JPH08318262A - 調整池揚水流量制御装置 - Google Patents

調整池揚水流量制御装置

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JPH08318262A
JPH08318262A JP7126796A JP12679695A JPH08318262A JP H08318262 A JPH08318262 A JP H08318262A JP 7126796 A JP7126796 A JP 7126796A JP 12679695 A JP12679695 A JP 12679695A JP H08318262 A JPH08318262 A JP H08318262A
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flow rate
pumping
pond
water level
value
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JP7126796A
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Inventor
Kenji Takeuchi
内 賢 治 竹
Shuichiro Kobayashi
林 主一郎 小
Tetsuya Shinohara
原 哲 哉 篠
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Flow Control (AREA)
  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)
  • Control Of Velocity Or Acceleration (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 時間変動する調整池の流入流量に対応しつ
つ、生物反応槽への流出流量が極力平滑化されるよう、
調整池の揚水流量を最適に制御する。 【構成】 時間単位流入流量演算手段1は、天候、気
温、曜日等の所定情報から日流入量を求め、さらに、こ
れから時間単位流入量を求める。揚水流量計画手段2
は、この時間単位流入量に基き、極力平滑化した揚水流
量計画値を演算する。調整池水位演算手段5は、上記の
流入量及び揚水量から調整池の水位を演算する。この水
位が上下限値間に収まらない場合は、揚水量計画値を修
正する。揚水流量計画補正手段6は、この演算された水
位と実測した水位との偏差がゼロに近づくように揚水量
計画値を補正する。揚水ポンプ制御手段7は、この補正
された計画値に基いて、揚水ポンプ11の運転台数及び
回転数を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調整池を有する下水処
理場において用いられる調整池揚水流量制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】下水処理場では、通常、時間変動する流
入水を調整池でいったん受け、生物反応槽へと送ってい
るが、この調整池の揚水流量は処理場への流入流量を受
けつつ、処理場の負荷変動を抑制するよう平滑化するこ
とが望ましい。
【0003】従来、調整池からの揚水についての流量制
御では、時間変動する流入流量と同じ揚水流量を揚水す
る制御(調整池水位一定制御)や、操作員の経験的な知
識によって調整池水位変動を利用し、生物反応槽への流
出流量をなるべく平滑化するような揚水流量制御が行わ
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の制御で
は、時間変動する流入流量と同じ流量を揚水するため、
生物反応槽への流出流量が大きく変動し、下水処理場の
負荷変動を抑制できなかったり、また、流入流量が少な
いときに、調整池に蓄えられた処理水の滞留時間が長く
なってしまうことがあった。そして、後者の制御では、
操作員の経験的な知識に依存するため、操作員の負担が
大きな問題となっていた。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、時間変動する調整池の流入流量に対応しつつ、生
物反応槽への流出流量が極力平滑化されるよう、調整池
の揚水流量を最適に制御することが可能な調整池揚水流
量制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための手段として、下水処理場に流入する処理水
を、一旦、調整池に送り、この調整池に溜まった処理水
を、調整池揚水ポンプにより流量制御しつつ生物反応槽
へ送る調整池揚水流量制御装置において、予め与えられ
た所定情報に基いて、前記調整池への時間単位流入流量
を予測演算する時間単位流入流量演算手段と、前記時間
単位流入流量演算手段の演算結果に基いて、前記調整池
からの揚水流量計画値を、この計画値の一定値維持時間
が極力長くなるように、且つ、この計画値の変動分が極
力小さくなるように、演算する調整池揚水流量計画手段
と、前記演算された時間単位流入流量及び揚水流量計画
値に基き前記調整池の水位を演算すると共に、この演算
した水位が所定の上下限値を超えた場合は、この上下限
値間に収まるように前記揚水流量計画値の修正量を演算
し、修正後の揚水流量計画値に基き再度水位を演算する
調整池水位演算手段と、前記調整池水位演算手段の演算
値と実測値との偏差を入力し、この偏差がゼロに近づく
ように、前記揚水流量計画値を補正する揚水流量計画補
正手段と、前記補正された揚水流量計画値に基いて、前
記調整池揚水ポンプの運転台数及び回転数を制御する揚
水ポンプ制御手段と、を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0007】
【作用】上記構成において、時間単位流入流量演算手段
は調整池への時間単位流入流量を予測し、この演算結果
に基き、調整池揚水流量計画手段は極力平滑化がなされ
た揚水流量計画値を演算する。
【0008】そして、調整池水位演算手段は、これら時
間単位流入流量及び揚水流量計画値に基き調整池の水位
を演算する。このとき、演算された水位が上下限値間の
範囲から逸脱していれば、逸脱しないですむ計画値修正
量を演算し、修正後の計画値に基いて再度水位を演算す
る。
【0009】揚水流量計画補正手段は、演算された水位
と実測値とを入力し、これらの偏差がゼロになるように
揚水流量計画値を補正する。この補正された揚水流量計
画値が最終的な計画値となる。
【0010】揚水ポンプ制御手段は、この補正された計
画値に基き揚水ポンプの運転台数及び回転数を制御す
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図8に基き
説明する。図1は本発明の実施例に係る制御装置の構成
を示すブロック図であり、時間単位流入流量演算手段
1、揚水流量計画手段2、マンマシンインタフェイス
3、プロセスインタフェイス4、調整池水位演算手段
5、揚水流量計画補正手段6、及び揚水ポンプ制御手段
7を備えている。オペレータは、図示を省略した表示装
置(CRT等)の画面を見ながらマンマシンインタフェ
イス3(キーボード等)を操作し、プロセスインタフェ
イス4を介して各手段に演算制御を行わせることができ
るようになっている。
【0012】そして、図1において、下水処理場へ流入
する処理水はまず沈砂池9に流入し、第一沈澱池10を
経て生物反応槽へと流下していく。時間変動する処理水
量に対し、処理場の処理負荷を平滑化するための調整池
8が設けられており、沈砂池9から第一沈澱池10へ向
かう処理水のうち、ある一定流量を越えた分は一旦この
調整池8に流入した後、調整池揚水ポンプ11で揚水さ
れ、第一沈澱池へと流れ込むようになっている。
【0013】処理場の負荷変動を抑制するために、生物
反応槽への流出流量を平滑化する揚水流量計画がたてら
れ、その計画値に基いて調整池揚水ポンプ11が制御さ
れる。この時、処理場への流入流量は時間変動し、調整
池8の水位は変動する。
【0014】そこで、調整池8の水位を、水位上下限範
囲内に保つ必要があり、調整池8の水位を水位計12を
介して監視し、この情報に基いて揚水流量計画値を補正
する必要がある。
【0015】以下に、図1における各手段について、そ
の演算内容又は制御内容を順次説明していく。 (1)〔時間単位流入流量演算手段1〕 時間単位流入流量演算手段1では、過去の流入量実績値
と流入量変化要因(天候、気温、曜日等)とにより、ニ
ューラルネットワークによる流入量の予測を行う。この
ニューラルネットワークは実績データにより、重み係数
を修正し(バックプロパゲーション法)、実績を重ねる
に従い予測精度が向上するものとする。
【0016】まず、ニューロ応用パターン認識を用いて
人間の生活パターン(天候、気温、曜日、イベント)か
ら日流入量、流入パターン特徴量を予測する。次に、予
測日量に流入パターン特徴量と類似した日の正規化した
時間パターンをかけ、時間パターンを予測する。以下に
ニューロ応用パターン予測手法を示す。
【0017】ニューロンがn本の入力(x1 ,x2
…,xn )をもつものとし、神経でのシナプス結合の強
さがw1 ,w2 ,…,wn (xi に対する重み)に、
「しきい値」がhに対応している。このニューロンの出
力の強さをyとすると、ニューロンの動作は次式で表さ
れる。 このニューロンの出力関数fとしては、次式のシグモイ
ド形の関数がよく使われる。これは実際の神経細胞の飽
和的な反応の性質を反映させたものである。 ここで、 である。ニューラルネットワークは、このようなニュー
ロンをモデル化した多数のユニットと、その間の結合重
みから構成されており、個々の要素が単純な動作を行い
ながらネットワーク全体として高次の機能を実現するも
のである。
【0018】このネットワークの構成モデルには、階層
形ネットワークがあり、これは、入力層、中間層、出力
層の三つの部分からなり、各層は複数個のユニットから
構成される。中間層は2層以上あってもよい。信号は出
力の方向へのみ流れていくフィードフォワードタイプで
ある。また、同じ層内のユニット間の結合はない。
【0019】階層形ネットワークでよく使われるバック
プロパゲーション(逆伝搬)学習則は、つぎの通りであ
る。 まずはじめに入力層に与える入力信号(文字認識で
あれば文字パターン)と、それに対する所望の出力信号
(教師信号)のトレーニングペアを用意する。 トレーニングペアから入力信号を選んでネットワー
クに適用し、入力層から出力層に向かって各ニューロン
の状態変化を順次計算し、出力信号を求める。 この出力信号をyi 、これに対応した教師信号をd
i とすると、2乗誤差は E=(1/2)Σi (yi −di 2 ……(4) であるが、これを極小化するようにネットワークのjユ
ニットと、kユニットの結合重みwjkを、次式のΔwjk
だけ修正する。
【0020】
【数1】 ここで、ηは結合重みの修正量の大きさを調整するパラ
メータである。この重みの修正の計算は信号の伝播とは
逆に出力層から入力層へ向かって進行する。 上記からを繰り返し、所望の出力が得られたら
学習を終了する。 (2)〔調整池揚水流量計画手段2〕 次に、調整池揚水流量計画手段2では、生物処理の安定
化をはかるため、時間単位流入流量演算手段1で予測さ
れた流入量パターンの平滑化を日単位および週単位で計
画的に行う。平滑化の方法を以下に示す。
【0021】特に、平日の処理量が多く週末ではほとん
ど処理水のないような処理場においては、一週間の処理
負荷を平滑化する必要がある。一方、一日の間にも、昼
と夜とで負荷変動があるため、一日の処理負荷平滑化も
必要である。そこで、週毎の処理負荷平滑化計画をまず
たてて一日の総処理量を決め、その処理量を平滑化する
ように日毎の処理負荷平滑化計画をたてる。計画手法
は、予測された流入パターンから、まず計画値一定時間
をできるだけ長くすることを目的とした基本パターンを
作成し、これに補正をかけることで計画値変動量を最小
にする最終パターンを作成する。 <基本パターン作成>基本パターンは、流量一定時間を
できるだけ長くすることを目的とした計画で、計画値継
続時間が一番長いものを解とすることを計画値評価基準
とし、制約条件は、水位制約、計画値継続時間、ステッ
プ変動最大幅である。以下に基本パターン作成手順を示
す。なお、以下で用いる「ステージ」とは、予め設定さ
れた時間帯の名称のことである。例えば、午前0時〜1
時をステージ1、1時〜2時をステージ2、…というよ
うに表すこととしている。 初期揚水計画値(ステージ1)をきめる。 前のステージの計画値のまま次のステージの制約条
件をクリアできるかどうかを調べる。条件をクリアでき
なかったならば、揚水流量ステップを変更する。そのう
ち最も長く継続可能なステップ値を解とする。 条件を満たす解が見つからない場合は、ステージを
後退させる。 ,の処理を繰り返しながらステージを前進さ
せ、最終ステージまで演算を行い、それを解として保存
する。 <最終パターン作成>最終パターンの作成は、先に作成
した基本パターンを基に補正をかけて行う。基本パター
ンは計画値一定時間を長くとることを目的としたもので
あり、言い換えれば「負荷変動平滑」である。これに対
し、最終パターンは計画値の変動を抑えることを目的と
した「負荷平滑」ということができる。
【0022】本揚水計画では、負荷平滑化の条件として
次の3つを用意しこれらの条件を満たすように補正をか
けていく。 条件1.一週間分(一日分)の流量(計画値)変動差の
二乗和が最小になる。 条件2.流量制約(水位制約)を守る計画値である。 条件3.前時間帯からの計画値の変動差は、最大値を越
えない。
【0023】以下に、最終パターン作成手順を示す。 初期データとして、基本パターンを用いる。 後ろから(最終ステージからステージ1に向かっ
て)補正をかけていく。 条件1,2,3を満たす解に出会うまで後退する。 条件を満たす解に出会ったならば、補正解を仮の解
として前進する。前進時も条件を見ていき、満足できな
いときは後退する。 前進していった結果、最終ステージまでいったなら
ば、解として保存する。次は、保存した解を初期データ
として補正を行っていく(を行う)。 〜を繰り返していき、ステージ1まで後退して
も解が見つからなかったときは、現在保存されている解
よりも適した解が見つからないとみなし、計画を終了す
る。 (3)〔調整池水位演算手段5〕 調整池水位演算手段5では、時間単位流入流量演算手段
1により演算した時間単位流入流量と、調整池揚水量計
画手段2により計画した揚水量計画値とから、下記のス
テップ1〜6の手順により調整池演算水位を求める。
【0024】演算周期は1日1回(例えば午前0時)と
する。ただし、操作員により再度演算要求の割り込みが
あった場合には、その時点から、23時までの調整池水
位を演算する。 <ステップ1>時間単位流入流量演算手段1により演算
した時間単位流入流量と、調整池揚水量計画手段2によ
り計画した揚水量計画値とから、調整池演算水位を求め
る。調整池水位の演算は次式による。 hp(i) =hp(i−1)+{Qin(i) −Qout(i)}/A …(6) hp(i) :i時における調整池演算水位[m] Qin(i) :i−1時からi時までの時間単位流入流量[m3 ] Qout(i):i−1時からi時までの揚水量計画値[m3 ] A:調整池断面積[m2 ] 調整池水位上下限値の範囲内を調整池演算水位が逸脱し
た場合には、揚水量計画値を再度修正する。揚水量計画
値の修正は調整池水位上限値を逸脱した場合と、調整池
水位下限値を逸脱した場合に分けて行う。
【0025】調整池演算水位が調整池水位上限値を逸脱
した場合(図2(a))、最も逸脱している時刻をm時
とすると、修正量は次式となる。《調整池水位上限値を
逸脱した場合の修正量》 ddq1={hp(m) −hmax }*A ……(7) ddq1:調整池水位上限値を逸脱した場合の揚水量計
画値修正量[m3 /h] hp(m) :m時における調整池演算水位[m] hmax :調整池水位上限値[m] そして、揚水量計画値の修正範囲を、当日0時から調整
池演算水位が調整池水位上下限値を最も逸脱する時刻m
時の1時間前((m−1)時)までとし、揚水量計画値
の修正を次式により行う。この修正による計画値を図2
(b)に示す。 Qout(i)=Qout(i)+ddq1/(m−1) ……(8) また、調整池演算水位が調整池水位下限値を逸脱した場
合(図3(a))は、最も逸脱している時刻をm時とす
ると、修正量は次式となる。 《調整池水位下限値を逸脱した場合の修正量》 ddq2={hmin −hp(m) }*A ……(9) ddq2:調整池水位下限値を逸脱した場合の揚水量計
画値修正量[m3 /h] hp(m) :m時における調整池演算水位[m] hmin :調整池水位下限値[m] そして、揚水量計画値の修正を次式により行う。この修
正による計画値を図3(b)に示す。 Qout(i)=Qout(i)−ddq2/(m−1) ……(10) <ステップ2>揚水量上下限設定値により、揚水量計画
値の上下限チェックを行う。揚水量計画値が揚水量上限
設定値Qoutmaxを越えた場合には、揚水量計画値を揚水
量上限設定値Qoutmaxとする。また、揚水量計画値が揚
水量下限値Qoutminを下回った場合には、揚水量計画値
を揚水量下限値Qoutminとする。 <ステップ3>揚水量計画値を用いて、調整池演算水位
を求める。調整池演算水位を求める式は(6)式によ
る。 <ステップ4>調整池演算水位が調整池水位上下限値を
逸脱している場合には、<ステップ1>に戻る。 (4)〔揚水流量計画値補正手段6〕 揚水流量計画値補正手段6では、水位計12により得ら
れる実績調整池水位(実測値)と、調整池水位演算手段
5により求めた調整池演算水位とから、ファジイ推論に
より揚水量計画値の補正量を求める。以下にファジイ推
論による揚水量計画値の補正方法を述べる。
【0026】ファジイ推論の入力となる実績調整池水
位、実績調整池水位と調整池演算水位との偏差及び偏差
の変化率を、次式により正規化する。 eh(j) =hp(j) −h(j) ……(11) deh(j) =eh(j) −eh(j−1) ……(12) hm=(hmax +hmin )/2 ……(13) hg=(hmax −hmin )/2 ……(14) H(j) =(h(j) −hm)/hg ……(15) Eh(j) =eh(j) /(hg*Pa) ……(16) dEh(j) =deh(j) /(hg*Pb) ……(17) eh(j):調整池演算水位と調整池水位との偏差
[m] h(j):実績調整池水位[m] deh(j):偏差の変化率[m] hm:hmaxとhminの中位[m] hg:hmaxとhminの差の絶対値[m] H(j):調整池水位を正規化した値 Eh(j):調整池演算水位と調整池水位との偏差を正
規化した値 dEh(j):偏差の変化率を正規化した値 Pa:正規化係数 Pb:正規化係数 j:制御周期 以上の式により正規化された調整池水位、調整池演算水
位と調整池水位との偏差、偏差の変化率により、揚水量
計画値を補正する。まず、調整池水位及び調整池演算水
位と調整池水位との偏差により、揚水量計画値の補正度
合いを演算する。調整池水位、調整池演算水位と調整池
水位との偏差及び揚水量計画値の補正度合いを規定する
メンバーシップ関数を図4に示す。
【0027】図4(a)は、調整池水位を規定するメン
バーシップ関数を示している。この図において、 HRH:調整池水位上限領域である。 HRM:調整池水位上限領域に近い。 HRZ:調整池水位安定領域である。 HRS:調整池水位下限領域に近い。 HRL:調整池水位下限領域である。 を表している。
【0028】図4(b)は調整池演算水位及び調整池水
位との偏差を規定するメンバーシップ関数を示してい
る。この図において、 NB:偏差が負で大きい。 NS:偏差が負で小さい。 Z:偏差がゼロである。 PS:偏差が正で小さい。 PB:偏差が正で大きい。 を表している。
【0029】図4(c)は揚水量計画値の補正度合いを
規定するメンバーシップ関数を示している。この図にお
いて、 RNB:補正度合いが負で大きい。 RNS:補正度合いが負で小さい。 RZ:補正度合いがゼロである。 RPS:補正度合いが正で小さい。 RPB:補正度合いが正で大きい。 を表している。
【0030】これらのメンバーシップ関数に基くルール
テーブルを示すと図5のようになる。ここで、図5に示
すファジイルールテーブルによる制御の一例を以下に示
す。 もし;調整池水位が水位上限領域で、かつ、偏差が負で
大きい(条件部)。 ならば;揚水量計画値の補正度合いを負で大きくせよ
(推論部)。
【0031】上述した揚水流量計画値の補正度合いにお
けるファジイ推論の方法は、ルール条件部のメンバーシ
ップ関数、推論部のメンバーシップ関数及び入力変数と
から、知識ベースに蓄えられたルールに基いてファジイ
演算を行い、合成あいまい集合を作成し、この合成あい
まい集合の最大値を出力合成関数とし、この出力合成関
数の重心をファジイ推論の出力とする方法を用いる。
【0032】具体的には、各ルール毎に、入力値に対し
て条件部のメンバーシップ関数の最小値を重み係数とす
る。そして、推論部のメンバーシップ関数の最大値を前
記重み係数としたファジイ集合を作成し、全てのルール
に関して繰り返し、各ルールで得られファジイ集合の和
を合成あいまい集合とし、合成あいまい集合の最大値を
出力合成関数としてその重心を次式にて演算し、その演
算結果をファジイ推論値とする。
【0033】
【数2】 (18)式の演算により求めた揚水流量計画値補正度合
いと、調整池水位偏差の変化分を表すメンバーシップ関
数を用いて、揚水流量計画値補正量をファジイ推論で求
める。この演算方法をmin−max重心法とよぶ。
【0034】調整池演算水位と調整池水位との偏差の変
化率および揚水量計画値の補正量を規定するメンバーシ
ップ関数を図6に示す。図6(a)は調整池演算水位及
び調整池水位との偏差の変化率を規定するメンバーシッ
プ関数を示している。この図において、 NB:偏差の変化率が負で大きい。 NS:偏差の変化率が負で小さい。 Z:偏差の変化率がゼロである。 PS:偏差の変化率が正で小さい。 PB:偏差の変化率が正で大きい。 を表している。
【0035】図6(b)は揚水量計画値の補正量を規定
するメンバーシップ関数を示している。この図におい
て、 QNB:補正量が負で大きい。 QNM:補正量が負で中くらいである。 QNS:補正量が負で小さい。 QZ:補正量がゼロである。 QPS:補正量が正で小さい。 QPM:補正量が正で中くらいである。 QPB:補正量が正で大きい。 を表している。
【0036】また、これらのメンバーシップ関数に基く
このルールテーブルを示すと図7のようになる。ここ
で、図7に示すファジイルールテーブルによる制御の一
例を以下に示す。 もし;揚水量計画値の補正度合いが負で大きく、かつ、
偏差の変化率が負で大きい(条件部)。 ならば;揚水量計画値の補正量を負で大きくせよ(推論
部)。
【0037】揚水流量計画値の補正量におけるファジイ
推論の方法は、前記、揚水流量計画値の補正度合いを求
めた方法と同様であり、(18)式の出力合成関数の重
心を求めることで決定する。
【0038】
【数3】 以上のファジイ推論により求められたファジイ推論値を
もとに、揚水量計画目標値を次式により演算する。
【0039】
【数4】 (5)〔調整池揚水ポンプ制御手段7〕 調整池揚水ポンプ制御手段7では、揚水流量計画値補正
手段6により得られる揚水流量目標値と揚水流量との偏
差に基いて比例積分演算(PI制御)を行い、調整池揚
水ポンプ11の台数、回転数を演算する。複数の揚水ポ
ンプにより揚水流量を制御する場合、各揚水ポンプの揚
水流量目標値は、揚水流量目標値とポンプの稼働台数に
よって次式により求める。 Qdout(j) =Qout(j) /np ……(24) Qdout(j) :各揚水ポンプの揚水流量目標値[m3 /h] Qout(j) :揚水流量目標値[m3 /h] np:調整池揚水ポンプ稼働台数[台] また、調整池揚水ポンプの稼働台数は、揚水流量に応じ
て決定する。例えば、図8に示すように、ポンプ稼働台
数を増加する方向では、 Qout(j)<q1 ならば ポンプの稼働台数を1台 q1<Qout(j)<q2 ならば ポンプの稼働台数を2台 ・ ・ qn−1<Qout(j)<qn ならば ポンプの稼働台数をn台 とする。一方、ポンプ稼働台数を減少する方向では、 q′n<Qout(j) ならば ポンプの稼働台数をn台 ・ ・ q′1<Qout(j)<q′2 ならば ポンプの稼働台数を2台 Qout(j)<q′1 ならば ポンプの稼働台数を1台 とする。このようにポンプの稼働台数にヒステリシスを
持たせる理由は、ポンプ稼働台数の切換流量付近で、ポ
ンプ稼働台数が頻繁に増減するのを防止するためであ
る。上記の如く、ポンプの稼働台数をもとに、各揚水ポ
ンプの揚水流量目標値を決定することで、揚水ポンプが
複数台ある時の各揚水ポンプの制御を行うことが可能と
なる。
【0040】上記した本実施例によれば、従来、操作員
の経験的な操作に依存せざるを得なかった処理場の生物
反応槽への流出流量平滑化運転が自動化できるととも
に、if/then形式のファジイルールに基くファジ
イ推論により、操作員の経験的な知識を反映したきめ細
かい制御ができる。すなわち、処理場等における流入流
量の時間変動に対する揚水流量の平滑化運転が自動で行
え、処理場の負荷変動の抑制ができるとともに、操作員
の負荷軽減を図ることができる。
【0041】また、調整池流入流量をニューラルネット
ワークにより、自動的に予測しているので、一層操作員
の負荷軽減が行える。さらに、ポンプの稼働台数を自動
的に決定し、各揚水ポンプの揚水流量制御が行えるた
め、揚水ポンプが1台である場合又は複数台である場合
の双方に対応可能である。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、時間変
動する調整池の流入流量に対応しつつ、生物反応槽への
流出流量が極力平滑化されるよう、調整池の揚水流量を
最適に制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブ
ロック図。
【図2】図1における調整池水位演算手段の演算内容を
説明するための特性図。
【図3】図1における調整池水位演算手段の演算内容を
説明するための特性図。
【図4】図1における揚水流量計画補正手段が揚水量計
画の補正度合いを求めるためのファジイ演算に用いるメ
ンバーシップ関数についての特性図。
【図5】図4のメンバーシップ関数に基くルールテーブ
ルを示す図表。
【図6】図1における揚水流量計画補正手段が揚水量計
画の補正量を求めるためのファジイ演算に用いるメンバ
ーシップ関数についての特性図。
【図7】図6のメンバーシップ関数に基くルールテーブ
ルを示す図表。
【図8】図1における揚水ポンプ制御手段がポンプ運転
台数を決定するために用いる特性図。
【符号の説明】
1 時間単位流入流量 2 揚水流量計画手段 5 調整池水位演算手段 6 揚水流量計画補正手段 7 揚水ポンプ制御手段 8 調整池 11 揚水ポンプ 12 水位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 9/12 G05D 9/12 B 13/62 13/62 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下水処理場に流入する処理水を、一旦、調
    整池に送り、この調整池に溜まった処理水を、調整池揚
    水ポンプにより流量制御しつつ生物反応槽へ送る調整池
    揚水流量制御装置において、 予め与えられた所定情報に基いて、前記調整池への時間
    単位流入流量を予測演算する時間単位流入流量演算手段
    と、 前記時間単位流入流量演算手段の演算結果に基いて、前
    記調整池からの揚水流量計画値を、この計画値の一定値
    維持時間が極力長くなるように、且つ、この計画値の変
    動分が極力小さくなるように、演算する調整池揚水流量
    計画手段と、 前記演算された時間単位流入流量及び揚水流量計画値に
    基き前記調整池の水位を演算すると共に、この演算した
    水位が所定の上下限値を超えた場合は、この上下限値間
    に収まるように前記揚水流量計画値の修正量を演算し、
    修正後の揚水流量計画値に基き再度水位を演算する調整
    池水位演算手段と、 前記調整池水位演算手段の演算値と実測値との偏差を入
    力し、この偏差がゼロに近づくように、前記揚水流量計
    画値を補正する揚水流量計画補正手段と、 前記補正された揚水流量計画値に基いて、前記調整池揚
    水ポンプの運転台数及び回転数を制御する揚水ポンプ制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする調整池揚水流量制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の調整池揚水流量制御装置に
    おいて、 前記時間単位流入流量演算手段は、天候、気温、曜日及
    びイベント等の生活パターンから、ニューロ応用パター
    ン予測手法を用いて、日流入量及び流入パターン特徴量
    を予測し、この流入パターン特徴量に基き得られる時間
    パターンに前記予測した日流入量をかけることにより、
    前記時間単位流入流量を演算するものである、 ことを特徴とする調整池揚水流量制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の調整池揚水流量制御
    装置において、 前記揚水流量計画補正手段は、前記調整値水位の演算値
    と、この演算値と実測値との偏差とから、前記揚水流量
    計画値の補正度合いをファジイ演算により求め、さら
    に、この補正度合いと前記偏差の変化率とから、前記揚
    水流量計画値の補正量をファジイ演算により求めるもの
    である、 ことを特徴とする調整池揚水流量制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の調整池
    揚水流量制御装置において、 前記揚水ポンプ制御手段は、前記調整池揚水ポンプの運
    転台数につき、運転台数の加減方向に応じたヒステリシ
    ス分を持たせるように制御するものである、ことを特徴
    とする調整池揚水流量制御装置。
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