JP2001345039A - 回路保護素子 - Google Patents

回路保護素子

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JP2001345039A JP2000164299A JP2000164299A JP2001345039A JP 2001345039 A JP2001345039 A JP 2001345039A JP 2000164299 A JP2000164299 A JP 2000164299A JP 2000164299 A JP2000164299 A JP 2000164299A JP 2001345039 A JP2001345039 A JP 2001345039A
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道生 福岡
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Yasuki Nagatomo
泰樹 長友
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栄造 畠中
Tsuneo Yanase
恒夫 柳瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、樹脂モールド部等の保護材に劣化
が生じるのを極力抑えることができる回路保護素子を提
供することを目的としている。 【課題手段】 柱状の基台11上に導電膜12を設け、
導電膜12に溝13を設けることによって、狭幅部13
aを設け、狭幅部13aの上に難燃性部材14aを設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器あるい
は、バッテリー等を搭載したモバイル型電子機器等に用
いられ、特に、ハードディスクドライブ装置,光ディス
ク装置などの記憶装置や、パーソナルコンピュータやモ
バイル型パーソナルコンピュータなどに用いられる回路
保護素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来用いられている回路保護素子は、例
えば特開平5−120985号公報等に示されているも
のがある。
【0003】従来の技術のものは、絶縁基板上に一対の
導電部を設け、この一対の導電部にわたってヒューズ部
を設け、このヒューズ部を覆うJCRコート部を設け、
JCRコート部を覆う樹脂モールド部が設けられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の構成では、ヒューズ部が高温になった場合、樹脂モー
ルド部に焦げ等が生じることによって、樹脂モールド部
が劣化して屑など発生し、その屑が回路基板などの上に
散乱して、回路基板等の内部部材に悪影響を及ぼすとい
う問題点があった。
【0005】本発明は前記従来の課題を解決するもの
で、樹脂モールド部等の保護材に劣化が生じるのを極力
抑えることができる回路保護素子を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、柱状の基台上
に導電膜を設け、導電膜に溝を設けることによって、狭
幅部を設け、少なくとも狭幅部の上に難燃性部材を設け
た構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、柱状の基
台と、前記基台の上に設けられた導電膜と、前記導電膜
に設けられ前記導電膜に狭幅部を形成する溝と、前記基
台の両端に設けられた端子部と、少なくとも前記溝によ
って形成された狭幅部上に設けられた難燃性部材を備え
た事によって、狭幅部が発熱しても、難燃性部材が焦げ
たりすることによって、特性が劣化することはなく、屑
の発生などを防止できる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、難燃性部材として、樹脂材料に絶縁性粒子を混合し
たものを用いた事によって、塗布や印刷等によって、難
燃性部材を狭幅部上に設けることができるので、簡単に
難燃性部材を形成できるようになるので、生産性が向上
する。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2におい
て、難燃性樹脂としてシリコン系樹脂を用いた事によっ
て、難燃性部材に耐熱性をも持たせることができるの
で、狭幅部の発熱によって、難燃性部材が流れ出す等の
不具合を解消することができる。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項2におい
て、絶縁性粒子としてアルミナ,シリカ,マイカの少な
くとも一つを用いた事によって、コストを低くすること
ができ、しかも高温になっても絶縁性を失うことはな
い。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項2におい
て、絶縁性粒子の粒径を0.001〜30μmとした事
によって、生産性を良くし、しかも溝の中にも十分に難
燃性部材もしくは、難燃性部材層を設けることができ
る。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項2におい
て、難燃性部材の中の絶縁性粒子の含有率を20〜90
%とした事によって、難燃性部材を塗布などによって、
容易に形成でき、生産性が向上し、しかも十分な難燃性
を得ることができる。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項1におい
て、難燃性部材の上に更に保護材を設けた事によって、
例えば、難燃性部材に十分な耐湿性や強度(硬度)が確
保できない場合に、保護材を設けることによって、保護
材に耐湿性や強度のあるエポキシ樹脂等を用いることが
できるので、耐候性や実装性を向上させることができ
る。
【0014】以下、本発明における回路保護素子につい
ての実施の形態について説明する。
【0015】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態における回路保護素子を示す斜視図及び側面図であ
る。
【0016】図1において、11は絶縁材料などをプレ
ス加工,押し出し法等を施して構成されている基台、1
2は基台11の上に設けられている導電膜で、導電膜1
2は、印刷法,塗布法,メッキ法やスパッタリング法等
の蒸着法等によって基台11上に形成される。13は基
台11及び導電膜12に設けられた溝で、溝13は、レ
ーザ光線等を導電膜12に照射することによって形成し
たり、導電膜12に砥石等を当てて機械的に形成されて
いる。14aは少なくとも後述する狭幅部13a上或い
は少なくとも狭幅部13aとその近傍に設けられた難燃
性部材であり、難燃性部材14aは好ましくは、狭幅部
13aを形成する溝13の中にも設けられることが最も
好ましい。14は基台11及び導電膜12の溝13を設
けた部分に塗布された保護材、15,16はそれぞれ端
子電極が形成された端子部で、端子部15と端子部16
の間には、溝13及び保護材14が設けられている。な
お、図2は、保護材14の一部を取り除いた図である。
【0017】また、13aは溝13の両端部間で形成さ
れた狭幅部で、狭幅部13aは導電膜12の一部であ
る。この狭幅部13aの幅または膜厚の少なくとも一方
の設定によって、溶断電流を制御するようにしている。
すなわち、動作としては、例えば5Aの電流で溶断する
ように構成したい場合には、予め5Aで狭幅部13aが
溶断するように、導電膜12の材料や膜厚、狭幅部13
aの幅、基台11の材料等を実験等で算出しておき、そ
の構造で回路保護素子を作製する。そして、所定の電流
(例えば5Aの電流)が流れると、狭幅部13aが溶断
して、過電流による回路基板や電子機器等の故障等を防
止している。
【0018】13b,13cは狭幅部13aと端子部1
5,16とのそれぞれの間に設けられた溝で、溝13
b,13cはそれぞれコ字型に形成されている。この溝
13b,13cを設けることで、狭幅部13aに所定以
上の電流が流れ発熱した場合に、熱が端子部方向へ流れ
るのを抑制し、溶断時間などを短くでき、特性のばらつ
きを抑えることができる。すなわち、溝13b,13c
を設けることで、比較的熱伝導がよい導電膜12を切断
できるので、熱の広がりを抑えることができ、溶断時間
などを短くすることができる。なお、この溝13b,1
3cは製品の仕様や使われる環境等によって、特に設け
なくても良い場合もある。
【0019】また、本実施の形態の回路保護素子は、回
路保護素子の長さL1,幅L2,高さL3は以下の通り
となっていることが好ましい。
【0020】L1=0.5〜2.2mm(好ましくは
0.8〜1.8mm) L2=0.2〜1.3mm(好ましくは0.4〜0.9
mm) L3=0.2〜1.3mm(好ましくは0.4〜0.9
mm) L1が0.5mm以下であると、加工が非常に難しくな
り、生産性が向上しない。また、L1が2.2mmを超
えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電子回
路等が形成された基板など(以下回路基板等と略す)回
路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等を
搭載した電子機器等の小型化を行うことができない。ま
た、L2,L3それぞれが0.2mm以下であると、素
子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装置
などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が発
生することがある。また、L2,L3が1.3mm以上
となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小型
化、ひいては装置の小型化を行うことができない。な
お、L4(段落ちの深さ)は20μm〜100μm程度
が好ましく、20μm以下であれば、狭幅部13a上に
溶断促進助剤や難燃性部材14aを設け、その上に更に
保護材14を設けたときに、保護材14を薄くしなけれ
ばならず、その結果、実装の時などに衝撃などによっ
て、前記溶断促進助剤や難燃性部材14aに影響が出
て、十分な溶断特性を得ることができないことがある。
また、L4が100μmを超えると基台の機械的強度が
弱くなり、やはり素子折れ等が発生することがある。
【0021】以上の様に構成された回路保護素子につい
て、以下各部の詳細な説明をする。
【0022】図3は導電膜を形成した基台の断面図、図
4(a),(b)はそれぞれ基台の側面図及び底面図で
ある。
【0023】まず、基台11の形状について説明する。
【0024】基台11は、図3及び図4に示す様に、回
路基板等に実装しやすいように断面が四角形状の中央部
11aと中央部11aの両端に一体に設けられ、しかも
断面が四角形状の端部11b,11cによって構成され
ている。なお、端部11b,11c及び中央部11aは
断面四角形状としたが、五角形状や六角形状などの多角
形状でも良い。中央部11aは端部11b,11cから
段落ちした構成となっている。本実施の形態では、端部
11b,11cの断面形状を略正四角状とすることによ
って、回路基板等への回路保護素子を装着性を良好にし
た。また、本実施の形態では中央部11aに横向きに溝
13を形成することによって、どのように回路基板等に
実装しても方向性が無いために、取り扱いが容易にな
る。また、中央部11aには素子部(溝13や保護材1
4)が形成されることとなり、端部11b,11cには
端子部15,16が形成される。
【0025】なお、本実施の形態では、中央部11a及
び端部11b,11cをともに略正四角形状としたが、
正五角形状等の正多角形状あるいは円形状にしてもよ
い。さらに、本実施の形態では、中央部11aと端部1
1c,11bそれぞれの断面形状を正四角形というよう
に同一にしたが、異なっても良い。すなわち、端部11
b、11cの断面形状を正多角形状とし、中央部11a
の断面形状を他の多角形状としたり、円形状としても良
い。中央部11aの断面形状を円形とすることによっ
て、良好に溝13を形成することができる。
【0026】さらに、本実施の形態では、中央部11a
を端部11b,11cより段落ちさせることによって、
保護材14を塗布した際に、その保護材14と回路基板
等が接触することなどを防止していたが、特に保護材1
4の厚みや実装される回路基板等の状況(回路基板等の
実装される部分に溝が形成されていたり、回路基板等の
電極部が盛り上がっている等)によって、中央部11a
を段落ちさせなくてもよい。中央部11aを端部11
b,11cから段落ちさせないと、基台11の構造が簡
単になり、生産性が向上し、さらに中央部11aの機械
的強度も向上する。この様に段落ちさせない場合でも、
断面四角形状の四角柱形状としてもよいし、さらに断面
を多角形状とする角柱とすることもできる。
【0027】また、図4(a)に示す様に基台11の端
部の高さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好ま
しい。
【0028】|Z1−Z2|≦80μm(好ましくは5
0μm) Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μ
m以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回
路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって
素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまう
というマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くな
る。このマンハッタン現象を示す側面図を図5に示す。
図5に示すように、基板200の上に回路保護素子を配
置し、端子部15,16それぞれと基板200の間に半
田201,202が設けられているが、リフローなどに
よって半田201,202を溶かすと、半田201,2
02のそれぞれの塗布量の違いや、材質が異なることに
よる融点の違いによって、溶融した半田201,202
の表面張力が端子部15と端子部16で異なり、その結
果、図5に示すように一方の端子部(図5の場合は端子
部15)を中心に回転し、回路保護素子が立ち上がって
しまう。Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましく
は50μm以下)を超えると、素子が傾いた状態で基板
200に配置されることとなり、素子立ちを促進する。
また、マンハッタン現象は特に小型軽量のチップ型の電
子部品(チップ型回路保護素子を含む)において顕著に
発生し、しかもこのマンハッタン現象の発生要因の一つ
として、端子部15,16の高さの違いによって素子が
傾いて基板200に配置されることを着目した。この結
果、Z1とZ2の高さの差を80μm以下(好ましくは
50μm以下)となるように、基台11を成形などで加
工することによって、このマンハッタン現象の発生を大
幅に抑えることができた。Z1とZ2の高さの差を50
μm以下とすることによって、ほぼ、マンハッタン現象
の発生を抑えることができる。
【0029】次に基台11の面取りについて説明する。
【0030】図6は本発明の一実施の形態における回路
保護素子に用いられる基台の斜視図である。図6に示さ
れるように、基台11の端部11b,11cそれぞれの
角部11e,11dには面取りが施されており、その面
取りした角部11e,11dのそれぞれの曲率半径R1
及び中央部11aの角部11fの曲率半径R2は以下の
通りに形成されることが好ましい。
【0031】0.03<R1<0.15(mm) 0.01<R2(mm) R1が0.03mm以下であると、角部11e,11d
が尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃など
によって角部11e,11dに欠けなどが生じることが
あり、その欠けによって、特性の劣化等が発生したりす
る。また、R1が0.15mm以上であると、角部11
e,11dが丸くなりすぎて、前述のマンハッタン現象
を起こしやすくなり、不具合が生じる。更にR2が0.
01mm以下であると、角部11fにバリなどが発生し
やすく、中央部11a上に形成され、しかも素子の特性
を大きく左右する導電膜12の厚みが角部11fと平坦
な部分で大きく異なることがあり、素子特性のばらつき
が大きくなる。
【0032】次に基台11の構成材料について説明す
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
【0033】次に基台11の構成材料について説明す
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
【0034】体積固有抵抗:1013Ωm以上(好ましく
は1014Ωm以上) 熱膨張係数:5×10-4/℃以下(好ましくは2×10
-5/℃以下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 密度:2〜5g/cm3(好ましくは3〜4g/cm3) 基台11の構成材料の体積固有抵抗が1013Ωm以下で
あると、多大な電流が流れた場合に基台11にも所定に
電流が流れ始めるので、回路保護素子としての役割が不
十分となる。
【0035】また熱膨張係数が5×10-4/℃以上であ
ると、基台11にヒートショック等でクラックなどが入
ることがある。すなわち熱膨張係数が5×10-4/℃以
上であると、上述の様に溝13を形成する際にレーザ光
線や砥石等を用いるので、基台11が局部的に高温にな
り、基台11にクラックなどが生じることあるが、上述
の様な熱膨張係数を有することによって、大幅にクラッ
ク等の発生を抑止でき、導電膜12が劣化を防止し、溶
断特性のばらつきを生じる事を防止できる。
【0036】曲げ強度が1300kg/cm2以下であ
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
【0037】密度が2g/cm3以下であると、基台1
1の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化
し、素子としての特性が悪くなる。また密度が5g/c
3以上になると、基台の重量が重くなり、実装性など
に問題が発生する。特に密度を上述の範囲内に設定する
と、吸水率も小さく基台11への水の進入もほとんどな
く、しかも重量も軽くなり、チップマウンタなどで基板
に実装する際にも問題は発生しない。
【0038】この様に基台11の体積固有抵抗,熱膨張
係数,曲げ強度,密度を規定することによって、特性の
ばらつきを抑制し、ヒートショック等で基台11にクラ
ック等が発生することを抑制できるので、不良率を低減
することができ、更には、機械的強度を向上させること
ができるので、実装装置などを用いて回路基板等に実装
できるので、生産性が向上する等の優れた効果を得るこ
とができる。
【0039】上記の諸特性を得る材料としては、アルミ
ナを主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかし
ながら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を
用いても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、
上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス圧力や焼
成温度及び添加物によって異なるので、作製条件などを
適宜調整しなければならない。具体的な作製条件とし
て、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成温
度を1500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の条
件が挙げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料と
しては、Al23が92重量%以上,SiO2が6重量
%以下,MgOが1.5重量%以下,Fe23が0.1
%以下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げられる。
【0040】次に基台11の表面粗さについて説明す
る。なお、以下の説明で出てくる表面粗さとは、全て中
心線平均粗さを意味するものであり、導電膜12の説明
等に出てくる粗さも中心線平均粗さである。
【0041】基台11の表面粗さは0.15〜1.0μ
m程度、好ましくは0.2〜0.8μm程度がよい。図
7は本発明の一実施の形態における回路保護素子に用い
られる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示したグラフで
ある。図7は下記に示すような実験の結果である。基台
11及び導電膜12はそれぞれアルミナ,銅で構成し、
基台11の表面粗さをいろいろ変えたサンプルを作製
し、その各サンプルの上に同じ条件で導電膜12を形成
した。それぞれのサンプルに超音波洗浄を行い、その後
に導電膜12の表面を観察して、導電膜12の剥がれの
有無を測定した。基台11の表面粗さは、表面粗さ測定
器(東京精密サーフコム社製 574A)を用いて、先
端Rが5μmのものを用いた。この結果から判るように
平均表面粗さが0.15μm以下であると、基台11の
上に形成された導電膜12の剥がれの発生率が5%程度
であり、良好な基台11と導電膜12の接合強度を得る
ことができる。更に、表面粗さが0.2μm以上であれ
ば導電膜12の剥がれがほとんど発生していないので、
できれば、基台11の表面粗さは0.2μm以上が好ま
しい。導電膜12の剥がれは、素子の特性劣化の大きな
要因となるので、歩留まり等の面から発生率は5%以下
が好ましい。
【0042】また、表面粗さは、端部11b,11cと
中央部11aでは、平均表面粗さを異ならせた方が好ま
しい。すなわち、平均表面粗さ0.15〜0.5μmの
範囲内で端部11b,11cの平均表面粗さを中央部1
1aの平均表面粗さよりも小さくすることが好ましい。
端部11b,11cは導電膜12を積層することによっ
て上述の様に端子部15,16が構成されるので、端部
11b,11cの表面粗さを中央部11aより小さくす
ることによって、端部11b,11c上に形成される導
電膜12の表面粗さを小さくできるので、回路基板等の
電極との密着性を向上させることができ、確実な回路基
板等と回路保護素子の接合をおこなうことができる。ま
た、中央部11aには導電膜12を積層し溝13を形成
するので、溝13をレーザ等で形成する際に導電膜12
が基台11からはがれ落ちないように導電膜12と基台
11の密着強度を向上させなければないので、端部11
b,11cよりも中央部11aの表面粗さを大きくした
方が好ましい。特にレーザで溝13を形成する場合、レ
ーザが照射された部分は他の部分よりも急激に温度が上
昇し、ヒートショック等で導電膜12が剥がれることが
ある。従って、レーザで溝13を形成する場合には導電
膜12と基台11の接合密度を他の部分よりも向上させ
ることが必要である。
【0043】この様に中央部11aと端部11b,11
cとの表面粗さを異ならせることによって、回路基板等
との密着性及び溝13の加工の際の導電膜12のはがれ
を防止することができる。
【0044】なお、本実施の形態では、導電膜12と基
台11の接合強度を基台11の表面粗さを調整すること
によって、向上させたが、例えば、基台11と導電膜1
2の間にCr単体またはCrと他の金属の合金の少なく
とも一方で構成された中間層を設けることによって、表
面粗さを調整せずとも導電膜12と基台11の密着強度
を向上させることができる。もちろん基台11の表面粗
さを調整し、その上その基台11の上に中間層及び導電
膜12を積層する場合では、より強力な導電膜12と基
台11の密着強度を得ることができる。
【0045】また、狭幅部13aを設ける部分と基台1
1の他の部分の充填密度は、他の部分の方が低くなるよ
うに形成することが好ましい。すなわち、充填密度を低
くすることによって、熱の拡散を防止できるので、狭幅
部13aで発生した熱を外部に伝わりにくくでき、溶断
特性を向上させることが出来る。例えば、狭幅部13a
を基台11の中央部に設けた場合、基台11の両端部の
充填密度を中央部よりも低くすることで、熱の拡散を防
止できる。
【0046】次に導電膜12について説明する。
【0047】以下具体的に導電膜12について説明す
る。
【0048】導電膜12の構成材料としては、銅,銀,
金,ニッケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,
銀,金,ニッケル等の材料には、耐候性等を向上させた
めに所定の元素を添加してもよい。また、導電材料と非
金属材料等の合金を用いてもよい。構成材料としてコス
ト面や耐食性の面及び作り易さの面から銅及びその合金
がよく用いられる。導電膜12の材料として、銅等を用
いる場合には、まず、基台11上に無電解メッキによっ
て下地膜を形成し、その下地膜の上に電解メッキにて所
定の銅膜を形成して導電膜12が形成される。更に、合
金等で導電膜12を形成する場合には、スパッタリング
法や蒸着法で構成することが好ましい。また、構成材料
に銅及びその合金(例えば銅と錫の合金)を用いた場合
導電膜12の形成厚みは0.4μm〜15μmとするこ
とが好ましい。
【0049】導電膜12は単層で構成してもよいが、多
層構造としてもよい。すなわち、構成材料の異なる導電
膜を複数積層して構成しても良い。例えば、基台11の
上に先ず銅膜を形成し、その上に耐候性の良い金属膜
(ニッケル等)を積層する事によって、やや耐候性に問
題がある銅の腐食を防止することができる。具体的には
基台11の上に銅又はニッケルの少なくとも一方を形成
し、その上に銀等を積層し、さらに好ましくはその銀等
の上に錫を積層する事などが挙げられる。
【0050】導電膜12の形成方法としては、メッキ法
(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリン
グ法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中でも、
量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッキ法
がよく用いられる。
【0051】導電膜12の表面粗さは1μm以下が好ま
しく、更に好ましくは0.2μm以下が好ましい。導電
膜12の表面粗さが1μmを超えると、導電膜12に膜
厚のばらつきが生じ溶断特性にばらつきを生じる。
【0052】なお、本実施の形態でいう導電膜12に
は、酸化ルテニウム等の抵抗膜をも含む。
【0053】次に難燃性部材14aについて、説明す
る。
【0054】難燃性部材14aは、狭幅部13aで発生
する熱によって、少なくとも燃焼しない材料で構成する
ことが好ましく、しかも難燃性部材14aに耐熱性を持
たせることが更に好ましい。難燃性部材14aに耐熱性
をも持たせることで、難燃性部材14aが軟化して、流
れ出したりすることを防止できる。
【0055】この様に、難燃性部材14aを少なくとも
狭幅部13a上に設けることで、狭幅部13aで発熱し
ても、難燃性部材14aに焦げなどが発生することはな
く、屑などの発生を防止することができ、しかも狭幅部
13aにおける溶断特性を劣化させることを防止でき
る。
【0056】また、図2に示すように、難燃性部材14
aは、少なくとも狭幅部13a上及びその近傍に渡って
設けることで、更に溶断時に生じる不具合を抑えること
ができ、更に、狭幅部13aを形成する溝13の先端部
分の中にも難燃性部材14aを設けることが好ましい。
すなわち、溝13内にも難燃性部材14aを埋設させる
ことで、狭幅部13aの上面と、狭幅部13aの溝13
に露出した側面にも難燃性部材14aを設けることがで
きるので、更に、狭幅部13aの溶断の際の不具合の発
生を抑えることができる。
【0057】更に、図2においては、難燃性部材14a
の外形形状を方形状となるように設けたが、円形状,楕
円形,三角形,5角形以上の多角形等や、外形が不規則
になるように設けても良い。また、狭幅部13a上を通
るように周回状に(基台11の4側面に帯状となるよう
に1回転させるように)難燃性部材14aを設けても良
い。
【0058】難燃性部材14aの具体的構成としては、
例えば、樹脂材料と絶縁性粒子を混合したものが好適に
用いられる。難燃性樹脂としては、シリコン系樹脂(耐
熱性を有する)等の難燃性樹脂が公的に用いられ、絶縁
性粒子としては、アルミナ,シリカ,マイカ等の材料が
好適に用いられる。
【0059】この時、難燃性部材14a中の絶縁性粒子
の含有割合は、20重量%〜95重量%とする事が好ま
しく、絶縁性粒子の含有量が20重量%より小さいと、
良好な難燃性を得ることはできず、95重量%より多い
と、難燃性部材14aを狭幅部14上に塗布する際に、
塗布しにくくなり、生産性などが悪くなる。
【0060】また、絶縁性粒子の粒径としては、0.0
01μm〜30μm程度とすることが好ましく、0.0
01μmより小さいと、非常に絶縁性粒子を生産するこ
とが困難であり、コスト高や生産性の低下が起こる可能
性があり、30μmより大きいと、溝13の中に難燃性
部材14aが入りにくい等の問題点が生じる可能性があ
る。
【0061】また、難燃性部材14aの厚さとしては、
1μm〜60μmとする事が好ましく、1μmより薄い
と、例えば、溝13内に十分に難燃性部材14aを設け
ることはできず、更に、60μmを超えると、効果が均
一になってしまい、コスト高や生産性の低下を招く可能
性が大きくなる。
【0062】なお、本実施の形態では、難燃性部材14
aの膜厚を全ての部分において均一にしたが、例えば、
狭幅部13a上の難燃性部材14aの膜厚を厚くして、
難燃性部材14aの周辺部分の膜厚を薄くしたりするこ
とで、最も発熱量の大きな狭幅部13aの部分の特性を
良好にでき、狭幅部13aから離れた部分の膜厚を薄く
することで、難燃性部材14の節約を行うことができ
る。
【0063】また、本実施の形態では、狭幅部13a上
に直接難燃性部材14aを設けたが、狭幅部13a上に
直接溶断促進助剤等の他の部材を設けた後に、その上に
難燃性部材14aを設けても良い。
【0064】次に保護材14について説明する。
【0065】保護材14としては、耐候性に優れた有機
材料、例えばエポキシ樹脂などの絶縁性を示す材料が用
いられる。また、保護材14としては、溝13の状況等
が観測できるような透明度を有する事が好ましい。更に
保護材14には透明度を有したまま、所定の色を有する
ことが好ましい。保護材14に赤,青,緑などの、導電
膜12や端子部15,16等と異なる色を着色する事に
よって、素子各部の区別をする事ができ、素子各部の検
査などが容易に行える。また、素子の大きさ、特性、品
番等の違いで保護材14の色を変えることによって、特
性や品番等の異なる素子を誤った部分に取り付けるなど
のミスを低減させることができる。
【0066】また、保護材14は、図8に示すように溝
13の角部と保護材14の表面までの長さZ1が5μm
以上となるように塗布することが好ましい。Z1が5μ
mより小さいと特性劣化や放電などが発生し易くなり素
子の特性が大幅に劣化することが考えられる。また、溝
13の角部は特に放電などが発生しやすい部分であり、
この角部上に厚さ5μm以上の保護材14が形成される
ことが非常に好ましい。また、保護材14を形成した後
に再びメッキを施して電極膜等を形成することがある
が、角部上に5μm以上の保護材14が形成されていな
いと、電極膜等が付着すると不具合が生じる保護材14
上に電極膜等が形成されることになり、特性の劣化が生
じる。
【0067】なお、本実施の形態では、難燃性部材14
aが耐湿性や強度に問題がある場合が多いので、更に耐
湿性や強度の大きな保護材14(例えばエポキシ樹脂
等)を設けることで、この点を解決したが、使用環境や
仕様及び難燃性部材14aの特性等によっては、保護材
14は設けなくても良い。すなわち、保護材14の代わ
りに、難燃性部材14aを設けることもできる。
【0068】次に端子部15,16について説明する。
【0069】端子部15,16は、導電膜12のみでも
十分に機能するが、様々な環境条件等に順応させるため
に、多層構造とすることが好ましい。
【0070】図9は本発明の一実施の形態における回路
保護素子の端子部の断面図である。図9において、基台
11の端部11bの上に導電膜12が形成されており、
しかも導電膜12の上には耐候性を有するニッケル,チ
タン等の材料で構成される保護層300が形成されてお
り、更に保護層300の上には半田、鉛フリー半田等で
構成された接合層301が形成されている。保護層30
0は接合層と導電膜12の接合強度を向上させるととも
に、導電膜の耐候性を向上させることができる。本実施
の形態では、保護層300の構成材料として、ニッケル
かニッケル合金の少なくとも一方とし、接合層301の
構成材料としては半田或いは鉛フリー半田を用いた。保
護層300(ニッケル)の厚みは2〜7μmが好まし
く、2μmを下回ると耐候性が悪くなり、7μmを上回
ると保護層300(ニッケル)自体の電気抵抗が高くな
り、素子特性が大きく劣化する。また、接合層301
(半田)の厚みは5μm〜10μm程度が好ましく、5
μmを下回ると半田食われ現象が発生して素子と回路基
板等との良好な接合が期待できず、10μmを上回ると
マンハッタン現象が発生し易くなり、実装性が非常に悪
くなる。
【0071】以上の様に構成された回路保護素子は、特
性劣化が無く、しかも,実装性及び生産性が非常によ
い。
【0072】次に、溝13b,13cについて説明す
る。
【0073】溝13bは狭幅部13aと端子部16の間
に設けられており、更に、溝13cは狭幅部13aと端
子部15の間に設けられている。
【0074】溝13b,13cはそれぞれ周回状には形
成されておらず、図1に示す面100及びその面100
と隣り合う面101及び103に渡って形成されてい
る。なお、面100の反対側の面となる面102には溝
13b,13cは形成されていない。すなわち、面10
2に形成されている導電膜12は狭幅部13aと端子部
15,16との電気的な接続部となっている。
【0075】この様に、溝13b,13cを設けること
で、比較的熱伝導がよい導電膜12を非配置とすること
で、狭幅部13aで発生した熱が端子部15,16に拡
散していくのを防止することができ、ひいては、回路保
護素子を回路基板に実装した場合には、端子部15,1
6から更に回路基板などへの熱拡散を低下させる事がで
きるので、溶断時間を短くすることができる。
【0076】また、溝13bの先端間で挟まれた導電膜
12の幅及び溝13cの先端間で挟まれた導電膜の幅
(図1では、面102には溝13b,13cが形成され
ていないので、面102の幅分の導電膜12が存在して
いる)は、狭幅部13aよりも広くすることが好まし
く、この様な構成によって、電気抵抗が大きくなるのを
防止できる。更に広い概念で考えると、端子部15,1
6と狭幅部13aを接続する溝13bの先端で規制され
た導電膜12及び溝13cの先端で規制された導電膜1
2それぞれの電気抵抗を狭幅部13aの電気抵抗より小
さくすることが好ましい。本実施の形態では、導電膜1
2を端子部15,16と狭幅部13aを電気的に接続す
る接続部は同一の材料であるので、電流が流れる面積を
広くする事が重要であるので、導電膜12の膜厚を一定
とすると、溝13b,13cで導電膜12の幅を規制す
ることで、容易に実現可能である。
【0077】また、本実施の形態では、溝13b,13
cをそれぞれ面100,101,103に渡って設けた
が、必ずしも、この様な形態ではなく、一面にのみ(例
えば面100のみ)に溝13b,13cを設けたり、或
いは二面(例えば、面101と面101)に設けたりし
ても良い。すなわち、端子部15,16と狭幅部13a
との間に位置する導電膜12に導電膜12の非配置部を
設けることで、狭幅部13aから発生した熱を端子部1
5,16の方へ拡散しないように構成されている。
【0078】特に図1で示すように狭幅部13aが設け
られた面100とその面100に隣接する面102,1
03に渡って設けることが好ましい。
【0079】また、少なくとも狭幅部13aが設けられ
た面100上に溝13b,13cを形成することが好ま
しい。すなわち、狭幅部13aと端子部15,16の最
短距離は面100において存在するので、面100に溝
13b,13cを設けることで、狭幅部13aで発生し
た熱の拡散を低下させることができ、溶断時間を短くす
ることができる。
【0080】本実施の形態では、溝13b,13cは図
3に示すように、基台11に達するまで設けたが、図1
0に示すようにエッチングなどによって、導電膜12の
みを選択的に取り除き、基台11には溝13b,13c
を形成しない様な構成でも良いし、あるいは、図11に
示すように、導電膜12を完全に切断せず、導電膜12
の膜厚が他の部分より(特に好ましくは狭幅部13aが
設けられた部分の導電膜の膜厚)よりも薄くなるように
溝13b,13cを設けても良い。溝13b,13cの
形成によって、導電膜12の一部分の膜厚を薄くでき、
それによって、熱の伝熱面積を小さくすることができる
ので、狭幅部13aで発生した熱の拡散を低下でき、し
かもこの様な構成によって、全周に渡って(図1では、
面100,101,102,103の全て)溝13b,
13cを設けることができ、熱の拡散を更に低下させる
ことができる。また、この時狭幅部13aと端子部1
5,16との接続部は、溝13b,13cの底面に残っ
た導電膜12となる。
【0081】更に他の実施の形態として、図12に示す
ように、溝13b,13cを周回状に形成して、導電膜
12を狭幅部13a側と端子部15,16側に分割した
場合、狭幅部13aでの熱の拡散は最も抑えられるが、
この場合、端子部15,16と狭幅部13a間の電気的
な接続は、図12に示すように、導電部材110,11
1を各導電部材間に設けることで、達成できる。導電部
材110,111としては、導電ペースト、半田,或い
は棒状,線状,シート状,板状の導電体を導電性材料で
接合したものなどが用いられる。この時、できれば、導
電部材110,111は狭幅部13から離れた位置に設
けることが好ましく、図12に示す実施の形態では、狭
幅部13aが設けられた面100とは異なる面102に
設けた。この様な構成を取ることで、導電部材110,
111を介して伝わる熱を更に抑えることができる。特
に好ましくは、狭幅部13aが設けられた面100の反
対側である面102に設ける事が好ましい。なお、図1
2に示す実施の形態では、導電膜12を分割するよう
に、溝13b,13cを設けたが、一部導電膜12が接
続しているように溝13b,13cを形成し(この場合
は、導電膜12の接続部の電気抵抗が非常に高くな
る)、導電部材110,111を設けることで、電気抵
抗の増加を防止できる。
【0082】また、溝13b,13cを設けることによ
って、その溝の中に異物が進入したりなどして、所定の
特性が得られない場合には、溝13b,13cの中に、
導電膜12よりも伝熱率が低い材料を埋め込むことが好
ましい。具体的材料としては、レジストなどの有機材料
や、合金材料などが好適に用いられる。
【0083】以上の様に、溝13b,13cを設けるこ
とで、狭幅部13aから発生した熱を端子部15,16
の方に流れるのを抑制できるので、溶断時間を短くでき
るが、他の効果として、溝13b,13cを設けること
で、実装面における素子の抵抗の変化をも小さくするこ
とができる。すなわち、溝13b,13cで規制された
導電膜12(接続部)及び導電部材110,111で、
端子部15,16と狭幅部13a間の電流の流れる通路
を規制することで、素子の抵抗値のばらつきを小さくす
るという効果を得ることができる。
【0084】なお、本実施の形態では、規制部として溝
13b,13cの2つの溝部を設けたが、少なくとも一
方でも、熱の拡散を低下させることができる。
【0085】また、本実施の形態では規制部として、溝
13b,13cのように、溝状のものを規制部とした
が、図13の様に、方形状の導電膜12の非配設部20
0等を設ける構成としても良い。なお、方形状の非配設
部200ではなく、円形状あるいは楕円形状の非配設部
でも良い。
【0086】更に、狭幅部13aを構成する溝13と規
制部となる溝13b,13cとの間隔は、図1に示すよ
うに、狭幅部13aの間隔をW1、溝13と溝13b,
13cとの間隔をW2とした場合に、W2÷W1は1.
15以上となるように構成することで、電気抵抗を大き
くせず、安定的な特性を得ることができる。
【0087】確実な溶断特性を得るために狭幅部13a
上に溶断促進助剤を設ける事が好ましい。すなわち狭幅
部13a単独でも十分な溶断特性を有するものの、確実
にしかも溶断する時間のばらつき等を小さくするにはこ
の溶断促進助剤を狭幅部13aの上かもしくは狭幅部1
3aの極近傍に設けることが好ましい。更に溶断促進錠
剤は狭幅部13aの部分のみに設けたり、基台11を周
回する様に溶断促進錠剤を塗布することによって、ポイ
ント的に塗布するよりも精度が悪く塗布しても確実に狭
幅部13a上に溶断促進助剤を設けることができる。ま
た、溶断促進助剤は狭幅部13aを構成する溝13中に
も設けることによって狭幅部13aの上面及び側面も溶
断促進助剤が接触する構成となるので、確実に溶断特性
を得ることが出来る。なお、溶断促進助剤を設けた場合
の膜構成は基台11、導電膜12(狭幅部13a)溶断
促進助剤、保護材14というような順番の構成になる。
【0088】溶断促進助剤としては、例えば、鉛などが
入った低融点ガラス等が用いられる。
【0089】以上の様に構成された回路保護素子につい
て、以下その製造方法について説明する。
【0090】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法等によって、基台11を作製する。次にそ
の基台11全体にメッキ法やスパッタリング法などによ
って導電膜12を形成する。次に導電膜12を形成した
基台11にスパイラル状の溝13,13b,13cを形
成する。溝13,13b,13cはレーザ加工や切削加
工によって作製される。なお、この場合には、必ずしも
溝13b,13cは仕様などによっては、形成しなくて
も良く、しかしながら少なくとも溝13を形成しなけれ
ばならない。レーザ加工は、非常に生産性が良いので、
以下レーザ加工について説明する。
【0091】レーザは、YAGレーザ,エキシマレー
ザ,炭酸ガスレーザなどを用いることができ、レーザ光
をレンズなどで絞り込むことによって、基台11の中央
部11aに照射する。更に、溝13の深さ等は、レーザ
のパワーを調整し、溝13の幅等は、レーザ光を絞り込
む際のレンズを交換することによって行える。また、導
電膜12の構成材料等によって、レーザの吸収率が異な
るので、レーザの種類(レーザの波長)は、導電膜12
の構成材料によって、適宜選択することが好ましい。な
お、本実施の形態では、溝加工にレーザを用いたが、電
子ビーム等の粒子ビームも用いることができる。すなわ
ち、溝加工には高エネルギービームが用いられる。
【0092】この様にレーザによって、溝13を形成す
ることによって、狭幅部13aを作製する。なお、導電
部材110,111を設ける場合には、この時点で導電
部材110,111を導電膜12間に設ける。
【0093】次に、少なくとも狭幅部13a上に難燃性
部材14aを塗布や印刷によって設け、乾燥などによっ
て難燃性部材14aを硬化させる。なお、溶断促進助剤
を設ける場合には、溶断促進助剤を狭幅部13a上に設
けた後に、難燃性部材14aをその上に設ける。
【0094】次に使用環境や仕様などによっては、保護
材14を塗布し、乾燥させる。溶断促進助剤を設ける場
合には、保護材14を設ける前に狭幅部13a上に溶断
促進助剤を設ける。
【0095】この時点でも、製品は完成するが、特に端
子部15,16にニッケル層や半田層を積層して、耐候
性や接合性を向上させることもある。ニッケル層や半田
層は、メッキ法等によって保護材14を形成した半完成
品に形成する。
【0096】
【発明の効果】本発明は、柱状の基台上に導電膜を設
け、導電膜に溝を設けることによって、狭幅部を設け、
少なくとも狭幅部の上に難燃性部材を設けた構成とした
事によって、狭幅部が発熱しても、難燃性部材が焦げた
りすることによって、特性が劣化することはなく、例え
ば屑の発生などを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における回路保護素子を
示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における回路保護素子を
示す側面図
【図3】本発明の一実施の形態における回路保護素子に
用いられる導電膜を形成した基台の断面図
【図4】本発明の一実施の形態における回路保護素子に
用いられる基台を示す図
【図5】マンハッタン現象を示す側面図
【図6】本発明の一実施の形態における回路保護素子に
用いられる基台の斜視図
【図7】本発明の一実施の形態における回路保護素子に
用いられる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示したグラ
【図8】本発明の一実施の形態における回路保護素子の
保護材を設けた部分の側面図
【図9】本発明の一実施の形態における回路保護素子の
端子部の断面図
【図10】本発明の他の実施の形態における回路保護素
子を示す斜視図
【図11】本発明の他の実施の形態における回路保護素
子を示す側面図
【図12】本発明の他の実施の形態における回路保護素
子を示す斜視図
【図13】本発明の他の実施の形態における回路保護素
子を示す斜視図
【符号の説明】
11 基台 11a 中央部 11b,11c 端部 11d,11e,11f 角部 12 導電膜 13 溝 13a 狭幅部 13b,13c 溝 14 保護材 14a 難燃性部材 15,16 端子部 50,51 段部 100 溶断促進助剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長友 泰樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 畠中 栄造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 柳瀬 恒夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5G502 BA08 BB03 BB07 BD08 BD20 CC04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱状の基台と、前記基台の上に設けられた
    導電膜と、前記導電膜に設けられ前記導電膜に狭幅部を
    形成する溝と、前記基台の両端に設けられた端子部と、
    少なくとも前記溝によって形成された狭幅部上に設けら
    れた難燃性部材を備えた事を特徴とする回路保護素子。
  2. 【請求項2】難燃性部材として、樹脂材料に絶縁性粒子
    を混合したものを用いた事を特徴とする請求項1記載の
    回路保護素子。
  3. 【請求項3】樹脂材料としてシリコン系樹脂を用いた事
    を特徴とする請求項2記載の回路保護素子。
  4. 【請求項4】絶縁性粒子としてアルミナ,シリカ,マイ
    カの少なくとも一つを用いた事を特徴とする請求項2記
    載の回路保護素子。
  5. 【請求項5】絶縁性粒子の粒径を0.001〜30μm
    とした事を特徴とする請求項2記載の回路保護素子。
  6. 【請求項6】難燃性部材の中の絶縁性粒子の含有率を2
    0〜90%とした請求項2記載の回路保護素子。
  7. 【請求項7】難燃性部材の上に更に保護材を設けた事を
    特徴とする請求項1記載の回路保護素子。
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