JP2001352737A - リニアモータ - Google Patents

リニアモータ

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哲司 植田
Hitoo Togashi
仁夫 富樫
Hajime Hida
一 比田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 このリニアモータ10は、電磁鋼板を積層し
た断面略コ字状の外側ヨーク22とこの外側ヨーク22
と所定の磁気空隙16を存し電磁鋼板を積層した断面略
I字状の内側ヨーク24とで構成される複数の固定子鉄
心12を含み、これらの固定子鉄心12に励磁コイル1
4を装着すると共に、磁気空隙16に永久磁石18を可
動自在に配置し、さらにこれらの固定子鉄心12を非磁
性体の固定筐体20に収納保持したもので、この固定筐
体20は筒状部20aとこの筒状部20aの一端に形成
された環状部20bを備え、この環状部20bに放射状
に8個の位置決め溝部38を設け、この溝部38に8個
の固定子鉄心12の下端部を収納保持して係止具42に
より固定したものである。 【効果】 この発明によれば、固定子鉄心12を固定筐
体20の環状部20bに放射状に設けた位置決め溝部3
8で確実に保持できるので、組立が簡単で精度も向上
し、また軽量化も可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はリニアモータに関し、
特にたとえば放射状に配置される複数の固定子鉄心を容
易に固定することができる固定筐体を備えるリニアモー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図7及び8に示される従来例に
おいて、リニアモータ1の固定子鉄心2を構成する複数
の電磁鋼板による積層ブロック体を放射状に並べて保持
する場合、この固定子鉄心2は、外面8角形とする筒状
の内側ヨーク3とこの内側ヨーク3の各外面に密着して
放射状に配置される8個の外側ヨーク4を含む。そし
て、この外側ヨーク4は凹形の薄板を積層した下ヨーク
4aとこの下ヨーク4aの上に凹形を下向きにした上ヨ
ーク4bを配置して構成されている。なお、外側ヨーク
4の内部空間5には永久磁石6を配置固定すると共に上
下方向に移動される可動コイル7が非磁性支持体8を介
してシャフトに保持されている。
【0003】また、図9に示す他の従来例では、外側ヨ
ーク4となる複数の積層ブロックを放射状に配列し、そ
れらの間に略扇形をした柱状体4Aを挟んで固定子鉄心
2を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のいずれの従来例
においても、固定子鉄心の構造が複雑で組立が面倒とな
り、また柱状体等を別途必要とする関係上、コスト的に
も高くなるという問題がある。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、簡
単な構成により組立精度の向上と軽量化を図ることがで
きるリニアモータを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、外側ヨーク
とこの外側ヨークとの間に空隙を形成する内側ヨークを
含む複数の固定子鉄心、これらの固定子鉄心に装着され
る励磁コイル、空隙に可動自在に配置される永久磁石、
および固定子鉄心を収納保持する固定筐体を備えるリニ
アモータにおいて、固定筐体は筒状部とこの筒状部の端
部に形成された環状部を有し、さらにこの環状部には固
定子鉄心を位置決め保持する複数の凹部を放射状に設
け、この凹部に固定子鉄心の下端部を挿入係止するよう
にしたことを特徴とする、リニアモータである。
【0007】
【作用】複数の固定子鉄心は、筒状部とこの筒状部の端
部に形成される環状部で構成される固定筐体を用いて、
この環状部に放射状に設けた複数の凹部に位置決め保持
されるため組立が簡単かつ確実に行われる。
【0008】
【発明の効果】この発明によれば、固定筐体に対する固
定子鉄心の位置決め固定が容易で簡単となり、組立精度
が向上すると共に軽量化も可能となる。
【0009】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴及び利点は、図面を参照して以下に行う実施例の詳細
な説明により一層明らかとなろう。
【0010】
【実施例】図1〜図3に示すこの発明の一実施例である
リニアモータ10は、中心線C−Cの両側に45°の間
隔で放射状に配置される8個の固定子鉄心12、これら
の固定子鉄心12に装着される励磁コイル14、固定子
鉄心12の磁気空隙16に可動自在に配置される永久磁
石18、および固定子鉄心12を配置収納する固定筐体
20を含む。
【0011】各固定子鉄心12は、電磁鋼板を積層した
断面略コ字状の外側ヨーク22、同じく電磁鋼板を積層
した断面略I字状の内側ヨーク24とで構成され、外側
ヨーク22の下辺端部22aに凹段部26を設け、この
凹段部26に内側ヨーク24の下端部24aを係合せし
めている。
【0012】また、内側ヨーク24の上端部24bと外
側ヨーク22の上辺端部22bの間に永久磁石18を可
動自在に配置するための磁気空隙16を形成すると共
に、外側ヨーク22の上辺端部22bと内側ヨーク24
とに段差28を設けている。
【0013】さらに、内側ヨーク24の上端部24bと
対向して磁気空隙16を形成する外側ヨーク22の上辺
端部22bには突出部30を形成し、この突出部30に
より磁束が内側ヨーク24の上端部24bに集中するよ
うにしている。
【0014】そして、外側ヨーク22の下辺端部22a
に設けた凹段部26には、さらに楔状コーナー部32を
有し、この凹段部26に係合する内側ヨーク24の下端
部24aには楔状コーナー部32に嵌合する突起部分3
4とこの突起部分34と反対側に突出傾斜段部36を形
成して、この下端部24aを断面略台形状としている。
【0015】一方、固定筐体20は、ステンレス等の非
磁性体で構成されるもので、外面が正8角形の筒状部2
0aとこの筒状部20aの一端部に連設される環状部2
0bを有し、この環状部20bには筒状部20aの正8
角形の各一辺を起点とする8個の断面略U字状溝部38
が45°の間隔で放射状に配置形成されている。なお、
固定筐体20を構成する筒状部20aと環状部bを一体
形成してもよいが、この実施例では別体に形成して後で
結合している。
【0016】そして、この固定筐体20に対して固定子
鉄心12を組立る場合、先ず8個の固定子鉄心12の下
端部を固定筐体20の環状部20bに形成した8個のU
字状溝部38に夫々挿入して各U字状溝部38の開口段
部40に係止具42を螺子止め固定している。
【0017】その後、各固定子鉄心12の内側ヨーク2
4の下端部24aに形成される突出傾斜段部36それぞ
れに当具44を当接すると共に、固定筐体20の筒状部
20aに螺子45で固定されたリング体46に螺合され
る円筒形状の大ねじ47で当具44を内側ヨーク24の
突出傾斜段部36に向けて押圧し、さらに、当具44に
螺合される小ねじ49で直接内側ヨーク24の突出傾斜
段部36を押圧することにより、内側ヨーク24を外側
ヨーク22に対して押圧固定する。最後に、外側ヨーク
22の上辺端部22bに押えリング48を嵌め込んで、
この押えリング48を図示されない4本の取付け螺子を
用いて環状部20bに設けられた螺子孔50に螺合すれ
ば一連の組立作業が終了する。
【0018】なお、当具44を介して内側ヨーク24を
外側ヨーク22に対して押圧固定したが、リング体46
に螺合されるねじにより直接内側ヨーク24を外側ヨー
ク22に対して押圧固定してもよい。
【0019】上述の構成により、固定子鉄心12、特に
外側ヨーク22は固定筐体20に対して径方向の精度が
保証されて組立ることができる。すなわち、外側ヨーク
22の上辺端部22bは押えリング48により、また外
側ヨーク22の下辺端部22aの凹段部26には内側ヨ
ーク24の下端部24aに対する当具44により二方向
の押える力で確実に保持される。
【0020】また、図4〜図5に示す他の実施例におい
ては、各固定子鉄心12を構成する外側ヨーク22の側
面(底面)に角形突起部12aを設けている。また、固
定筐体20の環状部20bには先に説明した実施例にお
ける断面略U字状溝部38の代わりに8個の角形挿入孔
52を45°の間隔で放射状に配置形成したものであ
る。その他の構成については、先の実施例と差異はない
ので、対応部分に同一番号を付して説明は省略する。な
お、固定子鉄心12の空隙16に配置される永久磁石は
図示省略している。
【0021】従って、固定子鉄心12を構成する外側ヨ
ーク22の角形突起部12aを固定筐体20の環状部2
0bに形成された角形挿入孔52に嵌合すると、外側ヨ
ーク22は固定筐体20に形成される正8角形の筒状部
20aの外面に接触して確実に位置決め保持される。
【0022】次に、一連の組立手順が図6の(a)〜
(d)に示されている。この組立手順に示される固定子
鉄心12は、図4で説明したように側面(底面)に角形
突起部12aを設けたものを使用し、また、固定筐体2
0は筒状部20aを円筒形としその一端部に連設した環
状部20bには固定子鉄心12に設けた角形突起部12
aを位置決め固定するために角形挿入孔52を設けたも
のを使用している。そして、筒状部20aの他端部の環
状段部には固定子鉄心12に当接す外面正8角形状の円
板体54が螺子止めされている。
【0023】また、固定子鉄心12の下端部に設けた角
形突起部12aが固定筐体20の環状部20bに設けた
角形挿入孔52に嵌合されて位置決め保持されるので、
先の実施例で説明した係止具42は必要としない。そし
て、内側ヨーク24の各端面に当具(図示されず)を介
してリング体46をねじで押圧固定することにより、内
側ヨーク24が外側ヨーク22に固定されと共に外側ヨ
ーク22の上辺端部22bに押えリング48を嵌め込
み、この押えリング48を図示されない4本の取付け螺
子を環状部20bに設けた螺子孔50に螺合すれば一連
の組立作業が終了する。これらの点を除けば先に説明し
た実施例の構成と同じにつき該当部分に同一番号を付し
てその説明を省略する。
【0024】なお、固定子鉄心12の磁気空隙16に可
動自在に配置される各永久磁石18は、中心線C−Cに
設けられる駆動軸(シャフト)に固定される、例えばプ
ラスチック製支持部材に保持される。
【0025】上述の各構成において、このリニアモータ
10の励磁コイル14に交流電流を通電すると、励磁コ
イル14を流れる電流により外側ヨーク22の内側面と
内側ヨーク24の外側面、つまり固定子鉄心12の磁気
空隙16を含む磁気回路に磁束が流れる。そして、磁束
が固定子鉄心12の磁気空隙16を横断することによ
り、この励磁コイル14により誘起された磁束が各永久
磁石18から出る磁束と相互作用して可動体である永久
磁石18には推力が発生し、この推力は支持部材を介し
て駆動軸(シャフト)に伝えられ、シャフトが交流電流
の周波数に同期して往復動する。
【0026】以上説明したように、この発明によるリニ
アモータは、位置決め凹部を有する固定筐体を使用する
ことにより外側ヨークと内側ヨークで構成される固定子
鉄心の組立作業を容易にしかも精度よく行うことができ
る。また、構造も簡単となるので軽量でコストも安価に
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるリニアモータの中心
線C−Cを含む要部断面せる図解図である。
【図2】図1のB−B線に相当する平面的な図解図であ
る。
【図3】図2における固定子鉄心の一部を含むA矢視で
示す図解図である。
【図4】図1に相当する他の実施例の要部図解図であ
る。
【図5】図4のD−D線に相当する平面的な図解図であ
る。
【図6】(a)〜(d)は固定筐体に対する8個の固定
子鉄心の組立手順を示す斜面図である。
【図7】従来例の要部断面図である。
【図8】図6のX−Y線に相当する要部図解図である。
【図9】他の従来例の要部断面図である。
【符号の説明】
10 …リニアモータ 12 …固定子鉄心 12a …角形突起部 14 …励磁コイル 16 …磁気空隙 18 …永久磁石 20 …固定筐体 20a…筒状部 20b…環状部 22 …外側ヨーク 24 …内側ヨーク 38 …U字状溝部(凹部) 42 …係止具 44 …当具 46 …リング体 47 …円筒形状の大ねじ 48 …押えリング 49 …小ねじ 52 …角形挿入孔(凹部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 比田 一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H002 AA06 AA07 AB01 AB06 AC03 AE08 5H633 BB08 BB10 GG06 GG07 GG09 HH03 HH05 HH07 HH13 HH18 HH25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性鋼板を積層した外側ヨークと前記外側
    ヨークとの間に空隙を形成する磁性鋼板を積層した内側
    ヨークを含む複数の固定子鉄心、前記固定子鉄心に装着
    される励磁コイル、前記空隙に可動自在に配置される永
    久磁石、および前記固定子鉄心を収納保持する固定筐体
    を備えるリニアモータにおいて、 前記固定筐体は筒状部とこの筒状部の端部に形成される
    環状部を有し、さらに前記環状部には前記固定子鉄心を
    位置決め保持する複数の凹部を放射状に設け、前記各凹
    部に前記各固定子鉄心の下端部を挿入係止するようにし
    たことを特徴とする、リニアモータ。
  2. 【請求項2】前記固定筐体は非磁性体で形成する、請求
    項1記載のリニアモータ。
  3. 【請求項3】前記凹部は収納溝を含む、請求項1または
    2記載のリニアモータ。
  4. 【請求項4】前記凹部は挿入孔を含む、請求項1または
    2記載のリニアモータ。
  5. 【請求項5】前記固定子鉄心には前記挿入孔に嵌合する
    突起部を形成する、請求項4記載のリニアモータ。
  6. 【請求項6】前記固定筐体の前記筒状部の他端側に、さ
    らに前記固定子鉄心の端部を押圧係止する係止手段を設
    けた、請求項1ないし5のいずれかに記載のリニアモー
    タ。
  7. 【請求項7】前記係止手段はリング体と取付け螺子を含
    む、請求項6記載のリニアモータ。
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