JP2001344788A - 光ピックアップ・アクチュエータ - Google Patents

光ピックアップ・アクチュエータ

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JP2001344788A
JP2001344788A JP2000158404A JP2000158404A JP2001344788A JP 2001344788 A JP2001344788 A JP 2001344788A JP 2000158404 A JP2000158404 A JP 2000158404A JP 2000158404 A JP2000158404 A JP 2000158404A JP 2001344788 A JP2001344788 A JP 2001344788A
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lens
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報を読み書きするときに不具合を生じさせ
るチルトの影響を、従来のアクチュエータの構成を大幅
に変えることなく解決する。 【解決手段】 レンズホルダ2の上側と下側とに、タン
ジェンシャル・チルトさせるための駆動源である上下一
対の長い圧電素子9a,9bを備えた上側のチルト駆動
手段8aと下側のチルト駆動手段8bとを、一対ずつX
方向に延在するように設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD,DVDなど
の光ディスクに対して記録/再生する光ピックアップを
駆動する光ピックアップ・アクチュエータに係り、特に
ディスク記録面に対する対物レンズの光軸の傾きを調整
するチルト調整に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報記憶装置に用いられる一般的な光デ
ィスクとして、CDあるいはDVDがある。この内、D
VDは、CDに比べ記録密度が高いため、情報を読み書
きするときの条件が厳しくなっている。
【0003】例えば光ピックアップの光軸は光ディスク
の記録面に対して垂直であることが理想であるが、実際
にはディスクが樹脂製のために、かなりのうねりを持っ
ており、光ディスクを回転させると光ピックアップの光
軸が光ディスクの記録面に対して常に垂直ではなくな
り、傾きを持つようになる(以下、チルトと表現す
る)。
【0004】また、光ディスクは、図14(a)に示す
CDの光入射の状態、図14(b)に示すDADの光入
射の状態のように、CD,DAD共に記録層101a,
101bが樹脂層102a,102bを介して設けられ
ているため、実線で示すようにチルトが生じると、対物
レンズ103a,103bにより記録層101a,10
1bに光スポット104a,104bとして集光される
光ビームの光路が曲げられ、記録層101a,101b
上に所定の状態に絞れなくなり、光スポット104a,
104bにコマ収差が発生する。この収差が許容される
量よりも大きくなると、光ピックアップにおいて正しく
読み書きができなくなるという不具合が生じる。
【0005】チルトの影響を減少させるため、対物レン
ズ103a,103bと記録層101a,101bの間
の樹脂層102a,102bを薄くすることがある。実
際に図14(b)に示すDVDが図14(a)に示すC
Dに比較して、樹脂層102a,102bが略半分であ
るのは、チルト減少を目的にしたものである。
【0006】しかし、樹脂層を薄くすることにより、チ
ルトを減少させるためには、DVDよりもさらに高密度
記録をしようとした場合には、樹脂層をさらに薄くし
て、チルトの影響を少なくすることになるが、樹脂層を
薄くすることによりディスク上にゴミあるいは傷が付い
た場合、信号が正しく読み書きできなくなるという不具
合が生じやすくなる。このため、対物レンズをフォーカ
シング方向,トラッキング方向に駆動するアクチュエー
タによって、対物レンズの光軸を傾けることによりチル
ト調整を行っているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】またチルト調整を行う
方法として、例えば特開平7−65397号公報に記載
されているように、対物レンズホルダに、アクチュエー
タを構成するトラッキング用コイルとフォーカシング用
コイルの他にチルト用コイルを設け、磁石との電磁作用
によって、光ビームの光軸の傾きを補正しチルト調整を
行う構成のものがある。しかし、この構成であると、ど
うしてもアクチュエータ自体が大きく、かつ重くなり
(電磁駆動部が2箇所)、薄型化あるいは高速応答に対
しては不利になる。
【0008】また、特開平9−50637号公報に記載
されているように、アクチュエータをアーム手段と駆動
手段とを兼ねる圧電モバイル素子により支持し、圧電モ
バイル素子の変形動作により、チルト調整を行う構成の
ものがある。しかし、この構成であると、圧電モバイル
素子がアーム手段を兼ねるため、圧電モバイル素子に対
してアクチュエータの全荷重が加わり、高負荷駆動にな
り、高速応答に対して不利である。
【0009】さらに、特開平10−79135号公報に
記載されているように、液晶板を用いて位相制御するこ
とにより光ディスク上の光スポットのコマ収差を補正す
る構成のものがある。しかし、この構成では、光スポッ
トとして集光されるレーザ光が液晶板を通過するため光
量が減少し、情報書き込みに必要なエネルギを得ること
が困難である。また、液晶の特性から、特にタンジェン
シャル方向のチルト制御に要求される高周波動作に適用
することは難しい構成であるといえる。
【0010】本発明の目的は、情報を読み書きするとき
に不具合を生じさせるチルトの影響を、従来のアクチュ
エータの構成を大幅に変えることなく解決できるように
した光ピックアップ・アクチュエータを提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明は、光ディスクに対して記録
/再生を行うため光スポットを集光する対物レンズを保
持するレンズホルダと、このレンズホルダに設けられて
フォーカシング方向,トラッキング方向に移動させるフ
ォーカス/トラッキング駆動手段を備えた光ピックアッ
プ・アクチュエータにおいて、前記フォーカス/トラッ
キング駆動手段の上面側および下面側に光学的チルト調
整を行うチルト駆動手段を配設したことを特徴とし、こ
の構成によって、チルト駆動手段を、アクチュエータの
全体構成に影響をさほど与えないフォーカス/トラッキ
ング駆動手段の上面側および下面側に配置することによ
り、従来のアクチュエータの構成を大きく変更すること
なくチルト調整を行うことが可能になる。
【0012】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
光ピックアップ・アクチュエータにおいて、チルト駆動
手段を圧電材と板ばねとからなる圧電素子により構成
し、圧電素子に電圧を加えて歪を生じさせることによっ
てチルト調整を行う構成であることを特徴とし、この構
成によって、チルト駆動手段を圧電材と板ばねとからな
る圧電素子にて構成したため、従来のアクチュエータの
構成を大きく変更することなく、チルト駆動手段をフォ
ーカス/トラッキング駆動手段の上面側および下面側に
配置することができる。
【0013】請求項3記載の本発明は、請求項2記載の
光ピックアップ・アクチュエータにおいて、フォーカス
/トラッキング駆動手段の上面側に設けられた圧電素子
の一端を、前記フォーカス/トラッキング駆動手段の一
部に固定し、他端を対物レンズをチルトさせる対物レン
ズ近傍の作用点に板ばねを介して連結させたことを特徴
とし、この構成によって、フォーカス/トラッキング駆
動とは独立してチルト調整を行うことが可能になり、ま
た対物レンズを板ばねにて支持するため、圧電素子の変
位を効率的にタンジェンシャル・チルト動作に変換する
ことができる。
【0014】請求項4記載の本発明は、請求項3記載の
光ピックアップ・アクチュエータにおいて、対物レンズ
をチルト調整方向に回転可能に支持するレンズチルト用
回転軸を、圧電素子の板ばねと同一弾性材により構成し
たことを特徴とし、この構成によって、部品点数が多く
ならず、実装コストが高くならない。
【0015】請求項5記載の本発明は、請求項3記載の
光ピックアップ・アクチュエータにおいて、対物レンズ
をチルト調整方向に回転可能に支持するレンズチルト用
回転軸を、点接触あるいは線接触にて支持する回転軸支
持部に配置したことを特徴とし、この構成によって、対
物レンズの回転軸における負荷が少なく、良好なチルト
調整を行うことができる。
【0016】請求項6記載の本発明は、請求項5記載の
光ピックアップ・アクチュエータにおいて、レンズチル
ト用回転軸を対物レンズの光軸に直交する側面に突設さ
せたことを特徴とし、この構成によって、対物レンズの
回転軸における負荷が少なく、良好なチルト調整を行う
ことができる。
【0017】請求項7記載の本発明は、請求項5記載の
光ピックアップ・アクチュエータにおいて、回転軸支持
部をフォーカス/トラッキング駆動手段に設けた複数の
球状体としたことを特徴とし、この構成によって、対物
レンズの回転軸における負荷をさらに少なくすることが
でき、良好なチルト調整を行うことができる。
【0018】請求項8記載の本発明は、請求項2記載の
光ピックアップ・アクチュエータにおいて、フォーカス
/トラッキング駆動手段の下面側に設けられた圧電素子
の一端を、前記フォーカス/トラッキング駆動手段を所
定位置にシークさせるキャリッジに固定し、他端を前記
フォーカス/トラッキング駆動手段をチルトさせる作用
点に板ばねを介して連結させたことを特徴とし、この構
成によって、フォーカス/トラッキング駆動とは独立し
てラジアル・チルト調整を行うことが可能になり、また
フォーカス/トラッキング駆動手段を板ばねにて支持す
るため、圧電素子の変位を効率的にラジアル・チルト動
作に変換することができる。
【0019】請求項9記載の本発明は、請求項1記載の
光ピックアップ・アクチュエータにおいて、チルト駆動
手段を、静電引力を生成してチルト調整を行う静電電極
構造にしたことを特徴とし、この構成によって、チルト
駆動手段を静電電極構成にしたため、従来のアクチュエ
ータの構成を大きく変更することなく、チルト駆動手段
をフォーカス/トラッキング駆動手段の上面側および下
面側に配置することができる。
【0020】請求項10記載の本発明は、請求項9記載
の光ピックアップ・アクチュエータにおいて、静電電極
をフォーカス/トラッキング駆動手段の上面側における
対物レンズ近傍に設置し、かつ前記対物レンズを板ばね
からなる回転軸によってチルト方向に回動可能に連結し
たことを特徴とし、この構成によって、部品点数が多く
ならず、実装コストが高くならない。
【0021】請求項11記載の本発明は、請求項9記載
の光ピックアップ・アクチュエータは、静電電極を、フ
ォーカス/トラッキング駆動手段の下面側における前記
フォーカス/トラッキング駆動手段を所定位置にシーク
させるキャリッジに固定したことを特徴とし、この構成
によって、駆動部をより薄くすることが可能になる。
【0022】請求項12記載の本発明は、請求項8また
は11記載の光ピックアップ・アクチュエータにおい
て、フォーカス/トラッキング駆動手段を、キャリッジ
に対してチルト用回転軸を介してチルト調整方向に回動
可能に保持したことを特徴とし、この構成によって、フ
ォーカス/トラッキング駆動手段の重量がチルト用回転
軸により支持されるため、チルト調整の駆動源である圧
電素子あるいは静電引力による変位は前記重量の影響を
直接受けず、よって効率良くチルト調整を行うことがで
きる。
【0023】請求項13記載の本発明は、請求項8また
は11記載の光ピックアップ・アクチュエータにおい
て、チルト用回転軸における中心の延長線上に対物レン
ズの主点を配設したことを特徴とし、この構成によっ
て、光学的な軸ずれが少なく、光の入射角が変化するだ
けの理想的なチルト補正に近い補正が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0025】図1は本発明の第1実施形態を説明するた
めの光ピックアップを示す斜視図、図2は図1の光ピッ
クアップの要部の平面図、図3は図1の光ピックアップ
の要部の正面図であり、図示されている各方向は、X方
向=タンジェンシャル方向,Y方向=ラジアル方向=ト
ラッキング方向,Z方向=フォーカシング方向としてい
る。
【0026】図1〜図3において、1は、図示しない光
ディスクに対して光スポットを照射するために、入射す
るレーザ光を集光する対物レンズ、2は対物レンズ1を
保持するレンズホルダであり、このレンズホルダ2に
は、図示しない磁石とヨークが挿入されて公知のような
電磁回路が構成される空間部3が形成されており、レン
ズホルダ2は、電磁回路の電磁力を受けてフォーカシン
グ方向Zとトラッキング方向Yとにそれぞれ平行移動が
可能であるように、側部が複数(本例では一側に各2
本)のワイヤ4にて固定ブロック5に保持されている。
【0027】レンズホルダ2は、平面視略長方形をな
し、ワイヤ4を介して固定ブロック5にて保持されてい
る側とは反対側において対物レンズ1を保持しており、
この対物レンズ1の下方から公知のようにレーザ光が入
射する。
【0028】図3に示すように、Y方向へシーク移動可
能なキャリッジ6上に立設された保持部材である立壁6
aにチルト用回転軸7の一端が保持されており、このチ
ルト用回転軸7が固定ブロック5の中央部に遊嵌され
て、固定ブロック5がチルト用回転軸7の軸線を中心に
ラジアル方向Yに回動可能に保持されている。また、チ
ルト用回転軸7の軸線Lの延長線上に対物レンズ1の主
点Oが配されている。
【0029】レンズホルダ5の上側と下側には、それぞ
れ一対の上側のチルト駆動手段8aと下側のチルト駆動
手段8bがX方向に延在するように設置されている。各
チルト駆動手段8a,8bは、タンジェンシャル・チル
トさせるための駆動源である一対の長い圧電素子9a,
9bを備えている。
【0030】図4は圧電素子の一般的な構成の説明図で
あり、図4に示すように、基本的には一対の圧電材10
が板ばね11を挟持する構成であり、圧電材10の表
面、および板ばね11部分に電圧を加えることにより、
先端がZ方向に変位(ΔZ)する構成のものである。本
実施形態では、圧電素子9a,9bは、図3に示すよう
に、圧電材10a,10bと板ばね11a,11bとか
らなっている。
【0031】前記上側のチルト駆動手段8aは、その一
端がレンズホルダ2における固定ブロック5側の上部ブ
ロック12に固定され、他端が対物レンズ1を保持する
環状のレンズ保持部材13に連結している。また、下側
のチルト駆動手段8bは、その一端がキャリッジ6上の
ブロック体14に固定され、他端が作用点Aとなる固定
ブロック5の下端部に固定されている。
【0032】レンズ保持部材13は、板ばね材にて形成
されており、Y方向に延出してレンズ回転中心Mを回転
軸として対物レンズ1を傾けるための一対の回転軸部1
3aと、レンズホルダ2上のレンズ支持ブロック15に
固定される固定部13bとが一体に設けられている。
【0033】前記各上側のチルト駆動手段8aにおける
板ばね11aの先端11a′は、回転軸部13aからず
らせて、かつ対物レンズ1の主点Oに対して点対称のレ
ンズ保持部材13部分(作用点B)に連結しており、上
側のチルト駆動手段8aの圧電素子9aに電圧が印加さ
れて、それぞれ反対方向に歪むことにより、対物レンズ
1が、回転軸部13aを回動軸としてタンジェンシャル
方向Xにチルトすることができるようになっている。
【0034】なお、本実施形態では、上側のチルト駆動
手段8aにおける板ばね11aと、レンズ保持部材13
とは同じ板ばね材料により形成されている。
【0035】また前記各下側のチルト駆動手段8bの圧
電素子9bに電圧が印加されて、それぞれ反対方向に歪
むことにより、固定ブロック5が、チルト用回転軸7を
中心としてY方向に回動する。固定ブロック5の回動を
受けてワイヤ4を介してレンズホルダ2がY方向へ回動
し、このため、対物レンズ1に対するラジアル方向Yへ
のチルトが行われることになる。
【0036】前記チルト調整のとき、チルト用回転軸7
の中心軸線Lの延長線上に対物レンズ1の主点Oが配さ
れているため、チルト調整によって前記主点Oの位置ず
れが少ない。また、レンズホルダ2などの重量がチルト
用回転軸7を介してキャリッジ6に支承されているた
め、チルト調整の駆動源である圧電素子9bの変位はレ
ンズホルダ2などの重量の影響を直接受けずに、効率良
くチルト調整を行うことができる。
【0037】図5は本発明の第2実施形態を説明するた
めの光ピックアップを示す斜視図である。なお、以下の
説明において、図1〜図3にて説明した部材に対応する
部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。第2
実施形態が第1実施形態と異なる点は、対物レンズ1を
タンジェンシャル方向Xに回動可能に支持する支持構造
16にある。
【0038】図6は第2実施形態における対物レンズの
正面図、図7は第2実施形態の対物レンズの平面図であ
り、この対物レンズ1において、1aは光学的に利用さ
れる部分、1bは対物レンズ1を製作するときに必要な
枠部分あるいはレンズを固定するときに必要な固定部
分、1cは回転軸用の突起であって円錐状形をしてい
る。
【0039】突起1cの形状は円筒状でも球形でもよ
く、また、対物レンズ1と一体的成形されても、別体に
して後工程で突起部分を取り付けるようにしてもよい。
また、突起1cの材料はレンズと同じ材質でもよく、セ
ラミックスあるいは金属でもよい。さらに、突起1cの
表面に耐摩耗膜を形成したり、耐摩耗物質を塗布するこ
とも考えられる。
【0040】図8は第2実施形態におけるアクチュエー
タフレームであるレンズホルダにおけるレンズ搭載部分
を示す平面図、図9は図8のレンズ搭載部分の正面図で
あり、2aは対物レンズ1が配設される透孔、2bは対
物レンズ1を搭載したときに対物レンズ1の回転軸用の
突起1cを押さえる手段を搭載するための部分、2cは
対物レンズ1の回転軸用の突起1cを受けるための受け
部であり、受け部2cは、図示したように、対物レンズ
1におけるY方向の回転中心Mの延長線に回動支点Sが
存在するように、対物レンズ1の光軸に対して対称の位
置に、それぞれ相対向させて設置され、各表面は球状形
をしている。
【0041】受け部2cは、レンズホルダ2を構成する
フレームに一体成形してもよいし、別体のものを後工程
で取り付けるようにしてもよい。また、受け部2cの材
料としてはフレームと同じ材質、あるいはセラミック
ス,金属でもよい。さらに、受け部2cの表面に耐摩耗
膜が形成したり、耐摩耗物質を塗布することも考えられ
る。
【0042】図10は図6〜図9に部材を組み付けた状
態を示す平面図、図11は図6〜図9に部材を組み付け
た状態を示す正面図であり、対物レンズ1の回転軸用の
突起1cは受け部2cに搭載されている。このとき回転
軸用の突起1cは円錐形であり、かつ受け部2cが球状
であるため、相互間の接触は点接触になっている。
【0043】また、図10,図11において、17は回
転軸用の突起1cを受け部2cに押圧させる予圧用の板
ばねであり、この板ばね17における回転軸用の突起1
cを押圧する側の面は半円筒状17aであって、板ばね
17と回転軸用の突起1cとの間の接触が点接触とな
る。
【0044】このように、点接触になる構造にしている
ため摩擦による負荷はほとんどなく、対物レンズ1は、
図5に示す円弧状矢印のように、回転軸用の突起1cを
中心として、円滑にタンジェンシャル方向Xにチルトす
ることが可能となる。
【0045】なお、回転軸用の突起1cと受け部2cと
を線接触するような構成にすることも考えられる。
【0046】図12は本発明の第3実施形態を説明する
ための光ピックアップを示す平面図、図13は第3実施
形態の光ピックアップの正面図であり、20は、Y軸を
回転軸としたチルト方向(タンジェンシャル方向)に自
由度を持ち、対物レンズ1を保持するレンズ保持部材で
ある板ばね部材であって、板ばね部材20には、タンジ
ェンシャル・チルト用の回転軸部20aと、レンズホル
ダ2の上面部に固定される固定部20bと、電極対向面
部20cとが一体に形成されている。また板ばね部材2
0の材料としては、ベリリウム銅あるいはステンレス材
のような導電材を用いる。
【0047】21a〜21dは、板ばね部材20の電極
対向面部20cに対向させて、レンズホルダ2上に設置
されたタンジェンシャル・チルト駆動手段である静電電
極であり、対物レンズ1の光軸Dを対称基準として、
X,Y方向における対称位置にそれぞれ(本例では4
個)設置されており、後述するように対物レンズ1をタ
ンジェンシャル方向Xにチルトさせる。
【0048】22a,22bは、導電材からなる固定ブ
ロック5の下面に対向させて、キャリッジ6上に設置さ
れたラジアル・チルト駆動手段である静電電極であり、
対物レンズ1の光軸Dを対称基準として、Y方向におけ
る対称位置にそれぞれ(本例では2個)設置されてお
り、後述するようにレンズホルダ2および対物レンズ1
をラジアル方向Yにチルトさせる。
【0049】すなわち、板ばね部材20の各回転軸部2
0aを中央に対向している静電電極21aと21b、お
よび静電電極21cと21dの電極グループにおいて、
例えば静電電極21aと静電電極21bとに交互に電圧
をかけることにより、静電電極21aおよび静電電極2
1bと、これらに対向する板ばね部材20の電極対向面
部20cとの間に交互に静電引力が働き、対物レンズ1
がX方向に傾くことになる。例えば静電電極21aに電
圧を加えたときには、静電電極21aと対向する電極対
向面部20cとの間に静電引力が発生し、その電極対向
面部20cが静電電極21a側に引きつけられ、回転軸
部20aを中心として、対物レンズ1が図13において
は反時計方向に傾く。
【0050】同様に、静電電極21bに電圧を加えたと
きには、静電電極21bと対向する電極対向面部20c
との間に静電引力が発生し、その電極対向面部20cが
静電電極21b側に引きつけられ、回転軸部20aを軸
として、対物レンズ1が図13においては時計方向に傾
く。
【0051】静電電極21a,21bの電極グループと
反対側に設置された静電電極21c,21dの電極グル
ープにおいても、前記と同様な静電引力を発生させるこ
とによってタンジェンシャル方向Xにおけるチルト調整
が行われる。
【0052】また、静電電極22aと静電電極22bに
交互に電圧を加えることにより、静電電極22aと静電
電極22bと、これらに対向する導電材からなる固定ブ
ロック5との間に交互に静電引力が働き、対物レンズ1
がY方向に傾く。例えば静電電極22aに電圧を加えた
ときには、静電電極22aと対向する固定ブロック5と
の間に静電引力が発生し、固定ブロック5が静電電極2
2a側に引きつけられ、チルト用回転軸7を中心とし
て、図12においては静電電極22a側の固定ブロック
5が図面に向かって奥側に傾く。
【0053】同様に、静電電極22bに電圧を加えたと
きには、静電電極22bと対向する固定ブロック5との
間に静電引力が発生し、固定ブロック5が静電電極22
b側に引きつけられ、チルト用回転軸7を中心として、
図12においては静電電極22b側の固定ブロック5が
図面に向かって奥側に傾く。
【0054】固定ブロック5が前記のように傾くことに
よって、対物レンズ1をラジアル方向Yにチルト調整す
ることが可能になる。
【0055】なお、第3実施形態における静電電極21
a〜21d,22a,22bは、設置面よりも突出した
状態で図示しているが、設置面と同一面あるいは埋め込
まれた状態にしてもよい。
【0056】なお、前記実施形態では、圧電素子を圧電
材に板ばねをサンドイッチしたバイモルフ構造として説
明したが、圧電素子としては、圧電材1枚と板ばね1枚
を張り合わせたユニモルフ構造でもよく、圧電素子と板
ばねを数枚張り合わせた積層バイモルフでもよい。さら
に共振対策を施した共振抑圧構造を持つものでもよい。
【0057】また、板ばね、あるいは板ばね部材の材料
としては、ベリリウム銅あるいはステンレス材のような
導電材を用いるが、部位によってはPET樹脂フィルム
などの絶縁体を用いてもよい。
【0058】以上のように、本実施形態によれば、従来
のフォーカシング,トラッキングアクチュエータの構
成、および構造的なスペースをほとんど変えることな
く、タンジェンシャル,トラッキング方向のチルト動作
が可能となる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チルト駆動手段を、アクチュエータの全体構成に影響を
さほど与えないフォーカス/トラッキング駆動手段の上
面側および下面側に配置することにより、従来のアクチ
ュエータの構成を大きく変更することなくチルト調整を
行うことが可能な光ピックアップ・アクチュエータを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための光ピッ
クアップを示す斜視図
【図2】本発明の第1実施形態の光ピックアップの要部
の平面図
【図3】本発明の第1実施形態の光ピックアップの要部
の正面図
【図4】圧電素子の一般的な構成の説明図
【図5】本発明の第2実施形態を説明するための光ピッ
クアップを示す斜視図
【図6】本発明の第2実施形態における対物レンズの正
面図
【図7】本発明の第2実施形態における対物レンズの平
面図
【図8】本発明の第2実施形態におけるアクチュエータ
フレームであるレンズホルダにおけるレンズ搭載部分を
示す平面図
【図9】本発明の第2実施形態におけるアクチュエータ
フレームであるレンズホルダにおけるレンズ搭載部分の
正面図
【図10】図6〜図9に示した各部材を組み付けた状態
を示す平面図
【図11】図6〜図9に示した各部材を組み付けた状態
を示す正面図
【図12】本発明の第3実施形態を説明するための光ピ
ックアップを示す平面図
【図13】本発明の第3実施形態の光ピックアップの正
面図
【図14】(a)はCDの光入射の状態の説明図、
(b)はDADの光入射の状態の説明図
【符号の説明】
1 対物レンズ 1c 回転軸用の突起 2 レンズホルダ 2c 受け部 4 ワイヤ 5 固定ブロック 6 キャリッジ 7 チルト用回転軸 8a,8b チルト駆動手段 9a,9b 圧電素子 10a,10b 圧電材 11a,11b 板ばね 13 レンズ保持部材 13a 回転軸部 13b 固定部 20 板ばね部材 20a タンジェンシャル・チルト用の回転軸 20c 電極対向面部 21a〜21d,22a,22b 静電電極 O 対物レンズ1の主点

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクに対して記録/再生を行うた
    め光スポットを集光する対物レンズを保持するレンズホ
    ルダと、このレンズホルダに設けられてフォーカシング
    方向,トラッキング方向に移動させるフォーカス/トラ
    ッキング駆動手段を備えた光ピックアップ・アクチュエ
    ータにおいて、 前記フォーカス/トラッキング駆動手段の上面側および
    下面側に光学的チルト調整を行うチルト駆動手段を配設
    したことを特徴とする光ピックアップ・アクチュエー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記チルト駆動手段を圧電材と板ばねと
    からなる圧電素子により構成し、前記圧電素子に電圧を
    加えて歪を生じさせることによってチルト調整を行う構
    成であることを特徴とする請求項1記載の光ピックアッ
    プ・アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記フォーカス/トラッキング駆動手段
    の上面側に設けられた前記圧電素子の一端を、前記フォ
    ーカス/トラッキング駆動手段の一部に固定し、他端を
    前記対物レンズをチルトさせる対物レンズ近傍の作用点
    に板ばねを介して連結させたことを特徴とする請求項2
    記載の光ピックアップ・アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記対物レンズをチルト調整方向に回転
    可能に支持するレンズチルト用回転軸を、前記圧電素子
    の板ばねと同一弾性材により構成したことを特徴とする
    請求項3記載の光ピックアップ・アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記対物レンズをチルト調整方向に回転
    可能に支持するレンズチルト用回転軸を、点接触あるい
    は線接触にて支持する回転軸支持部に配置したことを特
    徴とする請求項3記載の光ピックアップ・アクチュエー
    タ。
  6. 【請求項6】 前記レンズチルト用回転軸を前記対物レ
    ンズの光軸に直交する側面に突設させたことを特徴とす
    る請求項5記載の光ピックアップ・アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 前記回転軸支持部を前記フォーカス/ト
    ラッキング駆動手段に設けた複数の球状体としたことを
    特徴とする請求項5記載の光ピックアップ・アクチュエ
    ータ。
  8. 【請求項8】 前記フォーカス/トラッキング駆動手段
    の下面側に設けられた前記圧電素子の一端を、前記フォ
    ーカス/トラッキング駆動手段を所定位置にシークさせ
    るキャリッジに固定し、他端を前記フォーカス/トラッ
    キング駆動手段をチルトさせる作用点に板ばねを介して
    連結させたことを特徴とする請求項2記載の光ピックア
    ップ・アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 前記チルト駆動手段を、静電引力を生成
    してチルト調整を行う静電電極構造にしたことを特徴と
    する請求項1記載の光ピックアップ・アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 前記静電電極を前記フォーカス/トラ
    ッキング駆動手段の上面側における前記対物レンズ近傍
    に設置し、かつ前記対物レンズを板ばねからなる回転軸
    によってチルト方向に回動可能に連結したことを特徴と
    する請求項9記載の光ピックアップ・アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 前記静電電極を、前記フォーカス/ト
    ラッキング駆動手段の下面側における前記フォーカス/
    トラッキング駆動手段を所定位置にシークさせるキャリ
    ッジに固定したことを特徴とする請求項9記載の光ピッ
    クアップ・アクチュエータ。
  12. 【請求項12】 前記フォーカス/トラッキング駆動手
    段を、前記キャリッジに対してチルト用回転軸を介して
    チルト調整方向に回動可能に保持したことを特徴とする
    請求項8または11記載の光ピックアップ・アクチュエ
    ータ。
  13. 【請求項13】 前記チルト用回転軸における中心の延
    長線上に前記対物レンズの主点を配設したことを特徴と
    する請求項8または11記載の光ピックアップ・アクチ
    ュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7266058B2 (en) 2002-10-24 2007-09-04 Teac Corporation Objective lens drive having optical axis adjustment function
CN100416672C (zh) * 2001-12-26 2008-09-03 Tdk株式会社 光盘驱动设备、光学拾波器、及其制造方法和调节方法
CN102298934A (zh) * 2010-06-24 2011-12-28 香港中文大学 激光头组件和包含该激光头组件的光驱
WO2011160499A1 (en) * 2010-06-24 2011-12-29 The Chinese University Of Hong Kong Optical pickup assembly and drive system thereof

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