JP3461714B2 - シールド掘削機の推進方法 - Google Patents

シールド掘削機の推進方法

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JP3461714B2
JP3461714B2 JP05578898A JP5578898A JP3461714B2 JP 3461714 B2 JP3461714 B2 JP 3461714B2 JP 05578898 A JP05578898 A JP 05578898A JP 5578898 A JP5578898 A JP 5578898A JP 3461714 B2 JP3461714 B2 JP 3461714B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネル掘削壁面に
セグメントを組み立てることによって構築されるトンネ
ル覆工に推進反力を支持せながらトンネルを掘進するシ
ールド掘削機の推進方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、シールド掘削機によって掘削
された掘削壁面に複数個の六角形セグメントをトンネル
周方向に組み立てゝトンネル覆工を構築する場合、トン
ネル周方向に対向する六角形セグメントの前後傾斜端面
同士を交互に千鳥状に接合、連結することによって前半
部がトンネル長さ方向に突出させたセグメント間にセグ
メントの後半部が嵌合可能な空間部を形成しながらトン
ネル覆工を構築し、周方向に千鳥状に連結したセグメン
トの前端面によって形成している該トンネル覆工の凹凸
端面にシールド掘削機の推進ジャッキを当接させて伸長
させることによりトンネルを掘進している。
【0003】そして、推進ジャッキを伸長させてシール
ド掘削機の掘進長が六角形セグメントにおけるトンネル
長さ方向の半部分の幅に等しい長さになると、トンネル
覆工の凹端面から前方に該六角形セグメントの前半部が
配設可能な空間が形成されるので、シールド掘削機を一
旦停止させたのち、前半部がトンネル長さ方向に突出し
ている六角形セグメント間の上記空間部に新たな六角形
セグメントの後半部を嵌合させ且つその前半部を上記ト
ンネル覆工の凸端面から前方に突出させた状態にして組
み込んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方法では、曲線トンネルの掘進時においてもトンネル
覆工における凸端面を形成した六角形セグメントの前端
面に対して推進ジャッキによる大きな推進力を作用させ
ているので次に述べるような問題点が生じることにな
る。即ち、曲線トンネルの掘削時にはシールド掘削機の
推進ジャッキの伸長方向がトンネル覆工の前端面に該ト
ンネル覆工の長さ方向に対して曲線トンネルの湾曲度に
対応した角度でもって交差する方向に作用するため、曲
線トンネルの凸弧状に湾曲したトンネル覆工部側の六角
形セグメントの前端面に対しては推進ジャッキの押圧力
が該六角形セグメントの内面側から外面側に向かって斜
め後方に作用し、曲線トンネルの凹弧状に湾曲したトン
ネル覆工部側の六角形セグメントの前端面に対しては推
進ジャッキの押圧力が該六角形セグメントの外面側から
内面側に向かって斜め後方に作用することになる。
【0005】一方、トンネル覆工の凹凸前端面におい
て、凹端面を形成している六角形セグメントは、その凹
端面を形成している前端面以外の5方端面を既設の隣接
する六角形セグメントの対向端面に接合、連結して拘束
されているので、この前端面に推進ジャッキによる上記
のような斜め後方に向かう押圧力が作用しても、該六角
形セグメントの前端面は損傷する虞れはないが、凸端面
を形成している六角形セグメントはその後半部側の3方
端面を隣接する六角形セグメントの対向端面に接合、連
結した状態で前半部を何等拘束することなく前方に突出
させているので、上記凸端面を形成するこの突出前半部
の前端面に推進ジャッキによる上記のような斜め後方に
向かう押圧力が作用すると、該突出前半部が後半部に対
して内面側から外面側に屈折する方向に変形しようとす
る。
【0006】この場合、曲線トンネルの凸弧状に湾曲し
たトンネル覆工部側の六角形セグメントの前端面に対す
る推進ジャッキの推進力を他の六角形セグメントの前端
面に対する推進ジャッキの推進力よりも大きくしてシー
ルド掘削機にその機軸に対する偏心モーメントを発生さ
せながら曲線トンネルを掘進しているため、該六角形セ
グメントの突出端面にはセグメント内面側から外面側に
向かって斜め後方に極めて大きな押圧力が作用すること
になってこの六角形セグメントの突出端部が欠損したり
破損したりするものである。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところはトンネル覆工の前端
面にシールド掘削機の推進ジャッキの推進反力を受止さ
せながら曲線トンネル部を掘進する際に、トンネル覆工
の凸端面を形成するセグメントの前端部を損傷させるこ
となく円滑な掘進を可能にし得るシールド掘削機の推進
方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るシールド掘削機の推進方法
は、前半部をトンネル長さ方向に突出させたセグメント
間にセグメントの後半部が嵌合可能な空間部を形成しな
がら複数個のセグメントをトンネル周方向に千鳥状に連
結して前端面が凹凸端面に形成されたトンネル覆工を構
築していくと共にこのトンネル覆工の前端面に推進ジャ
ッキの推進反力を支持させてシールド掘削機を推進させ
る推進方法において、曲線トンネル部の築造時に、上記
トンネル覆工の凹凸端面を形成した各セグメントに対応
して設けられている推進ジャッキのうち、凹端面に対応
する推進ジャッキのみを該凹端面を形成するセグメント
の前端面に当接させて伸長させることによりシールド掘
削機を推進させることを特徴としている。
【0009】また、請求項2に係るシールド掘削機の推
進方法は、前半部をトンネル長さ方向に突出させたセグ
メント間にセグメントの後半部が嵌合可能な空間部を形
成しながら複数個のセグメントをトンネル周方向に千鳥
状に連結して前端面が凹凸端面に形成されたトンネル覆
工を構築していくと共にこのトンネル覆工の前端面に推
進ジャッキの推進反力を支持させてシールド掘削機を推
進させる推進方法において、曲線トンネル部の築造時
に、上記トンネル覆工の凹凸端面を形成した各セグメン
トに対応して設けられている推進ジャッキのうち、凹端
面を形成するセグメントの前端面に当接させた推進ジャ
ッキを大きな推進力でもって作動させ、凸端面を形成す
るセグメントの前端面に当接させた推進ジャッキを小さ
な推進力でもって作動させることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】シールド掘削機によって掘削した
掘削壁面に複数個のセグメントを周方向に連結しながら
施工してトンネル覆工を行う。この際、先に施工したセ
グメントと次に施工するセグメントとはトンネル長さ方
向の幅の半部分を前後方向に交互にずらした状態となる
ように組立てる。このようにして複数個のセグメントを
トンネル周方向にリング状に組立てると、前半部が前方
に向かって突出したセグメント間にセグメントの後半部
が嵌合可能な空間部が形成され、この空間部に上記前半
部が前方に突出したセグメント間に組立てられているセ
グメントの前端面が露出した状態となる。従って、前半
部を前方に突出させているセグメントの前端面が凸端面
で、空間部に露出しているセグメントの前端面が凹端面
となったトンネル覆工が形成される。一方、上記シール
ド掘削機には1リング分のトンネル覆工を形成する複数
個のセグメントにそれぞれ対応させて複数本の推進ジャ
ッキが配設されている。
【0011】そして、これらの推進ジャッキをトンネル
覆工の前端面に当接させ、該前端面に推進反力を受止さ
せた状態にして推進ジャッキを伸長させることによりシ
ールド掘削機を掘進させる一方、新たなセグメントの組
み立ては、セグメントの後半部が嵌合可能な任意の空間
部に次のセグメントの後半部を嵌合させ、該セグメント
の後端面をこの空間部に露出しているセグメントの前端
面に連結させる。この作業中においては、該空間部に露
出しているセグメントの前端面に対応して配設された推
進ジャッキを収縮させて空間部にセグメントを組み込む
作業の邪魔にならないように待機させている。
【0012】このように、シールド掘削機によって掘削
されるトンネルにセグメントよる覆工を行っていくもの
であるが、シールド掘削機の推進は、直線トンネルの掘
進時には、新たなセグメントを組み込む空間部とこの空
間部に対してトンネル径方向に対応した位置に配設して
いる推進ジャッキを不作動状態にしておき、その他のセ
グメントの前端面に対応する推進ジャッキを各々のセグ
メントの前端面に当接させた状態で伸長させることによ
り、シールド掘削機を推進させる。
【0013】次に、曲線トンネルの掘進時には、トンネ
ル覆工の凹凸前端面を形成しているセグメントのうち、
凹端面を形成しているセグメントの前端面に対応する推
進ジャッキを該凹端面に当接させてシールド掘削機の推
進反力を支持させ、凸端面に対応する推進ジャッキを不
作動状態又は凹端面に推進反力を支持させる推進ジャッ
キの推進力よりも小さい推進力となるように凸端面に当
接させる。
【0014】この状態にして曲線トンネルに沿う方向に
推進ジャッキを作動させてシールド掘削機を掘進させ
る。この曲線トンネル掘進時には、シールド掘削機の機
軸線が曲線トンネル覆工の中心線に対してトンネル湾曲
方向に傾斜しており、従って、シールド掘削機の推進ジ
ャッキの伸長方向がトンネル覆工の前端面に該トンネル
覆工の長さ方向に対して曲線トンネルの湾曲度に対応し
た角度でもって交差する方向に作用する。この際、曲線
トンネルの凸弧状に湾曲したトンネル覆工部側の推進ジ
ャッキの推進力を大きくしてその湾曲方向にシールド掘
削機を掘進させるものであり、この凸弧状に湾曲したト
ンネル覆工部側のセグメント前端面には推進ジャッキか
らの大きな押圧力が内面側から外面側に向かって斜め後
方に作用するが、上述したように、この押圧力を受止す
るトンネル覆工の前端面は、押圧力を受止する受止面以
外の面を隣接するセグメントに接合、連結されて強固に
支持されたセグメントの前端面であるから、該セグメン
トは推進ジャッキの押圧力によって破損することはな
く、推進ジャッキの推進反力をシールド掘削機に確実に
伝達して曲線トンネルを掘進させることができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を図面につい
て説明すると、図1に示すようにシールド掘削機1によ
ってトンネルTを掘進すると共にそのトンネル掘削壁面
tに沿って複数個の六角形セグメント2を周方向に接
合、連結することによってトンネル覆工3を形成してい
く。六角形セグメント2は鉄筋コンクリート製又は鋼製
であって周知のように、図2に示すように、トンネル周
方向に湾曲した平面六角形状に形成されてあり、その外
周面はトンネル周方向に並行する前後端面21、22と、こ
れらの前後端面21、22のトンネル長さ方向に対向した両
端部間に互いにV字状となった前後傾斜端面23、24及び
25、26をそれぞれ設けてなる形状に形成されている。
【0016】さらに、上記六角形セグメント2におい
て、曲線トンネル覆工部3Aを構築するセグメント2A(以
下、テーパセグメントという)は図3に示すように、そ
の一半部2aを両斜辺(傾斜端面)の長さが等しい等脚台
形状部に形成され、他半部2bを両斜辺(傾斜端面)の長
さが異なる不等脚台形状部に形成されていて、前端面21
と後端面22とはその延長線上で交差するように互いに傾
斜させた形状に形成している一方、直線トンネル覆工部
3Bを構築する六角形セグメント2は、その一半部2aと他
半部2bとは同一大きさ、同一形状の等脚台形状に形成さ
れている。
【0017】このように形成しているテーパセグメント
2Aや六角形セグメント2をシールド掘削機1によって掘
削したトンネル掘削壁面tに組み立てゝトンネル覆工3
を構築していくには、任意のセグメントにおいて、その
前側の両傾斜端面23、25に該セグメントに対してトンネ
ル周方向に隣接するセグメントの後側の傾斜端面24、26
の一方をそれぞれ突き合わせ状態に接合させて連結し、
さらに、これらのセグメントにおける他方の後側傾斜端
面24、26が次のセグメントの前側傾斜端面23、25の一方
に接合させた状態となるように組立てる。即ち、テーパ
セグメント2A又は六角形セグメント2がトンネル長さ方
向の幅の半分だけ前後方向に交互にずらしながらトンネ
ル周方向に千鳥状に組み合わせた状態となるようにして
トンネル覆工3を構築していく。
【0018】従って、トンネル周方向に組立てられた1
リング分のトンネル覆工3は、トンネル周方向に1つお
きのセグメントにおける台形状の一半部2a又は他半部2b
のいずれかからなる前半部が前方(トンネル長さ方向)
に突出していると共に、周方向に隣接するセグメントの
対向する前側の傾斜端面23、25間に新たなセグメントの
一半部2a又は他半部2bからなる台形状後半部が嵌合可能
な台形状の空間部4が形成された構造となっており、さ
らに、このトンネル覆工3の前端面は、前半部が突出し
たセグメントの前端面21を凸端面とし且つ上記台形状の
空間部4に露出しているセグメントの前端面21を凹端面
として、これらの凹凸端面がトンネル周方向に千鳥状に
連続した形状となっている。
【0019】シールド掘削機1は図1に示すように、本
体である円筒形状の胴体を前胴11と後胴12とに分割して
あり、前胴11の前端開口部にカッタ板13を配してこのカ
ッタ板13の回転中心軸14を該前胴11の前端部に一体に設
けている隔壁18に回転自在に支持させていると共に隔壁
18の背面に配設した駆動モータ15によって該カッタ板13
を回転駆動するように構成している。さらに、上記前胴
11と後胴12との対向端部の内周面複数個所間、例えば、
上下左右間を中折れジャッキ16によって連結していると
共に後胴12の前部内周面に周方向に設けたリブ19に、ト
ンネル周方向に組立てた各六角形セグメント2の前端面
にそれぞれ対応させて数本(図においては3本)を一組
とする推進ジャッキ17を装着している。なお、図示して
いないがカッタ板13によって掘削した土砂の排出手段も
備えている。
【0020】このシールド掘削機1によってトンネルT
を掘進すると共にそのトンネル掘削壁面tにテーパセグ
メント2A又は六角形セグメント2を順次、組立てること
によってトンネル覆工3を構築していく方法について説
明すると、まず、既に構築されている直線トンネル覆工
3Bの端面の形状は、図2に示すように六角形セグメント
2がトンネルの周方向に順次前後傾斜端面同士を接合し
た状態で連結して千鳥状に配設されており、上述したよ
うにトンネル周方向の1つおきの六角形セグメント2の
等脚台形状前半部が前方に突出していると共にこれらの
六角形セグメント2、2の対向する前側の傾斜端面23、
25間に六角形セグメント2を2分割した等脚台形状の空
間部4が形成された構造となっている。なお、図におい
てはトンネル掘削壁面tを一回りする1リング分のトン
ネル覆工部を8個の六角形セグメント2によって形成し
た状態を示しているが、4個以上の六角形セグメント2
によって形成しておけばよい。
【0021】この状態から図3に示すような曲線トンネ
ル覆工部3Aを築造する場合、シールド掘削機1によって
掘削された曲線トンネル掘削壁面に沿ってテーパセグメ
ント2Aの等脚台形状後半部を上記空間部4に順次嵌合し
て既設のセグメントとの接合端面同士を連結することに
より施工していく。この際、曲線トンネル部を掘進する
には、図4の展開図に示すように、次に組み立てるべき
曲線トンネル覆工部形成用のテーパセグメント2A(一点
斜線で示している)を嵌め込む任意の一個所の空間部4
と前半部が突出しているテーパセグメント2Aの前端面21
とにそれぞれ対応した推進ジャッキ17をトンネル覆工3
の凹凸前端面から前方に収縮させておき、その他の空間
部4、即ち、トンネル覆工の凹端面に対応する推進ジャ
ッキ17をそれぞれの空間部4に露出しているセグメント
前端面21に当接させてその前端面21に推進反力を支持さ
せた状態で伸長させることによりシールド掘削機1を掘
削させるものである。
【0022】シールド掘削機1の掘進は、掘削すべき曲
線トンネルTの屈曲方向に中折れジャッキ16のストロー
クを調整して行う。例えば、シールド掘削機1を右側に
掘進させたい場合には、右側に配設している中折れジャ
ッキ16を収縮させる一方、左側に配設している中折れジ
ャッキ16を伸長させて、後胴1bに対して前胴1aを右側に
屈折させ、この状態にしてシールド掘削機1を掘進させ
る。この際、シールド掘削機1全体を左側部が右側部よ
りも先行するように該左側部側に配設している推進ジャ
ッキ17を大きな押圧力でもって大きく伸長させ、右側部
側に配設している推進ジャッキ17を小さな押圧力でもっ
て小さく伸長させる。即ち、曲線トンネルTの凸弧状に
湾曲したトンネル覆工部側の推進ジャッキ17の推進力を
大きくしてシールド掘削機1を掘進させる。
【0023】そうすると、シールド掘削機1の機軸方向
がトンネル中心線に対してトンネル湾曲方向に傾斜した
状態でシールド掘削機1が掘進し、その掘進時には該曲
線トンネル覆工部3Aの凸弧状に湾曲した覆工部側のテー
パセグメント2Aの前端面に推進ジャッキ17からの大きな
押圧力が該テーパセグメント2Aの内面側から外面側に向
かって斜め後方に作用するが、このテーパセグメント2A
は推進ジャッキ17を受止する前端面以外の他の5方の端
面が隣接する既設のセグメントの対向端面に接合、連結
して強固に拘束、支持されているので、推進ジャッキ17
による斜め方向の押圧力にもかかわらず該テーパセグメ
ント2Aの端部は欠損したり破損することなく、推進ジャ
ッキ17の押圧力を確実に支持して推進反力をシールド掘
削機1に伝達しながらシールド掘削機1を曲線トンネル
Tに沿って掘進させることができるものである。
【0024】同様に、曲線トンネル覆工部3Aの凹弧状に
湾曲した覆工部側のテーパセグメント2Aの前端面には、
推進ジャッキ17の押圧力がその外面側から内面側に向か
って斜め後方に向かって作用するが、この推進ジャッキ
17の押圧力を受止する前端面以外の他の5方の端面が隣
接する既設のセグメントの対向端面に接合、連結して強
固に拘束、支持されているので、推進ジャッキ17による
斜め方向の押圧力にもかかわらず該テーパセグメント2A
の端部は欠損したり破損することはない。
【0025】任意の一個所の空間部4に対するテーパセ
グメント2Aの組み込み作業が終わると、図5、図6に示
すように、次の空間部4にテーパセグメント2Aの後半部
を順次嵌め込んで既設セグメントとの接合端面同士を連
結することにより組み込んでいくことによって曲線トン
ネル覆工部3Aを築造していくものであり、この場合も曲
線トンネル覆工部3Aの凹凸前端面において、テーパセグ
メント2Aを組み込む空間部4に露出した凹端面以外の全
ての凹端面のみに推進ジャッキ17を当接、受止させて伸
長させることにより上記同様にして曲線トンネル部を掘
進する。
【0026】このように、テーパセグメント2Aを組み立
てる空間部4以外のトンネル覆工3の全ての凹端面に推
進ジャッキ17の推進反力を受止させてこれらの推進ジャ
ッキ17を伸長させることによりシールド掘削機1を計画
曲線トンネルに沿って掘進させているが、図7に示すよ
うに、曲線トンネル覆工部3Aの凸端面を形成したテーパ
セグメント2Aの前端面にもそれぞれ対応する推進ジャッ
キ17を当接させ、これらの推進ジャッキ17を上記空間部
4の凹端面に当接した推進ジャッキ17よりも小さい押圧
力でもってそれぞれの凸端面に作用させることによりシ
ールド掘削機1を掘進させてもよい。この場合も図8、
図9に示すように、次の空間部4にテーパセグメント2A
の後半部を順次嵌め込んで既設セグメントとの接合端面
同士を連結することにより組み込んでいくことによって
曲線トンネル覆工部3Aを築造していくものである。
【0027】シールド掘削機1の掘進中において、或い
は、シールド掘削機1を停止させた状態において、掘削
された曲線トンネル部にテーパセグメント2Aを前半部が
突出したセグメント間の台形状空間部4に順次、組み込
んで曲線トンネル覆工3を築造していくには、空間部4
が等脚台形状である場合にはテーパセグメント2Aの等脚
台形状の一半部2aを後方側に向けて該空間部4に嵌め込
み、その後端面と後側の両傾斜端面とを該空間部4の凹
端面を形成している既設のセグメントの前端面21とこの
前端面21の両端に連なっている隣接する既設のセグメン
トの対向する前側傾斜端面23、25とにそれぞれ接合して
ボルト(図示せず)により連結する。
【0028】このようにテーパセグメント2Aをトンネル
覆工3の前端部に形成される等脚台形状空間部4に順次
組み立てるものであるが、この際、該等脚台形状部に嵌
合させる各テーパセグメント2Aにおいて、その一半部2a
の等脚台形状部の形状、大きさは同一であるが、他半部
2Bの不等脚台形状部においてはトンネルTの湾曲方向、
即ち、湾曲中心点側に向かって配設されるテーパセグメ
ント程、その幅が徐々に小さくなるように形成してい
る。即ち、トンネルの湾曲頂部側(凸湾曲側)から底部
側(凹湾曲側)に向かって順次周方向に湾曲中心点側に
向かって施工されるテーパセグメント2Aの前端面がトン
ネル湾曲中心に向かう同一直線上に配設されるように傾
斜させた形状としている。なお、トンネル の湾曲頂部
側と底部側に配設されるテーパセグメント2Aの他半部は
不等脚台形状部を形成しておくことなく、等脚台形状部
に形成しておいてもよい。
【0029】上記のように、トンネル覆工3の前端面に
形成される各等脚台形状空間部4にテーパセグメント2A
の等脚台形状部を嵌合して組み立てると、各テーパセグ
メント2Aの不等脚台形状の他半部2bが前方に突出した状
態となり、これらの隣接するテーパセグメント2A、2Aの
突出他半部2b、2b間には不等脚台形状の空間部4が新た
に形成され、次のトンネル覆工時にはこれらの各空間部
4に不等脚台形状の他半部2bを順次嵌合、接続させてト
ンネル周方向に隣接するテーパセグメント2Aの前方に突
出する等脚台形状一半部間に等脚台形状空間部4を形成
し、以下、同様にしてテーパセグメント2Aを順次、組み
立てると共に該空間部4以外の凹端面に推進ジャッキ17
の推進反力を支持させながら曲線トンネル覆工3を築造
するものである。
【0030】次に、前後端面21、22が互いに並行な六角
形セグメント2を使用して直線トンネル覆工3Aを築造す
る場合には、図10に示すように、前半部が前方に突出し
ているセグメント2、2間で形成された等脚台形状空間
部4において、任意の空間部4に次の六角形セグメント
2(二点斜線で示している)の後半部を嵌合させて既設
の六角形セグメント2の対向端面に接合、連接させる。
この作業中においては、該空間部4に対応する推進ジャ
ッキ17と、この空間部4に対してトンネル径方向に対応
した位置に配設している推進ジャッキ17を不作動状態に
しておき、その他の六角形セグメント2の前端面21に対
応する推進ジャッキ17を各々のセグメントの前端面に当
接させた状態で伸長させることにより、シールド掘削機
1を推進させる。
【0031】シールド掘削機1の掘進中に、上記空間部
4に六角形セグメント2の後半部を嵌合させて組み込む
と、次の空間部4に新たな六角形セグメント2を嵌合さ
せて組込む。この場合も該空間部4に対してトンネル径
方向に対応した位置に配設している推進ジャッキを不作
動状態とし、その他の六角形セグメント2の前端面に対
応する全ての推進ジャッキ17を伸長させることにより六
角形セグメント2の前端面に推進反力を支持させながら
シールド掘削機1を掘進させる。そして、この作業を順
次、繰り返し行うことによってシールド掘削機によりト
ンネルを掘進しながらセグメント覆工を築造する。
【0032】このように、常に、六角形セグメント2の
組立個所とその組立個所に対してトンネル径方向に対応
する個所との推進ジャッキ17を作動させることなく、そ
の他のセグメント前端面に対応する推進ジャッキ17を伸
長させることによってシールド掘削機1を推進させるの
で、シールド掘削機1を押し進める推進ジャッキの押圧
力はシールド掘削機の中心に対してシールド掘削機に点
対称に作用し、シールド掘削機をその機軸方向に簡単且
つ正確に推進させることができると共にシールド掘削機
1を停止させることなく六角形セグメント2の組み立て
によるトンネル覆工4の施工が可能となり、トンネル施
工期間の短縮を図ることができる。
【0033】なお、以上の実施例においてはトンネル覆
工3を六角形状のセグメントによって築造しているが、
図11に示すように、トンネルの周方向に湾曲した平面矩
形状のセグメント2'によって築造してもよい。この平面
矩形状のセグメント2'によってトンネル覆工部3'を築造
する場合においても、前半部をトンネル長さ方向に突出
させたセグメント2'、2'間にセグメントの後半部が嵌合
可能な空間部4'を形成しながら複数個のセグメント2'を
トンネル周方向に千鳥状に連結して前端面が凹凸端面に
形成されたトンネル覆工3'を構築していくものであり、
この際、上記実施例で述べたように、セグメント2'の組
み込み作業を行っている空間部4'に露出した凹端面以外
の全ての凹端面に対応する推進ジャッキ17を作動させて
シールド掘削機1を推進させる。また、凸端面に対応す
る推進ジャッキ17は不作動状態にしておくか、或いは凹
端面に当接させる推進ジャッキ17よりも小さな押圧力で
もってシールド掘削機1の推進させる。
【0034】以上の実施例においては、シールド掘削機
1として前胴11と後胴12とを中折れジャッキ16によって
互いに屈折可能に連結した構造のものを示したが、中折
れジャッキ16を用いることなく、推進ジャッキ17によっ
て方向修正を可能にした構造のシールド掘削機1におい
ても本発明を適用することができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明は、前半部をトンネ
ル長さ方向に突出させたセグメント間にセグメントの後
半部が嵌合可能な空間部を形成しながら複数個のセグメ
ントをトンネル周方向に千鳥状に連結して前端面が凹凸
端面に形成されたトンネル覆工を構築していくと共にこ
のトンネル覆工の前端面に推進ジャッキの推進反力を支
持させてシールド掘削機を推進させる推進方法におい
て、請求項1に係る発明は曲線トンネル部の築造時に、
上記トンネル覆工の凹凸端面を形成した各セグメントに
対応して設けられている推進ジャッキのうち、凹端面に
対応する推進ジャッキのみを該凹端面を形成するセグメ
ントの前端面に当接させて伸長させることによりシール
ド掘削機を推進させることを特徴とするものであるか
ら、推進ジャッキの推進力を受止するセグメントはその
前端面以外の他の面を既設のセグメントとの対向面に一
体的に接合、連結しているので、曲線トンネル掘削時に
おいて推進ジャッキの押圧力が該セグメントの端面に対
して傾斜方向に作用しても、セグメントが欠損したり破
損したりするのを防止することができると共に推進ジャ
ッキの押圧力を確実に受止してシールド掘削機を円滑に
且つ正確な方向に推進させることができる。
【0036】また、請求項2に係る発明によれば、曲線
トンネル部の築造時に、上記トンネル覆工の凹凸端面を
形成した各セグメントに対応して設けられている推進ジ
ャッキのうち、凹端面を形成するセグメントの前端面に
当接させた推進ジャッキを大きな推進力でもって作動さ
せ、凸端面を形成するセグメントの前端面に当接させた
推進ジャッキを小さな推進力でもって作動させることを
特徴とするのであるから、上記請求項1に係る発明と同
様に曲線トンネル掘進時における推進ジャッキの推進力
によるセグメントの欠損や破損の発生を防止することが
できると共に、セグメント覆工の凸端面に当接させた推
進ジャッキによってシールド掘削機を安定した姿勢に保
持しながら且つ全体として大きな推進力を与えながら、
凹端面に当接している推進ジャッキの推進力により所望
の方向に正確に掘進させることができ、精度のよいトン
ネルの築造が行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネル覆工を構築中のシールド掘削機の簡略
縦断側面図、
【図2】六角形セグメントによるトンネル覆工の構築状
態を示す一部の簡略斜視図、
【図3】直線トンネル覆工部と曲線トンネル覆工部との
施工状態を示す簡略平面図、
【図4】任意の空間部に新たなテーパセグメントを嵌合
させた状態のトンネル覆工の展開図、
【図5】次のテーパセグメントの組み込み状態を示すト
ンネル覆工の展開図、
【図6】さらに次のテーパセグメントの組み込み状態を
示すトンネル覆工具の展開図、
【図7】推進ジャッキの別な操作状態を示す一部の簡略
斜視図、
【図8】次のテーパセグメントの組み込み状態を示すト
ンネル覆工の展開図、
【図9】さらに次のテーパセグメントの組み込み状態を
示すトンネル覆工具の展開図、
【図10】直線トンネル覆工部の施工態様を説明するた
めの展開図、
【図11】矩形状セグメントによるトンネル覆工の構築
状態を示す展開図。
【符号の説明】
1 シールド掘削機 2 六角形セグメント 2A テーパセグメント 2a 等脚台形状一半部 2b 不等脚台形状他半部 3 トンネル覆工 4 空間部 16 中折れジャッキ 17 推進ジャッキ 21 セグメントの前端面 22 セグメントの後端面

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前半部をトンネル長さ方向に突出させた
    セグメント間にセグメントの後半部が嵌合可能な空間部
    を形成しながら複数個のセグメントをトンネル周方向に
    千鳥状に連結して前端面が凹凸端面に形成されたトンネ
    ル覆工を構築していくと共にこのトンネル覆工の前端面
    に推進ジャッキの推進反力を支持させてシールド掘削機
    を推進させる推進方法において、曲線トンネル部の築造
    時に、上記トンネル覆工の凹凸端面を形成した各セグメ
    ントに対応して設けられている推進ジャッキのうち、凹
    端面に対応する推進ジャッキのみを該凹端面を形成する
    セグメントの前端面に当接させて伸長させることにより
    シールド掘削機を推進させることを特徴とするシールド
    掘削機の推進方法。
  2. 【請求項2】 前半部をトンネル長さ方向に突出させた
    セグメント間にセグメントの後半部が嵌合可能な空間部
    を形成しながら複数個のセグメントをトンネル周方向に
    千鳥状に連結して前端面が凹凸端面に形成されたトンネ
    ル覆工を構築していくと共にこのトンネル覆工の前端面
    に推進ジャッキの推進反力を支持させてシールド掘削機
    を推進させる推進方法において、曲線トンネル部の築造
    時に、上記トンネル覆工の凹凸端面を形成した各セグメ
    ントに対応して設けられている推進ジャッキのうち、凹
    端面を形成するセグメントの前端面に当接させた推進ジ
    ャッキを大きな推進力でもって作動させ、凸端面を形成
    するセグメントの前端面に当接させた推進ジャッキを小
    さな推進力でもって作動させることを特徴とするシール
    ド掘削機の推進方法。
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