JP2001355497A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2001355497A JP2000179359A JP2000179359A JP2001355497A JP 2001355497 A JP2001355497 A JP 2001355497A JP 2000179359 A JP2000179359 A JP 2000179359A JP 2000179359 A JP2000179359 A JP 2000179359A JP 2001355497 A JP2001355497 A JP 2001355497A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガスの空燃比の目標空燃比への収束特性を
改善する。 【解決手段】 燃料噴射量フィードバック制御部41
は、触媒上流側の排ガスセンサ24の検出空燃比AFが
上流側目標空燃比AFref に収束するように燃料噴射時
間Tinj を算出し、バックステッピング制御部44は、
触媒下流側の排ガスセンサ25の出力値O2outが目標値
O2targ 付近に維持されるようにバックステッピング法
により上流側目標空燃比AFref の補正量AFcompを算
出する。このバックステッピング法では、下流側排ガス
センサ25の出力値O2outと目標値O2targ との偏差を
状態変数x1 ,x2 とすると共に、制御対象のモデルを
2つのサブシステムに分割して、状態変数の理想的な収
束軌跡を仮想入力αで設定し、状態変数x1 と、状態変
数x2 と仮想入力αの偏差σと、偏差σの積算値xint
が共に0に収束するように、上流側目標空燃比AFref
の補正量AFcompを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス浄化用の触
媒の上流側と下流側にそれぞれ空燃比センサ(リニアA
/Fセンサ)又は酸素センサを設置して内燃機関の空燃
比をフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日の自動車は、排気管に三元触媒を設
置して排ガスを浄化するようにしているが、触媒の排ガ
ス浄化率を高めるためには、排ガスの空燃比を触媒の浄
化ウインド内(目標空燃比付近)に制御する必要があ
る。そこで、触媒の上流側と下流側にそれぞれ排ガスセ
ンサ(空燃比センサ又は酸素センサ)を設置し、上流側
排ガスセンサで検出される排ガスの空燃比が上流側目標
空燃比となるように燃料噴射量をフィードバック制御す
ると共に、下流側排ガスセンサで検出される排ガスの空
燃比が下流側目標空燃比となるように上流側目標空燃比
を補正するサブフィードバック制御を実施するようにし
たものがある。
【0003】従来のサブフィードバック制御は、PID
制御により行われているが、最近になって、制御精度を
高めるために、特開平9−273439号公報に示すよ
うにスライディングモード制御を用いることが提案され
ている。このスライディングモード制御は、制御対象の
複数の状態量を変数とする線形関数により表される超平
面を予め構築しておき、状態変数をハイゲイン制御によ
って超平面上で高速で収束させ、更に、等価制御入力に
よって、状態変数を超平面上で拘束しつつ、超平面上の
所要の平衡点に収束させる、可変構造型のフィードバッ
ク制御手法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、スライディン
グモード制御では、制御対象の状態変数が超平面に収束
してしまえば、外乱等の影響をほとんど受けずに状態変
数を超平面上の平衡点に安定的に収束させることができ
る利点があるが、制御対象のモデルは状態変数が超平面
に収束した場合のみしか考慮されていない。このため、
上記公報のように、空燃比制御にスライディングモード
制御を適用すると、一般に、ハイゲインでは、超平面周
辺で外乱や無駄時間によりハンチングが発生し、状態変
数が超平面に収束しない状態が発生するので、図7に示
すように、初期状態によっては下流側排ガスセンサ出力
(触媒下流側の排ガスの空燃比)が目標値(下流側目標
空燃比)に収束しない不具合が発生することがある。一
方、ローゲインでは、入力がモデル化誤差に対して十分
でないため、応答性が悪くなり、図8に示すように、下
流側排ガスセンサ出力(触媒下流側の排ガスの空燃比)
の収束速度が著しく遅くなるという欠点がある。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、下流側排ガスセンサ
の検出空燃比(触媒下流側の排ガスの空燃比)が目標空
燃比に収束するまでの過渡特性を改善することができ、
ハンチング防止と応答性向上とを両立させることができ
る内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の空燃比制御装置は、
下流側排ガスセンサの検出空燃比からなる状態変数に基
づいて上流側目標空燃比の補正量をバックステッピング
法を用いてバックステッピング制御手段で算出するよう
にしたものである。バックステッピング法では、状態変
数のほぼ理想的な収束軌跡(目標収束軌跡)を仮想入力
項で設定して、状態変数と仮想入力項との偏差を0に収
束させつつ、状態変数と目標値との偏差も考慮して制御
するので、状態変数と仮想入力項との偏差が0とならな
い条件下でも、状態変数を安定して収束させることがで
きる。これにより、従来のスライディングモード制御で
は状態変数が収束しにくいような外乱や無駄時間の影響
を受ける条件下でも、状態変数をスムーズに収束させる
ことができ、触媒下流側の排ガスの空燃比を目標空燃比
に応答性良く収束させることができる。
【0007】この場合、請求項2のように、制御対象の
モデルを複数のサブシステムに分割し、各サブシステム
に状態変数で算出される仮想入力項を持たせるようにす
ると良い。このようにすれば、サブシステムに対して状
態変数が目標収束軌跡に追従するように制御できるの
で、例えば2次のシステムを直接制御する場合と比較し
て、状態変数の収束軌跡にロバスト性を持たせることが
できる。
【0008】また、請求項3のように、仮想入力項は、
状態変数の積分値に比例した項を持つようにしても良
い。このようにすれば、状態変数の定常偏差、ひいて
は、触媒下流側の排ガスの空燃比の定常偏差を小さくす
ることができる。
【0009】或は、請求項4のように、仮想入力項は、
原点を含む所定領域で傾きが1未満で第1象限と第3象
限を通る直線又は曲線で表されると共にそれ以外の領域
では傾き1の直線で表される非線形関数を用いて設定す
るようにしても良い。この場合、状態変数が小さい領
域、つまり、下流側排ガスセンサの検出空燃比と下流側
目標空燃比との偏差が小さい領域では、ハイゲインのバ
ンバン制御のように触媒下流側の排ガスの空燃比を下流
側目標空燃比付近に安定して収束させることができる。
一方、状態変数が大きい領域、つまり、下流側排ガスセ
ンサの検出空燃比と下流側目標空燃比との偏差が大きい
領域では、応答性が悪くならないように、入力に制限が
入る。
【0010】また、請求項5のように、状態変数と、状
態変数と仮想入力項の偏差と、該偏差の積分値との線形
和によって補正量を算出するようにすると良い。このよ
うにすれば、状態変数と、状態変数と仮想入力項の偏差
と、その偏差の積分値の3つの量を同時に0に収束させ
るような補正量を算出することができ、触媒下流側の排
ガスの空燃比の収束安定性を向上することができる。
【0011】この場合、請求項6のように、補正量を算
出する際に、制御対象のモデルに基づく最適レギュレー
タにより線形和の各係数を算出するようにすると良い。
このようにすれば、状態変数と、状態変数と仮想入力項
の偏差と、その偏差の積分値を0に収束させる際に、そ
れぞれの重要度(重み付け)を容易に設定することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
乃至図5に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエ
ンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機
関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エ
アクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下
流側には、吸入空気量を検出するエアフローメータ14
が設けられている。このエアフローメータ14の下流側
には、スロットルバルブ15が設けられている。
【0013】更に、スロットルバルブ15の下流側には
サージタンク17が設けられ、このサージタンク17
に、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホ
ールド19が設けられている。各気筒の吸気マニホール
ド19の吸気ポート近傍には、それぞれ燃料を噴射する
燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン
11のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ21が
取り付けられている。
【0014】一方、エンジン11の排気管22の途中に
は、排ガス中の有害成分(CO,HC,NOx等)を浄
化する三元触媒等の触媒23が設置されている。この触
媒23の上流側と下流側には、それぞれ排ガス空燃比又
はリッチ/リーンを検出する排ガスセンサ24,25が
設置されている。本実施形態では、上流側排ガスセンサ
24は、排ガス空燃比に応じたリニアな空燃比信号を出
力する空燃比センサ(リニアA/Fセンサ)が用いら
れ、下流側排ガスセンサ25は、排ガスの空燃比が理論
空燃比に対してリッチかリーンかによって出力電圧が反
転する酸素センサが用いられている。従って、下流側排
ガスセンサ25は、空燃比がリーンの時には0.1V程
度の出力電圧を発生し、空燃比がリッチの時には0.9
V程度の出力電圧を発生する。尚、エンジン11のシリ
ンダブロックには、冷却水温を検出する水温センサ26
や、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ27が
取り付けられている。
【0015】エンジン制御回路(以下「ECU」と表記
する)28は、ROM29、RAM30、CPU31、
バッテリ32でバックアップされたバックアップRAM
33、入力ポート34、出力ポート35等からなるマイ
クロコンピュータを主体として構成されている。入力ポ
ート34には、回転速度センサ27の出力信号が入力さ
れると共に、エアフローメータ14、上流側及び下流側
排ガスセンサ24,25、水温センサ26の出力信号
が、それぞれA/D変換器36を介して入力される。ま
た、出力ポート35には、それぞれ駆動回路39を介し
て燃料噴射弁20、点火プラグ21等が接続されてい
る。ECU28は、ROM29に記憶された燃料噴射制
御プログラムや点火制御プログラムをCPU31で実行
することで、燃料噴射弁20や点火プラグ21の動作を
制御すると共に、空燃比制御プログラムを実行すること
で、排ガスの空燃比が目標空燃比となるように空燃比
(燃料噴射量)をフィードバック制御する。
【0016】以下、本実施形態の空燃比フィードバック
制御システムについて図2及び図3に基づいて説明す
る。ここで、図2はCPU31の演算処理機能で実現す
る空燃比制御手段40の機能を示すブロック図、図3は
空燃比フィードバック制御システム全体の機能を示すブ
ロック図である。
【0017】空燃比制御手段40は、燃料噴射量フィー
ドバック制御部41と目標空燃比計算部42とから構成
され、更に、目標空燃比計算部42は、負荷目標空燃比
計算部43とバックステッピング制御部44とから構成
されている。
【0018】燃料噴射量フィードバック制御部41は、
上流側排ガスセンサ24の検出空燃比AFが上流側目標
空燃比AFref に収束するように、燃料噴射弁20の燃
料噴射時間Tinj を算出する。この燃料噴射時間Tinj
の算出は、制御対象のモデルの線形方程式に対して構築
された最適レギュレータにより行われる。この燃料噴射
量フィードバック制御部41が、特許請求の範囲でいう
空燃比フィードバック制御手段に相当する役割を果た
す。
【0019】一方、負荷目標空燃比計算部43は、RO
M29に記憶された関数式又はマップにより吸入空気量
(又は吸気管圧力)とエンジン回転速度に応じた負荷目
標空燃比AFbaseを算出する。この負荷目標空燃比AF
baseを算出するための関数式又はマップは、下流側排ガ
スセンサ25の出力値O2out(検出空燃比)が定常的に
ほぼ目標値O2targ (下流側目標空燃比)と等しい時
に、上流側目標空燃比AFref を負荷目標空燃比AFba
seに維持すれば、下流側排ガスセンサ25の出力値O2o
utがほぼ目標値O2targ に維持されるように予め試験等
によって設定されている。
【0020】また、バックステッピング制御部44は、
下流側排ガスセンサ25の出力値O2outに基づいて、後
述するバックステッピング法を用いて上流側目標空燃比
AFref の補正量AFcompを算出する。そして、この補
正量AFcompを負荷目標空燃比AFbaseに加算すること
で、上流側目標空燃比AFref を求め、この上流側目標
空燃比AFref を燃料噴射量フィードバック制御部41
に入力する。AFref =AFbase+AFcomp
【0021】この場合、目標空燃比計算部42が、特許
請求の範囲でいうサブフィードバック制御手段に相当
し、バックステッピング制御部44が、特許請求の範囲
でいうバックステッピング制御手段に相当する。
【0022】次に、バックステッピング制御部44にお
けるバックステッピング法を用いた補正量AFcompの算
出方法を図3に基づいて説明する。制御対象を燃料噴射
量フィードバック制御部41、エンジン11、触媒2
3、下流側排ガスセンサ25等からなる系とし、下流側
排ガスセンサ25の出力値O2outが目標値O2targ 付近
に維持されるように、上流側目標空燃比AFref の補正
量AFcompを算出する。バックステッピング法を適用す
るために、次の(1),(2)式に示す2つの状態変数
x1 ,x2 を用いる。 x1(i)=O2out(i) −O2targ ……(1) x2(i)=O2out(i+1) −O2targ ……(2)
【0023】つまり、状態変数x1 は計算周期 i回目に
おける下流側排ガスセンサ25の出力値O2outと目標値
O2targ との偏差であり、状態変数x2 は計算周期 i+1
回目における下流側排ガスセンサ25の出力値O2outと
目標値O2targ との偏差である。
【0024】本実施形態では、このように定義された状
態変数x1 ,x2 を、状態フィードバックを用いて0に
するように制御することで、上流側目標空燃比AFref
の補正量AFcompを求める。この制御を実施するため
に、まず、制御対象を次の(3)式に示す2次線形状態
方程式でモデル化する。
【0025】
【数1】
【0026】ここで、入力は、計算周期 i回目において
バックステッピング制御部44で算出される補正量AF
compであり、状態変数x1 ,x2 は、a1 ,a2 ,bを
係数とする過去の状態変数x1 ,x2 の値と現在の補正
量AFcompの値の線形和により決定される。尚、モデル
式は、2次式に限定されず、無駄時間等を考慮した3次
以上の高次な式を用いても良い。
【0027】次に、上記モデル式(3)を、次の(4)
式と(5)式に示す2つのサブシステムに分割する。 x1(i+1)=x2(i) ……(4) x2(i+1)=a1 ・x1(i)+a2 ・x2(i)+b・AFcomp(i) ……(5) そして、以下に述べる2つの手順,を経てそれぞれ
のサブシステム[(4)式,(5)式]を制御する。
【0028】《手順》(4)式に示すサブシステムに
おいて、状態変数x1 を目標値0に制御する。この際、
(4)式中の状態変数x2 を仮想入力αとし、次の
(6)式に示すように、その値を自由に設定できるとす
れば、状態変数x1 をほぼ理想的な収束軌跡で目標値0
に制御することができる。 α(i) =Kc ・x1(i) ……(6) ここで、Kc は絶対値が1よりも小さい定数である。
【0029】《手順》(5)式に示すサブシステムを
用いて、状態変数x2 を実際に仮想入力αと等しくする
ように制御する。この際、まず、(4)式中の状態変数
x2 と(6)式で設定した仮想入力αとの偏差σを次の
(7)式に示すように設定する。 σ(i) =x2(i)−α(i) ……(7) これにより、x2(i)を次の(8)式で表すことができ
る。 x2(i)=α(i) +σ(i) ……(8) 上記(4)と上記(8)式とから次の(9)式が求めら
れる。 x1(i+1)=α(i) +σ(i) ……(9) 上記(5)と上記(8)式とから次の(10)式が求め
られる。 σ(i+1) =a1 ・x1(i)+a2 ・σ(i) +b・AFcomp(i) −α(i+1) +a2 ・α(i) ……(10) ここで、α(i) 、α(i+1) は、それぞれ、x1(i)、x1
(i+1)の関数であり、x1(i+1)はα(i) とσ(i) の関数
であることから、上記(9)式、(10)式は共にx1
(i)、σ(i) の関数である。
【0030】次に、上記(9)式、(10)式からなる
システム全体について、状態変数x1 と、偏差σと、偏
差σの積算値の3つの量を同時に0に収束させるよう
に、次の(11)式を用いて、補正量AFcompを、状態
変数x1 と、偏差σと、偏差σの積分値Σσとの線形和
で設定する。
【0031】
【数2】
【0032】ここで、K1 ,K2 ,K3 はフィードバッ
クゲインであり、エンジン運転状態により決定される定
数である。このように状態変数x1 (下流側排ガスセン
サ25の出力値O2outと目標値O2targ との偏差)の収
束も考慮することで、無駄時間や外乱等の影響により偏
差σ(状態変数と仮想入力との偏差)が0とならない条
件下でも、状態変数x1 の収束安定性を向上することが
可能となる。
【0033】尚、本実施形態のように、仮想入力αをα
(i) =Kc ・x1(i)のように設定した場合[(6)式参
照]には、上記(9)式、(10)式及び次の(12)
式からなるシステム全体を次の(13)式に示す行列式
で表して、最適レギュレータによってフィードバックゲ
インK1 ,K2 ,K3 を決定するようにしても良い。
【0034】
【数3】
【0035】この場合、フィードバックゲインK1 ,K
2 ,K3 は、次のように表すことができる。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、Wx1は、状態変数x1 (目標収束
値までの偏差)に対する重み係数であり、Wsigma は、
偏差σ(目標収束軌跡までの偏差)に対する重み係数で
あり、Wint は、偏差σの積算値xint (目標収束軌跡
までの偏差の積算値)に対する重み係数である。
【0038】上記(14)式、(15)式より、重み係
数Wx1,Wsigma ,Wint の組み合わせからフィードバ
ックゲインK1 ,K2 ,K3 が決定される。これによ
り、状態変数x1 と、偏差σと、偏差σの積算値xint
とを0に収束させる際に、それぞれの重要度(重み付
け)を重み係数Wx1,Wsigma ,Wint によって容易に
設定することができる。
【0039】以上説明したバックステッピング制御部4
4による補正量AFcompの算出は、図4の補正量算出プ
ログラムに従って行われる。本プログラムは、所定時間
又は所定クランク角毎に実行される。本プログラムが起
動されると、まず、ステップ101で、下流側排ガスセ
ンサ25の出力値O2outを読み込み、次のステップ10
2で、状態変数x1 を前回の状態変数x2 で更新した
後、ステップ103で、今回の状態変数x2 (=O2out
−O2targ )を算出する。
【0040】その後、ステップ104で、仮想入力α=
Kc ・x1 を算出し、次のステップ105で、状態変数
x2 と仮想入力αとの偏差σ(=x2 −α)を算出した
後、ステップ106で、前回までの偏差σの積算値xin
t に今回の偏差σを加算して、偏差σの積算値xint
(=xint +σ)を更新する。その後、ステップ107
で、上流側目標空燃比の補正量AFcomp(=K1 ・x1
+K2 ・σ+K3 ・xint )を算出して、本プログラム
を終了する。
【0041】CPU31は、この補正量AFcompを負荷
目標空燃比AFbaseに加算することで上流側目標空燃比
AFref を求め、上流側排ガスセンサ24の検出空燃比
AFが上流側目標空燃比AFref に収束するように燃料
噴射時間Tinj を算出する。
【0042】以上説明した本実施形態によれば、上流側
目標空燃比の補正量AFcompをバックステッピング法を
用いて算出するようにしたので、状態変数(下流側排ガ
スセンサ25の出力値O2outと目標値O2targ との偏
差)をほぼ理想的な収束軌跡に追従させるようにして0
に収束させることができる。このため、図5に破線で示
すように、従来のスライディングモード制御では、下流
側排ガスセンサ25の出力値O2out(触媒下流側の排ガ
スの空燃比)が目標値O2targ に収束しにくいような外
乱や無駄時間の影響を受ける条件下でも、図5に実線で
示すように、下流側排ガスセンサ25の出力値O2out
(触媒下流側の排ガスの空燃比)を目標値O2targ に応
答性良く収束させることができる。
【0043】尚、本実施形態では、仮想入力α(i) =K
c ・x1(i)[(6)式参照]としたが、次式に示すよう
に、状態変数x1(i)の積分値Σx1 に定数ゲインKI を
乗算した項を仮想入力α(i) に持たせるようにしても良
い。
【0044】
【数5】
【0045】このようにすれば、状態変数x1 の定常偏
差、ひいては、下流側排ガスセンサ25の出力値O2out
(触媒下流側の排ガスの空燃比)の定常偏差を小さくす
ることができる。
【0046】また、仮想入力α(i) を、図6に示す非線
形関数F1(x)を用いて次式に示すように設定しても良
い。 α(i) =F1(x(i) ) ここで、非線形関数F1(x)は、図6に示すように、原点
を含む所定領域で傾きが1未満で第1象限と第3象限を
通る直線又は曲線で表されると共にそれ以外の領域では
傾き1の直線で表される非線形関数に設定されている。
【0047】このようにすれば、状態変数x(i) が小さ
い領域、つまり、下流側排ガスセンサ25の出力値O2o
utと目標値O2targ との偏差が小さい領域では、ハイゲ
インのバンバン制御のように下流側排ガスセンサ25の
出力値O2outを目標値O2targ 付近に制御することがで
きる。一方、状態変数x(i) が大きい領域、つまり、下
流側排ガスセンサ25の出力値O2outと目標値O2targ
との偏差が大きい領域では、応答性が悪くならないよう
に、入力に制限が入る。
【0048】尚、下流側排ガスセンサ25は、酸素セン
サに代えて、空燃比センサ(リニアA/Fセンサ)を用
いても良く、また、上流側排ガスセンサ24は、空燃比
センサ(リニアA/Fセンサ)に代えて、酸素センサを
用いても良い。その他、本発明は、制御対象のモデル式
を適宜変更しても良い等、種々変更して実施できること
は言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システ
ム全体の概略構成図
【図2】ECUのCPUの演算処理機能で実現する空燃
比制御手段の機能を示すブロック図
【図3】空燃比フィードバック制御システム全体の機能
を示す機能ブロック図
【図4】補正量算出プログラムの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図5】下流側排ガスセンサ出力の収束特性を示すタイ
ムチャート
【図6】他の実施形態に用いる非線形関数F1(x)を説明
するための図
【図7】従来の空燃比制御における下流側排ガスセンサ
出力の収束特性を示すタイムチャート(その1)
【図8】従来の空燃比制御における下流側排ガスセンサ
出力の収束特性を示すタイムチャート(その2)
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、20…燃料噴射弁、22
…排気管、23…触媒、24…上流側排ガスセンサ、2
5…下流側排ガスセンサ、28…ECU(空燃比フィー
ドバック制御手段,サブフィードバック制御手段,バッ
クステッピング制御手段)、31…CPU、40…空燃
比制御手段、41…燃料噴射量フィードバック制御部、
42…目標空燃比計算部、43…負荷目標空燃比計算
部、44…バックステッピング制御部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排ガスを浄化する触媒と、 前記触媒の上流側と下流側でそれぞれ排ガスの空燃比又
    はリッチ/リーンを検出する上流側排ガスセンサ及び下
    流側排ガスセンサと、 前記上流側排ガスセンサの検出空燃比が上流側目標空燃
    比となるように燃料噴射量をフィードバック制御する空
    燃比フィードバック制御手段と、 前記下流側排ガスセンサの検出空燃比が下流側目標空燃
    比となるように前記上流側目標空燃比を補正するサブフ
    ィードバック制御手段とを備えた内燃機関の空燃比制御
    装置において、 前記サブフィードバック制御手段は、前記下流側排ガス
    センサの検出空燃比からなる状態変数に基づいて前記上
    流側目標空燃比の補正量をバックステッピング法を用い
    て算出するバックステッピング制御手段を備えているこ
    とを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記バックステッピング制御手段は、制
    御対象のモデルを複数のサブシステムに分割し、各サブ
    システムに前記状態変数で算出される仮想入力項を持た
    せることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃
    比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記仮想入力項は、前記状態変数の積分
    値に比例した項を持つことを特徴とする請求項2に記載
    の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】 前記仮想入力項は、原点を含む所定領域
    で傾きが1未満で第1象限と第3象限を通る直線又は曲
    線で表されると共にそれ以外の領域では傾き1の直線で
    表される非線形関数を用いて設定されていることを特徴
    とする請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】 前記バックステッピング制御手段は、前
    記状態変数と、該状態変数と前記仮想入力項の偏差と、
    該偏差の積分値との線形和によって前記補正量を算出す
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 【請求項6】 前記バックステッピング制御手段は、前
    記補正量を算出する際に、制御対象のモデルに基づく最
    適レギュレータにより前記線形和の各係数を算出するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の空燃比制御
    装置。
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JP2004064949A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Meidensha Corp 超音波モータの位置制御方式
CN110500193A (zh) * 2018-05-17 2019-11-26 罗伯特·博世有限公司 用于运行具有燃烧马达的马达系统的废气后处理装置的方法和装置

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