JP4851999B2 - 反応性スパッタリングの制御方法及び成膜方法 - Google Patents
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Description
[化合物状態]は、使用するターゲット表面全体を化合物化させるのに十分な量の反応性ガスがチャンバ内に存在し、ターゲット表面が化合物化されている状態である。そのため、成膜速度は非常に低いが、非常に安定な成膜の可能な状態であり、状態としては非常に安定で、成膜物は十分に化合物化されている。
[金属状態]は、使用するターゲット表面を化合物化するには不十分な量の反応性ガスしかチャンバ内に存在しない状態である。そのため、成膜速度は非常に高く、状態としても非常に安定であるが、成膜物はほとんど未化合の状態で、金属的な膜が得られる。
[遷移状態]は、使用するターゲット表面が部分的に化合物化される程度の量の反応性ガスがチャンバ内に存在している状態である。そのため、成膜速度は比較的高くなる。ただし、ターゲット表面が部分的に化合物化されているため、化合物状態と金属状態との中間的な、非常に不安定な状態である。そのため、成膜速度は比較的高く、十分に化合物化された膜質から、不十分に化合物化された膜質まで、条件によって得ることが出来るが、状態としては非常に不安定である状態といえる。
[比例成分]が、目標値と測定値との偏差に比例した出力を出力する成分で、偏差を修正しようとする働きをし、比例ゲインが、この比例成分の大きさをきめる係数として使用される。偏差が大きいほど、また比例ゲインが大きいほど出力は大きくなる。
[積分成分]が、目標値と測定値との偏差を時間で積分し、算出した積分値に比例した出力動作を行う成分で、偏差を最終的に無くそうとする働きをする。ここで、積分成分による出力が偏差と等しくなる時間が積分時間であり、積分時間の設定で積分成分の大きさを決めることができる。この場合、積分時間が短いほど出力は大きくなる。
[微分成分]が、目標値と測定値との偏差の時間的な変化率に比例した出力動作を行う成分で、比例成分、積分成分による制御が強すぎた場合にブレーキをかける働きをする。変化率一定の場合に、微分成分による出力が偏差と等しくなる時間が微分時間であり、微分時間の大きさで微分成分の大きさをきめることができる。この場合、微分時間が大きいほど出力は大きくなる。
時間:t=n、制御間隔:ΔT=Tn−Tn−1とし、
PID制御の出力を算出する関数をfPIDとして行うと、
第1PID制御15では、
測定値 :Xn=PEn
目標値 :Yn=SetPEn
偏差 :En=Yn−Xn から演算処理され、
制御出力量が、ΔMn=fPID(ΔT) として出力される。
また、第2PID制御16では、
測定値 :Xn′=PEn−PEn−1
目標値 :Yn′=β×ΔMn−1
偏差 :En′=Yn′−Xn′ から演算処理され、
制御出力量が、ΔMn′=fPID(ΔT) として出力される。なお、第2PID制御16の設定値に用いられるβは、第2PID制御における目標値の重み付けのための定数であり、基本的には「1」を用いるが、制御環境等によって適宜調整される。
その関数は、fPID(ΔT,Xn,Xn−1,Xn−2,En) となり、
他には、不完全微分を適用した比例先行型PID制御アルゴリズムがあり、
その関数は、fPID(ΔT,Xn,Xn−1,Xn−2,En,ΔMn−1) となる。
スパッタリング装置:芝浦メカトロニクス(株)のCFS−4EP−LL
真空チャンバ容積 :幅315×高さ317×奥行228 [mm]
真空排気系 :ターボ分子ポンプ、油回転真空ポンプ
スパッタ方式 :マグネトロンスパッタ
ターゲットサイズ :直径76.2×厚さ5 [mm]
の諸元のものを用い、他の共通条件を、
不活性ガス :アルゴン
反応性ガス :酸素
チャンバ内圧力 :8×10−4Pa (到達真空度)
とし、その他の成膜条件は図に示した通りとして、成膜基体7のガラス板表面に酸化物薄膜の成膜を行った。
2…チャンバ
3…プラズマ
4…ターゲット
5…反応性ガス供給機構
7…成膜基体
8…制御部
9…光電子倍増管(PMT)
10…光量積分器
12…バンドパスフィルタ(BPF)
13…演算処理部
14…マスフローコントローラ
15…第1PID制御
16…第2PID制御
17…反応性ガス流量制御
Claims (7)
- スパッタ状態の変化に対応して変わる特定波長のプラズマ発光強度を検知し、検知した前記プラズマ発光強度が所定値となるよう反応性ガス導入量を制御することにより、所定の反応性スパッタリング状態にする反応性スパッタリングの制御方法であって、
前記特定波長のプラズマ発光強度が目標値に一致するように前記反応性ガス導入量を制御する第1PID制御と、前記第1PID制御によって算出された反応性ガス導入量により変動するプラズマ発光強度の予測量と、実際に生じたプラズマ発光強度の変動量との偏差を小さくするために、前記反応性ガス導入量を制御する第2PID制御とを備え、
時間t=n、制御間隔ΔT=T n −T n−1 として、
前記第1PID制御から、前記特定波長のプラズマ発光強度が目標値に一致するように予め設定したプラズマ発光強度の光強度目標値(SetPE n )と、時間nにおける実行されている反応性スパッタリングでのプラズマ発光光量値(PE n )とが入力され、光強度目標値(SetPE n )とプラズマ発光光量値(PE n )の偏差に基づいて第1PID出力変化量(ΔM n )が出力され、
前記第2PID制御から、前記第1PID制御によって算出された反応性ガス導入量により変動するプラズマ発光強度の予測量と、実際に生じたプラズマ発光強度の変動量との偏差を小さくするために、第1PID制御の出力した第1PID出力変化量(ΔM n−1 )と線形関係にあるプラズマ発光強度の変動量と、時間nにおけるプラズマ発光光量値(PE n )と時間n−1におけるプラズマ発光光量値(PE n−1 )との差分(PE n −PE n−1 )が入力され、第1PID出力変化量(ΔM n−1 )と線形関係にあるプラズマ発光強度の変動量と、プラズマ発光光量値(PE n )とプラズマ発光光量値(PE n−1 )との差分(PE n −PE n−1 )の偏差に基づいて第2PID出力変化量(ΔM n′ )が出力され、
前記第1PID制御のPID制御出力値の第1PID出力変化量(ΔM n )と前記第2PID制御のPID制御出力値の第2PID出力変化量(ΔM n′ )を合計した制御出力値(ΔM n +ΔM n′ )が実際に反応性ガス導入量を制御するのに使用されることを特徴とする反応性スパッタリングの制御方法。 - 前記第1PID制御と前記第2PID制御は、それぞれのPID制御出力を算出するにあたって、第1PID制御における目標値と第2PID制御における目標値とが同一であり、かつ、PID制御開始後の第1PID制御における測定値と第2PID制御における測定値とが同一である場合に、
前記第1PID制御のPID制御出力値の絶対値より、前記第2PID制御のPID制御出力値の絶対値が大きくなるように、第1PID制御及び第2PID制御のPID制御パラメータを設定するものであることを特徴とする請求項1記載の反応性スパッタリングの制御方法。 - 前記プラズマ発光強度の検知を行うプラズマ発光が、ターゲットの原子種の原子発光または反応性ガス種の原子発光の何れかであることを特徴とする請求項1または2記載の反応性スパッタリングの制御方法。
- 請求項1または2記載の反応性スパッタリングの制御方法を用い、少なくとも1つ以上のターゲットを配置したチャンバ内で、成膜基体上に前記ターゲット材料の化合物膜を形成することを特徴とする反応性スパッタリングによる成膜方法。
- 前記少なくとも1つ以上のターゲット材料が、Nb、Ti、Si、Ta、Zn、Sn、In、MgおよびAlからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の元素を含むことを特徴とする請求項4記載の反応性スパッタリングによる成膜方法。
- 前記反応性ガスが酸素であって、前記成膜基体上に形成する化合物膜が酸化物光学膜であることを特徴とする請求項4または請求項5記載の反応性スパッタリングによる成膜方法。
- 前記化合物膜が、単層もしくは多層構造であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の反応性スパッタリングによる成膜方法。
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