JP2001347625A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2001347625A
JP2001347625A JP2001078265A JP2001078265A JP2001347625A JP 2001347625 A JP2001347625 A JP 2001347625A JP 2001078265 A JP2001078265 A JP 2001078265A JP 2001078265 A JP2001078265 A JP 2001078265A JP 2001347625 A JP2001347625 A JP 2001347625A
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film
crystal polyester
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layer
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JP2001078265A
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Shigetoshi Maekawa
茂俊 前川
Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
Hirobumi Hosokawa
博文 細川
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高ヤング率、低熱収縮率を保ちながらも、フ
ィルムの生産性に優れた積層フィルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも2層以上の積層構成を有する
積層フィルムであって、下記(I)、(II)、(III)
および(IV)の構造単位を共重合して得られる液晶ポリ
エステルの層と、その隣接面層をなす非液晶性ポリエス
テルの層とからなることを特徴とする積層フィルム。 【化1】 (但し、式中のR1、R2は、それぞれ下記の構造
(V)、(VI)から選ばれた一種以上の基を示す。) 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
する。さらに詳しくは磁気記録媒体用、コンデンサー
用、包装用などとして好適に用いることのできる積層フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気記録媒体用、コンデンサ用
フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレートなどのポリエステルフィルムが広く
用いられている。しかし、これらのフィルムは、各用途
におけるフィルムの薄膜化の要求に応えられるだけの十
分な機械強度を有していなかった。
【0003】また特開平1−110554号公報には、
機械特性の向上を目的として、ポリエステルと液晶ポリ
エステルからなる組成物をフィルム化することが示され
ているが、このような方法の場合、フィルムの表面形態
の制御が難しく、表面に粗大な突起が形成されるため、
均一な表面が要求される磁気記録媒体用途等には実用性
に欠けるという問題があった。
【0004】また、特開平6−210814号公報に
は、サーモトロピック液晶ポリマーを芯層とし、その両
面に熱可塑性樹脂を積層して、大幅なコストアップなし
で、機械特性と、表面性を改良することが検討されてい
るが、この場合、液晶ポリマーと熱可塑性樹脂の接着性
に優れないため、共延伸性に優れず、製膜が安定しない
ために生産に向かなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高ヤ
ング率、低熱収縮率を保ちながらも、フィルムの生産性
に優れた積層フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、少なくとも2層以上の積層構成を有する積層
フィルムであって、下記(I)、(II)、(III)およ
び(IV)の構造単位を共重合して得られる液晶ポリエス
テルの層と、その隣接面層をなす非液晶性ポリエステル
の層とからなることを特徴とする積層フィルムを提供す
るものである。
【0007】
【化4】 (但し、式中のR1、R2は、それぞれ、下記の構造
(V)、(VI)から選ばれた一種以上の基を示す。)
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】 (式中Xは、水素原子または塩素原子を示す。)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用する非液晶性ポリエ
ステルは、特に限定されず、エチレンテレフタレート、
エチレン−2,6−ナフタレート、ヘキサメチレンテレ
フタレート、シクロヘキサンメチレンテレフタレート、
エチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタ
ン−4,4’−ジカルボキシレート、ブチレンテレフタ
レート、ブチレン−2,6−ナフタレート、ブチレン−
α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4’−ジカルボキシレート単位を主要構成成分とするポ
リエステルの場合、共延伸性がよく、製膜性が向上する
ため好ましい。非液晶性ポリエステルの中でもポリエチ
レンテレフタレートが特に好ましい。
【0011】本発明で使用する液晶ポリエステルは、下
記(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位か
らなる共重合ポリエステルである。特に、(I)の構成
単位は必須であり、これによって、非液晶性ポリエステ
ル層との接着性が増し、共延伸性に優れる。
【0012】
【化7】 (但し、式中のR1、R2は、それぞれ、下記の構造
(V)、(VI)から選ばれた一種以上の基を示す。)
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】 (式中Xは、水素原子または塩素原子を示す。)
【0015】上記液晶ポリエステルを構成する構造単位
において、構造単位[(I)+(III)]と構造単位(I
V)とが等モルである場合、共重合が容易に行えるため
に好ましい。上記液晶ポリエステルにおける構造単位
(III)の含有率は、20〜50モル%が好ましく、3
0〜50モル%がより好ましく、40〜50モル%が共
延伸性に優れるため最も好ましい。
【0016】また、上記構造単位(II)は、p−ヒドロ
キシ安息香酸が好ましく、上記構造単位(IV)は、テレ
フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボ
ン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸
が好ましく、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカ
ルボン酸、および4,4’−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸がより好ましく、テレフタル酸が積層フィルムの
強度を向上するために最も好ましい。
【0017】フィルムの積層構成は、少なくとも2層で
あること以外は特に限定されないが、フィルムの表面性
の観点から、フィルムの表層部は非液晶性の層が好まし
い。また、本発明では、5層以下が操作の煩雑さや大幅
なコストアップを伴わないため好ましく、3層構造の場
合がより好ましい。この場合、表層である非液晶性ポリ
エステル層の片側の厚さと、もう一方の側の厚さとの比
は特に限定されないが、製膜のしやすさの点から、0.
5から2.0の範囲内が好ましい。
【0018】また、液晶ポリエステルを含む2つ以上の
材料が交互に層をなす多重積層フィルムの場合、各液晶
ポリエステル層の厚みを薄く、かつ、フィルムの全厚み
に対する全液晶ポリエステル層の厚みを足し合わせた合
計の厚みの比率を大きくできるので、優れた共延伸性と
高い機械強度を同時に得られるため、特に好ましい。上
記の多重積層フィルムは3層以上を必要とするが、好ま
しくは15層以上であることが各液晶ポリエステル層の
厚みを薄くでき製膜安定性が向上するために好ましい。
また、必須要件ではないが、実用化が容易ではないため
5000層以下が好ましく、製膜安定性がさらに向上す
るために2500層以下がより好ましい。
【0019】全液晶ポリエステル層の合計の厚さは、積
層フィルム全厚さの1〜50%が好ましく、5〜40%
がより好ましく、10〜30%であることが磁材フィル
ムに要求される機械強度とフィルム表面の平滑性が得ら
れるため最も好ましい。
【0020】また、フィルムの用途、使用目的に応じ
て、本発明の非液晶性ポリエステル層に、無機粒子や有
機粒子、その他の各種添加剤、例えば酸化防止剤、帯電
防止剤、結晶核剤などを添加してもかまわない。無機粒
子の具体例としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化チタンなどの酸化物、カオリ
ン、タルク、モンモリロナイトなどの複合酸化物、炭酸
カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、チタン酸バリウム、チ
タン酸カリウムなどのチタン酸塩、リン酸第3カルシウ
ム、リン酸第2カルシウム、リン酸第1カルシウムなど
のリン酸塩などを用いることができるが、これらに限定
されるわけではない。また、これらは目的に応じて2種
以上用いてもかまわない。有機粒子の具体例としては、
ポリスチレンもしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレン
・アクリル系及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メタ
クリル系及びメタクリル系架橋粒子などのビニル系粒
子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド、シリコー
ン、ポリテトラフルオロエチレンなどの粒子を用いるこ
とができるが、これらに限定されるものではなく、粒子
を構成する部分のうち少なくとも一部がポリエステルに
対して不溶の有機高分子微粒子であれば如何なる粒子で
もよい。また有機粒子は、易滑性、フイルム表面の突起
形成の均一性から粒子形状が球形状で均一な粒度分布の
ものが好ましい。これらの粒子の粒径、配合量、形状な
どは用途、目的に応じて選ぶことが可能であるが、通常
は、平均粒子径としては0.01μm以上、3μm以
下、配合量としては、0.01重量%以上、10重量%
以下が好ましい。
【0021】本発明を構成する非液晶性ポリエステル、
液晶ポリエステルは、上記組成物を主成分とするが、本
発明の効果が損なわれない範囲で、他種ポリマーをブレ
ンド、または共重合してもかまわない。
【0022】本発明の積層フィルムは、未延伸フィルム
あるいは未配向フィルムでもよいが、一軸または二軸に
配向されたフィルムであることによって、高弾性、耐熱
性などの効果がより顕著に発揮されるため、延伸フィル
ムか配向しているフィルムであることが好ましい。
【0023】次に本発明フィルムの製造方法について説
明するが、これのみに限定されないことはもちろんであ
る。
【0024】本発明で用いる非液晶性ポリエステルおよ
び液晶ポリエステルとしては、従来から知られている方
法により得られるものを用いることができる。
【0025】例えば、液晶性ポリエステルとしては、p
−ヒドロキシ安息香酸および4、4´−ジヒドロキシビ
フェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化
合物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢
酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した
後、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルの
ポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートなどの芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で、脱酢酸
重縮合反応することによって製造されるものが好まし
い。
【0026】これらの重縮合反応は無触媒下でも進行す
るが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリ
ウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マ
グネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましい場
合もある。
【0027】また、非液晶性ポリエステルに粒子を含有
せしめる方法としては、重合前、重合中、重合後のいず
れに添加しても良いが、非液晶性ポリエステルのジオー
ル成分であるエチレングリコールなどに、スラリーの形
で混合、分散せしめて添加する方法、ベント式の二軸混
練押出機により粒子粉末または粒子の水スラリー等を用
いてポリマーと混練する方法が好ましく用いられる。
【0028】次に、十分乾燥させた非液晶性ポリエステ
ル及び液晶ポリエステルを2台または3台の押出機を用
い、2層以上もしくは多重積層用のマニホールド、合流
ブロックを用いて合流させ、口金から、芯層が液晶ポリ
エステル、隣接層が非液晶性ポリエステルになるように
2層以上のシートとして押出し、20〜60℃のキャス
ティングドラム上で冷却して未延伸フィルムを作る。こ
の場合、両者の溶融粘度の差を1000ポイズ以下に
し、また、液晶ポリエステルの全厚みに対する積層比を
1〜50%にしておくことが延伸破れがなく積層厚さ斑
をなくすために極めて有効である。
【0029】次に、この未延伸フィルムを延伸する。延
伸方法としては、一軸延伸、または逐次二軸延伸法、同
時二軸延伸法を用いることができる。特に、未延伸フィ
ルムをステンターを用い横方向にのみ延伸する一軸延伸
法は縦延伸プロセスが省かれ、コストダウンにつなが
り、延伸破れや積層厚さ斑やロール傷が発生しにくいた
め有効である。延伸温度はポリマーの種類によって必ず
しも一定ではないが、非液晶性ポリエステルのガラス転
移点以上冷結晶化温度以下の範囲の温度で行う。また、
延伸速度は、長手、横方向とも1000〜50000%
/min、延伸倍率は2.0〜6.0倍の範囲が好適で
ある。次に、必要に応じて熱処理を行う。熱処理条件と
しては、定長下、微延伸下、弛緩状態のいずれかで、
[非液晶性ポリエステルの融点]〜[融点−100℃]
の範囲で0.5〜60秒間行うことが好適である。
【0030】(物性の測定方法ならびに効果の評価方
法)本発明で用いた特性値の測定法ならびに効果の評価
方法は次の通りである。
【0031】(1)液晶ポリエステル層の厚さの比率:
ポリエステル層中に粒子を有する場合は、二次イオン質
量分析装置(SIMS)を用いて、非液晶性ポリエステ
ル中の粒子のうちでもっとも高濃度の粒子に起因する元
素と非液晶性ポリエステルの炭素元素の濃度比(M+/
C+)を粒子濃度とし、表面から厚さ方向への分析を行
う。表層では表面という界面のために粒子濃度は低く、
表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなり、液晶ポ
リエステル層との界面で再び粒子濃度が低くなり、粒子
濃度が急激に減少する。この厚さを非液晶性ポリエステ
ル層の厚さとした。測定装置は次の通りである。 (a)測定装置: 二次イオン質量分析装置(SIMS) ATOMIKA製 A−DIDA3000 (b)測定条件: 一次イオン種 :O2+ 一次イオン加速電流:12kV 一次イオン電流 :20nA ラスター領域 :400μm 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9 Torr E−GUN :0.5kV−3.0A
【0032】なお、非液晶性ポリエステル層に含有され
る粒子が有機粒子の場合や粒子を含有しない場合はSI
MSでの測定が難しいので、表面からエッチングしなが
ら、X線光電子分析、赤外分析等により上記同様の深さ
方向分析を行い、非液晶性ポリエステル層の厚さを求め
ることができる。また、電子顕微鏡等による断面観察で
粒子の濃度変化や、ポリマーの違いによるコントラスト
の差から積層界面を認識し、各層の厚さを求めることが
できる。上記方法で求められた各層の厚さから、液晶ポ
リエステル層の厚さと積層フィルムの全厚さとの比率を
求める。
【0033】(2)粒子の平均粒径:フィルムからポリ
マーをプラズマ灰化処理法で除去し、粒子を露出させ
る。処理条件は、ポリマーは灰化されるが粒子はダメー
ジを受けない条件を選択する。その粒子を走査型電子顕
微鏡(SEM)で観察し、粒子画像をイメージアナラー
ザーで処理する。SEMの倍率は、およそ、2000〜
100000倍、また、一回の測定視野は一辺がおおよ
そ10〜50μmから適宜選択する。観察箇所を変えて
粒子数5000個以上で粒径とその体積分率から次式で
体積平均粒径dを求める。
【0034】d=Σdf・Nvf ここで、dfは粒径、Nvfはその粒径の粒子の体積分
率である。また、上記プラズマ灰化処理法では粒子がダ
メージを受ける場合は、フィルム断面を透過型電子顕微
鏡(TEM)を用い、3000〜100000倍で観察
する。TEMの切片厚さは約1000オングストローム
とし、場所を変えて100視野以上測定し、上記の式か
ら体積平均粒径dを求める。
【0035】(3)ヤング率:オリエンテック(株)製
フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RT
A−100”を用いて、試料フィルムを幅10mm、試
長間100mm、引張り速度200mm/分で引っ張
り、得られた張力−歪曲線の立上がりの接線の勾配から
ヤング率を求める。測定は25℃、65%RHの雰囲気
下で行う。
【0036】(4)製膜安定性:24時間連続で製膜し
たときのフィルム破れの頻度により次のように分類し製
膜安定性を評価する。
【表1】
【0037】(5)熱収縮率:フィルムを幅10mm、
測定長約200mmとなるように2本のラインを引き、
この2本のライン間の距離を正確に測定しこれをL0
する。このサンプルを100℃のオーブン中に30分
間、無荷重下で放置後再び2本のライン間の距離を測定
しこれをL1とし、下式により熱収縮率を求める。 熱収縮率(%)={(L0−L1)/L0]×100
【0038】(6)中心線平均表面粗さRa: (株)小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10
を用いて測定した。条件は下記の通りであり、20回の
測定の平均値をもって表面粗さRaの値とした。 ・触針先端半径 :0.5μm ・触針加重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値 :0.08mm なお、Raの定義は、例えば、奈良治郎著「表面粗さの
測定・評価法」(総合技術センター、1983年発行)
に示されているものである。
【0039】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0040】実施例1 液晶ポリエステルは、p−ヒドロキシ安息香酸および
4、4´−ジヒドロキシビフェニルに無水酢酸を反応さ
せて、フェノール性水酸基をアシル化した後、ポリエチ
レンテレフタレートの存在下で、脱酢酸重縮合反応によ
って製造したもの(液晶ポリエステルI)を用いる。
【0041】ポリエチレンテレフタレートにエチルビニ
ルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合体粒子(粒径30
0nm)を含有率1重量%で含有させたものを押出機1
に供給し290℃で溶融し、他方、粒子を含有しない上
記の方法で製造した下記(表2)原料組成からなる液晶
ポリエステルIを押出機2に供給し、300℃で溶融
し、これらのポリマーを3層口金を用いて両表層がポリ
エチレンテレフタレート(A)、芯層が液晶ポリエステ
ル(B)となるように合流積層し、静電印加キャストを
用いて表面温度30℃のキャスティング・ドラムに巻き
付けて冷却固化し、積層形式がA/B/Aの3層構造の
未延伸フィルムとする。口金は、液晶ポリエステル層の
厚みが全厚みの20%になるように調整した。この未延
伸フィルムをステンターを用いて120℃にて横方向に
5.0倍延伸した。延伸速度は3000%/minで行
った。この一軸延伸フィルムを定長下で、205℃にて
5秒間熱処理し、全厚さ10μmの積層フィルムを得
る。
【0042】こうして得られるフィルムは、ヤング率が
高く、低熱収縮性で、磁材フィルムに求められるフィル
ムの表面性も良好な高品質の積層ポリエステルフィルム
であり、また共延伸性に優れるため製膜時のフィルム破
れも少なく、製膜性が良好である。
【0043】実施例2、3 実施例2では実施例1と同様に下記(表2)原料組成か
らなる液晶ポリエステルIを、実施例3においては下記
(表2)原料組成からなる液晶ポリエステルIIを使用
し、製膜時に該液晶ポリエステル層の厚みが全厚みの4
0%になるように口金を調整する以外は実施例1と同様
に製膜し、全厚さ10μmの積層フィルムを得る。
【0044】こうして得られるフィルムは、液晶ポリエ
ステル層の全厚さに対する比率が実施例1よりも大きい
ため縦方向に12GPa以上、横方向に10GPa以上
という高いヤング率を実現することができる。また、低
熱収縮性で、表面性の良好な積層ポリエステルフィルム
であり、フィルム破れも少なく、製膜性が良好である。
【0045】実施例4 非液晶性ポリエステルとして、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)を使用する例を実施例4として示す。フィ
ルム破れが多発しない範囲で延伸条件を変更し、延伸温
度を135℃に設定する以外は実施例1と同様に製膜
し、全厚みが10μmの積層フィルムを得る。
【0046】液晶ポリエステルは主に長手方向の機械強
度に高い特性を示し、幅方向にはあまり寄与しない。そ
こで、高い弾性率を有するPENを使用し、横方向に延
伸することにより、幅方向の機械強度が実施例1よりも
高いフィルムを得ることができる。
【0047】実施例5 口金が、液晶ポリエステル、非液晶性ポリエステルの2
つの原料を15層交互に積層するものであり、液晶ポリ
エステルの積層比率が50%であること以外は、実施例
1と同様に製膜し、積層フィルムの両最表層が非液晶性
ポリエステル層であり、両最表層から数えて中央に位置
する層が液晶ポリエステル層である全厚みが10μmの
多重積層フィルムを得ることができた。
【0048】多重積層にすることで、液晶ポリエステル
の各層を薄くでき、そのため製膜安定性がさらに向上し
た。また、製膜安定性が向上し液晶ポリエステル層の全
厚みに対する積層比率を大きくできたため、さらなる剛
性化を達成することができた。
【0049】比較例1、2 液晶ポリエステルの原料として4、4´−ジヒドロキシ
ビフェニルを使用しない液晶ポリエステルIIIを液晶ポ
リエステル層として、実施例1と同様に製膜し、厚さ2
0μmの積層フィルムを得る。ヤング率は高いが、共延
伸性が悪いために熱収縮性は優れない。4、4´−ジヒ
ドロキシビフェニルが液晶ポリエステルの成分にないこ
とで、液晶ポリエステルと非液晶性ポリエステルとの共
延伸性が損なわれ、フィルム破れが多発し、製膜性が悪
化する。
【0050】比較例3 液晶ポリエステルは下記(表2)原料組成からなる液晶
ポリエステルIを使用し、また、非液晶性ポリエステル
層には、ポリエステルではなくポリエーテルイミドを使
用して、実施例1と同様に製膜する。しかし、液晶ポリ
エステル層と、ポリエーテルイミド層の接着性が悪く、
製膜ができなかった。
【0051】以上の結果を表3に記載する。
【0052】
【表2】[液晶ポリエステルI原料組成] 共重合モル比 ヒドロキシ安息香酸 42.5 4、4´−ジヒドロキシビフェニル 7.5 エチレングリコール 50.0テレフタル酸 57.5 [液晶ポリエステルII原料組成] 共重合モル比 ヒドロキシ安息香酸 62.5 4、4´ージヒドロキシビフェニル 7.5 エチレングリコール 30.0テレフタル酸 37.5 [液晶ポリエステルIII原料組成] 共重合モル比 ヒドロキシ安息香酸 80.0 エチレングリコール 20.0テレフタル酸 20.0
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、高弾性、低熱収縮性
で、かつ表面性に優れた積層フィルムを安定して製膜で
きる。
【0055】本発明の積層フィルムは、磁気記録用、電
気絶縁用、感熱転写リボン用、感熱孔版用、コンデンサ
ー用、包装用など、各種フィルム用途で広く活用が可能
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層以上の積層構成を有する
    積層フィルムであって、下記(I)、(II)、(III)
    および(IV)の構造単位を共重合して得られる液晶ポリ
    エステルの層と、その隣接面層をなす非液晶性ポリエス
    テルの層とからなることを特徴とする積層フィルム。 【化1】 (但し、式中のR1、R2は、それぞれ、下記の構造
    (V)、(VI)から選ばれた一種以上の基を示す。) 【化2】 【化3】 (式中Xは、水素原子または塩素原子を示す。)
  2. 【請求項2】 少なくとも液晶ポリエステル層と非液晶
    性ポリエステル層とが交互に層をなす3層以上の多重積
    層構造を有する請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 液晶ポリエステルを構成する構造単位に
    おいて、構造単位[(I)+(III)]と構造単位(I
    V)とが等モルである請求項1または請求項2に記載の
    積層フィルム。
  4. 【請求項4】 液晶ポリエステルが、前記(III)の構
    造単位を20〜50モル%含有する請求項1〜3のいず
    れかに記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 液晶ポリエステル層の厚さが積層フィル
    ムの全厚さの1〜50%である請求項1〜4のいずれか
    に記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 一軸または二軸に配向されたフィルムで
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
JP2001078265A 2000-04-03 2001-03-19 積層フィルム Pending JP2001347625A (ja)

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