JP2001347362A - ワークのバリ取り仕上げ方法及びバリ取り仕上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイカストで製造したワークのバリ等を除去
する際、歪み等を発生させることなく、またバリ取り装
置を小型化出来るようにする。 【解決手段】 ダイカストにより製造されたワークＷを
ロボット１で把持して取り出し、冷却水槽２で一定温度
に冷却した後、バリ取り装置３の鋸歯切断装置７によっ
て湯口部、ランナー部等の不要部ｙの一部を切断し、次
いで簡易打抜き治具８により軽く打撃を与えて不要部ｙ
を除去する。その後、バリ取り工具９によって仕上げの
バリ取りを行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアルミダイ
カスト品を成形した後、バリ取り等を行って仕上げる技
術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば自動二輪車等の車体部品を
アルミダイカストにて製造する場合、例えば図７に示す
ように、図の右方でダイカスト品Ｗをトリミングプレス
装置５１のトリム型５２にセットし、これをプレス機５
３に投入して湯口部やオーバーフロー部やバリ等の不要
部ｙを切断除去した後、図の左方に払出し、製品Ｗを取
り出して箱詰め等により搬送するとともに、トリム型５
２を元の位置に戻し、この作業を繰り返すようにしてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
はトリム型５２を使用するため製品ごとにトリム型が必
要で、段取り替えやスペース等に無駄が生じ易いという
問題がある。また、特にワーク薄物であったり、長尺物
であったりするような場合には、プレス荷重によって製
品Ｗに歪みが生じ易く、例えば全数検査が必要となる等
の問題もある。

【０００４】そこで本発明は、ダイカストで製造したワ
ークが薄物であっても、長尺物であったりしても、製品
に歪み等を発生させることなくバリ等を除去し、またロ
ススペースが生じにくく且つ効率良くバリ取りが行える
技術の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、ワークのバリ取り仕上げ方法として、ダイカ
スト品を冷却して温度を一定に下げ、ダイカスト品の不
要部の少なくとも一部を鋸歯により切断するとともに、
簡易打抜き治具によりトリミングし、バリ取り工具によ
り仕上げのバリ取りを行うようにした。

【０００６】このように不要部の少なくとも一部を予め
鋸歯で切断した後、トリミングすることにより、トリミ
ング時の負荷を軽減することが出来、歪み等の発生を抑
制出来る。ここで、不要部の少なくとも一部としては、
例えばバリ等に較べて比較的大型または厚肉の湯口部や
ランナー部等が含まれる。そして不要部の一部だけを鋸
歯で切断する場合、残余の不要部については、その後の
簡易打抜きによるトリミングの際、軽い打撃を与えて切
断するようにしても良い。また、仕上げのバリ取り工具
としては、例えばヤスリ状の刃具を有する振動工具等を
使用することが出来る。

【０００７】また請求項２では、前記一連の工程を、ロ
ボットによって把持されるダイカスト品を各工程ごとに
シフトさせながら行うようにした。

【０００８】このようにロボットによりダイカスト品を
把持して各工程ごとシフトさせながら作業をすれば、ダ
イカスト品の機種等により予め１回ティーチングしてお
くだけで、一連の工程を連続的に且つスムーズに行うこ
とが出来る。

【０００９】そして請求項３では、ダイカスト品のバリ
取り等を行って仕上げるバリ取り仕上げ装置において、
ダイカスト品を把持するロボットの周囲に、ダイカスト
品を冷却するための冷却装置と、ダイカスト品の不要部
の少なくとも一部を切断するための鋸歯切断装置と、ト
リミングするための簡易打抜き治具と、仕上げバリ取り
を行うためのバリ取り工具を設けるようにした。

【００１０】このような装置構成により、従来のような
トリミングプレス装置及びトリム型の保管スペースが不
要となり、省スペ−ス化が図られる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
した図面に基づき説明する。ここで図１は本発明に係る
バリ取り仕上げ装置の一例を示す平面図、図２はロボッ
トとバリ取り装置の平面図、図３は同側面図、図４はバ
リ取り装置の正面図、図５、図６はワークの一例を示す
平面図及び側面図である。

【００１２】本発明に係るバリ取り仕上げ方法及び装置
は、例えば図５の平面部及び図６の側面図に示すような
自動二輪車用のアルミフレーム部品等のワークＷをダイ
カストで製造した後、湯口部やランナー部やバリ等の不
要部ｙを除去する際、製品に歪み等が発生するのを防止
し、また設備スペースの省スペース化を図ることが出来
るようにされている。

【００１３】すなわち、図１に示すように、本装置はワ
ークＷを把持するロボット１を中心にして構成され、ロ
ボットアームの可動範囲内に冷却水槽２や、バリ取り装
置３や、払出し部４等が配設されている。そして、ロボ
ット１が取り出したワークＷを冷却水槽２で冷却する
と、ロボット１によりワークＷをバリ取り装置３にシフ
トさせて不要部ｙの少なくとも一部を鋸歯で切断すると
ともに、バリ取り等を行って仕上げた後、ワークＷを払
出し部４にシフトさせて払出すようにしている。

【００１４】また、バリ取り装置３の下方には、図３、
図４に示すように出入自在なリターン台車５が位置決め
可能にされ、除去したバリ等の廃材を下方で受けて運び
出すことが出来るようにされている。

【００１５】前記バリ取り装置３は、図２乃至図４に示
すように、基台６の一端側に取り付けられる鋸歯切断装
置７と、他端側に取り付けられる簡易打抜き治具８と、
仕上げのバリ取りを行うバリ取り工具９を備えており、
鋸歯切断装置７により不要部ｙの一部をカットした後、
簡易打抜き治具８にワークＷを打ち付けて打撃を与える
ことにより不要部ｙの残部等を切除してトリミングする
ようにしている。そして最後にバリ取り工具９により仕
上げのバリ取りを行うようにしている。

【００１６】このため、前記鋸歯切断装置７は、モータ
１１によって回転する回転鋸歯１２を備えており、また
簡易打抜き治具８は、縦向きのバックアッププレート１
３の所定箇所に取り付けられる複数のトリム具１４を備
えるとともに、前記バリ取り工具９はアクチュエータ１
５によって振動するヤスリ状刃具１６を備えている。

【００１７】以上のようなバリ取り装置におけるバリ取
り仕上げ方法について説明する。ロボット１がダイカス
トにより製造されたワークＷを把持して取り出すると、
これを冷却水槽２中に浸漬して所定温度まで冷却する。

【００１８】そして冷却が終了すると、ロボット１はワ
ークＷをバリ取り装置３に向けて移動させ、まず、鋸歯
切断装置７の回転鋸歯１２によって不要部ｙの一部を切
断する。因みに、実施例では、複数のランナー部等の全
てを回転鋸歯１２で切断するのでなく一部を残して切断
し、残部は以下に述べる簡易打抜き治具８に打ち付けて
切断するようにしている。

【００１９】鋸歯切断装置７による切断が終了すると、
ロボット１はワークＷを縦向き姿勢に変換した後、この
ワークＷを簡易打抜き治具８に打ち付けてトリム具１４
により不要部ｙを除去してトリミングを行う。

【００２０】そしてトリミングが終えると、ロボット１
はワークＷをバリ取り工具９に向けて移動させ、周縁に
残っている小さなバリ等を削り取る。この際、例えば振
動するヤスリ状刃具１６に対してワークＷの周縁を沿わ
せるようにしながらワークＷを移動させることによりバ
リを削り取るとともに、バリ取りが完了すると、ワーク
Ｗを払出し部４に払出す。以上のような方法により、最
初にロボット１にティーチングを行うだけで一連の作業
を行うことが出来、しかも鋸歯切断装置７を使用するこ
とにより、ワークＷに歪み等を与えないでバリ取りを行
うことが出来る。また、トリム型の保管スペース等も不
要で省スペース化されるため好都合である。

【００２１】尚、本発明は以上のような実施形態に限定
されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載し
た事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を
奏するものは本発明の技術的範囲に属する。例えばワー
クＷの種類等は任意である。また、ランナー部等の不要
部の全ての箇所を鋸歯で切断するようにしても良い。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明に係るワークのバリ
取り仕上げ方法は、ダイカスト品を冷却した後、不要部
の少なくとも一部を鋸歯により切断し、その後簡易打抜
き治具によりトリミングし、仕上げのバリ取りを行うよ
うにしたため、トリミング時の負荷を軽減することが出
来、製品の歪み等の発生を抑制出来る。また請求項２の
ように、これら一連の工程を、ロボットによって把持さ
れるダイカスト品を各工程ごとにシフトさせながら行う
ようにすれば、ダイカスト品の機種等により予め１回テ
ィーチングしておくだけで、一連の工程を連続的に且つ
スムーズに行うことが出来る。また請求項３のような装
置構成により、従来のようなトリミングプレス装置及び
トリム型の保管スペースが不要となり、省スペ−ス化が
図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るバリ取り仕上げ装置の一例を示す
平面図

【図２】ロボットとバリ取り装置の平面図

【図３】図２の側面図

【図４】バリ取り装置の正面図

【図５】ワークの一例を示す平面図

【図６】同平面図

【図７】従来のトリミングプレス装置の説明図

【符号の説明】

１…ロボット、２…冷却水槽、３…バリ取り装置、７…
鋸歯切断装置、８…簡易打抜き治具、９…バリ取り工
具、Ｗ…ワーク、ｙ…不要部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダイカスト品を冷却して温度を一定に下
   げる工程と、ダイカスト品の不要部の少なくとも一部を
   鋸歯により切断する工程と、簡易打抜き治具によりトリ
   ミングする工程と、バリ取り工具により仕上げのバリ取
   りを行う工程とを備えたことを特徴とするワークのバリ
   取り仕上げ方法。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のワークのバリ取り仕上
   げ方法において、前記一連の工程は、ロボットによって
   把持されるダイカスト品を各工程ごとにシフトさせなが
   ら行われることを特徴とするワークのバリ取り仕上げ方
   法。
3. 【請求項３】 ダイカスト品のバリ取り等を行って仕上
   げるバリ取り仕上げ装置であって、ダイカスト品を把持
   するロボットの周囲に、ダイカスト品を冷却するための
   冷却装置と、ダイカスト品の不要部の少なくとも一部を
   切断するための鋸歯切断装置と、トリミングするための
   簡易打抜き治具と、仕上げバリ取りを行うためのバリ取
   り工具が設けられることを特徴とするワークのバリ取り
   仕上げ装置。