JP2001348733A - 吸湿性に優れたポリエステル繊維 - Google Patents

吸湿性に優れたポリエステル繊維

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JP2001348733A JP2000170371A JP2000170371A JP2001348733A JP 2001348733 A JP2001348733 A JP 2001348733A JP 2000170371 A JP2000170371 A JP 2000170371A JP 2000170371 A JP2000170371 A JP 2000170371A JP 2001348733 A JP2001348733 A JP 2001348733A
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Yoshitaka Matsumura
由隆 松村
Toshihiro Sasaki
敏弘 佐々木
Yoshihiro Naruse
恵寛 成瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸湿性が高く、織編物等として下着、スポーツ
ウェア、裏地等の快適素材として用いることができるポ
リエステル繊維を得ることを課題とする。 【解決手段】シリカ系無機粒子を含有したポリエステル
繊維であって吸湿性に優れたポリエステル繊維によって
解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸湿性に優れたポリ
エステル繊維に関する。より詳しくは、吸湿性、耐熱
性、耐候性等に優れるため、着用快適性を有する合成繊
維用途や帯電防止性を有するポリエステル繊維に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートを始めとす
るいわいるポリエステルは、強度や熱安定性、耐薬品性
などに優れるため、繊維やフィルム、組成物などの用途
に広く用いられている。しかし、ポリエチレンテレフタ
レートは本質的に疎水性であるため、きわめて吸放湿性
に乏しく、衣服として用いられる場合には、高湿時にお
いて“むれ感”を生じたり、冬場の低湿時には静電気を
生じたりと、着用快適性においては好ましい素材とはい
えない。また、樹脂やフィルムなどとして用いられる際
にも低吸湿性のため帯電し、問題となることがある。
【0003】この欠点を解消するため、例えば特開昭48
-8270号公報に提案されているように、側鎖にオキシア
ルキレングリコールを有するジオールの共重合、特開平
2-26985号公報におけるスルホン酸金属塩含有ジカルボ
ン酸の共重合など、吸湿性能を有する化合物をポリエス
テルに共重合する方法が提案されている。しかし吸湿成
分を共重合することによってポリマー全体が改質されて
しまい、耐候性が低下したり、優れた機械的特性という
ポリエステルの持つ本来の利点が失われてしまうという
大きな問題を抱えている。
【0004】また、特公昭59-17224号公報にみられるよ
うに、ポリエステル繊維にアクリル酸やメタアクリル酸
をグラフト重合して、それらのカルボキシル基をアルカ
リ金属で置換することにより吸湿性を付与する方法が知
られている。しかし、耐光性の低下、吸湿部分が組成物
あるいは繊維表層に付着していることによるぬめりの発
生や経時的な強度低下の問題を有していることから、実
用化には至っていない。
【0005】これらの問題を解決するため、繊維用途に
おいては高い吸湿性を有する吸湿性樹脂を芯部とし、ポ
リエステルの鞘部で覆った芯鞘型複合繊維が特開平2-99
612号公報、特開平4-361616号公報、特開平4-341617号
公報、特開平9-132871号公報等に提案されている。しか
しながら、これら芯鞘型複合繊維の場合、精練や染色な
どの熱水処理時に芯部の吸湿性樹脂が水を含んで大きく
膨潤するため、繊維表面にひび割れ(鞘割れ)が発生
し、吸湿性樹脂の外部への流出や、染色堅牢性の著しい
悪化など布帛品位が低下する欠点があった。この鞘割れ
を抑制する目的で、前もって溶融紡糸の段階から吸湿性
の芯成分に隣接する中空部を設けておく方法が、特開平
9-111579号公報また特開昭52-55721号公報により提案さ
れているが、たとえ中空部を有する形状に繊維化した場
合にも繊維に撚糸加工や仮撚加工を施した場合には中空
部の潰れが生じ、その後の熱水処理によって前述の場合
と同じく吸湿ポリマーの膨潤に起因する鞘割れが生じて
しまう欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服して、ポリエステルの優れた特
性を維持しながら、高い吸湿特性を有し、且つ製糸安定
性に優れたポリエステル繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、下記A
〜Dを満足するシリカ系無機粒子を1〜20重量%含有
したポリエステル繊維であって、該繊維の吸湿パラメー
ター(ΔMR)が2%以上であることを特徴とする吸湿
性に優れたポリエステル繊維で解決することができる。
【0008】A.シリカ系無機粒子の細孔容積(ml/
g)が0.5以上であり、かつ該粒子の比表面積(m2
/g)との関係が 次式を満足すること。
【0009】100≦(粒子の比表面積/粒子の細孔容
積)<1500 B.シリカ系無機粒子の平均粒径(μm)が0.01〜
10であること。
【0010】C.シリカ系無機粒子の吸湿パラメーター
(ΔMR)が7%以上であること。
【0011】D.4μm以上の粗大粒子の含有量が5%
以下であること。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を具体的に説
明する。
【0013】本発明に於いてシリカ系無機粒子は繊維に
吸湿性を付与するための必須成分である。具体的には粒
子の50%以上がSiO2で構成される無機粒子であ
り、ホワイトカーボン、シリカゾル、シリカゲル等が挙
げられるが、好ましくはSiO 2含有量が95%以上の
湿式シリカ、乾式シリカが好ましい。
【0014】ここで、シリカ系粒子の吸湿特性について
は、低湿度環境下ては粒子の比表面積に依存し、比表面
積が高いと吸湿率も高くなる。一方、高湿度環境下にお
いては、粒子の細孔容積および比表面積の関係を特定の
値に制御することで初めて高い吸湿率を付与することが
可能となる。すなわち、シリカ系無機粒子の細孔容積
(ml/g)が0.5以上であり、かつ該粒子の比表面
積(m2/g)との関係が 次式を満足することで目的と
する吸湿特性を繊維に付与することが可能である。
【0015】100≦(粒子の比表面積/粒子の細孔容
積)<1500 高い吸湿性を付与するといった観点から400〜100
0が好ましく、500〜800がさらに好ましい。この
値が300未満であると目的使用範囲(高湿度環境下)
での吸湿性が満足に発現せず、また1500以上だと低
湿度環境下での吸湿率が高くなりすぎるため、目的とし
た吸湿特性を付与することができない。本発明で用いら
れるシリカ系無機粒子はその細孔容積が0.5(ml/
g)以上であることが必要である。この細孔容積が小さ
い場合には吸湿性能、放湿性能ともに不十分なものしか
得られない。
【0016】本発明において用いられるシリカ系無機粒
子の平均粒径は0.01〜10μmである。0.01μm
よりも小さい場合には重合の段階での増粘が激しすぎる
ため高重合度の樹脂が得られない。また、10μmより
も大きい場合は紡糸時の糸切れや濾圧上昇といった問題
を引き起こすため好ましくない。より好ましい無機微粒
子の平均粒径は0.1〜5μmである。
【0017】また本発明で用いるシリカ系無機粒子の4
μm以上の粗大粒子の含有量は5%以下でなければなら
ない。4μm以上の粗大粒子が5%以上含有していると
紡糸工程で頻繁に単糸流れや糸切れが発生し工程安定性
に劣る。好ましくは4%以下である。
【0018】また本発明で用いるシリカ系無機粒子は、
吸湿性という観点から3個/nm2以上のシラノール基
が粒子表面に存在することが必要である。表面のシラノ
ール基の数がこれより少ないと満足する吸湿性を期待で
きない。
【0019】また、シリカ系無機粒子の吸湿特性を示す
吸湿パラメーター(以下ΔMRと記す)は、これを用い
た合成繊維の吸湿性を高めるため、高ければ高い方が好
ましいが、7%以上であることが必要である。好ましく
は15.0%以上、特に好ましくは20.0%以上であ
る。
【0020】ここでΔMRとは、30℃×90%RHで
の吸湿率(MR2)から20℃×65%RHでの吸湿率
(MR1)を引いた差である(ΔMR(%)=MR2−
MR1)。ここでΔMRは衣服着用時の衣服内の湿気を
外気に放出することにより快適性を得るためのドライビ
ングフォ―スであり、軽〜中作業あるいは軽〜中運動を
行った際の30℃×90%RHに代表される衣服内温度
と20℃×65%RHに代表される外気温湿度との吸湿
率差である。本発明では吸湿性評価の尺度としてこのΔ
MRをパラメーターとして用いている。ΔMRは大きけ
れば大きいほど吸放湿能力が高く着用時の快適性が良好
であることに対応する。
【0021】本発明におけるポリエステルは、優れた強
度という観点から、その80モル%以上がアルキレンテレ
フタレート繰り返し単位からなるものであり、たとえば
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレートなどを好適な例と
して挙げることができる。なかでも、エチレンテレフタ
レートを主たる繰り返し単位とするポリエステル系重合
体は、強度、耐候性が良好なことからであり好ましい。
【0022】このエチレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とするポリエステルは、本発明の目的を損なわ
ない範囲で他の第3成分が共重合されていてもよい。例
えば、テレフタル酸の代わりに用いうる化合物として
は、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸等の、芳香族、脂肪族、脂環
族ジカルボン酸及びそれらの誘導体を挙げることが出来
る。エチレングリコールの代わりに用いうるジオール化
合物としては、プロピレングリコール、テトラメチレン
グリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキ
レングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS
のような芳香族、脂肪族、脂環族のジオール化合物を挙
げることができる。なお、これらのポリマーには必要に
応じてたとえば艶消し剤、制電剤、消臭剤、微細孔形成
剤等を含有せしめても良い。
【0023】また、ポリマー自体の吸湿性を向上させる
目的から、スルホイソフタル酸金属塩を0.5〜20モ
ル%共重合することが好ましい。これらの共重合比率
は、十分な吸放湿性、強度という観点から、より好まし
くは1〜10モル%である。
【0024】さらに同様な目的から分子量600〜20
000のポリオキシアルキレングリコールを0.5〜1
5重量%共重合することが好ましく、より好ましくは2
〜10重量%である。
【0025】また、用いるポリオキシアルキレングリコ
ールとして具体的にはポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシドブロッ
ク共重合体、ポリエチレンオキシド・ポリテトラメチレ
ンオキシドブロック共重合体、ポリプロピレンオキシド
・ポリテトラメチレンオキシドブロック共重合体等が挙
げられるが、好ましくはポリエチレングリコールであ
る。
【0026】本発明で用いられるシリカ系無機粒子の添
加量は1〜20重量%である。添加量が1重量%に満た
ないとポリエステル組成物の吸放湿性が不十分となり、
また、20重量%以上となると組成物の溶融粘度が著し
く高くなるため成形が困難となる。より好ましい添加量
は5〜15重量%である。
【0027】実用上の着用快適性を得るためには合成繊
維のΔMRは経時変化が問題とならない範囲で高いほど
好ましく、2.0%以上が必要であり、さらに好ましく
は2.5%以上である。
【0028】本発明においてポリエステルにシリカ系無
機粒子を含有させる方法はポリエステルのエステル化あ
るいはエステル交換反応時、重縮合反応時、重縮合反応
後溶融成形前のいずれかの段階において混合させればよ
い。
【0029】本発明のポリエステルを用いる繊維の製法
としては従来公知の方法で製造することができ、以下に
製造法を示す。シリカ系無機粒子含有ポリエステルを溶
融し、紡糸パックに導き口金吐出孔から紡出する。
【0030】紡出したフィラメント糸を所定の速度で引
取った後、一旦パッケージに巻上げ、得られた未延伸糸
を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸
を引取った後巻取ることなく連続して行い巻上げてもよ
いし、4000m/分以上の高速で引取り実質的に延伸
することなく一挙に所望の繊維性能を得る方法をとって
もよい。
【0031】直接紡糸延伸法としては、例えば、紡出糸
を1000〜5000m/分で引取り、引続いて300
0〜6000m/分で延伸・熱固定する方法が挙げられ
る。
【0032】本発明の合成繊維の断面形状は丸ばかりで
なく、三角、偏平、多葉型などの異形断面でも良い。ま
た、該合成繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープ
ルのどちらでも良く、用途によって適宜選定される。布
帛形態としては、織物、編物、不織布など目的に応じて
適宜選択できる。
【0033】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によって
求めた。
【0034】A.ポリエステルの極限粘度 [η] オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。
【0035】B.粒子およびそれを含有した繊維の吸湿
性パラメーター(ΔMR) 吸湿率は粒子の場合、粒子1gを用い、また繊維の場合
には原糸または布帛1〜3gを用い、絶乾時の重量と2
0℃×65%RHあるいは30℃×90%RHの雰囲気
下、恒温恒湿器(タバイ製PR−2G)中に24時間放
置後の重量との重量変化から、次式で求めた。 吸湿率(%)=(吸湿後の重量 − 絶乾時の重量)/
絶乾時の重量 ×100 上記測定した20℃×65%RHおよび30℃×90%
RHの条件での吸湿率(それぞれMR1およびMR2と
する)から、吸湿率差ΔMR(%)=MR2−MR1を
求めた。
【0036】C.粒子の平均粒径および粗大粒子の含有
量 粒子の平均粒径および粗大粒子の含有量はHORIBA
製粒径分析装置(LA−700)にて測定を行った。
【0037】D.粒子の比表面積 粒子の比表面積は気体吸着法(BET法)により求め
た。
【0038】E.粒子の細孔容積 粒子の細孔容積は水銀注入法により測定した。
【0039】F.表面のシラノール基の定量 微粉末シリカを圧力−99kPa以下、温度120℃で
乾燥した後ジオキサン中で水素化リチウムアルミニウムと反応させ
水素量を測定して求めた。
【0040】G.強度、伸度東洋ボールドウィン社製テ
ンシロン引張り試験機を用いて試長20cm、引張 り速度10cm/分の条件で応力−歪み曲線から値を求
めた。
【0041】実施例1 平均粒径2.0μm、細孔容積0.8ml/g、(粒子
の比表面積/細孔容積)の関係が600、4μm以上の
粗大粒子の含有量が3.6%、シラノール基を5個/n
2有する湿式シリカ粒子の吸湿性パラメーター(ΔM
R)は40.2%であった。
【0042】ポリエステルとして、ジメチルテレフタル
酸194部、エチレングリコール124部、酢酸コバル
ト0.05部を加え、140〜230℃でメタノールを
留出しつつエステル交換反応を行った後、リン酸トリメ
チル0.08部のエチレングリコール溶液、上記湿式シ
リカ粒子20部のエチレングリコールスラリー、および
三酸化アンチモン0.1部を加え、−101kPaの減
圧下290℃に昇温した条件下で重合を行いポリエステ
ルを得た。このポリエステルのシリカ粒子の含有量は1
0重量%であり、またΔMRは4.0%であった。
【0043】該ポリエステルを290℃で溶融し、吐出
量25g/分で同心円口金から吐出して1000m/分
の紡糸速度で巻き取り未延伸糸を得た。この条件で紡糸
を1日行ったが全く糸切れが生じなかった。次いで延
伸、熱処理することにより 83デシテックス24フィ
ラメントのポリエステル繊維を得た。この繊維を筒編み
とし、吸放湿特性を測定したところΔMR=4.0%で
あり、強伸度特性も良好であった。
【0044】比較例1 実施例1において4μm以上の粗大粒子の含有量が異な
る湿式シリカを用いた以外は同様な方法によりポリエス
テル繊維を得た。紡糸時の糸切れは14回/日であり紡
糸安定性に欠けるものであった。
【0045】実施例2〜4、比較例2,3 実施例1においてポリエステル中のシリカ粒子の添加量
を変更する以外は同様な方法によりポリエステル繊維を
得た。比較例1においては満足するΔMRを得ることが
できず、また比較例3においては紡糸時の糸切れが多発
してポリエステル繊維を得ることができなかった。
【0046】
【表1】 実施例5,6、比較例4,5 実施例1において用いるシリカ粒子の平均粒径および4
μm以上の粗大粒子の含有量を変更する以外は実施例1
と同様な方法によりポリエステル繊維を得た。比較例4
においては重合時のシリカ粒子起因の増粘が激しく、ベ
ースのポリエステルの重合度が上がらなかった。また比
較例5においては実用上満足する強度を有する繊維を得
ることができなかった。
【0047】
【表2】 実施例7〜9、比較例6,7 実施例1において、粒子の比表面積と細孔容積の関係お
よび4μm以上の粗大粒子の含有量を変更した粒子を用
いた以外は実施例1と同様な方法によりポリエステル繊
維を得た。比較例6,7いずれも満足のいくΔMRを付
与することができなかった。
【0048】
【表3】 実施例10 ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸194部、
エチレングリコール135部、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジメチル26.6部、酢酸コバルト0.05
部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつ
エステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.0
8部のエチレングリコール溶液、実施例1記載の湿式シ
リカ粒子20部のエチレングリコールスラリー、および
三酸化アンチモン0.1部を加え、−101kPaの減
圧下290℃に昇温した条件下で重合を行いポリエステ
ルを得た。このポリエステルのシリカ粒子の含有量は1
0重量%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合
量は5モル%であり、またΔMRは7.0%であった。
【0049】該ポリエステルを溶融し、同心円口金から
吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱処理することに
より 83デシテックス24フィラメントのポリエステ
ル繊維を得た。この繊維を筒編みとし、吸放湿特性を測
定したところΔMR=6.9%であり、強伸度特性も強
度3.4CN/dtex、伸度38.9%で良好であった。ま
た、紡糸1日で糸切れは発生しなかった。
【0050】実施例11 ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸194部、
エチレングリコール124部、酢酸コバルト0.05部
を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエ
ステル交換反応を行った後、分子量1000のポリエチ
レングリコール20部、リン酸トリメチル0.08部の
エチレングリコール溶液、実施例1記載の湿式シリカ粒
子20部のエチレングリコールスラリー、および三酸化
アンチモン0.1部を加え、−101kPaの減圧下2
90℃に昇温した条件下で重合を行いポリエステルを得
た。このポリエステルのシリカ粒子の含有量は10重量
%、ポリエチレングリコールの共重合量は10重量%で
あり、またΔMRは6.8%であった。
【0051】該ポリエステルを溶融し、同心円口金から
吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱処理することに
より 83デシテックス24フィラメントのポリエステ
ル繊維を得た。この繊維を筒編みとし、ΔMRを測定し
たところ6.8%であり、強伸度特性も強度3.4CN/d
tex、伸度39.9%で良好であった。また、紡糸1日
で糸切れは発生しなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明によって得られた合成繊維は着用
快適性を得るのに十分な吸湿性を有し、かつドライタッ
チな風合いと高い染色堅牢性や耐光性を有している。本
発明の合成繊維は下着、シャツ、ブラウス類、中衣、ス
ポーツウェア、スラックス類、外衣、裏地、カーテン、
壁紙、さらには、シーツ、フトンカバー、詰め綿等の寝
装用に適しており、極めて実用性の高いものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A〜Dを満足するシリカ系無機粒子を
    1〜20重量%含有したポリエステル繊維であって、該
    繊維の吸湿パラメーター(ΔMR)が2%以上であるこ
    とを特徴とする吸湿性に優れたポリエステル繊維。 A.シリカ系無機粒子の細孔容積(ml/g)が0.5
    以上であり、かつ該粒子の比表面積(m2/g)との関
    係が 次式を満足すること。 100≦(粒子の比表面積/粒子の細孔容積)<150
    0 B.シリカ系無機粒子の平均粒径(μm)が0.01〜
    10であること。 C.シリカ系無機粒子の吸湿パラメーター(ΔMR)が
    7%以上であること。 D.4μm以上の粗大粒子の含有量が5%以下であるこ
    と。
  2. 【請求項2】シリカ系無機粒子として該粒子表面に存在
    するシラノール基の数が3個/nm2以上である粒子を
    含有することを特徴とする請求項1記載の吸湿性に優れ
    たポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】ポリエステルとして、その80モル%以上が
    アルキレンテレフタレート繰り返し単位からなるポリエ
    ステルであることを特徴とする請求項1または2記載の
    吸湿性に優れたポリエステル繊維。
  4. 【請求項4】ポリエステルの全酸成分に対して0.5〜
    20モル%のスルホイソフタル酸金属塩成分を共重合し
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の
    吸湿性に優れたポリエステル繊維。
  5. 【請求項5】ポリエステルに対し分子量600〜200
    00のポリオキシアルキレングリコールを0.5〜15
    重量%共重合したことを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項記載の吸湿性に優れたポリエステル繊維。
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