JP2001346794A - マルチスライスx線ct装置 - Google Patents
マルチスライスx線ct装置Info
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- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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- A61B6/00—Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
- A61B6/02—Devices for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
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Abstract
影データを測定可能にしたマルチスライスX線CT装置
において、螺旋ピッチを任意に選択することができ、検
出器列数と螺旋ピッチとの関係の変化に対応して、常に
高画質の断面像を得ることができるX線CT装置を提供
する。 【解決手段】螺旋ピッチが列数よりも大きい場合、列数
を補う仮想検出器列を想定する。この仮想検出器列に設
定した重みを、仮想検出器列の投影データを求める際に
用いられた実検出器の投影データの重みに分配する。
Description
ることが可能なマルチスライスX線CT装置(以下、マ
ルチスライスCTという)に関し、特に計測した螺旋投
影データに補正処理を施す補正処理手段に特徴を有する
マルチスライスCTに関する。
(第3世代)CT装置で、X線源と、このX線源の焦点
を指向する円弧状の検出器が被検体を挟んで互いに対向
する位置に配置されている。X線源からのX線はコリメ
ートされ、扇状のX線ビームを形成し、被検体の撮影断
面に照射される。被検体により減弱した透過X線を回転
しながら計測することで撮影動作は行われる。回転中の
計測動作は0.1〜0.5度程度の角度間隔で行われ、例え
ば合計で600〜1200角度程度の投影データを取得する。
ぞれの素子の出力が計測回路によってデジタルデータと
して収集され、計測角度毎に素子数分のデータ(ビュ
ー)を構成する。このビューデータは回転系から静止系
へ伝送路を経由して逐次転送される。転送された計測デ
ータは静止系にある画像処理装置によって検出素子の特
性補正、線質補正やログ変換などの前処理を施された
後、フィルタ補正逆投影法などの公知のアルゴリズムに
よって断層像として再構成される。
して、X線源と検出器との回転と同時に被検体が寝かせ
られるテーブルを移動しながら計測することにより高速
な検査を可能とした螺旋CT(ヘリカルCT)が知られ
ている。このような螺旋状に被検体をスキャンする螺旋
CTにおいては、特定の断面の断層像を得るためには、
螺旋状に得られるデータから補間によってその断面のデ
ータを得る必要があり、このような補間処理手法が、例
えば米国特許U.S.P.4,789,929号(1988)に開示されて
いる。補間処理を施すことにより、動きによるアーチフ
ァクトを低減することができる。
断面の投影データを計測可能としたマルチスライスCT
がある。マルチスライスCTでは、ビューが列数分だけ
同時に収集されるので、通常のテーブル固定スキャンの
場合、同時に複数数断面の断層像を撮影することができ
る。
ャンを実施した場合は、シングルスライスと同様に補間
処理を行うか、それに相当する重み付けをして再構成す
ることが必要となる。米国特許U.S.P.5,541,970号に
は、最も近い対向ビームとの補間になるように重み係数
を構成し、ヘリカル補正を実現することが開示されてい
る。また特開平9−285460号には、重み係数をZ軸方向に
スムージングすることで連続性を高める方法などが提案
されている。
ルチスライスCTの螺旋スキャンでは、検出器の列数と
螺旋ピッチとの関係の変化に対応することができず、ま
た補間の次元を挙げるなど拡張性がなかった。
いて螺旋スキャンを実施した際に、螺旋ピッチの変化に
対応して常に高画質の断層像を得ることが可能なマルチ
スライスCTを提供することを目的とする。また本発明
は、マルチスライスCTにおいて被曝量の低減を図るこ
とを目的とする。
明のマルチスライスCT装置は、多素子検出器を体軸方
向に複数列有し、被検体が置かれる患者テーブルを体軸
方向に移動しながら、X線源と前記検出器とを回転させ
て被検体の透過X線を計測し、複数の螺旋投影データを
取得するマルチスライスCTにおいて、計測した螺旋投
影データに補正処理を施す補正処理手段と、補正後の投
影データを再構成して断層像を得る画像再構成手段とを
備え、前記補正処理手段は、前記検出器の列間隔に対す
る1回転あたりのテーブル移動量である螺旋ピッチに対
応して、複数の異なるマルチスライス螺旋重みを発生
し、計測時の螺旋ピッチに応じて前記複数のマルチスラ
イス螺旋重みの一つを選択して各列の螺旋投影データに
適用し、重み適用後の各列の螺旋投影データを合成する
ことを特徴とする。
として、補正処理手段は、計測時の螺旋ピッチに応じて
処理対象とする螺旋投影データの重み付け領域を変更す
る。
位置に近いデータを使用することができ、高画質化が可
能となる。
として、補正処理手段は、各列の螺旋投影データに適用
するマルチスライス螺旋重みを発生する手段と、当該重
み適用後の各列の螺旋投影データを合成する手段とを有
し、前記マルチスライス螺旋重みを発生する手段は、実
検出器とは異なる位置に仮想検出器を設定し、前記実検
出器および仮想検出器を含む全列の投影データについて
マルチスライス螺旋重みを設定することを特徴とする。
ピッチPより小さい場合(P>N)、前記実検出器およ
び仮想検出器を含む全列数がPとなるように設定するこ
とができる。
に配置することができ、当該仮想検出器の投影データに
適用される重みを隣接する実検出器の投影データの重み
に分配するものとすることができる。
向計測範囲の外側に配置され、当該仮想検出器の投影デ
ータとして対向データを用い、当該対向データについて
の重みを隣接する実検出器の投影データに分配するもの
とすることができる。
り、検出器列数よりも螺旋ピッチが大きい場合にも、適
切な重みを用いた補間を可能にし、高画質化を図ること
ができる。またマルチスライス螺旋スキャンにおいて補
間によって一つの断面の投影データを得る際に、補間す
る実計測データの対が断面内で変わることによって生じ
る不連続性を解消し、高画質化を図ることができる。
別の態様として、X線源は、検出器の列間隔に対する1
回転あたりのテーブル移動量である螺旋ピッチに対応し
て、前記検出器の列数を制御する手段を備えている。
き、列数が多い場合には制限することによって被曝量を
低減することができる。
T装置を図面に示す実施形態に基づき詳述する。
X線CT装置の概要を示す図である。このX線CT装置
は、図示していないが、X線発生部(X線源)、検出
器、計測回路部、回転走査機構制御部を備えたスキャナ
11と、被検体である患者を搭載してスキャナ11内の測定
空間に搬送する患者テーブル12、計測回路部で計測した
データに前処理、再構成などの画像処理を施す画像処理
部13、再構成画像等を表示する表示部14、X線発生部に
高電圧を供給する高電圧発生装置15、全体を統括するホ
ストコンピュータ16とを備えている。
子検出器を体軸方向(スライス方向)に複数列有する。
図示する例では、検出器は16列に分割されており、この
分割された16列の出力は、出力セレクタ171により任意
の4系統として出力されるように構成されている。4系
統の出力は、16列のうちの任意の4列の出力でもよい
し、複数の列をアナログ的またはデジタル的に加算した
出力であってもよい。4系統の設定の仕方によってスラ
イス厚特性やノイズ特性の異なる画像を得ることができ
る。なお以下の説明では検出器列数が4列であるとして
説明を進めるが、本発明で言う列数は上述したような加
算後の列数を含む意味であり、また4列に限定されるも
のでもない。
ら放射されるX線をコリメートし、所定の幅、所定の開
き角度のファンビームが照射されるように制御するコリ
メータ182とを備え、さらに本発明の特徴としてコリメ
ータ182はX線のスライス方向の幅を調節する機構を備
えている。ファンビームのスライス方向の幅を調整する
ことにより、前述した検出器列の列数を任意に設定する
ことができる。この幅調整のための機構は、ホストコン
ピュータ16によって制御することができる。
ーブル12を体軸方向に移動しながら、スキャナ11(X線
源と検出器)を回転させて被検体の透過X線を計測し、
検出器の列数分(ここでは4系統)の螺旋投影データを
取得することができる。なお、このような螺旋投影デー
タの取得は、螺旋スキャンとして公知であり、螺旋ピッ
チPは検出器の列間隔ΔZに対する1回転あたりのテー
ブル送り量t(t/ΔZ)として定義される。
図であり、検出器17の出力セレクタ171から出力される
4列の投影データを格納する投影データメモリ131と、
これら投影データを各演算エレメントに分配する投影分
配装置132と、演算エレメントにおいて用いる重み係数
を、全列の投影データについて設定した重み係数テーブ
ルを作成し、格納するマルチスライス螺旋重み発生装置
(以下、単に重み発生装置という)133と、重み発生装
置に格納された複数の重み係数テーブルのうち所定の重
み係数テーブルを選択する重みセレクタ134と、重み係
数テーブルの重み係数と対応する投影データを乗算する
演算エレメントPE0〜PE3からなる演算部135と、各
演算エレメントの演算結果を合成する投影データ合成装
置136と、投影データ合成装置136で得られた所定のスラ
イスについての投影データに、フィルタ補正逆投影など
の公知の画像処理を施し、画像再構成する画像処理装置1
37とを備えている。
等の相違に応じた複数種の重み係数を作成し、重み係数
テーブルとして格納している。本発明のマルチスライス
CT装置は、所定の螺旋ピッチを設定したときに、設定
した螺旋ピッチに応じた最適な重み係数を適用すること
に一つの特徴がある。重みセレクタ134は、複数の重み
係数テーブルから一つの重み係数テーブルを選択し、各
演算エレメントにロードする。この際、重み係数テーブ
ルだけでなく、重み係数適用に必要な情報、例えば、所
定のスライス位置Zsにおける所定のビューβsを基準
としたときに各列のデータのずれ(オフセットビュー
数)、重み付けするビュー長さなども演算エレメントに
ロードされる。これらについては後述する。
特に各列の投影データの補正処理について説明する。
は、上述した4系統の出力データ(以下、列データとい
う)R1〜R4を、横軸をスライス方向Z、縦軸を投影角
度、即ちX線管の焦点の角度位置βとして表したもので
ある。螺旋スキャンでは、スキャナの回転に伴い、各素
子列はスライス方向に線形にずれていくため、図示する
ように、Z−β平面には4本の直線が得られる。所望の
スライス位置Zsの投影データを得るためには、Zsを
基準とした重み(一般的には補間の概念に基づいた重
み)を各列データに乗じる。投影角度毎に、このように
重み付けされたデータを累積加算することにより、その
スライスについて1回転分の投影データを得ることがで
きる。
ではない重み係数を乗じる部分、即ち実質的に加重加算
される部分(ビュー長さ:Weight Length)である。ま
たスライスZsについての所定のビュー角度(例えばX
線管の焦点が通過したときのビュー角度)βsと各列の
ビュー長さの始点との差V0、V1、V2、V3がオフセッ
トビュー数である。これらビュー長さおよびオフセット
ビュー数は、前述したようにパラメータとして演算エレ
メントにロードされ、重み係数を適用するために使用さ
れる。
ム上に表現したものを、図5に示す。サイノグラムと
は、横軸を検出器チャンネルの開き角度α、縦軸をX線
管球角度(投影角度)βとする2次元計測空間のことで
ある。
ッチPが4である。これを図4と同様にβ-Z座標に示す
と図6(b)のようになる。なお図6(a)は列数4、
螺旋ピッチ3の例であり、このように列数Nが、螺旋ピ
ッチPより多い場合には、周期mの第4列と次の周期m+1
の第1列が重なる。即ち、N-P分の列のオーバーラッ
プが生じる。この場合には、オーバーラップした列デー
タを平均化することでP=Nの場合と同様に対応でき
る。P>Nの場合については後述する。
の投影データに対応し、各列n(n=1,2,3,4)が所定の
スライス位置Zsを通過したときのビュー角度(基準ビュ
ー角度)βnを基準として重みが設定される。図中、ハッ
チで示す領域が重みが設定される領域であり、同じハッ
チングで示す領域が補間の対となる。具体的には、例え
ばRow1のβ1とβ1-との間の領域と、Row2のβ2+とβ2と
の間の領域とが補間の対、Row2のβ2とβ2-との間の領
域と、Row3のβ3+とβ3との間の領域とが補間の対であ
る。
を通過したときのビュー角度βsを用いて、次式(1)よ
り求められる。
とる。またΔβは、各列のビュー角度βnの差で、Δβ
=2π/Pである。図示する例では螺旋ピッチPが4であ
るのでΔβは2π/4である。
下限をβn-とする領域に重みが適用される。上限および
下限を表すβn+、βn-は、それぞれ
(7)
必要はなく、補間位置δ(サンプル間隔に対する補間位
置の比)に対し、次式を満足すればよい。
がある。この場合、βn-<β<βn+では上式のWn (α,
β)がδに相当する。
影データを用いた位相が同じデータ間の補間(同位相補
間)の場合の重みを例示したが、マルチスライスCTの場
合にも、シングルスライスにおける180度補間と同様
に、位相が180度(π)異なる対向ビームを利用した逆
位相補間が可能である。対向ビームとは、図7(a)に
示すように焦点が位置S0(β0)のファンビームについ
ては、S1〜S2(β0+π±2α)の範囲のビームであり、サ
イノグラム上では傾きをもつ領域として表現される。
の場合の重みの一例を図8に示す。図8中、Row1〜Row3
は、図5のRow1〜Row3に対応する。但し、図8は螺旋ピ
ッチP=3の場合であり、Row1のデータとRow4のデータは
オーバーラップしている。
Row3の対向ビームに相当する。このような逆位相補間
は、±Δβ/2の範囲のデータに対する重み付けとして実
現できる。
位相補間の相違を、図9(a)、(b)を用いて説明す
る。図9(a)は、同位相補間の場合であり、所定の断面
SPの投影データは、最も近い列の同位相データの補間
であり、その重みは下段に示すようにSPを最大とする
ランプ関数となる。この重みのZ方向の幅は±ΔZであ
る。
は、実線で示す列データと、位相πずれた対向データ
(点線)との補間であるので、重みのZ方向の幅は±Δ
Z/2である。このように逆位相補間の場合には、重み
のZ方向の幅を同位相補間の場合の1/2にできるので、
実効的なスライス幅を半減することができる。なお、こ
の場合にも重み関数としては、前述の式(8)を満たすこ
とを条件として、図示するような線形関数以外の関数を
用いることができる。
スライスCTにおける一般的な重みの生成について説明
したが、本発明の一つの特徴は、螺旋ピッチ(螺旋の傾
き)に対応して、扱うビューを可変にしたことである。
以下、可変ビュー補間について説明する。
図10を参照して説明する。
の対向ファンビームとの関係を示し、同図(b)はα軸に
平行なファンビームと各チャンネルの投影角が等しい平
行ビームとの関係を示したものである。図10は、これ
ら異なるビュータイプをサイノグラム(α、β)空間上
に表したものである。図10からわかるように、各線分
の投影角は ファンビーム: βf=β 平行ビーム: βp=β+α 対向ファンビーム:βc=β+2α となり、これらは重み付け領域の境界を示す線分(基準
線)の傾きによって区別されることがわかる。そこで、
本実施形態のマルチスライス螺旋重みでは各列の基準線
を次式のように選択可能としたものである。
M=2は対向ビーム、すなわちファンビームである。前
掲の図5の例では、M=0であり基準線がファンビーム
である。従って、この例ではファンビーム投影データ間
の同位相補間となる。
基準線は平行ビームであり、各領域はΔβの広がりを持
った平行ビームデータセットとなる。従って、平行ビー
ム投影データ間の同位相補間に相当する重み付けがなさ
れる。M=2の場合は図7(a)からわかるように4αm
の傾きとなり、ファンビームと対向ビーム投影データ間
の同位相補間に相当する重み付けがなされる。M=0以
外の場合には、基準線がスライス位置に対して傾いてい
るが、臨床的には問題のないレベルである。
は螺旋ピッチ(テーブル送り量)に応じて変化させる。
螺旋の傾きとビームの傾きを近づけることで、補間に用
いるデータが実計測位置に近付くため高画質化が可能と
なる。Mの選択は、螺旋の傾きと連動させてもよいし、
それぞれ専用モードを設けて任意に選択するようにして
もよい。
たが、上述した可変ビューの考え方は、逆位相補間の場
合にも同様に適用することができる。以上、マルチスラ
イス螺旋重みの生成の一実施形態として、螺旋ピッチに
対応する可変ビューの設定について説明した。
す。なお重みの生成はすでに述べたように図3に示す画
像処理装置13の重み発生装置133において実現される。
に相当する基準角度βsを求める(ステップ121)。基
準角度βsは、例えば焦点がスライスZsを通過したとき
のビュー角度である。ついで前掲の式(1)により、各
列の基準角度βnを求め(ステップ122)、さらに予め
選択された、或いは予め設定されたM値に基づき、列デ
ータの重み付け領域の上限βn+および下限βn-を定義
する(ステップ123)。さらに重みの広がり(重み付けす
る範囲)を設定する(ステップ124)。図中、Gは重み幅
を制御するパラメータである。後述するように本発明の
マルチスライス螺旋重みでは、画像スライス厚に応じて
重みの広がりを任意に可変にできる。その後、例えば式
(4)〜(7)で表されるランプ関数を適用して重みWn
を決定する(ステップ125)。
として、螺旋ピッチに対応する仮想検出器の設定とそれ
を含む全列データについての重みの生成について説明す
る。
がN≧Pの場合(図6(a)、(b))を例示したが、図6
(c)、(d)に示したP>Nの場合は、K(=N-P)
<0となり、K列分のデータが不足する。同相補間を実
施するためには、N≧Pが条件となる。
て不足する列を仮想的に設定する。例えば5列のマルチ
スライスシステムでピッチ5で計測すれば容易に補正が
可能であること、また理想的な計測となることは明らか
である。
の場合を示した。ここで設定した第5列は実際には存在
しないので、これを例えばRow3、Row4から外挿補間して
求めるか、第5列の対向ビームで代用し、これに重みを
適用する。
を示したものである。対向データとは、半周期の位相差
(π)のデータであるから、π=Δβ×P/2の関係か
ら、P=5では2.5列ずれたものとなる。すなわち、第5列
の対向データは、Row2、Row3とから内挿補間によって求
めた列として扱うことができる。
た領域が補間の対となるが(例えば、Row1のQ1とRow5のQ
5)、第5列に相当するデータは、実際に求める必要はな
く、単にこの仮想検出器のデータを求める場合の補間重
みに従って、仮想検出器の重みを実検出器に分配すれば
よい。例えば、Row2、Row3から内挿補間した場合は、Ro
w2、Row3に0.5ずつ分配する。 W2(α,β)=W2(α,β)+0.5×W5(α,β) W3(α,β)=W3(α,β)+0.5×W5(α,β)
不要であるので処理時間を短縮でき、実用的である。処
理時間の制約を考慮しなくてよい場合には、仮想検出器
の列データを演算によって求め、それに式(4)〜
(7)に基づく重みを適用してもよい。
を導入することにより、容易に補正でき且つ理想的な計
測となる。なお図13および図14は、可変ビューとし
てM=1が選択された場合、すなわち平行ビーム投影デ
ータ間に補間を施す場合に適用される重みであり、従っ
て第5列の対向ビームも平行ビームである。本実施形態
は、ファンビームを用いた場合にも同様に適用すること
ができる。
ピッチP=5、M=0)の仮想検出器の設定と重みを示
す。この例でも、仮想検出器である第5列のデータとし
て対向ビームを用いるとすると、この場合の対向データ
は図示するようにM=2の対向ファンビームであり、領
域Qの代わりに領域Q‘が用いられる。対向ビームにつ
いても重みの設定は図14の場合と同様である。
の場合を示したが、2以上であっても同様に適用するこ
とができる。図16は、螺旋ピッチPが6、M=2の例
である。螺旋ピッチが6の場合はK=2(=6−4)で
あるため、2列の仮想検出器列(0列および5列)を設
定する。この場合は仮想検出器の対向データセットは、
3列分の位相差となり、仮想0列のデータは第3列で、
仮想5列のデータは第2列で補うことができる。この仮
想列に対応する領域はハッチングせずに太枠のみで図示
してある。この場合、M=2の仮想列ファンビームの対
向ファンビームは、M=0のファンビームとなる。
る場合のみならず、端数を有する場合にも適用できる。
この場合には、検出器列をさらに細分化する。例えば、
4列、ピッチ4.25の場合は16列、ピッチ17として重みを
構成する。このように検出器列を細分化して考えること
により問題が単純化でき、仮想検出器列の概念を容易に
適用することができる。
は、逆位相補間にも適用することができる。但し、逆位
相補間は奇数ピッチの場合に実効性がある。すなわち、
図15と図16との比較からわかるように、螺旋ピッチ
が奇数の場合には仮想検出器列の対向データが実検出器
列の列データの中間に位置するのに対し、螺旋ピッチが
偶数の場合には仮想検出器列の対向データは実検出器列
と一致し、図9で説明した高分解能化の効果が期待でき
ない。この様子を図17に示した。
用いて理想的なデータ配分を行うことにより、逆位相補
間を容易に実現でき、その実効を得ることができる。図
18に、Row5に仮想検出器を設定した場合の逆位相補間
の例を示した。このように奇数ピッチの場合には、同位
相補間で作成した重みの幅をΔβ/2とすることにより逆
位相補間が実現でき、20%以上の高分解能化が可能で
ある。
たように仮想検出器を用いずに実検出器での補間が可能
となる。図8中のR1’〜R3’は実検出器のデータRow1〜
Row3の中に存在するからである。
えば基準線が βn’= βn+Mα である場合、位相がπずれて傾きが(2−M)であるの
で、 βn’= βn±π+(2-M)α となる。この対向データセットの区分線は補間の対を表
現するものであるから、平行ビーム(M=1)は平行ビ
ーム、ファンビームはファンビームまたは対向ビームと
対を組むことになる。
的なΔβの場合と最も高分解能化可能な奇数ピッチの場
合のΔβ/2の場合を例示したが、重みの幅はΔβ/2を最
小として任意に変更することが可能である。この幅を変
えることにより画像の実効スライス厚を任意に変更する
ことができる。
には、重み幅の異なる複数の重みをさらに加重平均して
新たな重みとする。例えば幅2Δβの重みWaと、 幅Δβ
の重みWbの加重平均を用いる。或いは、前述のように補
間位置(式(8)におけるδ)がすでに決まっているの
で高次補間の重みとすることも可能である。
マルチスライス螺旋補間では、Δβ毎に補間の対が異な
ることになる。この切り替わりによって補正後の投影デ
ータに不連続性が生じることになる。この不連続性は、
重みの幅が小さいときに顕著となる。
に各列の間に仮想検出器VRを配置し、この仮想検出器を
含む全列について重みを設定する。これにより例えば4
列、螺旋ピッチ3で得られる螺旋投影データは、8列ま
たは7列、螺旋ピッチ8と同等となる。仮想検出器VRに
対する重みは、仮想検出器だけを考慮して3列、ピッチ
3とした場合の重みを適用する。この仮想検出器に対す
る重みを周辺の重みに分配し、各列の重みに加算する。
定し、仮想検出器を含む列全体を考慮して重みを設定
し、各列データに適用することにより不連続性を解消
し、マルチスライス螺旋走査における高画質化を図るこ
とができる。
る場合を例示したが、この実施形態は、螺旋ピッチが端
数を持つ場合にも有効である。例えば、4列、螺旋ピッ
チ1.25のような場合は8列、螺旋ピッチ2.5として扱う
ことができる。このように任意の螺旋ピッチにおいて仮
想検出器の概念を用いることにより、効率的な重みの設
定が可能となる。
ーを図20に示した。図示するように、まず実検出器列
についての重みを発生する(ステップ201)。ここで列
数NがP<Nを満たす場合には、N-P分の列のオーバ
ーラップが生じる。この場合には、オーバーラップする
列は平均化し、冗長性を回避する(ステップ202)。一
方、N<Pの場合には列数が不足するので仮想検出器を
想定し、その重みを発生し(ステップ203)、この重み
を実検出器の重みに分配する(ステップ204)。なお、
上述したように不連続性を解消するために仮想検出器を
設定する場合には、ステップ201において、隣接する実
検出器間に仮想検出器を設定した重みを実検出器間に分
配した後、上記重み処理を行う。
て、列数Nが螺旋ピッチPより大きい場合に、N-P分
の列のオーバーラップを平均化し、冗長性を回避するこ
とを述べた。しかし、被曝低減の観点からは列数を調整
することが好ましい。
線の幅、開き角度を制御するコリメータ182に、X線の
スライス方向の幅を調節する機構を設けたものである。
この機構を図21に示す。
(図1)からの指令によって制御される制御手段211(図
2)と、制御手段211により駆動されるモータ212と、リ
ンク機構のスライスコリメータ213と、モータ212の回転
をスライスコリメータ213のリンク機構に伝達する手段
とを備えている。ホストコンピュータから螺旋ピッチに
応じて必須列数の情報或いはそれに相当する情報が制御
手段211に与えられると、制御手段211はモータ212を駆
動してスライスコリメータ213のスライス方向開口幅を
調節する。例えばモータ212の回転によって、リンクが
例えば図中時計回りに回転すると、Z方向のX線照射範
囲を広げ、半時計回りに回転すると、Z方向のX線照射
範囲を狭める。Z方向と直交する方向の照射範囲は、X
線遮蔽容器によって制限されている。
96列などに増えたときに有効であり、基本的にはピッチ
Pの約半分の列数があれば完全な画像を再構成すること
が可能である。
用したものであるが、Z方向の幅を調整可能な機構であ
れば、例えばスライド機構など公知の機構を採用するこ
とが可能である。
数を制御する機構を備えることにより、上述した重みの
アルゴリズムと関連させた列数の調整が可能であり、本
発明による補間処理の実効性をさらに向上させることが
できる。また計測の冗長性をなくすとともに、被曝量の
低減を図ることができる。
おいて螺旋ピッチに応じて最適な補間重みの設定が可能
であり、高画質化を図ることができる。また本発明によ
れば、仮想検出器という概念を用いることにより、検出
器列数と螺旋ピッチの関係が種々の場合において、効率
的に最適な補間重みを設定することができ、またマルチ
スライス螺旋重みに発生する不連続性を解消することが
可能である。さらに本発明によれば、冗長な計測をでき
るだけ少なくし、被曝低減を図ることができる。
図。
図。
例を示す図。
明する図。
示す図。
図。
示す図、(b)は平行ビームとの関係を示す図。
を示す図。
すサイノグラム。
重みの一例を示す図。
示す図。
を示す図。
を示す図。
を示す図。
を示す図。
示す図。
を説明する図。
ーを示す図。
す図。
Claims (8)
- 【請求項1】多素子検出器を体軸方向に複数列有し、被
検体が置かれる患者テーブルを体軸方向に移動しなが
ら、X線源と前記検出器とを回転させて被検体の透過X
線を計測し、複数の螺旋投影データを取得するマルチス
ライスX線CT装置において、計測した螺旋投影データ
に補正処理を施す補正処理手段と、補正後の投影データ
を再構成して断層像を得る画像再構成手段とを備え、 前記補正処理手段は、前記検出器の列間隔に対する1回
転あたりのテーブル移動量である螺旋ピッチに対応し
て、複数の異なるマルチスライス螺旋重みを発生し、計
測時の螺旋ピッチに応じて前記複数のマルチスライス螺
旋重みの一つを選択して各列の螺旋投影データに適用
し、重み適用後の各列の螺旋投影データを合成すること
を特徴とするマルチスライスX線CT装置。 - 【請求項2】前記補正処理手段は、計測時の螺旋ピッチ
に応じて処理対象とする螺旋投影データの重み付け領域
を変更することを特徴とする請求項1記載のマルチスラ
イスX線CT装置。 - 【請求項3】多素子検出器を体軸方向に複数列有し、被
検体が置かれる患者テーブルを体軸方向に移動しなが
ら、X線源と前記検出器とを回転させて被検体の透過X
線を計測し、複数の螺旋投影データを取得するマルチス
ライスX線CT装置において、計測した螺旋投影データ
に補正処理を施す補正処理手段と、補正後の投影データ
を再構成して断層像を得る画像再構成手段とを備え、 前記補正処理手段は、各列の螺旋投影データに適用する
マルチスライス螺旋重みを発生する手段と、当該重み適
用後の各列の螺旋投影データを合成する手段とを有し、
前記マルチスライス螺旋重みを発生する手段は、実検出
器とは異なる位置に仮想検出器を設定し、前記実検出器
および仮想検出器を含む全列の投影データについてマル
チスライス螺旋重みを設定することを特徴とするマルチ
スライスX線CT装置。 - 【請求項4】実検出器の列数をN、螺旋ピッチをPとす
るとき、P>Nであって、前記実検出器および仮想検出
器を含む全列数がPであることを特徴とする請求項3記
載のマルチスライスX線CT装置。 - 【請求項5】前記仮想検出器は、隣接する実検出器の間
に配置され、当該仮想検出器の投影データに適用される
重みを隣接する実検出器の投影データの重みに分配する
ことを特徴とする請求項3または4記載のマルチスライ
スX線CT装置。 - 【請求項6】前記仮想検出器は、実検出器列の体軸方向
計測範囲の外側に配置され、当該仮想検出器の投影デー
タとして対向データを用い、当該対向データについての
重みを隣接する実検出器の投影データに分配することを
特徴とする請求項3または4記載のマルチスライスX線
CT装置。 - 【請求項7】前記補正処理手段は、各列の螺旋投影デー
タに適用するマルチスライス螺旋重みを発生する手段
と、当該重み適用後の各列の螺旋投影データを合成する
手段とを有し、前記マルチスライス螺旋重みを発生する
手段は、実検出器とは異なる位置に仮想検出器を設定
し、前記実検出器および仮想検出器を含む全列の投影デ
ータについてマルチスライス螺旋重みを設定することを
特徴とする請求項1記載のマルチスライスX線CT装
置。 - 【請求項8】多素子検出器を体軸方向に複数列有し、被
検体が置かれる患者テーブルを体軸方向に移動しなが
ら、X線源と前記検出器とを回転させて被検体の透過X
線を計測し、複数の螺旋投影データを取得するマルチス
ライスX線CT装置において、計測した螺旋投影データ
に補正処理を施す補正処理手段と、補正後の投影データ
を再構成して断層像を得る画像再構成手段とを備え、 前記X線源は、前記検出器の列間隔に対する1回転あた
りのテーブル移動量である螺旋ピッチに対応して、前記
検出器の列数を制御する手段を備えたことを特徴とする
マルチスライスX線CT装置。
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