JP2002150585A - 光ディスク装置のアクチュエータ - Google Patents

光ディスク装置のアクチュエータ

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JP2002150585A
JP2002150585A JP2000343831A JP2000343831A JP2002150585A JP 2002150585 A JP2002150585 A JP 2002150585A JP 2000343831 A JP2000343831 A JP 2000343831A JP 2000343831 A JP2000343831 A JP 2000343831A JP 2002150585 A JP2002150585 A JP 2002150585A
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actuator
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Masaki Hiroi
正樹 廣居
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】情報を読み書きするときに不具合を生じさせる
チルトの影響を解消し、かつアクチュエータの高次共振
を抑圧する。 【解決手段】光ディスクに光ピックアップを用いて情報
を読み書きする装置であり、光学的チルト動作を圧電素
子を使用して動作させるアクチュエータであって、主動
作圧電素子1に、高次の共振モードを抑圧する補助用圧
電素子3を薄板2を挟んで追加し、両圧電素子1,3の
片端を固定手段10で固定する。主動作圧電素子1の上
面電極と補助用圧電素子3の下面電極に同じ電圧を印加
し、薄板2には逆の電圧を印加する。主動作圧電素子1
と補助用圧電素子3の共振モードの重畳により、主動作
圧電素子1の2次共振点を抑圧することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動特性における
高周波特性がよくなり、アクチュエータの高周波におけ
る制御が行い易くなり、かつ一般的な材料を使用するこ
とによるコストダウンが可能な光ディスク装置のアクチ
ュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に光ディスクを用いた情報記憶装置
として、CDやDVDなどがある。DVDなどはCDに
比べ記録密度が高いため、情報を読み書きするときの条
件が厳しくなっている。例えば、光ピックアップの光軸
とディスク面は垂直であることが理想であるが、実際に
はディスクが樹脂製のため、かなりうねりを持ってお
り、これを回転させると光ピックアップの光軸とディス
ク面は常に垂直ではなくなる(以降、チルトと表現す
る)。また、ディスクは、図16に示すように、記録層
108が樹脂層102(CDでは102a,DVDでは
102b)を介して存在するため、ディスク面が垂直で
なくなると、光路が曲げられてディスク上に正しくスポ
ット絞れなくなり、コマ収差103(CDでは103
a,DVDでは103b)が発生する。この収差が許容
される量よりも大きくなると、正しく読み書きができな
くなるという不具合が生じる。なお、101a,101
bはレーザ光を通過させる対物レンズである。
【0003】チルトの影響を少なくする手段としては、
対物レンズ101a,101bと記録層108の間の樹
脂層102a,102bを薄くすることが知られてい
る。実際に、DVD(図16(b))がCD(図16
(a))に比較して、対物レンズ101a,101bと
記録層108の間の樹脂層102a,102bの厚みが
半分であるのは、この効果を狙ったものである。しか
し、この方法を用いた場合、DVDよりも高密度記録を
しようとするときには、樹脂層102bをさらに薄くし
て、よりチルトの影響を少なくすることになるが、今度
はディスク上にゴミや傷が付いた場合に信号が正しく読
み書きできなくなる、という不具合が生じる。このた
め、アクチュエータによって光軸側を傾けて(チルト状
態にして)、対応しているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このチルト動作をさせ
る手段として、例えば特開平9−50637号公報に記
載の光学ピックアップのスキュー調整装置では、図14
に示すように、従来のアクチュエータのワイヤ固定部分
21を圧電素子(圧電バイモルフ素子)26に固定し、
圧電素子26のたわみを利用しているものがある。しか
し、このような方法では、どうしてもアクチュエータ自
体が大きくかつ重くなり、薄型化や高速応答に対しては
不利になる。また、単に圧電素子26の部分をつなげた
だけであると、圧電素子26の部分の高次共振が発生す
るため、コントロールが困難になる。なお、図14にお
いて、15は対物レンズ、18は光ディスク、23は二
軸ベースである。
【0005】この高次共振を抑圧する例として、チルト
動作ではないが、例えば特開平6−5943号公報に記
載の圧電アクチュエータおよびその駆動方法では、図1
5(a)に示すような電極パターンが用いられている。
すなわち、図15(a)は、圧電素子31(33)によ
り光学ヘッドをフォーカス・トラッキング方向に駆動す
るアクチュエータにおいて、互いに独立した一対の主電
極43,43A、副電極45,45Aおよびセンサ電極
47から構成されたパターンを示しており、全体として
矩形を形成することにより、バイモルフ型圧電素子31
の面積を電極面として有効に利用している。また、図1
5(b)は、圧電素子31を制御する構成図を示してい
る。この例では、フォーカス方向やトラッキング方向の
アクチュエータは圧電素子31で動作させ、そのとき起
きる高次共振の影響を電極パターンを工夫して、電極ご
とに制御することにより抑圧している。しかし、この方
法では、パターンごとに電極をつなげなければならず、
接続が繁雑になるため、実装上不具合が生じ、また制御
も複雑になる。
【0006】そのほかに、例えば特開平10−7913
5号公報に示すように、液晶板を用いて位相制御するこ
とによりコマ収差補正をする方法もある。すなわち、光
ピックアップの光軸が光ディスクの情報記録面に対し
て、垂直方向から傾く場合があり、これにより波面収差
(主にコマ収差)が発生するので、光ピックアップの光
軸付近にチルトセンサを設けて、光ディスクのラジアル
(半径)方向のチルトを検出し、得られたエラー信号を
液晶パネル駆動回路がチルトエラーに応じて液晶パネル
の位相差を調整することでチルト補正する。しかし、こ
の方法では、レーザーが液晶板を通過するため光量が減
衰し、書き込みに必要なエネルギーを得ることが困難で
あり、また液晶の特性から、特にタンジェンシャルチル
ト制御に要求される高周波動作に使用するのは困難であ
ると思われる。
【0007】そこで、本発明の目的は、これら従来の課
題を解決し、情報を読み書きするときに不具合を生じさ
せるチルトの影響を解消し、かつアクチュエータの高次
共振を抑圧することが可能な光ディスク装置のアクチュ
エータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による光ディスク装置のアクチュエータは、 光ディスクに光ピックアップを用いて情報を読み書き
する装置であり、光学的チルト動作を圧電素子を使用し
て動作させるアクチュエータにおいて、主動作圧電素子
に、高次の共振モードを抑圧する補助用手段を追加した
ことを特徴とする。 また、補助用手段が主動作圧電素子の厚み方向(圧電
素子がたわむ方向)に貼り付けてあることも特徴として
いる。 また、補助用手段が圧電素子であることも特徴として
いる。 また、補助用圧電素子の厚みが主動作圧電素子の厚み
と異なることも特徴としている。 さらに、補助用圧電素子の材料が主動作圧電素子の材
料と異なることも特徴としている。 さらに、圧電素子とは別に補助用手段が弾性体である
ことも特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
より詳細に説明する。 (第1の実施例)図1(a)は、本発明の第1の実施例
を示すアクチュエータの断面構成図である。図1(a)
には、チルトアクチュエータの動作部分に用いるアクチ
ュエータが示されている。本アクチュエータは、主動作
圧電素子1と補助用圧電素子3と薄板2から構成されて
おり、アクチュエータの左端部は固定手段10によって
固定されている。点Aは、自由端で主動作圧電素子の動
作出力点を表している。また、片側矢印は、圧電素子の
極性を示している。また、L1は主動作圧電素子1の長
さを、L3は補助用圧電素子3の長さを、t1は主動作
圧電素子1の厚さを、t3は補助用圧電素子3の厚さ
を、それぞれ示している。この実施例では、主動作圧電
素子1と補助用圧電素子3の厚さを等しくし、t1=t
3としている。また図示していないが、主動作圧電素子
1と補助用圧電素子3のそれぞれ上下表面には、一様の
電極が設置されており、薄板2は導電性の金属である。
【0010】太い線は電圧供給用の回路結線図を表して
おり、黒い丸は圧電素子上の電極との接点を表してい
る。主動作圧電素子1の上面電極と補助用圧電素子3の
下面電極は同じ電圧が加えられ、薄板2には逆の電圧が
加えられている。例えば、主動作圧電素子1の上面電極
と補助用圧電素子2の下面電極に(+)、薄板2に
(−)の電圧を加えると、アクチュエータはたわみ、点
Aは図中下の方に変位するとすると、電圧の極性を変え
ると点Aは上方向に変位する。電圧の極性をうまくコン
トロールすることにより、点Aは両側矢印で示すように
動作する。
【0011】図1(b)は、本発明のアクチュエータか
ら主動作圧電素子を抽出した断面図、図1(c)は同じ
く補助用圧電素子を抽出した断面図であり、図2(a)
(b)は、それぞれユニモルフ構造の圧電素子およびバ
イモルフ構造の圧電素子の断面図であり、図3(a)は
図2(a)(b)の圧電素子の共振モードを示す特性図
である。本発明のアクチュエータは、図1(b)で示し
たユニモルフ構造の圧電素子と図2(c)で示した圧電
素子を接着剤で貼り合わせて構成している。図2(c)
の点Bは補助用圧電素子の自由端の位置を示している。
一般に図2(a)で示したユニモルフ構造の圧電素子や
図2(b)のバイモルフ構造の圧電素子の共振モード
は、図3(a)のようなモードになる。すなわち、(a
−1)は1次モード、(a−2)は2次モード、(a−
3)は3次モードを示している。図3(a)では、固定
端側と自由端側とで、図2で示した構造を簡略化して線
で表しており、共振の振幅から明らかなように点Aが各
モードで大きく上下に変位していることがわかる。
【0012】図3(a−1)に示すように、1次モード
は2次曲線状にたわんでいる。図3(a−2)に示すよ
うに、2次モードは1次モードとは位相が180°ずれ
て3次曲線状にたわんでいる。図3(a−3)に示すよ
うに、3次モードは2次モードとは位相が180°ずれ
て4次曲線状にたわんでいる。このモードの点Aでの振
動特性図で表すと、図3(b)のようになる。この図か
ら明らかなように、各共振モードの時に入出力比がそれ
ぞれピークを示しており、各モードの時に大きいことが
わかる。このように高次共振が存在すると、アクチュエ
ータの制御が複雑になり、実質的に制御は困難になる。
そこで、本発明においては、図1(a)で示したような
構成を用いることにより、このような高次共振を抑制す
ることが可能にした。
【0013】図4(a)(b)(c)のうち、(b)
(c)が図1の主動作圧電素子および補助用圧電素子の
共振モードの図であり、(a)が(b)(c)を重畳し
た共振モードの図である。また、図5は、図4において
重畳された場合の入出力比を示す図である。すなわち、
図4(a)は本発明を使用したときの共振モードを示し
ている。図1(b)で示した主動作用圧電素子の2次モ
ードと、図1(c)で示した補助用圧電素子の1次モー
ドは、それぞれ図4(b)、(c)のようになる。図4
(b)が左端部から徐々に上を凸に上側に増えていく状
態に対し、図(c)は左端部から徐々に下を凸に上側に
増えていく状態であり、これらを重ね合わせると、図4
(a)に示すように点Aではほとんど大きな変位はなく
なる。このため、A点では見かけ上共振点はなくなった
状態になる。このような本発明の点Aでの振動特性図
(入出力比)を表すと、図5に示すようになる。主動作
圧電素子の1次共振点は、補助圧電素子には抑圧されて
いないため存在する(1')が、2次共振点は補助圧電
素子の1次共振点に抑圧されるため、ほとんど見えなく
なる。高周波側に見えている共振点(2')は、主動作
圧電素子の3次共振点の影響で残っているものである。
このように、本実施例を使用することにより、高次の共
振を抑圧することができる。
【0014】(第2の実施例)図6(a)は、本発明の
第2の実施例を示すアクチュエータの断面構成図であ
り、図6(b)(c)はそれぞれ第1の実施例のアクチ
ュエータの圧電素子、およびさらに第2の実施例により
付加される圧電素子の断面図である。第2の実施例に示
すアクチュエータは、図1(a)で示した第1の実施例
構成のアクチュエータに、さらに補助圧電素子3aを付
加したものである。補助用圧電素子3aと主動作圧電素
子1との間には、薄板2aが設けられる。図6(a)に
示すアクチュエータの構成は、図6(b)で示した第1
の実施例構成の圧電素子と、図6(c)で示した圧電素
子を接着剤で貼り合わせて構成している。図6(c)の
点Cは、補助用圧電素子3aの自由端の位置を示してい
る。
【0015】図6(a)において、太い線は電圧供給用
の回路結線図を表しており、黒い丸は電極との接点を表
している。主動作圧電素子1の上面電極と補助用圧電素
子3の下面電極と薄板2aは同じ電圧が加えられ、薄板
2と補助用圧電素子3aには逆の電圧が加えられてい
る。直接電圧が加わらなくても薄板2aに主動作圧電素
子1と同じ電圧が加えられるのは、主動作圧電素子1の
上面電極に加えられた電圧が上面電極を伝わって薄板2
aまで導通するからである。
【0016】図7(b)(c)(a)は、それぞれ主動
作圧電素子1の3次モード、補助用圧電素子3aの1次
モード、および(b)と(c)を重畳したモードの特性
図である。図6(b)で示した第1の実施例の圧電素子
は2次共振点を抑圧しているが、3次共振点の影響が残
っている(図5参照)。通常は2次共振点を抑圧するこ
とで十分であるが、本実施例では、さらに高次の共振点
を抑圧することができる。図6(b)で示した第1の実
施例の圧電素子の振動特性図は、図5で示した通りであ
るが、図5の共振点(2')の振動モードは図3(a)
の(a−3)の3次モードと同じような状態であり、あ
らためて図7(b)に示す。このとき補助圧電素子3a
の上面の電圧の極性は、構造上、主動作圧電素子1の上
面の電圧極性とは反対になるため、補助圧電素子3aの
1次モードは図7(c)のようになる。
【0017】図8は、図7における重畳された場合の主
動作圧電素子のA点の入出力比(振動特性)を示す図で
ある。図7(b)の振動モードと図7(c)の振動モー
ドを重ね合わせると、図7(a)に示すように、点Aで
はほとんど大きな変位はなくなる。このため、主動作圧
電素子1のA点では、見かけ上共振点はなくなった状態
になる。このような本実施例における点Aでの振動特性
図で表すと、図8に示すようになる。共振点(2')
は、補助圧電素子3aの1次共振点に抑圧されて、ほと
んど見えなくなる。このように、本実施例を使用するこ
とにより、さらに高次の共振を抑圧することが可能とな
る。ここまでは、本発明のアクチュエータはユニモルフ
構造に対して述べてきたが、バイモルフ構造でも同じよ
うな効果を得ることができるのは勿論である。
【0018】(第3の実施例)図9(a)(b)(c)
は、本発明の第3の実施例を示すアクチュエータの断面
構成図、バイモルフ構造の圧電素子の断面図、および補
助用圧電素子の断面図である。第3の実施例では、図9
(a)に示すように、バイモルフ構造の主動作圧電素子
1,1Aに補助用圧電素子3を貼りつける。圧電素子
1,1Aの間には、薄板2が挿入されている。すなわ
ち、図9(b)で示したバイモルフ構造の圧電素子1,
1Aと、図9(c)で示したユニモルフ構造の補助用圧
電素子3を接着剤で貼り合わせて構成している。図9
(c)の点Bは、補助用圧電素子3の自由端の位置を示
している。図9(a)において、太い線は電圧供給用の
回路結線図を表しており、黒い丸は電極との接点を表し
ている。上の主動作圧電素子1の上面電極と下の主動作
圧電素子1Aの下面電極は同じ電圧が加えられ(いわゆ
るパラレル型)、補助用圧電素子3の下面電極と薄板2
には逆の電圧が加えられている。
【0019】振動モードの特性図は記載を省略するが、
これまで述べてきた第1および第2の実施例と同様に、
バイモルフ構造の主動作圧電素子1,1Aの2次モード
と、補助圧電素子3の1次モードを組み合わせることに
より、バイモルフ構造の主動作圧電素子の2次共振を抑
圧できる。また、これまで補助圧電素子3は主動作圧電
素子1,1Aと同じ材料で、かつ同じ厚さのものを前提
に述べてきたが、特に同じ厚さや同じ材料である必要は
ない。
【0020】(第4の実施例)図10は、本発明の第4
の実施例を示すアクチュエータの断面構造図であって、
補助用圧電素子の厚さを厚くした実施例である。補助用
圧電素子4の厚さは、主動作圧電素子1の厚さよりも厚
くなっている。例えば、圧電素子を薄くすると低電圧駆
動することができるが、圧電素子を薄く作ることは技術
的に難しい方向であり、薄くなればその取り扱いの困難
さも増す。この場合、補助用圧電素子だけでも厚めの圧
電素子を使用できれば、組み付けもし易くなり、コスト
も安くなるので、メリットがある。補助用圧電素子の厚
さを厚くすると、補助用圧電素子4の長さL4は前述し
てきた補助用圧電素子3の長さL3よりも短くなる。
【0021】(第5の実施例)図11は、本発明の第5
の実施例を示すアクチュエータの断面構造図であって、
補助圧電素子材料を主動作圧電素子とは違う材料にした
実施例である。補助用圧電素子5の材料特有の発生変位
は、主動作圧電素子1の材料特有の発生変位よりも低
い。例えば、主動作圧電素子1は低電圧で高変位の材料
が望ましいが、低電圧で高変位の材料を作ることは技術
的に難しい方向である。このとき、補助用圧電素子5だ
けでも汎用の圧電素子を使用できれば、組み付けもし易
くなり、かつコストも安くなるので、メリットがある。
補助用圧電素子5の材料を主動作圧電素子1の材料より
も低変位である材料にすると、補助用圧電素子5の長さ
は前述してきた補助圧電素子3,4よりも長くなる。
【0022】(第6の実施例)図12は、本発明の第6
の実施例を示すアクチュエータの断面構造図であって、
補助圧電素子を圧電素子以外の補助用手段に置き替えた
実施例である。これまで補助用手段は、圧電素子の場合
を述べてきたが、補助用手段はバネ材として用いられる
金属やプラスチックなどの弾性体でも良い。図12は、
金属やプラスチックなどの補助用弾性体を用いた場合を
示す。図12のアクチュエータは、主動作圧電素子1と
補助用弾性体6と薄板2から構成されており、アクチュ
エータの左端部は固定手段10によって固定されてい
る。点Aは自由端で、主動作圧電素子1の動作出力点を
表している。また、片側矢印は圧電素子の極性を示して
いる。
【0023】L1は主動作圧電素子1の長さを、L6は
補助用弾性体6の長さを、t1は主動作圧電素子1の厚
さを、t6は補助用弾性体6の厚さを、それぞれ示して
いる。また、図示していないが、主動作圧電素子1の上
下表面には一様の電極が設置されており、薄板2は導電
性の金属である。図12において、太い線は電圧供給用
の回路結線図を表しており、黒い丸は電極との接点を表
している。この場合、弾性体6自身でたわむ力を発生さ
せることができないため、変位自体は圧電素子を用いた
ときよりも小さいが、前述してきたような共振を抑圧す
る効果はあり、かつ、補助用手段部分の材料費が圧電素
子を用いたときよりも安くできるため、コストダウンが
可能である。
【0024】(第7の実施例)図13は、本発明の第7
の実施例を示すアクチュエータの斜視図であって、本発
明のアクチュエータをチルトアクチュエータに使用した
実施例である。図13(a)では、本発明のアクチュエ
ータを4本使用したチルト用アクチュエータが示されて
いる。薄板中央の矩形部2は、通常レンズまたはミラー
を置く。主動作圧電素子1と薄板を挟んで補助用圧電素
子3が、U1〜U4の4組設けられており、各主動作圧
電素子1の片端面は固定手段10により固定されてい
る。
【0025】本発明のアクチュエータが両矢印の示すよ
うに、アクチュエータU1とU3と、アクチュエータU
2とU4が互いに反対方向に動いたとすると、薄板2の
矩形部分は円弧状の両矢印のようにX軸を軸としてチル
ト動作する。図13(b)は、薄板2の形状を表した平
面図である。また、図示していないが、アクチュエータ
U1とU2と、アクチュエータU3とU4が互いに反対
方向に動いたとすると、薄板2の矩形部分は円弧状の両
矢印の垂直方向(Y軸を軸とした)にチルト動作する。
【0026】以上、本発明を説明するため第1〜第7実
施例を示してきたが、本発明はこれらの実施例に限られ
ることなく、他にも応用できることはいうまでもない。
例えば、実施例では圧電素子の極性を一方向に限定して
説明していたが、構造や必要に応じて極性を変えても良
いことはいうまでもない。また、実施例中、電極との接
点表現で黒丸を示しているが、この接点の位置は電気的
に接していることを表現しているだけで、電気的接続が
できれば接点の位置はどこでも良い。
【0027】また、実施例では、チルト動作用のアクチ
ュエータとして述べてきたが、フォーカス用やトラッキ
ング用に応用できることはいうまでもない。このよう
に、本発明を使用すれば、アクチュエータの高次共振を
抑圧でき、情報を読み書きするときに不具合を生じさせ
るチルトの影響を、効率良く解消することができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
主動作圧電素子に、高次の共振モードを抑圧する補助用
手段を追加したので、振動特性の高周波特性が良くな
り、アクチュエータの高周波における制御がし易くなる
(請求項1)。また、補助用手段が主動作圧電素子の厚
み方向(主動作圧電素子がたわむ方向)に貼り付けてあ
るので、簡単な構成で振動特性の高周波特性が良くな
り、アクチュエータの高周波における制御がし易くなる
(請求項2)。
【0029】また、補助用手段が圧電素子で構成されて
いるので、出力変位を損なうことなく振動特性の高周波
特性が良くなり、アクチュエータの高周波における制御
がし易くなる(請求項3)。また、補助用圧電素子の厚
みが主動作圧電素子の厚みと異なるので、補助圧電素子
の方を組み付けやすく、かつ低コストでつくることがで
き、コストダウンを図ることができる(請求項4)。
【0030】また、補助用圧電素子の材料が主動作圧電
素子の材料と異なるので、補助圧電素子の方に一般的な
材料を使用することができ、コストダウンを図ることが
できる(請求項5)。さらに、補助用手段が圧電素子で
なく金属やプラスチック等の弾性体を利用できるので、
さらにコストダウンを図ることができる(請求項6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すアクチュエータの
断面構造図である。
【図2】本発明に利用されるユニモルフおよびバイモル
フ構造の圧電素子の断面構造図である。
【図3】本発明で利用されるユニモルフおよびバイモル
フ構造の圧電素子の共振モードの図ならびに点Aにおけ
る振動特性図である。
【図4】本発明の第1の実施例のアクチュエータを用い
たときの共振モードの図である。
【図5】本発明による主動作圧電素子の点Aにおける振
動特性図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示すアクチュエータの
断面構造図である。
【図7】本発明の第2の実施例のアクチュエータを用い
たときの共振モードの図である。
【図8】図7における主動作圧電素子の点Aにおける振
動特性図である。
【図9】本発明の第3の実施例を示すアクチュエータの
断面構造図である。
【図10】本発明の第4の実施例を示すアクチュエータ
の断面構造図である。
【図11】本発明の第5の実施例を示すアクチュエータ
の断面構造図である。
【図12】本発明の第6の実施例を示すアクチュエータ
の断面構造図である。
【図13】本発明の第7の実施例を示すチルトアクチュ
エータの断面構造図である。
【図14】従来におけるチルト動作をさせるアクチュエ
ータの断面構造図である。
【図15】従来におけるアクチュエータの電極構造を示
す断面図である。
【図16】従来におけるCDおよびDVDの対物レンズ
と記録層の間の樹脂層の説明図である。
【符号の説明】
1,1A…主動作圧電素子、3,3a…補助用圧電素
子、2,2a…薄板、10…固定手段、4…厚さのある
補助用圧電素子、5…材料の異なる補助用圧電素子、1
01a,b…対物レンズ、6…金属やプラスチックの弾
性体を用いた補助用手段、102a,b…樹脂層、10
3a,b…コマ収差、108…記録層、t1…主動作圧
電素子1の厚さ、t3,t3a…補助用圧電素子3の厚
さ、t4,t5…補助用圧電素子4,5の厚さ、t6…
補助用手段6の厚さ、U1〜U4…チルトアクチュエー
タの圧電素子の各組、L1…主動作圧電素子1の長さ、
L3〜L5…補助用圧電素子3〜5の長さ、L6…補助
用手段の長さ、A…主動作圧電素子1の自由端、B…補
助用圧電素子3の自由端。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクに光ピックアップを用いて情
    報を読み書きする光ディスク装置であり、かつ光学的チ
    ルト動作を圧電素子を使用して動作させるアクチュエー
    タにおいて、 主動作の圧電素子に、高次の共振モードを抑圧する補助
    用手段を追加構成したことを特徴とするアクチュエー
    タ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアクチュエータにおい
    て、 前記補助用手段が主動作圧電素子の厚み方向に貼り付け
    られて構成されることを特徴とするアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のアクチ
    ュエータにおいて、 前記補助用手段が圧電素子であることを特徴とするアク
    チュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のアクチュエータにおい
    て、 前記補助用の圧電素子の厚みが、主動作圧電素子の厚み
    と異なることを特徴とするアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のアクチュエータにおい
    て、 前記補助用の圧電素子の材料が、主動作圧電素子の材料
    と異なることを特徴とするアクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載のアクチ
    ュエータにおいて、 前記補助用手段が弾性体であることを特徴とするアクチ
    ュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20160190428A1 (en) * 2014-12-31 2016-06-30 Lg Display Co., Ltd. Multilayer actuator and display device comprising the same

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