JP2001349170A - トンネル掘進機 - Google Patents

トンネル掘進機

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JP2001349170A
JP2001349170A JP2000173469A JP2000173469A JP2001349170A JP 2001349170 A JP2001349170 A JP 2001349170A JP 2000173469 A JP2000173469 A JP 2000173469A JP 2000173469 A JP2000173469 A JP 2000173469A JP 2001349170 A JP2001349170 A JP 2001349170A
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JP
Japan
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trunk
jack
excavation
construction
bending
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JP2000173469A
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Masanori Muranishi
正紀 村西
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた施工能率を有し曲率半径の小さな急曲
線施工の可能なシールド掘進機を提供する。 【解決手段】 構前面に掘削手段を有する前胴と、前胴
にテレスコピック状に互いに伸縮自在にはまりあう中胴
と、直径方向に配するピンにより中胴に屈曲自在に連結
される後胴とを有し、前胴と後胴とを複数の連結ジャッ
キにより連結した構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中を掘削し推進
するトンネル掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機による施工方法として、
間欠掘削と同時施工という異なる2つの施工方法がとら
れる。間欠掘削は、セグメントに反力をとって行う掘削
と、掘削を中断して行うセグメントの組み立てとを交互
に行うものである。また、同時施工は、掘削とセグメン
ト組立てとを同時に行うもので、掘削スピードを向上で
きる。さらに、最近は、同時施工が可能で、かつ曲率の
小さな急曲線施工を可能にして施工能率をより一層向上
させたものが要求されており、例えば特許第27840
17号公報に開示されたようなシールド掘進機が提案さ
れている。図10は、同公報に記載されたシールド掘進
機を示し、以下同図により従来技術を説明する。このシ
ールド掘進機は、図10(a)に示すように、前面にカ
ッタ11を有する前胴フレーム12と、中折れのための
中胴フレーム13と、セグメント15の組立てを行う後
胴フレーム14とに3分割されている。後胴フレーム1
4は、掘進方向前側に突設され、かつ外面に中折れ曲面
22を有する中胴案内筒17を有していて、中胴フレー
ム13は内周面に突設された案内突部23を介して中折
れ曲面22に沿って中胴案内筒17の上を変位する。
【0003】中胴案内筒17の前端は、第1連結具25
により中胴フレーム13の内周に一体に突設した環状の
連結板19に対して連結、切り離しが自在であり、これ
により中胴フレーム13と後胴フレーム14は一体に移
動したり、別個に単独で移動することができる。中胴フ
レーム13の連結板19に対して掘進方向前後に突設さ
せた前胴案内筒20の前端は、第2連結具27により前
胴フレーム12の内側に環状に設けられたジャッキ取付
板28に対して連結、切り離しが自在であり、これによ
り、前胴フレーム12と中胴フレーム13は一体に移動し
たり、別個に単独で移動することができるようになって
いる。また、前胴フレーム12のジャッキ取付板28
と、後胴フレーム14のジャッキ取付板16とを周方向
に複数設けた推進・中折れ用ジャッキ29によりピン3
0及びピン31を介して連結する。さらに、後胴フレー
ム14のジャッキ取付板16には、シュー32を介して
セグメント15から反力をとるように反力受用ジャッキ
33が設けてあり、この反力受用ジャッキ33と前記推
進・中折れ用ジャッキ29は、同一円周上に交互に配置
されている。
【0004】上記構成による作動を以下に説明すると、
直線掘削のときは、第1連結具25により連結板19及
び中胴案内筒17を連結して、図10(a)の状態から
推進・中折れ用ジャッキ29を伸長させて前胴フレーム
12を前進させて掘進する。同時に、一部の反力受用ジ
ャッキ33を縮退させてその部分に新たなセグメント1
5を組み付け、組み付けが完了したら再び反力受用ジャ
ッキ33を伸長させて組み立てられたセグメント15に
当接させて反力をとるようにする。図10(b)に示す
ように、推進・中折れ用ジャッキ29がセグメント15
の1リング分伸長したら、反力受用ジャッキ33の伸長
と推進・中折れ用ジャッキ29の縮退とを同時に行って
図10(a)に示す初期状態にリセットする。この操作
を繰り返して同時施工を行う。
【0005】直線掘削から曲線掘削に変更するとき、第
1連結具25を切り離して第2連結具27を連結する。
そして、図10(c)に示すように、曲線施工の外側の
推進・中折れ用ジャッキ29を伸長させ、曲線施工の内
側を縮退させて前胴フレーム12及び後胴フレーム14
間で屈曲させる。屈曲させた状態で、反力受用ジャッキ
33を縮退させてその部分に新たなセグメント15を組
み付け、組み付けが完了したら再び反力受用ジャッキ3
3を組み立てられたセグメント15に当接して反力をと
るようにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した特許第2
784017号公報に示されているシールド掘進機にお
いては、直線掘削から曲線掘削に変更するとき、第1連
結具25を切り離して第2連結具27を連結し、曲線掘
削から直線掘削に変更するとき、第2連結具27を切り
離して第1連結具25を連結する必要があるので、変更
の度に作業が中断される。また、直線施工時には同時施
工が可能であるが、曲線施工時は、推進・中折れ用ジャ
ッキ29は中折れ角αを維持するために所定のストロー
クを保持したままであるので、同時施工はできず、間欠
掘削となり作業スピードが低下する。これらにより、所
定の施工能率が得られないので、曲線施工時でも同時施
工が可能なシールド掘進機が要望されている。また、曲
線施工時には、中胴フレーム13が中折れ曲面22に沿
って中折れし、前胴フレーム12が方向転換する。しか
し、中胴フレーム13の後胴フレーム14に対する屈曲
中心が図10(c)に示す点Oにありシールド掘進機の
外側にあるため、曲率半径の小さな急曲線に沿った曲線
施工は困難である。このため、より一層小さな半径の急
曲線施工の可能なシールド掘進機が要望されている。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するため、優
れた施工能率を有し曲率半径の小さな急曲線施工の可能
なシールド掘進機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、第1の発明は、前面に掘削手段を
有する前胴と、前胴にテレスコピック状に互いに伸縮自
在にはまりあう中胴と、直径方向に配するピンにより中
胴に屈曲自在に連結される後胴とを有し、前胴と後胴と
を複数の連結ジャッキにより連結した構成としている。
【0009】第1の発明によると、中胴の前部が、前胴
の後部にテレスコピック状に互いに伸縮自在にはまりあ
っている。また、中胴の後部は、後胴の前部にピンによ
り屈曲自在に連結されている。これにより、前胴は、後
胴に対してピンを備えた屈曲中心軸を中心にして屈曲す
るので大きな屈曲角度が得られる。また、前胴、中胴及
び後胴の各要素が機械的に結合された状態で屈曲するの
で、連結ジャッキのストローク通りに精度のよい屈曲角
度が再現性よく得られると共に、各要素をいちいち連結
具で固定するという煩わしい作業が不要となる。直線及
び曲線施工時には、連結ジャッキを伸長させて中胴に対
して前胴を前方へスライドさせながら掘進すると共に、
後胴部ではセグメントを組み立てる。これにより、掘進
及びセグメント組み立てを同時に行う同時施工が可能で
あるので、施工能率を向上できる。これらにより、より
曲率の小さい急曲線施工が行え、かつ直線及び曲線施工
時ともに同時施工が行えるので、優れた施工能率を有
し、かつ急曲線施工の可能なトンネル掘進機が得られ
る。
【0010】第2の発明は、前面に掘削手段を有する前
胴と、直径方向に配する第2のピンにより前胴に屈曲自
在に連結される第2の中胴と、第2の中胴にテレスコピ
ック状に互いに伸縮自在にはまりあう第1の中胴と、直
径方向に配する第1のピンにより第1の中胴に屈曲自在
に連結される後胴とを有し、前胴と後胴とを複数の連結
ジャッキにより連結し構成としている。
【0011】第2の発明によると、第1中胴が後胴に対
して第1ピンで屈曲可能となり、かつ前胴が第2中胴に
対して第2ピンで屈曲可能となる。そして、それぞれの
ピンにおける屈曲角度の和を前胴と後胴の屈曲角度とし
ている。また、第2中胴と第1中胴とは、テレスコピッ
ク状に互いに伸縮自在にはまりあっている。これによ
り、前胴は、後胴に対してピンを備えた2個所の屈曲中
心軸を中心にして屈曲するのでより大きな屈曲角度が得
られる。また、前胴、第2中胴、第1中胴及び後胴の各
要素が機械的に結合された状態で屈曲するので、連結ジ
ャッキのストローク通りに精度のよい屈曲角度が再現性
よく得られる。直線及び曲線施工時には、連結ジャッキ
を伸長させて第1中胴に対して第2中胴を前方へスライ
ドさせながら掘進すると共に、後胴部ではセグメントを
組み立てる。これにより、掘進及びセグメント組み立て
を同時に行う同時施工が可能であるので、施工能率を向
上できる。これらにより、より曲率の小さい急曲線施工
が可能なトンネル掘進機をコンパクトに構成でき、安価
に製作できる。また、直線及び曲線施工時ともに同時施
工が行えるので、優れた施工能率を有し、かつ急曲線施
工の可能なトンネル掘進機が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について詳細に説明する。まず、図1,2に
より、第1実施形態の構成を説明する。第1図は、本実
施形態に係るシールド掘進機の直進掘削時の状態を示
す。シールドフレームは、前胴47、中胴48及び後胴
49に3分割されている。前胴47は、シールドフレー
ムの最前方にあって、掘削手段としてのカッタ42を有
している。中胴48と前胴47とは、重合部57でテレ
スコピック状に互いに伸縮自在にはまりあっている。中
胴48の後部には、球面外輪53が設けてあり、この球
面外輪53は、後胴49の前部に設けてある球面内輪5
2に組み付けられている。これらの球面を形成する球の
中心は、シールド掘進機の長手方向の中心軸上に配設さ
れている。前胴47及び第1中胴68間には摺動シール
55が、また球面内輪52及び球面外輪53間にもシー
ル54がそれぞれ配設されていて、土砂のシールド掘進
機内への侵入を防ぐと共に、それぞれのシール面を保護
している。
【0013】セグメント56から反力をとって推進する
推進ジャッキとしてのシールドジャッキ40は、後胴4
9の内周部に等間隔に複数本、例えば12本配設されて
いる。また、前胴47を後胴49に対して掘進させるジ
ャッキ41は、後胴49側及び前胴47側にそれぞれ設
けられたピン43及びピン44により回転自在に取り付
けてある。また、後胴49及び前胴47を連結する連結
ジャッキとしてのジャッキ41は、後胴49及び前胴4
7の間に均等に、互い違いにハの字の格子状に、即ちラ
チス状に複数本、例えば6本配設されている。以降、こ
の連結ジャッキをラチスジャッキ41と呼ぶ。
【0014】図2は、本実施形態のシールド掘進機の球
面内外輪52,53部を側方から見た透視図を示す。な
お、図2では、シールド掘進機の上部及び下部のみを示
し、中央部の記載を省略している。中胴48が後胴49
に対して水平面内で屈曲するときの屈曲中心軸Vsを形
成する上ピン50及び下ピン51が径方向に中胴48及
び後胴49の間に設けてある。これらの上下ピン50、
51により、中胴48の後部及び後胴49の前部は屈曲
自在に連結されている。
【0015】以上の構成を備えた本実施形態に係るシー
ルド掘進機の作動を、まず直進掘削時を例として図3に
より説明する。図3においては、施工のステップの順番
をSを付した番号で示し、各ステップの状態を示すシー
ルド掘進機の各要素はS1の図のみに符号を付し、S2
〜S4の図には符号を省略する。また、図3に示すシー
ルド掘進機は、上方から見た透視図で模式的に示されて
おり、上ピン50、下ピン51、球面内輪52及び球面
外輪53は表わされていない。
【0016】S1は、掘進を開始したときの状態を示
す。このときは、ラチスジャッキ41はストロークの全
てが縮退している全縮状態で、シールドジャッキ40は
ストロークエンドまで伸長している全伸状態である。ま
た、シールドジャッキ40が、1ピッチ前のリングの静
止体としてのセグメント56の側面にスプレッダ58を
介して当接していて、セグメント56から反力をとる準
備ができている。さらに次のリングを組み付けるスペー
スが、1ピッチ前のリングの側面とシールドジャッキ4
0の間に確保されている。S2は、カッタ42を回転さ
せて掘進しながらセグメントを組み立てている同時施工
の状態を示す。このとき、図示しない演算油圧手段で前
胴47が直進するように演算され吐出された油量が、6
本のラチスジャッキ41のそれぞれに流入して伸長中で
あり、前胴47が中胴48と摺動しながら徐々に前方に
掘進している。一方、複数のシールドジャッキ40の一
部を縮退させてその部分に新たなセグメント56を組み
付け、組み付けが終わったら再びシールドジャッキ40
を伸長させて組み立てられたセグメント56に当接させ
て反力をとるようにしている。このようなシールドジャ
ッキ40の作動状況を「盛り換え中」と呼ぶ。
【0017】S3は、掘進及びセグメント組立てが終了
した状態を示している。このときは、ラチスジャッキ4
1は全伸状態で、シールドジャッキ40は全縮状態にな
っている。また、ラチスジャッキ41及びシールドジャ
ッキ40のストロークは、セグメント56の幅B分ある
ので、前胴47は、S1のときからセグメント56の幅
B分だけ掘進している。S4では、ラチスジャッキ41
を縮退させて全縮状態に、シールドジャッキ40を伸長
させて全伸状態にそれぞれ戻して、S1の掘進及びセグ
メント組み立ての開始状態に戻る。ラチスジャッキ41
の縮退とシールドジャッキ40の伸長は同時操作とし、
カッタ42が切羽面から離れないようにする。
【0018】次に、図4により、直進掘削から曲線掘削
への切換え時に、前胴47を後胴49に対して屈曲させ
るときの本実施形態に係るシールド掘進機の作動を説明
する。図4は、図3と同様に、シールド掘進機を上方か
ら見た透視図であるが上ピン50、下ピン51は表わさ
れていない。前胴47を方向変換させるときには、球面
部52,53を形成している球の半径、重合部57の重
合量及びラチスジャッキ41の取付位置等に基づいて、
6本のラチスジャッキ41に流入させるそれぞれの油量
が演算油圧手段により演算され、6本のラチスジャッキ
41のそれぞれに流入する。そして、球面内輪52及び
球面外輪53が滑って、前胴47は、屈曲中心軸Vsを
中心にして後胴49に対して屈曲角度θだけ屈曲する。
前胴47を後胴49に対して屈曲させた後は、屈曲角度
θを維持したまま、掘進するようにラチスジャッキ41
のストロークを制御する。掘進しながらセグメント組立
てする同時施工時の手順は、図3で説明した手順と同一
であるのでここでは説明を省略する。
【0019】次に本実施形態の作用及び効果を説明す
る。本実施形態では、掘進機の軸心を通る上下ピン5
0,51を備えた屈曲中心軸Vsを設定していて、中胴
48及び後胴49の間には、球面部52,53を備えて
いるので、大きな屈曲角度θが得られる。また、前胴4
7、中胴48及び後胴49の各要素が機械的に結合され
た状態で屈曲するので、ラチスジャッキ41に設定され
るストロークに基づく角度指令通りの精度のよい屈曲角
度θが再現性よく得られる。
【0020】また、6本のラチスジャッキ41の各スト
ロークを演算油圧手段で自動的に制御することにより直
線掘削から曲線掘削へ、又曲線掘削から直線掘削へ切り
換える。これにより、作業員が連結具等を連結したり切
り離したりする必要がないので、掘削作業が中断される
ことがなく施工能率を向上できる。また、曲線施工時に
おいて、ラチスジャッキ41により前胴47の後胴49
に対する屈曲角度θを保持しながらストロークを伸長さ
せ前胴47と後胴49の距離を大きくして前胴47を掘
進させる。このとき、作業員はシールドジャッキ40を
盛り換えしながら、新しいセグメント56を組み付け
る。これにより、直進掘削時と同様に、曲線掘削時のと
きも掘進及びセグメント組み立てを同時に行う同時施工
が可能であるので、施工能率を向上できる。これらによ
り、より曲率の小さい急曲線施工が行え、かつ曲線施工
時にも同時施工が行えるので、優れた施工能率を有し急
曲線施工の可能なシールド掘進機が得られる。
【0021】また、6本のラチスジャッキ41を後胴4
9及び前胴47の間に均等に、互い違いにハの字の格子
状に配設しているので、カッタ42を回転させて掘削す
る掘進時の掘削トルクの反力をこの6本のラチスジャッ
キ41によりとることができる。これにより、掘削トル
クの反力をとるための前胴47から後胴49にわたるキ
ー等が不要になるので、シールド掘進機の構造が簡素化
でき、安価なシールド掘進機が得られる。
【0022】なお、本実施形態においては、ラチスジャ
ッキ41のストロークは、使用セグメント56の幅B分
(以降、フルストロークと呼ぶ)を有しているが、使用
セグメント56の幅Bの半分のストローク(以降、ハー
フストロークと呼ぶ)を有するラチスジャッキ41を使
用してもよい。図5に、ハーフストロークのときの直進
掘削時の施工のステップを示す。図5では、シールド掘
進機の各要素にはS3の図のみに符号を付す。図5のS
3でセグメント56を組み立て完了したとき、即ちシー
ルドジャッキ40が全縮状態になったときには、すでに
ラチスジャッキ41は全伸状態にある。S1の掘進開始
の状態に戻るためには、シールドジャッキ40を伸長さ
せながらラチスジャッキ41を縮退させる。このとき、
縮退よりも伸長させる速度を大きく設定することにより
前胴47を掘進させる。このハーフストロークによる
と、ラチスジャッキ41のストロークを短かくできるの
で、シールド掘進機の機長を短くでき、コンパクトなシ
ールド掘進機が得られる。
【0023】また、本実施形態では、前胴47を後胴4
9に対して屈曲させ、かつ掘進させるために格子状に配
設した6本のラチスジャッキ41を使用している。前胴
47から後胴49にわたるキー等により掘進時の掘削ト
ルクの反力をとる構成にするときには、ラチスジャッキ
41の代わりに、油圧シリンダを互いに平行に前胴47
の内円周に均等に複数本配設してもよい。さらに、本実
施形態では、中胴48が前胴47の内側に挿入されて伸
縮自在となっている図1,2,3,4で説明したが、前
胴47が中胴48の内側に挿入されていても何ら差し支
えない。
【0024】次に図6により、第2実施形態を説明す
る。図6は、シールド掘進機の直進掘削時の状態を示
す。なお、図6は、シールド掘進機を上方から見た透視
図であり、模式的に示している。シールドフレームは、
前胴47、第2中胴69、第1中胴68及び後胴49、
に4分割されている。前胴47は、シールドフレームの
最前方にあって、最前部でカッタ42を有し、後部には
第2球面外輪73が設けてある。前胴47の第2球面外
輪73は、第2中胴69の前部に設けてある第2球面内
輪72に組み付けられている。第2球面外輪73及び第
2球面内輪72の球面を形成する球の中心は、第2中胴
69の軸心上に配設されている。また、第2球面部7
2,73の球の中心を通る第2屈曲中心軸Vs2上には
第2上ピン66及び第2下ピン67が、図2と同様な方
法で配設されており、前胴47と第2中胴69とは、第
2上ピン66及び第2下ピン67により屈曲自在となっ
ている。
【0025】第2中胴69の後部と第1中胴68の前部
とは、重合部57でテレスコピック状に互いに伸縮自在
にはまりあっている。第1中胴68の後部に設けてある
第1球面外輪71は、後胴49の前部に設けてある第1
球面内輪70に組み付けられている。第1球面外輪71
及び第1球面内輪70の球面を形成している球の中心
は、後胴49の軸心上に配設されている。また、第1球
面部70,71の球の中心を通る第1屈曲中心軸Vs1
上には第1上ピン64及び第1下ピン65が、図2と同
様な方法で配設されており、第1中胴68と後胴49と
は、第1上ピン64及び第1下ピン65により屈曲自在
となっている。また、第2球面外輪73及び第2球面内
輪72間には第2シール75が、第1球面外輪71及び
第1球面内輪70の間には第1シール74が、第2中胴
69及び第1中胴68間には摺動シール55がそれぞれ
配設されていて土砂のシールド掘進機内への侵入を防ぐ
と共に、それぞれのシール面を保護している。
【0026】なお、セグメント56から反力をとるシー
ルドジャッキ40は、後胴49の内周部に等間隔に複数
本、例えば12本配設されている。また、カッタ42を
有する前胴47を掘進させるラチスジャッキ41は、後
胴49側及び前胴47側に設けられたピン60及びピン
61により回転自在となっている。また、ラチスジャッ
キ41は、後胴49及び前胴47の間に均等に、互い違
いにハの字の格子状に6本配設されている。
【0027】次に、本実施形態の作動を説明する。直進
掘削時の作動は、図3で説明した作動と同一であるの
で、ここでは説明を省略する。次に、図7により、直進
掘削から曲線掘削への切換え時に、前胴47を後胴49
に対して屈曲させるときの作動を説明する。図7は、図
6と同様に、シールド掘進機を上方から見た透視図であ
り、模式的に示している。前胴47を方向変換させると
きには、第1球面部70,71及び第2球面部72,7
3を形成しているそれぞれの球の半径、重合部57の重
合量及びラチスジャッキ41の取付位置等に基づいて、
演算油圧手段で6本のラチスジャッキ41に流入させる
それぞれの油量が演算され各ラチスジャッキ41にそれ
ぞれ流入し、第1中胴68は、第1上ピン64及び第1
下ピン65を備えた第1屈曲中心軸Vs1を中心にし
て、後胴49に対して第1球面部70,71で第1角度
θ1だけ屈曲する。また、前胴47は、第2上ピン66
及び第2下ピン67を備えた第2屈曲中心軸Vs2を中
心にして、第2中胴69に対して第2球面部72,73
で第2角度θ2だけ屈曲する。これにより、前胴47
は、後胴49に対して第1角度θ1及び第2角度θ2の
和だけ屈曲する。前胴47を後胴49に対して屈曲させ
た後に、掘進しながらセグメント組立てする同時施工時
のシールド掘進機の作動は、図3で説明した作動と同一
であるのでここでは説明を省略する。
【0028】次に図8により、本実施形態の作用及び効
果を説明する。図8(a)は、本実施形態のシールド掘
進機において、第2中胴69及び第1中胴68が後胴4
9に対して第1球面部70,71で第1角度θ1屈曲
し、かつ前胴47が第2中胴69及び第1中胴68に対
して第2球面部72,73で第2角度θ2屈曲した状態
を示している。各球面部におけるそれぞれの屈曲角は、
シールド掘進機の最大屈曲角の略半分の角度を屈曲させ
ればよく、各球面部の滑り長さも小さくて済むので、各
球面部及び各球面部の近傍はコンパクトな構成となる。
一方、図8(b)に示す第1実施形態のシールド掘進機
では、前胴47が後胴49に対して球面部52,53で
屈曲角度θ屈曲した状態を示している。なお、屈曲角度
θは、本実施形態における前記第1角度θ1及び第2角
度θ2の和の角度としている。本図によると、1個所の
球面部52,53で大きく屈曲させることになり、球面
内輪52及び球面外輪53の間の滑り長さも大きくな
る。
【0029】このように、屈曲角度θを大きくとろうと
すると、球面部が大型になりシールド掘進機全体が大型
になる。本実施形態のシールド掘進機では、コンパクト
に構成した球面部を2個所備え、それぞれの球面部にお
ける屈曲角度の和を前胴47と後胴49の屈曲角度θと
しているので、より曲率の小さい急曲線施工が可能なシ
ールド掘進機をコンパクトに構成でき、安価なシールド
掘進機が得られる。
【0030】なお、本実施形態においては、第1中胴6
8が第2中胴69の内側に挿入されて伸縮自在となって
いる図6で説明したが、第2中胴69が第1中胴68の
内側に挿入されていても何ら差し支えない。
【0031】以上説明したように、本発明によれば、ピ
ンを備えた屈曲中心軸を設定していて、前胴が後胴に対
して球面部で屈曲するので、重合部の隙間分により許容
される角度だけ屈曲させるという従来の屈曲方法と異な
り、大きな屈曲角度が得られる。また、前胴、中胴及び
後胴の各要素が機械的に結合された状態で屈曲するの
で、連結ジャッキに設定されるストロークに基づく角度
指令通りの精度のよい屈曲角度が再現性よく得られる。
また、連結ジャッキの各ストロークを演算油圧手段で自
動的に制御することにより直線掘削から曲線掘削へ、又
曲線掘削から直線掘削へ切り換える。これにより、作業
員が連結具等を連結したり切り離したりする必要がない
ので、掘削作業が中断されることがなく施工能率を向上
できる。
【0032】また、曲線施工時において、連結ジャッキ
により前胴の後胴に対する屈曲角度を保持しながらスト
ロークを演算油圧手段で自動的に伸長させ前胴と後胴の
距離を大きくして前胴を掘進させる。このとき、作業員
は推進ジャッキを盛り換えしながら、新しいセグメント
を組み付ける。これにより、直進掘削時と同様に、曲線
掘削時のときも掘進及びセグメント組み立てを同時に行
う同時施工が可能であるので、施工能率を向上できる。
これらにより、より曲率の小さい急曲線施工が行え、か
つ曲線施工時にも同時施工が行えるので、優れた施工能
率を有し急曲線施工の可能なトンネル掘進機が得られ
る。
【0033】以上、シールド掘進機を例にとり説明して
きたが、同様の構造を図9に示すトンネル掘進機(以
降、TBMと呼ぶ)に適用することもできる。図9
(a)に示すように、TBMは前胴47、中胴48及び
後胴49を備え、前胴47と中胴48とは伸縮可能な構
造となっており、中胴48と後胴49とは屈曲可能な構
造となっている。掘進作業は、後胴49に設けたグリッ
パ80を図9(b)に示すようにグリッパジャッキ81
で坑壁に押し付けて反力をとりつつスラストジャッキ8
2を伸ばしながら行う。スラストジャッキ82が伸び切
ったら、前胴47に設けたフロントサイドサポート83
を図9(c)に示すようにサイドサポートジャッキ84
で坑壁に押し付けて前胴を固定し、スラストジャッキ8
2を縮めて後胴49を前進させる。通常、岩盤部ではこ
の動作の繰り返しにより掘進を行うが、軟弱層では後胴
に設けたセグメントエレクタ86によりセグメントを組
立て、シールド掘進機のようにセグメントに推進反力を
とりながら掘進することも可能である。中胴48と後胴
49とは、円周方向に複数本配置されたアーティキュレ
ートジャッキ85により連結されている。これら複数の
アーティキュレートジャッキ85のロッド側配管はすべ
て連通されており、各ボトム側の配管もすべて連通され
ている。これにより中胴48と後胴49とは互いに分離
することなく屈曲可能に連結されることとなる。即ち、
アーティキュレートジャッキ85は、屈曲を許容する継
手の役割を果たしている。屈曲量は、スラストジャッキ
82の伸びしろを変えることにより調整する。このよう
なTBMに、第1,2実施形態で説明したピンによる屈
曲中心軸、スライド部及び前胴と後胴とを連結する連結
ジャッキを備える構成を適用すれば、アーティキュレー
トジャッキ85が不要となり、構造を簡素なものとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のシールド掘進機の構成図であ
る。
【図2】第1実施形態の屈曲中心軸の説明図である。
【図3】ラチスジャッキがフルストロークのときの施工
ステップの説明図である。
【図4】第1実施形態のシールド掘進機の屈曲時の説明
図である。
【図5】ラチスジャッキがハーフストロークのときの施
工ステップの説明図である。
【図6】第2実施形態のシールド掘進機の構成図であ
る。
【図7】第2実施形態のシールド掘進機の屈曲時の説明
図である。
【図8】第2実施形態のシールド掘進機の屈曲時の効果
の説明図である。
【図9】TBMの屈曲方法及び掘進方法の説明図であ
る。
【図10】同時施工及び急曲線施工の可能なシールド掘
進機の従来技術の説明図である。
【符号の説明】
40…シールドジャッキ、41…ラチスジャッキ、47
…前胴、48…中胴、49…後胴、50…上ピン、51
…下ピン、52…球面内輪、53…球面外輪、54…シ
ール、55…摺動シール、56…セグメント、57…重
合部、64…第1上ピン、65…第1下ピン、66…第
2上ピン、67…第2下ピン、68…第1中胴、69…
第2中胴、70…第1球面内輪、71…第1球面外輪、
72…第2球面内輪、73…第2球面外輪、74…第1
シール、75…第2シール、θ…屈曲角度、θ1…第1
屈曲角度、θ2…第2屈曲角度、Vs…屈曲中心軸、V
s1…第1屈曲中心軸、Vs2…第2屈曲中心軸。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面に掘削手段を有する前胴(47)と、 前胴(47)にテレスコピック状に互いに伸縮自在にはまり
    あう中胴(48)と、 直径方向に配するピン(50,51)により中胴(48)に屈曲自
    在に連結される後胴(49)とを有し、 前胴(47)と後胴(49)とを複数の連結ジャッキ(41)により
    連結したことを特徴とするトンネル掘進機。
  2. 【請求項2】 前面に掘削手段を有する前胴(47)と、 直径方向に配する第2のピン(66,67)により前胴(47)に
    屈曲自在に連結される第2の中胴(69)と、 第2の中胴(69)にテレスコピック状に互いに伸縮自在に
    はまりあう第1の中胴(68)と、 直径方向に配する第1のピン(64,65)により第1の中胴
    (68)に屈曲自在に連結される後胴(49)とを有し、 前胴(47)と後胴(49)とを複数の連結ジャッキ(41)により
    連結したことを特徴とするトンネル掘進機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019027096A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 植村 誠 オープンシールド機

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