JP2001353465A - 配向剤塗布方法および塗布装置 - Google Patents

配向剤塗布方法および塗布装置

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JP2001353465A JP2000178549A JP2000178549A JP2001353465A JP 2001353465 A JP2001353465 A JP 2001353465A JP 2000178549 A JP2000178549 A JP 2000178549A JP 2000178549 A JP2000178549 A JP 2000178549A JP 2001353465 A JP2001353465 A JP 2001353465A
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一裕 粂井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配向剤を均一に塗布できる簡単な構成の配向剤
塗布装置を提供する。 【解決手段】配向剤塗布装置は、液晶光学素子の基板1
2が載置されるベース14と、配向剤を塗布するための
塗布部材16と、一対のストッパ32とを備えている。
ストッパ32は、これに塗布部材16が所定の圧力で押
圧された際に、塗布部材16と基板表面の間に所望の接
触状態が与えられる高さを有している。ストッパ32の
位置は基板12の大きさに応じて任意に変更できる。ス
トッパ32は基板12の厚みに応じて適切な高さのもの
に交換できる。塗布部材16は、スキージ20と、これ
を保持するスキージホルダー22と、これらを覆う配向
剤保持シート18とを有している。スキージ20は必要
以上に塗布された配向剤をならす。配向剤保持シート1
8は、例えば不織布で、配向剤を均一に保持する。塗布
部材16は上下方向と水平方向に移動可能に支持されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶光学素子の基
板の表面に配向剤を塗布する配向剤塗布方法および塗布
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶光学素子の基板の表面に配向剤を塗
布する配向剤塗布装置として、例えば液晶ディスプレイ
製造装置実用便覧192頁〜199頁「液晶配向膜塗布
装置」に示されている。図11は従来の液晶光学素子の
配向膜塗布装置の主要部の構成を示している。
【0003】この配向膜塗布装置は、図11に示される
ように、ガラス基板を固定する塗布テーブルと、印刷凸
版(パターン)を有する刷版を保持する版胴と、多数の凹
状のセルが設けられているアニロックスロールと、アニ
ロックスロールと所定のギャップを有して配置されるド
クターロールと、前記ドクターロールと前記アニロック
スロールの間に塗布液を滴下するディスペンサとを備え
ている。
【0004】この装置では、塗布液の塗布方法は輪転印
刷方式が用いられている。すなわち、ディスペンサから
回転している前記ドクターロールと前記アニロックスロ
ールの間に滴下された塗布液は、前記ドクターロールと
前記アニロックスロール間で練られて前記アニロックス
ロール上に常時薄膜となって保持され、前記アニロック
スロールから版胴上の刷版に転移保持され、塗布テーブ
ル上に固定されたガラス基板が版胴直下を通過する時
に、刷版からガラス基板上に転写塗布される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】配向膜の印刷における
重要な点は、所望の膜厚にいかにあわせるか、ばらつき
をいかに少なくするかという点である。従来技術におい
て塗布液を一定にした場合、印刷膜厚やばらつきは以下
の調整結果に依存する。すなわち、ドクターロールの面
精度と均一性、アニロックスロールのセル形状や深さお
よびピッチ、刷版のセル形状や高さおよびピッチ、各ロ
ール間のギャップ(ドクターロールとアニロックスロー
ル、アニロックスロールと刷版、刷版とガラス基板)、
各ロールの直径、ロールの相対速度などである。このよ
うに調整項目は非常に多く、調整やメンテナンスに手間
がかかる。
【0006】また、この装置は非常に大型であり、大型
の基板を処理対象としており、小型の基板に対する配向
剤の塗布には適していない。
【0007】本発明は、このような現状を考慮して成さ
れたものであり、その目的は、調整項目が少なく簡易的
に配向剤の均一塗布を実現できる方法および装置を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による配向剤塗布
方法は、配向剤を保持した配向剤保持部により表面を覆
われた塗布部材を、前記基板表面と前記塗布部材とを所
望の接触状態に保持したまま、前記基板に対して少なく
とも一方向に相対的に移動させることにより、前記基板
表面に前記配向剤を塗布する。
【0009】より好ましい配向剤塗布方法は、前記基板
表面と前記塗布部材とを所望の接触状態に保持した最初
の位置から、前記塗布部材を、前記基板の一方の端部近
くまで移動させた後、前記基板の反対側の端部近くまで
移動させる。
【0010】本発明による配向剤塗布装置は、液晶光学
素子の基板を保持する基板保持部材と、配向剤を保持す
る配向剤保持部により表面を覆われた塗布部材と、前記
塗布部材と前記基板表面との間に所望の接触状態を与え
る接触調整部材とを備えている。
【0011】
【発明の実施の形態】[第一の実施の形態]第一の実施
の形態の配向剤塗布装置について、図1〜図6を参照し
ながら説明する。
【0012】図1(A)と図1(B)はそれぞれ第一の実施
の形態の配向剤塗布装置の正面図と側断面図であり、配
向剤の塗布工程の開始前の状態すなわち装置に基板がセ
ットされた直後の状態を示している。
【0013】図1に示されるように、配向剤塗布装置
は、液晶光学素子の基板12が載置されるベース14
と、配向剤を塗布するための塗布部材16と、基板12
と塗布部材16とを所望の接触状態に保持するための一
対のストッパ32とを備えている。
【0014】ベース14は、例えば金属材料からなり、
基板12が設置される領域の内部に形成された穴(図示
せず)を有している。穴の個数は1個でも複数個でもよ
い。穴はチューブ48を介して空圧機器50に連結され
ている。空圧機器50は、空圧制御部(図示せず)によっ
て空圧が制御され、チューブ48を介して基板12をベ
ース14に真空吸着することにより、基板12をベース
14に適宜固定させる。
【0015】一対のストッパ32は共に、磁性材料、例
えば永久磁石からなり、一定の幅と高さを有し、その長
さは基板12よりも長い。一対のストッパ32は、基板
12の間隔より広い間隔をおいてベース14に固定さ
れ、両者の間に基板12が載置される。また、ストッパ
32は、後述するように、塗布部材16がストッパ32
に所定の圧力で押圧された際に、塗布部材16と基板表
面の間に所望の接触状態が与えられる高さを有してい
る。つまり、本実施の形態では、ストッパ32が、塗布
部材16と基板表面との間に所望の接触状態を与える接
触調整部材を構成している。
【0016】ストッパ32は、磁力によってベース14
に固定されるため、その位置は基板12の大きさに応じ
て任意に変更できる。また、ストッパ32は、基板12
の厚みに応じて、適切な高さのものに容易に交換でき
る。これにより、様々な大きさや厚みの基板12に対し
ても、塗布部材16の適切な接触状態を提供できる。
【0017】塗布部材16は、スキージ20と、これを
保持するスキージホルダー22とを備えている。本明細
書において、「スキージ」という用語は、表面の液(配向
剤)をならすための部材を言い、好ましくはゴム等の弾
性材で作られる。スキージ20は、その弾性変形により
基板12の凹凸を吸収し、所定の厚み以上に塗布された
配向剤をならす。
【0018】スキージ20は、2つのストッパ32の設
置間隔よりも大きい幅を有している。また、スキージ2
0は、ほぼ正方形の断面形状を有する形状つまり角柱形
状をしており、そのエッジが下側を向くように、スキー
ジホルダー22に保持されている。
【0019】塗布部材16は、広義には、スキージ20
とスキージホルダー22に取り付けられる配向剤保持シ
ート18をも含んでいる。配向剤保持シート18は、ス
キージ20とスキージホルダー22を覆うように取り付
けられ、必要に応じて適宜交換される。
【0020】配向剤保持シート18は、配向剤を均一に
保持する働きをし、例えば不織布であり、好ましくは、
ケバ立ちがなくクラス100のクリーンルームに対応
し、かつ配向剤の吸収・保液性を有する不織布であり、
例えばベンコットリントフリー(商品名)が好適に用いら
れる。
【0021】塗布部材16は、上下方向と水平方向に移
動可能に支持されている。このため、塗布装置は、塗布
部材16を上下に移動させる上下移動機構と、塗布部材
16を上下移動機構と共に水平に移動させる水平移動機
構とを有している。
【0022】上下移動機構は、スキージホルダー22に
取り付けられた2本の平行なシリンダーシャフト28
と、シリンダーシャフト28を案内するシャフトホルダ
ー26と、スキージホルダー22を上下に移動させるた
めのシリンダー24と、シャフトホルダー26およびシ
リンダー24を支持するシリンダーステージ42とを備
えている。
【0023】シリンダー24は、往復移動可能なシリン
ダーシャフト46を備えており、シリンダーシャフト4
6はスキージホルダー22に連結されている。これによ
り、スキージホルダー22は、シリンダー24によるシ
リンダーシャフト46の往復移動に従って上下に移動さ
れる。
【0024】シリンダーシャフト46の移動およびその
駆動力は、シリンダー制御部(図示せず)によって制御さ
れる。これにより、塗布部材16は、ストッパ32に所
望の力で押圧され得る。
【0025】水平移動機構は、ベース14に立てられた
4本の柱38と、4本の柱38の二本ずつによって支持
される2つのスライダーステージ40と、2つのスライ
ダーステージ40にそれぞれ設けられた2本の平行なス
ライダー30と、2本のスライダー30の上をそれぞれ
往復移動可能な2つのスライドテーブル44であって、
シリンダーステージ42を支持する2つのスライドテー
ブル44を備えている。
【0026】スライダー30は、スライドテーブル44
に駆動力を与えてこれを移動させる。その移動の方向お
よび速度は、スライダー制御部(図示せず)によって制御
される。これにより、塗布部材16が任意の速度で水平
方向に移動され得る。これにより、印刷条件のひとつで
あるスキージ20の印刷速度を制御できる。
【0027】スライドテーブル44の可動範囲は、基板
12の長さよりも長く設定されている。スライドテーブ
ル44の速度や移動量等は、スライダー制御部(図示せ
ず)によって制御される。
【0028】従って、上下移動機構と水平移動機構の組
み合わせにより、塗布部材16は、ストッパ32に所望
の力で押圧されたまま、基板12の表面に平行に移動さ
れ得る。
【0029】配向剤塗布装置は、さらに、塗布部材16
に配向剤を供給するためのディスペンサ34を備えてい
る。ディスペンサ34は、配向剤を吐出するための3本
のニードル36を有している。ディスペンサ34は、デ
ィスペンサ制御部(図示せず)によって制御され、ニード
ル36の先端から適量の配向剤を吐出する。
【0030】ディスペンサ34は、基板12が載置され
る領域に干渉しない位置に配置されており、ニードル3
6の先端は塗布部材16の移動範囲内に位置している。
【0031】続いて、配向剤塗布方法について図1〜図
6を用いて説明する。
【0032】図1に示されるように、塗布工程の開始に
先立ち、まず、配向剤を塗布すべき基板12をベース1
4の上に載置し、空圧機器50により真空吸着して基板
12をベース14に固定する。
【0033】工程1(図2).水平移動機構(スライダー
30)により塗布部材16をニードル36の上方に配置
した後、上下移動機構(シリンダー24)により塗布部材
16を下降させ、その表面を覆っている配向剤保持シー
ト18をニードル36の先端に接触させ、ディスペンサ
34のニードル36から配向剤を吐出させ、適量の配向
剤を配向剤保持シート18に供給する。
【0034】工程2(図3).シリンダー24により塗布
部材16を上昇させた後、スライダー30により塗布部
材16を基板12の上方に移動させ、シリンダー24に
より塗布部材16を下降させ、塗布部材16をストッパ
32に対して所定の力で押圧させ、塗布部材16と基板
12を所望の接触状態に保持する。これにより、配向剤
保持シート18に保持された配向剤は基板12の表面に
接触する。
【0035】配向剤保持シート18と基板12の接触位
置は、大きく見れば基板12の一方の端部(例えば右側
の端部)の近くであるが、少なくとも配向剤保持シート
18と基板12が接触した際に広がる配向剤が端部まで
には達しない距離だけは離れている。
【0036】工程3(図4).ストッパ32に対する塗布
部材16の押圧力を一定に保ちながら、塗布部材16を
基板12の右側の端部に向けて(すなわち図4(B)の右
方向に)、端部の近くまで水平移動させる。
【0037】工程4(図5).続いて、ストッパ32に対
する塗布部材16の押圧力を一定に保ちながら、塗布部
材16を今度は反対に基板12の反対側の端部に向けて
(すなわち逆方向つまり図5(B)の左方向に)水平移動さ
せる。
【0038】工程5(図6).塗布部材16が基板12の
反対側の端部(すなわち左側の端部)の近くまで達した
ら、塗布部材16の水平移動を停止させる。
【0039】上述した工程1〜工程5の一連の作業によ
って、基板12の表面に配向剤が塗布される。
【0040】その後は、シリンダー24により塗布部材
16を上昇させた後、スライダー30により塗布部材1
6を右方向に移動させて、塗布部材16を図1に示され
る最初の位置に戻す。さらに、空圧機器50による真空
吸着を停止させ、基板12の固定を解除して、基板12
をベース14から取り出せるようにする。
【0041】これまでの説明から分かるように、配向剤
を含んだ配向剤保持シート18は、基板12の端部の側
面に触れることがない。従って、基板12の側面への配
向剤のだれが生じない。また、塗布される配向剤の膜厚
は、ストッパに対する塗布部材16の押圧力や塗布部材
16の水平移動の速度を調整することによって、制御す
ることができる。従って、調整項目が少なくかつ簡単な
構造で簡易的に配向剤を基板表面に均一に塗布できる。
【0042】さらに、上述した配向剤の塗布方法では、
配向剤を含んだ配向剤保持シート18を基板12の表面
に、配向剤を塗布すべき領域の内側で接触させた後、塗
布部材16を近い側の端部まで一旦移動させた後、続け
て反対側の端部まで移動させている。この工程により、
塗布むらが発生しやすい塗布開始位置の前後において
も、配向剤が基板表面に均一に塗布される。その理由
は、以下のように考えられる。
【0043】一般に、スキージ20を用いた液体の塗布
では、塗布開始位置の前後で塗布むらが発生しやすい。
これは、配向剤と基板との界面張力のために、塗布開始
位置において、スキージ20の前後に配向剤が所定の厚
み以上にぬれひろがってしまい、スキージ20の一方向
だけの移動では塗布開始位置の余分な配向剤が十分に引
き延ばされないためである考えられる。
【0044】本実施の形態では、スキージ20は塗布開
始位置から一方向に移動された後に反対方向に移動され
て再び塗布開始位置を横切るので、塗布開始位置におい
て所定の厚み以上にぬれひろがった余分な配向剤が、配
向剤保持シート18によって除去され、またスキージ2
0によって十分に引き延ばされるためと類推される。
【0045】本発明の実施の形態の各構成は、当然、各
種の変形や変更が可能である。
【0046】例えば、ディスペンサ34のニードル36
の数は、3つであったが、この数はこれに限定されるも
のではなく、任意に変更可能である。
【0047】また、スキージ20は、断面がほぼ正方形
の角柱形状をしているが、スキージ20の形状はこれに
限定されるものではなく、様々な形状に変更可能であ
る。
【0048】図7は塗布部材16の第一の変形例を示し
ている。本変形例では、スキージ20は、平型のスキー
ジであり、平板状の形状を有している。スキージホルダ
ー22は、スキージ20のエッジが基板12の表面に接
触するように、シリンダー24のシリンダーシャフト4
6に傾斜して取り付けられている。
【0049】図8は塗布部材16の第二の変形例を示し
ている。本変形例では、スキージ20は、I型スキージ
であり、ハイフンを印字するスタンプとほぼ同じ形状を
有している。つまり、スキージ20は、断面が長方形の
角柱形状部と、その一側面の中央に延びる幅の狭い一定
の幅の突出部とを有している。
【0050】さらに、塗布方法は以下のように変更され
てもよい。
【0051】配向剤の塗布開始位置については、図2に
示される工程1の後、塗布部材16の配向剤保持シート
18を、基板12の一方の端部よりわずかに内側の位置
(すなわち塗布すべき領域の端)で基板12の表面に接触
させ、塗布部材16を基板12の他方の端部に向けて一
方向のみに移動させることにより、配向剤の塗布を行な
ってもよい。この方法では、塗布開始位置に塗りむらが
生じやすいが、この部分が実際に使用される領域の外に
位置している分には何等問題は生じない。
【0052】また、配向剤塗布動作は、1回に限定され
るものでなく、適当な回数、繰り返されてもよい。つま
り、図6の工程5に続いて、工程3(図4)から工程5
(図6)を逆行する工程、すなわち塗布部材16を右方向
へ移動させる工程を追加してもよい。さらに、塗布部材
16を左右方向に移動させる作業は、適当な回数繰り返
されてもよい。
【0053】[第二の実施の形態]第二の実施の形態の
配向剤塗布装置について図9を参照しながら説明する。
本実施の形態の装置は第一の実施の形態の装置と類似し
ている。図9において、第一の実施の形態の部材と同じ
参照符号で示された部材は同等の部材であり、その詳し
い説明は記載の重複を避けるために省略する。以下で
は、相違する構成に重点をおいて説明する。
【0054】本実施の形態の配向剤塗布装置は、図9に
示されるように、第一の実施の形態のシリンダー24の
代わりに、両ロッド型のシリンダー52と、シリンダー
52のシリンダーシャフト54に取り付けられたストッ
パ56とを備えている。また、本実施形態の装置は、第
一の実施の形態の装置とは異なり、ストッパ32を備え
ていない。
【0055】シリンダー52は、上下に突出したシリン
ダーシャフト54を有している。シリンダーシャフト5
4はシリンダー52により上下方向に移動され得る。
【0056】シリンダーシャフト54の下端はスキージ
ホルダー22に連結されている。シリンダーシャフト5
4の上方に突出した部分には、軸方向に精密なねじ山と
目盛りが形成されている。ねじ山と目盛りは等しいピッ
チを有している。
【0057】ストッパ56は、ほぼ円柱形状の金属材料
からなり、軸方向にめねじを有する貫通穴が形成されて
いる。また、外周に沿って100分割される精密な目盛
りが形成されている。
【0058】このようなシリンダーシャフト54とスト
ッパ56の組み合わせは、マイクロメータヘッドとして
機能する。従って、ストッパ56を回転させてシリンダ
ーシャフト54に対するストッパ56の位置を調整する
ことにより、シリンダーシャフト54の軸方向の移動量
の測定と停止位置の制御が行える。これにより、塗布部
材16が取り得る最下位置の調整を行える。
【0059】つまり、本実施の形態では、シリンダーシ
ャフト54とストッパ56が、塗布部材16と基板表面
との間に所望の接触状態を与える接触調整部材を構成し
ている。
【0060】本実施の形態では、基板12と配向剤保持
シート18の間隔(配向剤の接触状態)を目盛りを参考に
ストッパ56を回転させるだけの簡単な作業で調整でき
る。これにより、厚みの異なる様々な基板に対して、配
向剤を均一な膜厚で容易に塗布することができる。
【0061】本発明の実施の形態の各構成は、当然、各
種の変形や変更が可能である。
【0062】図10は、第二の実施の形態の配向剤塗布
装置の変形例に係る配向剤塗布装置を示している。
【0063】本変形例の装置では、シリンダーステージ
42は、ベース60に立てられた2本の柱62に直接固
定されている。
【0064】ベース60の上にはガイドベース64が設
けられている。ガイドベース64には、特定の方向(図
10(B)の左右方向)に往復可能な基板テーブル66が
設けられている。ガイドベース64は、基板テーブル6
6を移動させ、その方向や速度は、ガイドベース制御部
(図示せず)によって制御される。基板テーブル66の可
動範囲は、基板12の長さよりも長い。
【0065】基板テーブル66は、基板12が設置され
る領域の内部に形成された穴(図示せず)を有している。
穴はチューブ48を介して空圧機器50に連結されてい
る。空圧機器50は、真空吸着により、基板12を基板
テーブル66に適宜固定させる。
【0066】さらに、基板テーブル66には、ディスペ
ンサ制御部(図示せず)により制御されたディスペンサ3
4(図示せず)により適量の配向剤を吐出するためのニー
ドル36が設けられている。
【0067】本変形例の装置では、基板12は、基板テ
ーブル66と共に、ガイドベース64によって水平に移
動される。つまり、本変形例では、ガイドベース64が
水平移動機構を構成している。
【0068】本変形例においても、基板12と配向剤保
持シート18の間隔(配向剤の接触状態)を目盛りを参考
にストッパ56を回転させるだけの簡単な作業で調整で
きる。これにより、厚みの異なる様々な基板に対して、
配向剤を均一な膜厚で容易に塗布することができる。
【0069】これまで、いくつかの実施の形態について
図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上
述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0070】従って、本発明の配向剤塗布方法と配向剤
塗布装置について、以下のことが言える。
【0071】(1)液晶光学素子の基板の表面に配向剤を
塗布する配向剤塗布方法において、配向剤を保持した配
向剤保持部により表面を覆われた塗布部材を、前記基板
表面と前記塗布部材との間に所望の接触状態を与えるた
めの接触調整部材に対して所定の圧力で押圧した状態
で、前記基板に対して相対的に移動させることで、前記
基板表面に均一に前記配向剤を塗布することを特徴とす
る配向剤塗布方法。
【0072】(実施の形態との対応)液晶光学素子の基板
は基板12に、配向剤は配向剤に、配向剤保持部は配向
剤保持シート18に、塗布部材はスキージ20に、それ
ぞれ対応する。
【0073】(作用効果)調整項目が少なく簡易的に配向
剤を均一塗布する方法を提供できる。
【0074】(2)前記配向剤塗布部材が前記基板の端部
より内側で前記基板に対向する位置において、前記塗布
部材を前記接触調整部材に対して所定の圧力で押圧さ
せ、押圧した状態のまま前記基板の一方の端部近傍まで
前記塗布部材を移動させ、その後、前記基板のもう一方
の端部に向けて移動させることで前記配向剤を塗布する
ことを特徴とする請求項1に記載の配向剤塗布方法。
【0075】(作用効果)塗りむらが生じ易い塗布開始位
置においても配向剤を均一に塗布する方法を提供でき
る。
【0076】(3)液晶光学素子の基板を保持する基板保
持部材と、配向剤を保持する配向剤保持部により表面を
覆われた塗布部材と、前記塗布部材を前記基板表面に対
して所望の接触状態を与えるように保持する接触調整部
材とを有することを特徴とする配向剤塗布装置。
【0077】(実施の形態との対応)液晶光学素子の基板
は基板12に、基板保持部材はベース14または基板テ
ーブル66に、配向剤は配向剤に、配向剤保持部は配向
剤保持シート18に、塗布部材はスキージ20に、接触
調整部材はストッパ32またはストッパ56に、それぞ
れ対応する。
【0078】(作用効果)接触調整部材は塗布部材の基板
との接触状態を制御する機能を有する。これにより、単
純な構成で配向剤を均一塗布できる装置を提供できる。
【0079】(4)前記塗布部材を前記接触調整部材に対
して所定の圧力で押圧した状態で移動させる移動手段を
さらに有することを特徴とする第3項に記載の配向剤塗
布装置。
【0080】(実施の形態との対応)移動手段はスライダ
ー30、基板テーブル66に対応する。
【0081】(作用効果)移動手段により押圧した状態で
配向剤の塗布が可能となるので、配向剤の塗布量の制御
ができる。
【0082】(5)前記配向剤を前記塗布部材の配向剤保
持部に供給する配向剤供給手段をさらに有することを特
徴とする第3項または第4項に記載の配向剤塗布装置。
【0083】(実施の形態との対応)配向剤供給手段はデ
ィスペンサ34に対応する。
【0084】(作用効果)配向剤供給手段は、配向剤保持
部の配向剤量を常に適量となるよう制御できる。
【0085】(6)前記配向剤保持部は、前記配向剤を吸
収する不織布であることを特徴とする第3項ないし第5
項のいずれかひとつに記載の配向剤塗布装置。
【0086】(作用効果)不織布は、配向剤を均一に保持
する機能を有する。これにより、配向剤の基板表面への
供給量が安定するので歩留まりを向上できる。
【0087】(7)前記塗布部材は、平型または角型また
はI型のスキージであることを特徴とする第3項ないし
第6項のいずれかひとつに記載の配向剤塗布装置。
【0088】(作用効果)スキージは、配向剤を塗布する
機能および除去する機能を有する。これにより、塗布量
の制御ができる。
【0089】(8)前記塗布部材は弾性部材からなること
を特徴とする第3項ないし第7項のいずれかひとつに記
載の配向剤塗布装置。
【0090】(作用効果)弾力を有する部材は、基板の凹
凸を吸収する機能を有する。これにより、基板の変形に
も対応できる。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、調整項目が少なく簡易
的に配向剤の均一塗布を実現できる配向剤塗布方法およ
び配向剤塗布装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態の配向剤塗布装置を示してお
り、配向剤の塗布の開始前の状態すなわち装置に基板が
セットされた状態を示しており、(A)は正面図、(B)は
側断面図である。
【図2】配向剤の塗布の最初の工程の状態における第一
の実施の形態の配向剤塗布装置を示しており、(A)は正
面図、(B)は側断面図である。
【図3】図2に続く配向剤の塗布工程の状態における第
一の実施の形態の配向剤塗布装置を示しており、(A)は
正面図、(B)は側断面図である。
【図4】図3に続く配向剤の塗布工程の状態における第
一の実施の形態の配向剤塗布装置を示しており、(A)は
正面図、(B)は側断面図である。
【図5】図4に続く配向剤の塗布工程の状態における第
一の実施の形態の配向剤塗布装置を示しており、(A)は
正面図、(B)は側断面図である。
【図6】図5に続く配向剤の塗布工程の状態における第
一の実施の形態の配向剤塗布装置を示しており、(A)は
正面図、(B)は側断面図である。
【図7】第一の実施の形態の配向剤塗布装置に適用可能
な塗布部材の第一の変形例を示している。
【図8】第一の実施の形態の配向剤塗布装置に適用可能
な塗布部材の第二の変形例を示している。
【図9】第二の実施の形態の配向剤塗布装置を示してお
り、配向剤の塗布の開始前の状態を示しており、(A)は
正面図、(B)は側断面図である。
【図10】第二の実施の形態の変形例による配向剤塗布
装置を示しており、配向剤の塗布の開始前の状態を示し
ており、(A)は正面図、(B)は側断面図である。
【図11】従来の配向剤塗布装置の主要部の構成を概略
的に示している。
【符号の説明】
14 ベース 16 塗布部材 18 配向剤保持シート 20 スキージ 22 スキージホルダー 32 ストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1337 515 G02F 1/1337 515 (72)発明者 清水 盛通 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H088 FA20 FA30 2H090 HC06 HC18 4D075 AC53 AC88 DA06 DC21 4F041 AA02 AA06 AB02 BA38 CA04 CA11 CA18 CA22 4F042 AA02 AA07 BA06 BA08 BA12 BA25 BA27 DF09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶光学素子の基板の表面に配向剤を塗
    布する配向剤塗布方法において、 配向剤を保持した配向剤保持部により表面を覆われた塗
    布部材を、前記基板表面と前記塗布部材とを所望の接触
    状態に保持したまま、前記基板に対して少なくとも一方
    向に相対的に移動させることにより、前記基板表面に前
    記配向剤を塗布することを特徴とする配向剤塗布方法。
  2. 【請求項2】 前記基板表面と前記塗布部材とを所望の
    接触状態に保持した最初の位置から、前記塗布部材を、
    前記基板の一方の端部近くまで移動させた後、前記基板
    の反対側の端部近くまで移動させることを特徴とする請
    求項1に記載の配向剤塗布方法。
  3. 【請求項3】 液晶光学素子の基板を保持する基板保持
    部材と、 配向剤を保持する配向剤保持部により表面を覆われた塗
    布部材と、 前記塗布部材と前記基板表面との間に所望の接触状態を
    与える接触調整部材とを備えていることを特徴とする配
    向剤塗布装置。
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