JP2001355222A - 放流関数に基づく貯水池操作システム - Google Patents
放流関数に基づく貯水池操作システムInfo
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Abstract
水時操作を実現すること。 【解決手段】事前放流操作、洪水操作、異常洪水操作、
及び、事後放流操作を、それぞれ個別の放流関数の式に
基づいてゲートを開放操作することにより、貯水の放流
開始から終了までの一連のゲート開閉操作を、貯水池の
水位を基本情報として決定するようにした。
Description
数に基づいて貯水池の放流操作を行う貯水池操作システ
ムに関する。
とに大別することができる。
て確保された容量(貯溜可能な空き容量)を活用して、
下流河道の流量を低減させるように放流量をコントロー
ルするようにしている。
用・水道用に使用するのに必要な貯水量を確保して、こ
れを活用することが主目的であるが、洪水時において
は、ダムを設置したことにより、下流河道の洪水流量が
増加しないように、一定の方針を定めて、これにより放
流量をコントロールする必要がある。
を決定する方法は、自然調節方式や定開度方式等のゲー
トの開閉操作を伴わない方式を除いては、主に、貯水池
への流入量を基本情報として放流量が決定されている。
に貯水池への流入量を基本情報として放流量を決定する
方法では、貯水池への流入量の把握誤差が大きいため
に、決定した放流量の誤差も大きくなり、正確な放流量
の制御が行えないという不具合がある。
と単位時間内の貯水量の変化との合算量として求められ
るものであり、単位時間内の貯水量の変化は、貯水池の
水位の変化とあらかじめ貯水池毎に作成した貯水量(V)
と水位(標高:H)の関係式(H−Vカーブ)から求め
られる。
の変化のみならず、風や地震による波の発生、ゲート開
閉操作時にゲートから受ける反作用の変化による波の発
生、また、発電用のプロペラから受ける反作用による波
の発生等にも支配されている。
の構成要素は、流入量計算においては誤差の要因とな
る。
貯水池の面積と水位観測誤差との積に比例するものであ
り、一般的に貯水池の面積が大きいことから、水位の観
測誤差が僅かなものであっても、この水位の観測誤差が
流入量の把握誤差に大きく影響して、結果的に放流量の
誤差を大きくすることから、放流量を安定化させた貯水
池操作を行うことが非常に困難となっているのが実状で
ある。
水池に設けたゲートを開放させて貯水を放流させる放流
時操作として、事前放流操作、洪水調節操作、異常洪水
時操作、及び、事後放流操作の内の少なくとも一つの操
作を行う貯水池操作システムであって、事前放流操作
は、下記の放流関数の式(1)に基づいた放流量Qoが得
られるようにゲートを開放操作し、洪水調節操作は、下
記の放流関数の式(2)に基づいた放流量Qoが得られる
ようにゲートを開放操作し、異常洪水時操作は、下記の
放流関数の式(3)に基づいた放流量Qoが得られるよう
にゲートを開放操作し、事後放流操作は、貯水池の状況
により(2)式又は(3)式に基づいた放流量Qoが得ら
れるようにゲートを開放操作して、貯水の放流開始から
終了までの一連のゲート開閉操作を、貯水池の水位を基
本情報として決定することを特徴とする放流関数に基づ
く貯水池操作システムを提供するものである。
開度をゲート閉塞状態からゲート最大開放状態までの間
で調節する操作を意味し、以下同じ意味で使用する。
(最高水位時) (vm,qm):計画的洪水調節から異常洪水時操作に
移行する際の状況 (vp,qp):異常洪水時放流関数の数学的頂点の座
標(=(B,C))
する。
せて貯水を放流させる放流時操作として、事前放流操
作、遅らせ操作、及び、事後放流操作の内の少なくとも
一つの操作を行う貯水池操作システムであって、事前放
流操作は、下記の放流関数の式(4)に基づいた放流量
Qoが得られるようにゲートを開放操作し、遅らせ操作及
び事後放流操作は、下記の放流関数の式(5)に基づい
た放流量Qoが得られるようにゲートを開放操作して、貯
水の放流開始から終了までの一連のゲート開閉操作を、
貯水池の水位を基本情報として決定することを特徴とす
る放流関数に基づく貯水池操作システム。
したときの状況(最高水位時)
いて説明する。
貯水池操作システムは、流入量計算過程を省略し、貯水
池の水位から直接放流量を決定し、この決定した放流量
に基づいて、貯水池の一部を形成する洪水調節用ダムや
利水専用ダムに設けたゲートを開放操作(開度調節操
作)するようにしたシステムである。ここで、放流操作
を流入量と放流量との関係において、さらに一般化して
整理すると、次の四つの放流機能の組み合わせとして整
理することができる。
操作(以下「追いつき操作」という)。かかる「追いつ
き操作」として、「事前放流操作」と「異常洪水時操
作」とがある。
操作(以下「遅らせ操作」という)。かかる「遅らせ操
作」は、これを延長して利水専用ダムにおける「事後放
流操作」にも適用することができる。
(以下「調節操作」という)。かかる「調節操作」とし
て、「洪水調節操作」と洪水調節用ダムにおける「事後
放流操作」とがある。
つ操作(以下「定水位制御操作」という)。
いる放流関数における貯水量Vの次数を調整することに
よって、実現することができる。
次式、遅らせ操作は、貯水量Vの1次式、調節操作は、
貯水量Vの1/2次式によって実現することができる。
を同じにすると言う意味から見れば流入量に放流量を限
りなく近づける事に類似しており、近似的に貯水量Vの
2次式で実施することができる。
するためにはこの部分だけについて別途の方策を講ずる
必要がある。
都合の良い貯水量Vの関数に統一して表現している。な
お、放流量と貯水量の関係は、あらかじめ貯水池毎に貯
水量Vと水位(標高)Hの関係式(H−Vカーブ)を作
成しておけば、放流量と水位の関係に置き換えることが
できる。
0)、終点(v,q)の2つの点を通る、放流量Qoと貯
水量Vとの関係を、貯水量Vの1/2次式、1次式、2
次式として示した。なお、Vの1/2次式と2次式は始
点(0,0)をグラフの頂点となるようにしている。
=0で、0から始まり、時間の変化に対して直線的に変
化する場合の流入量Qiに適用して、これに水の連続式を
考慮して、放流量Qoの時間変化を計算した結果を図2に
示す。
Vの1/2次式による場合は、流入量に対して一定率で
あり、また、貯水量Vの1次式の場合は、流入量を平行
移動(流入量に対して一定時間の遅れ)した線に漸近
し、また、貯水量Vの2次式の場合は、流入量に対して
放流量が追いついていく、というそれぞれの特性を有し
ていることが解析的にまた数値計算的に判った。
の水理特性を効果的に活用して、洪水調節をシステム的
に行うことができるようにした。
ず、放流開始時点では、ダムからの放流による下流河道
の水位上昇は緩やかでなければならないが、その後は、
できるだけ早く流入量に放流量が追いついていく必要性
がある。このような観点から、貯水量Vの2次式の特性
を活用した放流関数を採用するのが適当である。
対して、一定の率の放流を達成する必要性がある。この
ような場合は、貯水量Vの1/2次式の特性を活用した
放流関数を採用するのが適当である。
的に、ある一定の調節効果が得られるように配慮する必
要性があるが、そのようなケースも考慮して、事後放流
操作も洪水調節操作の延長上で(2)式で考えるのが望
ましい。
から放流量の増加による下流河道の急激な水位上昇を回
避しながら、流入量に放流量を近づけていく操作である
から、貯水量Vの2次式の特性を活用した放流関数を採
用するのが適当である。
(vm≦V<v2)も異常洪水時操作の延長上で(3)式
で考えるのが望ましい。
る操作は遅らせ操作であるから、貯水量Vの1次式の特
性を活用した放流関数を採用するのが適当である。
の場合と同様に、二山以上の洪水に対処するために、中
心となる遅らせ操作の延長上で考える。
定する場合には、図1に示すように、貯水量V(水位H
に換算可能)と放流量Qoとの座標軸において、計画的に
貯水量と放流量の関係として定められた、放流関数の始
点及び終点を通るような、それぞれ1/2次式・1次式
・2次式の放流関数を当てはめればよい。
図3及び図4であり、これらの放流関数を適用して、任
意の流入量に対する放流量を決定することができ、その
結果を、図5及び図6に示す。
みでは無数の2次関数が存在し、一義的に決定すること
ができないので、2次関数の頂点(vp,qp)をどの様
に設定するかという立場からの条件を付加し、こうする
ことにより当該放流関数への移行時点(vm,qm)の放
流の水理特性(放流量の増加による下流河道の水位上昇
速度)の条件を設定することが可能である。
を採用した場合には、水位により直接放流量を決定する
ことにより、ダムからの放流による下流河道の水位の上
昇速度をコントロールすることが可能となる。
がら説明する。
ゲートを開放させて貯水を放流させる放流時操作とし
て、事前放流操作、洪水調節操作、異常洪水時操作、及
び、事後放流操作の内の少なくとも一つの操作を行う貯
水池操作システムであって、貯水の放流開始から終了ま
での一連のゲート開閉操作を、貯水池の水位を基本情報
として決定するようにしている。
(1)に基づいた放流量Qoが得られるようにゲートを開
放操作する。
(2)に基づいた放流量Qoが得られるようにゲートを開
放操作する。
(3)に基づいた放流量Qoが得られるようにゲートを開
放操作する。
(2)式(v1≦V<vm)又は(3)式(vm≦V<
v2)に基づいた放流量Qoが得られるようにゲートを開
放操作する。
(最高水位時) (vm,qm):計画的洪水調節から異常洪水時操作に
移行する際の状況 (vp,qp):異常洪水時放流関数の数学的頂点の座
標
始まりから終わりまでの貯水池への流入量と放流量の時
間変化を示したものであり、放流時操作として、事前
放流操作と定水位制御操作と洪水調節操作と異常
洪水時操作と事後放流操作を適宜行うようにしてい
る。
流による下流河道の水位上昇に留意しつつ、しかも、で
きる限り早く放流量を流入量に近づけていく操作であ
る。
量が等しくなった(近づいた)段階で、この状態を継続
させることにより、水位を(ほぼ)一定に保持する操作
である。
水しつつ、放流量を低減させる操作である。
かじめ設定)した最高水位を超える恐れがあるときに、
洪水調節計画よりも多くの放流を行い、ダムからの洪水
の越流を回避する操作である。
水時操作により上昇した水位を低下させつつ、流入量に
放流量を近づけて、定水位制御に移行する条件を整える
操作である。
では、図3に示すような放流関数(V−Qo関数)によ
って、放流量を決定することができる。
や洪水調節操作から異常洪水時操作に移行する場合等の
判断において「限界流入量」の概念を適用することによ
り、効果的かつ安全な操作システムとすることができる
ものであり、放流開始時の限界流入量Qic1と異常洪水時
操作へ移行する際の限界流入量Qic2は、それぞれ以下の
ようにして設定することができる。
の水位−流量関係(H−Qカーブ)を、(6)式に示す
ような水位Hの2次関数とすれば、定められた放流関数
(1)式に基づいて、放流量0の状態から放流を開始し
ようとするとき、ダムからの放流による下流河道の水位
上昇速度が、放流関数がVの1次関数では水位上昇速度
が常に無限大となり、また、3次関数では水位上昇速度
が常に0となる。このような中で、その中間的な位置に
ある2次関数のみが、(7)式に示すような放流開始時
期の水位上昇速度を有限の値によって表現し得ることに
よるものである。
カ−ブ)を(6)式によって表す。
度は、水の連続式と(6)式と(1)式を連立させて
(7)式のように導くことが出来る。
許容値Hc以下であるという条件を付けると以下の通り
となる。
あるからQoの値は0である。
は、ある貯水池の洪水期制限水位以下の空き容量(=v
1−v0)のもとで、放流関数(1)式にもとづき放流を
開始した場合の、下流水位基準点における水位上昇速度
をHc 以下に抑えるための限界の流入量を示している。
q1は、貯水量V=v1となった時の目標放流量である。
量Qic2)事前放流操作並びに洪水調節操作における放流
関数の延長上で、図3に示すような放流関数を一般化し
たVの2次関数として(3)式のように設定し、操作に
関する諸条件を加味しつつA、B、Cを確定していくこ
ととする。
上昇速度のコントロールについて考察してみる。
Qカ−ブから下流河道の水位上昇速度は以下のように数
式化される。
上昇速度の限度をHcとすると、異常洪水時操作への移
行段階では(9)式は、次のように整理することができ
る。
へ移行する際の限界流入量Qic2を示している。
右辺と等しくなる前に(2)式の状態から(3)式に移
行し、これに基づいて放流すれば、異常洪水時操作へ移
行する時点(vm,qm)における下流河道の水位上昇速
度はHc以下に押さえられることとなる。
m,qm)を通り(B,C)〔(vP,qP)に同じ〕を頂
点とする2次関数を考え、これらの3点のうち前2点を
固定して頂点(B,C)の位置を操作することにより、
異常洪水時操作へ移行する時点{(vm,qm)点}にお
ける下流河道の水位上昇速度の時間的な変化特性をある
程度操作する事が可能である。
の(vm,qm)点)で、下流河道の水位上昇速度が時間
的に極大となるような放流関数を定めることを考える
と、次のように展開することが出来る。
異常洪水時操作へ移行する過程で(3)式を最も適切な
放流関数とするための2次関数の頂点の座標である。
れば(異常洪水時操作の放流関数の頂点を決定すれ
ば、)洪水調節操作から異常洪水時操作への移行点(v
m,qm)での下流河道の水位上昇速度は時間的に極大値
となっている。
q3)、(vm,qm)を通り Qo=C(=qp)に接す
るから、これらの関係よりA,B(=vp)の値が次の
ように求められる。
(13)式によりA、B、Cの値を求めながら(10)
式により限界流入量を計算し、異常洪水時操作に移行す
べきか否かの判断を行う。
(3)式に基づき異常洪水時操作を実行する。
位Hと貯水量Vの関係(H−Vカーブ)から容易に水位
に変換することができるため、水位により放流量を決定
することができる。
(Qic2)を計算する過程や、限界流入量と流入量を比較
して新たな放流形態へ移行すべきか否かを判断する過程
で流入量(Qi)の情報を必要とするが、一旦、放流形態
とそれに対応した放流関数が決定されれば、放流量
(Qo)は常に貯水量V(又は水位H)のみに基づいて決
定されることとなる。
ートを開放させて貯水を放流させる放流時操作として、
事前放流操作、遅らせ操作、及び、事後放流操作の内の
少なくとも一つの操作を行う貯水池操作システムであっ
て、貯水の放流開始から終了までの一連のゲート開閉操
作を、貯水池の水位を基本情報として決定するようにし
ている。
(4)に基づいた放流量Qoが得られるようにゲートを開
放操作する。
流関数の式(5)に基づいた放流量Qoが得られるように
ゲートを開放操作する。
したときの状況(最高水位時)
まりから終わりまでの貯水池への流入量と放流量の時間
変化を示したものである。
おいては、図4に示すような放流関数によって、放流量
を決定することができる。
位Hと貯水量Vの関係(H−Vカーブ)から容易に水位
に変換することができるため、水位により放流量を決定
することができる。
の始まりから終わりまでの一連の放流操作を自動制御化
した貯水池操作システムについて、図3、図5、図7及
び図8を参照しながら説明する。
動制御化した貯水池操作システムAの概念図を示してお
り、Cは貯水池、Dは洪水調節用ダム、Gはゲートであ
り、同ゲートGは洪水調節用ダムDに形成した放流路R
に開閉自在に設けている。
り開閉作動可能とし、同ゲートGを開放することにより
貯水池Cの貯水を放流路Rを通して放流することができ
ると共に、同ゲートGの開度に応じて放流量を適宜設定
することができるようにしている。
出力側に接続しており、同制御手段2の出力側には別途
表示手段3を接続する一方、同制御手段2の入力側に
は、ゲートGの開度を検出するゲート開度検出手段4
と、貯水の水位Hを検出する水位検出手段5と、計画値
(所望の設定値)を入力するための入力手段6とを接続
している。
制御手段2に入力された計画値や、各検出手段4,5によ
り検出された検出値や、これら計画値や検出値に基づい
て制御手段2により算出された放流量や流入量等の算出
値を表示するようにしている。
ら洪水調節用ダムにおける放流の始まりから終わりまで
の一連の放流自動制御化システムについて説明する。
する(100)。
河道の水理定数K(m/s)を入力手段6により入力(読み
込み)する。また、貯水量V=0,時間T=0に設定す
る(101)。
により検出された水位Hに基づいて貯水量Vを算出し、
流入量Qiと放流開始時の限界流入量Qic1とを算出する(1
02)。
ic1とを比較し、流入量Qiが限界流入量Qic1よりも大き
い場合には(103のYES)、事前放流を開始する(104)。
する。ここで、Fは、洪水操作の履歴を示す指標であ
り、F=0では洪水調節の履歴がない状態を示し、ま
た、F=1では洪水調節の履歴をもった状態で定水位制
御を必要とする状態を示す。
い場合には(103のNO)、放流量Qo=0として放流しない
(105)。
行う(106)。
た貯水量Vが計画値としての貯水量v1以上である場合
には(107のYES)、洪水調節を開始する(108)。この際、
指標F=1に設定する。
貯水量v1よりも小さい場合には(107のNO)、指標F=0
を確認し(109)、そうである場合には(109のYES)、放流
関数の式(1)に基づいてゲートGを開放操作することに
より事前放流操作を行う(110)。
した利水放流必要量RQoとの比較により、操作を継続す
るか終了するかを判断する(111)。
時は、操作を継続し(111のNO)、流入量Qi<利水放流
必要量RQoの時は、操作を終了する(111のYES)。
O)、一定時間(ゲート操作を行う計算間隔)△T後に
(112)、水位検出手段5により検出された水位Hに基づい
て貯水量Vを算出し、流入量Qiの算出を行う(113)。
い場合には(109のNO)、放流量Qo=流入量Qiとなるよう
に定水位制御操作を行う(114)。
した利水放流必要量RQoとの比較により、操作を継続す
るか終了するかを判断する(111)。
S)、利水操作を開始して、所望の水位Hとなるように制
御する。
iと異常洪水時の限界流入量Qic2とを算出する(116)。
ic2とを比較し、流入量Qiが限界流入量Qic2以上に大き
い場合には(117のYES)、異常洪水調節を開始する(11
8)。この際、計画値としての貯水量vm=貯水量Vに設
定する。
い場合には(117のNO)、貯水量Vと計画値としての貯水
量v1とを比較する(119)。
以上に大きい場合には(119のYES)、放流関数の式(2)に
基づいてゲートGを開放操作することにより洪水調節操
作を行う(120)。
隔)△T後に(121)、水位検出手段5により検出された水
位Hに基づいて貯水量Vを算出し、流入量Qiの算出を行
う(122)。
よりも小さい場合には(119のNO)、定水位制御操作を行
う(114)。
水量Vと計画値としての貯水量vmとを比較する(123)。
以上に大きい場合には(123のYES)、放流関数の式(3)に
基づいてゲートGを開放操作することにより異常洪水時
操作を行う(124)。
隔)△T後に(125)、水位検出手段5により検出された水
位Hに基づいて貯水量Vを算出し、流入量Qiの算出を行
う(126)。
及び図9のフローチャートを参照しながら利水専用ダム
における放流の始まりから終わりまでの一連の放流自動
制御化システムについて説明する。
本発明にかかる貯水池操作システムAを自動制御化した
概念図であるが、利水専用ダムについても基本的構造が
同一であることから、同図を参照しながら説明する。
御化システムの(1)〜(6)と同じ操作を行う。
た貯水量Vが計画値としての貯水量v1以上である場合
には(107のYES)、遅らせ操作を開始する(130)。この
際、指標F=1に設定する。
を比較する(131)。
上に大きい場合には(131のYES)、放流関数の式(5)に基
づいてゲートGを開放操作することにより遅らせ操作を
行う(132)。
隔)△T後に(133)、水位検出手段5により検出された水
位Hに基づいて貯水量Vを算出し、流入量Qiの算出を行
う(134)。
りも小さい場合には(131のNO)、定水位制御操作を行う
(114)。
量の計算過程を省略し、直接的に水位から放流量を決定
する場合、同じ貯水池の水位の観測誤差(δH)が存在
すると仮定した場合の放流量の決定誤差は、流入量によ
り放流量を決定する場合の方が大きい。
合(一定率放流方式)と、これと等価な水位から放流量
を決定する放流関数((2)式による)をもとに放流量
を決定する場合において、同じ水観測誤差があると仮定
した場合の誤差比F1(流入量をもとに放流量を決定す
る場合の誤差を、水位により放流量を決定する場合の放
流誤差で除した値)を縦軸にして示しすとともに、洪水
調節による貯水量(V−v1)を横軸にして示したもの
である。
0.5とした場合の誤差比F1の値を図10に示してお
り、同図10から見ると、誤差比F1は、流入量の時間
当たり変化量aと洪水調節による貯水量(V−v1)に
左右されるが、概ね(貯水量(V−v1)が0に近い場
合を除いて)流入量により放流量を決定する場合の方が
誤差が大きい(水位から放流量を決定する場合の方が誤
差が小さい)。
算間隔を△T、遅らせ時間をTLとすれば、放流量の決
定誤差の比である誤差比F2=2TL/△Tとなる。ここ
で、TL=30min、△T=10minとすれば、誤差比F2
=6となる。
の計算時間間隔を10minとすると、水位方式による
場合、誤差の程度は流入量計算誤差の6分の1になる。
すると仮定して、事前放流量について、水位によって放
流量を決定する場合((1)式による)と流入量によっ
て決定する場合(この場合は流入量の計算値とした)と
の放流量の決定誤差の比率を誤差比F3として計算し、
同誤差比F3の値を図示したものである。
s=5×106m3、qt=500m3/sとおき、さら
に、「空き容量」=−(V−v0)+5×106(「空き
容量」は制限水位時を0とする)として、「空き容量」
(横軸)との関係において誤差比F3の値を図11に示
している。
誤差に較べれば、水位Hによる(貯水量Vによる)放流
量Qoの決定誤差の方が小さいことが判る。
ては無限大であり、最小値は空き容量=0の時、つま
り、事前放流の最終段階で生じる。
時の初期空き容量vs(=v1−v0)と、目標水位
(v1)になったときの目標放流量qt(=q1)に支配
されるが、その関係を示したものが図12である。
小さく、初期空き容量vs(=v1−v0)が大きい場合
が最小誤差比も大きく、好ましい状態といえる。つま
り、早めに放流を開始することが必要であるが、いずれ
にしても、水位により放流量を決定する場合の方が相対
的に放流量の決定における誤差が少ないといえる。
が存在すると仮定して、異常洪水時操作における放流量
決定誤差と流入量計算誤差の比を誤差比F4として下記の
式によって計算し、この誤差比F4と「空き容量」との関
係を図示したものである。
はそれぞれ前記した(3)式又は(12),(13)式
によるが、洪水調節操作から異常洪水時操作へ移行する
過程で決定される値である。ここで、状況を簡明にする
ため、qm≒qpと仮定すると(16)式は殆ど(15)
式と同じ形になる。
v3−vm)は、異常洪水時操作に入る段階における空き
容量であり、ここでは空き容量vs=7.5×106m3に設
定している。また、目標放流量qtは、目標とする放流
量q3(最大予想流入量)と現在の放流量qmの差(追い
つき流量)であり、目標放流量qt=1000m3/sに設定
している。
る。図13における空き容量(横軸)は、貯水池の最高
水位時を0として示しており、「空き容量」=−(V−
vm)+7.5×106の値を横軸目盛りとして記入して
いる。
放流量決定誤差比が大きく、水位が最も高くなったとき
に誤差比が最小となっている。
時の操作へ移行するときの初期空き容量vsと、追いつ
き流量qtに支配されるが、その関係を示したものが図
14である。
の値が小さく、初期空き貯水量vsが大きい場合が最小
誤差比も大きく、好ましい状態といえる。つまり、早め
に異常洪水時操作に移行することが必要であるが、全般
的に見て、水位により放流量を決定する場合の方が、放
流量の決定時における誤差が少ないといえる。
と図12の関係と同じである。異常洪水時操作も、事前
放流操作と同じような傾向にあることは、放流関数が同
じ貯水量Vの2次式であることから当然の結果であると
いえる。
システムにおいては、流入量を基本情報とする場合より
放流量の決定誤差が小さくなる(誤差比が大きくな
る)。
て、放流量を決定する場合(一定率一定量放流方式)
と、水位を基本情報として放流量を決定する場合の2つ
の洪水調節方式による貯水量(水位)を横軸として、放
流量との関係履歴を、それぞれパターンの異なった9個
の洪水波形について計算し、示したものである。
ピーク流量を2400m3/sとし、洪水流量が100
0m3/sから洪水ピーク流量2400m3/sに達する
までの時間が9時間という形で、それぞれ異なった洪水
波形のパターンを表現したものである。
中の中間的な規模の洪水(計画洪水とする。)としてお
り、この計画洪水について2つの放流量決定方式による
放流量が同じになるように諸係数を決定している。従っ
て、「3000−15」洪水に対する2つの放流量決定
方式による履歴は完全に重複する結果となっている。
数の(図15の場合は9個の洪水に対して9個の水位)
水位と放流量の関係履歴を考える必要があるが、水位を
基本情報とする場合においては、一つの水位に対して常
に一つの放流量となるため、水位と放流量の関係履歴は
どのような洪水に対しても一つであり、操作に関する情
報が著しく単純化されることになる。
場合においては、洪水時の放流操作がより安全かつ確実
になる。
ば、貯水量Vの次数nが、n=1の場合は遅らせ操作で
あり、n>1の場合は追いつき操作であり、n<1の場
合は調節操作である。
り、各操作相互間の移行に関する情報も単純化されるこ
とになり、限界流入量方式等のスムーズな移行方法の設
定が可能となる。
れる。
調節用ダムにおける操作、すなわち、事前放流操作、洪
水操作、異常洪水操作、及び、事後放流操作を、それぞ
れ個別の放流関数の式に基づいてゲートを開放操作する
ことにより、貯水の放流開始から終了までの一連のゲー
ト開閉操作を、貯水池の水位を基本情報として決定する
ようにしている。
その基本情報を貯水池への流入量から貯水池の水位へ替
えることにより、放流量の決定誤差が相対的に小さくな
り、また、操作がより単純化されることにより、安全確
実な放流時操作を実現することができる。
ダムにおいて有効な放流時操作の自動制御化が可能とな
る。
から異常洪水時調節等の各操作間の接点が非常に単純化
されることにより、ある操作から別の操作への移行に関
して、これまで不可能であった貯水池容量の有効利用を
目指した様々な別途の考察が可能となる。
が小さくなって、システム全体を単純化することができ
るため、貯水池操作全体の自動化が容易となる。
専用ダムにおける操作、すなわち、事前放流操作、遅ら
せ操作、及び、事後放流操作を、それぞれ個別の放流関
数の式に基づいてゲートを開放操作することにより、貯
水の放流開始から終了までの一連のゲート開閉操作を、
貯水池の水位を基本情報として決定するようにしてい
る。
その基本情報を貯水池への流入量から貯水池の水位へ替
えることにより、放水量の決定誤差が相対的に小さくな
り、また、操作がより単純化されることにより、安全確
実な放流時操作を実現することができる。
ムにおいて有効な放流時操作の自動制御化が可能とな
る。
小さくなって、システム全体を単純化することができる
ため、貯水池操作全体の自動化が容易となる。
した概念図。
ムのフローチャート。
のフローチャート。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 貯水池に設けたゲートを開放させて貯水
を放流させる放流時操作として、事前放流操作、洪水調
節操作、異常洪水時操作、及び、事後放流操作の内の少
なくとも一つの操作を行う貯水池操作システムであっ
て、 事前放流操作は、下記の放流関数の式(1)に基づいた
放流量Qoが得られるようにゲートを開放操作し、 洪水調節操作は、下記の放流関数の式(2)に基づいた
放流量Qoが得られるようにゲートを開放操作し、 異常洪水時操作は、下記の放流関数の式(3)に基づい
た放流量Qoが得られるようにゲートを開放操作し、 事後放流操作は、貯水池の状況により(2)式又は
(3)式に基づいた放流量Qoが得られるようにゲートを
開放操作して、 貯水の放流開始から終了までの一連のゲート開閉操作
を、貯水池の水位を基本情報として決定することを特徴
とする放流関数に基づく貯水池操作システム。 【数1】 Qo:放流量(m3/s) Qi:貯水池への流入量(m3/s) V:貯水量(m3) (v0,0):放流開始時の状況 (v1,q1):洪水調節開始時の状況 (v2,q2):計画洪水波形を調節したときの状況 (v3,q3):異常洪水時の最大予想流入時の状況
(最高水位時) (vm,qm):計画的洪水調節から異常洪水時操作に
移行する際の状況 (vp,qp):異常洪水時放流関数の数学的頂点の座
標 - 【請求項2】 貯水池に設けたゲートを開放させて貯水
を放流させる放流時操作として、事前放流操作、遅らせ
操作、及び、事後放流操作の内の少なくとも一つの操作
を行う貯水池操作システムであって、 事前放流操作は、下記の放流関数の式(4)に基づいた
放流量Qoが得られるようにゲートを開放操作し、 遅らせ操作及び事後放流操作は、下記の放流関数の式
(5)に基づいた放流量Qoが得られるようにゲートを開
放操作して、 貯水の放流開始から終了までの一連のゲート開閉操作
を、貯水池の水位を基本情報として決定することを特徴
とする放流関数に基づく貯水池操作システム。 【数2】 但し Qo:放流量(m3/s) V:貯水量(m3) (vo,0):放流開始時の状況 (v1,q1):遅らせ操作開始時の状況 (v2,q2):計画洪水波形を遅らせ操作により処理
したときの状況
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JP2000176717A JP3765964B2 (ja) | 2000-06-13 | 2000-06-13 | 放流関数に基づく貯水池操作方法 |
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JP (1) | JP3765964B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020070637A (ja) * | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 日本電気株式会社 | 情報処理装置、放流支援方法及び放流支援プログラム |
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CN104047259B (zh) * | 2014-06-23 | 2015-08-19 | 清华大学 | 一种面向生态环境保护的待建水库的生态库容确定方法 |
CN104047258B (zh) * | 2014-06-23 | 2015-08-19 | 清华大学 | 一种面向环境保护的联合调度水库群的生态库容确定方法 |
-
2000
- 2000-06-13 JP JP2000176717A patent/JP3765964B2/ja not_active Expired - Lifetime
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