JPH05303406A - 定性推論予測制御方法 - Google Patents

定性推論予測制御方法

Info

Publication number
JPH05303406A
JPH05303406A JP10953192A JP10953192A JPH05303406A JP H05303406 A JPH05303406 A JP H05303406A JP 10953192 A JP10953192 A JP 10953192A JP 10953192 A JP10953192 A JP 10953192A JP H05303406 A JPH05303406 A JP H05303406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
evaluation
qualitative
amount
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10953192A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Tadokoro
秀之 田所
Masanori Kobari
昌則 小針
Mikio Yoda
幹雄 依田
Hitoshi Kizawa
均 鬼澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Engineering Co Ltd
Priority to JP10953192A priority Critical patent/JPH05303406A/ja
Publication of JPH05303406A publication Critical patent/JPH05303406A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】予測制御システムにおいて、制御対象のモデル
が定式化困難な場合に予測制御システムの構築を可能と
する。 【構成】制御対象の動特性を予測する予測モデルのう
ち、定式化が困難な部分のモデルをメンバーシップ関数
をもちいて入力データをファジィ数化し、定性推論によ
って結果をファジィ数にて予測、予測結果を非ファジィ
化して、他の定式化可能な部分とともに予測モデルとし
て構築する予測モデルを有し、予測結果に基づいて、適
用可能な制御方案の全組合せについて、制御結果をシミ
ュレーションにて算出、その評価に際して、複数の評価
基準に対する満足度を、メンバーシップ関数によって評
価し、その総合評価点が最高のものを、採るべき制御方
案として採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセス制御における
予測制御方式に係り、予測モデルが厳密な数学モデルと
して定式化不可能な場合での予測制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の予測制御方法では、制御対象の予
測モデルが厳密に微分方程式等の数学モデルとして定式
化されていなければ、予測誤差によってかえって制御系
を不安定にしてしまう可能性があり、とくに自然環境系
を含むような、系の動特性の数学的な表現の難しい場合
には適用が困難であった。また、モデル化が困難である
ために、オペレータにて手動で制御されているような場
合は、オペレータの経験で、トレードオフ関係にある複
数の評価尺度の調整をとりながら、制御出力を決定して
いるが、数式による表現が難しいため、この評価方法を
予測制御系の評価関数として採用することが困難であっ
た。
【0003】たとえば、下水道システムにおける雨水排
水ポンプ場のポンプ群制御もこのような系の一例であっ
て、従来のマイコン,計算機による自動制御(雨水ポン
プ台数制御ともよばれる)では、マイコン,計算機内
に、ポンプ井水位と運転台数の関係を記憶させておき、
ポンプ井水位を一定周期で計測し、上記の関係にしたが
って、運転するポンプ台数を決定していく比例制御的な
方法が一般的であった。しかるにこの方法では、ポンプ
井の水位のみで制御しているため、急激な雨水の流入に
追従できにくく、また、管渠内の貯留効果をみていない
ため、ポンプの起動等にともなう一時的な水位の変動を
拾ってしまいやすく、実際は熟練オペレータによる手動
運転に頼らざるを得なかった。そこで、オペレータのノ
ウハウをそのまま定式化する方法として、たとえば電気
学会論文誌C109巻5号、平成元年p361〜p36
6にみられるように、オペレータのノウハウをファジィ
ルール化してファジィ制御する方法がもちいられる場合
があるが、この方法では、ルールの抽出に多大な労力を
要する点、制御対象のモデルに立脚していないために系
の安定性が保証されないという難点があった。
【0004】急激な雨水の流入に対応しかつ系の安定性
等の評価を容易にするためには、モデルに基づく予測制
御を適用することが必要であり、特開昭64−19402 号に
みられるように、ポンプ井への流入量を予測し、予測値
に基づいて制御する方法がある。本例ではポンプ井への
実績流入量にもとづくカルマンフィルタによる流入予測
を行なっている。しかるに、ポンプ井への流入量は、流
入量を計測するに好適なセンサーが無いばかりではな
く、ポンプ運転の影響を強く受け、良好な予測値を得る
ことは難しい。さらに、ポンプ井の貯留効果に比べて管
渠の貯留効果ははるかに大きいにもかかわらず、この点
が考慮されていない。その他、流入予測手法としては、
修正RRL法、タンクモデルといった流出モデルがある
が、パラメータチューニング、パラメータの設定に難づ
かしさがあり、予測制御のために充分な精度を得るのが
容易ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、制御対象
のモデリングが困難な系にたいして、予測制御の導入を
可能とするとともに、複数の評価尺度が存在する系の人
間の感覚に合致した最適化ができるような方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)定性推論による制御対象のモデリング 自動制御が困難で、手動運転にて制御されているような
対象では、オペレータが制御系の動特性にたいする定性
的なモデル(メンタルモデルとよばれる)を頭の中に持
っていることによって手動制御が実現されていると考え
られる。そこで、ファジィ推論に基づく定性推論を用い
てオペレータの持つメンタルモデルを定式化し、制御対
象をモデリングする。
【0007】(2)定性的評価基準の採用 制御結果の評価は、複数のトレードオフ関係にある評価
基準を同時に満足させることが必要になる。評価尺度の
作成法を人間の感覚に近い形で表現でき、従来の最適化
法のような複数の評価基準の最適化を図る評価関数の不
自然さを軽減するように、各評価尺度の満足度をメンバ
ーシップ関数で表現する。
【0008】
【作用】上記手段は以下のように作用する。
【0009】定性推論によって、非線形特性,時変特性
を、制御対象の現象面に表れる因果関係の知識,経験,
自然法則への常識をもちいて比較的容易にモデリングで
きる。また、ルールベースシステムと違って、制御対象
のモデルを有するため、シミュレーションが可能であ
り、予測制御システムのなかに組み込むことが可能であ
る。さらに、制御出力の最適化に際しては、各評価項目
を定性的にメンバーシップ関数で表現し評価関数とする
ことによって、人間の感覚に近い制御が可能である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0011】図15は、本発明の方法の全体構成を示し
たものである。コントローラ1500内は、大きく分けて、
制御対象の予測モデルである定性推論予測モデル150
1,予測結果にしたがって、各評価項目の満足度を定性
的に評価する定性評価値算出部1502,算出された評
価値から、評価値の最も高い制御出力を選択する、最適
制御方案選択部1504、可能な制御方案の組合せを記
憶している、制御方案集合1503から構成される。定
性推論予測モデルは、制御対象プロセス1505からの計測
値入力し、これをファジィ化して使用する。各制御周期
においては、制御方案集合1503より、可能な制御方
案について全ケース選択し、定性推論による予測(シミ
ュレーション)、予測結果の評価値の算出を行う。
【0012】つぎに、本発明の定性推論予測制御システ
ムの具体的な実施例を、雨水排水ポンプ設備を例にとっ
て説明する。
【0013】図1は一般的な雨水排水ポンプ設備システ
ムの概要を示したものであり、排水区域11に降った雨
水が管渠12を通りポンプ場13に流入する。ポンプ所
13では、一定の制御周期で動作する雨水ポンプ制御装
置117を用いて固定速ポンプ113、可変速ポンプ1
14の2台以上の組合せからなるポンプ群を運転し、河
川に放流している。一般的なポンプ場では、雨水を自然
流下によってポンプ所に集めるために、河川水位よりも
低いところにポンプ井およびポンプがあり、流入雨水を
適切に処理しなければポンプ場自体を浸水させてしまう
と同時に、ポンプによる放流停止が、排水区域内の浸水
を引き起こし、付近の住民に多大な損害を与える恐れが
あるため、ポンプ台数制御は重要な処理である。
【0014】雨水ポンプ制御装置117は雨水流入予測
部115とポンプ場台数制御部116より構成される。ま
た、場合によっては、オペレータによる手動運転時のガ
イダンス情報として雨水流入予測値を活用できるように
ガイダンス表示部118を有する。
【0015】本適用例では、制御対象のモデルとして、
降雨からポンプ場までを含むが、このうち、ポンプ場1
3については、ポンプ性能、ポンプ井等の土木構造物の
形状が分かっているため、定性推論ではなく、通常の数
式モデルによった。
【0016】流入量予測部115は、排水区域11内お
よび自ポンプ場に設置された複数の地上雨量計15また
はレーダ雨量計16からの降雨量データと、管渠12内
の複数個所に設置された管渠内水位計12からの水位デ
ータと、ポンプ井に設置されたポンプ井水位センサ11
0からの水位データを入力とし、ポンプ井4と管内貯留
を考慮した系への雨水流入量を予測する。
【0017】ポンプ台数制御部116は、流入量予測部
115からの予測流入量とポンプ井水位データ、河川水
位センサ111からの河川水位データ、ポンプ群の運転
状況等を入力とし、現在から一定時刻後までのポンプ群
5の運転量を決定し、ポンプ群に指示する。
【0018】図2に流入量予測部115の構成を示す。
23は管渠水位演算部であり、n個の管渠内設置の水位
計からの計測値、ポンプ井水位、流入堰水位といった水
位データを入力する。同様に実降雨量演算部処理24で
は、地上雨量計15またはレーダ雨量計16の計測値を
入力する。計測データ記憶メモリ26は、23で入力し
た水位データ27,24で入力した実降雨量データ2
8,ポンプ吐出量、現時点での実績流入量等を記憶す
る。26では、制御周期毎に上記データを記憶し、一定
期間保存する。これによって、最新の計測値が一定期間
保存されることになり、後段の流入量予測演算部29で
使用する。流入量予測演算部29は定性推論によって雨
水流入量を予測する処理である。ここでは、計測データ
記憶メモリ26のデータの他に水位データ27,実降雨
量データ28,ポンプ吐出量、実績流入量、ポンプ群の
運転状態19を入力情報として用いる流入予測演算部2
9の演算結果として予測流入量22が得られる。図3に
流入量予測演算部29の構成を示す。入力情報はファジ
ィ化処理31によってファジィ数に変換する。入力デー
タのなかには、降雨変化量、水位変化量等の変化量か含
まれるが、計測データ記憶メモリ26に保存されている
データを用いることによって容易に求められる。さて、
ファジィ数への変換はメンバーシップ関数によってなさ
れる。図6に降雨量のメンバーシップ関数、図7に管渠
水位のメンバーシップ関数、図8に降雨変化量のメンバ
ーシップ関数の例を示す。各々入力データが、「大き
い」「中くらい」「小さい」といった定性的な値と、こ
の定性値への適合度で表される。例えば図6では、15
mm/Hrの降雨量は0.4の適合度で「小さい」とい
え、0.6 の適合度で中くらいである。適合度は0〜1
の値をとり、値が大きければ大きいほど適合度が大きい
ことになる。ファジィ数による定性推論ではこのように
複数の値をとることができる(この場合では、「小さ
い」、「中くらい」の2つ)。
【0019】以上のようにファジィ数に変換された入力
データは、ファジィ推論32で推論する。32では、推
論結果として流入量が、「減少」「一定」「増加」のよ
うに変化量で予測する。(本例では、「減少」「一定」
「増加」の3値のみであるが、「やや増加」「やや減
少」のように変化量をよりきめ細かくとらえることもで
きる。ファジィ推論では、図9に例示したように、
{(降雨量が中程度)AND(降雨変化量が増加)}O
R{(水位が高い)}THEN(流入量は増加)のよう
なルールの集合に対して、ファジィ数化された入力値の
適合度を用いて演算を実行する。ここでは、同一の入力
データであっても先述のように、複数の値を持つことが
できるため、複数のルールに対して演算が進められるこ
とがある。
【0020】1ルールの演算は以下のようにして行われ
る。図9のルールにおいて、(降雨量が中程度)の適合
度が0.6、(降雨変化量が増加)の適合度が0.5であ
った場合は、両者のAND条件(これをAとする)の適
合度はファジィ集合の演算法に則って、0.5となる
(両者の適合度の低い方をとる)。さらに(水位が高
い)の適合度が0.2 であるとすると、AとのOR条件
は、ファジィ集合の演算法によって(両者の適合度の高
い方をとる)、0.5 となる。よって、本ルールでは、
(流入量は増加)の適合度が0.5 である。
【0021】このような演算を、入力値の適合度が非ゼ
ロの全ルールに対して実行する。実行の結果、通常複数
のファジィ数に対して非ゼロの適合度が与えられること
になる。流入量予測演算部の次の処理である非ファジィ
化処理33では、これらの複数のファジィ数に対して非
ファジィ化処理を施し、予測流入変化量を算出する。図
10を用いて非ファジィ化処理を説明する。図10は、
予測流入変化量のメンバーシップ関数の一例である。本
ケースでは、ファジィ推論32の結果、予測流入変化量
が「一定」の適合度が0.3、「増加」の適合度が0.5
である。したがって、予測流入量の変化量は「0.3の
適合度で一定で、0.5の適合度で増加する」となり、
図10のアミカケ部分が、これを表わすメンバーシップ
関数である。非ファジィ化処理は、ファジィ制御で一般
に用いられる重心法等の、非ファジィ化処理を用いる。
重心法を用いた場合は、図10中のアミカケ部分の重心
をとって45m3が得られた予測流入変化量となる。
【0022】以下、現在の実績流入量に予測流入変化量
を加え、予測流入量が算出される。図4はポンプ台数制
御部116の構成を示したものである。ポンプ台数制御
部116は操作案生成部41,予測演算部42,定性評
価部43,制御出力部44,評価結果記憶メモリ45よ
り構成される。
【0023】操作案生成部41は、複数台のポンプの全
ての運転組合せを生成し、一つづつ組合せを予測演算部
42に出力する。運転組合せは、固定能力(ON/OF
F)のポンプが5台あるならば、2の5乗(25)個=3
2個、6台あれば64個あり、これらの全てを生成す
る。仮りに5台のポンプの内1台が可変能力のポンプで
あるとすると、可変ポンプは能力の60〜100%の範
囲を設定できることより、1%単位で切替ると組合せ数
は、42×2×2×2×2=672個となる。
【0024】可変能力ポンプの運転切替量により、ポン
プ台数が増えてくると組合せ数は爆発的に増える可能性
を持つ。このため、可変ポンプの運転切替量の最低単位
n%を任意設定てきる機構とし、更に、y=f(x),
y:運転切替量で表される関数fの定義を可能とした。
【0025】例えば、関数fがf(x)=x2 x:整数
で表され、n=2であるとし、可変ポンプの現在状態
が70%の能力で運転中であるとすると、操作案は、x
を0からn毎変化させyの値を加算、減算させてやる
と、 0(60以下はOFF),66,70,74,86,1
00% ex) 66=70−(2)2、86=70+(4)2 と数を限定できる。
【0026】また、ポンプの特性として、運転停止後の
一定時間は再起動禁止とする必要のあるポンプには、停
止後タイマを動作させ、タイマ値が0以外の場合は、運
転対象としない手続き、運転起動直後は、ポンプの運転
効果待ち時間として、一定時間は停止対象としない手続
きを持たせた。
【0027】予測演算部42は、図11に示した構成を
とる。ポンプ1台毎に演算部421を持ち、演算部42
1は、揚程演算部4211,吐出量演算部4212,累
積運転時間演算部4214,運転切替量演算部421
6,所要電力量差演算部4217より構成され、該当ポンプ
吐出量,累積運転時間,運転切替量,所要電力量差を出
力する。
【0028】揚程演算部4211は、河川水位、該当ポ
ンプ井水位を入力とし、 (全揚程)=(河川水位)−(ポンプ井水位)+(管路
損失) を演算し、揚程を出力する。図12にポンプ吐出量と揚
程について示した。
【0029】吐出量演算部4212では、揚程演算部4
211からの全揚程値と、操作案生成部41からの自ポ
ンプの操作案を入力とし、ポンプ運転特性記憶メモリ42
13に基づき、吐出量を演算する。ポンプ運転特性記憶メ
モリ4213は図12に示す吐出量(Q)と揚程(H)
の関係を記憶した記憶媒体である。図12に示す、実揚
程は上記揚程演算部4211で求めた揚程が相当し、実
揚程が変化することにより、全損失曲線が上下に平行移
動する。実際の吐出量(Q’)は、全揚程・吐出量曲線
と全損失曲線の交点により運転点が決定され、その運転
点より、垂線を下ろしたQ軸との交点により決定され
る。可変能力ポンプの場合は、図13に示すように、揚
程・吐出量曲線が運転比率(%)により、相似形で縮小
されるが吐出量の演算は同じである。
【0030】累積運転時間演算部4214では、前回ま
での累積運転時間を記憶した累積運転時間記憶メモリ4
215を参照した値に、操作案生成部41からの操作案
が運転を指示したものであれば、制御周期時間分を加算
した値を、停止を指示したものであればメモリ4215
からの参照値を出力する。
【0031】(運転時の累積運転時間)=(前回迄の累
積運転時間)+(制御周期:Δt) (停止時の累積運転時間)=(前回迄の累積運転時間) 運転切替量演算部4216では、操作案生成部41から
の操作案と、現在の自ポンプ運転状態との差を求め出力
する。
【0032】(運転切替量)=(操作案生成部41から
の操作案)−(現在状態) 所要電力量差演算部4217では、運転切替量演算部4
216の出力より、使用電力の増減を演算し、出力す
る。
【0033】これらの演算は、ポンプ台数分行なわれ
る。
【0034】ポンプ井水位予測演算部422では、各ポ
ンプの吐出量の総和を求め、流入予測量との差を計算
し、現在ポンプ井水位と流入吐出量の差とにより、ポン
プ井水位・貯留量対応表427より、水位を予測し、水
位予測値を出力する。
【0035】 (差分容積)=(流入量)−(Σ(ポンプ吐出量)) (現在水位による貯留量)−(差分容積)の値により、
対応表検索する。
【0036】運転切替量・台数演算部424では、可変
能力ポンプと固定能力ポンプを分けて、可変能力ポンプ
の切替量の絶対値の和を求め、可変能力ポンプ運転切替
量予測値として出力する。固定能力ポンプは、運転の切
り替わった(OFF−>ON,ON−>OFF)台数を
計数し、固定能力ポンプ運転切替台数予測値として出力
する。
【0037】所要電力量差和演算部425では、所要電
力量差の総和を求め、所要電力量予測値として出力す
る。
【0038】固定能力ポンプ運転時間分散演算部426
では、各ポンプの累積運転時間の平均値を求め、分散を
演算し運転時間分散として出力する。
【0039】定性評価部43の構成を図5に示す。定性
評価部43は、予測演算部42からの水位予測値,可変
能力ポンプ運転切替量予測値,固定能力ポンプ運転切替
台数予測値,所要電力量予測値、運転時間分散を入力と
し、入力の定性的評価を行ない総合評価値を出力する。
【0040】水位偏差評価51は、水位の予測値を入力
として、目標水位と水位予測値の差分としての水位偏差
を求め、水位偏差を評価関数記憶メモリ45から読みだ
した、予め先験的知識により決定しておいた図14に示
すメンバーシップ関数としての水位評価関数により、水
位評価としての適合度を計算し出力する。
【0041】同様に、可変能力ポンプ運転切替量評価5
2では、可変能力ポンプ運転切替量予測値を入力して、
評価適合度を出力、固定能力ポンプ運転切替台数評価5
3は、固定能力ポンプ運転切替台数を入力して、評価適
合度を出力、所要電力差評価54は、所要電力差予測値
を入力して、評価適合度を出力、運転時間分散評価55
は、運転時間分散を入力して分散の評価適合度を出力す
る。これらの5個の評価適合度(それぞれをax1〜a
5とする)に予め、先験的知識により決定したゲイン
の記憶されたゲイン記憶メモリ58から読みだしたそれ
ぞれの評価尺度に対するゲイン(荷重、それぞれw1
5とする)により、荷重平均値、すなわち(ax1・w
1)+(ax2・w2)〜+(ax5・w5)を計算し、総
合評価点とする。上記により計算した荷重平均値が評価
結果記憶メモリ59に記憶された値よりも大きい場合、
評価結果記憶メモリ59に、そのときの設備運転組合せ
と荷重平均値を記憶する。
【0042】予測演算部42と定性評価部43からなる
処理は、操作案が無くなるまで繰返し実行する。
【0043】繰返し実行が終了した時点で、評価結果記
憶メモリ59に記憶されている運転組合せは、複数の評
価項目を同時に満足しえたものとなっている。これを制
御出力部44でポンプに対して出力すると同時に、評価
結果記憶メモリ59を初期化する。
【0044】これらの処理を予め設定された制御周期で
繰返し実行する。
【0045】図14には、ポンプ運転組合せを制御出力
したと想定した場合、制御状態がどのようになるか予測
し、予測される結果を評価する、本発明の特徴の一つで
あるメンバーシップ関数の例を示す。
【0046】水位偏差評価メンバーシップ関数は、目標
水位から±1.0m の範囲が評価が高くなっており、制
御範囲であることを示している。また、±1.0m の範
囲を外れると評価が悪くなり、±3.0m を外れると評
価できない非常に悪い状態であることが示されている。
【0047】運転時間分散評価メンバーシップ関数は、
分散が0の場合最も評価が高い状態を示し、分散値が大
きくなるにつれ評価が小さくなっている。分散が0と
は、固定能力ポンプの運転時間が全て等しいことを示
し、運転時間が平準化されていることを示す。
【0048】固定能力ポンプ運転切替台数評価メンバー
シップ関数は、1台も運転切替(OFF−>ON,ON
−>OFF)が無い場合に評価が最も高く、運転台数を
増やすことも、停止することも同等に評価が下がってい
る。これは、起動することも、停止することにもペナル
ティを与え、できる限り運転操作切替を行なわないよう
にしたいことを示している。
【0049】可変能力ポンプ運転切替量評価メンバーシ
ップ関数は、運転切替量の絶対値の和を評価することよ
り、運転量を切替ない方が評価が高く、操作量を替えな
いことが良いとしていることを示している。
【0050】所要電力量評価メンバーシップ関数は、運
転量を減らせば電力は減り、運転量を増やせば電力は増
えることを率直に評価することを示している。
【0051】本実施例では、分流式下水道における雨水
排水のためのポンプ台数制御について説明したものであ
るが、合流式下水道においても同様の考え方で適用可能
である。本発明を、合流式下水道に適用する場合には、
予測流入量22に、日汚水流入パターンに基づく汚水流
入量を加算し、以下に続く処理を実行することで可能で
ある。
【0052】日汚水流入パターンは、雨水と違い、一定
の傾向があるため晴天時の日汚水変動パターンをあらか
じめ統計処理することによって得ることができる。
【0053】
【発明の効果】制御系を、定性推論にてモデリングし、
前記モデルの予測にもとづき、メンバーシップ関数によ
って表現された定性的な評価尺度によって評価すること
によって、数学的に厳密なモデルの作成の困難な系に対
しても予測制御が適用でき、雨水排水ポンプ場にみられ
るように、急激な制御対象の変化にたいしても遅れなく
追従することができるといった効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定性推論予測制御方法を適用した雨水
排水システムの概要。
【図2】雨水流入量予測システムの構成。
【図3】定性推論部の実施例である流入量予測演算部の
構成。
【図4】ファジィ制御手段の構成。
【図5】定性評価値算出部の雨水排水システムにおける
実施例。
【図6】降雨量のメンバーシップ関数。
【図7】管渠水位のメンバーシップ関数。
【図8】降雨変化量のメンバーシップ関数。
【図9】定性推論の例。
【図10】定性推論による予測モデルの推論例。
【図11】予測演算手段の構成。
【図12】ポンプ運転特性と運転点の算出。
【図13】回転数制御ポンプ運転特性。
【図14】定性評価用メンバーシップ関数例。
【図15】定性推論予測制御システムの全体構成。
【符号の説明】
22…雨水流入予測部の出力となる予測流入量、23…
管渠水位の演算部、24…実降雨量の演算部、26…上
記の計測データの記憶メモリ、29…流入量の予測演算
部、31…ファジィ化処理、32…ファジィ推論、33
…非ファジィ化処理、41…操作案生成部、42…予測
演算部、43…定性評価部、44…制御出力部、45…
評価結果記憶メモリ、51…水位偏差評価部、52…可
変能力ポンプ運転切替量評価部、53…固定能力ポンプ
運転切替台数評価部、54…所要電力量差評価部、55
…運転時間分散評価部、56…総合評価部、57…評価
関数メモリー、58…ゲイン記憶メモリー、59…評価
結果メモリー、421…ポンプ性能の演算部、4211
…揚程演算部、4212…吐出量演算部、4213…ポンプ
1運転特性記憶メモリ、4214…ポンプの累積運転時
間演算部、4215…ポンプの累積運転時間記憶メモリ、4
216…運転切替量演算、4217…所要電力量差演算
部、427…管渠水位−容積特性記憶メモリ、422…
ポンプ井水位予測演算、424…運転切替量台数演算、
425…所要電力量差和演算、426…固定能力ポンプ運
転時間分散演算、1501…定性推論予測モデル、15
02…定性評価値算出、1503…制御方案集合、15
04…最適制御方案の選択、1505…制御対象プロセ
ス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 依田 幹雄 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 鬼澤 均 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コントローラ内部に制御対象のモデルを有
    し、制御周期毎にモデルに基づき最適な操作出力を選択
    していく予測制御方法において、制御対象のモデルを定
    性的な推論に基づいて表現されたモデルとし、今制御周
    期でとりうる制御出力全ケースについて、上記定性的な
    モデルによって制御結果を予測し、予測結果を、各評価
    項目の評価点が、制御結果に対する定性的な満足度とし
    てメンバーシップ関数で与えられ、総合評価点は、各評
    価項目の満足度の重み付き総合点で表される定性評価機
    能にて評価し、総合評価点が最大の制御出力を今制御周
    期の制御出力として選択し、出力してゆくことに特徴を
    有する定性推論予測制御方法。
  2. 【請求項2】特許請求範囲の項1の定性的な予測モデル
    において、制御対象からの計測値をメンバーシップ関数
    によってファジィ数化して、さらにファジィ数化された
    計測値のファジィ論理演算にて予測結果をファジィ数と
    して求め、上記予測結果を非ファジィ化処理することに
    よって、予測値を算出するところに特徴を有する定性推
    論予測制御方法。
  3. 【請求項3】雨水排水ポンプ所におけるポンプ運転台数
    制御方法において、排水区域内に設置された雨量計また
    は、レーダー雨量計からの降雨量計測値をもとに、管渠
    (かんきょ)・ポンプ井への汚水、雨水流入量を定性的
    な推論方法によって予測する流入量予測手段と、予測流
    入量と現在のポンプ井水位計測値、ポンプ運転状態、河
    川水位計測値を入力とし、複数のポンプ運転組合せ案の
    一つ一つに対して、制御出力した場合の将来状態を予測
    し、ポンプ井水位、ポンプ運転時間のバラツキ、ポンプ
    運転能力切替量、所要電力量などの複数の評価項目を、
    先験的な情報により評価し、評価の最も良い運転組合せ
    を制御出力と決定する運転台数決定手段を備えたことを
    特徴とする、最適ポンプ運転台数制御方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲請求項3において、ポンプ
    運転組合せを生成する運転案生成手段、予測流入量、現
    在の河川及びポンプ井水位、各々のポンプ運転状態に基
    づき、ポンプ運転案の一つ一つに対して、運転案を制御
    出力した場合、ポンプ井水位が一定時間後にどのように
    変化するか、同様にポンプ運転時間のバラツキ状況、ポ
    ンプ運転切替量,所要電力量を予測し、先験的知識によ
    り予め決定しておいたメンバーシップ関数により、ファ
    ジィ量(適合度)として評価し、水位の評価値、運転時
    間のバラツキ具合の評価値、運転切替量の評価値、所要
    電力量の評価値を予め先験的な知識により決定しておい
    た荷重値により、荷重平均を求め、荷重平均値が最大と
    なる運転組合せを、今回の制御出力として採用する最適
    ポンプ運転台数決定方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲請求項3において、計測値
    として得られる降雨情報,管渠,ポンプ井,流入渠等の
    水位情報、実績の流入量と、これらの計測値の時系列デ
    ータを入力情報として、これら入力情報をファジィ数化
    する処理、および前記ファジィ数と、ファジィ数化され
    た流入量の変化量との間の因果関係を、ファジィ集合論
    の意味でのAND,ORの論理演算の階層構造で表現し
    た定性推論部と、上記定性推論の結果より得られた流入
    量の変化量を非ファジィ化し、予測流入量を算出する処
    理とを有することを特徴とする流入量予測方法。
JP10953192A 1992-04-28 1992-04-28 定性推論予測制御方法 Pending JPH05303406A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10953192A JPH05303406A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 定性推論予測制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10953192A JPH05303406A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 定性推論予測制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05303406A true JPH05303406A (ja) 1993-11-16

Family

ID=14512620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10953192A Pending JPH05303406A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 定性推論予測制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05303406A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015037165A1 (ja) * 2013-09-12 2015-03-19 日本電気株式会社 情報処理装置、予測制御方法及び記録媒体
KR20150138257A (ko) * 2013-03-19 2015-12-09 매시브 애널리틱 리미티드 셀프-드라이빙 또는 부분적 셀프-드라이빙인 지상 차량을 제어하기 위한 장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150138257A (ko) * 2013-03-19 2015-12-09 매시브 애널리틱 리미티드 셀프-드라이빙 또는 부분적 셀프-드라이빙인 지상 차량을 제어하기 위한 장치
JP2016520464A (ja) * 2013-03-19 2016-07-14 マッシブ・アナリティック・リミテッド 自己運転または部分的に自己運転する陸上車両を制御するための装置
WO2015037165A1 (ja) * 2013-09-12 2015-03-19 日本電気株式会社 情報処理装置、予測制御方法及び記録媒体
US10048658B2 (en) 2013-09-12 2018-08-14 Nec Corporation Information processing device, predictive control method, and recording medium

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5265222A (en) Symbolization apparatus and process control system and control support system using the same apparatus
CN1312629C (zh) 城市排水系统不确定水力学模型建模方法
Farag et al. A genetic-based neuro-fuzzy approach for modeling and control of dynamical systems
CN114792071B (zh) 基于机器学习技术的排水泵站优化调度方法
CN113190945B (zh) 基于在线代理模型辅助进化算法的城市排水管网优化方法
CN106200381A (zh) 一种根据处理水量分阶段控制水厂运行的方法
JPH05313705A (ja) プロセス制御方法および装置
JPH05303406A (ja) 定性推論予測制御方法
US4178132A (en) Method and device for controlling the number of pumps to be operated
JP3412274B2 (ja) 雨水排水ポンプ所制御システム
JPH05265513A (ja) 排水ポンプ所のポンプ運転台数制御方法および装置
JPH06102911A (ja) 排水ポンプ所における流入水量予測方法および装置
JPH0968170A (ja) 下水処理場の汚水ポンプ制御装置
Cordón et al. A practical study on the implementation of fuzzy logic controllers
JPH07259744A (ja) ポンプ運転台数制御装置および制御方法
JPH05303407A (ja) 排水ポンプ所のポンプ運転台数制御方法および装置
JP2003239372A (ja) 排水ポンプ運転支援装置および排水ポンプ制御装置
JPH01175613A (ja) ポンプ制御装置
JPH06129361A (ja) 排水ポンプ所のポンプ運転台数制御装置および方法
Tan et al. Modelling and control of sewer flow for reduced cost operation of a sewage pumping station
JPH09204218A (ja) プラント監視装置
JPH07117046B2 (ja) ポンプ制御装置
JP3237274B2 (ja) 雨水ポンプ制御方法
JPS6323391B2 (ja)
JPH01163482A (ja) ポンプ運転制御装置