JP2001346754A - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

内視鏡用可撓管

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JP2001346754A JP2000174177A JP2000174177A JP2001346754A JP 2001346754 A JP2001346754 A JP 2001346754A JP 2000174177 A JP2000174177 A JP 2000174177A JP 2000174177 A JP2000174177 A JP 2000174177A JP 2001346754 A JP2001346754 A JP 2001346754A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾力性および耐加水分解性に優れた内視鏡用
可撓管を提供すること。 【解決手段】挿入部可撓管1は、螺旋管21と、螺旋管
21の外周を被覆する網状管22と、網状管22の外周
を被覆する外皮3とで構成されている。外皮3の少なく
とも外表面は、エステル系ポリウレタンエラストマー
と、当該材料の加水分解を抑制する加水分解抑制剤とを
含む材料で構成されている。前記加水分解抑制剤は、重
量平均分子量が300〜3,000のポリマーであり、
該ポリマーを構成するモノマーの少なくとも一種は、カ
ルボジイミド基を有するものであるのが好ましい。前記
加水分解抑制剤の含有量は、0.5〜50wt%である
のが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡用可撓管、
特に、エステル系ポリウレタンエラストマーを含む材料
で構成された外皮を有する内視鏡用可撓管に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】内視鏡検査では、内視鏡の挿入部可撓管
を例えば、胃、十二指腸、小腸あるいは大腸といった体
腔の深部まで挿入する必要がある。このため、内視鏡の
挿入部可撓管は、内視鏡用可撓管の外皮を有することに
より、挿入操作のし易さ(可撓性)の向上を図り患者の
負担を軽減させるとともに、体液等の液体が内視鏡内部
に侵入するのを防いでいる。従来、前記内視鏡用可撓管
の外皮の構成材料としてはエステル系ポリウレタンエラ
ストマー等の弾性材料が一般的に使用されている。
【0003】ところで、内視鏡は、繰り返し使用される
ため、その都度、洗浄および消毒を行う必要がある。と
ころが、このような条件においては、エステル系ポリウ
レタンエラストマーは、洗浄液、消毒液に含まれる成分
等によって、加水分解される。このため、内視鏡に対
し、繰り返し洗浄、消毒を行うことにより、可撓管の外
皮は、劣化してしまう。そして、内視鏡用可撓管の外皮
そのものの可撓性の低下が進み、管腔内へ挿入し難くな
るという問題が生じる。また、劣化が激しい場合には、
細かな亀裂等が発生し、内視鏡用可撓管の外皮の構成材
料が剥離することもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、弾力
性および耐加水分解性に優れた内視鏡用可撓管を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0006】(1) 外皮を有する内視鏡用可撓管であ
って、前記外皮の少なくとも外表面は、エステル系ポリ
ウレタンエラストマーと、当該材料の加水分解を抑制す
る加水分解抑制剤とを含む材料で構成されていることを
特徴とする内視鏡用可撓管。これにより、弾力性および
耐加水分解性に優れた内視鏡用可撓管を提供することが
できる。
【0007】(2) 外皮を有する内視鏡用可撓管であ
って、前記外皮は、複数の層を積層した積層部を有し、
該積層部の最外層は、エステル系ポリウレタンエラスト
マーと、当該材料の加水分解を抑制する加水分解抑制剤
とを含む材料で構成されることを特徴とする内視鏡用可
撓管。これにより、弾力性および耐加水分解性に優れた
内視鏡用可撓管を提供することができる。
【0008】(3) 前記外皮は、前記積層部の最外層
の内側に内視鏡用可撓管の芯材と結合する内層を有する
ものである上記(2)に記載の内視鏡用可撓管。これに
より、内視鏡用可撓管の弾力性、耐久性がさらに向上す
る。
【0009】(4) 前記外皮は、前記積層部の最外層
の内側に、中間層を介して、内視鏡用可撓管の芯材と結
合する内層を有するものである上記(2)に記載の内視
鏡用可撓管。これにより、内視鏡用可撓管の弾力性、耐
久性がさらに向上する。
【0010】(5) 前記加水分解抑制剤は、カルボジ
イミド基を有する物質である上記(1)ないし(4)の
いずれかに記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡
用可撓管の耐加水分解性がさらに向上する。
【0011】(6) 前記加水分解抑制剤は、重量平均
分子量が300〜3,000のポリマーである上記
(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視鏡用可撓
管。これにより、エステル系ポリウレタンエラストマー
と加水分解抑制剤とで構成される材料は、より均一に混
合されたものとなる。
【0012】(7) 前記加水分解抑制剤の含有量は、
0.5〜50wt%である上記(1)ないし(6)のい
ずれかに記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡用
可撓管の弾力性および耐加水分解性がさらに向上する。
【0013】(8) 前記エステル系ポリウレタンエラ
ストマーの平均分子量は、100,000〜200,0
00である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の
内視鏡用可撓管。これにより、エステル系ポリウレタン
エラストマーと加水分解抑制剤とで構成される材料は、
より均一に混合されたものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内視鏡用可撓管お
よびその製造方法の実施形態について、説明する。
【0015】以下、本発明の内視鏡用可撓管の好適な実
施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明す
る。
【0016】図1は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管を有する電子内視鏡(電子スコープ)を
示す全体図である。以下、図1中、上側を「基端」、下
側を「先端」として説明する。
【0017】図1に示すように、電子内視鏡10は、弾
力性(可撓性)を有する長尺物の挿入部可撓管1と、挿
入部可撓管1の先端部に設けられた湾曲部5と、挿入部
可撓管1の基端部に設けられ、術者が把持して電子内視
鏡10全体を操作する操作部6と、操作部6に接続され
た接続部可撓管7と、接続部可撓管7の先端側に設けら
れた光源差込部8とで構成されている。
【0018】挿入部可撓管1は、生体の管腔内に挿入し
て使用される。また、操作部6には、その側面に操作ノ
ブ61、62が設置されている。この操作ノブ61、6
2を操作すると、挿入部可撓管1内に配設されたワイヤ
ー(図示せず)が牽引されて、湾曲部5が4方向に湾曲
し、その方向を変えることができる。
【0019】湾曲部5の先端部には、観察部位における
被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設
けられ、また、光源差込部8の先端部に、画像信号用コ
ネクタ82が設けられている。この画像信号用コネクタ
82は、光源プロセッサ装置に接続され、さらに、光源
プロセッサ装置は、ケーブルを介してモニタ装置(図示
せず)に接続されている。
【0020】光源差込部8の先端部には、光源用コネク
タ81が設置され、この光源用コネクタ81が光源プロ
セッサ装置(図示せず)に接続されている。光源プロセ
ッサ装置から発せられた光は、光源用コネクタ81、お
よび、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6
内、挿入部可撓管1内および湾曲部5内に連続して配設
された光ファイバー束によるライトガイド(図示せず)
を通り、湾曲部5の先端部より観察部位に照射され、照
明する。
【0021】前記照明光により照明された観察部位から
の反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像
素子では、撮像された被写体像に応じた画像信号が出力
される。
【0022】この画像信号は、湾曲部5内、挿入部可撓
管1内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続して
配設され、撮像素子と画像信号用コネクタ82とを接続
する画像信号ケーブル(図示せず)を介して、光源差込
部8に伝達される。
【0023】そして、光源差込部8内および光源プロセ
ッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理
等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニ
タ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、
すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0024】以上、本発明の内視鏡用可撓管を適用した
挿入部可撓管1を有する電子内視鏡10の全体構成につ
いて説明したが、本発明の内視鏡用可撓管は、ファイバ
ー内視鏡の可撓管にも適用することができることは、言
うまでもない。
【0025】図2は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第1実施形態を示す拡大半縦断面図で
ある。
【0026】挿入部可撓管1は、芯材2と、その外周を
被覆する外皮3とを有している。また、挿入部可撓管1
には、内部に、例えば、光ファイバ、電線ケーブル、ケ
ーブルまたはチューブ類等の器具等(図中省略)を配
置、挿通することができる空間24が設けられている。
【0027】芯材2は、螺旋管21と、螺旋管21の外
周を被覆する網状管(編組体)22とで構成され、全体
としてチューブ状の長尺物として形成されている。この
芯材2は、挿入部可撓管1を補強する効果を有する。特
に、螺旋管21と網状管22を組合わせたことにより、
挿入部可撓管1は、十分な機械的強度を確保できる。
【0028】螺旋管21は、帯状材を均一な径で螺旋状
に間隔25をあけて巻いて形成されたものである。帯状
材を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅
合金等が好ましく用いられる。
【0029】網状管22は、金属製または非金属性の細
線23を複数並べたものを編組して形成されている。細
線23を構成する材料としては、例えば、ステンレス
鋼、銅合金等が好ましく用いられる。また、網状管22
を形成する細線23のうち少なくとも1本に合成樹脂の
被覆(図示せず)が施されていてもよい。
【0030】網状管22を形成する細線23のうちの少
なくとも1本に合成樹脂の被覆が施されている場合、こ
の被覆された樹脂(被覆層)は、外皮3の構成材料(少
なくとも外皮3の内周面を構成する材料)との相溶性に
優れた材料であるのが好ましい。これにより、細線23
の被覆層と外皮3とが十分強く結合し、外皮3と芯材2
との密着性が向上する。その結果、外皮3は、挿入部可
撓管1が湾曲した場合にも、芯材2と密着した状態を維
持し、芯材2の湾曲に合わせて十分に大きく伸縮する。
このように大きく伸縮した外皮3の復元力は、強く発揮
され、挿入部可撓管1の湾曲を復元させる力に大きく寄
与する。よって、このような構成により、挿入部可撓管
1は、弾力性に優れる。
【0031】また、外皮3と芯材2との結合力が強いの
で、挿入部可撓管1は、繰り返し使用しても外皮3と芯
材2とが剥離しにくい。したがって、挿入部可撓管1
は、繰り返し使用した後も弾力性が良好に保たれ、耐久
性に優れる。
【0032】網状管22の外周には、編組された細線2
3の編み目により隙間26が形成されている。この隙間
26は、螺旋管21の外周と重なる位置では凹部とな
り、螺旋管21の間隔25と重なる位置では空間24に
連通する孔となって、芯材2の外周に多数の孔および凹
部を形成している。
【0033】芯材2の外周には、外皮3が被覆されてい
る。外皮3は、その内周部が芯材2と密着している。
【0034】外皮3の内周面には、内周側に向かって突
出する多数の突出部(アンカー)4が外皮3から連続し
て形成されている。各突出部4は、芯材2の外周に形成
された多数の孔および凹部内にそれぞれ進入している。
前記凹部内に進入した突出部4の先端は、螺旋管21の
外周に達するまで形成されている。前記孔内に進入した
突出部4は、より長く形成され、その先端が螺旋管21
の間隔25に入り込んでいる。
【0035】このように突出部4が形成されていること
により、突出部4が芯材2の外周に形成された多数の孔
および凹部に係合するので、アンカー効果が生じ、芯材
2に対し外皮3が確実に固定される。このため、外皮3
は、挿入部可撓管1が湾曲した場合にも、芯材2と密着
した状態を維持し、芯材2の湾曲に合わせて十分に大き
く伸縮する。このように大きく伸縮した外皮3の復元力
は、強く発揮され、挿入部可撓管1の湾曲を復元させる
力に大きく寄与する。よって、このような構成により、
挿入部可撓管1は、弾力性に優れる。
【0036】また、突出部4を形成したことにより、外
皮3と網状管22との結合力が強いので、繰り返し使用
しても外皮3が網状管22と剥離しにくい。したがっ
て、挿入部可撓管1は、繰り返し使用した後も弾力性が
良好に保たれ、耐久性に優れる。
【0037】特に、細線23に外皮3の構成材料(少な
くとも外皮3の内周面を構成する材料)との相溶性に優
れた合成樹脂の被覆が施されている場合においては、こ
れらの効果が相乗的に作用することにより、挿入部可撓
管1の弾力性および耐久性は、より顕著なものとなる。
【0038】外皮3は、エステル系ポリウレタンエラス
トマーと、該エステル系ポリウレタンエラストマーの加
水分解を抑制する加水分解抑制剤とを含む材料で構成さ
れている。外皮3がこのような材料で構成されることに
より、エステル系ポリウレタンエラストマーの特性であ
る優れた弾力性を保持しつつ、優れた耐加水分解性を得
ることができる。
【0039】エステル系ポリウレタンエラストマーとし
ては、例えば、ハードセグメントとソフトセグメントと
を含む共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体
等)を用いることができる。
【0040】ハードセグメントとしては、例えば、ジイ
ソシアネートと短鎖グリコールとを含む重合体、また
は、短鎖グリコール単独のもの等が挙げられる。
【0041】ジイソシアネートとしては、例えば、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
2,4’−トルエンジイソシアネート(TDI)、2,
6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HDI)、3,3’−
ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(T
ODI)、1,5’−ナフタレンジイソシアネート(N
DI)等が挙げられる。この中でも、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)がより好まし
い。
【0042】短鎖グリコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール(EO)、1,3−プロピレングリコール
(PG)、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチ
レングリコール、1,6−ヘキシルグリコール、1,4
−ジメチロールベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールA/EO等が挙げられる。この中でも、1,4−
ブチレングリコールがより好ましい。
【0043】一方、ソフトセグメントとしては、例え
ば、ジイソシアネートと長鎖グリコールとを含む重合
体、または、長鎖グリコール単独のもの等が挙げられ
る。
【0044】ジイソシアネートとしては、ハードセグメ
ントで記載したものと同じものが挙げられる。その中で
も、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)がより好ましい。
【0045】長鎖グリコールとしては、例えば、ポリ
(エチレンアジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−
1,4−アジペート)グリコール、ポリ(エチレン−
1,4−アジペート)グリコール、ポリカプロラクトン
グリコール、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)
グリコール等が挙げられる。この中でも、ポリ(エチレ
ンアジペート)グリコールがより好ましい。
【0046】このようなエステル系ポリウレタンエラス
トマーは、特に弾力性に優れる。このため、エステル系
ポリウレタンエラストマーを外皮3の構成材料の主成分
とすることにより、優れた弾力性を有する内視鏡用可撓
管の外皮が得られる。
【0047】エステル系ポリウレタンエラストマーの重
量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、10
0,000〜200,000であることが好ましく、1
30,000〜180,000であることがより好まし
い。
【0048】エステル系ポリウレタンエラストマーが、
このような重量平均分子量を有していると、エステル系
ポリウレタンエラストマーと後述する加水分解抑制剤と
の相溶性が向上する。その結果、外皮3の構成材料をエ
ステル系ポリウレタンエラストマーと加水分解抑制剤と
が均一に混合されたものとすることができる。
【0049】加水分解抑制剤は、前記エステル系ポリウ
レタンエラストマーの加水分解を抑制する効果を有して
いるものであればいかなるものでもよい。ここで、加水
分解を抑制する効果とは、加水分解反応の阻害、停止、
遅延等のほか、切断されたエステル結合を再結合させる
こと等により、結果として、加水分解生成物の生成量を
抑制する効果のことを言う。
【0050】このような加水分解抑制剤としては、例え
ば、カルボジイミド基、アシル基、イソシアネート基等
を有する物質などが挙げられるが、その中でも、カルボ
ジイミド基を有する物質であるのが好ましい。加水分解
抑制剤として、カルボジイミド基を有する物質を用いた
場合、その含有量を比較的多くしても、エステル系ポリ
ウレタンエラストマーの物性の変化(特に、弾力性の低
下)を抑制することができる。
【0051】また、加水分解抑制剤は、重合反応するも
のであってもよいし、重合反応しないものであってもよ
い。また、モノマーであってもよいし、ダイマー、トリ
マー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーのような重
合反応で生成したものであってもよい。その中でも特
に、ポリマー(プレポリマーを含む)であるのが好まし
い。
【0052】加水分解抑制剤がポリマーであると、エス
テル系ポリウレタンエラストマーとの相溶性が向上す
る。その結果、外皮3の構成材料をエステル系ポリウレ
タンエラストマーと加水分解抑制剤とが均一に混合され
たものとすることができる。このポリマーは、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂等いかなるものでもよい。また、ポ
リマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されない
が、300〜3,000程度であるのが好ましく、50
0〜2,000程度であるのがより好ましい。加水分解
抑制剤がこのような分子量のポリマーであるとエステル
系ポリウレタンエラストマーとの相溶性がさらに向上す
る。その結果、外皮3の構成材料をエステル系ポリウレ
タンエラストマーと加水分解抑制剤とがさらに均一に混
合されたものとすることができる。
【0053】加水分解抑制剤は、ポリマーであり、かつ
カルボジイミド基を有するものであるのがさらに好まし
い。この場合、カルボジイミド基は、ポリマーの主鎖に
存在するものであってもよいし、側鎖に存在するもので
あってもよい。また、このカルボジイミド基は、(カル
ボジイミド基を分子内に有さない)モノマーを重合した
後に導入されたものであってもよいし、カルボジイミド
基を分子内に有するモノマーを重合することにより導入
されたものであってもよい。
【0054】外皮3の構成材料中の加水分解抑制剤の含
有量は、0.5〜50wt%であるのが好ましく、5〜
30wt%であるのがより好ましい。
【0055】加水分解抑制剤の含有量が前記下限値未満
であると、加水分解抑制剤の効果が十分に得られない場
合がある。一方、加水分解抑制剤の含有量が前記上限値
を超えると、エステル系ポリウレタンエラストマーの含
有量が相対的に低下し、エステル系ポリウレタンエラス
トマーの特性である弾力性が低下する場合がある。すな
わち、配合比が前記上限値を超えた外皮を有する内視鏡
の挿入部可撓管(生体内に挿入される部位)は、高い弾
力反発性を持ち、それが原因で内視鏡の挿入部可撓管の
操作性が低下し、微妙な動きをさせることが難しくな
り、患者に負担を与える可能性がある。
【0056】外皮3の構成材料は、エステル系ポリウレ
タンエラストマーと加水分解抑制剤とからなるものであ
ってもよいし、例えば、エステル系ポリウレタンエラス
トマー、加水分解抑制剤に加え、他の樹脂成分(高分子
材料)を含むポリマーアロイ(ポリマーブレンド、共重
合体等)であってもよい。
【0057】外皮3の構成材料中には、エステル系ポリ
ウレタンエラストマーと加水分解抑制剤との他に、必要
に応じて任意に添加物が配合されてもよい。
【0058】添加物としては、例えば、可塑剤、無機フ
ィラー、顔料、各種安定剤(酸化防止剤、光安定剤、帯
電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤)、X線造影剤等
が挙げられる。
【0059】以上、外皮3の構成材料について説明した
が、外皮3の構成材料の組成(含有成分の配合比)は、
外皮3全体にわたって、均一なものであってもよいし、
各部位で異なるものであってもよい。例えば、含有成分
の配合比が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)等
であってもよい。
【0060】また、加水分解抑制剤は、少なくとも、外
皮3の外表面31付近に含まれていればよい。
【0061】外皮3の厚さ(突出部4の部分を除く)
は、長手方向に沿ってほぼ一定であるのが好ましい。こ
れにより、挿入部可撓管1を体腔に挿入する際の操作性
がより向上し、患者の負担もより軽減される。
【0062】外皮3の厚さ(突出部4の部分を除く)
は、芯材2およびその内部に挿通される器具等を体液等
の液体から保護することができ、かつ、挿入部可撓管1
の湾曲性を妨げなければ、特に限定されず、通常は、
0.08〜0.9mm程度が好ましく、0.10〜0.
8mm程度がより好ましい。
【0063】図3は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第2実施形態を示す拡大半縦断面図で
ある。以下、図3に示す挿入部可撓管1について、前記
第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に
ついては、その説明を省略する。
【0064】第2実施形態の挿入部可撓管1では、外皮
3は、内層32と、中間層33と、外層34とを有する
積層体で構成されている。
【0065】外皮3は、以下に説明するように、内層3
2、中間層33、外層34のうちのいずれか1層が、他
のいずれか1層と比べて物理的特性または化学的特性が
異なる材料で構成されたものである。物理的特性として
は、例えば、剛性(弾力性)、硬度、伸び率、引張り強
さ、せん断強さ、曲げ弾性率、曲げ強さ等が挙げられ、
化学的特性としては、例えば、耐薬品性、耐候性等が挙
げられる。なお、これらは一例であり、これらに限定さ
れるものではない。
【0066】内層32は、外皮3の中で最も内周側に形
成されており、芯材2と密着している。したがって、内
層32の構成材料として、芯材2との密着性に優れたも
のを選択するのが好ましい。また、内層32は、突出部
4の大きさ(長さ)、形状、個数等がそれぞれ適度なも
のとなるように制御して突出部4を形成することができ
るような材料で構成されているのが好ましい。内層32
がこのような材料で構成されることにより、挿入部可撓
管1の弾力性、耐久性を制御することが可能となる。
【0067】内層32の構成材料は、特に限定されない
が、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロ
エチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ラ
テックスゴム等の各種エラストマーのうちの、1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0068】この中でも、特に、ポリウレタン系エラス
トマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル
系エラストマーは、突出部4の形成を制御し易いため、
好ましい。
【0069】内層32の厚さ(突出部4の部分を除
く。)は、特に限定されないが、通常は、0.03〜
0.8mm程度が好ましく、0.03〜0.4mm程度
がより好ましい。
【0070】中間層33は、内層32の外周面上に形成
されている。中間層33は、後述する外層34より弾力
性に優れた層とされているのが好ましい。これにより、
中間層33が内層32と外層34との間のクッション機
能を発揮する。また、中間層33は、内層32よりも柔
軟な層であるのが好ましい。
【0071】中間層33のクッション機能についてより
詳しく説明する。挿入部可撓管1が湾曲したとき、中間
層33の弾力性が優れていることにより、変形した中間
層33の復元力は、強く発揮される。そして、中間層3
3が比較的硬度の高い内層32と外層34との間に挟ま
れているので、中間層33の復元力は、内層32と外層
34とに効率良く伝わる。このため、中間層33の復元
力のほぼすべてが挿入部可撓管1の曲げを復元させる力
に生かされる。したがって、このような構成とすること
により、挿入部可撓管1は、弾力性に優れる。
【0072】中間層33の構成材料は、特に限定されな
いが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有
する樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポ
リアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマ
ー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、ラテックスゴム等の各種エラストマーのうちの、1
種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0073】この中でも、特に、低硬度のポリウレタン
系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマーは、弾力性に優れるため、好ま
しい。
【0074】中間層33の厚さは、特に限定されない
が、通常は、0.02〜0.8mm程度が好ましく、
0.02〜0.4mm程度がより好ましい。
【0075】外層34は、外皮3の中で最も外周側に形
成されている。外層34は、前述した第1実施形態の外
皮3の構成材料と同様な材料で構成されている。ただ
し、本実施形態では、前述したように、芯材2に対する
密着性に優れた内層32と、弾力性に優れた中間層33
が設けられているため、外皮3の物理特性は、外層34
の物理特性のみに依存するものではない。したがって、
外層34が比較的硬質なものであっても、外皮3全体と
して、十分な弾力性を得ることができる。すなわち、加
水分解抑制剤の含有量が前述した上限値を超えても、外
皮3全体として、十分な弾力性を得ることができる。
【0076】外層34の厚さは、特に限定されないが、
通常は、0.03〜0.8mm程度が好ましく、0.0
3〜0.4mm程度がより好ましい。
【0077】なお、外皮3は、このような複数の層が積
層された積層部をその全長に渡って有するものであって
も、その少なくとも一部に有するものであってもよい。
【0078】このように、外皮3を複数の層の積層体と
することにより、各層を構成する材料の利点を併有する
ことができる。本実施例においては、外皮3が、耐加水
分解性に優れた外層34と、弾力性に優れた中間層33
と、芯材2に対する密着性に優れた内層32とで構成さ
れていることにより、外皮3全体として、これらの特性
を併有している。
【0079】次に、内視鏡用可撓管の製造方法の一例に
ついて説明する。内視鏡用可撓管の外皮の材料(外皮が
複数の層で構成される場合は、各層の構成材料)は、前
述の各成分を溶融または軟化し、混合、混練することに
より得られる。各成分を溶融または軟化し、混合、混練
するには、例えば、ニーダー、ニーダールーダー、ロー
ル、連続混練押出機等の混練機等が使用可能である。こ
のような混練機を用いて各成分を混練した場合、材料
は、各成分が均一に混合されたものとなる。
【0080】混練温度としては、特に限定されないが、
例えば、160〜220℃程度であるのが好ましく、1
80〜210℃程度であるのがより好ましく、185〜
205℃程度であるのがさらに好ましい。各成分を、か
かる温度範囲で混練した場合、材料中の各成分の均一度
は向上する。
【0081】そして、このように混練された材料を芯材
上に押出成形によって被覆することにより、内視鏡用可
撓管を連続的に製造することができる。特に、外皮が複
数の層で構成される場合、複数の押出口を備えた押出成
形機を用いて、内層、中間層および外層の材料を同時に
押出し、その積層体を芯材に被覆することにより、積層
構造を有する外皮を連続的に製造することができる。ま
た、各押出口からの各層の構成材料の吐出量や芯材の引
き速度を調整することにより、各層の厚さを調節するこ
とができる。
【0082】押出成形時の材料温度としては、特に限定
されないが、例えば、130〜220℃程度であるのが
好ましく、165〜205℃程度であるのがより好まし
い。押出成形時の材料温度が、かかる温度範囲の場合、
材料は、内視鏡用可撓管の外皮への成形加工性に優れ
る。このため、内視鏡用可撓管の外皮の厚さは、その均
一度が向上する。
【0083】以上、本発明の内視鏡用可撓管について説
明したが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0084】例えば、第2実施形態において、外皮3
は、内層32と中間層33と外層34との3層で構成さ
れているが、2層(例えば、中間層33を省略した内層
32と外層34)で構成されたものであってもよいし、
4層以上で構成されたものであってもよい。
【0085】また、内視鏡用可撓管の製造方法として
は、まず、外皮3を連続する長尺物として成形した後、
この外皮3の内腔へ芯材2を挿入し、その後、加熱等に
より密着固定する方法でも可能である。
【0086】また、本発明の内視鏡用可撓管は、例え
ば、光源プロセッサ装置に接続される接続部可撓管等に
も適用できる。
【0087】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0088】1.内視鏡用可撓管の作製 (実施例1)まず、幅3.2mmのステンレス製の帯状
材を巻回して、外径9mm、内径7mmの螺旋管を作製
した。次に、直径0.08mmのステンレス製の細線を
10本ずつ並べたものを編組みした網状管を作製した。
細線のうち1本は、ポリアミド系樹脂でコーティングし
たものを用いた。この網状管で螺旋管を被覆し、芯材を
得た。
【0089】次に、芯材の外周に、押出成形により、エ
ステル系ポリウレタンエラストマーと加水分解抑制剤と
で構成される外皮(厚さ0.4mm)を被覆して、長さ
1.5mの内視鏡用可撓管を作製した。
【0090】(実施例2〜6)エステル系ポリウレタン
エラストマーと加水分解抑制剤との配合比を変更した以
外は、実施例1と同様にして、内視鏡用可撓管を作製し
た。
【0091】(実施例7)外皮に含有される加水分解抑
制剤を変更した以外は、実施例1と同様にして、内視鏡
用可撓管を作製した。
【0092】(実施例8)芯材に被覆する外皮を内層と
中間層と外層とからなる積層体とした以外は、実施例1
と同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。なお、積層
体の形成は、3個の押出口を備えた押出成形機を用いて
行った。すなわち、内層、中間層および外層を同時に押
出し、その積層体を芯材に被覆することにより積層構造
を有する外皮を連続的に製造した。
【0093】なお、内層、中間層、外層の厚さは、それ
ぞれ0.15mm、0.1mm、0.15mmであっ
た。
【0094】(比較例)内視鏡用可撓管の外皮の構成材
料に加水分解抑制剤を用いなかった以外は、実施例1と
同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。
【0095】各実施例および比較例について、外皮(実
施例8については、内層、中間層および外層)を構成す
る各成分の配合比を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】表1中、材料A、B、C、D、E、Fは、
それぞれ以下に示す通りである。 材料A:エステル系ポリウレタンエラストマー(4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)お
よびエチレングリコール(EO)からなるハードセグメ
ントと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)およびポリ(エチレンアジペート)グリコー
ルからなるソフトセグメントとのブロック共重合体(重
量平均分子量:150,000) 材料B:加水分解抑制剤(カルボジライト(日清紡))
(重量平均分子量:1,000) 材料C:加水分解抑制剤(塩化アシル(CH3COC
l)) 材料D:ポリエステル系エラストマー(グリラックス、
大日本インキ化学工業(株)(重量平均分子量:30,
000) 材料E:ポリオレフィン系エラストマー(リュブマー、
三井化学(株))(重量平均分子量:700,000)
【0098】2.内視鏡用可撓管の特性評価 [2.1]弾力性試験 各実施例および比較例で作製した内視鏡用可撓管につい
て、以下に示す方法で弾力性試験を行った。
【0099】弾力性試験では、各内視鏡用可撓管を、そ
れぞれ10本用意し、これらを束ねたものをまとめて折
り曲げることができるか否かを調べた。
【0100】各内視鏡用可撓管は、それぞれ、10本を
束ねた後、折り曲げ操作を行い、以下の4段階の基準に
従い、評価した。
【0101】 ◎:弾力性に富む。 ○:弾力性あり。 △:弾力性に乏しい。 ×:弾力性ほとんどなし(硬化状態)。
【0102】[2.2]耐加水分解性試験 各実施例および比較例で作製した内視鏡用可撓管につい
て、以下に示す方法で耐加水分解性試験を行った。
【0103】各実施例および比較例で作製した内視鏡
用可撓管について、その表面を十分に水洗し、乾燥させ
た。その後、内視鏡用可撓管の外皮を切り取り、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)100mLあたり0.5gの
外皮を溶解させた。このようにして得られた溶液につい
て、オストワルド粘度計を用いて、30℃で粘度
(η 1)の測定を行った。
【0104】各実施例および比較例で作製した内視鏡
用可撓管を、温度25℃に保たれた5%のヨウ素水溶液
100Lに、それぞれ、48時間浸漬した。その後、内
視鏡用可撓管の表面を十分に水洗し、乾燥させた。その
後、内視鏡用可撓管の外皮を切り取り、ジメチルホルム
アミド(DMF)100mLあたり0.5gの外皮を溶
解させた。このようにして得られた溶液について、オス
トワルド粘度計を用いて、30℃で粘度(η2)の測定
を行った。
【0105】およびの測定結果から、5%のヨウ素
水溶液に浸漬されたことによる(加水分解性の条件下に
置かれたことによる)溶液の粘度の変化率を求めた。こ
のようにして求めた溶液の粘度の変化率を加水分解の進
行度の指標とし、各実施例および比較例について、耐加
水分解性を以下の4段階の基準に従い、評価した。
【0106】 ◎:粘度の変化率が1%未満。 ○:粘度の変化率が1%以上5%未満。 △:粘度の変化率が5%以上10%未満。 ×:粘度の変化率が10%以上。
【0107】なお、溶液の粘度の変化率は、(η2
η1)/η1の絶対値とした。これらの結果を表2に示
す。
【0108】
【表2】
【0109】表2から明らかなように、本発明の内視鏡
用可撓管は、いずれも優れた弾力性および耐加水分解性
を有していた。その中でも、実施例3〜5および実施例
8の内視鏡用可撓管では、弾力性と耐加水分解性とのい
ずれもが、特に優れていた。
【0110】これに対し、比較例の内視鏡用可撓管は、
弾力性には優れていたが、耐加水分解性に劣っていた。
【0111】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、エ
ステル系ポリウレタンエラストマーの材料特性を生かし
つつ(特に弾力性)、耐加水分解性に優れた内視鏡用可
撓管を得ることができる。
【0112】また、外皮を複数の層が積層された積層体
とした場合、各層の材料の選択や厚さ等の設定を適宜行
い、それら各層の特性の組み合わせによって、各層を構
成する材料の利点を併有することができ、その結果、内
視鏡用可撓管に必要とされる各種の性能について同時に
優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管を有する電子内視鏡を示す全体図である。
【図2】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第1実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【図3】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第2実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【符号の説明】
1 挿入部可撓管 2 芯材 21 螺旋管 22 網状管 23 細線 24 空間 25 間隔 26 隙間 3 外皮 31 外表面 32 内層 33 中間層 34 外層 4 突出部 5 湾曲部 6 操作部 61、62 操作ノブ 7 接続部可撓管 8 光源差込部 81 光源用コネクタ 82 画像信号用コネクタ 10 電子内視鏡

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外皮を有する内視鏡用可撓管であって、 前記外皮の少なくとも外表面は、エステル系ポリウレタ
    ンエラストマーと、当該材料の加水分解を抑制する加水
    分解抑制剤とを含む材料で構成されていることを特徴と
    する内視鏡用可撓管。
  2. 【請求項2】 外皮を有する内視鏡用可撓管であって、 前記外皮は、複数の層を積層した積層部を有し、該積層
    部の最外層は、エステル系ポリウレタンエラストマー
    と、当該材料の加水分解を抑制する加水分解抑制剤とを
    含む材料で構成されることを特徴とする内視鏡用可撓
    管。
  3. 【請求項3】 前記外皮は、前記積層部の最外層の内側
    に内視鏡用可撓管の芯材と結合する内層を有するもので
    ある請求項2に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 【請求項4】 前記外皮は、前記積層部の最外層の内側
    に、中間層を介して、内視鏡用可撓管の芯材と結合する
    内層を有するものである請求項2に記載の内視鏡用可撓
    管。
  5. 【請求項5】 前記加水分解抑制剤は、カルボジイミド
    基を有する物質である請求項1ないし4のいずれかに記
    載の内視鏡用可撓管。
  6. 【請求項6】 前記加水分解抑制剤は、重量平均分子量
    が300〜3,000のポリマーである請求項1ないし
    5のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  7. 【請求項7】 前記加水分解抑制剤の含有量は、0.5
    〜50wt%である請求項1ないし6のいずれかに記載
    の内視鏡用可撓管。
  8. 【請求項8】 前記エステル系ポリウレタンエラストマ
    ーの平均分子量は、100,000〜200,000で
    ある請求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡用可撓
    管。
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