JP2001357965A - 半導体製造・検査装置用ホットプレート - Google Patents

半導体製造・検査装置用ホットプレート

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JP2001357965A
JP2001357965A JP2000180321A JP2000180321A JP2001357965A JP 2001357965 A JP2001357965 A JP 2001357965A JP 2000180321 A JP2000180321 A JP 2000180321A JP 2000180321 A JP2000180321 A JP 2000180321A JP 2001357965 A JP2001357965 A JP 2001357965A
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resistance heating
ceramic
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康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック基板の赤外線透過率が10%以下
と低いため、加熱面の温度をサーモビュアにより正確に
測定することができるホットプレートを提供する。 【解決手段】 セラミック基板の表面または内部に導体
層が形成されたホットプレートであって、前記セラミッ
ク基板は、赤外線の波長の透過率が0または10%以下
であることを特徴とするホットプレート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置
等を含む半導体製造・検査装置等においては、従来、ス
テンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用い
たヒータやウエハプローバ等が用いられてきた。
【0003】ところが、このような金属製のヒータは、
以下のような問題があった。まず、金属製であるため、
ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければなら
ない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨
張により、反り、歪み等が発生していまい、金属板上に
載置したシリコンウエハが破損したり傾いたりしてしま
うからである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くす
ると、ヒータの重量が重くなり、また、嵩張ってしまう
という問題があった。
【0004】また、抵抗発熱体に印加する電圧や電流量
を変えることにより、シリコンウエハ等の被加熱物を加
熱する面(以下、加熱面という)の温度を制御するので
あるが、金属板が厚いために、電圧や電流量の変化に対
してヒータ板の温度が迅速に追従せず、温度制御しにく
いという問題もあった。
【0005】そこで、特開平11−40330号公報に
記載のように、基板として、熱伝導率が高く、強度も大
きい窒化物セラミックや炭化物セラミックを使用し、こ
れらのセラミックからなる板状体(セラミック基板)の
表面に、金属粒子を焼結して形成した抵抗発熱体が設け
られたホットプレートが提案されている。また、特開平
9−48668号公報には、カーボンを含有する窒化ア
ルミニウム焼結体が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このセ
ラミック基板では、サーモビュアでシリコンウエハ等の
被加熱物を加熱する面(以下、加熱面という)の表面温
度を測定しようとすると、赤外線を透過してしまうた
め、発熱体から放射される赤外線を測定することとな
り、正確な加熱面の温度測定ができないという問題があ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、セラミック基板中
に所定量のカーボンを含有させることにより、すなわ
ち、セラミック粉末と樹脂を加圧成形し、生成形体とし
た後、脱脂、焼成することで、炭素の結晶性を低下させ
て、赤外線の吸収効率を高くし、また、樹脂として脱脂
工程で炭素が残りやすく、また、結晶性の低いものを選
択したりすることで、赤外線透過率が0または10%以
下のセラミック基板を製造することができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、セラミック基板の表面
または内部に導体層が形成されたホットプレートであっ
て、上記セラミック基板は、2500nmの波長の赤外
線の透過率が0または10%以下であり、望ましくは、
JIS Z 8721に基づく明度がN4以下であるこ
とを特徴とするホットプレートである。
【0009】本発明のホットプレートによれば、セラミ
ック基板は、赤外線、特に波長2500nmの赤外線透
過率が10%以下であるため、発熱体から放射される赤
外線を透過せず、ホットプレート加熱面の表面温度をサ
ーモビュアなどで測定する際に、発熱体からの赤外線が
邪魔にならない。このため、サーモビュアの測定波長を
2500nm付近から設定することができ、低温で発生
する比較的短い波長の赤外線を捉えることができるよう
になり、低温から高温まで広い温度範囲で加熱面の温度
を測定することが可能になる。
【0010】また、JIS Z 8721に基づく明度
がN4以下と黒色化されているため、黒体放射を利用す
ることができ、高輻射熱が得られ、抵抗発熱体等による
セラミック基板の加熱を効率よく行うことができる。さ
らに、内部に抵抗発熱体が形成されている場合には、そ
の抵抗発熱体を隠蔽することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のホットプレートに
ついて実施の形態に則して説明する。本発明のホットプ
レートは、セラミック基板の表面または内部に導体層が
形成されたホットプレートであって、上記セラミック基
板は、赤外線の波長の透過率が0または10%以下であ
る。
【0012】測定する赤外線の波長は、760〜260
0nmが使用できるが、2500nmが望ましい。近赤
外線領域(760〜2500nm)と中間赤外線領域
(2500〜25000nm)の中間領域であるので、
両方の領域の透過率の目安になるからである。また、比
較的低温では近赤外線が発生しやすいが、近赤外線領域
の透過率を10%以下とすることで、低温〜高温(10
0〜800℃)までの加熱面の温度をサーモビュアによ
り正確に測定することができる。
【0013】また、セラミック基板の赤外線透過率を、
0または10%以下としたのは、上記透過率が10%を
超えると、発熱体からの赤外線がバックグランドにな
り、加熱面の温度測定ができず、測定値に誤差を生じて
しまう。誤差を見込んで補正処理を行えば測定すること
ができるが、補正処理ソフトが必要になり煩雑であり、
実用的なホットプレートとは言えない。透過率は5%以
下が最適である。なお、上記光透過率は、0.5mmの
厚さのセラミック基板の光透過率を測定した際の値であ
る。
【0014】また、セラミック基板の明度は、JIS
Z 8721の規定に基づく値でN4以下であることが
望ましい。このような明度を有するものが輻射熱量、隠
蔽性に優れるからである。また、このような特性を有す
るセラミック基板は、サーモビュアによる正確な表面温
度測定が可能となり、このサーモビュアを利用すること
により、セラミック基板のシリコンウエハ等を加熱する
面(加熱面)の温度の制御等が容易になる。
【0015】ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を
0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明
度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度
となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で
表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N
10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点
1位は0または5とする。
【0016】図1は、本発明のホットプレートの一例を
模式的に示す底面図であり、図2は、図1に示すホット
プレートの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
このホットプレートでは、セラミック基板の底面に抵抗
発熱体が形成されている。
【0017】図1に示したように、セラミック基板11
は、円板状に形成されており、このセラミック基板11
の底面11bには、周縁部に近い部分に屈曲形状の回路
からなる抵抗発熱体12aが形成され、それよりも内側
の部分に略同心円形状からなる抵抗発熱体12b〜12
dが形成され、これらの回路を組み合わせて、加熱面1
1aでの温度が均一になるように設計されている。
【0018】また、抵抗発熱体12a〜12dは、酸化
を防止するために金属被覆層120が形成され、その両
端に入出力用の端部13が形成されており、さらに、こ
の端部13には、図2に示すように外部端子17が半田
等を用いて接合されている。また、この外部端子17に
は、配線を備えたソケット170が接続され、電源との
接続が図られるようになっている。
【0019】また、セラミック基板11には、測温素子
18を挿入するための有底孔14が形成されており、中
央に近い部分には、リフターピン16を挿通するための
貫通孔15が設けられている。
【0020】このリフターピン16は、その上にシリコ
ンウエハ19を載置して上下させることができるように
なっており、これにより、シリコンウエハ19を図示し
ない搬送機に渡したり、搬送機からシリコンウエハ19
を受け取ったりすることができるとともに、シリコンウ
エハ19をセラミック基板11の加熱面11aに載置し
て加熱したり、シリコンウエハ19を加熱面11aから
50〜2000μm離間させた状態で支持し、加熱する
ことができるようになっている。
【0021】また、セラミック基板11に貫通孔や凹部
を設け、この貫通孔または凹部に先端が尖塔状または半
球状の支持ピンを挿入した後、支持ピンをセラミック基
板11よりわずかに突出させた状態で固定し、この支持
ピンでシリコンウエハ19を支持することにより、加熱
面11aから50〜2000μm離間させた状態で加熱
してもよい。
【0022】図3は、本発明のホットプレートの他の一
例を模式的に示す部分拡大断面図である。このホットプ
レートでは、セラミック基板の内部に抵抗発熱体が形成
されている。
【0023】図示はしていないが、図1に示したセラミ
ックヒータと同様に、セラミック基板21は、円板形状
に形成されており、抵抗発熱体22は、セラミック基板
21の内部に、図1に示したパターンと同様のパター
ン、すなわち、同心円と屈曲線とを組み合わせたパター
ンで形成されている。
【0024】そして、抵抗発熱体22の端部の直下に
は、スルーホール28が形成され、さらに、このスルー
ホール28を露出させる袋孔27が底面21bに形成さ
れ、袋孔27には外部端子23が挿入され、ろう材24
等で接合されている。また、図3には示していないが、
外部端子23には、図1に示したホットプレートと同様
に、例えば、導電線を有するソケットが取り付けられ、
この導電線は電源等と接続されている。
【0025】本発明のホットプレートは、例えば、図1
〜3に示したような構成を有するものである。以下にお
いて、上記ホットプレートを構成する各部材等につい
て、順次、詳細に説明していくことにする。
【0026】上記ホットプレートを構成するセラミック
材料は特に限定されるものではなく、例えば、窒化物セ
ラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙
げられる。
【0027】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上
記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、
例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、
炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
【0028】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化
物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージ
ェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミッ
クは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比
べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化
物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適であ
る。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからであ
る。
【0030】通常、窒化物セラミック中には、金属酸化
物が含まれていることが好ましい。これらは、焼結助剤
として働き、焼結が進行しやすくなり、内部の気孔が小
さくなるため、セラミック基板の耐電圧、機械的特性等
が改善されるからである。
【0031】上記金属酸化物としては、例えば、イット
リヤ(Y23 )、アルミナ(Al23 )、酸化ルビ
ジウム(Rb2 O)、酸化リチウム(Li2 O)、炭酸
カルシウム(CaCO3 )等が挙げられる。これらの金
属酸化物の添加量は、窒化物セラミック100重量部に
対して、1〜10重量部が好ましい。
【0032】本発明のホットプレートを構成するセラミ
ック基板は、赤外線の透過率が0または10%以下であ
り、望ましくは、JIS Z 8721に基づく明度が
N4以下である。
【0033】このような特性を有するセラミック基板
は、セラミック基板中にカーボンを100〜5000p
pm含有させることにより得られる。カーボンには、非
晶質のものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボン
は、セラミック基板の高温における体積抵抗率の低下を
抑制することでき、また、赤外領域の光を吸収しやす
く、透過させないため有利である。
【0034】非晶質のカーボンは、例えば、C、H、O
だけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空気中で
焼成することにより得ることができる。なお、結晶質の
カーボンとしては、グラファイト粉末等が挙げられる。
【0035】また、アクリル系樹脂を含むグリーンシー
ト積層体等を不活性雰囲気下で熱分解させた後、加熱、
加圧することによりカーボンを含有するセラミック基板
を得ることができ、また、アクリル系樹脂の酸価を変化
させることにより、結晶性(非晶性)の程度を調整する
こともできる。また、上記アクリル系樹脂は、バインダ
として添加することができる。上記アクリル系樹脂バイ
ンダとしては、例えば、三井化学社製のSA−545シ
リーズ、共栄社製のKC−600シリーズ等を用いるこ
とができる。
【0036】また、上記セラミック基板の気孔率は、5
%以下で、最大気孔の気孔径が50μm以下であること
が望ましい。上記気孔率が5%を超えると、セラミック
誘電体膜中の気孔数が増加し、また、気孔径が大きくな
り、このような構造のセラミック基板は、耐電圧や機械
的特性等が低下してしまうからである。
【0037】また、最大気孔の気孔径が50μmを超え
ると、やはり耐電圧や機械的特性等が低下してしまう。
気孔率は、0または3%以下がより好ましく、最大気孔
の気孔径は、0または10μm以下がより好ましい。最
大気孔の気孔径の測定は、試料を5個用意し、その表面
を鏡面研磨し、2000から5000倍の倍率で表面を
電子顕微鏡で10箇所撮影することにより行う。そし
て、撮影された写真で最大の気孔径を選び、50ショッ
トの平均を最大気孔の気孔径とする。
【0038】気孔率は、アルキメデス法により測定す
る。焼結体を粉砕して有機溶媒中または水銀中に粉砕物
を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積とから真比
重を求め、真比重と見かけの比重とから気孔率を計算す
るのである。
【0039】本発明のホットプレートでは、通常、図1
に示したように、抵抗発熱体が設けられているが、上記
温度制御手段としては、抵抗発熱体のほかに、ペルチェ
素子が挙げられる。
【0040】抵抗発熱体をセラミック基板の内部に設け
る場合には、複数層設けてもよい。この場合は、各層の
パターンは相互に補完するように形成されて、加熱面か
らみるとどこかの層にパターンが形成された状態が望ま
しい。例えば、互いに千鳥の配置になっている構造であ
る。
【0041】抵抗発熱体としては、例えば、金属または
導電性セラミックの焼結体、金属箔、金属線等が挙げら
れる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデン
から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属
は比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有す
るからである。
【0042】また、導電性セラミックとしては、タング
ステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1
種を使用することができる。さらに、セラミック基板の
底面に抵抗発熱体を形成する場合には、金属焼結体とし
ては、貴金属(金、銀、パラジウム、白金)、ニッケル
を使用することが望ましい。具体的には銀、銀−パラジ
ウム等を使用することができる。上記金属焼結体に使用
される金属粒子は、球状、リン片状または球状とリン片
状との混合物を使用することができる。
【0043】金属焼結体中には、金属酸化物を添加して
もよい。上記金属酸化物を使用するのは、セラミック基
板と金属粒子とを密着させるためである。上記金属酸化
物により、セラミック基板と金属粒子との密着性が改善
される理由は明確ではないが、金属粒子の表面はわずか
に酸化膜が形成されており、セラミック基板は、酸化物
の場合は勿論、非酸化物セラミックである場合にも、そ
の表面には酸化膜が形成されている。従って、この酸化
膜が金属酸化物を介してセラミック基板表面で焼結して
一体化し、金属粒子とセラミック基板とが密着するので
はないかと考えられる。
【0044】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも1
種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値
を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との
密着性を改善できるからである。
【0045】上記金属酸化物は、金属粒子100重量部
に対して0.1重量部以上10重量部未満であることが
望ましい。この範囲で金属酸化物を用いることにより、
抵抗値が大きくなりすぎず、金属粒子とセラミック基板
との密着性を改善することができるからである。
【0046】また、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホ
ウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの
割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合
に、酸化鉛が1〜10重量部、シリカが1〜30重量
部、酸化ホウ素が5〜50重量部、酸化亜鉛が20〜7
0重量部、アルミナが1〜10重量部、イットリアが1
〜50重量部、チタニアが1〜50重量部が好ましい。
但し、これらの合計が100重量部を超えない範囲で調
整されることが望ましい。これらの範囲が特にセラミッ
ク基板との密着性を改善できる範囲だからである。
【0047】抵抗発熱体をセラミック基板の底面に設け
る場合は、抵抗発熱体12の表面は、金属被覆層120
で被覆されていることが望ましい(図2参照)。抵抗発
熱体12は、金属粒子の焼結体であり、露出していると
酸化しやすく、この酸化により抵抗値が変化してしま
う。そこで、表面を金属被覆層120で被覆することに
より、酸化を防止することができるのである。
【0048】金属被覆層120の厚さは、0.1〜10
μmが望ましい。抵抗発熱体の抵抗値を変化させること
なく、抵抗発熱体の酸化を防止することができる範囲だ
からである。被覆に使用される金属は、非酸化性の金属
であればよい。具体的には、金、銀、パラジウム、白
金、ニッケルから選ばれる少なくとも1種以上が好まし
い。なかでもニッケルがさらに好ましい。抵抗発熱体に
は電源と接続するための端子が必要であり、この端子
は、半田を介して抵抗発熱体に取り付けるが、ニッケル
は半田の熱拡散を防止するからである。接続端子して
は、コバール製の端子ピンを使用することができる。
【0049】なお、抵抗発熱体をヒータ板内部に形成す
る場合は、抵抗発熱体表面が酸化されることがないた
め、被覆は不要である。抵抗発熱体をヒータ板内部に形
成する場合、抵抗発熱体の表面の一部が露出していても
よい。
【0050】抵抗発熱体として使用する金属箔として
は、ニッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパター
ン形成して抵抗発熱体としたものが望ましい。パターン
化した金属箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよ
い。金属線としては、例えば、タングステン線、モリブ
デン線等が挙げられる。
【0051】温度制御手段としてペルチェ素子を使用す
る場合は、電流の流れる方向を変えることにより発熱、
冷却両方行うことができるため有利である。ペルチェ素
子は、p型、n型の熱電素子を直列に接続し、これをセ
ラミック板などに接合させることにより形成される。ペ
ルチェ素子としては、例えば、シリコン・ゲルマニウム
系、ビスマス・アンチモン系、鉛・テルル系材料等が挙
げられる。
【0052】本発明のホットプレートでは、セラミック
基板の内部に抵抗発熱体22を設けた場合には、これら
と外部端子とを接続するための接続部(スルーホール)
28が必要となる。スルーホール28は、タングステン
ペースト、モリブデンペーストなどの高融点金属、タン
グステンカーバイド、モリブデンカーバイドなどの導電
性セラミックを充填することにより形成される。
【0053】また、接続部(スルーホール)28の直径
は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止しつつ、
クラックや歪みを防止できるからである。このスルーホ
ールを接続パッドとして外部端子ピン23を接続する
(図3参照)。
【0054】接続は、半田、ろう材により行う。ろう材
としては銀ろう、パラジウムろう、アルミニウムろう、
金ろうを使用する。金ろうとしては、Au−Ni合金が
望ましい。Au−Ni合金は、タングステンとの密着性
に優れるからである。
【0055】Au/Niの比率は、〔81.5〜82.
5(重量%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が
望ましい。Au−Ni層の厚さは、0.1〜50μmが
望ましい。接続を確保するに充分な範囲だからである。
また、10-6〜10-5Paの高真空で500〜1000
℃の高温で使用するとAu−Cu合金では劣化するが、
Au−Ni合金ではこのような劣化がなく有利である。
また、Au−Ni合金中の不純物元素量は全量を100
重量部とした場合に1重量部未満であることが望まし
い。
【0056】本発明では、必要に応じて、セラミック基
板1の有底孔12に熱電対を埋め込んでおくことができ
る。熱電対により抵抗発熱体の温度を測定し、そのデー
タをもとに電圧、電流量を変えて、温度を制御すること
ができるからである。熱電対の金属線の接合部位の大き
さは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それより
も大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構
成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正
確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。この
ため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布
が小さくなるのである。上記熱電対としては、例えば、
JIS−C−1602(1980)に挙げられるよう
に、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対
が挙げられる。
【0057】図4は、以上のような構成のホットプレー
ト(セラミック基板)を配設するための支持容器30を
模式的に示した断面図である。支持容器30には、セラ
ミック基板11が断熱材35を介して嵌め込まれ、ボル
ト38および押さえ用金具37を用いて固定されてい
る。また、セラミック基板11の貫通孔15が形成され
た部分には、貫通孔に連通するガイド管32が設けられ
ている。さらに、この支持容器31には、冷媒吹き出し
口30aが形成されており、冷媒注入管39から冷媒が
吹き込まれ、冷媒吹き出し口30aを通って外部に排出
されるようになっており、この冷媒の作用により、セラ
ミック基板11を冷却することができるようになってい
る。
【0058】上述したホットプレートは、セラミック基
板の表面に抵抗発熱体のみが設けられた装置であり、こ
れにより、シリコンウエハ等の被加熱物を所定の温度に
加熱することができる。本発明のホットプレートは、主
に、半導体の製造や半導体の検査を行うために用いられ
る装置で、セラミック基板に抵抗発熱体のみを設けたも
のであるが、セラミック基板の内部に静電電極を設けた
場合には、静電チャックとして機能し、セラミック基板
の表面に導体層を設け、セラミック基板の内部にガード
電極やグランド電極を設けた場合には、ウエハプローバ
として機能する。
【0059】次に、図5(a)〜(d)に基づき、底面
に抵抗発熱体が形成されたホットプレートの製造方法に
ついて説明する。
【0060】(1) セラミック基板の作製工程 上述した窒化アルミニウムなどの窒化物セラミックに必
要に応じてイットリア等の焼結助剤やバインダ等を配合
してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレード
ライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れ
て加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グ
リーン)を作製する。セラミック基板にカーボンを含有
させるためには、通常、バインダとして、炭素が残留し
やすいアクリル樹脂等を用いる。このアクリル樹脂は熱
分解により、結晶性の低い炭素を生成させるため本発明
には有利である。
【0061】次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結
させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定
の形状に加工することにより、セラミック基板11を作
製するが、焼成後にそのまま使用することができる形状
としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことによ
り、気孔のないセラミック基板11を製造することが可
能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよい
が、窒化物セラミックでは、1000〜2500℃であ
る。
【0062】次に、このセラミック基板に、必要に応じ
て、シリコンウエハを運搬するためのリフターピン16
を挿通する貫通孔15、熱電対などの測温素子を埋め込
むための有底孔14、シリコンウエハを支持するための
支持ピンを埋設するための凹部等を形成する(図5
(a))。
【0063】(2) セラミック基板に導体ペーストを印刷
する工程 導体ペーストを用い、スクリーン印刷などの方法により
発熱体パターンに印刷し、導体ペースト層を形成する。
抵抗発熱体は、セラミック基板全体を均一な温度にする
必要があることから、図1に示すような同心円状と屈曲
線状とを組み合わせたパターンに印刷することが好まし
い。導体ペースト層は、焼成後の抵抗発熱体12の断面
が、方形で、偏平な形状となるように形成することが好
ましい。
【0064】(3) 導体ペーストの焼成 セラミック基板11の底面に印刷した導体ペースト層を
加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、貴金属
粒子を焼結させ、セラミック基板11の底面に焼き付
け、抵抗発熱体12を形成する(図5(b))。加熱焼
成の温度は、500〜1000℃が好ましい。導体ペー
スト中に上述した金属酸化物を添加しておくと、貴金属
粒子、金属酸化物およびセラミック基板が焼結して一体
化するため、抵抗発熱体とセラミック基板との密着性が
向上する。
【0065】(4) 金属被覆層の形成 次に、抵抗発熱体12表面には、金属被覆層120を設
ける(図5(c))。金属被覆層120は、電解めっ
き、無電解めっき、スパッタリング等により形成するこ
とができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最
適である。
【0066】(5) 端子等の取り付け 抵抗発熱体12のパターンの端部に電源との接続のため
の外部端子13を半田等を用いて取り付ける。また、有
底孔14に測温素子(熱電対)18を挿入し、ポリイミ
ド等の耐熱樹脂、セラミックで封止し、ホットプレート
10とする(図5(d))。
【0067】上記ホットプレートを製造する際に、セラ
ミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チ
ャックを製造することができ、また、加熱面にチャック
トップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード電
極やグランド電極を設けることによりウエハプローバを
製造することができる。
【0068】セラミック基板の内部に電極を設ける場合
には、金属箔等をセラミック基板の内部に埋設すればよ
い。また、セラミック基板の表面に導体層を形成する場
合には、スパッタリング法やめっき法を用いることがで
き、これらを併用してもよい。
【0069】次に、図6(a)〜(d)に基づき、セラ
ミック基板の内部に抵抗発熱体を有するホットプレート
の製造方法について説明する。
【0070】(1)グリーンシートの作製工程 まず、窒化物セラミックの粉末をバインダ、溶剤等と混
合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシート
を作製する。上述したセラミック粉末としては、窒化ア
ルミニウム等を使用することができ、必要に応じて、イ
ットリア等の焼結助剤を加えてもよい。また、グリーン
シートを作製する際、バインダとして、カーボンが残留
しやすいアクリル樹脂等を用いることが望ましいが、非
晶質のカーボンを添加してもよい。
【0071】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコール
から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
【0072】これらを混合して得られるペーストをドク
ターブレード法でシート状に成形してグリーンシート5
0を作製する。グリーンシート50の厚さは、0.1〜
5mmが好ましい。次に、得られたグリーンシートに、
必要に応じて、シリコンウエハを支持するための支持ピ
ンを挿入する貫通孔となる部分、シリコンウエハを運搬
等するためのリフターピンを挿入する貫通孔25となる
部分、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔と
なる部分、抵抗発熱体を外部端子と接続するためのスル
ーホールとなる部分280等を形成する。後述するグリ
ーンシート積層体を形成した後に、上記加工を行っても
よい。
【0073】(2)グリーンシート上に導体ペーストを
印刷する工程 グリーンシート50上に、導体ペーストを印刷して導体
ペースト層220を形成する。また、スルーホールとな
る部分に導体ペーストを充填する。
【0074】これらの導電ペースト中には、金属粒子ま
たは導電性セラミック粒子が含まれている。金属粒子の
材料としては、例えば、タングステンまたはモリブデン
等が挙げられ、導電性セラミックとしては、例えば、タ
ングステンカーバイドまたはモリブデンカーバイドが挙
げられる。
【0075】上記金属粒子であるタングステン粒子また
はモリブデン粒子等の平均粒子径は、0.1〜5μmが
好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μm
を超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
【0076】このような導体ペーストとしては、例え
ば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重
量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネ
オール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒
を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が
挙げられる。
【0077】(3)グリーンシートの積層工程 上記(1)の工程で作製した導体ペースト等を印刷して
いないグリーンシート50を、上記(2)の工程で作製
したペースト層220等を有するグリーンシート50の
上下に積層する(図6(a))。このとき、上側に積層
するグリーンシート50の数を下側に積層するグリーン
シート50の数よりも多くして、抵抗発熱体22の形成
位置を底面の方向に偏芯させる。具体的には、上側のグ
リーンシート50の積層数は20〜50枚が、下側のグ
リーンシート50の積層数は5〜20枚が好ましい。
【0078】(4)グリーンシート積層体の焼成工程 グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシ
ート50および内部の導体ペーストを焼結させ、セラミ
ック基板31を作製する(図6(b))。加熱温度は、
1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、10
〜20MPaが好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中
で行う。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素
などを使用することができる。
【0079】得られたセラミック基板21に、リフター
ピンを挿通するための貫通孔25、測温素子を挿入する
ための有底孔(図示せず)や、外部端子23を挿入する
ための袋孔27等を設ける(図6(c))。貫通孔2
5、有底孔および袋孔27は、表面研磨後に、ドリル加
工やサンドブラストなどのブラスト処理を行うことによ
り形成することができる。
【0080】次に、袋孔27より露出したスルーホール
28に外部端子23を金ろう等を用いて接続する(図6
(d))。さらに、図示はしないが、外部端子23に、
例えば、導電線を有するソケットを脱着可能に取り付け
る。なお、加熱温度は、半田処理の場合には90〜45
0℃が好適であり、ろう材での処理の場合には、900
〜1100℃が好適である。さらに、測温素子としての
熱電対などを耐熱性樹脂で封止し、セラミックヒータと
する。
【0081】(5)この後、このような内部に抵抗発熱
体12を有するセラミック基板21を、円筒形状の支持
容器に取り付け、ソケットから延びたリード線を電源に
接続することにより、セラミックヒータの製造を終了す
る。
【0082】上記ホットプレートを製造する際にも、セ
ラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電
チャックを製造することができ、また、加熱面にチャッ
クトップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード
電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバ
を製造することができる。
【0083】セラミック基板の内部に電極を設ける場合
には、グリーンシート上に静電電極やガード電極等のパ
ターンに導体ペースト層を形成し、積層、焼成すればよ
い。また、セラミック基板の表面に導体層を形成する場
合には、セラミック基板を製造した後、スパッタリング
法やめっき法を用いることにより導体層を形成すればよ
い。この際、スパッタリング法とめっき法とを併用して
もよい。
【0084】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)ホットプレート(図6参照)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:
0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ(三井
化学製SA−545シリーズ 酸価0.5)10重量
部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノ
ールとからなるアルコール53重量部を混合したペース
トを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚
さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0085】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの貫通孔を形成し、外部端
子と接続するためのスルーホールとなる部分等を設け
た。
【0086】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導体ペーストAを
グリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、抵抗発熱体
用の導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、同心
円形状パターンとした。
【0087】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシート50に、さらに、タングス
テンペーストを印刷しないグリーンシート50を上側
(加熱面)に34枚、下側に13枚積層し、これらを1
30℃、80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形
成した(図6(a))。
【0088】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で10時間脱脂し、1890℃、圧力15
0kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの
窒化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円
板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗
発熱体22を有する窒化アルミニウム製の板状体(セラ
ミック基板21)とした(図6(b))。このセラミッ
ク基板21に含まれるカーボンの結晶性を、レーザラマ
ンスペクトルで調べたところ、1580cm-1および1
355cm-1にピークが観察された。1355cm-1
ピークは非晶質性を示すピークであり、結晶性が低いこ
とが分かる。
【0089】(5)次に、(4)で得られた板状体を、
ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、Si
C等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔
(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)やリフターピ
ンを挿通するための貫通孔を設けた(図6(c))。
【0090】(6)さらに、スルーホールが形成されて
いる部分をえぐり取って袋孔27とし(図7(c))、
この袋孔27にNi−Auからなる金ろうを用い、70
0℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子23を接
続させた(図7(d))。なお、外部端子の接続は、タ
ングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。
接続信頼性を確保することができるからである。
【0091】(7)次に、温度制御のための複数の熱電
対をポリイミド等の樹脂を用いて有底孔に埋め込み、ホ
ットプレートの製造を完了した。
【0092】(実施例2) ホットプレートの製造(図
5参照) (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2
3 :イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、アク
リル系樹脂バインダ(共栄社製 商品名KC−600シ
リーズ 酸価17)8重量部およびアルコールからなる
組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製し
た。
【0093】(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
【0094】(3)加工処理の終わった生成形体を温
度:1800℃、圧力:20MPaでホットプレスし、
厚さが3mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。次に、
この板状体から直径310mmの円板体を切り出し、セ
ラミック製の板状体(セラミック基板11)とした(図
5(a))。次に、この板状体にドリル加工を施し、半
導体ウエハを運搬するためのリフターピン16を挿入す
る貫通孔15、熱電対を埋め込むための有底孔(直径:
1.1mm、深さ:2mm)14を形成した。
【0095】(4)上記(3)で得た焼結体の底面に、
スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パタ
ーンは、図1に示したような同心円形状と屈曲線形状と
を組み合わせたパターンとした。導体ペーストとして
は、プリント配線板のスルーホール形成に使用されてい
る徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用し
た。
【0096】この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであ
り、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸
化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホ
ウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からな
る金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、
銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のもので
あった。
【0097】(5)次に、導体ペーストを印刷した焼結
体を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、
鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、抵抗発熱体
12を形成した(図5(b))。銀の抵抗発熱体12
は、その端部近傍で、厚さが5μm、幅が2.4mm、
面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
【0098】(6)次に、硫酸ニッケル80g/l、次
亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g
/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含
む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(4)
で作製した焼結体を浸漬し、銀の抵抗発熱体12の表面
に厚さ1μmの金属被覆層120(ニッケル層)を析出
させた(図5(c))。
【0099】(7)電源との接続を確保するための端部
に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中
貴金属社製)を印刷して半田層を形成した。ついで、半
田層の上に先端がT字形状の外部端子13を載置し、4
20℃で加熱リフローし、抵抗発熱体12の端部に半田
170を介して外部端子17を取り付けた。(8)温度
制御のための熱電対を有底孔13に挿入し、ポリイミド
樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させ、底面11b
に抵抗発熱体12を有するホットプレート10を得た。
【0100】(実施例3〜4) ホットプレートの製造 アクリル系樹脂バインダ(共栄社製 商品名KC−60
0シリーズ 酸価17)の量を4重量部(実施例3)、
20重量部(実施例4)としたほかは、実施例2と同様
にしてホットプレートを製造した。
【0101】(比較例1)実施例1と同様であるが、脱
脂を600℃で24時間行い、炭素量を100ppm程
度まで減らした。 (比較例2)実施例1と同様であるが、結晶性グラファ
イトを添加した。焼結体中の添加量は800ppmであ
った。レーザラマンスペクトルでカーボンの結晶性を調
べたところ、1580cm-1にピークが観察された。従
って、このカーボンは、結晶性が高いことが分かる。
【0102】このようにして製造した実施例1〜4およ
び比較例1、2に係るホットプレートの炭素量、明度、
透過率および体積抵抗率を以下の方法により調べた。ま
た、300℃に昇温した際のセラミック基板の加熱面の
温度をサーモビュア(日本電子製 JTC−6100)
で測定し、その後、熱電対が接着された測温用シリコン
ウエハを加熱面に載置し、シリコンウエハの温度を測定
した。炭素量、明度等の測定結果を下記の表1に示す。
また、サーモビュアや熱電対で測定した結果について
は、最高温度と最低温度との温度差を比較した結果を下
記の表1に示す。さらに、実施例1で得られた焼結体
(厚さ0.5mm)の各波長の透過率を図7に示し、比
較例1で得られた焼結体(厚さ0.5mm)の各波長の
透過率を図8に示す。
【0103】評価方法 (1)炭素量の測定 上記実施例および比較例で製造した窒化アルミニウム板
状体を粉砕し、これを500〜800℃で加熱して発生
するCOX ガスを捕集することにより測定した。
【0104】(2)光透過率の測定 実施例および比較例で得られたセラミック基板から0.
5mmの厚さの焼結体を切り出し、240〜2670n
mの可視光の透過率を測定することができる自記分光光
度計(日立製作所社製 U−4000形)に設置し、光
透過率(T/Tw)を測定した。
【0105】(3)体積抵抗率の測定 焼結体を切削加工することにより、直径10mm、厚さ
3mmの形状に切出し、三端子(主電極、対電極、ガー
ド電極)を形成し、直流電圧を加え、1分間充電した後
のデジタルエレクトロメーターに流れる電流(I)を読
んで、試料の抵抗(R)を求め、抵抗(R)と試料の寸
法から体積抵抗率(ρ)を下記の計算式(1)で計算し
た。なお、この場合の温度は、300℃である。
【0106】
【数1】
【0107】上記計算式(1)において、tは試料の厚
さ(mm)である。また、Sは、下記の計算式(2)お
よび(3)により与えられる。
【0108】
【数2】
【0109】
【数3】
【0110】なお、上記計算式(2)および(3)にお
いて、r1 は主電極の半径、r2 はガード電極の内径
(半径)、r3 はガード電極の外径(半径)、D1 は主
電極の直径、D2 はガード電極の内径(直径)、D3
ガード電極の外径(直径)であり、本実施例において
は、2r1 =D1 =1.45cm、2r2 =D2 =1.
60cm、2r3 =D3 =2.00cmである。
【0111】
【表1】
【0112】図7、8に示したグラフより明らかなよう
に、実施例1に係る焼結体では、赤外領域の波長の吸収
が殆どないのに対し、比較例1の焼結体では、赤外領域
の波長の吸収が20%程度とかなり高くなっている。ま
た、上記の表1から明らかなように、赤外線(2500
nm)の透過率を10%以下にすることで、加熱面の温
度をサーモビュアにより正確に測定することができる。
【0113】
【発明の効果】以上説明のように、本発明のホットプレ
ートでは、セラミック基板の赤外線透過率が10%以下
と低いため、加熱面の温度をサーモビュアにより正確に
測定することができる。また、明度もN4以下と充分に
黒色化されており、高輻射熱が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホットプレートの一例を模式的に示す
底面図である。
【図2】図1に示したホットプレートの一部を模式的に
示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明のホットプレートの他の一例を模式的に
示す部分拡大断面図である。
【図4】ホットプレートを嵌合する支持容器を模式的に
示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明のホットプレートの
製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、本発明のホットプレートの
製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図7】実施例1で得られたセラミック基板の各波長に
対する吸収率を示したチャートである。
【図8】比較例1で得られたセラミック基板の各波長に
対する吸収率を示したチャートである。
【符号の説明】
10 ホットプレート 11、21 セラミック基板 11a 加熱面 11b、12b 底面 12(12a〜12d)、22 抵抗発熱体 13 端部 14 有底孔 15 貫通孔 16 リフターピン 17 外部端子 18 測温素子 19 シリコンウエハ 23 外部端子 24 ろう材 27 袋孔 28 スルーホール 30 支持容器 32 ガイド管 35 断熱材 37 押さえ用金具 38 ボルト 39 冷媒導入管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年5月28日(2001.5.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 半導体製造・検査装置用ホットプレ
ート
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/10 H05B 3/16 4M106 3/16 3/18 3/18 3/68 3/68 C04B 35/58 104H Fターム(参考) 3K034 AA02 AA03 AA21 AA22 AA34 BA02 BA17 BB06 BB14 BC02 BC12 BC17 CA26 DA03 DA04 HA01 JA01 3K092 PP20 QA05 QB02 QB04 QB08 QB33 QB43 QB61 QB69 QB76 QC52 RF03 RF11 RF19 RF22 RF26 VV40 4G001 BA09 BA36 BA78 BB09 BB36 BB60 BC42 BD01 BD23 BD31 BE32 4K029 DA08 4K030 KA23 KA24 4M106 AA01 BA01 CA31 CA60 DD30 DH44 DJ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の表面または内部に導体
    層が形成されたホットプレートであって、前記セラミッ
    ク基板は、赤外線の波長の透過率が0または10%以下
    であることを特徴とするホットプレート。
  2. 【請求項2】 前記セラミック基板のJIS Z 87
    21に基づく明度は、N4以下である請求項1に記載の
    ホットプレート。
  3. 【請求項3】 前記赤外線の波長は、2500nmであ
    る請求項1または2に記載のホットプレート。
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