JP2981006B2 - 取水口の水位制御方法 - Google Patents

取水口の水位制御方法

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JP2981006B2
JP2981006B2 JP3100436A JP10043691A JP2981006B2 JP 2981006 B2 JP2981006 B2 JP 2981006B2 JP 3100436 A JP3100436 A JP 3100436A JP 10043691 A JP10043691 A JP 10043691A JP 2981006 B2 JP2981006 B2 JP 2981006B2
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憲明 豊島
博明 岡田
透 巻口
一正 伊藤
勲 吉田
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Feedback Control In General (AREA)
  • Flow Control (AREA)
  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水力発電に用いられる
取水口の水位制御方法に関するもので、より具体的に
は、係る制御をするに際しダムに堰止められて形成され
る第1貯水池から、それに連通する第2貯水池への流入
量を規制するゲートの開度調整をファジイ制御で用いて
行う制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図21に水力発電用のダム施設の一例を
示す。図示するように、川の本流1をダム2で堰止める
ことにより、そのダム2の上流側に貯水池3を形成す
る。またダム2の上流側近傍でその川の本流1から分岐
され、本流1の下流側所定位置で合流するバイパス水路
4が設けられている。バイパス水路4は、本流1との分
岐部近傍に配置された沈砂池5,沈砂池5に連通し、地
下を流れるトンネル水路6,トンネル水路6の出口部に
設けられ所定の水位を維持するバッファーとしての水槽
7並びに水槽7内の水を落下させ発電させるための発電
施設8とから大略構成されている。そして、上記本流1
の分岐部,すなわち、沈砂池5の入口部には,ゲート9
が設置されており、そのゲート9の開閉制御をすること
により沈砂池5の水位を調整し、水槽7を経由して発電
施設8へ供給される水量を調整することにより所望の発
電量が得られるようになっている。なお、ダム2にもゲ
ート10が設けられており、普段はほぼ全閉状態となっ
ていてダム2の下流側にわずかづつ放流し、雨量が多く
なるなどの理由により貯水池3の水量が極端に増加した
場合などの時にそのゲート10を大きく開き貯水池3内
の水をダム2の下流側に放流するようになっている。
【0003】電力の消費量は、1日中一定しているわけ
ではなく、一般に昼間の電力消費量は多く、夜の電力消
費量は少ない。従って、上記所望の発電量は、時刻によ
って変動し、また、季節によっても変動する。従って、
昼間は発電量を多く、すなわち発電施設8への供給水量
を多くするために沈砂池5の水位を上昇させ、夜間は逆
に沈砂池5の水位を下降させる必要があり、そのために
ダム近傍に配備された作業員が、一日中ゲート9の開度
を調整している。その作業の一例を図22に基づいて説
明する。 <12時から18時>この間は、一日のうちで最も電力
消費が多い時間帯であるので、それに対応するためにゲ
ート9の開度を大きくして沈砂池水位を上昇させ、その
沈砂池水位を一定に維持する。これにより貯水池水位は
減少する。 <18時から24時(夜間)>夜間の電力消費減少に対
応させて、ゲート9の開度を小さくして沈砂池水位を低
くし、その後その低い水位を維持する。また、その間に
翌日の昼間の発電のために、貯水池水位を上昇させる。
この上昇した貯水池3内の水が翌日沈砂池5側へ流入し
て発電に供される。 <24時から翌日の12時>貯水池3が満水状態になっ
たら、その貯水池3の水位を一定に維持、すなわち、自
流運転を行う。具体的には、貯水池3への流入量と、貯
水池3からの放流量すなわち沈砂池5への流入量を等し
くなるようにゲート9の開度を調整する。これにより通
常は沈砂池5の水位は徐々に上昇する。そして、上記の
ゲート9の開度の調整作業、すなわち、開度の決定並び
にゲート9の開閉操作は、もっぱら人間の手作業により
行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の処理は、24時
間休みなく行わなければならないため、通常複数人(2
人)で1つの班を作り、複数班の交替制にしている。し
かも安全性を考慮し、1つの班の人達が作業している間
も非常時(作業員の病気・怪我その他の理由により作業
不能になる等)のための交代要員を常設させる必要があ
り、多数の人手を要する。しかも目標水位に対して誤差
範囲±1cmで行われるとともに、水位を上昇,低下さ
せるときには30分〜1時間の短時間の間で行わなけれ
ばならず、長年の経験に伴う熟練した技術を要し、係る
熟練技術を有する人を多数集めるのが困難であるととも
に、係る技術を習得するまでに多大の労力と時間を要し
てしまうという問題がある。さらには、1日のうちで、
水位を大きく変動させるのは、12時からの上げ操作時
と18時からの下げ操作時で、最大でも2時間程度であ
り、そのために24時間もの間、多数の人数を設置する
のは不経済であり、設置人員の削減を図りたいという要
望があるが、残りの水位の維持操作時は、ゲート9の開
度の変動量は小さいといっても貯水池3への流入量が変
動するため開度を一定にすることはできず、絶えず水位
等を監視しながら微細な開度の変更,調整を行う必要は
あるので、やはり、単純に人員削減をすることはできな
い。
【0005】そこで、係る問題を解決するため、ゲート
8の開度調整をコンピュータに制御させることが考えら
れた。すなわち、「水位偏差制御方式」と称し、現在の
水位と目標水位とを比較し、現在水位が目標水位より低
い場合には、沈砂池5への流入量を多くするためにゲー
トの開度を1ステップ大きくし、逆に高い場合には、沈
砂池5への流入量を少なくするためにゲート9の開度を
1ステップ小さくする。この方式をそのまま本発明の対
象となる河川に設置したダムを用いた水力発電に適用す
ると、以下のごとき問題を生じ、実用に供し得ない。す
なわち、水位が目標水位に近付くと、両者が完全に一致
する可能性は非常に少ないため、プラスとマイナスの制
御が交互に現れるいわゆるハンチング現象を生じるおそ
れが高い。しかも、上記のステップ量は流入量が一定で
あることを前提として決定されているが、実際の河川に
おいては、川の本流1の流量というのは大きく変動して
いるため、ある時t1における水位差に基づいて計算処
理して得られたゲート9の開度に基づいてゲート9の開
度を変更する時t2にはすでに川の流量が変わってい
て、実際に処理を行うt2時における流量に基づく正確
な制御値ではなく、川の流量に対して遅れ制御になり追
従することができず、上記の問題がより顕著となる。本
発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、熟練した技術を要することなく、コ
ンピュータ等による自動制御で正確な水位制御を行うこ
とのできる取水口の水位制御方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、ダムに堰止められて形成される第1貯
水池と、その第1貯水池に流量調節用のゲートを介して
連通する第2貯水池とを有し、その第2貯水池の水位に
より発電量が決定される水力発電用のダム施設におる水
位制御であって、該第1貯水池の実際の水位と、該第2
貯水池の目標水位から該ゲートの初期開度を決定する第
1のステップと、該第2貯水池の実際の水位と該目標水
位との差,その差の変化量並びに直前のゲート開度変更
時からの経過時間を考慮してファジィ制御により該ゲー
トの開度を変更するか否かを判断する第2のステップ
と、該第2のステップで開度を変更すると判断した場合
に、該第2貯水池の実際の水位と該目標水位との差並び
にその差の変化量を考慮してファジィ制御により該ゲー
トの変更開度量を決定する第3のステップとからなるこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】第2貯水池を変更する場合に、目的とする水位
と現在の第1貯水池水位との関係から初期開度表に基づ
いて作成された2次回帰方程式にしたがってゲートの初
期開度を決定し、その決定された開度となるようにゲー
トを操作する。次いで、実際の操作状況に応じて目標水
位に達するか否かを判断する。具体的には、まず、所定
の入力条件に基づいてファジィ制御を行い、ゲートの開
度を変更するか否かを判断する。この時、前回の開度変
更操作からの経過時間が短い場合には、たとえ目標水位
と現在の水位との差が大きいとしても変更しない。この
ようにすることにより、目標水位に対し、実際の水位が
プラス側とマイナス側に交互に移動するときに、それに
追従するようにして頻繁にゲートの変更開度量をマイナ
ス側とプラス側に制御するようなハンチング現象の発生
が防止される。また、開度を変更するとしたら、現在の
目標水位との差並びにその差の変化量を考慮してファジ
ィ推論を行って実際の水位が目標水位に収束すべくゲー
ト変更量を決定し、それにしたがってゲート開度を変更
する。これによりたとえ経験が少なく熟練した技術を有
しない作業員であっても、取水口の水位制御を正確かつ
スムーズに行われる。
【0008】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明が適用される水力発電の
ダム施設をモデル化した原理図である。図2は、貯水池
3並びに沈砂池5の実際の周辺部を示す平面図である。
図に示すように、第1貯水池たる貯水池3内へは、常時
水が供給されてているが、その供給量は、一定していな
い。そして、その供給され一時的に貯水池3内に蓄えら
れた水の多くはゲート9を介して第2貯水池たる沈砂池
5へ供給され、残りの一部は、ダム2のゲート10或い
は放流路11を介して下流側に放流される。また、貯水
池3内の所定位置には、第1水位センサーS1が設置さ
れており、ダム水位を測定している。この第1水位セン
サーS1としては、電気式、機械式等種々の形式のもの
を適用できるが、コンピュータ制御する必要から、水位
の出力データは電気信号となるものが用いられる。
【0009】沈砂池5への水の流入量を制御するための
ゲート9は、図2に示すように8つの水門9a〜9hか
ら構成されており、各水門9a〜9hは巻き上げ機M1
にてそれぞれ独立して1cm単位で上昇・下降移動でき
るようになっている。すなわち、各水門9a〜9hの開
度の調整が独立して制御可能である。そして実際の操作
では、ダム2に一番近い水門9hは常時全閉状態として
いる。また、水の流れに脈流・乱流等を生じさせないた
めに、残りの7つの水門9a〜9gの開度はほぼ等くな
るように設定するが、沈砂池5への流入量は7つの水門
9a〜9gの開度の合計量(総開度)で決定されるた
め、目標とする流入量を得るための総開度が7の倍数で
ない時には、所定数の水門の開度を他のものと異ならせ
て微調整を行う。この時もできだけ隣接する水門の開度
は等しくなるようにしている。すなわち、例えば3つの
水門の開度を異ならせるときに9a,9c,9eという
ように飛び飛び変えるのではなく9a,9b,9cとい
うように隣接するもの同士を選んで変更する
【0010】一方、沈砂池5内の出口側近傍の所定位置
には、第2水位センサーS2が設置されており、トンネ
ル水路6への流入部における沈砂池水位を測定するよう
になっている。この第2水位センサーS2も上記第1水
位センサーS1と同様の規準に従って選定されるが、必
ずしも同一のセンサーを用いる必要はない。そして、沈
砂池5とトンネル水路6との間にも巻き上げ機M2で作
動するゲート12が配置されているが、本発明の水位制
御では、このゲート12の開度調整は行わないようにし
ている。
【0011】次に上記構成のダム施設における本発明の
水位制御の一例について説明する。本実施例における制
御対象とする水位は、沈砂池5の水位である。この沈砂
池5の水位の増減がそのまま発電量の増減に関与するか
らである。また、貯水池水位と沈砂池水位の時刻に対す
る増減は、上述した従来例におけるタイムチャート図
(図22)と同様にする。従って、沈砂池水位に対する
制御の状況としては、沈砂池水位を上昇させるための上
げ操作と、逆に沈砂池水位を低下させるための下げ操
作、並びに沈砂池の水位を一定に保つ維持操作の3種類
がある。それら3つの制御状況は原則としてそれぞれ異
なるメンバーシップ関数,ルールベース等に基づいて行
われるが、基本的な操作は同じであるため、以下、昼間
(12時〜18時)の電力消費量の多い時の当初(30
〜60分)に行われる上げ操作時を対象にして説明す
る。まず、本水位制御は、基本的に以下の3つの操作か
ら構成されている。 (1)初期開度の決定 上げ操作を開始するときのゲート9の開始当初の開度を
決定する。この初期開度が適切でないと、以後の水位制
御の際にゲート9の開度の変更量が大きくなり、目標水
位に達するまでの時間が長くなる等の問題を生じるた
め、慎重に行わなければならない。実際には、現在のダ
ム水位と目標とする沈砂池水位に基づいて決定される。
具体的には、対象とするダム施設の過去の操作記録や、
実際の熟練した技術を習得した作業員に表1に示すよう
な初期開度決定のためのテーブルを作成してもらい、そ
のテーブルに基づいて2次元の回帰式により内挿して開
度を計算する。なお、表中空欄は、係るケースの過去デ
ータがないために未記入であるが、望ましくはすべての
欄を埋めることである。但し、たとえ未記入欄があり、
後の作業で未記入欄のケースが生じたとしても他の記入
欄から求められた式により初期開度を決定することがで
きる。
【0012】
【表1】 具体的な初期開度決定の方程式は、下記の式(1)とな
る。
【0013】
【数1】 ここで、HGはゲート開度(8つの水門の各開度の合
計),H1 は第1センサーS1で測定される現在(開始
時)のダム水位、H2 は沈砂池5の目標水位である。そ
して、a1 〜a6 は、係数であり、それぞれ a1 = 2340.438 a2 = −4.4438 a3 = −3.9228 a4 = −0.0097063 a5 = 0.0077994 a6 = 0.0107159 である。なお、上述の初期開度表は、対象となるダム施
設ごとに作成されるため、それに応じて上記式(1)が
作成されるもので、各係数a1 〜a6 はそのダム施設ご
とに求められる。
【0014】(2)開度変更をすべきか否かの判断 実際の作業状況,環境に合わせて、所定時間内に沈砂池
水位を目標水位にまで達成することができるかを考慮
し、前工程で決定された初期開度の変更、或いは一度変
更した開度に対してさらなる開度の変更の必要性の有無
を判断する。この判断に際し、現在の水位と目標水位と
の差,その差の変化量並びに経過時間の3項目を判断要
素としてファジィ推論により決定する。本発明の要部と
なる水位制御を行うに要する制御ブロック図を図3に示
す。図示するように、第2水位センサーS2で得られる
検出水位がCPUに入力され、現在の水位と目標とする
水位の差等を算出するとともに、予め決定されているメ
ンバーシップ関数並びにファジィルールにしたがってフ
ァジィ推論が行われ、その推論の結果に基づいて巻き上
げ機M1を介してゲート9の各水門9a〜9hの開度を
制御するようになっている。具体的な推論は以下の通り
である。 (イ)タイマーからの入力信号に基づいて、前回のゲー
ト操作時(開度変更時)からの経過時間ΔTを算出す
る。 (ロ)また第2センサーS2より逐次現在の沈砂池水位
を測定し、予め記憶されている沈砂池5の目標水位との
差Eを算出する。 E=目標値−現在水位 (ハ)さらに、現在のその差En の前回ステップで得ら
れた差En-1に対する変化量ΔEを算出する。 ΔE=En-1 −En 上記(イ)〜(ハ)の3つの条件を基にファジィ推論に
より「ゲート開度変更決定のパラメータH1 」を得る。
そのときのメンバーシップ関数は、言語値としてはNB
(NEGATIVE BIG),NS(NEGATIVE SMALL),ZO(ZE
RO),PS(POSITIVE SMALL),PB(POSETIVE BIG)
の5言語、形状は三角形を用いている。具体的には図4
に示す通りである。そして、MAX−MIN論理を用い
て推論し、重心法を用いて上記パラメータH1 を確定す
る。その確定されたパラメータH1 が0.4以上になる
と変更する。
【0015】また、上記推論を行うに要するルールベー
スは、下記のようになっている。このルールベースの基
本的な考え方は、現在水位と目標水位との差ΔEが違っ
ているときは目標水位に近付けるためにゲート9の開度
を増減させ、両者の差を是正するように制御する点で
は、先に述べた水位偏差制御と同様であるが、水位偏差
制御の際に問題となったハンチング現象の発生を防止す
るため、前回の開度変更からの経過時間ΔTが小さい場
合には、たとえ差Eが大きくても開度の変更はしないよ
うにしている。そして、経過時間ΔTが大きくなると、
差Eとその差の変化量ΔEの関係を考慮し、目標値に対
して収束しているのか或いは発散しているのか、さらに
はその程度を加味してパラメータH1 を決定する。具体
的には表2〜表4に示す通りである。
【0016】
【表2】 ΔT=PBにおけるルール <ΔT = PB and E = PB の時> <ΔT = PB and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PS if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = PB and E = ZO の時> <ΔT = PB and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = PS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = NB <ΔT = PB and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = NB
【0017】
【表3】 ΔT=PSにおけるルール <ΔT = PS and E = PB の時> <ΔT = PS and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PS if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = PS and E = ZO の時> <ΔT = PS and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = PS if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = ZO if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = PS if ΔE = NB THEN H1 = NB <ΔT = PS and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = NB
【0018】
【表4】 ΔT=ZOにおけるルール <ΔT = ZO and E = PB の時> <ΔT = ZO and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = ZO if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = ZO and E = ZO の時> <ΔT = ZO and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = ZO if ΔE = NB THEN H1 = NB <ΔT = ZO and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = NB ΔT=NS並びにΔT=NBにおけるルール E並びにΔEの値に関係なく、H1 =NB
【0019】(3)変更開度量の決定 前工程で開度を変更すると判断した場合に、どれだけ開
度を変更したらよいかを判断する。この判断に際し、現
在の水位と目標水位との差並びにその差の変化量の2項
目を判断要素としてファジィ推論により決定する。具体
的な推論は以下の通りである。 (イ)第2センサーS2より逐次現在の沈砂池水位を測
定し、予め記憶されている沈砂池5の目標水位との差E
を算出する。 E=目標値−現在水位 (ロ)さらに、現在のその差En の前回ステップで得ら
れた差En-1に対する変化量ΔEを算出する。 ΔE=En-1 −En 上記(イ),(ロ)の2つの条件を基にファジィ推論に
より「ゲート開度変更量のパラメータΔG」を得る。こ
こでΔGは、全水門9a〜9hの開度変更量の総和であ
る。そのときのメンバーシップ関数は、言語値としては
上記のNB,NS,ZO,PS,PBに加え、NM(NE
GATIVE MEDIUM ),PM(POSITIVE MEDIUM )の7言
語、形状は三角形を用いている。具体的には図5に示す
通りである。そして、MAX−MIN論理を用いて推論
し、重心法を用いて上記パラメータΔGを確定する。そ
の確定されたパラメータΔGに基づいて、1cmの単位
を二捨三入,七捨八入することにより実際の変更量が決
定される。これにより、変更量の下一桁は必ず「0」ま
たは「5」となる。そのデータに基づき巻き上げ機M1
が作動して8つの水門9a〜9hの変更量の総和が上記
パラメータΔGになるように各開度を所定量だけ変更す
る。
【0020】また、上記推論を行うに要するルールベー
スは、下記のようになっている。このルールベースの基
本的な考え方は、差Eとその差の変化量ΔEの関係を考
慮し、目標値に対する収束の程度、或いは発散の程度を
加味しパラメータΔGを決定する。具体的には表5,表
6に示す通りである。
【0021】
【表5】 上げ操作時における開度変更量(その1) < E = PB の時> < E = PM の時> if ΔE = PB THEN ΔG = ZO if ΔE = PB THEN ΔG = ZO if ΔE = PM THEN ΔG = PS if ΔE = PM THEN ΔG = PS if ΔE = PS THEN ΔG = PM if ΔE = PS THEN ΔG = PM if ΔE = ZO THEN ΔG = PM if ΔE = ZO THEN ΔG = PM if ΔE = NS THEN ΔG = PM if ΔE = NS THEN ΔG = PM if ΔE = NM THEN ΔG = PB if ΔE = NM THEN ΔG = PB if ΔE = NB THEN ΔG = PB if ΔE = NB THEN ΔG = PB < E = PS の時> < E = ZO の時> if ΔE = PB THEN ΔG = NM if ΔE = PB THEN ΔG = NB if ΔE = PM THEN ΔG = NS if ΔE = PM THEN ΔG = NM if ΔE = PS THEN ΔG = ZO if ΔE = PS THEN ΔG = ZO if ΔE = ZO THEN ΔG = PS if ΔE = ZO THEN ΔG = ZO if ΔE = NS THEN ΔG = PM if ΔE = NS THEN ΔG = PS if ΔE = NM THEN ΔG = PM if ΔE = NM THEN ΔG = PM if ΔE = NB THEN ΔG = PB if ΔE = NB THEN ΔG = PB
【0022】
【表6】 上げ操作時における開度変更量(その2) < E = NS の時> < E = NM の時> if ΔE = PB THEN ΔG = NB if ΔE = PB THEN ΔG = NB if ΔE = PM THEN ΔG = NM if ΔE = PM THEN ΔG = NM if ΔE = PS THEN ΔG = NS if ΔE = PS THEN ΔG = NS if ΔE = ZO THEN ΔG = NS if ΔE = ZO THEN ΔG = NS if ΔE = NS THEN ΔG = ZO if ΔE = NS THEN ΔG = ZO if ΔE = NM THEN ΔG = ZO if ΔE = NM THEN ΔG = ZO if ΔE = NB THEN ΔG = ZO if ΔE = NB THEN ΔG = ZO < E = NB の時> if ΔE = PB THEN ΔG = NB if ΔE = PM THEN ΔG = NB if ΔE = PS THEN ΔG = NM if ΔE = ZO THEN ΔG = NM if ΔE = NS THEN ΔG = NS if ΔE = NM THEN ΔG = ZO if ΔE = NB THEN ΔG = ZO
【0023】上記の3つの工程により、スムーズかつ正
確に沈砂池5の水位を目標値に一致させることができ
る。そして目標値に到達させた後は、図22に示すよう
に沈砂池水位を一定に保つ維持操作をしなければない
が、本実施例では、さらにその維持操作もファジィ制御
を用いて自動的に水位制御をするようにしている。 <操作内容判断>すなわち、本ステップでは、上げ操作
処理時において沈砂池水位を一定に保つという維持操作
へ移行すべきかどうかの判断を行うもので、入力された
目標水位,第2水位センサーS2から得られる現在の沈
砂池水位並びに前回の沈砂池水位に基づいて行われる。
具体的な推論は以下の通りである。 (イ)第2センサーS2より逐次現在の沈砂池水位を測
定し、予め記憶されている沈砂池5の目標水位との差E
を算出する。 E=目標値−現在水位 (ロ)さらに、現在のその差En の前回ステップで得ら
れた差En-1に対する変化量ΔEを算出する。 ΔE=En-1 −En 上記(イ),(ロ)の2つの条件を基にファジィ推論に
より「維持操作への変更パラメータHz」を得る。その
ときのメンバーシップ関数は、言語値としては上記のN
B,NS,ZO,PS,PBの5言語、形状は三角形を
用いている。具体的には図6に示す通りである。そし
て、MAX−MIN論理を用いて推論し、重心法を用い
て上記パラメータHzを確定する。その確定されたパラ
メータHzが0.45以上になると変更する。
【0024】また、上記推論を行うに要するルールベー
スは、下記のようになっている。このルールベースの基
本的な考え方は、差Eが小さく、しかもその差の変化量
ΔEも小さい場合には、すでに目標値に収束している可
能性が高いため、切り替えるように制御する。具体的に
は表7に示す通りである。
【0025】
【表7】 上げ操作から維持操作への切り替えルールベース < E = PB の時> < E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PS THEN H1 = NB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = NB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = NB if ΔE = NB THEN H1 = NB < E = ZO の時> < E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = NB if ΔE = NB THEN H1 = NB < E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PS THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = NS THEN H1 = NB if ΔE = NB THEN H1 = NB
【0026】なお、上記の操作内容判断ステップは、実
際には上述した開度の変更の有無判断ステップの前に行
われる。すなわち、まず、本ステップで操作内容が判断
され、維持操作に移行しないと判断されたら、ゲートの
開度を変更するか否かの判断がなされ、その後変更量が
決定されるのである。
【0027】<上げ操作から維持操作に移行後の水位制
御>一方、本ステップで操作内容が判断され、維持操作
に移行するとの判断がなされたら、以下に示す維持操作
ステップにしたがって処理される。すなわち、例えば上
げ操作から維持操作に移行する場合、通常、その直前の
沈砂池水位は上昇し、それに応じてダム水位は減少す
る。すると、両者の水圧比が変るため、ゲート9の開度
を同じままにしておくと、沈砂池5へ流入する量が減少
して沈砂池水位が減少してしまう。従って、開度を少し
上げることにより流入量を一定に保ち沈砂池水位の維持
を可能とする。このことを基本として作成したメンバー
シップ関数並びにルールベースを、上述した上げ操作時
における開度変更並びに開度量の決定のファジィ推論に
適用することにより維持制御が行われる。具体的には以
下の通りである。
【0028】(1)開度変更をすべきか否かの判断 本例では、ゲート開度変更決定のパラメータH1 を求め
るためのルールベースは、上述の上げ操作時におけるル
ールベースと同様のルールを用いる。しかし、維持操作
であるため水位変動は微細であることを考慮し、メンバ
ーシップ関数は、図7に示すように独自のものを用いて
いる。そして、MAX−MIN論理を用いて推論,重心
法を用いて上記パラメータH1 を確定し、その確定され
たパラメータH1 が0.5以上になると変更する。 (2)変更開度量の決定 本例におけるゲート変更量ΔGを求めるに用いるルール
ベース並びにメンバーシップ関数を表8,表9並びに図
8にそれぞれ示す。そして、ファジィ推論により確定さ
れたパラメータΔGに基づいて、1cmの単位を二捨三
入,七捨八入することにより実際の変更量が決定され
る。これにより、変更量の下一桁は必ず「0」または
「5」となる。そのデータに基づき巻き上げ機M1 が作
動して8つの水門9a〜9hの変更量の総和が上記パラ
メータΔGになるように各開度を所定量だけ変更する。
【0029】
【表8】 維持操作時における開度変更量(その1) < E = PB の時> < E = PM の時> if ΔE = PB THEN ΔG = ZO if ΔE = PB THEN ΔG = ZO if ΔE = PM THEN ΔG = PS if ΔE = PM THEN ΔG = PM if ΔE = PS THEN ΔG = PM if ΔE = PS THEN ΔG = PM if ΔE = ZO THEN ΔG = PM if ΔE = ZO THEN ΔG = PM if ΔE = NS THEN ΔG = PM if ΔE = NS THEN ΔG = PM if ΔE = NM THEN ΔG = PB if ΔE = NM THEN ΔG = PM if ΔE = NB THEN ΔG = PB if ΔE = NB THEN ΔG = PB < E = PS の時> < E = ZO の時> if ΔE = PB THEN ΔG = ZO if ΔE = PB THEN ΔG = NM if ΔE = PM THEN ΔG = ZO if ΔE = PM THEN ΔG = NS if ΔE = PS THEN ΔG = ZO if ΔE = PS THEN ΔG = ZO if ΔE = ZO THEN ΔG = PS if ΔE = ZO THEN ΔG = ZO if ΔE = NS THEN ΔG = PS if ΔE = NS THEN ΔG = ZO if ΔE = NM THEN ΔG = PS if ΔE = NM THEN ΔG = PS if ΔE = NB THEN ΔG = PM if ΔE = NB THEN ΔG = PM
【0030】
【表9】 維持操作時における開度変更量(その2) < E = NS の時> < E = NM の時> if ΔE = PB THEN ΔG = NM if ΔE = PB THEN ΔG = NM if ΔE = PM THEN ΔG = NS if ΔE = PM THEN ΔG = NM if ΔE = PS THEN ΔG = NS if ΔE = PS THEN ΔG = NS if ΔE = ZO THEN ΔG = NS if ΔE = ZO THEN ΔG = NS if ΔE = NS THEN ΔG = ZO if ΔE = NS THEN ΔG = NS if ΔE = NM THEN ΔG = ZO if ΔE = NM THEN ΔG = ZO if ΔE = NB THEN ΔG = ZO if ΔE = NB THEN ΔG = PS < E = NB の時> if ΔE = PB THEN ΔG = NB if ΔE = PM THEN ΔG = NM if ΔE = PS THEN ΔG = NS if ΔE = ZO THEN ΔG = NS if ΔE = NS THEN ΔG = NS if ΔE = NM THEN ΔG = NS if ΔE = NB THEN ΔG = ZO
【0031】次に、電力消費量の少ない夜間(18時〜
24時)のために発電量を減少させるために行う沈砂池
5の水位を低下させる下げ操作について説明する。この
下げ操作においても、使用する入力データ,ルール(X
条件Y結論),メンバーシップ関数の言語値並びに形状
(具体的な数値は除く),推論方式並びに確定方式は、
上述した上げ操作のときと同一のものを適用する。さら
に、初期開度の決定も上述した式(1)により決定され
る。 (1)開度変更をすべきか否かの判断 下げ操作時の場合には、当然のことながら処理開始当初
の沈砂池水位は高く時間が経過するにつれて低くなり、
逆に貯水池水位は時間の経過にともない高くなる。従っ
て、上述の上げ操作のときと逆の現象になるため、その
ことを考慮して、図9に示すようにメンバーシップ関数
が作成されている。なお、本例においては、ルールベー
スは上述の上げ操作におけるそれと同一のものを用いて
いる。
【0032】(2)変更開度量の決定 この工程においても上記開度の決定のときと同様の理由
から、図10に示す独自のメンバーシップ関数に基づい
てファジィ制御がなされるが、そのときの入力条件やル
ールベース等は上げ操作における「変更開度量の決定」
と同一のものを用いている。そして、MAX−MIN論
理を用いて推論し、重心法を用いて上記パラメータΔG
を確定する。その確定されたパラメータΔGに基づい
て、1cmの単位を二捨三入,七捨八入することにより
実際の変更量が決定される。これにより、変更量の下一
桁は必ず「0」または「5」となる。そのデータに基づ
き巻き上げ機M1 が作動して8つの水門9a〜9hの変
更量の総和が上記パラメータΔGになるように各開度を
所定量だけ変更する。
【0033】上記の3つの工程により、スムーズかつ正
確に沈砂池5の水位を目標値に一致させることができ
る。そして目標値に到達させた後は、図22に示すよう
に沈砂池水位を一定に保つ維持操作をしなければない
が、本実施例では、さらにその維持操作もファジィ制御
を用いて自動的に水位制御をするようにしている。 <操作内容判断>すなわち、本ステップでは、下げ操作
時に維持操作へ移行すべきかどうかの判断を行うもの
で、入力された目標水位,第2水位センサーS2から得
られる現在の沈砂池水位並びに前回の沈砂池水位に基づ
いて行われる。具体的な推論の方式は、上げ操作から維
持操作への切り替えの場合と同様であり、メンバーシッ
プ関数並びにルールベースも同一のものを用いている。
そして、MAX−MIN論理を用いて推論し、重心法を
用いて上記パラメータHzを確定するが、上述の上げ操
作からの切り替えと異なり、その確定されたパラメータ
Hzが0.4以上になると変更するようにしている。
【0034】<下げ操作から維持操作に移行後の水位制
御>一方、本ステップで操作内容が判断され、維持操作
に移行するとの判断がなされたら、以下に示す維持操作
ステップにしたがって、処理される。すなわち、例えば
下げ操作から維持操作に移行する場合、通常、その直前
の沈砂池水位は減少し、それに応じてダム水位は上昇す
る。すると、両者の水圧比が変るため、ゲート9の開度
を同じままにしておくと、沈砂池5へ流入する量が増加
して沈砂池水位が上昇してしまう。従って、開度を少し
下げることにより沈砂池水位の維持が可能となる。この
ことを基本として作成したメンバーシップ関数並びにル
ールベースを、上述した下げ操作時における開度変更並
びに開度量の決定のファジィ推論に適用することにより
維持制御が行われる。具体的には以下の通りである。
【0035】(1)開度変更をすべきか否かの判断 本例においても基本的な入力条件、メンバーシップ関数
の言語値,形状並びに推論方式等は上げ操作から維持操
作への切り替えのそれと同様のものを用いているが、貯
水池,沈砂池の変動,増減の仕方等が異なることを考慮
し、具体的なメンバーシップ関数は、図11に示すよう
に独自のものを用いている。さらに、推論を行うに要す
る具体的なルールベースも表10〜表14に示すものを
用いている。そして、MAX−MIN論理を用いて推
論,重心法を用いて上記パラメータH1 を確定し、その
確定されたパラメータH1 が0.63以上になると変更
する。
【0036】
【表10】 ΔT=PBにおけるルール <ΔT = PB and E = PB の時> <ΔT = PB and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PS if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = PB and E = ZO の時> <ΔT = PB and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = PS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = NB <ΔT = PB and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = NB
【0037】
【表11】 ΔT=PSにおけるルール <ΔT = PS and E = PB の時> <ΔT = PS and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PB THEN H1 = NB if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PS if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = PS and E = ZO の時> <ΔT = PS and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = PS if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = ZO if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = PS if ΔE = NB THEN H1 = NB <ΔT = PS and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = NB
【0038】
【表12】 ΔT=ZOにおけるルール <ΔT = ZO and E = PB の時> <ΔT = ZO and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = ZO if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = ZO and E = ZO の時> <ΔT = ZO and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = ZO if ΔE = NB THEN H1 = NB <ΔT = ZO and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = NB
【0039】
【表13】 ΔT=NSにおけるルール <ΔT = NS and E = PB の時> <ΔT = NS and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = ZO if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = NS and E = ZO の時> <ΔT = NS and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = ZO if ΔE = NB THEN H1 = NB <ΔT = NS and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = NB
【0040】
【表14】 ΔT=NBにおけるルール <ΔT = NB and E = PB の時> <ΔT = NB and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = ZO if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = NB and E = ZO の時> <ΔT = NB and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = ZO if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = ZO if ΔE = NB THEN H1 = NB <ΔT = NB and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PS if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NB THEN H1 = NB
【0041】(2)変更開度量の決定 本例におけるゲート変更量ΔGを求めるに用いるルール
ベースは上げ操作から維持操作へ切り替えた時のそれと
同一のものを用い、メンバーシップ関数は、図12に示
す独自のものを用いる。そして、上げ操作からの切り替
えの時と同様の入力条件,推論方式等を用いて行ったフ
ァジィ推論により確定されたパラメータΔGに基づい
て、1cmの単位を二捨三入,七捨八入することにより
実際の変更量が決定される。これにより、変更量の下一
桁は必ず「0」または「5」となる。そのデータに基づ
き巻き上げ機M1 が作動して8つの水門9a〜9hの変
更量の総和が上記パラメータΔGになるように各開度を
所定量だけ変更する。
【0042】上記した各処理を用いて実際に水位制御を
行うには、図13に示す具体的な処理手順のフローチャ
ート図の流れに沿って、上記各処理手段を実行すること
により行われる。なお、ステップ03で貯水池水位を入
力しているのは初期開度を計算するためであるが、毎回
入力しているのは後述する自流運転の際に貯水池水位を
一定にする制御のための入力条件としても用いるためで
あり、必要に応じて入力しないようにしても良い。
【0043】図14〜図17は、上記した実施例を用い
ファジィ制御によって水位制御をおこなった場合と、実
際のダム施設において人が水位制御をおこなった場合の
時間に対する各水位の変化を示している。但し、ファジ
ィ制御を用いた実験結果は、コンピュータを用いたシミ
ュレーション結果である。具体的には、図14が本実施
例を用いて上げ操作並びにその上げ操作から切り替わっ
た維持操作に関するシミユレーション結果を示し、図1
5は同一条件(貯水池水位とそのときの目標とする沈砂
池水位)のもとに行われた、実際のダム施設における従
来方法にのっとって行った作業員の制御結果を示してい
る。シミュレーションを行うに際して、貯水池3へ流れ
込む水量は一定とし、図中四角印で示している。また、
従来方法にのっとって実際の制御を行った作業員は熟練
した技術を有する人が行った。図から明らかなように、
本実施例による制御では、沈砂池水位が目標水位に向か
って滑らかに上昇していき、熟練した技術を持った作業
員と略同等の30分程度で目標水位に達することができ
た。なお、両者とも処理開始から約60分経過後には、
維持操作に移行している。同様に、下げ操作から維持操
作に移行するまでについて、ファジィ制御による本実施
例の適用シミュレーション結果と、従来方法にしたがっ
て実際のダム施設で行われた制御結果をそれぞれ図1
6,図17に示す。この場合も上記上げ操作のときと同
様良好な結果が得られている。
【0044】次に、貯水池3側の水位制御について説明
する。すなわち、上述した沈砂池5の水位制御により、
図22に示す12時から24時までの電力消費の減少に
応じた水位制御を行うことができるが、下げ操作により
沈砂池5の水位が低下し、その低下した水位を維持する
ことにより沈砂池5我への流入量が少なくなり、貯水池
水位が上昇する。そして、貯水池水位がある一定値にな
ると貯水池水位を維持する自流運転を行う。そして、そ
の自流運転は24時から翌日の12時間で行われるが、
その自流運転の制御についても、本発明のファジィ制御
に基づく水位制御を利用し、正確な制御を行うのであ
る。具体的な制御方法は、以下の通りである。
【0045】まず、予め決められた所定時刻、例えば2
4時になると、そのときの貯水池水位を第1水位センサ
ーS1で検出し、その値を自流運転する際の貯水池水位
の目標水位とする。そして、その目標水位を維持すべ
く、ゲート9の各水門9a〜9hの開度の調整を行う。
つまり、本制御は下記の2つの処理により実行される。 (1)開度変更をすべきか否かの判断 実際の作業状況,環境に合わせて、開度の変更の必要性
の有無を判断する。この判断に際し、現在の貯水池水位
と目標水位との差,その差の変化量並びに経過時間の3
項目を判断要素としてファジィ推論により決定する。 (イ)タイマーからの入力信号に基づいて、前回のゲー
ト操作時(開度変更時)からの経過時間ΔTを算出す
る。 (ロ)また第1センサーS1より逐次現在の貯水池水位
を測定し、上記決定記憶されている貯水池3の目標水位
との差Eを算出する。 E=目標値−現在水位 (ハ)さらに、現在のその差En の前回ステップで得ら
れた差En-1に対する変化量ΔEを算出する。 ΔE=En-1 −En 上記(イ)〜(ハ)の3つの条件を基にファジィ推論に
より「ゲート開度変更決定のパラメータH1 」を得る。
そのときのメンバーシップ関数は、言語値としてはN
B,NS,ZO,PS,PBの5言語、形状は三角形を
用いている。具体的には図18に示す通りである。そし
て、MAX−MIN論理を用いて推論し、重心法を用い
て上記パラメータH1 を確定し、その確定されたパラメ
ータH1 が0.63以上になると変更する。また、上記
推論を行うに要するルールベースは、 ΔT=PB並びにΔT=PSのときE並びにΔEの値に
関係なくH1 =PB; ΔT=NS並びにΔT=NBのときE並びにΔEの値に
関係なく、H1 =NB; となる。そして、ΔT=ZOの時は、下記の表15に示
す値となる。
【0046】
【表15】 ΔT=ZOにおけるルール <ΔT = ZO and E = PB の時> <ΔT = ZO and E = PS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PS if ΔE = PS THEN H1 = ZO if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB if ΔE = NB THEN H1 = PB <ΔT = ZO and E = ZO の時> <ΔT = ZO and E = NS の時> if ΔE = PB THEN H1 = ZO if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = NS if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = NB if ΔE = ZO THEN H1 = PB if ΔE = NS THEN H1 = NS if ΔE = NS THEN H1 = ZO if ΔE = NB THEN H1 = ZO if ΔE = NB THEN H1 = NS <ΔT = ZO and E = NB の時> if ΔE = PB THEN H1 = PB if ΔE = PS THEN H1 = PB if ΔE = ZO THEN H1 = PS if ΔE = NS THEN H1 = PS if ΔE = NB THEN H1 = ZO
【0047】(2)変更開度量の決定 前工程で開度を変更すると判断した場合に、どれだけ開
度を変更したらよいかを判断する。この判断に際し、現
在の水位と目標水位との差並びにその差の変化量の2項
目を判断要素としてファジィ推論により決定する。具体
的な推論は以下の通りである。 (イ)第1センサーS1より逐次現在の沈砂池水位を測
定し、予め記憶されている沈砂池5の目標水位との差E
を算出する。 E=目標値−現在水位 (ロ)さらに、現在のその差En の前回ステップで得ら
れた差En-1に対する変化量ΔEを算出する。 ΔE=En-1 −En 上記(イ),(ロ)の2つの条件を基にファジィ推論に
より「ゲート開度変更量のパラメータΔG」を得る。こ
こでΔGは、全水門9a〜9hの開度変更量の総和であ
る。そのときのメンバーシップ関数は、言語値としては
NB,NM,NS,ZO,PS,PM,PBの7言語、
形状は三角形を用いている。具体的には図19に示す通
りである。そして、MAX−MIN論理を用いて推論
し、重心法を用いて上記パラメータΔGを確定する。そ
の確定されたパラメータΔGに基づいて、1cmの単位
を二捨三入,七捨八入することにより実際の変更量が決
定される。これにより、変更量の下一桁は必ず「0」ま
たは「5」となる。そのデータに基づき巻き上げ機M1
が作動して8つの水門9a〜9hの変更量の総和が上記
パラメータΔGになるように各開度を所定量だけ変更す
る。また、上記推論を行うに要するルールベースは、下
記のようになっている。このルールベースの基本的な考
え方は、差Eとその差の変化量ΔEの関係を考慮し、目
標値に対する収束の程度、或いは発散の程度を加味しパ
ラメータΔGを決定する。具体的には表16,表17に
示す通りである。
【0048】
【表16】 自流操作時における開度変更量(その1) < E = PB の時> < E = PM の時> if ΔE = PB THEN ΔG = NM if ΔE = PB THEN ΔG = NM if ΔE = PM THEN ΔG = NM if ΔE = PM THEN ΔG = NM if ΔE = PS THEN ΔG = NM if ΔE = PS THEN ΔG = NM if ΔE = ZO THEN ΔG = NM if ΔE = ZO THEN ΔG = NM if ΔE = NS THEN ΔG = NM if ΔE = NS THEN ΔG = NM if ΔE = NM THEN ΔG = NB if ΔE = NM THEN ΔG = NB if ΔE = NB THEN ΔG = NB if ΔE = NB THEN ΔG = NB < E = PS の時> < E = ZO の時> if ΔE = PB THEN ΔG = PM if ΔE = PB THEN ΔG = PM if ΔE = PM THEN ΔG = PS if ΔE = PM THEN ΔG = PS if ΔE = PS THEN ΔG = PS if ΔE = PS THEN ΔG = PS if ΔE = ZO THEN ΔG = ZO if ΔE = ZO THEN ΔG = ZO if ΔE = NS THEN ΔG = NS if ΔE = NS THEN ΔG = NS if ΔE = NM THEN ΔG = NS if ΔE = NM THEN ΔG = NS if ΔE = NB THEN ΔG = NM if ΔE = NB THEN ΔG = NM
【0049】
【表17】 自流操作時における開度変更量(その2) < E = NS の時> < E = NM の時> if ΔE = PB THEN ΔG = PM if ΔE = PB THEN ΔG = PM if ΔE = PM THEN ΔG = PS if ΔE = PM THEN ΔG = PM if ΔE = PS THEN ΔG = PS if ΔE = PS THEN ΔG = PM if ΔE = ZO THEN ΔG = ZO if ΔE = ZO THEN ΔG = PM if ΔE = NS THEN ΔG = NS if ΔE = NS THEN ΔG = PM if ΔE = NM THEN ΔG = NS if ΔE = NM THEN ΔG = PB if ΔE = NB THEN ΔG = NM if ΔE = NB THEN ΔG = PB < E = NB の時> if ΔE = PB THEN ΔG = PM if ΔE = PM THEN ΔG = PM if ΔE = PS THEN ΔG = PM if ΔE = ZO THEN ΔG = PM if ΔE = NS THEN ΔG = PM if ΔE = NM THEN ΔG = PM if ΔE = NB THEN ΔG = PB
【0050】自流運転を行っている最中、上記の処理
(1)を行い、ゲート開度の変更をするか否かの判断を
し、開度変更を要しない場合には、所定のサンプリング
時間経過後再びその判断をする。一方、ゲート開度の変
更を要する場合には処理(2)にて変更開度量を決定
し、各水門9a〜9hを所定量上下移動させた後、再び
処理(1)を行う。
【0051】上記の水位制御の評価を行うためにシミュ
レーションにて検証した。その結果を図20に示す。図
中経過時間10分の時に自流運転を開始している。この
シミュレーション結果によれば、経過時間10分の時の
貯水池水位(目標水位となる)に対し、若干上昇した位
置で安定している。自流運転の場合には、あくまでも翌
日の発電のために所定量の水量を確保するためのもの
で、上述の沈砂池水位の水位制御に比較すると精密に制
御を行わなくても済む。従って、上記の目標値と実際の
安定値との差が許容誤差の範囲であるといえる。但し、
目標値に対しより近付ける(或いは一致させる)必要が
生じた場合には、ルールベースやメンバーシップ関数な
どを適宜変更することにより対応することができる。
【0052】以上説明した、沈砂池水位の制御並びに貯
水池水位の制御を組合せ、しかも、上げ操作開始時刻、
下げ操作開始時刻並びに自流運転開始時刻をコンピュー
ターに入力しておくことにより、所定の時刻がくると、
自動的に所望の操作を開始し、目標値に到達するとその
水位を自動的に維持する。そして、その制御はコンピュ
ーターにより自動的に行われるため、熟練した技術を有
しない作業員でも正確な水位制御が可能となり、さらに
は、遠距離地域において複数のダム施設からの情報を集
中管理することにより、ダム施設の無人化も可能とな
る。
【0053】また、図21に示すようにトンネル水路6
を有するダム施設の場合には、そのトンネル水路6の内
部抵抗が季節により異なり、水圧に対するトンネル水路
6内の流量が変化する。従って、従来の作業員は、その
季節も考慮してゲートの開度調整を行っていたが、本実
施例を用いると、たとえ内部抵抗が異なって水圧に対す
る流量が変化したとしても、本制御の入力条件は実際の
貯水池水位であり、その水位の変動量と流量すなわち発
電量とは比例するため、季節に関係なく(校正などする
ことなく)正確な制御が可能となる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る取水口の水
位制御方法によれば、請求項1に記載した発明を用いる
ことにより、第2貯水池(沈砂池)水位の水位制御が自
動的に行われる。すなわち、水位を上昇させる上げ操
作,低下させる下げ操作並びに所定の水位を維持する維
持操作が、ファジィ制御により行われる。従って、たと
え経験が少なく熟練した技術を有しない作業員であって
も、取水口の水位制御を正確かつスムーズに行われる。
一方、請求項2に記載した発明を用いることにより、第
1貯水池水位の水位制御が上記同様作業員の経験の有無
に関係なく正確に行われる。そして、通常第1貯水池の
水位制御は、夜間に行われるため、コンピューターによ
る自動制御による人員削減の効果が作業環境上非常に大
きくなる。また、上記2つの発明とも、ゲートの開度を
変更するか否かを判断するに際し、前回の開度変更操作
からの経過時間を考慮し、それが短い場合には、たとえ
目標水位と現在の水位との差が大きいとしても変更しな
いようにしたため、目標水位に対し、実際の水位がプラ
ス側とマイナス側に交互に移動するときに、それに追従
するようにして頻繁にゲートの変更開度量をマイナス側
とプラス側に制御するようなハンチング現象の発生が防
止される。さらに、両発明を組合せることにより、取水
口の水位制御の完全自動化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る取水口の水位制御方法に適用され
る水力発電のダム施設をモデル化した原理図である
【図2】そのダム施設の貯水池並びに沈砂池の実際の周
辺部を示す平面図である。
【図3】本発明の水位制御を行う装置の一例を示す制御
ブロック図である。
【図4】上げ操作時における開度変更をすべきか否かの
判断に要するメンバーシップ関数である。
【図5】上げ操作時における変更開度量の決定の判断に
要するメンバーシップ関数である。
【図6】上げ操作時における操作内容判断に要するメン
バーシップ関数である。
【図7】上げ操作から維持操作に移行後における開度変
更をすべきか否かの判断に要するメンバーシップ関数で
ある。
【図8】上げ操作から維持操作に移行後における変更開
度量の決定の判断に要するメンバーシップ関数である。
【図9】下げ操作時における開度変更をすべきか否かの
判断に要するメンバーシップ関数である。
【図10】下げ操作時における変更開度量の決定の判断
に要するメンバーシップ関数である。
【図11】下げ操作から維持操作に移行後における開度
変更をすべきか否かの判断に要するメンバーシップ関数
である。
【図12】下げ操作から維持操作に移行後における変更
開度量の決定の判断に要するメンバーシップ関数であ
る。
【図13】本発明の一実施例の処理の流れを示すフロー
チャート図である。
【図14】本実施例を用いて上げ操作並びにその上げ操
作から切り替わった維持操作に関するシミユレーション
結果を示すグラフである。
【図15】その比較例を示すグラフである。
【図16】本実施例を用いて下げ操作並びにその上げ操
作から切り替わった維持操作に関するシミユレーション
結果を示すグラフである。
【図17】その比較例を示すグラフである。
【図18】自流操作時における開度変更をすべきか否か
の判断に要するメンバーシップ関数である。
【図19】自流操作時における変更開度量の決定の判断
に要するメンバーシップ関数である。
【図20】ファジィ制御に基づく自流操作における水位
制御に関するシミユレーション結果を示すグラフであ
る。
【図21】従来並びに本発明の適用される水力発電に用
いられるダム施設の一例を示す斜視図である。
【図22】一日の貯水池並びに沈砂池に対する水位制御
の一例を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1 本流 2 ダム 3 貯水池 5 沈砂池 8 発電施設 9 ゲート
フロントページの続き (72)発明者 巻口 透 新潟県小千谷市千谷川1丁目5番10号 東京電力株式会社 信濃川電力所内 (72)発明者 伊藤 一正 東京都中央区日本橋本町4丁目9番11号 株式会社建設技術研究所内 (72)発明者 吉田 勲 東京都中央区日本橋本町4丁目9番11号 株式会社建設技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−116307(JP,A) 特開 昭58−48108(JP,A) 特開 昭57−83818(JP,A) 実開 昭63−89110(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05D 9/12 E02B 9/00 G05B 13/02 G05D 7/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダムに堰止められて形成される第1貯水
    池と、その第1貯水池に流量調節用のゲートを介して連
    通する第2貯水池とを有し、その第2貯水池の水位によ
    り発電量が決定される水力発電用のダム施設におる水位
    制御であって、該第1貯水池の実際の水位と、該第2貯
    水池の目標水位から該ゲートの初期開度を決定する第1
    のステップと、該第2貯水池の実際の水位と該目標水位
    との差,その差の変化量並びに直前のゲート開度変更時
    からの経過時間を考慮してファジィ制御により該ゲート
    の開度を変更するか否かを判断する第2のステップと、
    該第2のステップで開度を変更すると判断した場合に、
    該第2貯水池の実際の水位と該目標水位との差並びにそ
    の差の変化量を考慮してファジィ制御により該ゲートの
    変更開度量を決定する第3のステップとからなる取水口
    の水位制御方法。
  2. 【請求項2】 ダムに堰止められて形成される第1貯水
    池と、その第1貯水池に流量調節用のゲートを介して連
    通する第2貯水池とを有し、その第2貯水池の水位によ
    り発電量が決定される水力発電用のダム施設におる水位
    制御であって、所定時刻における該第1の貯水池水位を
    該第1貯水池の目標水位と設定し、その目標水位と該第
    1貯水池の実際の水位との差,その差の変化量並びに直
    前のゲート開度変更時からの経過時間を考慮してファジ
    ィ制御により該ゲートの開度を変更するか否かを判断す
    る第1のステップと、該第1のステップで開度を変更す
    ると判断した場合に、該第1貯水池の実際の水位と該目
    標水位との差並びにその差の変化量を考慮してファジィ
    制御により該ゲートの変更開度量を決定する第2のステ
    ップとからなる取水口の水位制御方法。
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