JP2001346546A - ビタミンk濃縮物の製造方法 - Google Patents

ビタミンk濃縮物の製造方法

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Yoshihiro Ogawa
善弘 小川
Norikazu Fujii
則和 藤井
Mamoru Kikuchi
護 菊地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品衛生上、安全で且つ工業的に有利なビタ
ミンK濃縮物の製造方法を提供する。 【解決手段】 醤油製造の副産物である醤油油又は醤油
粕を原料とし、有機溶剤で抽出することにより、ビタミ
ンK濃縮物を、効率よく製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、醤油製造の副産物
である醤油油又は醤油粕を原料とする、ビタミンK濃縮
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンKは、血液凝固に関与する脂溶
性ビタミンとして、1929年に発見見されて以来、種
々の生理的な効果が見出だされてきた。このビタミンK
は、特に、新生児・乳児のビタミンK欠乏性出血症の予
防又は治療として使用されており、更に、最近では、退
行期骨粗しょう症の予防薬や治療薬としても期待されて
いる(ビタミン、70巻、7号、317〜322頁、1
996年)。
【0003】一般にビタミン類は、日常の食品中に広く
分布しているものが多く、通常、それらの天然のビタミ
ン類を含む食品を食べることにより、体内に摂取され
る。ビタミンKについても、その欠乏に起因する上記疾
患などを予防・治療するために、天然のビタミンKを含
む食品を摂取することが推奨されている。
【0004】ビタミンKには、その化学構造から7種類
の同族体(ビタミンK1〜K7)が知られているが、天
然には、ビタミンK1とK2のみが存在する。ビタミン
K1は、緑黄色野菜、海藻類、および緑茶などの種々の
食品に含まれることが知られており(ビタミン、62
巻、8号、393〜398頁、1988年)、それらの
食品から比較的容易に摂取することができる。さらに、
緑黄色野菜からのビタミンKの抽出方法(特開平10−
165139号)や植物油脂からのビタミンKの抽出方
法(特許公報第2943031号)などが知られてお
り、ビタミンK1抽出物の食品への利用が図られてい
る。
【0005】ビタミンK2は、食品では、納豆にのみ比
較的高濃度に含まれていることが知られている(ビタミ
ン、62巻、8号、393〜398頁、1988年)
が、納豆の食感、味、香に対し、抵抗感を有する消費者
も多く、納豆は、全ての消費者にとって必ずしも好まし
い食品とはいえない。そこで食品衛生上、安全で且つ安
価なビタミンK2及びそれらを含む食品が期待されてい
る。
【0006】近年、微生物を用いて、培養物よりビタミ
ンK2を採取する製造方法が提案されている(特公平3
−67674号)。しかし、これらの微生物の多くは、
長年、食生活に用いられてきた微生物とは言えず、得ら
れたビタミンK含有物を直接食品に加える場合、食品衛
生上さらに安全性の高いものが望まれている。一方、納
豆菌やその変異株の培養物からビタミンK2を製造する
方法(特開平11−92414号、特開2000−83
653号など)や、さらに、納豆やその製造過程で生じ
る副産物から得られる、ビタミンK2を高度に含有する
組成物の製造方法も提案されている(特開平8−733
96号)。しかし、これらの微生物の培養物や納豆など
からビタミンK2を取得する方法は、それぞれの微生物
の生産する種々の代謝物を除くための、複雑な製造工程
を必要とする場合が多く、必ずしも工業的に有利な製造
方法とはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、食品
衛生上、安全で且つ工業的に有利な、ビタミンK濃縮物
の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前期課題
解決のために鋭意研究を重ねた結果、食品として安全な
食経験のある伝統的発酵食品である醤油の副産物である
醤油油及び醤油粕に、ビタミンK2を主成分とするビタ
ミンKが含まれていること、さらにこれらのビタミンK
が有機溶剤で効率よく、容易に抽出できることを見出だ
し、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、醤油油又は醤油粕か
ら、有機溶剤で抽出して得られるビタミンK濃縮物、又
はビタミンK2濃縮物の製造方法である。さらには、醤
油油を吸着剤に接触させた後、有機溶剤で溶出して得ら
れる、ビタミンK濃縮物又はビタミンK2濃縮物の製造
方法である。そして得られたビタミンK濃縮物又はビタ
ミンK2濃縮物を含有するビタミンK含有飲食品であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を具体的に説明する。
【0011】本発明の原料となる醤油油や醤油粕は、通
常の醤油製造工程で副産物として得られるものであり、
丸大豆を原料とするもの、脱脂大豆を原料とするもの
等、何れの種類のものでも本発明に用いることができ
る。この醤油油は醤油もろみを圧搾、濾過して得られる
生醤油を静置した際に、その上部に浮上する油分であ
り、これを生醤油から分離して得られるものである。ま
た、醤油粕は、同様に醤油製造工程の副産物であり、醤
油もろみを圧搾、濾過した際に生じる残さである。伝統
的な発酵食品である醤油及び醤油もろみは、古来、安全
に、食されてきた経験を有しており、食品衛生上、安全
な食品である。これらの醤油油及び醤油粕は、ビタミン
KとしてビタミンK1及びビタミンK2を含有してお
り、そのうちでも特にビタミンK2を多量に含有する。
【0012】これらの原料から、本発明のビタミンK濃
縮物を製造するためには、種々の公知の有機化合物抽出
方法を用いることができる。
【0013】醤油油を原料とする場合には、先ず前処理
として、醤油油に含まれる醤油成分を除くことが好まし
い。例えば、醤油油に水を添加し、よく撹拌して、醤油
油中に残存する醤油成分を水に溶解せしめた後、上清に
分離した醤油成分の除かれた醤油油を分取する。目的に
応じて、水に代えてアルカリ水(0.5〜3N)を用い
ることにより、醤油の酸性成分を除いた醤油油を分取す
ることもできる。この前処理に用いる水又はアルカリ水
の量は、例えば、醤油油の0.1〜10倍量(容量)な
どが挙げられる。
【0014】前処理後の得られた醤油油から、ビタミン
Kを抽出するには、分配抽出方法を用いて、直接、有機
溶剤で抽出する方法や醤油油を吸着剤と接触させて、ビ
タミンKを吸着剤に吸着させた後、有機溶剤を用いて溶
出する方法など種々の公知の抽出方法を用いることがで
きる。醤油油の場合には、吸着剤と接触させた後、有機
溶剤を用いて溶出する方法が本発明には特に好ましい。
【0015】本発明の醤油油を接触させるために用いる
吸着剤としては、醤油油に含まれるビタミンKを吸着す
ることのできる吸着剤であれば、いかなる吸着剤でも用
いることができる。例えば、シリカゲル、珪藻土、フロ
リシル(和光純薬工業社製)、DEAE−セルロースな
どのイオン交換体、活性炭などが好まい吸着剤として挙
げられる。シリカゲルは抽出効率の点から特に好まし
い。本発明に用いる吸着剤の量は、醤油油に含まれるビ
タミンKを全て吸着できる量を用いれば良く、用いる吸
着剤の種類によっても異なり、特に限定されないが、例
えば、シリカゲルの場合は、醤油油の0.01〜0.5
倍量(容量)のシリカゲルを用いることができる。
【0016】醤油油を吸着剤に接触させるには、一般的
には、例えば、吸着剤を充填したカラムに醤油油を通液
することにより接触させる方法や醤油油に直接吸着剤を
添加混合することにより接触させる方法などが採用でき
る。この接触により、醤油油に含有されているビタミン
Kは吸着剤に吸着される。
【0017】次に、ビタミンKが吸着された吸着剤よ
り、有機溶剤を用いてビタミンKを溶出する。直接、有
機溶剤を用いてビタミンKを溶出してもよいが、高品質
の本発明のビタミンK濃縮物を得るには、ビタミンKの
溶出に先立って、吸着剤に吸着されているビタミンK以
外の不純物、例えば、脂肪酸エチルエステルなどの極性
の低い成分を除去するための洗浄を行なうことが好まし
い。洗浄方法としては、カラムに充填された吸着剤を洗
浄する場合には、例えば、洗浄液を通液する方法が好ま
しく、また、醤油油に、直接添加混合して得られた吸着
剤を洗浄する場合には、例えば、遠心分離機や濾過機な
どにより吸着剤を分離した後、洗浄液に懸濁、撹拌する
方法も用いられる。本発明に用いられる洗浄液として
は、ビタミンK以外の不純物を効率よく除去できる洗浄
液であれば、いかなる洗浄液でも用いることができる。
通常、洗浄液として、例えば、エタノール、メタノー
ル、クロロフォルム、ヘキサンなど単独あるいはそれら
の混合溶液を用いることができる。又、用いた吸着剤の
種類によっても、好ましい洗浄液を選択することもでき
る。例えば、吸着剤としてシリカゲルを用いた場合、好
ましい洗浄液として、ヘキサン単独、ヘキサン−エタノ
ール(95〜99:5〜1)混合溶液などが挙げられ
る。この吸着剤の洗浄に用いる洗浄液の量は、例えば、
吸着剤の1〜10倍量(容量)などが挙げられる。
【0018】次に、この様にして得られた洗浄されたビ
タミンKの吸着した吸着剤から、ビタミンKを有機溶剤
で溶出する。本発明に用いる溶出方法としては、カラム
に充填された吸着剤から溶出する場合には、例えば、好
ましい方法として洗浄液を通液する方法が、その外、段
階的に異なる有機溶剤を通液して溶出する方法や、グラ
ジエント溶出方法などが挙げられる。又、直接、醤油油
に添加混合して得られた吸着剤から溶出する場合には、
例えば、遠心分離機や濾過機などにより吸着剤を分離し
た後、溶出のための有機溶剤に懸濁、撹拌した後、ビタ
ミンKを含む有機溶剤を分取する方法も用いることがで
きる。
【0019】本発明に用いられる有機溶剤としては、吸
着剤からビタミンKを選択的に効率よく溶出できる有機
溶剤であれば、いかなる有機溶剤でも良く、例えば、エ
タノール、メタノール、クロロフォルム、ヘキサン、酢
酸など単独、あるいはそれらの2種又はそれ以上の種類
の混合溶剤などが挙げられる。又、用いた吸着剤の種類
によって、好適な有機溶剤を選択することが好ましい。
例えば、吸着剤としてシリカゲルを用いた場合、好適な
有機溶剤として、ヘキサン−エタノール−酢酸(80〜
99:20〜0:0〜1)混合有機溶剤などを挙げるこ
とができる。用いる有機溶剤の量は、吸着剤に吸着され
ているビタミンKを全て溶出できる量を用いれば良く、
用いる吸着剤の種類によっても異なり、特に限定されな
いが、例えば、シリカゲルの場合は、吸着剤の1〜10
倍量(容量)の有機溶剤を用いることができる。
【0020】この様にして、溶出して得られたビタミン
Kを含有する有機溶剤を通常の方法で減圧濃縮して有機
溶剤を除去し、更に乾燥して、ビタミンK濃縮物を得る
ことができる。
【0021】一方、醤油粕を原料とする場合には、原料
として用いる醤油粕はいかなる形状のものでも用いるこ
とができるが、粉末化した醤油粕が好ましく用いられ
る。次に、醤油粕に直接、有機溶剤を加えて醤油粕中の
ビタミンKを抽出する。抽出方法としては、固体からそ
こに含まれる成分を抽出するために、一般に用いられて
いる方法であればいかなる方法でも用いることができ
る。例えば、醤油粕に、用いた醤油粕の0.5〜10倍
量(容量)の有機溶剤で、1〜数回抽出する方法を挙げ
ることができる。又、同様に0.5〜10倍量(容量)
の有機溶剤で還流抽出を2〜3回繰り返し抽出する方法
なども挙げられる。この場合に用いられる有機溶剤とし
ては、例えば、80〜95%のエタノールなどが好まし
く用いられる。この様にして、抽出して得られたビタミ
ンKを含有する有機溶剤を、上記したと同様の方法で、
減圧濃縮し、ビタミンK濃縮物を得ることができる。ま
た還流抽出などの方法により抽出して得られたビタミン
Kを含有する有機溶剤に、アルカリ水を添加、混合し、
分離して得られた油分からも、前記した醤油油の場合と
同様の方法でビタミンK濃縮物を得ることもできる。
【0022】この様にして、醤油油及び醤油粕から、例
えば、ビタミンK2を0.1〜1g/kg、ビタミンK
として0.2〜1.5g/kg含有する本発明のビタミ
ンK濃縮物を得ることができる。又、本発明の方法によ
り、例えば、醤油油及び醤油粕に含まれるビタミンKの
50〜90%を抽出することができる。
【0023】この様にして得られた本発明のビタミンK
濃縮物は、伝統的な発酵食品由来のビタミンK、その中
でも特にビタミンK2を多量に含んでおり、この濃縮物
を各種飲食品に添加することにより、ビタミンKの関与
する種々の疾患の治療・予防、特に、骨粗しょう症の治
療または予防に効果のあるビタミンK2を含有する飲食
品を提供することができる。さらに、上記ビタミンK濃
縮物そのまま、又は、その濃縮物を含有させたものを、
上記効果の期待できる健康食品としても用いることもで
きる。
【0024】本発明に用いられる飲食品としては、例え
ば、(1)ハム、ソーセージ、ハンバーグ、ミートボー
ルなどの畜肉加工食品、(2)かまぼこ、ちくわ、つみ
れ、魚肉ソーセージなどの魚肉加工食品、(3)チー
ズ、チーズ加工品、ヨーグルトなどの乳製品、(4)果
汁類、コーヒー飲料、紅茶飲料、牛乳、乳飲料、乳酸菌
飲料、豆乳、スポーツドリンク、栄養ドリンク、サイダ
ーなどの清涼飲料水やビール、清酒、梅酒、リキュール
などの酒飲料、などの飲料、(5)ポタージュスープ、
コンソメスープ、中華風スープなどのスープ類、(6)
菓子パン、フランスパン、食パンなどのベーカリー食
品、(7)コーンフレーク、玄米フレークなどのシリア
ル食品、(8)そば、うどんなどの麺類、(9)スパゲ
ッテイー、マカロニなどのパスタ類、(10)お好焼き
ミックス、蒸しパンミックスなどのプレミックス粉など
の粉利用食品、(11)クッキー、パイなどの洋菓子
類、(12)餅菓子、葛切り、白玉粉、羊羹などの和菓
子類、(13)ゼラチン、寒天、ペクチンなどを使用し
たゼリー類などのデザート食品及び(14)種々の効果
を有する健康食品などが挙げられる。これらの飲食品に
本発明のビタミンK濃縮物を適宜添加することにより、
本発明のビタミンK含有飲食品を得ることが出来る。ビ
タミンK濃縮物の上記飲食品への添加量は、濃縮物のビ
タミンK2の含有量によっても異なるが、通常、例え
ば、各種乾燥状態の食品では、0.1〜10%、飲料で
は、0.1〜5%が好ましい。また、本発明のビタミン
K濃縮物は、品質的に安定であり、それぞれ上記の飲食
品の製造工程中、何れの工程においても適宜添加するこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下、実験例及び実施例により、本発明を更
に具体的に説明する。本発明の技術的範囲は、これらの
例により、何ら限定されない。
【0026】実験例1(ビタミンK量の測定) 先ず、坂野らの抽出方法(ビタミン、62巻、8号、3
93〜398頁、1988年)に従って、試料中に含ま
れるビタミンK1及びビタミンK2を抽出した。次に、
得られた抽出物のビタミンK1及びビタミンK2量をH
PLC(高速液体クロマトグラフィー、ウオーターズ社
製)を用いて測定した。測定条件は、カラム:OT−1
20(東ソー株式会社製)、移動相:n−ヘキサン、温
度:20℃、流速:0.8ml/min、検出:248
nmの吸光度、で行なった。ビタミンK2の測定に当た
っては、標準物質としてメナキノン−4(標準品、日清
製粉株式会社製)を用い、他のビタミンK2同族体、メ
ナキノン−6などの量については、標準物質に基づく分
子量換算により求めた。メナキノン−6、メナキノン−
7、メナキノン−8およびメナキノン−9の量を合計し
て、ビタミンK2量とした。ビタミンK1量は、市販の
ビタミンK1(和光純薬工業社製)を標準物質とし、得
られた標準曲線にもとづき、求めた。得られたビタミン
K1量とビタミンK2量を合わせてビタミンK量とし
た。
【0027】実施例1(醤油油からビタミンK濃縮物の
製造−1) シリカゲル1350g(Daisogel(40/63
μm)、ダイソー(株)製)を充填したカラム(直径8
cm×53cm)に、丸大豆を原料として醸造された醤
油の製造工程で得られた醤油油100g(ビタミンK
量、1.5mg/kg、ビタミンK2量、1mg/k
g)を通液し、醤油油に含まれるビタミンKをシリカゲ
ルに吸着させた。次いで、洗浄液(ヘキサン)3Lでカ
ラムを洗浄した。洗浄後、3Lのヘキサン−エタノール
−酢酸(82:12:1、v/v)をカラムに通液し、
シリカゲルに吸着されたビタミンKを溶出した。ビタミ
ンKは、脂肪酸エチルエステルの後に溶出された。得ら
れたビタミンK含有区分を集め、エバポレーターで減圧
濃縮し、さらに乾固し、本発明のビタミンK濃縮物2.
0gを得た。この濃縮物に含まれるビタミンK2の量
は、35mg/kgであった。
【0028】実施例2(醤油油からビタミンK濃縮物の
製造−2) 実施例1で用いたと同じ醤油油100g(ビタミンK
量、1.5mg/kg、ビタミンK2量、1mg/k
g)に、シリカゲル25g(Daisogel(40/
63μm)、ダイソー(株)製)を直接加え、充分撹拌
した後、ビタミンKの吸着したシリカゲルをガラスフィ
ルターを用いて分離した。分離したシリカゲルを、デカ
ンテーション法により250mlのヘキサンで3回洗浄
を行なった。次に、洗浄したシリカゲルに、50mlの
ヘキサン−エタノール−酢酸(82:12:1、v/
v)を加え、充分撹拌した後、静置し、上澄みをビタミ
ンK溶出液として採取した。同様の溶出操作を3回繰り
返し、得られたビタミンK溶出液を合わせ、メンブラン
フィルター(DISMIC−3JP、アドバンテック
(株)製)で濾過した。得られた濾液を、実施例1と同
様にエバポレーターで減圧濃縮、乾固し、ビタミンK濃
縮物を5g得た。この濃縮物に含まれるビタミンK2の
量は、15mg/kgであった。
【0029】実施例3(醤油粕からビタミンK濃縮物の
製造) 丸大豆を原料として醸造された醤油の製造工程で得られ
た醤油粕1.5kgを用いて、90%エタノール100
0mLで3回還流抽出を行なった。得られた抽出液30
00mLをエバポレーターで減圧濃縮し、濃縮液172
mLを得た。この濃縮液に、蒸留水100mLと水酸化
ナトリウム5.6gを加え、充分撹拌混合し、生じた油
層85mLを分離した。得られた油層を同量の水で2回
水洗した後、この油層から実施例2と同様の方法を用い
て、ビタミンK濃縮物5.2gを得た。この濃縮物に含
まれるビタミンK2の量は、20mg/kgであった。
【0030】実施例4(醤油油からビタミンK濃縮物の
製造−3) 実施例1で得られたビタミンK濃縮物(ビタミンK2の
含量、35mg/kg)20gに、メタノール80mL
を加え、ビタミンK濃縮物のメタノール溶解液を得た。
活性炭(太閤S−W50、二村化学工業社製)15gに
珪藻土15gを混合し、メタノールで充填したカラム
(直径1.5cm×1.5cm)に、得られたメタノー
ル溶解液を通液し、その溶解液中のビタミンKを吸着さ
せた。吸着させたときと同じ温度、流速で、150mL
のメタノールを通液して、カラムを洗浄した。洗浄後、
120mlのヘキサン−エタノール−酢酸(82:1
2:1、v/v)を通液して、カラムに吸着されたビタ
ミンKを溶出した。ビタミンKは、脂肪酸エチルエステ
ルとトリグリセリドの間に溶出された。得られたビタミ
ンK含有区分を集め、エバポレーターで減圧濃縮し、さ
らに乾固し、高濃度にビタミンKを含有する本発明のビ
タミンK濃縮物1.2gを得た。この濃縮物に含まれる
ビタミンK2の量は、408mg/kgであった。
【0031】実施例5(ビタミンK含有健康食品) 市販の健康食品「ビヤングプロテイン」(キッコーマン
社販売)の粉末485gに、実施例4で得られたビタミ
ンK濃縮物15gを添加し、均一に混和して、ビタミン
K含有健康食品「ビタミンK含有ビヤングプロテイン」
を得た。得られたビタミンK含有健康食品は、本来の風
味を保持していた。通常は、この粉末10gを牛乳20
0mLに溶かして飲用する。この時、120μgのビタ
ミンK2が摂取できる。
【0032】実施例6(ビタミンK含有飲食品) パイナップル濃縮果汁12.5g、果糖ブドウ糖液糖2
0.5g、しょ糖液糖5.5g及び実施例4で得られた
ビタミンK濃縮物1gを160.5gの水に加えて、均
一に混合する。得られた果汁の混合液を、通常の方法で
濾過を行い、混合液に含まれるオリを取り除いた後、通
常の方法で加熱殺菌を行い、約200gのパイナップル
ジュースを調整した。得られたビタミンK含有パイナッ
プルジュースは、本来の風味を保持していた。この調整
して得られたジュースを全て飲用するとき、400μg
のビタミンK2が摂取できる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、伝統的発酵食品である
醤油の副産物である醤油油又は醤油粕を原料とし、有機
溶剤で抽出することにより、食品衛生上、安全で且つ工
業的に容易に、ビタミンK濃縮物を製造することができ
る。また、本発明により得られたビタミンK濃縮物を飲
食品に加えることにより、飲食品本来の風味をそこなう
ことなく、容易に、ビタミンK含有飲食品を製造するこ
とができる。さらに、これらの飲食品を飲食することに
より、ビタミンKの関与する種々の疾患の治療・予防、
特に、骨粗しょう症の治療または予防の効果が長期にわ
たって期待できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/10 A23L 2/00 F Fターム(参考) 4B017 LC03 LG04 LK16 4B018 LB08 LE01 MD23 ME05 MF01 4B039 LB18 LB19 4C206 AA01 AA04 CB28 MA01 MA72 NA14 ZA53 ZA97

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】醤油油又は醤油粕から、有機溶剤でビタミ
    ンKを抽出することを特徴とする、ビタミンK濃縮物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】醤油油を吸着剤に接触させた後、有機溶剤
    で溶出する、請求項1記載のビタミンK濃縮物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】吸着剤がシリカゲルである、請求項2記載
    のビタミンK濃縮物の製造方法。
  4. 【請求項4】ビタミンK濃縮物がビタミンK2濃縮物で
    ある、請求項1〜3のいずれか1項に記載のビタミンK
    濃縮物の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれか1項に記載の方法で
    製造されたビタミンK濃縮物を含有することを特徴とす
    るビタミンK含有飲食品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007181461A (ja) * 2005-12-29 2007-07-19 Gnosis Spa ビタミンk2の製造方法
CN105410859A (zh) * 2015-12-08 2016-03-23 张友兰 一种保健生抽及其制备方法
CN113004134A (zh) * 2021-03-04 2021-06-22 中国科学院合肥物质科学研究院 一种利用棕榈油提取物分离纯化发酵液中维生素k2的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007181461A (ja) * 2005-12-29 2007-07-19 Gnosis Spa ビタミンk2の製造方法
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CN113004134B (zh) * 2021-03-04 2023-04-07 中国科学院合肥物质科学研究院 一种利用棕榈油提取物分离纯化发酵液中维生素k2的方法

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