗い、そして1mlのPBS中に5mM K3Fe(CN)6/5 mM K4Fe(CN)6/1mM MgCl2/1mg XGalを含む溶液中で37℃で一晩、染色した。組織 切片を光学顕微鏡(拡大率40倍)下で可視化した。偽の注射をした動物からの肝細 胞では、導入遺伝子の発現は全くなかった。肝細胞において、lacZ遺伝子の発 現は容易に検出された。 実施例4 AAV ITRおよび治療学的な分子をコードする核酸配列を含むrAAVベク ターならびに必要なrep機能およびcap機能を含むヘルパープラスミドをアデノウ イルス2(Ad2)感染293細胞に同時トランスフェクションすることは、組換えベ クターストックの作成の間に混入(contaminating)野生型(Wt)AAVの産生に導 く相同組換え事象を除去すると予期された。しかしながら、混入「野生型様AA V」粒子がそのようなストック中で0.1%〜10%の範囲で観察された。 混入wt AAVの生成の機構を決定するために、293細胞においてAd2で四連続 回の同時感染により、株を増幅した。低分子量のDNAフラグメントを単離し、 BalI制限エンドヌクレアーゼで消化し、そしてpBlueScriptプラスミドベクター 中へ分子的にクローン化した。AAV配列陽性クローンに対し、T3プライマー およびT7プライマーを使用して、ヌクレオチド配列決定を行った。12個の独立 したクローンのヌクレオチド配列分析は、混入wt AAVに導く組換え事象のほ とんどがウイルスのヘアピン構造に対して遠位のAAV D-配列内の10個のヌク レオチドを巻き込んでいることを明らかにした。さらに、Ad2 ITRを欠失し たヘルパープラスミドで生成した22個の異なるクローンを分析することによって 、限定された数だけの組換え部位を観察し、そして生物学的に活性のある野生型 様のAAVの生成に導く、AAV-ITRを使用した非正統的な組換えの役割を Ad2 ITRが果たしていると結論した。従って、ヘルパープラスミドからAd2 ITRを取り除くことによって、非正統的な組換えの頻度が5倍近く減少するこ とが達成され得る。 AAVヘアピン構造に対して近位のD-配列内の最初の10個のヌクレオチドは 、ウイルス ゲノムの複製およびキャピシド形成が成功するために必要である。W ang,J.Virol.71:3077-82(1997)を参照のこと。配列決定された組換えの接合 部の各々において、同じ10個のヌクレオチドが保持された。AAVベクターの次 の生成においてD-配列内の遠位の10個のヌクレオチドを欠失させることによっ て、組換えAAVベクターストック中のwt AAV様粒子の生成は減少または除 去され得る。このようなベクターの製造については、以下の実施例5を参照のこ と。 実施例5 四つの組換えAAVベクター(すなわちpD-5、pD-10、pD-15、およびpD-2 0)を以下のように構築した。出発物質としてプラスミドpXS-22を用い得る。 プラスミドpXS-22は、公共の寄託機関から得られ得るか、または出発物質とし てpSub201を使用してWang,J.Mol.Biol.250(1995)573-580に記載される方 法に従って構築され得る。プラスミドpXS-22は、右ITR(逆末端反復)だけを 含む:一つのヘアピンおよび一つのD-配列。D-配列は、HP形成に関与しない AAV ITRのその部分である。上記のWangを参照のこと。Wang,J.Virol.7 0(1996)1668-1677に記載されるようにD-配列は、代用(S)配列によって置き 換え得る。ヌクレオチド配列は、以下の通りである: D-配列: S配列: S配列内のヌクレオチドの代わりに真正のまたは天然のD-配列と同一な選択 されたヌクレオチドを含んだ四つのさらなるオリゴヌクレオチド配列を合成した 。これら四つのオリゴヌクレオチドは以下のようである: D-5オリゴヌクレオチド D-10オリゴヌクレオチド D-15オリゴヌクレオチド D-20オリゴヌクレオチド AAV ITR中の真正であり、天然であるD-配列に準拠する、選択されたヌク レオチドを太字体で上記に示す。 D-5、D-10、D-15、およびD-20オリゴヌクレオチド配列をそれぞれプラス ミドpXS-22のXba I部位とBal I部位の間に挿入した(これは、Wang,J.Mol .Biol.250(1995)573-580およびJ.Virol.70(1996)1668-1677において記 載される)。その結果の四つのプラスミドをそれぞれpXS-64D-5、pXS-64D -10、pXS-64D-15、およびpXS-64D-20と名付けた。次いで、pXS-64D-5 、pXS-64D-10、pXS-64D-15、およびpXS-64D-20からの平滑末端化され たClaI-PvuIIフラグメントを切除し、これらのプラスミドのClaI部位とXbaI部位 の間で連結して、両方のITRにおけるS配列の代わりにD-5、D-10、D-15、 およびD-20オリゴヌクレオチド配列をそれぞれに含むプラスミドpD-5、pD-10 、pD-15、およびpD-20を生成した。 四つの前出の組換えAAVベクター(すなわち、pD-5、pD-10、pD-15、お よびpD-20)のそれぞれが本発明の方法において用いられ得る。天然のDヌクレ オチドのうち10個のパッケージングを最適化することが十分であると決定した。 最も好ましい天然の10個のDヌクレオチドは、pD-10ベクターの中に含まれ、か つ上記のD-10オリゴヌクレオチド配列において太字体で示したヌクレオチドで ある。pD-15ベクターおよびpD-20ベクター、またはそれらそれぞれの示された オリゴヌクレオチド(上記参照のこと)は使用され得るが、しかしそれらは、望 ましい治療分子をコードするヌクレオチドのためにAAVベクターにおいてより 大きいスペースを許容するために有利に除去される、余分であり、および不必要 であるヌクレオチドを含む。pD-5ベクターは、目的通りに機能するが、効率が 低い。従って、絶対最小限に必要な配列は、上記のD-5オリゴヌクレオチド配列 において太字体で列挙され、かつpD-5ベクターに含まれる5ヌクレオチド配列 である。pD-10ベクターは、さらなる106個のヌクレオチドの挿入を許容する。 治療学的な分子をコードする核酸配列は、公知の技術を使用して、これらのベ クターのITRの間に連結され得る。ベクターまたはウイルス粒子は、ヒト患者 または他の哺乳動物被験体において投与するための薬学的組成物の中へ処方され 得る。 プラスミドpXS-22を、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペ スト条約(Budapest Treaty on the International Recognition of the Deposit of Microorganisms for Purposes of Patent Procedure)の規約に従い、ATC C(12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland,USA)に、1996年9月10日に 、寄託した。受託番号は、97710である。この寄託は、寄託の日付から30年間 、ウイルス培養液を維持することを保証する。寄託した微生物は、ブダペスト条 約の規約に従い、ATCCによって入手可能にされ、および関係する米国特許の 発行に際して無制限に入手可能であることを保証する、出願者とATCCとの間 の合意に従属する。この寄託物は、当業者に対して利便なように提供されるもの であって、米国特許法112条に従い寄託が要求されるという許可ではない。この 寄託物の核酸配列、およびこれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列 は、参考として本明細書中において援用し、および本明細書中において記載する 配列内にエラーが起きた場合に参照するべきである。寄託された物質を製造する 、使用する、または販売するためには実施権が要求され得、そしてそのような実 施権は、本明細書によっては全く下付されない。 本明細書において言及した、すべての特許、特許公開、特許出願、および科学 論文は、本明細書中において参考として援用する。本発明は、今や完全に記述さ れ、多くの変更および変形が付属の請求の範囲の精神および範囲から逸脱するこ となく行われ得ることが当業者に明白である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CA,JP (72)発明者 スリバスタバ,アロン アメリカ合衆国 インディアナ 46202― 5120,インディアナポリス,インディアナ ユニバーシティ スクール オブ メデ ィシン(番地なし) (72)発明者 ポンナザーガン,セルバランガン アメリカ合衆国 インディアナ 46202― 5120,インディアナポリス,インディアナ ユニバーシティ スクール オブ メデ ィシン(番地なし) (72)発明者 クロエマー,ロバート エイチ. アメリカ合衆国 インディアナ 46202― 5120,インディアナポリス,インディアナ ユニバーシティ スクール オブ メデ ィシン(番地なし) (72)発明者 ワン,ズ―シャン アメリカ合衆国 インディアナ 46202― 5120,インディアナポリス,インディアナ ユニバーシティ スクール オブ メデ ィシン(番地なし) (72)発明者 ヨダー,マービン シー. アメリカ合衆国 インディアナ 46202― 5120,インディアナポリス,インディアナ ユニバーシティ スクール オブ メデ ィシン(番地なし) (72)発明者 ジョウ,シャン―ジェン アメリカ合衆国 カリフォルニア,アラメ ダ(番地なし) (72)発明者 エスコベド,ジェイム アメリカ合衆国 カリフォルニア 94507, アラモ(番地なし) (72)発明者 ドワーキ,バラバーニ アメリカ合衆国 カリフォルニア,アラメ ダ(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物の患者において治療分子の肝臓特異的送達を実現するための方法 であって、該治療分子を含む治療学的に有効量のAAVベクターを該哺乳動物の 患者に投与する工程を包含する、方法。 2.前記治療分子が、分泌タンパク質、アンチセンス分子、またはリボザイム をコードする核酸配列である、請求項1に記載の方法。 3.前記AAVベクターが、pD-5、pD-10、pD-15、およびpD-20からなる 群から選択される、請求項1に記載の方法。 4.前記AAVベクターが、静脈内注射または門脈内注射によって投与される 、請求項1に記載の方法。 5.前記AAVベクターがエキソビボで投与される、請求項1に記載の方法。 6.前記AAVベクターが直接的な注射によって投与される、請求項1に記載 の方法。 7.前記治療分子が、LDLレセプターをコードする核酸配列である、請求項1 に記載の方法。 8.前記AAVベクターがさらに肝臓特異的プロモーターを含む、請求項1に 記載の方法。 9.前記AAVベクターがさらに肝臓特異的エンハンサーを含む、請求項8に 記載の方法。 10.前記プロモーターが、B型肝炎ウイルスX遺伝子プロモーター、B型肝 炎ウイルスコアタンパク質プロモーター、AFP遺伝子プロモーター、アルブミ ン遺伝子プロモーター、α-1抗トリプシン遺伝子プロモーター、フィブリノーゲ ン遺伝子プロモーター、APO-Al遺伝子プロモーター、および肝臓転移酵素( liver transference enzymes)のためのプロモーター遺伝子からなる群から選択 される、請求項8に記載の方法。 11.前記AAVベクターがさらに肝臓特異的エンハンサーを含む、請求項1 0に記載の方法。 12.B型肝炎ウイルス表面抗原をコードするDNA配列、またはその機能的 フラグメントを包含する、ハイブリッドヘルパーAAVベクターであって、該フ ラグメントは、キメラDNA配列を形成するためのAAV VP-1タンパク質を コードするDNA配列に連結する、ベクター。 13.二つのAAV ITR(逆末端反復物)を含有する組換えAAVベクタ ーであって、該AAV ITRにおいて、該ITRの各々の天然のD-配列は、少 なくとも5個の天然のヌクレオチドから18個までの天然のヌクレオチドが維持さ れ、そしてD-配列の残りのヌクレオチドが欠失または非天然のヌクレオチドで 置換されるようなヌクレオチドの置換によって、改変される、組換えAAVベク ター。 14.前記少なくとも5個の天然のヌクレオチドが5'CTCCA3'である、請求項 13に記載の組換えAAVべクター。 15.二つのAAV ITR(逆末端反復物)を含有する組換えAAVベクタ ーであって、該AAV ITRにおいて、該ITRの各々の天然のD-配列は、少 なくとも10個の天然のヌクレオチドから18個までの天然のヌクレオチドが維持さ れ、そしてD-配列の残りのヌクレオチドが欠失または非天然のヌクレオチドで 置換されるようなヌクレオチドの置換によって、改変される、組換えAAVベク ター。 16.二つのAAV ITR(逆末端反復物)を含有する組換えAAVベクタ ーであって、該AAV ITRにおいて、該ITRの各々の天然のD-配列は、10 個の天然のヌクレオチドが維持され、そしてD-配列の残りのヌクレオチドが欠 失または非天然のヌクレオチドで置換されるようなヌクレオチドの置換によって 、改変される、組換えAAVベクター。 17.前記10個の天然のヌクレオチドが、ヌクレオチド5'CTCCA3'および前記 D-配列の5個の他の天然のヌクレオチドを包含する、請求項16に記載の組換 えAAVベクター。 18.pD-5、pD-10、pD-15、およびpD-20からなる群から選択される、組 換えAAVベクター。
JP10512823A 1996-09-06 1997-09-02 組換えaavベクターを使用する治療分子の肝臓特異的送達のための方法および組成物 Pending JP2001500376A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US2561696P 1996-09-06 1996-09-06
US60/025,616 1996-09-06
US2564996P 1996-09-11 1996-09-11
US60/025,649 1996-09-11
PCT/US1997/015453 WO1998009524A1 (en) 1996-09-06 1997-09-02 Methods and compositions for liver specific delivery of therapeutic molecules using recombinant aav vectors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001500376A true JP2001500376A (ja) 2001-01-16

Family

ID=26699974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10512823A Pending JP2001500376A (ja) 1996-09-06 1997-09-02 組換えaavベクターを使用する治療分子の肝臓特異的送達のための方法および組成物

Country Status (4)

Country Link
US (3) US6521225B1 (ja)
EP (1) EP0933997A4 (ja)
JP (1) JP2001500376A (ja)
WO (1) WO1998009524A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012521750A (ja) * 2009-03-27 2012-09-20 プロイェクト、デ、ビオメディシナ、シーマ、ソシエダッド、リミターダ 肝硬変及び肝線維症の治療のための方法及び組成物

Families Citing this family (65)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU5588298A (en) 1996-12-02 1998-06-29 Cell Genesys, Inc. Adeno-associated viral vector-mediated delivery of dna to cells of the liver
WO1998048005A1 (en) 1997-04-24 1998-10-29 University Of Washington Targeted gene modification by parvoviral vectors
US6797505B2 (en) * 1998-05-27 2004-09-28 Cell Genesys, Inc. Recombinant AAV vectors for gene therapy of hemophilia A
DE69920930T2 (de) * 1998-08-26 2005-10-13 Heinz Schaller Methoden und zusammensetzungen für die expression von heterologen genen in leberzellen unter verwendung von vektoren, die von hepadnaviren abgeleitet sind
US6221349B1 (en) * 1998-10-20 2001-04-24 Avigen, Inc. Adeno-associated vectors for expression of factor VIII by target cells
US6759237B1 (en) * 1998-11-05 2004-07-06 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Adeno-associated virus serotype 1 nucleic acid sequences, vectors and host cells containing same
JP2002538770A (ja) 1998-11-10 2002-11-19 ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル ウイルスベクターとその製造及び投与の方法
US6689600B1 (en) * 1998-11-16 2004-02-10 Introgen Therapeutics, Inc. Formulation of adenovirus for gene therapy
EP1144009B1 (en) * 1998-12-03 2002-10-23 Avigen, Inc. Excipients for use in adeno-associated virus pharmaceutical formulations, and pharmaceutical formulations made therewith
US6759050B1 (en) 1998-12-03 2004-07-06 Avigen, Inc. Excipients for use in adeno-associated virus pharmaceutical formulations, and pharmaceutical formulations made therewith
AU4807400A (en) * 1999-04-30 2000-11-17 University Of Florida Adeno-associated virus-delivered ribozyme compositions and methods of use
CA2387484A1 (en) * 1999-10-12 2001-04-19 Haim Burstein Adeno-associated virus vectors encoding factor viii and methods of using the same
WO2001036620A2 (en) * 1999-11-16 2001-05-25 Genzyme Corporation Vectors and transgenies with regulatory elements for gene delivery to the liver
US6719080B1 (en) * 2000-01-10 2004-04-13 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The Environmental Protection Agency Hydraulic hybrid vehicle
WO2001094605A2 (en) * 2000-06-09 2001-12-13 University Of Florida Research Foundation, Inc. Recombinant aav vectors for gene therapy of obesity
US7638679B2 (en) * 2000-06-27 2009-12-29 Novartis Vaccines And Diagnostics, Inc. Tolerance and chronic hepatitis C virus
US20060083925A1 (en) * 2000-10-27 2006-04-20 Laine Richard M Well-defined nanosized building blocks for organic/inorganic nanocomposites
EP1402023A4 (en) * 2001-05-31 2005-06-15 Univ Rockefeller METHOD FOR GENERATING DEFECTIVE VIRAL VECTORS FOR REPLICATION EXEMPT FROM ASSISTANT VIRUSES
US8241622B2 (en) * 2001-07-13 2012-08-14 University Of Iowa Research Foundation Adeno-associated virus vectors with intravector heterologous terminal palindromic sequences
WO2003018752A2 (en) * 2001-08-23 2003-03-06 The Wistar Institute Of Anatomy And Biology An organotypic intestinal culture and methods of use thereof
US20040031067A1 (en) * 2001-10-11 2004-02-12 Meenhard Herlyn Regulation of human skin healing
US20040002159A1 (en) * 2002-04-05 2004-01-01 Weidong Xiao Methods for the production of chimeric adeno-associated virus (AAV) vectors, compositions of chimeric AAV vectors, and methods of use thereof
EP1352960A1 (en) * 2002-04-12 2003-10-15 Viruvation B.V. Antiviral therapy on the basis of RNA interference
US20030198620A1 (en) * 2002-04-16 2003-10-23 Keiya Ozawa Method of treating amino acid metabolic disorders using recombinant adeno-associated virus virions
WO2003089612A2 (en) * 2002-04-17 2003-10-30 University Of Florida Research Foundation, Inc. IMPROVED rAAV VECTORS
AU2003221745A1 (en) * 2002-04-19 2003-11-03 University Of Florida rAAV VECTOR-BASED COMPOSITIONS AND METHODS FOR THE PREVENTION AND TREATMENT OF MAMMALIAN DISEASES
US20040142416A1 (en) * 2002-04-30 2004-07-22 Laipis Philip J. Treatment for phenylketonuria
SI1496944T1 (sl) * 2002-05-01 2009-02-28 Univ Florida Izboljšani sistemi ekspresije RAAV za genetsko modifikacijo specifičnih kapsidnih proteinov
US20060093589A1 (en) * 2004-02-19 2006-05-04 Warrington Kenneth H Vp2-modified raav vector compositions and uses therefor
US20050002905A1 (en) * 2003-04-11 2005-01-06 The University Of Florida RAAV vector-based pro-opiomelanocortin compositions and methods of use
WO2005077333A2 (en) * 2004-02-10 2005-08-25 University Of Florida Research Foundation, Inc. Gel-based delivery of recombinant adeno-associated virus vectors
US20050084641A1 (en) * 2004-05-14 2005-04-21 Glue Dots International, Llc Perforated adhesive dispensing sheets
CA2571159A1 (en) * 2004-06-18 2006-03-30 The University Of Montana Aav mediated gene delivery to cochlear cells
AU2005316476A1 (en) 2004-12-15 2006-06-22 University Of Florida Research Foundation, Inc. Chimeric vectors
CN101217875A (zh) * 2005-07-07 2008-07-09 建新公司 实体器官移植慢性排斥的预防
BRPI0800957A2 (pt) * 2008-04-04 2009-11-17 Univ Rio De Janeiro vetores biológicos compreendendo o gene max, método de produção dos mesmos, método de expressão do gene max nas células e método de terapia gênica citoprotetora
ES2634118T3 (es) 2009-02-11 2017-09-26 The University Of North Carolina At Chapel Hill Vectores de virus modificados y métodos para fabricar y utilizar los mismos
US20120263692A1 (en) * 2009-11-16 2012-10-18 Bertone Alicia L Engineered Xenogeneic Cells for Repair of Biological Tissue
EP2605798A1 (en) 2010-07-12 2013-06-26 Universidad Autònoma de Barcelona Gene therapy composition for use in diabetes treatment
AU2011316575B2 (en) 2010-10-12 2015-10-29 Sangamo Therapeutics, Inc. Methods and compositions for treating hemophilia B
JP6484444B2 (ja) 2011-08-26 2019-03-13 イエキュリス コーポレーションYecuris Corporation フマリルアセト酢酸ヒドロラーゼ(fah)欠損及び免疫不全ラット、並びにそれらの使用
CN103917644A (zh) 2011-09-21 2014-07-09 桑格摩生物科学股份有限公司 调控转基因表达的方法和组合物
EP2692868A1 (en) 2012-08-02 2014-02-05 Universitat Autònoma De Barcelona Adeno-associated viral (AAV) vectors useful for transducing adipose tissue
CA3178384A1 (en) * 2013-09-12 2015-03-19 Biomarin Pharmaceutical Inc. Adeno-associated virus factor viii vectors
CA2960912A1 (en) * 2014-09-16 2016-03-24 Universitat Autonoma De Barcelona Adeno-associated viral vectors for the gene therapy of metabolic diseases
EP3221456B1 (en) * 2014-11-21 2021-09-22 University of Florida Research Foundation, Inc. Genome-modified recombinant adeno-associated virus vectors
US11033638B2 (en) 2015-01-07 2021-06-15 Universität Autonoma De Barcelona Single-vector gene construct comprising insulin and glucokinase genes
KR20180053335A (ko) 2015-09-24 2018-05-21 바이오마린 파머수티컬 인크. 아데노-관련 바이러스 인자 viii 벡터, 연합된 바이러스 입자 및 이를 포함하는 치료학적 제형
US11702672B2 (en) 2016-02-08 2023-07-18 University Of Iowa Research Foundation Methods to produce chimeric adeno-associated virus/bocavirus parvovirus
MA43735A (fr) 2016-03-07 2018-11-28 Univ Iowa Res Found Expression médiée par aav utilisant un promoteur et un activateur synthétiques
WO2018022608A2 (en) 2016-07-26 2018-02-01 Biomarin Pharmaceutical Inc. Novel adeno-associated virus capsid proteins
KR20200078513A (ko) * 2017-10-03 2020-07-01 프리베일 테라퓨틱스, 인크. 리소좀 장애를 위한 유전자 요법
JP7254815B2 (ja) 2017-10-03 2023-04-10 プリベイル セラピューティクス,インコーポレーテッド ライソゾーム病の遺伝子治療
MX2020003965A (es) 2017-10-03 2020-10-05 Prevail Therapeutics Inc Terapias genicas para los trastornos lisosomales.
US10610606B2 (en) 2018-02-01 2020-04-07 Homology Medicines, Inc. Adeno-associated virus compositions for PAH gene transfer and methods of use thereof
EP3755795A4 (en) 2018-02-19 2022-07-20 Homology Medicines, Inc. ADENO-ASSOCIATED VIRUS COMPOSITIONS FOR RECOVERING F8 GENE FUNCTION AND METHODS OF USE THEREOF
EP3790627A2 (en) 2018-05-09 2021-03-17 BioMarin Pharmaceutical Inc. Methods of treating phenylketonuria
TW202005978A (zh) 2018-05-14 2020-02-01 美商拜奧馬林製藥公司 新穎肝靶向腺相關病毒載體
JP2022526021A (ja) 2019-04-10 2022-05-20 プリベイル セラピューティクス,インコーポレーテッド リソソーム障害のための遺伝子療法
TW202140791A (zh) 2020-01-13 2021-11-01 美商霍蒙拉奇醫藥公司 治療苯酮尿症之方法
GB202013940D0 (en) 2020-09-04 2020-10-21 Synpromics Ltd Regulatory nucleic acid sequences
CA3195177A1 (en) 2020-10-07 2022-04-14 Asklepios Biopharmaceutical, Inc. Therapeutic adeno-associated virus delivery of fukutin related protein (fkrp) for treating dystroglycanopathy disorders including limb girdle 2i (lgmd2i)
CN112522216A (zh) * 2020-11-19 2021-03-19 中国人民解放军空军军医大学 重组腺相关病毒AAV-gas6及应用
CN112852879A (zh) * 2021-01-15 2021-05-28 华侨大学 HBV PreS1多肽修饰的人肝细胞特异靶向性的rAAV2载体及其制备方法和用途
CN113416729B (zh) * 2021-05-18 2022-11-22 遵义医科大学附属医院 一种肝脏靶向调控甲胎蛋白基因的shRNA和cDNA及其应用

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3954973A (en) * 1973-10-25 1976-05-04 American Cyanamid Company Alkylated derivatives of antibiotic Av290
US4663281A (en) * 1984-03-22 1987-05-05 Mass Institute Of Technology Enhanced production of proteinaceous materials in eucaryotic cells
US5139941A (en) * 1985-10-31 1992-08-18 University Of Florida Research Foundation, Inc. AAV transduction vectors
US5464764A (en) * 1989-08-22 1995-11-07 University Of Utah Research Foundation Positive-negative selection methods and vectors
US5436146A (en) * 1989-09-07 1995-07-25 The Trustees Of Princeton University Helper-free stocks of recombinant adeno-associated virus vectors
US5173414A (en) * 1990-10-30 1992-12-22 Applied Immune Sciences, Inc. Production of recombinant adeno-associated virus vectors
US5252479A (en) * 1991-11-08 1993-10-12 Research Corporation Technologies, Inc. Safe vector for gene therapy
US6268213B1 (en) * 1992-06-03 2001-07-31 Richard Jude Samulski Adeno-associated virus vector and cis-acting regulatory and promoter elements capable of expressing at least one gene and method of using same for gene therapy
CA2106260A1 (en) * 1992-09-17 1994-03-18 Robert M. Kotin Human adeno-associated virus integration site dna and uses thereof
US5478745A (en) * 1992-12-04 1995-12-26 University Of Pittsburgh Recombinant viral vector system
EP0733122A4 (en) * 1993-05-26 1998-06-10 Us Health FUSION PROTEINS CONTAINING REP VIRUS PROTEIN ASSOCIATED WITH ADENOVIRUS AND BACTERIAL PROTEIN
US5693531A (en) * 1993-11-24 1997-12-02 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Vector systems for the generation of adeno-associated virus particles
US5658785A (en) * 1994-06-06 1997-08-19 Children's Hospital, Inc. Adeno-associated virus materials and methods
US5495416A (en) * 1994-11-07 1996-02-27 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Audio information apparatus for providing position information
US5650309A (en) * 1995-05-16 1997-07-22 The Regents Of The University Of California Viral vectors
US5756283A (en) * 1995-06-05 1998-05-26 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Method for improved production of recombinant adeno-associated viruses for gene therapy
US5773289A (en) * 1995-06-06 1998-06-30 University Of Pittsburgh AAV directed targeted integration
US5688676A (en) * 1995-06-07 1997-11-18 Research Foundation Of State University Of New York In vitro packaging of adeno-associated virus DNA
US5741683A (en) * 1995-06-07 1998-04-21 The Research Foundation Of State University Of New York In vitro packaging of adeno-associated virus DNA
US5646034A (en) * 1995-06-07 1997-07-08 Mamounas; Michael Increasing rAAV titer
US5677158A (en) * 1995-06-07 1997-10-14 Research Foundation Of State University Of New York In vitro packaging of adeno-associated virus DNA
US5972899A (en) * 1996-01-25 1999-10-26 New York University Apoptosis induced by Shigella IpaB
US5780447A (en) * 1996-06-14 1998-07-14 St. Jude Children's Research Hospital Recombinant adeno-associated viral vectors

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012521750A (ja) * 2009-03-27 2012-09-20 プロイェクト、デ、ビオメディシナ、シーマ、ソシエダッド、リミターダ 肝硬変及び肝線維症の治療のための方法及び組成物

Also Published As

Publication number Publication date
US20010051611A1 (en) 2001-12-13
US20030166284A1 (en) 2003-09-04
US6521225B1 (en) 2003-02-18
EP0933997A1 (en) 1999-08-11
WO1998009524A1 (en) 1998-03-12
EP0933997A4 (en) 2000-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6521225B1 (en) AAV vectors
KR102526711B1 (ko) 고효율 게놈 편집을 위한 아데노-관련 바이러스 벡터 변이체 및 이의 방법
US6759237B1 (en) Adeno-associated virus serotype 1 nucleic acid sequences, vectors and host cells containing same
CA2349838C (en) Adeno-associated virus serotype 1 nucleic acid sequences, vectors and host cells containing same
KR102423069B1 (ko) 뇌 질환을 치료하기 위한 방법 및 조성물
US7238674B2 (en) Methods for delivering DNA to muscle cells using recombinant adeno-associated virus vectors
US5843742A (en) Adeno-associated derived vector systems for gene delivery and integration into target cells
Tal Adeno-associated virus-based vectors in gene therapy
IL256517B1 (en) Modified factor IX, and preparations, methods and uses for gene transfer to cells, organs and tissues
EP3235827A2 (en) Aav virons with decreased immunoreactivity and uses therefor
US5780447A (en) Recombinant adeno-associated viral vectors
JP7417303B2 (ja) 血管性浮腫の治療としてのc1eiのアデノ随伴ウイルス介在性送達
JPH09509564A (ja) 高力価組換えaavベクターの生成
JP2001500497A (ja) 組換えアデノ随伴ウイルスに指図される遺伝子治療の方法
AU4645697A (en) Aav4 vector and uses thereof
AU2018207259A1 (en) Polynucleotides and vectors for the expression of transgenes
JP2022544004A (ja) 操作された核酸調節エレメントならびにその使用方法
JP2024054426A (ja) ウイルソン病を処置するための遺伝子治療構築物
JP2002516345A (ja) 第viii因子活性のアデノ随伴ウイルスベクター媒介性発現
KR20210130158A (ko) Aav 캡시드의 전사 의존적 유도 진화를 사용하는 방법
US20230399656A1 (en) Methods for Purification of AAV Vectors by Anion Exchange Chromatography
KR20210148273A (ko) 근육 발현을 위한 하이브리드 프로모터
JPH11514215A (ja) 標的化されたヌクレオチド配列送達および組み込みシステム
RU2807158C2 (ru) Генотерапевтические конструкции для лечения болезни вильсона
US20160237141A1 (en) Methods of treating alzheimer's disease with apo a-1 milano