JP2001342563A - 光学薄膜の膜厚制御方法及び膜厚制御装置 - Google Patents

光学薄膜の膜厚制御方法及び膜厚制御装置

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JP2001342563A
JP2001342563A JP2000162976A JP2000162976A JP2001342563A JP 2001342563 A JP2001342563 A JP 2001342563A JP 2000162976 A JP2000162976 A JP 2000162976A JP 2000162976 A JP2000162976 A JP 2000162976A JP 2001342563 A JP2001342563 A JP 2001342563A
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JP2000162976A
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Kenji Takahashi
健二 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光量による膜厚制御と、成膜時間
による膜厚制御とを的確に組み合わせて、極めて正確な
膜厚制御を行うことが可能な光学薄膜の膜厚制御装置を
提供する。 【解決手段】 本発明の光学薄膜の膜厚制御装置は、成
膜中の光学薄膜からの特定の光に対する反射光量若しく
は透過光量又はその両方を検出し電気信号に変換して、
測定する受光部72,79と、受光部72,79からの
電気信号を演算処理し、光量による膜厚制御及び成膜時
間による膜厚制御を行う演算処理部85と、演算処理部
85が膜厚制御するため参照するデータを保存する記憶
回路部87と、前記演算処理部85が膜厚制御するため
前記演算処理部85からの指令に基づき成膜時間を計測
するタイマーカウンタ88とを有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明ほ、光学薄膜を蒸着法
やイオンプレーティング法等の成膜方法で成膜する際の
膜厚制御方法及び膜厚制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板上に真空蒸着法等により、特定の屈
折率等の特性を得るため所定の膜厚を備えた光学薄膜を
成膜するためには、成膜中、基板又はモニター基板上の
光学薄膜へ光を照射し、当該光学薄膜からの反射光又は
透過光のうちフィルター等を通過した単色光を検知し
て、その光強度の時間的変化を電気信号に変換して測定
し、前記電気信号が極大値又は極小値(以下、「極値」
という。)に達したとき、成膜を終了する方法が一般に
知られている。
【0003】前記光強度の時間的変化は2次曲線等の曲
線で近似できるため、電気信号に変換された光強度の曲
線を監視し、それが極値に達したとき成膜を終了すれ
ば、その光学薄膜の屈折率をn、その物理的膜厚をd、
前記単色光の波長をλとすると、その光学薄膜の光学杓
膜厚ndは、λ/4の整数倍となるので、所望の屈折率
を有する光学薄膜を得ることができる。
【0004】一方、上記極値で成膜を終了する膜厚制御
方法のみでは、成膜速度の急低下等の成膜異常を検出で
きない。この成膜異常に対応する成膜進行状況監視方法
が特開平4−141583号公報に記載されている。
【0005】同号公報には、現時点から所定の時間幅だ
けさかのぼった時点以降の光強度の時間的変化を基礎と
する曲線近似による成膜進行状祝を監視する方法におい
て、前記時間幅として異なる複数の時間幅を設定し、そ
の複数の時間幅を基礎として複数の近似曲線を決定し、
その複数の曲線の極値を与える各時刻が許容値範囲外で
ある場合、成膜異常と判断し、ただちに成膜を停止する
ことにより成膜異常を回避して、課題を解決している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、反射光
若しくは透過光の強度変化に相当する光量変化を読み込
んで、極値を判定する従来の方法の場合、図13に示す
ように、実際の膜厚に対応する光量変化の信号121に
対して実際に測定される信号122が膜厚制御過程で発
生するノイズ成分を含んでいるため、信号の変化量が小
さくなる極値付近では、光量変化の設定値Rtで成膜を
終了させたときの膜厚n2と、目標とした膜厚n1とで
大きな差が生じる。
【0007】また、前記特開平4−141583号公報
の成膜進行状況監視方法では、成膜異常を回避する方法
が開示され、さらに、成膜異常でないものに対しては極
値を過ぎて成膜されることを回避する方法も開示されて
いるが、前記ノイズを考慮していないため、正確な膜厚
制御ができない。
【0008】また、同号公報では、反射光又は透過光の
いずれか一方のみの光量変化の極値を検出する方法のみ
が開示されており、その両方を検出する方法と比較し、
SN比が低く、膜厚制御の正確性が低下するという課題
もある。
【0009】また、極値のみで成膜を終了している場合
は、λ/4の整数倍の膜厚のみしか得られない。しか
し、良好な光学特性を得ようとすると、その中間にある
任意の値の膜厚が、調整層として必要になる場合があ
る。
【0010】従来技術では、このような場合に対応して
おらず、良好な光学特性が得られない場合があるという
課題もある。
【0011】本発明は、前記従来技術の課題に鑑みてな
されたもので、光量による膜厚制御と、成膜時間による
膜厚制御とを的確に組み合わせて、極めて正確な膜厚制
御を行うことが可能な光学薄膜の膜厚制御方法及び膜厚
制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
成膜中の光学薄膜からの特定の波長の光に対する反射光
量若しくは透過光量、又はその両方を検出し電気信号に
変換して測定される光量による膜厚制御と、成膜時間に
よる膜厚制御とを組み合わせた光学薄膜の膜厚制御方法
であって、前記いずれかの光量が、その光量の測定時に
発生するノイズの影響を受けない範囲に設定された基準
値に到達するまでは、前記いずれかの光量による膜厚制
御を行い、前記基準値を経過後は、成膜時間による膜厚
制御に切り替え、前記いずれかの光量の設計値の所望の
膜厚に相当する時間に到達したき、成膜を終了する膜厚
制御を行うことを特徴とするものである。
【0013】請求項1記載の発明において、空気と光学
薄膜の界面及び光学薄膜と当該光学薄膜の成膜される基
板との界面での光の振幅反射率をそれぞれr1,r2と
し、特定波長をλとし、光学的膜厚をndとすると、設
計上の反射光の光強度Rは、下記数1で表すことができ
る。
【0014】
【数1】
【0015】よって光学薄膜を一定の成膜厚速度で成膜
している場合の波長λの光の反射強度Rは、光学薄膜の
膜厚ndに対して図11のように変化する。
【0016】即ち、極大値が(r1+r2)、極小値
が(r1−r2)の正弦波関数となる。
【0017】図11から明らかなように、反射光の光強
度Rが極大値又は極小値になったとき、光学的膜厚nd
=mλ/4(m=1,2,3‥)であるから、反射光を
光学薄膜成膜中に測定し、極値で停止させれば光学的膜
厚ndをλ/4の整数倍の厚さに制御できる。
【0018】反射光の光強度Rは反射光量に相当し、数
1に示すように、正弦波状に変化する。一般に、「光強
度」は「光量」ともいうので、以下「光量」という用語
を使用する。透過光量も同様に、位相は180度異なる
が正弦波状になる。数1の光量Rは計算により求めるこ
とができるので、以下、「設計光量」ともいう。
【0019】数1において、光学的膜厚ndは、成膜速
度が決まれば時間で置き換えることができる。光学薄膜
の成膜速度をλ/4πとすると、時間tにおける光量R
の計算値は、数1よりnd=λ/4π×tであるので、
下記数2のように表すことができる。
【0020】
【数2】
【0021】以下、このようにして求められた光量Rに
ついても、設計光量という。数2の光量Rの時間軸に対
する値は、図12に示すようになる。
【0022】図11において、所望の膜厚を光量Rが極
大値を示す手前の値をnd1、光量Rが極小値を示す手
前の値をnd2とすると、それらのときの設計光量はそ
れぞれRp1、Rp2となり、図12において所望の膜
厚に対応する設計光量Rp1、Rp2を示す時刻は、そ
れぞれTp1、Tp2となる。
【0023】ノイズの影響を受けない範囲に設定された
光量の基準値を極大値に対してRm1、極小値に対して
Rm2とすると、基準値Rm1、Rm2は極値付近のノ
イズの影響を受ける範囲外にあり、かつ、ノイズの最大
値(PV値)を考慮して、実際に測定される光量である
測定光量を検出して光量による膜厚制御を行う場合に
は、基準光量はRm1、Rm2とその値から所定の値を
減算又は加算した値までの幅を持たせた範囲とする。こ
れは、測定がばらつくが、ノイズの影響けない範囲にそ
の値を収めるためである。
【0024】以下、基準値Rm1、Rm2というとき
は、上記幅を持たせた基準値を意味するものとする。
【0025】成膜が開始すると、光学薄膜が成膜される
にしたがい、測定光量は増加又は減少して行くので、基
準値Rm1又はRm2までは光量による膜厚制御を行
い、基準値値Rm1又はRm2に到達したとき成膜時間
による制御に切り換え、時刻がTp1又はTp2に到達
したとき成膜を終了する。
【0026】このように膜厚を制御すると、所望の膜厚
nd1、nd2に極めて近く誤差のほとんどない膜厚の
光学薄膜が得られる。
【0027】光量による膜厚制御においては、所定のタ
イミングで、そのときの測定光量と予め設定された基準
値Rm1又はRm2と比較し、それらの値に到達してい
ないときは、成膜を継続させる膜厚制御を行う。
【0028】成膜時間による膜厚制御においては、基準
値Rm1又はRm2を示す時刻Tm1又はTm2と予め
設計されている所望の膜厚に到達する時刻Tp1又はT
p2までの時間を演算により求め、その時間を計測し、
時刻Tp1又はTp2に到達したとき成膜を終了させる
膜厚制御を行なう。
【0029】このように厚制御を行なえば、ノイズの影
響を排除することできる。尚、膜厚制御を極値となる時
刻Tpで終了させる場合も、上記所望の膜厚の特定な値
を求めることになり、上記と同様膜厚制御ができる。
【0030】また、設計光量については電気信号に変換
された反射光量若しくは透過光量又はその両方の値がそ
の数値は異なっても、前記数1及び数2で計算できるの
で、本発明を適用できる。また、測定光量については、
電気信号に変換された反射光量若しくは透過光量又はそ
の両方の検出が可能なので、本発明を適用できる。
【0031】請求項2記載の発明は、成膜中の光学薄膜
からの特定の波長の光に対する反射光量若しくは透過光
量、又はその両方を検出し電気信号に変換して測定され
る光量による膜厚制御と、成膜時間による膜厚制御とを
組み合わせた光学薄膜の膜厚制御方法であって、前記い
ずれかの光量が、その光量の測定時に発生するノイズの
影響を受けない範囲に設定された基準値に到達するまで
は、前記いずれかの光量による膜厚制御を行い、前記基
準値を経過後は、成膜時間による膜厚制御に切り替え、
前記いずれかの光量の設計値の極大値又は極小値に相当
する時間に到達したとき、成膜を終了する膜厚制御を行
うことを特徴とするものである。
【0032】請求項2記載の発明は、極値を検出して成
膜を終了する膜厚制御方法であり、本発明にも前記数1
及び数2を適用できる。
【0033】正弦波状に変化する光量の極値を検出して
成膜を終了させる方法では、極値付近は光量変化量が小
さく、ノイズの影響を受け易いので正確な膜厚制御がで
きない。
【0034】そこで、成膜を開始してから、検出し電気
信号に変換して測定した光量を監視し、測定光量が極値
に到達する手前であって、ノイズの影響を受けない設定
された基準値に前記測定光量が到達するまでは測定光量
による膜厚制御を行い、前記測定光量が基準値に到達し
た後は、成膜速度から換算された成膜時間による膜厚制
御にに切り替え、基準値に到達した時刻から、前記数2
により求められる設計値の極値を示す時刻までの時間を
演算し、演算によって求められた極値に相当する時間に
到達したとき成膜を終了させる制御を行えば所望の光学
膜厚を得ることができる。この場合、ノイズの影響を受
けずに膜厚制御を行えるので、正確な膜厚制御が可能と
なる。
【0035】尚、基準値に到達した後、成膜速度が変化
した場合、極値に到達す時間に誤差が生ずる場合がある
が、基準値までは成膜速度に対応した光量による膜厚制
御を行っており、基準値から極値に到達するまでの時間
は小さいことから、ノイズによる誤差と比較しその誤差
は無視できるほど小さい。
【0036】また、この膜厚制御方法は、反射光量若し
くは透過光量又はその両方を判定したときも、各光量は
前記の如く正弦波状に変化するので、いずれの場合にも
適用できる。
【0037】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の膜厚制御方法において、前記成膜時間による膜厚制
御が、成膜時間に対する膜厚の大きさを学習して、その
経験値に基づいて成膜時間を決定することを特徴とする
ものである。
【0038】前記成膜時間による膜厚制御では、基準値
に到達してから設計上の極値に到達する時刻までを演算
し、その時間を計測して、極値を示す時刻に到達する時
刻に成膜を終了して膜厚制御を行っていた。
【0039】前記極値に到達するまでの時間は計算値と
して算出されるものであり、その間は成膜速度が一定で
あことを前提としている。
【0040】また、成膜速度が変化しても、成膜時間に
よる膜厚制御時間は短いことから、その誤差は小さく、
従来の光量のみによる膜厚制御による誤差に比ベれは無
視できるほど小さいが誤差が生ずることには変わりがな
い。
【0041】そこで、本発明では、請求項1又は2記載
の方法で膜厚制御を繰り返し、成膜時間による膜厚制御
の間における実際の成膜速度のデータを取出し、その成
膜速度の内、最も確率の高い成膜速度を本発明の成膜装
置に学習させ、その経験値により、前記計算による補正
をかけ、膜厚を制御する。このようにして、成膜時間に
よる制御を行なえば高精度な膜厚制御が可能となる。
【0042】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれかに記載の光学薄膜の膜厚制御方法におい
て、前記基準値を、所望の光学的膜厚と前記特定波長を
含む成膜条件を入力し演算することにより求められた時
間軸に対する前記いずれかの光量の設計値の極大値又は
極小値を示す時刻より前の時刻における第1のサンプリ
ング時の光量の設計値と、前記第1のサンプリグ時から
単位時間だけ前記極大値又は極小値を示す時刻に近い第
2のサンプリグ時の光量の設計値の前記単位時間におけ
る光量変化量が、前記いずれかの光量を検出し電気信号
に変換する光量測定系について実測したノイズの最大値
の2倍の値より大きくなる前記第2のサンプリング時の
光量の設計値とその値から、前記ノイズの最大値を、極
大値を検出して所望の膜厚を得る場合その設計値から減
算して得た値と、極小値を検出して所望の膜厚を得る場
合その設計値に加算して得た値までの間となる値の範囲
内に設定することを特徴とするもものである。
【0043】この発明においては、成膜前に光量測定時
に発生するノイズを計測してそのPV値を求めるととも
に、前記数2により時間軸に対する設計光量を求め、そ
の設計光量の単位時間の間隔ごとのサンプリングによる
光量変化量を求める。光量変化量は極値の中間で最大と
なり、時刻が極値に近づくに従い小さくなるので、その
光量変化量と前記ノイズのPV値の2倍の値とを比較
し、ノイズのPV値の2倍の値より大きな光量変化量を
示すときの設計光量から、極大値を検出する場合は、そ
の設計値からノイズのPV値を減算し、極小値を検出す
る場合は、その設計値に加算した範囲内にある測定光量
を基準値として設定する。
【0044】上述したサンプリングとは、成膜を開始し
てから、成膜が終了するまでの期間に単位時間ごとにそ
の時刻における設計光量と測定光量を算出及び測定し、
成膜の進行状祝を監視する作用をいう。
【0045】ここに、単位時間とは、ある時刻における
サンプリングと次の時刻におけるサンプリグの間の時間
間隔をいう。
【0046】光量による膜厚制御では、例えば、極大値
を検出する場合は、サンプリングごとの測定光量を測定
し、測定光量が増加から減少に転ずる時刻が求める極大
値となる。したがって、前記単位時間は短ければ短いほ
どよいことになる。極小値を求める場合も同様である.
【0047】しかし、ノイズの影響を考慮すると、前記
単位時間が短すぎる場合、その時間における光量変化量
がノイズにより識別できなくなることがある。即ち、単
位時間を短くするに伴い、単位時間当たりの光量変化量
が小さくなり、ノイズの値より小さくなる結果、光量変
化量が識別できなくなる。
【0048】光量変化量が識別できないと極値の検出が
できなくなり、光量による膜厚制御ができなくなる。
【0049】本発明においても、上記状況を考慮し、単
位時間を、光量による制御の精度の許容値の範囲で適正
値に設定する。単位時間を設定すれば、基準値は設計光
量を基準として次のように設定できる。
【0050】即ち、極大値を検出して膜厚制御を行う場
合、第1のサンプリング時の設計光量と単位時間経過後
の第2のサンプリング時の測定光量の差分である光量変
化量は、第1のサンプリング時における測定光量がノイ
ズにより最大値をとり、第2のサンプリグ時における測
定光量が最小値になるとき最もノイズの影響を受ける。
【0051】第1のサンプリング時の測定光量の最大値
は、その時刻における設計光量にノイズのPV値が加算
された値である。
【0052】また、第2のサンプリング時における測定
光量の最小値は、その時刻における設計光量からノイズ
のPV値を減算した値である。この時、測定光量は設計
光量に対し最大誤差となる。
【0053】従って、単位時間隔てた第1と第2のサン
プリング時における設計光量の差分となる光量変化量が
ノイズのPV値の2倍の値より大きければ、その光量変
化量はノイズの影響を受けずに検出できることになる。
【0054】一方、光量による膜厚制御を行っている場
合は、常に測定光量を検出しているので、ノイズの影響
を受けないことが判明している第2のサンプリング時の
測定光量の最小値、即ち、その時刻の設計光量値からノ
イズのPV値を減算した値を基準値として設定すれば、
ノイズの影響を受けない範囲に基準値を設定することが
できる。なぜならば、第1のサンプリング時の測定光量
の値が設計値から最大の誤差となる最大値を示しても、
基準値より小さいので、膜厚制御装置が誤認識すること
がないからである。
【0055】しかし、実隙の実測した結果では、第1の
サンプリング時と、第2のサンプリング時とで共にその
測定光量が設計値に対し最大誤差を示す場合はほとんど
ない。それに加えて、測定光量の単位時間の光量変化量
が最小となる方向に最大誤差が発生する確率はさらに低
くなる。
【0056】従って、ノイズによる誤差の方向が平均さ
れてゼロとなる第2のサンプリング時の光量の設計値と
その値から、最大誤差を生ずるその設計値とその値から
ノイズのPV値を減算した値までの間となる範囲内に基
準値を設定することにより、ノイズの影響を除去でき、
かつ、ノイズの挙動に対応した適正な値とすることがで
きる。
【0057】同様な手順で、極小値を検出して膜厚制御
する場合は、設計光量の単位時間当たりの光量変化量が
ノイズのPV値の2倍の値より大きくなる第2のサンプ
リング時における設計光量にノイズのPV値を加算した
値の範囲内に基準値を設定すれば、その基準値は、ノイ
ズの影響を受けない。なぜならば、第1の測定光量の値
が設計値から最大の誤差となる最小値を示しても、基準
値より大きいので膜厚制御装置が誤認識することがない
からである。
【0058】しかし、極小値を検出する場合も、極大値
を検出する場合と同様、単位時間の光量変化量が最小と
なる方向に最大誤差が発生する確率は極めて低い。した
がって、第2のサンプリング時の光量の設計値とその値
から、最大誤差を生じる、その設計値にノイズのPV値
を加算した値の間となる範囲内の基準値を設定すれば、
ノイズの影響を除去でき、かつ、ノイズの挙動に対応し
た適性な値とすることができる。
【0059】このようにして求められた基準値は、ノイ
ズによる最大誤差をも考慮しているので、ノイズの影響
を完全に除去でき、正確な膜厚制御が可能となる。
【0060】請求項5記載の発明は、請求項4記載の光
学薄膜の膜厚制御方法において、前記基準値を、前記サ
ンプリングの単位時間の範囲内で、前記ノイズの最大値
の値より大きく、かつ、前記ノイズの最大値の2倍の値
に最も近い前記光量変化量となる前記第2のサンプリン
グ時の光量の設計値とその値から、前記ノイズの最大値
を、極大値を検出して所望の膜厚を得る場合はその設計
値から減算し、極小値を検出して所望の膜厚を得る場合
はその設計値に加算して得た値までの間となる値の範囲
内に設定することを特徴とするものである。
【0061】この発明において、前記単位時間を所望の
測定光量精度の許容値の中での最大値に設定すると、光
量変化量検出に与えるノイズによる影響を最小とするこ
とができるので、基準値を示す時刻を設計光量の極値を
示す時刻に近づけることができる。
【0062】かつ、前記基準値を、設計値の光量変化量
がノイズの最大値の2倍の値に最も近くなるように設定
することより、基準値を示す時刻を設計光量の極値を示
す時刻に近づけることができる。従って、成膜時間で制
御する時間を最も短くすることができ、前記成膜速度の
変化に起因する膜厚の誤差を最小限に抑えることが可能
となり、さらに正確な膜厚制御が可能となる。
【0063】請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれかに記載の光学薄膜の膜厚制御方法におい
て、前記光量による膜厚制御が、前記反射光量と前記透
過光量との差分の光量による膜厚制御であることを特徴
とするものである。
【0064】この発明においては、反射光量が極大値の
とき、透過光量は極小値となるので、その差分の光量は
反射光量又は透過光量のいずれか一方の場合と比較し、
大きくくなる。一方、ノイズはランダムに発生している
ので、その差分を取っても光量のように大きくならな
い。従って、光量に比較しノイズの大きさが相対的に小
さくなるので、ノイズの影響を受ける光景の範囲は相対
的に狭くなり、基準値を極値に近い値に設定できる。
【0065】これにより、成膜速度の変化の影響を受け
る成膜時間による制御の時間が短くなり、誤差を少なく
して、膜厚制御を正確に行うことが可能となる。
【0066】請求項7記載の発明は、成膜中の光学薄膜
からの特定の波長の光に対する反射光量と透過光量の両
方を検出し電気信号に変換されたそれぞれの光量の測定
値の差分を演算し、その差分の値が極大値又は極小値に
至った時点で成膜を終了することを特徴とする光学薄膜
の膜厚制御方法。
【0067】この発明においてほ、請求項6記載の発明
について説明したように、反射光量と透過光量との差分
の光量を信号として測定し、その信号に対するノイズの
大きさが相対的に小さくなっているので、差分の光量の
極値を検出する従来の膜厚制御を成膜の全過程で行って
も、ノイズの影響を少なくすることができ、正確な膜厚
制御をすることができる。
【0068】請求項8記載の発明の光学薄膜の膜厚制御
装置は、成膜中の光学薄膜からの特定の光に対する反射
光量若しくは透過光量又はその両方を検出し電気信号に
変換して、測定する受光手段と、受光手段からの電気信
号を演算処理し、光量による膜厚制御及び成膜時間によ
る膜厚制御を行う演算処理手段と、前記演算処理手段が
膜厚制御するため参照するデータを保存する記憶手段
と、前記演算処理手段が膜厚制御するため前記演算処理
手段からの指令に基づき成膜時間を計測する計測手段と
を有していることを特徴とするものである。
【0069】この発明においては、光量による膜厚制御
を行なう演算処理手段と、演算処理手段からの指令に基
づき成膜時間を計測する計測手段とを具備しているた
め、ノイズの影響を受けない範囲での光量による膜厚制
御とノイズの影響を受ける範囲での成膜時間による膜厚
制御を可能にして、ノイズによる膜厚の誤差を少なく
し、高精度な膜厚制御が可能な膜厚制御装置が提供され
る。
【0070】また、前記演算処理手段が膜厚制御するた
め参照するデータを記憶する記憶手段を有しているた
め、成膜時間による膜厚制御を試験的に複数回行なうこ
とにより、成膜制御時間における成膜速度の最も確率の
大きい成膜速度を保存し、成膜時間の計算値に対して演
算処理手段で補正をかけることにより、成膜時間による
膜厚制御もより高精度ものとすることができる。
【0071】請求項9記載の発明の光学薄膜の膜厚制御
装置は、成膜中の光学薄膜からの特定の光に対する反射
光量若しくは透過光量又はその両方を同時検出し電気信
号に変換して、測定する受光手段と、前記電気信号に変
換された反射光量と透過光量の差分の光量を演算し、前
記差分の光量に基づいて膜厚を制御する演算処理手段
と、前記演算処理手段が膜厚制御するため参照するデー
タを保存する記憶手段とを有していることを特徴とする
ものである。
【0072】この発明においては、前記受光手段により
成膜中の光学薄膜からの特定の光に対する反射光量及び
透過光量の両方を同時に検出し電気信号に変換して測定
し、演算処理手段が前記電気信に変換された反射光量と
透過光量の差分の値を演算し、前記差分の光量に基づい
て膜厚を制御する。
【0073】前記差分の光量は、反射光量又は透過光量
単独の値に対し約2倍の大きさとなり、一方、ノイズの
大きさは、差分を演算しても前記単独の光量測定の場合
の1.4倍程度にしかならないので、前記差分の光量と
ノイズの大きさとに関するS/N比が大幅に改善され、
従って、ノイズの影響を受けない基準値までは光量によ
る膜制御厚を行い、基準値を経過後、所望の膜厚まで成
膜時間による膜厚制御を行う膜厚制御方法ばかりでな
く、全成膜工程を光量による膜厚御御を行なう膜厚制御
方法を採用する場合においても、高精度な光学薄膜を得
ることができる膜厚制御装置が提供される。
【0074】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の形
態1を、図1、図2乃至図8を参照して説明する。
【0075】図1は、本実施の形態1の成膜装置及び膜
厚制御装置を示す全体構成図であり、図2は、本実施の
形態1の反射光量及びノイズの時間との関係からサンプ
リング時点を決定する状態を示す説明図であり、図3は
本実施の形態1のサンプリング時点ごとの光量変化から
基準値を設定する場合の説明図であり、図4は光量の最
大値を検出して基準値を設定する場合の説明図であり、
図5は実施の形態1における実施例1−1の設計光量と
時間軸の関係を示す説明図であり、図6は実施の形態1
における実施例1−1の設計光量の極小値付近の拡大説
明図であり、図7は実施の形態1における実施例1−2
の設計光量と時間軸の関係を示す説明図であり、図8は
実施の形態1における実施例1−2の設計光量の極大値
付近の拡大説明図である。
【0076】本実施の形態1において、光学薄膜のモニ
タ基板74及びガラス基板76への成膜を真空蒸着で行
った例を図1を参照して以下に説明する。
【0077】図1に示す成膜装置の真空槽80内に、る
つぼからなる蒸着源78、この蒸着源78に取り付けら
れたシャッタ77、基板ホルダー75及び基板ホルダー
75に取り付けられたレンズ用ガラス基板76、モニタ
基板74が各々配置されている。
【0078】これらのうち、基板ホルダー75は、中空
の円錐台形状であり、図示しない支持装置により真空槽
80に取り付けられ、その側面に設けた円形の孔にガラ
ス基板76が取り付けられている。
【0079】また、前記モニタ基板74は、図示しない
支持部材によって基板ホルダー75の上方に支持されて
いる。
【0080】真空槽80の上方には、投光部71が設け
られ、投光部71からの光90及びモニタ基板74上の
光学薄膜からの反射光91を透過させる窓81が真空槽
80の上面に設けられている。
【0081】また、真空槽80の上方であって、反射光
91を受ける位置に受光手段を構成する受光部72が設
けられている。この受光部72の前段には、反射光91
を特定の波長の光、即ち単色光に変えるフィルタ73が
配置されている。
【0082】前記真空槽80の下方で、モニタ基板74
上の光学薄膜を透過した透過光92を受ける位置に受光
手段を構成する受光部79が設けられ、受光部79の前
段には、透過光92から単色光を取り出すフィルタ83
が配置されている。
【0083】前記真空槽80の下面には、透過光92を
透過させる窓82が設けれれている。前記受光部72及
び受光部79は、それぞれ反射光91及び透過光92の
光量を電気信号に変換し、その信号をディジタル信号に
変換するA/D変換器84に接続されている。
【0084】A/D変換器84は、演算処理手段である
演算処理部85に接続され、この演算処理部85は膜厚
制御に必要な演算処理、指令の発信等の機能を有し、コ
ンピュータ装置を用いて構成されている。
【0085】前記演算処理部85に記憶手段である記憶
回路部87を接続している。この記憶回路部87には、
前記演算処理部85が膜厚制御を行うための演算処理等
を行う際に参照するデータが保存されている。
【0086】さらに、前記演算処理部85に、蒸着源7
8の制御を行う蒸着制御部86と、成膜時間を計測する
計測手段であるタイマーカウンタ88を接続している。
即ち、蒸着制御部86は、前記シャッタ77の図示せぬ
駆動装置に接続され、演算処理部85の指令により、シ
ャッタ77の開閉のための信号を出力する。
【0087】前記タイマーカウンタ88は、膜厚の成膜
時間による制御を行う際に成膜時間をカウント(計測)
する機能を有している。
【0088】次に、以上の構成による成膜装置及び膜厚
制御装置を使用した光学薄膜の成膜方法及び膜厚制御方
法を説明する。
【0089】光学薄膜の成膜動作を開始するために、演
算処理部85からの指令に基づき蒸着制御部86は図示
せぬシャッタ77の駆動装置に開信号を送り、これによ
り、シャッタ77が開けられ、ガラス基板76に対する
成膜が開始される。同じ成膜がモニタ基板74上にも開
始される。
【0090】そして、真空槽80の上面に設けられた窓
81を通して投光部71から導入された光90は、モニ
タ基板74に到達し、ガラス基板76とともにモニタ基
板74に成膜されつつある光学薄膜により反射される反
射光91と、その光学薄膜を透過する透過光92とに分
かれる。
【0091】反射光91は、真空槽80の上面に設けら
れた窓81を通過し、フィルタ73を経て単色光とな
り、受光部72に達する。
【0092】一方、透過光92は、基板ホルダー75の
中空部を通過し、真空槽80の下面に設けられた窓82
も通過してフィルタ83を経て単色光となり、受光部7
9に達する。
【0093】ここで前記各単色光は、受光部72、受光
部79において各々光量を示す電気信号に変換され、A
/D変換器84にてデジタルデータに変換され演算処理
部85に送られる。
【0094】前記演算処理部85は、所定の単位時間ご
とのサンプリングにより、サンプリグ時刻ごとにA/D
変換器84より送られてくるる測定光量と、記憶回路部
87に保存されている基準値との大きさを比較し、測定
光量が基準値に到達するまでは成膜を継続させる光量に
よる膜厚制御を行い、測定光量が基準値に到達したとき
は、その時刻と記憶回路部87に保存されている設計光
量の極値に到達する時刻との差を演算し、タイマーカウ
ンタ88に指令を出し、タイマーカウンタ88は時間を
計測し、設計光量の極値に到達したとき、所定の信号を
演算処理部85に送る。
【0095】演算処理部85は、蒸着制御部86に成膜
終了の指令を出し、指令を受けた蒸着制御部86はシャ
ッタ77の図示しない駆動装置に閉信号を送り、これに
より、シャッタ77が閉じて光学薄膜の成膜が終了す
る。
【0096】次に、上記のような成膜装置を使用し、光
学薄膜の成膜を行う場合の膜厚制御方法を、反射光量が
極小値になるまで成膜する場合を例にとり、図1、図2
乃至図6を参照して説明する。
【0097】成膜条件として、監視(特定)波長をλ、
基板反射率をrk、蒸着物質の反射率をrj、成膜レー
トをλ/4πとし、光学薄膜の成膜の設計値をコンピュ
ータソフトによる演算により求める。
【0098】時間tにおける光量(例えば反射光量)R
の計算値は、前記数2により計算され、その設計光量は
図2に示す曲線31で示され、サンプリグ時の設計光量
が演算により求められる。
【0099】光量Rをサンプリングする時刻をT1、T
2、・・・Tmとし、成膜を終了させる反射光量Rp=
(rk−rj)で示される設計光量に対応する時刻を
Tpとする。
【0100】次に、実際に成膜時に電気信号に変換され
た光量を測定すると、図2の曲線31の上にノイズが重
なるため、模式的に表すと図2の曲線32のようにな
る。
【0101】設計光量では、サンプリング時刻Tpのと
き、光量は極小値Rpとなり、設計上、時刻Tpの時、
成膜が終了することになっている。
【0102】しかし、極小値に近い部分では、サンプリ
ングごとの前記数2で表される設計光量を示す曲線31
の変化量(光量の変化量)が小さく、かつ、測定光量で
はノイズを含むので、サンプリングの時刻Tpの1つ手
前のサンプリング時刻Tp−1で反射光量rp−1が前
記極小値Rpより小さい値を示し、演算処理部85が誤
った認識をし、蒸着制御部86がそれに基づき誤作動し
て、時刻Tpではなく、時刻Tp−1で光学薄膜の成膜
が終了してしまう場合がある。
【0103】図2に示すA点とB点がそれぞれ設計光量
の極小値Rpと反射光量rp−1を示す。
【0104】ここで極小値Rpを示すサンプリングの時
刻Tpから離れたサンプリングの時刻Tmでの測定光量
rmは、図2の点Cで示され、サンプリング時刻Tmの
一つ手前のサンプリング時刻Tm−1の点Dで示される
測定光量rm−1と比較すると、測定光量rm−1の方
が明らかに測定光量rmより大きく、ノイズがあって
も、サンプリング時刻Tmとサンプリング時刻Tm−1
との間には測定光量の情報がなく前記誤作動は起こり得
ない。
【0105】従って、点Cで示される測定光量rmを基
準値として設定すれば、上記の如く誤作動がない反射光
量Rを、基準値として設定することになり、ノイズの影
響により成膜を終了させるサンプリング点が変わる可能
性がなくなる。
【0106】即ち、時刻Tmまで、測定光量による光学
薄膜の膜厚制御を実施し、時刻Tmと時刻Tp間はカウ
ンタ86を使用した成膜時間による光学薄膜の膜厚制御
を行えば、ノイズの影響を受けずに、成膜を終了させる
ことができる。
【0107】しかし、時刻Tmと時刻Tpとの間の成膜
時間による制御において、この間は僅かであるので成膜
速度の変化に基づく誤差は小さいが、誤差があることに
変わりがない。例えば、成膜装置内の真空蒸着の雰囲気
や投入電力のばらつきにより成膜速度が変化することが
ある。この変化は真空蒸着条件が決まれば規則的に生じ
ることが多い。
【0108】従って、前記モニタ基板74に加え、さら
に図示しない別のモニタ基板を設け、光量制御の間はシ
ャッタ77を開いて別のモニタ基板に成膜させる。
【0109】この操作を複数回繰り返し、別のモニタ基
板上に成膜された複数の光学薄膜の膜厚を測定し、その
データを演算処理部85に入力し、更に記憶回路部87
に記憶した上、演算処理部85で最も確率の高い成膜速
度を複数の膜厚のデータから割り出し、その結果で記憶
回路部87に記憶されている成膜速度の計算値を補正す
る。
【0110】次に成膜する際は、成膜時間による膜厚制
御には、前記補正された成膜速度によって成膜時間を計
算し、成膜時間が終了するとき成膜を終了させる。即
ち、膜厚制御装置に成膜時間に対する膜厚を学習させ、
その経験値によって成膜時間を決定させる。このよう
に、成膜時間を決定させることにより、更に高精度な膜
厚制御が可能となる。
【0111】一般に、成膜条件、所望の光学的膜厚等と
ノイズの値が判明している場合、前記数2により設計光
量を計算し、極値付近を避けて、基準値を経験的に決定
することができる。
【0112】次に、成膜条件等が異なり、経験値によら
ず正確に基準値を設定する具体的方法を前記と同じ成膜
条件で、図1、図3、図4を参照して説明する。
【0113】基準値を設定するために、先ず、ノイズを
光量測定系について測定する。光量測定系のノイズと
は、前記投光部71より投光された光がモニタ基板74
の光学薄膜で反射され、若しくは光学薄膜を透過して、
前記受光部72又は受光部79で受光され、A/D変換
器84で電気信号に変換される過程で発生するすべての
機械的、光学的及び電気的ノイズのPV値(最大値)を
いう。
【0114】例えば、前記投光部71、受光部72又は
受光部79の光学的ノイズ、真空蒸着装置における振動
等に起因する機械的ノイズ、受光部72又は受光部79
及びA/D変換器84で発生する電気的ノイズ等であ
る。
【0115】ノイズのPV値は、図1に示す成膜装置
で、シャッタ77を開けないようにする等して、蒸着物
質が蒸著されないようにして通常の成膜と同じ反射光
量、若しくは透過光量の測定を実施することで判定で
き、このノイズのPV値に符号Npvを付して以下の説
明を行う。
【0116】次に、光量の極小値を検出して膜厚を制御
する場合の基準値の設定方法を図3に基づき説明する。
【0117】図3に時間軸に対する設計光量(設計値)
を示す曲線及び設計光量の信号にノイズが加わった測定
光量の曲線を摸式的に示す。前記数2により、設計光量
は図3の実線で表示した曲線47で示される。
【0118】設計光量にノイズのPV値Npvの値を光
量を示す縦軸方向に加えることにより、測定光量が取り
得る可能性のある値の上限値と下限値が決まる。以下、
「測定光量が取り得る可能性のある値の上限値」を「測
定光量上限値」、「測定光量が取り得る可能性のある値
の下限値」を「測定光量下限値」という。
【0119】測定光量上限値は、ノイズのPV値Npv
がすべて設計光量の上に加わった値であり、図3に1点
鎖線で表示した曲線48で示されている。
【0120】測定光量下限値は、ノイズのPV値Npv
がすべて設計光量の下に加わった値であり、図3に1点
鎖線で表示した曲線49で示されている。
【0121】次に、サンプリングの間隔である単位時間
を決める。単位時間は、図1に示すタイマーカウンタ8
8を使用することなく、従来の光量による成膜を複数回
行い、得られた膜厚の設計値からの誤差が従来の基準で
許容範囲にあるサンプリング間隔となる時間の範囲を決
め、その範囲内で、単位時間を決定する。
【0122】上記のようにして決定された単位時間ごと
の各サンプリング点による光量変化量の値をみると、図
3に示すように、極小値を示す時刻Tpに近いサンプリ
ング点(時刻)Tnでの設計光量をRnとし点Iで示
す。その前のサンプリング点(時刻)Tn−1での設計
光量をRn−1とし、点Jで示す。
【0123】サンプリングによる単位時間における光量
変化量△Rnは、△Rn=(Rn−1)−Rnであり、
点Jの光量から点Iの光量を減算した値となる。
【0124】時刻Tn時点の測定光量の最大値は、Rn
+Npvであり、曲線48上の点Lとなる。また、時刻
Tn−1時点の測定光量最小値は、(Rn−1)−Np
vであり、曲線49上の点Kとなる。
【0125】点Kでの光量から点Lでの光量を引いた値
が測定光量の光量変化量の最小値であり、図3より明ら
かなようにこの値は負となる。
【0126】この値が前記光量変化量△Rnと同じか、
又は小さいと、図1における演算処理部85は極小値に
到達したものと認識し、蒸着制御部86を制御し、これ
により蒸着制御部86からの閉信号でシャッタ77が閉
じ、光学薄膜の成膜を終了してしまう。
【0127】従って、サンプリング時点が光量の極小値
を示す時間Tpに到達する前に成膜を終了してしまうの
で、サンプリングの時刻Tnにおける測定光量を基準値
とすることができない。
【0128】次に、光量の極小値を示す時間Tpからや
や離れた第2のサンプリング点であるため時刻Tmでの
設計光量をRmとし点Eで示す。その前の第1のサンプ
リング点である時刻Tm−1での設計光量をRm−1と
し、点Fで示す。
【0129】この場合、サンプリングによる単位時間に
おける光量変化量△Rmは、△Rm=(Rm−1)−R
mであり、点Fの光量から点Eの光量を引いた値とな
る。
【0130】第2のサンプリング点である時刻Tmでの
測定光量の最大値rgは、設計値RmにノイズのPV値
を加算したRm+Npvであり、曲線48上の点Gとな
る。第1のサンプリング点である時刻Tm−1の測定光
量の最小値rhは(Rm−1)−Npvであり、曲線4
9上の点Hとなる。
【0131】点Hでの光量rhから点Gでの光量rgを
引いた値(rh−rg)が、測定光量の光量変化量の最
大誤差を示す最小値であり、図3では点H、G間の縦軸
での差(光量変化量)となり、その値は、図3より明ら
かなように正の値を取る。数式で表せば、下記数3とな
る。
【0132】
【数3】
【0133】実際の測定光量の光量変化量は、当然その
最小値と同じかそれより大きく、上記条件を満たせば、
成膜が終了しないので、Tm時点の設計光量Rmにノイ
ズのPV値を追加した値、即ち、測定光量上限値rg=
Rm+Npvに相当する光量を基準値として設定でき
る。
【0134】即ち、サンプリングによる単位時間におけ
る光量変化量の設計値が、ノイズのPV値の2倍の値よ
り大きくなる光量の値RmにノイズのPV値Npvを加
算した測定光量、即ち測定光量の最大値rgを基準値と
設定すれば、ノイズの影響を除去できる。
【0135】しかし、実験結果では、時刻Tm−1と時
刻Tmとで測定光量が共に最大誤差となるPV値Npv
の値を含む確率は極めて低く、さらに、測定光量の単位
時間での光量変化量が、最小値を示す方向にNpvが続
けて発生する確率は更に低いものとなった。
【0136】従って、基準値は、ノイズの方向が平均化
される時刻Tm時点の設計光量Rmから、前記光量の値
RmにノイズのPV値Npvを加算した測定光量上限値
rgの範囲内に決めれば、ノイズの挙動に対応した適正
値となる。即ち、設計光量Rmと測定光量上限値rgの
間の値、例えば、光量値rmに決めれば、ノイズの影響
を排除し、かつ、ノイズの挙動に対応した適正値とな
る。
【0137】同様に、光量の極大値を検出して、光学薄
膜の膜厚を制御する場合の基準値の設定方法を図4を参
照して説明する。図4において、光量の設計値の時間変
化は曲線50で示されている。
【0138】図4には、光量の設計値にノイズのPV値
Npvが加わった測定光量が曲線52で、ノイズのPV
値Npvを減じた測定光量が曲線51でそれぞれ1点鎖
線で示されている。
【0139】図3に示す場合と同様に、第1のサンプリ
ングの時刻をTm−1、その時の設計光量をRm−1、
時刻Tm−1から光量が極大値を示す時刻Tpの方に単
位時間隔てた第2のサンプリングの時刻をTm、そのと
きの設計光量をRmとする。図4において、設計光量R
m、Rm−1はそれぞれ点M、Nで表す。
【0140】設計光量の光量変化量は、図3に示す場合
と同様、△Rm=Rm−(Rm−1)で表せる。設計値
に対し最大誤差となる測定光量は、時刻Tm−1では、
Rm−1にノイズのPV値Npvを加算した値で、図4
に点Pで表示し、その光量の値はrkとなる。
【0141】また、時刻Tmでは、光量Rmからノイズ
のPV値Npvを減算した値で、図4に点Oで表示し、
その値はrjとなる。
【0142】単位時間間隔ごとに離れたサンプリングに
おいて、点Oでの光量rjから点Pでの光量rkを引い
た値が測定光量の光量変化量の最大誤差を示す最小値で
あり、図4では点O、P間の縦軸での差(光量変化量)
となり、その値は、同図より明らかであるように正の値
を取る。
【0143】数式で表せば、下記数4となり、前記数3
と同じになる。
【0144】
【数4】
【0145】従って、第2のサンプリング時である時刻
Tmの光量の設計値Rmから、ノイズのPV値Npvを
減算した点Oの測定光量rjを基準値すればよいことに
なる。
【0146】しかし、光量の最小値を検出する場合と同
様、実験結果では、時刻Tm−1と時刻Tmとで測定光
量が共に最大誤差となるノイズのPV値Npvの値を含
む確率は極めて低く、さらに、測定光量の単位時間での
光量変化量が、最小値を示す方向にノイズのPV値Np
vが続けて発生する確率は更に低いものとなった。
【0147】従って、基準値は、ノイズの方向が平均化
される時刻Tmの設計値Rmと、設計値Rmからノイズ
のPV値Npvを減算した光量rjとの範囲内に決めれ
ば、ノイズの挙動に対応した適正値となる。
【0148】即ち、光量Rmと光量rjの間の値、例え
ば、光量rmに決めれば、ノイズの影響を排除し、か
つ、ノイズの挙動に対応した適正値となる。
【0149】以上説明した実施の形態1の膜厚制御方法
に基づいて実際に光学薄膜を成膜する実施例について説
明する。
【0150】(実施例1−1)本実施例1−1を、図
1、図5及び図6を用いて説明する。
【0151】この実施例1−1では、反射光量の極小値
を検出する方法を用いた。成膜に用いる基板76は、屈
折率1.52のLa系光学ガラスからなるレンズであ
り、成膜材料として、フッ化マグネシウム(以下「Mg
」という。)を採用し、前記基板76上に単層の反
射防止膜を成膜するために、光学薄膜の膜厚の設計値を
125nmとした。
【0152】成膜時間の設計値は、成膜条件を考慮し、
180秒とし、成膜速度は、投入電力を調整して0.6
94nm/秒とした。尚、特定波長は、λ=500nm
に設定した。また、MgFからなる光学薄膜の屈折率
は1.38となる。
【0153】上記設定により、サンプリングの単位時間
を1秒として、設計光量の時間軸に対する値を計算ソフ
トを使用し、シミュレーションにより求めた。
【0154】光量の設計値は、前記受光部72で電圧に
変換されるため、前記数2を測定系のパラメータを入れ
て電圧の時間に対する関数に変換し、その値を求めた。
【0155】このようにして求めた設計値を図5に、ま
たその極小値付近の拡大図を図6に各々示す。成膜開始
時の設計値は8.168V、極小値は5.414Vであ
った。
【0156】基板76上に光学薄膜を成膜するために、
真空容器80内を1.3×lO−4Paまで図示せぬ排
気装置により排気した。
【0157】また、基板76は、MgFの基板76へ
の密着度を向上させるため、図示せぬ加熱装置により、
250℃程度に加熱した。
【0158】さらに、前記基板76への成膜を均一にす
るために、基板ホルダー75を図示せぬ駆動装置により
回転しつつ成膜した。
【0159】最初は、タイマカウンタ88を使用するこ
となく、光量による制御で成膜し、サンプリグの単位時
間を0.8秒から0.2秒ピッチで1.6秒まで増加さ
せ、設定した各単位時間でサンプリングして、極小値を
上記5.414Vとし膜厚制御を行い、各々の場合の成
膜を10回行った。
【0160】成膜された光学的膜厚を測定したところ、
単位時間が0.8秒から1.2秒の間での光学的膜厚の
ばらつきは変化なく、設計値に対し±6nmの範囲にば
らつき、1.4秒以上では、ばらつきが増大しているこ
とが判明した。
【0161】次に、実施の形態1による膜厚制御による
成膜を行った。光量測定系のノイズを成膜時間の20倍
にあたる1時間測定し、ノイズのPV値Npvは1mV
となることを確認した。また、単位時間は、上記測定結
果に基づき1秒とした。
【0162】図6に示す設計値から、成膜開始後170
秒経過した時刻Tm1における光量に相当する電圧値R
m1が5.433Vであり、その単位時間前の時刻Tm
1−1である169秒における電圧値Rm1−1が5.
438Vであって、その光量変化量の設計値△Rmは5
mVであり、ノイズのPV値Npvの2倍は2mVであ
るので、数3を満足している。
【0163】従って、設計値Rm1の5.433Vとノ
イズのPV値1mVを加算した5.434Vの中間の
値、即ち、5.4335Vを基準値とし、上記光量によ
る膜厚制御のときと同じ成膜条件で10回成膜した。
【0164】基準値に到達した時刻は、168秒から1
69秒後であり、設計値Rmとは異なったため、極小値
までの11秒又は12秒をタイマーカウンタ88で計測
し、180秒経過した時刻Tpで、演算処理部85に信
号が送られ、演算処理部85からの指令に基づき蒸着制
御部86がシャッタ77の駆動機構に閉信号を送り、シ
ャッタ77が閉じられ成膜が終了した。
【0165】尚、上記11秒又は12秒の値は、成膜速
度がほとんど変動しない場合であるが、成膜速度が変動
することも考えられるので、図1のモニタ基板74に加
え、図示しない別のモニタ基板を真空層80内のモニタ
基板74付近に図示しないシャッタと共に設け、前記1
0回の成膜時間による膜厚制御に切り替わった時点でシ
ャッタ77を開け、成膜時間による膜厚制御の時間のみ
成膜し、その膜厚の測定データを演算処理部85に入力
し、更に記憶回路部87に保存した後、前記測定データ
に基づき演算処理部85で平均の成膜速度を計算したと
ころ、成膜測定がやや早いことが判明したので、次の1
0回の成膜では、これらの値を補正し、9秒又は10秒
とし、180秒を経過しない前に成膜を終了した。
【0166】上記のように成膜された光学薄膜の光学膜
厚を測定したところ、設計値125nmに対し±3nm
の範囲にばらつき、誤差の範囲が半減して、効果がある
ことを確認した。また、上記のように成膜時間を補正し
た場合、誤差は更に少なくなっているこが判明した。
【0167】この方法で作成した反射防止膜の光学特性
を分光エイプソメトリにより測定したところ、λ=50
0nmにおける反射率は単層膜であるにもかかわらず、
0.5%以下であり、良好な光学特性を示し、屈折率は
約1.38であった。
【0168】他の可視領域での反射率も十分低く、反射
防止膜として十分使用できるものであった。
【0169】尚、電圧値Rm1と電圧値Rmの値にノイ
ズのPV値Npvの値を加算した範囲内の値を基準値と
した他の値についても同様な成膜を行ったが、いずれの
場合においても、上記膜厚の精度も光学特性も同様な結
果となった。
【0170】次に、サンプリングの単位時間を1.2秒
とし、上記と同様に設計値を計算し、ノイズのPV値N
pvと光量変化の設計値を比較し、ノイズのPV値Np
vの2倍、即ち2mVに最も近い光量変化量を求めたと
ころ、成膜開始から172.8秒後時刻Tm2−1の設
計値Rm2−1が5.423Vであり、それから単位時
間経過後のTm2の174秒で設計値Rm2が5.42
0であり、光量変化量は3mVとなり、ノイズのPV値
の2倍、即ち、2mVに最も近い値となった。
【0171】そこで、電圧値RmにノイズのPV値Np
vの半分の値、0.5mVを加算した値、即ち、5.4
205Vを基準値とし、同様の成膜を10回行った。
【0172】その結果、光学的膜厚を判定したところ、
ばらつきは設計値を±1nmの範囲に減少し、膜厚精度
が極めて高くなっていることが判明した。また、光学特
性も改善されていた。
【0173】なお、電圧値Rm2と電圧値Rm2の値か
らノイズのPV値Npvの値を加算した範囲内の値を基
準値とした他の値についても同様な成膜を行ったが、い
ずれの場合においても、上記膜厚の精度も光学特性も同
様な結果となった。
【0174】上記説明のように、本実施例1−1による
膜厚制御によれば、高精度で光学的特性に優れた光学薄
膜を得ることができる。
【0175】(実施例1−2)この実施例1−2では、
透過光量の極大値を検出する方法を用いた。基板、所望
光学膜厚、成膜時間の設計値、成膜速度等は上述した実
施例1−1と同じである。
【0176】サンプリングの単位時間を1秒として、設
計光量の時間軸に対する値を計算ソフトを使用し、シミ
ュレーションにより求めた。光量の設計値は、前記受光
部79で電圧に変換されるため、数2を測定系のパラメ
ータを入れて電圧の時間に対する関数に変換し、その値
を求めた。
【0177】求めた設計値を図7に、またその極大値付
近の拡大図を図8に示す。成膜開始時の設計値は91.
832V、極大値は94.586Vであった。
【0178】最初、光量による制御で、極大値を上記9
4.586Vとして膜厚制御を行い、10回の成膜を行
った。
【0179】成膜された光学薄膜の膜厚を測定したとこ
ろ、実施例1−1と同様、設計値に対し±6nmの範囲
内でばらついた。
【0180】次に、既述した本実施の形態1による膜厚
制御による成膜を行った。光量測定系のノイズを成膜時
間の20倍にあたる1時間測定し、ノイズのPV値Np
vは実施例1と同様に1mVとなることを確認した。ま
た、単位時間は、上記測定結果に基づき1秒とした。
【0181】図8に示す設計値から、成膜開始後169
秒経過した時刻Tm2における光量に相当する電圧値
(設計値)Rm1が94.563Vであり、その単位時
間前の時刻Tm2−1である168秒における電圧値R
m1−1が94.558Vであって、その光量変化量の
設計値△Rmは5mVであり、ノイズのPV値の2倍は
2mVであるので、数3を満足している。
【0182】従って、電圧値Rm1の94.563Vか
らノイズのPV値の半分にあたる0.5mVを減算した
94.5625Vを基準値とし、上記光量による膜厚制
御のときと同じ成膜条件で10回成膜した。
【0183】基準値に到達した時刻は、167秒から1
68秒後であり、設計値とは異なったため、極小値まで
の12秒又は13秒をタイマーカウンタ88で計測し、
180秒経過した時刻で、演算処理部85に信号が送ら
れ、演算処理部85からの指令に基づき蒸着制御部86
がシャッタ77の駆動機構に閉信号を送り、シャッタが
閉じられ成膜が終了した。
【0184】上記のように成膜された光学薄膜の光学的
膜厚を測定したところ、設計値に対し±3nmの範囲に
ばらつき、誤差の範囲が半減して、効果があることを確
認した。
【0185】尚、この方法で成膜した反射防止膜の光学
特性を測定したところ実施例1とほぼ同じ特性であるこ
とが確認できた.
【0186】尚、電圧値(設計値)Rm1と、設計値R
m1の値からノイズのPV値Npvの値を減算した値と
の範囲内の値を基準値とした他の値についても同様な成
膜を行ったが、いずれの場合においても、上記膜厚の精
度も光学特性も同様な結果となった。
【0187】次に、サンプリングの単位時間を1.2秒
とし、上記と同様に設計値を計算し、ノイズのPV値N
pvと光量変化の設計値を比較し、ノイズのPV値Np
vの2倍、即ち2mVに最も近い光量変化量を求めたと
ころ、成膜開始から172.8秒後の時刻Tm1−1に
おける設計値Rm2−1が94.575Vであり、それ
から単位時間経過後の時刻Tm1の174秒で設計値R
m2が94.578Vであり、光量変化量は3mVとな
り、ノイズのPV値の2倍、即ち、2mVに最も近い値
となつた。
【0188】そこで、設計値Rm2からノイズのPV値
Npvの半分の値、即ち0.5mVを減算した値、即
ち、94.5775Vを基準値とし、同様の成膜を10
回行った。
【0189】その結果、実施例1と同様に光学膜厚を測
定したところ、ばらつきは設計値を±1nmの範囲に減
少し、実施例1と同様、膜厚精度が極めて高くなってい
ることが判明した。また、光学特性も改善されていた。
【0190】尚、設計値Rm2と設計値Rm2の値から
ノイズのPV値Npvの値を減算した範囲内の値を基準
値とした他の値についても同様な成膜を行ったが、いず
れの場合においても、上記膜厚の精度も光学特性も同様
な結果となった。
【0191】本発明の実施の形態1では、極値に相当す
る膜厚を持つ光学薄膜を得る制御方法について説明した
が、極値に相当しない任意の所望の膜厚を持つ光学薄膜
の膜厚制御に本発明の膜厚制御方法を応用することも当
然に可能である。なぜならば、数1に所望の膜厚の値を
代入すれば、その膜厚に対応する設計光量Rが計算で
き、数2により、時間軸に対する設計光量も計算できる
からでる。
【0192】設計光量が決まれば、本実施の形態と同じ
手順で所望の膜厚を持つ光学薄膜を成膜することができ
る。
【0193】例えば、成膜時間を175秒とすれば、極
値に相当するλ/4の膜厚より薄い光学薄膜を得ること
ができるし、成膜時間を185秒とすれは、λ/4の膜
厚より厚い光学薄膜を得ることできる。
【0194】実施例1−1によれば、それぞれ前者の場
合、成膜時間による制御の時間を6秒又は7秒とし、後
者の場合、16秒からら17秒とればよい。
【0195】また、λ/4付近の膜厚でなく、上記のよ
うに、λ/4の整数倍付近の膜厚を得ることも可能であ
り、λ/4の整数倍付近に限定されずに任意の所望の膜
厚の持つ光学薄膜も、数1及び数2が計算できる限り可
態である。λ/4の整数倍付近に限定されずに所望の膜
厚を持つ光学薄膜は調整層としての役割を果たし、光学
薄膜の光学特性を改善する。
【0196】本発明の実施の形態1では、成膜方法につ
いて、真空蒸着法を例に説明したが、本発明はそれに限
定されず、イオンプレーティング法、スパッタリング法
にも応用可能で、成膜方法は特に限定されない。
【0197】また、本実施の形態1では、モニタ基板7
4を使用して反射光等を検出したが、基板ホルダ75の
形状、位置等を変更することにより、モニタ基板74を
用いず、基板76上に成膜される光学薄膜からの反射光
等を検出することにより本発明の膜厚制御を行うことが
できる。
【0198】本実施の形態1では、特定波長としてλ=
500nmの場合について説明したが、フィルタ73、
83としてモノクロメータ等を使用し、他の単色光を検
出しても、同様に膜厚制御が可能であり、本発明は単色
光であれば、波長は限定されない。
【0199】更に、本実施の形態1では、光学薄膜とし
て、反射防止膜を成膜する場合について説明したが、成
膜材料等を変更することにより、フィルタ等の他の光学
薄膜の膜厚制御にも本発明を応用することができる。
【0200】また、本実施の形態1では、単層膜を成膜
する場合について説明したが、成膜材料等を変えて、本
実施の形態1で説明した成膜工程を繰り返すことによ
り、本発明を多層膜にも応用することができる。
【0201】本実施の形態1の膜厚制御方法によれば、
膜厚の誤差が極めて小さいことから、多層膜において
は、その効果は更に増大する。
【0202】(実施の形態2)本発明の実施の形態2
を、図1、図9及び図10を参照して説明する。
【0203】本実施の形態2は、実施の形態1と光量の
検出方法のみが異なり、この他は実施の形態1と同様で
あるため、重複する部分は省略して説明する。
【0204】本実施の形態2において、基板、所望光学
膜厚、成膜時間の設計値、成膜速度等は実施の形態1の
場合と同様である。
【0205】本実施の形態2では、反射光と透過光の両
方を同時に検出し、透過光から反射光の差分を計算し、
測定する点で実施の形態1と異なる。
【0206】具体的には、前記受光部72で反射光91
を検出し、前記受光部79で透過光92を同時に検出
し、それぞれ電気信号に変換してA/D変換器84に送
る。受光部72で検出する反射光と、受光部79で検出
する透過光も共に正弦波状に変化し、位相が180度異
なるのみである。
【0207】設計光量もその変化量が大きくなるのみ
で、基本的には前記数2で表される。単位時間における
光量変化量の設計値も数値は異なるが前記数3の条件を
満たせば、膜厚制御がノイズの影響を更けることがな
い。
【0208】尚、前記A/D変換器84は、本実施の形
態2では2台設けると好適であるが、前記受光部72、
受光部79の出力信号を図示しないチョッピング回路に
より時分割してA/D変換器74に入力する構成とすれ
ば、1台のA/D変換器84でもよい。
【0209】以下、透過光92の光量から反射光91の
光量を減算し差分をとる場合の実施例について説明す
る。
【0210】(実施例2−1)本実施例2−1では、透
過光92の光量(透過光量R2)から反射光91の光量
(反射光量R1)を減算し、成膜の全過程を光量により
制御する場合について説明する。
【0211】前記透過光量R2、反射光量R1につき、
図1に示す膿厚制御装置における係数を代入することに
より、数2を計算し、電圧値で時間軸に対する反射光量
R1と透過光量R2を計算し、透過光量R2から反射光
量R1を減算した差分である設計値を図9に示す。ま
た、極大値付近の拡大図を図10に示す。
【0212】電気信号に変換された透過光量R2から反
射光量R1を減算した差分は、図9に示すように、成膜
開始時は83.664Vであり、極大値は89.172
Vである。成膜開始時と極大値に到達した時の電気信号
に変換した光量の設計値の差は、5.508Vである。
【0213】これに対して、実施の形態1における成膜
開始時と極値に到達した時の電気信号に変換した光量の
設計値の差は、それぞれ、反射光の場合は、8.168
−5.414=2.742V、透過光の場合は、94.
586−91.832=2.754Vであり、同じ成膜
時間という条件下で、成膜開始から極値に到達するまで
の光量変化量の設計値は、透過光量R1と反射光量R2
の両方を検出した場合の値が、それぞれ一方のみを検出
した場合の約2倍となっている。
【0214】次に、実施の形態1と同様、光量測定系に
ついて、透過光検出のための光量測定系のノイズと反射
光検出のための光量測定系のノイズのPV値Npvを測
定し、その差分をとったところ、1.4mVにとどま
り、光量変化量の設計値の場合における、反射光と透過
光の両方を検出した場合の一方のみ検出した場合に対す
る値の変化が2倍となっていたのに対し1.4倍にしか
なっていないことが判明した。
【0215】従って、サンプリングの単位時間当たりの
光量変化量の設計値とノイズのPV値に対する比、即
ち、S/N比は、反射光と透過光の両方を検出した場合
の方が極めて大きくなっていることが判明した。
【0216】そこで、この実施例2−1では、測定光量
の検出による膜厚制御のみで、即ち、光量による膜厚制
御のみで、他は上記の如く、実施の形態1と同一条件
で、サンプリグの単位時間を1秒に設定し、光学薄膜を
10回成膜した。
【0217】成膜した光学薄膜の光学膜厚を測定したと
ころ、設計値の125nmに対して±4nmの範囲でば
らついていた。
【0218】この値は、実施の形態1において、基準値
を設定して、光量による膜厚制御と成膜時間による膜厚
制御を行った場合と比較し、やや精度が劣るものの、従
来の光学薄膜の膜厚制御と比較し、大幅に精度の向上し
た光学薄膜を得ることができることを意味している。
【0219】また、実施の形態1と同様にして、この実
施例1で得られた光学薄膜の光学的特性を判定したとこ
ろ、実施の形態1の場合における特性に近い良好な特性
を示した。
【0220】(実施例2−2)この実施例2−2でも、
実施例2−1と同様に、透過光と反射光の両方の光量を
検出して膜厚制御を行った。ただし、この実施例2−2
では、実施の形態1と同様、基準値を設定し、光量によ
る制御と成膜時間による制御とを組み合わせて膜厚制御
を行った。
【0221】基準値の設定は以下のように行った。図1
0に示す設計値から、成膜開始後174秒経過した時刻
Tmにおける光量に相当する電圧値Rmが89.155
Vであり、その単位時間前の時刻Tm−1である173
秒における電圧値Rm−1が89.149Vであって、
その光量変化量の設計値△Rmは6mVであり、ノイズ
のPV値の2倍は2.8mVであるので、前記数3を満
足している。
【0222】従って、設計値Rmの89.155Vから
ノイズのPV値1.4mVの半分の値、即ち0.7mV
を減算した89.1543Vを基準値とし、上記光量に
よる膜厚制御のときと同じ成膜条件で10回成膜した。
【0223】基準値に到達した時刻は、171秒から1
72秒後であり、設計値Tmとは異なったため、極小値
までの9秒又は8秒をタイマーカウンタ88で計測し、
180秒経過した時刻で、演算処理部85に信号が送ら
れ、演算処理部85からの指令に基づき蒸着制御部86
がシャッタ77の駆動機構に信号を送り、シャッタ77
が閉じられ成膜が終了した。
【0224】このようにして、成膜された光学薄膜の膜
厚を測定したところ、その値は設計値である125nm
に対し、その誤差が±1nm以内であり極めて高精度な
膜厚制御をすることができた。
【0225】また、実施の形態1と同じ方法でこの実施
例2−2で得られた光学薄膜の光学特性を測定したとこ
ろ、実施の形態1と同様な反射防止効果の高い良好な光
学特性を示した。
【0226】なお、RmとRmの値からNpvの値を減
算した範囲内の値を基準値とした他の値についても同様
な成膜を行ったが、いずれの場合においても、上記膜厚
の精度も光学特性も同様な給果となった。
【0227】本実施の形態2においても、λ/4の整数
倍の膜厚を持つ光学多層膜からなる光学薄膜、更に、特
に実施例2−1、2−2を応用すれば、λ/4の整数倍
の膜厚に限定されない任意の膜厚を持つ光学薄膜を本明
の膜厚制御方法により高精度の値を有するように得るこ
とができる.
【0228】また、成膜方法も本発明の膜厚制御方法を
実施するに当たり上述した蒸着法に限定されない。
【0229】
【発明の効果】本発明によれば、成膜中の基板の透過率
若しくは反射率の測定光量の信号にノイズがあっても極
値を精度良く検出できるようになるため、光学薄膜の光
学的膜厚を所望の値に高清度で制御でき、高精度かつ光
学特性に優れた光学薄膜を得ることができる光学薄膜の
膜厚制御方法を提供することができる。
【0230】また、本発明によれば、ノイズの影響を受
けない範囲での光量による膜厚制御とノイズの影響をけ
る範囲での時間による膜厚制御を可能にして、ノイズに
よる膜厚の誤差を少なくし、高精度な膜厚制御が可能と
なるとともに、全成膜工程を光量による膜厚御御を行な
う膜厚制御方法を採用する場合においても、高精度な光
学薄膜を得ることができる膜厚制御装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の成膜装置及び膜厚制御
装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1の反射光量及びノイズの
時間との関係からサンプリング時点を決定する状態を示
す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1のサンプリング時点ごと
の光量変化から基準値を設定する場合の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1の光量の最大値を検出し
て基準値を設定する場合の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1における実施例1−1の
設計光量と時間軸の関係を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1における実施例1−1の
設計光量の極小値付近の拡大説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1における実施例1−2の
設計光量と時間軸の関係を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1における実施例1−2の
設計光量の極大値付近の拡大説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2における設計値と時間と
の関係を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2における設計値の極大
値付近の拡大図である。
【図11】本発明における設計光量と膜厚との関係を示
す説明図である。
【図12】本発明における設計光量と時間との関係を示
す説明図である。
【図13】従来の光学薄膜の膜厚制御における膜厚に対
する光量変化の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
71 投光部 72 受光部 73 フィルタ 74 モニタ基板 75 基板ホルダー 76 ガラス基板 77 シャッタ 78 蒸着源 79 受光部 80 真空槽 81 窓 82 窓 83 フィルタ 84 A/D変換器 85 演算処理部 87 記憶回路部 88 タイマーカウンタ 90 光 91 反射光 92 透過光

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜中の光学薄膜からの特定の波長の光
    に対する反射光量若しくは透過光量、又はその両方を検
    出し電気信号に変換して測定される光量による膜厚制御
    と、成膜時間による膜厚制御とを組み合わせた光学薄膜
    の膜厚制御方法であって、 前記いずれかの光量が、その光量の測定時に発生するノ
    イズの影響を受けない範囲に設定された基準値に到達す
    るまでは、前記いずれかの光量による膜厚制御を行い、 前記基準値を経過後は、成膜時間による膜厚制御に切り
    替え、前記いずれかの光量の設計値の所望の膜厚に相当
    する時間に到達したき、成膜を終了する膜厚制御を行う
    ことを特徴とする光学薄膜の膜厚制御方法。
  2. 【請求項2】 成膜中の光学薄膜からの特定の波長の光
    に対する反射光量若しくは透過光量、又はその両方を検
    出し電気信号に変換して測定される光量による膜厚制御
    と、成膜時間による膜厚制御とを組み合わせた光学薄膜
    の膜厚制御方法であって、 前記いずれかの光量が、その光量の測定時に発生するノ
    イズの影響を受けない範囲に設定された基準値に到達す
    るまでは、前記いずれかの光量による膜厚制御を行い、 前記基準値を経過後は、成膜時間による膜厚制御に切り
    替え、 前記いずれかの光量の設計値の極大値又は極小値に相当
    する時間に到達したとき、成膜を終了する膜厚制御を行
    うことを特徴とする光学薄膜の膜厚制御方法。
  3. 【請求項3】 前記成膜時間による膜厚制御が、成膜時
    間に対する膜厚の大きさを学習して、その経験値に基づ
    いて成膜時間を決定することを特徴とする請求項1又は
    2記載の膜厚制御方法。
  4. 【請求項4】 前記基準値を、 所望の光学的膜厚と前記特定波長を含む成膜条件を入力
    し演算することにより求められた時間軸に対する前記い
    ずれかの光量の設計値の極大値又は極小値を示す時刻よ
    り前の時刻における第1のサンプリング時の光量の設計
    値と、前記第1のサンプリグ時から単位時間だけ前記極
    大値又は極小値を示す時刻に近い第2のサンプリグ時の
    光量の設計値の前記単位時間における光量変化量が、前
    記いずれかの光量を検出し電気信号に変換する光量測定
    系について実測したノイズの最大値の2倍の値より大き
    くなる前記第2のサンプリング時の光量の設計値とその
    値から、前記ノイズの最大値を、極大値を検出して所望
    の膜厚を得る場合その設計値から減算して得た値と、極
    小値を検出して所望の膜厚を得る場合その設計値に加算
    して得た値までの間となる値の範囲内に設定すること、 を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    光学薄膜の膜厚制御方法。
  5. 【請求項5】 前記基準値を、 前記サンプリングの単位時間の範囲内で、前記ノイズの
    最大値の値より大きく、かつ、前記ノイズの最大値の2
    倍の値に最も近い前記光量変化量となる前記第2のサン
    プリング時の光量の設計値とその値から、前記ノイズの
    最大値を、極大値を検出して所望の膜厚を得る場合はそ
    の設計値から減算し、極小値を検出して所望の膜厚を得
    る場合はその設計値に加算して得た値までの間となる値
    の範囲内に設定すること、 を特徴とする請求項4記載の光学薄膜の膜厚制御方法。
  6. 【請求項6】 前記光量による膜厚制御が、前記反射光
    量と前記透過光量との差分の光量による膜厚制御である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の光学薄膜の膜厚制御方法。
  7. 【請求項7】 成膜中の光学薄膜からの特定の波長の光
    に対する反射光量と透過光量の両方を検出し電気信号に
    変換されたそれぞれの光量の測定値の差分を演算し、そ
    の差分の値が極大値又は極小値に至った時点で成膜を終
    了することを特徴とする光学薄膜の膜厚制御方法。
  8. 【請求項8】 成膜中の光学薄膜からの特定の光に対す
    る反射光量若しくは透過光量又はその両方を検出し電気
    信号に変換して、測定する受光手段と、 受光手段からの電気信号を演算処理し、光量による膜厚
    制御及び成膜時間による膜厚制御を行う演算処理手段
    と、 前記演算処理手段が膜厚制御するため参照するデータを
    保存する記憶手段と、 前記演算処理手段が膜厚制御するため前記演算処理手段
    からの指令に基づき成膜時間を計測する計測手段と、 を有していることを特徴とする光学薄膜の膜厚制御装
    置。
  9. 【請求項9】 成膜中の光学薄膜からの特定の光に対す
    る反射光量若しくは透過光量又はその両方を同時に検出
    し電気信号に変換して、測定する受光手段と、 前記電気信号に変換された反射光量と透過光量の差分の
    光量を演算し、前記差分の光量に基づいて膜厚を制御す
    る演算処理手段と、 前記演算処理手段が膜厚制御するため参照するデータを
    保存する記憶手段と、 を有していることを特徴とする光学薄膜の膜厚制御装
    置。
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