JP2006083463A - 多層光学薄膜の製造方法 - Google Patents

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【課題】 設計値に近い光学特性を有する多層光学薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 電圧調節装置7を中心とするスパッタ電圧調節系は、真空容器全圧比較部25を中心とする真空容器全圧調節系に対してカスケード制御を行っている。プレスパッタリングが開始されると、上述の制御系が一斉に作動を開始する。そして、真空容器全圧変動検出部31で検出される真空容器1内の全圧の変動値が所定値以下となったとき、成膜のためのスパッタリングが開始される。又、最初から真空容器全圧変動検出部31による圧力変動値の検出を行わず、プレスパッタリングが開始されてから所定時間は、無条件にプレスパッタリングを続行し、この所定時間経過後に、真空容器全圧変動検出部31による圧力変動値の検出を行って、変動値が所定値以下となったとき、成膜のためのスパッタリングを開始するようにしてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空容器内でターゲット表面を酸化した状態で行ういわゆる酸化モードのスパッタリングにより、多層光学薄膜を製造する方法に関するものである。
屈折率の低い物質(例えばSiO)と屈折率の高い物質(例えばNb)とを交互に積層して多層膜を形成し、光の干渉を利用して所望の光学特性(例えば干渉フィルタ、反射防止膜等)の特性を持たせる多層光学薄膜は、基板上に、スパッタリングによりこれらの物質を積層することにより形成される。その製造方法は、例えば特開2001−107232号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2001−107232号公報
しかしながら、これら従来のスパッタリング装置を利用した成膜方法では、各層の膜厚を設計値どおりとしても、設計どおりの光学特性が得られないことが多かった。本発明者は、この原因を追及した結果、スパッタリングにおけるイオンアシスト効果の変動により、成膜される物質の屈折率が変動するためであることを発見した。
イオンアシスト効果とは、スパッタリング装置内に存在するアルゴンイオン等のイオンが、スパッタ電圧により加速されて、ターゲット表面でスパッタリングを起こすと同時に反跳して、成膜面に衝突する際に、成膜物質の分子配列に影響を与える現象であり、この現象は、イオンの加速電圧であるスパッタ電圧により作用される。
このような知見に基づき、発明者は、スパッタリング装置において通常行われているスパッタ電力の制御の他に、スパッタ電圧又はスパッタ電流を、真空容器内の圧力を操作することにより一定に制御する方法を発明した。この発明(「先願発明」という)は、特願2003−430678号として特許出願されている。この先願発明により、イオンアシスト効果がほぼ一定に保たれるので、成膜条件がほぼ一定となり、成膜される物質の屈折率変動を小さくすることができるようになった。
しかしながら、一方、先願発明を実施した場合でも、実際に製造された多層光学薄膜の特性が、設計値と異なる場合があることが明らかになった。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、先願発明をさらに改良し、設計値に近い光学特性を有する多層光学薄膜の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、真空容器内でターゲット表面を酸化した状態で行ういわゆる酸化モードのスパッタリングにより基板上に多層光学薄膜を成膜する工程を有する多層光学薄膜の製造方法であって、スパッタ電力を一定に制御すると共に、プレスパッタリングの開始時又は途中から、前記真空容器内の圧力を操作することによりスパッタ電圧又はスパッタ電流を一定に保つ制御を行い、前記真空容器内の圧力変動が予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始する過程を有することを特徴とする多層光学薄膜の製造方法(請求項1)である。
本発明者が、先願発明においても、実際に製造された多層光学薄膜の光学特性が設計値からずれる原因について探求したところ、真空容器内の圧力が十分に安定していないときに成膜が開始されるためであることを発見した。
則ち、一般にスパッタリングにおける成膜工程においては、実際の成膜のためのスパッタリングに先立ち、スパッタの条件を安定させるためにプレスパッタリングが行われる。プレスパッタリングにおいては、基板へのスパッタ物質の到達をシャッタ等で遮る他は、成膜時のスパッタリングと同じ条件でスパッタ装置を作動させる。
従来の方法や先願発明の方法では、このプレスパッタリングを予め定められた時間だけ行い、その後に成膜のためのスパッタリング工程に入るようにしていた。ところが、発明者が調査したところ、図5に示すように、成膜のためのスパッタリングの開始時において、真空容器内の圧力が大きく変動していることが分かった。前述のように、真空容器内の圧力は、スパッタ電圧又はスパッタ電流を一定に保つために操作されるが、そのために図5に示すような大きな変動が発生することは想定されていなかった。
図5によれば、第11層目までの成膜時においての圧力変動は大きく、その後は圧力変動も安定している。このように、初期の成膜段階における真空容器内の圧力の変動のために、同じ物質の屈折率が層間で一定とならず、そのために、製品の実際の光学特性が設計値と異なったものになるものと推定される。
真空容器内の圧力が安定するまでの時間は、各バッチによってばらつきがあるため、プレスパッタリングの時間を一定に決定していたのでは、図5に示すように、実際の成膜時において圧力変動が収まっていない場合が生じる。
そこで、本手段においては、真空容器内の圧力変動が予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始するようにしている。ここに「予め定められた範囲」とは、圧力変動があっても、製品である多層光学薄膜の光学特性の設計値からのずれが許容差に入るような圧力変動範囲を言い、スパッタ装置の特性や、光学特性の許容差によっても変化するが、当業者は実験により決定することができる。例えば、変動幅で2.66×10−2Pa、1.33×10−2Paのようにすることが考えられる。
本手段においては、真空容器内の圧力変動が予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始するようにしているので、バッチが変わって、真空容器内の圧力変動が落ち着くまでの時間が変わっても、安定した条件で成膜のためのスパッタリングを開始できると共に、逆に短時間で圧力変動が安定した場合には、早期に成膜を開始することができ、無駄なプレスパッタリングを防止することができる。
前記課題を解決するための第2の手段は真空容器内でターゲット表面を酸化した状態で行ういわゆる酸化モードのスパッタリングにより基板上に多層光学薄膜を成膜する工程を有する多層光学薄膜の製造方法であって、スパッタ電力を一定に制御すると共に、プレスパッタリングの開始時又は途中から、前記真空容器内の圧力を操作することによりスパッタ電圧又はスパッタ電流を一定に保つ制御を行い、スパッタ源の温度変動が、予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始する過程を有することを特徴とする多層光学薄膜の製造方法(請求項2)である。
発明者が発見した別の知見によれば、製品である多層膜の光学特性が設計値からずれる原因の1つとして、スパッタ源の温度変動がある。すなわち、プレスパッタリング時間経過しても、スパッタ源の温度変動が安定しない場合に成膜用のためのスパッタリングを開始すると、それが、光学薄膜の特性変動の原因となる。
本手段においては、スパッタ源の温度変動が、予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始するようにしているので、バッチが変わって、スパッタ源の温度変動が落ち着くまでの時間が変わっても、安定した条件で成膜のためのスパッタリングを開始できると共に、逆に短時間でスパッタ源の温度変動が安定した場合には、早期に成膜を開始することができ、無駄なプレスパッタリングを防止することができる。
「予め定められた範囲」とは、温度変動があっても、製品である多層光学薄膜の光学特性の設計値からのずれが許容差に入るような温度変動範囲を言い、スパッタ装置の特性や、光学特性の許容差によっても変化するが、当業者は実験により決定することができる。
前記課題を解決するための第3の手段は、真空容器内でターゲット表面を酸化した状態で行ういわゆる酸化モードのスパッタリングにより基板上に多層光学薄膜を成膜する工程を有する多層光学薄膜の製造方法であって、スパッタ電力を一定に制御すると共に、プレスパッタリングの開始時又は途中から、前記真空容器内の圧力を操作することによりスパッタ電圧又はスパッタ電流を一定に保つ制御を行い、前記真空容器内の圧力変動とスパッタ源の温度変動が、共に予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始する過程を有することを特徴とする多層光学薄膜の製造方法(請求項3)である。
本手段は、前記第1の手段と前記第2の手段を組み合わせたものであり、従って、より安定な条件下で成膜のためのスパッタリングを開始することができ、光学特性が設計値に近い多層光学薄膜を製造することができる。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、多層膜を構成する少なくとも1つの物質の波長500nmにおける屈折率が2以上であることを特徴とするもの(請求項4)である。
前記のような真空容器内の圧力変動の影響や、スパッタ源の温度変動の影響は、高屈折物質に対して大きく現れる。よって、薄膜を構成する物質の波長500nmにおける屈折率が2以上である場合に、特に効果が大きい。このような物質としては、たとえば、Nb、TiO、ZrO、Ta、HfO等がある。
本発明によれば、設計値に近い光学特性を有する多層光学薄膜の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態である多層光学薄膜の製造方法に使用するスパッタ装置の概要を示す図である。真空容器1の底部には、交流デュアルカソードスパッタ源3が2台設けられている(そのうち1台がAの位置に図示されているが他の一台は図示を省略している)。
この交流デュアルカソードスパッタ源3の2つのカソード30には、スパッタ電源11から40KHzの交流電源が供給され、2つのカソード30に取り付けられたそれぞれのターゲット4に対して、25ms毎にスパッタを行う。
真空容器1には、回転可能な基板ホルダ2が設けられており、これに基板5が保持されている。ターゲット4の表面に形成された酸化物は、スパッタリングされて、基板5の表面に衝突して付着する。このようにして、基板ホルダ2を回転させることによって基板5を回転させながらスパッタリングを行うことにより、基板5の表面にターゲット4の酸化物の薄膜を成膜する。
成膜された膜厚を測定するために膜厚測定装置(図示せず)が設けられ、その発光部18から放出された光が、真空容器1に設けられた透光窓20を通して基板5に照射され、その透過光が真空容器1に設けられた透光窓19を通して受光部17により受光される。受光された光のスペクトルを解析することにより、膜厚を測定することができる。
スパッタ電源11から交流デュアルカソードスパッタ源3に供給される電力は、スパッタ電力制御部21により一定に制御されている。
カソード30の電圧(スパッタ電圧)は電圧計10により測定され、電圧調節装置7に入力される。電圧調節装置7には、スパッタ電圧設定部24からの設定値が入力されており、その偏差に応じた出力が、真空容器全圧比較部25に、真空容器の全圧の設定値として出力される。
一方、真空容器1内の全圧は、真空計6により測定され、その出力は、真空容器全圧比較部25に入力される。真空容器全圧比較部25は、電圧調節装置7から与えられる設定値と、真空計6から入力される実際値を比較し、その偏差に応じて、酸素ガスの流量の設定値を、酸素ガス流量設定部28に与える。
真空容器1内には、飛び出したターゲット4の低級酸化物をさらに酸化するための雰囲気ガスとして、微量の酸素ガスが酸素ガス源14から導入され、かつ、雰囲気ガスとして微量のアルゴンガスがアルゴンガス源8から導入されている。
酸素ガス流量設定部28は、真空容器全圧比較部25から与えられた設定値を、酸素ガス流量調節弁15に与えて、その開度を制御することにより、導入される酸素ガスの流量を調節する。導入する酸素ガスの流量は、酸素流量計16で測定され、その出力は、流量比設定部27に入力される。
酸素ガス流量設定部28は、酸素ガスの流量の設定値に比例するアルゴンガスの流量設定値をアルゴンガス流量設定部26に送出する。アルゴンガス流量設定部26は、酸素ガス流量設定部28から与えられた設定値を、アルゴンガス流量調節弁9に与えて、その開度を制御することにより、導入されるアルゴンガスの流量を調節する。導入するアルゴンの流量は、アルゴン流量計13で測定され、その出力は、流量比設定部27に入力される。流量比設定部27は、実際の酸素ガスとアルゴンガスの流量が設定された値になるように、アルゴンガス流量設定部26の設定値を微調整する。
図1を見ると分かるように、電圧調節装置7を中心とするスパッタ電圧調節系は、真空容器全圧比較部25を中心とする真空容器全圧調節系に対してカスケード制御を行っている。
真空容器全圧変動検出部31には、真空計6の検出値が入力され、真空容器1内の全圧の変動値が検出される。則ち、真空容器全圧変動検出部31は、一定時間毎に真空計6の出力を検出し、現在から所定時間前までの間の、真空容器1内の圧力の最高値と最低値を求め、その差を変動値とする。
プレスパッタリングが開始されると、上述の制御系が一斉に作動を開始する。そして、真空容器全圧変動検出部31で検出される真空容器1内の全圧の変動値が所定値以下となったとき、成膜のためのスパッタリングが開始される。又、最初から真空容器全圧変動検出部31による圧力変動値の検出を行わず、プレスパッタリングが開始されてから所定時間は、無条件にプレスパッタリングを続行し、この所定時間経過後に、真空容器全圧変動検出部31による圧力変動値の検出を行って、変動値が所定値以下となったとき、成膜のためのスパッタリングを開始するようにしてもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態である多層光学薄膜の製造方法に使用するスパッタ装置の概要を示す図である。図2において、図1に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略する。
図2に示すスパッタ装置においては、図1に示したスパッタ装置の真空容器全圧変動検出部31が無く、代わりに、スパッタ源温度計32と、スパッタ源温度変動検出部33が設けられているところのみが異なっているので、図1に示す実施の形態と同じ部分についてはその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明を行う。
スパッタ源温度変動検出部33は、一定時間毎にスパッタ源温度計32の出力を検出し、現在から所定時間前までの間の、スパッタ源3の温度の最高値と最低値を求め、その差を変動値とする。
プレスパッタリングが開始されると、上述の制御系が一斉に作動を開始する。そして、スパッタ源温度変動検出部33で検出されるスパッタ源3の温度の変動値が所定値以下となったとき、成膜のためのスパッタリングが開始される。又、最初からスパッタ源温度変動検出部33によるスパッタ源3の温度変動値の検出を行わず、プレスパッタリングが開始されてから所定時間は、無条件にプレスパッタリングを続行し、この所定時間経過後に、スパッタ源温度変動検出部33によるスパッタ源3の温度の検出を行って、変動値が所定値以下となったとき、成膜のためのスパッタリングを開始するようにしてもよい。
なお、図1に示した、真空容器全圧変動検出部31と、図2に示したスパッタ源温度計32、スパッタ源温度変動検出部33を共に設け、真空容器1内の圧力の変動と、スパッタ源3の温度の変動が共に所定値以内となったときに、成膜のためのスパッタリングを開始するようにしてもよい。
図1に示すようなスパッタ装置を使用し、真空容器1内の全圧変動幅が1.33×10−2Pa以下となった時点でプレスパッタリングを停止し、成膜のためのスパッタリング工程に入った。図3に、成膜過程における層番号と真空容器1内の全圧の変動を示す。真空容器1内の全圧の変動幅は、その後も1.33×10−2Pa以下となり、図5に示した従来の方法に比して安定していることが分かる。
図4に、光通信システムにおいて多用される利得安定化フィルタ(GFF)としての機能を有する多層硬膜薄膜の製造にあたり、このように本発明の方法により成膜を行った場合と、先願発明の方法で成膜を行った場合に得られた多層光学薄膜の分光透過率の例を示す。薄膜は、WMSー15からなる基板の上に、SiOとNbを交互に約120層積層したものある。図4において、横軸は波長であり、縦軸は透過率である。実線が本発明の方法により成膜を行ったもの、破線が先願発明の方法により成膜を行ったものの分光透過率を示し、黒丸が分光透過率の設計値である。
図4を見ると分かるように、本発明の方法により成膜を行った方が、より設計値に近い値が得られている。
本発明の第1の実施の形態である多層光学薄膜の製造方法に使用するスパッタ装置の概要を示す図である。 本発明の第2の実施の形態である多層光学薄膜の製造方法に使用するスパッタ装置の概要を示す図である。 本発明の実施例における、多層膜成膜中の真空容器内の圧力変動を示す図である。 本発明の方法と、先願発明の方法で成膜を行って得られた多層光学薄膜の分光透過率を比較して示した図である。 従来の方法や先願発明の方法における、多層膜成膜中の真空容器内の圧力変動の例を示す図である。
符号の説明
1…真空容器、2…基板ホルダ、3…交流デュアルカソードスパッタ源(スパッタ源)、4…ターゲット、5…基板、6…真空計、7…電圧調節装置、8…アルゴンガス源、9…アルゴンガス流量調節弁、10…電圧計、11…スパッタ電源、13…アルゴン流量計、14…酸素ガス源、15…酸素ガス流量調節弁、16…酸素流量計、17…受光部、18…発光部、19…透光窓、20…透光窓、21…スパッタ電力制御部、24…スパッタ電圧設定部、25…真空容器全圧比較部、26…アルゴンガス流量設定部、27…流量比設定部、28…酸素ガス流量設定部、30…カソード、31…真空容器全圧変動検出部、32…スパッタ源温度計、33…スパッタ源温度変動検出部

Claims (4)

  1. 真空容器内でターゲット表面を酸化した状態で行ういわゆる酸化モードのスパッタリングにより基板上に多層光学薄膜を成膜する工程を有する多層光学薄膜の製造方法であって、スパッタ電力を一定に制御すると共に、プレスパッタリングの開始時又は途中から、前記真空容器内の圧力を操作することによりスパッタ電圧又はスパッタ電流を一定に保つ制御を行い、前記真空容器内の圧力変動が予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始する過程を有することを特徴とする多層光学薄膜の製造方法。
  2. 真空容器内でターゲット表面を酸化した状態で行ういわゆる酸化モードのスパッタリングにより基板上に多層光学薄膜を成膜する工程を有する多層光学薄膜の製造方法であって、スパッタ電力を一定に制御すると共に、プレスパッタリングの開始時又は途中から、前記真空容器内の圧力を操作することによりスパッタ電圧又はスパッタ電流を一定に保つ制御を行い、スパッタ源の温度変動が、予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始する過程を有することを特徴とする多層光学薄膜の製造方法。
  3. 真空容器内でターゲット表面を酸化した状態で行ういわゆる酸化モードのスパッタリングにより基板上に多層光学薄膜を成膜する工程を有する多層光学薄膜の製造方法であって、スパッタ電力を一定に制御すると共に、プレスパッタリングの開始時又は途中から、前記真空容器内の圧力を操作することによりスパッタ電圧又はスパッタ電流を一定に保つ制御を行い、前記真空容器内の圧力変動とスパッタ源の温度変動が、共に予め定められた範囲内に入った後に、成膜のためのスパッタリングを開始する過程を有することを特徴とする多層光学薄膜の製造方法。
  4. 多層膜を構成する少なくとも1つの物質の波長500nmにおける屈折率が2以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の多層光学薄膜の製造方法。
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