JP2001345023A - 電極基板およびその作製方法、ならびに、電極基板を備える液晶表示装置 - Google Patents

電極基板およびその作製方法、ならびに、電極基板を備える液晶表示装置

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JP2001345023A JP2000403387A JP2000403387A JP2001345023A JP 2001345023 A JP2001345023 A JP 2001345023A JP 2000403387 A JP2000403387 A JP 2000403387A JP 2000403387 A JP2000403387 A JP 2000403387A JP 2001345023 A JP2001345023 A JP 2001345023A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機絶縁膜上に形成された透明導電膜と無機
絶縁膜上に形成される透明導電膜を同時に精度良くエッ
チングする。 【解決手段】 本発明の電極基板の作製方法は、基板上
の所定の領域に無機絶縁膜144を形成する工程と、基
板上の別の領域に有機絶縁膜49を形成する工程と、有
機絶縁膜49にプラズマ処理を行う工程と、有機絶縁膜
49上および無機絶縁膜144上に透明導電膜155を
形成する工程と、有機絶縁膜49上及び無機絶縁膜14
4上の透明導電膜155を同時にエッチングする工程
と、を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極基板およびそ
の作製方法、ならびに、電極基板を備える液晶表示装置
に関する。さらに詳しくは、無機絶縁膜からなる無機絶
縁膜領域および有機絶縁膜からなる有機絶縁膜領域の両
方に接する透明導電膜が形成される電極基板およびその
作製方法、ならびに、電極基板を備える液晶表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ITO(インジウムスズ酸化物)を含む
透明導電膜は、光を透過させ,且つ、光を制御する電極
として利用可能である。そのような特性を有する透明導
電膜を使用した電極基板は、エレクトロルミネセンス表
示装置などの表示装置だけでなくタッチパネル、太陽電
池などの用途への実用化が進められている。
【0003】有機絶縁膜および無機絶縁膜の両方の上に
透明導電膜を形成した電極基板を使用した表示装置とし
て液晶表示装置が挙げられる。液晶表示装置は、CRT
に替わるフラットパネルディスプレイの一つとして盛ん
に研究が行われており、とくに消費電力が小さく、薄型
であるという特徴を活かして、電池駆動の超小型テレビ
やノートブック型のパーソナルコンピュータの表示装置
としてすでに実用化されている。ここでは、有機絶縁膜
および無機絶縁膜の両方の上に透明導電膜を形成した電
極基板を使用した表示装置としての具体例として液晶表
示装置を説明する。
【0004】図1は液晶表示装置100の基本的な構成
を模式的に示す。液晶表示装置100は、薄膜トランジ
スタ(以下TFTと記す)をスイッチング素子に用いた
アクティブマトリクス型TFTアレイタイプであり、こ
れは高表示品質が望まれる場合に有利である。
【0005】図1に示されるように液晶表示装置100
は、上側基板102と下側基板(電極基板)101との
間に液晶層(図示せず)が設けられており、液晶層が上
側基板102上の上側電極104と下側基板101上の
複数の画素電極103とにより制御されるようになって
いる。下側基板101において、複数の画素電極103
のそれぞれはスイッチング素子(TFT)108を介し
てソース配線105に接続され、TFT108のゲート
はゲート配線106にそれぞれ接続されている。
【0006】図2は液晶表示装置の下側基板101(電
極基板)の上面図を示す。ここで、液晶表示装置とし
て、透過型アクティブマトリクスの液晶表示装置を想定
している。ただし、液晶表示装置は、透過型に限定され
ず、透過/反射両用型液晶表示装置の透過領域も同様に
考えることができる。
【0007】電極基板101は、絶縁性基板20とその
上に形成される構成要素全体を指す。電極基板101
は、表示領域150および周辺領域160の2つの領域
に分けられる。図2において、表示領域150を斜線で
示す。表示領域150では、複数の画素電極103およ
び複数の各画素電極103を制御する複数のTFT10
8が設けられる。画素電極103は透明導電膜により形
成される。電極基板101を透過型液晶表示装置に使用
する場合、絶縁性基板20の少なくとも一部を透明材料
で形成し、表示側の反対側からの光(一般に光源)を利
用して表示を行うために電極を透明導電膜により形成す
ることで、光の透過および制御を行う。
【0008】一方、周辺領域160には、複数のゲート
接続端子部110、複数のソース接続端子部120、複
数のコモン接続端子部130が設けられる。各ゲート接
続端子部110、ソース接続端子部120、コモン接続
端子部130にそれぞれ対応するゲート配線105、ソ
ース配線106、コモン配線107が、周辺領域160
から表示領域150にわたって形成されている。本明細
書において、ゲート接続端子部110、ソース接続端子
部120、コモン接続端子部130を総称して、周辺端
子部と名付ける。
【0009】図3は、電極基板101の表示領域150
を拡大した上面図を示す。図3において、破線で囲まれ
る領域が1つの画素電極103に相当する。各ゲート配
線105と各コモン配線107とはそれぞれ平行に設け
られ、各ゲート配線105および各コモン配線107と
それぞれ直交するように複数のソース配線106がそれ
ぞれ設けられている。図3に示されるように、各ゲート
配線105と各ソース配線106とのそれぞれの交差部
では、各ゲート配線105およびソース配線106は、
スイッチング素子であるTFT108のゲート電極また
はソース電極と少なくとも接続するように分岐されてい
る。TFT108のドレイン電極に接続される接続電極
48はコモン配線107と一部が重なるように設けら
れ、さらに、接続電極48とコモン配線107とが重な
る領域の一部にコンタクトホール50が設けられる。
【0010】図4は、図3のA−A’線に沿った電極基
板101の表示領域150の断面図を示す。図4におい
て、左側(A側)にTFT108、右側(A’側)にコ
ンタクトホール50が示される。ここで、図4のA側を
TFT部、A’側をコンタクトホール部とよぶ。
【0011】TFT部において、絶縁性基板20上にゲ
ート配線105の分岐部分が形成され、ゲート絶縁膜4
4がそれらを覆うように設けられている。ゲート絶縁膜
44としてはシリコンナイトライド(SiNx)が使用
され得る。ゲート絶縁膜44上にアモルファス半導体層
45が形成され、アモルファス半導体層45の左側上方
にソース電極46a、アモルファス半導体層45の右側
上方にドレイン電極46bが形成される。ソース電極4
6aはソース配線106と接続され、ドレイン電極46
bは接続電極48と接続されている。このように形成さ
れたTFT108は透明材料からなる有機絶縁膜49で
覆われ、平坦化された有機絶縁膜49は透明導電膜から
なる画素電極103で覆われている。
【0012】コンタクト部において、絶縁性基板20上
にコモン配線107が形成され、ゲート絶縁膜44がそ
れらを覆うように設けられている。ゲート絶縁膜44は
接続電極48で覆われている。コンタクトホール部にお
いて、接続電極48上に有機絶縁膜49が形成され、有
機絶縁膜49は画素電極103で覆われている。ただ
し、接続電極48と画素電極103とが直接的に接続す
るコンタクトホール50が設けられている。
【0013】電極基板101の表示領域150を上述し
たように形成することで、主に2つの利点により高開口
率が得られる。第1の理由は、表面が平坦化された有機
絶縁膜49上に画素電極103が形成されるので、画素
電極103の段差部分により生じていた液晶層内の液晶
分子(図示せず)の配向乱れによる表示不良(ドメイン
現象)を無くすことができ、液晶層内の表示有効面積を
増やすことができるためである。第2の理由は、0.3
μmから2μmの比較的膜厚の厚い有機絶縁膜49を形
成して、その上に画素電極103を形成することによっ
て、有機絶縁膜103の基板側にあるゲート配線105
・ソース配線106と上面側(表示側)にある画素電極
103との間の電気的短絡を生じることがないためであ
る。したがって、表示を目視する側から見た場合、ゲー
ト配線105・ソース配線106などの配線にオーバー
ラップさせるような広い面積で画素電極103を形成す
ることが可能となる。
【0014】一方、周辺端子部では、実装部材との接続
不良などを生じるリワーク時の信頼性が欠けるため、一
般的に、電極となる無機絶縁膜上に透明導電膜が形成さ
れる。透明導電膜の形成は、周辺端子部の電極が酸化
し、その結果、電極が高抵抗化することを防ぐ。周辺端
子部の電極材料を有機絶縁膜上に形成することも考えら
れるが、有機絶縁膜の上に透明導電膜を形成すること
は、信頼性の観点から好ましいものではない。
【0015】透明導電膜の成膜後のエッチングは、一般
にウエットエッチングを行う。なぜなら、ドライエッチ
ングを行うと有機絶縁膜が変質し、絶縁性が脆化してし
まうからである。また、電極基板を液晶表示装置に適用
する場合、ドライエッチングに起因して液晶層が汚染さ
れ、表示品位の劣化が引き起こされる可能性がある。し
たがって、本明細書において、特に言及しない限り「エ
ッチング」はウエットエッチングを意味する。
【0016】上述したように有機絶縁膜および無機絶縁
膜の両方の上に形成された透明導電膜をエッチングする
場合、同時にエッチングすることができるように考えら
れるが、実際には両者のエッチングシフトは異なる。本
明細書において、エッチングシフトとは、エッチングに
よって除去される膜の長さを意味する。また、単位時間
あたりのエッチングシフトを「エッチングレート」と規
定する。有機絶縁膜上の透明導電膜と無機絶縁膜上の透
明導電膜とを実質的に同じサイズで設計して、同じよう
なエッチングを行う場合、エッチングシフトが異なるこ
とにより、両者の透明導電膜の大きさにずれが生じる。
すなわち、エッチングレートが異なる。したがって、透
明導電膜をエッチングした際に、図5に示すように、一
方の透明導電膜の設計寸法と仕上寸法との間に差が生じ
てしまう。したがって、有機絶縁膜上の透明導電膜と無
機絶縁膜上の透明導電膜は、同時にエッチングすること
ができない。
【0017】ここで、図6を参照して、図2に示す液晶
表示装置の電極基板の作製方法を説明する。図6は、工
程(a)〜(g)によりTFT部の画素電極103、ゲ
ート接続端子部110・コモン接続端子部130、ソー
ス接続端子部120(図2参照)を形成する方法を示
す。図6では、TFT部の画素電極103の形成工程を
示すが、画素電極103の形成工程はTFT部に特に限
定されるものではなく、表示領域150内の画素電極1
03は同じように形成されると考えられる。
【0018】工程(a)において、透明導電膜155
(例えばITO)を、TFT部および周辺領域160
(図2参照)の周辺端子部に同時に成膜する。
【0019】TFT部の画素電極103となる透明導電
膜155は、平坦に形成された有機絶縁膜49上に形成
される。
【0020】ゲート・コモン接続端子部110、130
では、絶縁性基板20上にゲート配線105またはコモ
ン配線107を形成し、ゲート配線105またはコモン
配線107の上の中央部を除去した状態で、無機絶縁膜
144が形成される。ゲート配線105またはコモン配
線107の上の中央部は電極154が設けられている。
電極154上には、安定した接続抵抗をもつ透明電極1
57となる透明導電膜155を成膜する。
【0021】ソース接続端子部120では、絶縁性基板
20を覆うように無機絶縁膜144を形成し、無機絶縁
膜144上にソース配線106を設けて,それらを覆う
ように、透明電極157となる透明導電膜155を成膜
する。
【0022】工程(b)において、周辺端子部のフォト
レジストパターニングを行う。周辺端子部において、透
明導電膜155を残す部分(すなわち、透明電極157
を形成する部分)上に第1のレジスト165を形成す
る。第1のレジスト165は、例えば、東京応化製のノ
ボラック樹脂のポジ型レジストを用いる。工程(b)の
際、TFT部の透明導電膜155上全面に第1のレジス
ト165を形成する。
【0023】工程(c)において、ウエットエッチング
を行い、周辺端子部の不必要な透明導電膜155を除去
する。
【0024】工程(d)において、第1のレジスト16
5を剥離する。この時、周辺端子部において透明導電膜
155よりなる透明電極157が形成される一方で、T
FT部の透明導電膜155は全面に形成されたままであ
る。
【0025】工程(e)において、画素電極103のフ
ォトレジストパターニングを行う。透明導電膜155を
残す部分(すなわち、画素電極103となる部分)上に
第2のレジスト167を形成する。第2のレジスト16
7は、例えば、東京応化製のノボラック樹脂のポジ型レ
ジストを用いる。工程(e)の際、周辺端子部全面に第
2のレジスト167を形成する。
【0026】工程(f)において、ウエットエッチング
を行い、TFT部の不必要な透明導電膜155を除去す
る。
【0027】工程(g)において、第2のレジスト16
7を剥離することで、画素電極103が形成される。
【0028】このように、電極基板101は形成される
が、上述したように、無機絶縁膜144上の透明導電膜
155のエッチング(図6の(c))と有機絶縁膜49
上の透明導電膜155のエッチング(図6の(f))と
は、それぞれエッチングレートが異なるため別々に行う
必要がある。
【0029】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、有機絶縁膜上に形成された
透明導電膜と無機絶縁膜上に形成される透明導電膜を同
時に精度良くエッチングすることができる、電極基板お
よびその作製方法、ならびにそのような電極基板を備え
た液晶表示装置を提供することである。
【0030】本発明は上記課題を克服するためにプラズ
マ処理行う。
【0031】ここで、液晶表示装置の電極基板にプラズ
マ処理を用いた従来例として以下のものが挙げられる。
【0032】特開平9−152625号公報は、有機絶
縁膜と透明導電膜との密着性を良好にするために、有機
絶縁膜を形成した後、酸素プラズマ処理を行い、その
後、透明導電膜を成膜する製造方法を開示している。
【0033】また、特開平11−283934号公報
は、表示の品質の面から有機絶縁膜のコンタクトホール
を介した上層の画素電極と下層のドレイン電極との電気
的接続を良好にするために、樹脂表面をCF4+O2など
のガスでプラズマ処理する方法を開示している。しか
し、CF4+O2の混合ガスを用いて有機絶縁膜上をプラ
ズマ処理すると、有機絶縁膜上の透明導電膜のエッチン
グレートが大きくなる。そのため、有機絶縁膜上の透明
導電膜と無機絶縁膜上の透明導電膜とは同時にエッチン
グを行うことができない。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の電極基板の作製
方法は、同一面側に有機絶縁膜からなる有機絶縁膜領域
と無機絶縁膜からなる無機絶縁膜領域とを有する該電極
基板において、該有機絶縁膜領域にプラズマ処理を行う
工程と、該有機絶縁膜領域および該無機絶縁膜領域に接
して透明導電膜を形成する工程と、該有機絶縁膜領域お
よび該無機絶縁膜領域に接する該透明導電膜を同時にエ
ッチングする工程と、を包含する。
【0035】前記有機絶縁膜領域にプラズマ処理を行う
工程は、前記無機絶縁膜領域にも同時にプラズマ処理を
行う工程を含んでもよい。
【0036】前記プラズマ処理は、酸素プラズマ処理、
Arプラズマ処理、CF4プラズマ処理の群から選択さ
れるいずれかであってもよい。
【0037】前記プラズマ処理は、酸素プラズマ処理の
後にArプラズマ処理を行う工程を含んでもよい。
【0038】前記プラズマ処理は、酸素プラズマ処理の
後にCF4プラズマ処理を行う工程を含んでもよい。
【0039】前記プラズマ処理は、前記有機絶縁膜上の
表面粗さの自乗平均を1.0nm以下にしてもよい。
【0040】前記エッチング工程の後に、透明導電膜を
熱処理する工程をさらに包含してもよい。
【0041】前記熱処理を150℃〜220℃で行って
もよい。
【0042】本発明の電極基板は、表面粗さの自乗平均
が1.0nm以下である有機絶縁膜からなる有機絶縁膜
領域と、該有機絶縁膜と同一面側に設けられる無機絶縁
膜からなる無機絶縁膜領域と、該有機絶縁膜領域と該無
機絶縁膜領域にそれぞれ接する透明導電膜と、を備え
る。
【0043】前記有機絶縁膜の表面粗さの自乗平均が
0.28nm以上1.0nm以下であってもよい。
【0044】前記有機絶縁膜上の透明導電膜の結晶粒径
が20nm以上50nm以下であってもよい。
【0045】前記有機絶縁膜上の透明導電膜の結晶粒径
が20nm以上40nm以下であってもよい。
【0046】本発明の液晶表示装置は、上記に記載の電
極基板を含む。
【0047】
【発明の実施の形態】本願発明者らは、上記の課題を解
決するために、すなわち、無機絶縁膜からなる無機絶縁
膜領域に接する透明導電膜と、有機絶縁膜からなる有機
絶縁膜領域に接する透明導電膜のエッチングレートを同
程度にするために、透明導電膜の成膜前に適切な条件下
でプラズマ処理を行えばよいことを見出した。
【0048】尚、ここでいう有機絶縁膜領域とは、透明
導電膜に接する層または膜として、例えば、図11に示
される有機絶縁膜49、図17に示される有機絶縁膜1
449が形成された領域、または、図18に示されるプ
ラスチック基板1420において、無機絶縁膜が形成さ
れていない領域を示す。また、無機絶縁膜領域とは、透
明導電膜に接する層または膜として、図11に示される
無機絶縁膜144、図17または図18に示される無機
絶縁膜が形成された領域を示す。
【0049】図7は、透明導電膜を形成する前に電極基
板全体にプラズマ処理を行った場合の、ウエットエッチ
ング時間(分)とエッチングシフト(μm)との関係を
示すグラフである。ここで、プラズマ処理のガスとして
CF4、酸素、Arを用いる。また、透明導電膜として
ITOを使用する。図7のグラフにおいて、CF4プラ
ズマ処理、酸素プラズマ処理、Arプラズマ処理を行っ
た結果を◆、■、▲で、また、それらの線形補間を太
線、破線、点線でそれぞれ示す。また、図7のグラフに
おいて、無機絶縁膜上の透明導電膜のエッチングシフト
の結果を●で、その線形補間を細線で示す。なお、無機
絶縁膜上の透明導電膜のエッチングシフトは、無機絶縁
膜表面をプラズマ処理してもしなくても大きな差はな
い。
【0050】ウエットエッチング時間が3分の場合、プ
ラズマ処理のガスがCF4、酸素、Arのいずれであっ
ても、有機絶縁膜上の透明導電膜のエッチングシフトは
1.0μm以下であり、無機絶縁膜上の透明導電膜のエ
ッチングシフト(約0.5μm)との差は小さい。した
がって、使用するガスはCF4、酸素、Arのいずれで
もよい。
【0051】ウエットエッチング時間がある程度長い場
合(例えば、5分)、プラズマ処理のガスとして酸素を
使用すると、エッチングシフトの増加が大きい(約3.
2μm)ため無機絶縁膜上の透明導電膜のエッチングシ
フトとの差が大きくなり、同時にエッチングを行うこと
ができなくなる。プラズマ処理のガスがCF4、Arの
場合はウエットエッチング時間が5分であっても、エッ
チングシフトの増加がそれほど大きくないため、同時に
エッチングを行うことができる。
【0052】また、図7のグラフから無機絶縁膜上の透
明導電膜のエッチングシフトのウエットエッチング時間
に対する変化は有機絶縁膜の場合と比べてそれほど大き
くないことが分かる。一般に無機絶縁膜上の透明導電膜
のエッチングシフトの変化は有機絶縁膜上の透明導電膜
のエッチングシフトの変化より小さく、また、本願の実
験条件程度の範囲では、無機絶縁膜上の透明導電膜のエ
ッチングシフトは1.0μm以下である。
【0053】図8は、プラズマ処理時間と有機絶縁膜上
の透明導電膜のエッチングシフトとの関係を示すグラフ
である。プラズマ処理に用いるガスがCF4、Ar、酸
素の結果をそれぞれ◆、■、▲で示す。いずれのガスを
用いても、プラズマ処理時間が長くなるほどエッチング
シフトは大きくなる。ただし、酸素プラズマ処理の場
合、プラズマ処理時間の増加に対するエッチングシフト
の増加が著しく大きいのに対し、CF4プラズマ処理、
または、Arプラズマ処理の場合、プラズマ処理時間の
増加に対するエッチングシフトの増加はそれほど大きく
ない。プラズマ処理が30秒ほどである場合、CF4
Ar、酸素のいずれのガスを用いてもエッチングシフト
は1.0μm以下であり、無機絶縁膜上の透明導電膜の
エッチングシフトとの差が小さく、無機絶縁膜上の透明
導電膜と同時にエッチングすることができる。しかし、
プラズマ処理時間が長くなる場合、酸素プラズマ処理を
行った有機絶縁膜上の透明導電膜は無機絶縁膜上の透明
導電膜と同時にエッチングをすることができない。
【0054】図9は、プラズマ処理により形成される有
機絶縁膜表面の表面粗さ(nm)の自乗平均(RMS)
とエッチングシフト(μm)との関係を示すグラフであ
る。図9のグラフにおいて、O2−180は酸素プラズ
マ処理を180秒間行ったことを示し、Ar−30はA
rプラズマ処理を30秒間行ったことを示す。ウエット
エッチングの時間は180秒とした。表面粗さの測定は
セイコーインスツルメンツ(株)のSPA500にて行
った。この時、タッピングモード(DFM)にて測定
し、カンチレバーの強度は20N/Mにて設定した。
【0055】図9のグラフからわかるように、プラズマ
処理のガスの種類にかかわらず表面粗さのRMSが大き
くなるにつれてエッチングシフトが大きくなる傾向があ
る。表面粗さのRMSを1.0nm以下にすると、エッ
チングシフトを1.0μm以下に抑えることができる。
その結果、ウエットエッチング時間が180秒の場合に
おける無機絶縁膜上の透明導電膜のエッチングシフトに
近づけることができ、有機絶縁膜上の透明導電膜と無機
絶縁膜上の透明導電膜を同時にエッチングすることがで
きる。
【0056】また、Arプラズマ処理を30秒行うこと
で、透明導電膜103と接続電極48との電気的接続が
良好であることが確認されている。その条件下での表面
粗さのRMSは0.28nmである。
【0057】また、透明導電膜を成膜した後、熱処理を
行う(例えば、150℃以上220℃以下の温度、より
好ましくは200℃以上220℃以下)ことで、エッチ
ングシフトはさらに低下する。例えば、Arプラズマ処
理を行った有機絶縁膜の上に透明導電膜を成膜した後、
さらに熱処理を行う場合、熱処理を行わない場合と比べ
てエッチングシフトは約0.15μmだけ小さくなる。
また、CF4プラズマ処理を行った有機絶縁膜の上に透
明導電膜を成膜した後、さらに熱処理を行う場合は、熱
処理を行わない場合と比べてエッチングシフトは約0.
05μmだけ小さくなる。
【0058】図7および図8に示されるように、ウエッ
トエッチング時間およびプラズマ処理時間の増加ととも
にエッチングシフトは増加するため、エッチングシフト
が小さくなるように、プラズマ処理をした有機絶縁膜上
の透明導電膜に熱処理をすることは好ましい。
【0059】本発明による電極基板の適用例として液晶
表示装置を、従来技術の電極基板を適用した液晶表示装
置と対比して説明する。ただし、液晶表示装置は、単な
る例示にすぎず、本発明は有機絶縁膜および無機絶縁膜
の両方の上に透明導電膜を形成した電極基板であればど
のような形態であっても適用できる。例えば、エレクト
ロルミネッセンス素子において、発光領域内では有機絶
縁体からなる基板上に陽極として透明導電膜を形成し、
他方、端子領域においては無機絶縁体上に透明導電膜を
形成するような場合にも本発明を適用することができ
る。
【0060】図10の工程(I)〜(IV)は、本発明
による表示領域150(図1参照)および周辺領域16
0の周辺端子部(ゲート・コモン接続端子部、ソース接
続端子部)におけるプラズマ処理および透明導電膜の形
成工程を示す。これらの工程は、図6の工程(a)の透
明導電膜155を形成する前の工程に対応している。
【0061】また、表示領域150は、図4と同様に、
TFT部(A側)およびコンタクトホール部(A’側)
の両方を図示する。
【0062】図10の工程(I)では、表示領域におい
て、TFT108を覆うように有機絶縁膜49を形成
し、コンタクトホール部において、コンタクトホール5
0を形成するために有機絶縁膜50の一部を除去する。
【0063】ゲート・コモン接続端子部110、130
において、絶縁性基板20上にゲート配線105または
コモン配線107を形成し、それらを覆うように無機絶
縁膜144、電極154を形成する。
【0064】ソース接続端子部120において、絶縁性
基板20上に無機絶縁膜144を形成し、その上にソー
ス配線106が形成される。
【0065】表示領域150に形成される有機絶縁膜4
9としては例えば感光性樹脂が使用される。有機絶縁膜
49はスピン塗布法によって塗布され、フォトリソ工程
にて露光され、その後、アルカリ性溶液にて現像され
る。それにより、接続電極48を露出するように有機絶
縁膜49の一部を除去し、コンタクトホール50を形成
する。続いて有機絶縁膜49に対して硬化のために20
0℃で熱処理を行う。
【0066】工程(II)において、表示領域150、
ゲート・コモン接続端子部110、130、ソース接続
端子部120に酸素プラズマ処理を行う。酸素プラズマ
処理は、例えば9000sccm、3000mTorr
にて30秒間行う。
【0067】工程(III)において、表示領域15
0、ゲート・コモン接続端子部110、130、ソース
接続端子部120上にCF4プラズマ処理またはArプ
ラズマ処理を行う。
【0068】CF4プラズマ処理は、例えば、CF4ガス
400sccm、70mTorrの雰囲気で、Powe
r1000Wにて30秒間行われる。また、Arプラズ
マ処理は、Arガス290sccm、1.7Paの雰囲
気で、RFPower1.0kWにて30秒間行われ
る。
【0069】工程(IV)において、表示領域150、
ゲート・コモン接続端子部110、130、ソース接続
端子部120上に、後に画素電極103または透明電極
157となる透明導電膜155を成膜する。透明導電膜
155の成膜温度は、例えば有機絶縁膜49としてアク
リル系樹脂を用いている場合、アクリル系樹脂の熱脆化
を懸念して、200℃で成膜する。有機絶縁膜49とし
て他の材料を用いても、同様の温度で成膜することが好
ましい。透明導電膜の成膜は、例えば、枚葉型スパッタ
装置を用いて、800〜1200Åの厚さで行う。この
時の成膜条件の一例は、スパッタガスとしてO2、Ar
混合ガスを、ターゲットとしてIn23(SnO2を5
%〜10%含む)を用い、ガス流量を100sccm、
ガス圧を0.7Pa、電力を1.3kWと設定する。
【0070】図10に示される工程では、酸素プラズマ
処理(工程(II))の後にCF4プラズマ処理または
Arプラズマ処理(工程(III))が行われるが、上
述したように、単に酸素プラズマ処理だけ、すなわち図
10の工程(II)後、工程(III)を行うことなく
工程(IV)を行ってもよい。或いは酸素プラズマ処理
を行わずCF4プラズマ処理またはArプラズマ処理が
行う、すなわち図10の工程(I)の後、工程(II)
を行うことなく、工程(III)、工程(IV)と続け
てもよい。
【0071】ただし、酸素プラズマ処理(工程(I
I))を行うことで、コンタクトホール50のコンタク
ト抵抗を低減することができる。これは、酸素プラズマ
処理により、コンタクトホールに残る残さ、エッチング
処理によっても残る材料等を有効に除去されるからであ
る。
【0072】上述したようにプラズマ処理を行うこと
で、図11の工程(a)〜(d)に示されるように有機
絶縁膜49および無機絶縁膜144上にそれぞれ、画素
電極103および透明電極157が形成される。本発明
による電極基板を作製する方法を示す図11は、従来の
電極基板の形成方法を説明する図6に対応する。
【0073】具体的には、図11の工程(a)におい
て、表示領域150内の有機絶縁膜49上、ならびに周
辺領域160の無機絶縁膜144上に透明導電膜155
を成膜する。
【0074】工程(b)において、画素電極および周辺
端子部のフォトレジストパターニングを行う。周辺端子
部において、透明導電膜155を残す部分(すなわち、
画素電極103または透明電極157を形成する部分)
上にレジスト169を形成する。レジスト169は、例
えば、東京応化製のノボラック樹脂のポジ型レジストを
用いる。
【0075】工程(c)において、ウエットエッチング
を行い、画素電極および周辺端子部の不必要な透明導電
膜155を除去する。ウエットエッチングは、例えば4
0℃の第2塩化鉄をウエットエッチング液として、18
0秒間行う。エッチング液としては、液温40℃のFe
Cl3とHClの混合液が使用される。
【0076】工程(d)において、レジスト169を剥
離する。この時、周辺端子部において透明導電膜155
よりなる透明電極157が形成され、表示領域150内
において画素電極103が形成される。
【0077】すなわち、本発明により、図6に示す工程
(b)〜(d)と(e)〜(g)とを同時に行うことが
できる。したがって、製造プロセスが短縮され、その結
果、製造コストを下げ、また、製造現場の生産能力を向
上させることができる。さらに、フォトレジストパター
ニング工程が減少するため、パターン不良による歩留ま
り低下を回避することができ、また、レジストおよび剥
離液の使用量が減少する。さらに、有機絶縁膜を剥離液
に晒す回数が減少するため、有機絶縁膜の膨潤を少なく
することができ、その結果、パネルの品質信頼性が向上
する。
【0078】また、ゲート・コモン接続端子部110、
130において、電極154を成膜し、プラズマ処理を
行った後に透明導電膜155を形成することで、電極1
54と透明導電膜155(後の透明電極157)とのコ
ンタクト抵抗が低減する。
【0079】図12は、CF4プラズマ処理時間と、ゲ
ート・コモン接続端子部110、130における電極1
54と透明導電膜155(後の透明電極157)の間の
コンタクト抵抗との関係を示すグラフである。図12か
ら、CF4プラズマ処理を30秒以上行うことにより、
コンタクト抵抗は3桁ほど減少し、安定したコンタクト
抵抗が得られることがわかる。また、このことは、CF
4プラズマ処理だけでなく、酸素プラズマ処理またはA
rプラズマ処理の場合も同様の効果を得ることができ
る。
【0080】また、上述した熱処理を、透明電極157
となる透明導電膜155を成膜した後に行うことで、透
明導電膜155の結晶性が向上し、無機絶縁膜144上
の透明電極157の抵抗が低減し、その結果、無機絶縁
膜144上の配線抵抗も低減する。
【0081】図13は、透明導電膜を成膜した後の熱処
理のアニール温度(℃)と、無機絶縁膜144上の透明
導電膜155よりなる透明電極157の単位面積当たり
の抵抗(シート抵抗)(Ω/□)の変化を示す。図13
より、熱処理を行うことでシート抵抗が低減することが
理解される。
【0082】本実施の形態のようにCF4プラズマ処理
またはArプラズマ処理を行った場合、XPS(X線光
電子分光装置)などの分析装置により成分分析を行う
と、有機絶縁膜の表面層に混入している、プラズマ処理
に用いたガスを検出することが可能である。
【0083】透明導電膜の結晶粒径を制御することで、
有機絶縁膜上の透明導電膜のエッチングレートと無機絶
縁膜上の透明導電膜とのエッチングレートとを近づける
ことができる。
【0084】図14は、透明導電膜をウエットエッチン
グする時間(分)とエッチングシフト(μm)との関係
を示すグラフである。図14のグラフにおいて、有機絶
縁膜上の透明導電膜の結晶粒径が約40nmの場合の結
果を●、およびその線形補間を太線で示す。また、無機
絶縁膜上の透明導電膜の結果を■、およびその線形補間
を細線で示す。ここで、有機絶縁膜としてアクリル樹
脂、透明導電膜としてITO、無機絶縁膜としてSiN
xを使用した。図14のグラフに示されるように、エッ
チング時間が3〜5分の場合、有機絶縁膜上の透明導電
膜のエッチングシフトは、1.5μmより小さく、無機
絶縁膜上の透明導電膜のエッチングシフトは1.0μm
より小さい。したがって、有機絶縁膜上の透明導電膜の
エッチングシフトと無機絶縁膜上の透明導電膜のエッチ
ングシフトとの差が比較的小さいため、所定のエッチン
グ時間で有機絶縁膜上の透明導電膜と無機絶縁膜上の透
明導電膜とを同時にエッチングすることが可能である。
【0085】図14のグラフでは、有機絶縁膜上の透明
導電膜の結晶粒径は約40nmの場合を示したが、結晶
粒径の範囲が20nm〜50nmの範囲であれば、同様
に、有機絶縁膜上の透明導電膜と無機絶縁膜上の透明導
電膜とのエッチングシフトの差は小さいため、両者を同
時にエッチングすることができる。
【0086】比較のために、有機絶縁膜上の透明導電膜
の結晶粒径が約100nmの場合の透明導電膜をウエッ
トエッチングする時間(分)とエッチングシフト(μ
m)との関係を示すグラフを図15に示す。図15に示
されるように、有機絶縁膜上の透明導電膜のエッチング
シフトは、エッチング時間が3分〜5分の場合、2.0
μm以上であり、有機絶縁膜上の透明導電膜のエッチン
グシフトは、無機絶縁膜上の透明導電膜のエッチングシ
フトと比べて大きく、その差も大きい。したがって、両
者を同時にエッチングすることは困難である。
【0087】透明導電膜の成膜前にプラズマ処理を行う
ことで、結晶粒径を制御することができる。透明導電膜
の成膜前に酸素プラズマ処理またはCF4プラズマ処理
を長時間行うと、有機絶縁膜表面が荒れるため、結晶粒
径が大きくなる傾向がある。また、透明導電膜の成膜前
にArプラズマ処理を行うと有機絶縁膜表面の粗さが緩
和されるため、結晶粒径が小さくなる傾向がある。
【0088】図16は、有機絶縁膜上の透明導電膜のウ
エットエッチング時間とエッチングシフトとの関係を示
すグラフである。有機絶縁膜としてアクリル樹脂、透明
導電膜としてITOを使用し、ウエットエッチング時間
は3.0分とした。図16に示されるように、有機絶縁
膜上の透明導電膜の結晶粒径が20nm以上50nm以
下であれば、エッチングシフトは1.0μm以下であ
り、無機絶縁膜上の透明導電膜のエッチングシフト(約
0.2μm、図14参照)との差が小さいため、所定の
エッチング時間で同時エッチングができる。また、有機
絶縁膜上の透明導電膜の結晶粒径が20nm以上50n
m以下の場合、電極として機能するために好適な電気抵
抗を有している。有機絶縁膜上の透明導電膜の結晶粒径
が20nm以上40nm以下であれば、さらにエッチン
グシフトが小さいため、有機絶縁膜上の透明導電膜の制
御性は改善される。また、発明者らは、有機絶縁膜上の
透明導電膜表面の結晶粒径が60nm以上の場合、図1
5に示されるようにエッチングシフトは大きく増大し、
有機絶縁膜上の透明導電膜と無機絶縁膜上の透明導電膜
とのエッチングレートが大きく異なるため、同時エッチ
ングパターニングができなくなることを確認している。
【0089】また、逆に有機絶縁膜上の透明導電膜の結
晶粒径が20nmより小さい場合、透明導電膜の粒径が
小さすぎて電気抵抗が高くなり、結果として電極として
有効に機能しなくなる。また、このように透明導電膜の
抵抗が大きい電極基板を液晶表示装置に適用すると、表
示領域の画素電極、および、周辺領域のゲート接続端子
部、コモン接続端子部、ソース接続端子部の電気抵抗が
増加する。とくに、周辺領域のゲート接続端子部、コモ
ン接続端子部、ソース接続端子部の電気抵抗の増加は、
高精細・大型液晶表示装置を製造する際に望ましくな
い。
【0090】図17の工程(a)〜(e)を参照して本
発明の概略を模式的に説明する。
【0091】工程(a)において、絶縁性基板1420
上に、無機絶縁膜1444を形成する。絶縁性基板14
20として、透明ガラスのほかにプラスチック基板を使
用できる。プラスチック基板の材料としてポリイミド、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリ
エチレンなどが使用される。無機絶縁膜1444として
は、例えば、SiO2、SiNxまたはTaO2を使用
し、500〜5000Åの厚さで形成する。
【0092】工程(b)において、絶縁性基板1420
上の別の領域に有機絶縁膜1449を形成する。有機絶
縁膜1449としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネートなどを使用し、100Å〜1
mmの厚さで形成する。
【0093】その後、プラズマ処理を行う。プラズマ処
理のガスとして、Ar、CF4、酸素が使用できる。
【0094】工程(c)において、透明導電膜1455
をスパッタなどで、絶縁性基板1420、無機絶縁膜1
444、有機絶縁膜1449を覆うように成膜する。透
明導電膜1455として、ITOを使用してもよい。透
明導電膜1455は、厚さ500〜3000Åで形成す
る。
【0095】工程(d)において、フォトレジスト14
65をパターニングした後、ウエットエッチングを行
い、透明導電膜1455のパターニングを行う。フォト
レジスト1465はノボラック樹脂を使用してもよく、
ウエットエッチングのエッチング液として、FeCl3
とHClの混合液またはHBrを使用してもよい。
【0096】工程(e)において、無機絶縁膜144
4、有機絶縁膜1449上に所望の形状の透明導電膜1
455が形成され、電極基板1700が完成する。この
時、無機絶縁膜1444上の透明導電膜1455と有機
絶縁膜1449上の透明導電膜1455とのエッチング
シフトの差は、2μm以下であることが望ましいが、こ
れに限定されない。
【0097】無機絶縁膜1444、有機絶縁膜1449
の成膜方法は、材料によって適切に選択される。具体的
な方法としては、凸版印刷、スクリーン印刷、スピンコ
ータなどがある。また、成膜後、さらに熱処理または紫
外線照射を行ってもよい。
【0098】このように形成された透明導電膜1455
と無機絶縁膜1444の密着性ならびに透明導電膜14
55と有機絶縁膜1449との密着性は、ピールテスト
の結果、良好であることがわかった。
【0099】上述の説明では、絶縁性基板1420上に
無機絶縁膜1444および有機絶縁膜1449を形成す
る電極基板1700を示した。しかし、本発明はこれに
限定されるものではなく、図18に示すように、絶縁性
基板1420としてプラスチック基板を使用し、その一
部の領域に無機絶縁膜1444を形成し、無機絶縁膜1
444とプラスチック基板1420上の一部に透明導電
膜1455を形成する電極基板1800も範囲に含む。
このような電極基板1800は、無機絶縁膜1444上
にスイッチング素子等を含む集積回路を組み込み、透明
導電膜1455は制御を行う電極だけでなく配線として
も利用可能である。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、透明導電膜の成膜前に
適切な条件でプラズマ処理(例えば、Arプラズマ処
理、CF4プラズマ処理、酸素プラズマ処理)を行うこ
とにより、有機絶縁膜領域に接するように形成された透
明導電膜と無機絶縁膜領域に接するように形成された透
明導電膜を同時にエッチング処理でき、工程の短縮が可
能となる。これにより、電極および液晶表示装置の製造
コストを低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置の構成を模式図である。
【図2】電極基板の上面図である。
【図3】図2の電極基板の表示領域の拡大図である。
【図4】図3のA−A’線に沿った断面図である。
【図5】設計寸法と仕上寸法との差をあらわす図であ
る。
【図6】従来の電極基板の作製方法を説明する図であ
る。
【図7】ウエットエッチング時間とエッチングシフトと
の関係を示すグラフである。
【図8】プラズマ処理時間とエッチングシフトとの関係
を示すグラフである。
【図9】有機絶縁膜上の表面粗さとエッチングシフトと
の関係を示すグラフである。
【図10】透明導電膜を形成する前のプラズマ処理を説
明する図である。
【図11】本発明による電極基板の作製方法を説明する
図である。
【図12】CF4プラズマ処理時間とコンタクト抵抗と
の関係を示すグラフである。
【図13】アニール温度とシート抵抗との関係を示すグ
ラフである。
【図14】有機絶縁膜上の透明導電膜の結晶粒径が約4
0nmの場合のエッチング時間とエッチングシフトとの
関係を示すグラフである
【図15】有機絶縁膜上の透明導電膜の結晶粒径が約1
00nmの場合のエッチング時間とエッチングシフトと
の関係を示すグラフである。
【図16】有機絶縁膜上の透明導電膜の結晶粒径とエッ
チングシフトとの関係を示すグラフである。
【図17】本発明の電極基板作製の概略を説明する図で
ある。
【図18】本発明の別の実施形態による電極基板を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/312 H01L 21/312 Z 5G323 21/318 21/318 C 特許法第30条第1項適用申請有り 2000年9月25日〜28 日 Society for Information Display主催の「20TH INTERNATI ONAL DISPLAY RESEARCH CON FERENCE」において文書をもって発表 (72)発明者 片岡 義晴 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HA04 HB02X HB07X HC12 HC16 HD03 HD05 2H092 HA04 MA01 MA04 MA17 MA18 MA22 MA23 MA26 MA35 5C094 AA43 AA44 BA03 BA43 CA19 EA04 EA05 EB01 GB10 HA08 5F058 AA10 AB06 AB07 AC01 AC07 AC10 AF04 AG01 AG07 BB06 BB07 BC02 BC03 BC08 BF46 BF47 BH16 BJ01 5G307 FA02 FB01 FC03 5G323 CA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極基板の作製方法であって、 同一面側に有機絶縁膜からなる有機絶縁膜領域と無機絶
    縁膜からなる無機絶縁膜領域とを有する該電極基板にお
    いて、該有機絶縁膜領域にプラズマ処理を行う工程と、 該有機絶縁膜領域および該無機絶縁膜領域に接して透明
    導電膜を形成する工程と、 該有機絶縁膜領域および該無機絶縁膜領域に接する該透
    明導電膜を同時にエッチングする工程と、を包含する電
    極基板の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記有機絶縁膜領域にプラズマ処理を行
    う工程は、前記無機絶縁膜領域にも同時にプラズマ処理
    を行う工程を含む、請求項1に記載の電極基板の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ処理は、酸素プラズマ処
    理、Arプラズマ処理、CF4プラズマ処理の群から選
    択されるいずれかである、請求項1に記載の電極基板の
    作製方法。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ処理は、酸素プラズマ処理
    の後にArプラズマ処理を行う工程を含む、請求項1に
    記載の電極基板の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記プラズマ処理は、酸素プラズマ処理
    の後にCF4プラズマ処理を行う工程を含む、請求項1
    に記載の電極基板の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記プラズマ処理は、前記有機絶縁膜上
    の表面粗さの自乗平均を1.0nm以下にする、請求項
    1に記載の電極基板の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチング工程の後に、透明導電膜
    を熱処理する工程をさらに包含する、請求項1に記載の
    電極基板の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記熱処理を150℃〜220℃で行
    う、請求項6に記載の電極基板の作製方法。
  9. 【請求項9】 電極基板であって、 表面粗さの自乗平均が1.0nm以下である有機絶縁膜
    からなる有機絶縁膜領域と、 該有機絶縁膜と同一面側に設けられる無機絶縁膜からな
    る無機絶縁膜領域と、 該有機絶縁膜領域と該無機絶縁膜領域にそれぞれ接する
    透明導電膜と、を備える電極基板。
  10. 【請求項10】 前記有機絶縁膜の表面粗さの自乗平均
    が0.28nm以上1.0nm以下である、請求項9に
    記載の電極基板。
  11. 【請求項11】 前記有機絶縁膜上の透明導電膜の結晶
    粒径が20nm以上50nm以下である、請求項9に記
    載の電極基板。
  12. 【請求項12】 前記有機絶縁膜上の透明導電膜の結晶
    粒径が20nm以上40nm以下である、請求項11に
    記載の電極基板。
  13. 【請求項13】 請求項9に記載の電極基板を含む液晶
    表示装置。
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