JP2001342515A - 高清浄度鋼及びその製造方法 - Google Patents

高清浄度鋼及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001342515A
JP2001342515A JP2000167089A JP2000167089A JP2001342515A JP 2001342515 A JP2001342515 A JP 2001342515A JP 2000167089 A JP2000167089 A JP 2000167089A JP 2000167089 A JP2000167089 A JP 2000167089A JP 2001342515 A JP2001342515 A JP 2001342515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
ladle
refining
less
stirring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000167089A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Sato
佐藤  一郎
Toshihiro Irie
敏弘 入江
Kaichiro Ishido
嘉一郎 石堂
Shuhei Kitano
修平 北野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Special Steel Co Ltd filed Critical Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority to JP2000167089A priority Critical patent/JP2001342515A/ja
Priority to GB0228813A priority patent/GB2381537B/en
Priority to GB0509771A priority patent/GB2410503B/en
Priority to FR0107305A priority patent/FR2809745B1/fr
Priority to DE10196303.3T priority patent/DE10196303B3/de
Priority to US10/297,313 priority patent/US7396378B2/en
Priority to PCT/JP2001/004742 priority patent/WO2001094648A2/en
Priority to CNB018107303A priority patent/CN1210413C/zh
Priority to GB0509770A priority patent/GB2410252B/en
Priority to GB0500783A priority patent/GB2406580B/en
Priority to GB0509772A priority patent/GB2410253B/en
Priority to FR0112653A priority patent/FR2812661B1/fr
Priority to FR0112657A priority patent/FR2812663B1/fr
Priority to FR0112655A priority patent/FR2812662B1/fr
Priority to FR0112652A priority patent/FR2812660B1/fr
Publication of JP2001342515A publication Critical patent/JP2001342515A/ja
Priority to SE0203586A priority patent/SE527469C2/sv
Priority to SE0502558A priority patent/SE529629C2/sv
Priority to US11/894,737 priority patent/US20080025865A1/en
Priority to US12/136,096 priority patent/US20080257106A1/en
Priority to US13/572,759 priority patent/US20120304820A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極端なコスト上昇を回避するため、再溶解法
によることなく、また、耐火物の溶損による不純物の混
入を排除するため精錬時間を短時間とすることもなく、
清浄度に優れた鋼を取鍋精錬により得る方法を提供す
る。 【解決手段】 アーク溶解炉または転炉にて製造された
溶鋼を取鍋に移注してガス撹拌により精錬し、次いで環
流式真空脱ガスを行った後、鋳造して鋳塊を製造する鋼
の製造工程において、取鍋に電磁誘導撹拌装置を設けて
ガス撹拌に付加して電磁撹拌して50分〜80分間の取
鍋精錬を行う高清浄度鋼の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疲労強度、疲労寿
命や静粛性が求められる機械部品用鋼、特に転がり軸受
用鋼、等速ジョイント用鋼、ギア用鋼、トロイダル型無
段変速装置用鋼、冷間鍛造用機械構造用鋼、工具鋼、ば
ね鋼等として使用される高清浄度鋼ならびにその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】疲労強度および疲労寿命が求められる機
械部品に使用される鋼は、清浄度の高い(鋼中の非金属
介在物量の少ない)鋼であることが重要である。これら
の高清浄度鋼の製造プロセスは、アーク溶解炉又は転
炉による溶鋼の酸化精錬、取鍋(LF)などの炉外精
錬炉による還元精錬、環流式真空脱ガス装置(RH)
による環流真空脱ガス(RH処理)、連続鋳造又は一
般造塊による鋼塊の鋳造、鋼塊の圧鍛による加工及び
熱処理による製品鋼材の工程で製造されるのが一般的で
ある。このプロセスにおいて、はスクラップをアーク
で加熱溶解しまたは溶銑を転炉に入れ酸化精錬を行い取
鍋に移注する。移注時の温度はその鋼の融点よりも概ね
30℃以上100℃未満までの高温度に設定する。は
移注した取鍋でAl、Mn、Si等の脱酸剤合金を投入
して脱酸および脱硫剤による脱硫の還元精錬を行い合金
成分の調整をする。一般には処理時間は長いほど効果が
有るとされ60分を超す長時間であり、処理温度も一般
に融点よりも50℃高い温度で処理する。のRH処理
は環流真空脱ガス槽で環流しながら真空脱ガスして脱酸
素、脱水素を行い、この場合溶湯の環流量は全溶湯の5
〜6倍程度で行われる。はRH処理した溶湯をタンデ
ィシュに移注して連続鋳造してブルーム、ビレット、ス
ラブなどに鋳造するか、または取鍋から溶湯を直接鋼塊
鋳型に注いで鋼塊に鋳造する。はブルーム、ビレッ
ト、スラブなどあるいは鋼塊を、圧延または鍛造して熱
処理して鋼材とし出荷する。
【0003】また、特に清浄度の高い鋼が要求される場
合は、上記工程の後、鋳造された鋼塊を原材料として、
真空再溶解法あるいはエレクトロスラグ再溶解法で製造
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の機械
部品使用環境の過酷化により、鋼材に対する要求特性は
ますます厳しくなり、より清浄度の高い鋼材が求められ
ている。このような要求に対しては、通常上記の〜
の製造工程による生産では対応が困難となっている。長
時間の精錬時間によるとき、取鍋の炉耐火物の溶損が大
きく鋼の清浄度を低下する問題があるので、50分未満
の短時間による取鍋精錬が行われている。このような問
題に対応するため、前述の真空再溶解法あるいはエレク
トロスラグ再溶解法による鋼材が生産されているが、製
造コストが極端に上昇するという問題がある。
【0005】本発明は上記のような状況に鑑みてなされ
たものであり、極端なコスト上昇を回避するため、再溶
解法によることなく、また、耐火物の溶損による不純物
の混入を排除するため精錬時間を短時間とすることもな
く、清浄度に優れた鋼を取鍋精錬により得る方法を目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に対し、発明者
らは高清浄度鋼の製造工程に関して鋭意検討を重ねた結
果、以下の工程により、清浄度の大幅向上が可能である
ことを見いだしたものである。
【0007】そこで上記の課題を解決するための本発明
の手段について以下に説明する。従来アーク溶解炉又は
転炉等の精錬炉を有する工程では、アーク溶解炉又は転
炉等はもっぱら溶解及び酸化精錬が主体であり、還元期
(脱酸)は取鍋にて行われているが、請求項1の発明で
は、アーク溶解炉または転炉にて製造された溶鋼を炉外
精錬炉である取鍋に移注して精錬し、次いで環流式取鍋
精錬を行った後、鋳造して鋳塊を製造する鋼の製造工程
において、取鍋における精錬を取鍋底部からのガス撹拌
に付加して電磁誘導により撹拌し、50〜80分、望ま
しくは70〜80分の取鍋精錬を行うことを特徴とする
高清浄度鋼の製造方法である。
【0008】請求項2の発明では、取鍋におけるガス撹
拌および電磁撹拌による取鍋精錬において、該取鍋精錬
を不活性雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1の手
段における高清浄度鋼の製造方法である。
【0009】請求項3の発明では、請求項1または2記
載の手段における製造方法により製造の高清浄度鋼であ
る。
【0010】請求項4の発明では、鋼中の含有酸素量は
10ppm以下、望ましくは鋼成分のC含有量がC<
0.6質量%では8ppm以下、特に望ましくはC≧
0.6質量%では6ppm以下であることを特徴とする
請求項3の手段における高清浄度鋼である。
【0011】請求項5の発明では、鋼材を酸溶解して検
出される20μm以上である酸化物系介在物、例えばA
23の含有率が50%以上である酸化物系介在物、が
鋼材100gあたり40個以下、望ましくは30個以
下、さらに望ましくは20個以下であることを特徴とす
る請求項3記載の高清浄度鋼である。
【0012】請求項6の発明では、例えば試験条件とし
て鋼材表面100mm2中の最大介在物径の測定を30
箇所において行い、極値統計により算出される3000
0mm2における最大介在物径の予測値が60μm以
下、望ましくは40μm以下、さらに望ましくは25μ
m以下であることを特徴とする請求項3記載の高清浄度
鋼である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。請求項1に係る高清浄度鋼の製造方法は次の〜
の工程からなる。
【0014】アーク溶解炉または転炉により溶鋼を酸
化精錬し、予定の成分、温度とした後、取鍋に移注す
る。 取鍋に移注した溶鋼を取鍋精錬にて還元精錬および成
分調整を行う。このとき、取鍋において、取鍋底部から
1.5〜5.0N.l/min/tで撹拌ガスを吹いて
強制撹拌するとともに電磁撹拌を行い、50〜80分、
望ましくは70〜80分の取鍋精錬を行う。 還元精錬およぴ成分調整をしたの溶鋼を環流式真空
脱ガス装置により環流させて脱ガスを行うとともに、成
分の最終調整を行う。このとき、通常は25分未満とさ
れる脱ガスで、かつ、環流量が全溶鋼の5倍程度で十分
とされている環流式真空脱ガス装置における溶鋼の環流
量を、本発明では全溶鋼の8倍以上、望ましくは10倍
以上、より望ましくは15倍以上とし、脱ガスをより長
時間の25分以上として行う。請求項1の発明ではこの
およびの工程が本発明の最も重要な工程で、のガ
ス撹拌と共に電磁撹拌を行いながら精錬する取鍋精錬
で、短時間精錬でなく、50〜80分、望ましくは70
〜80分の長時間精錬でも充分に清浄度を高めることが
可能となる。電磁撹拌の撹拌エネルギーは溶鋼のton
当たり200〜700wとする。上記のように電磁撹拌
するときはスラグそのものを撹拌しないため、炉耐火物
の溶損によるスラグの平衡系の崩れや、スラグの巻き込
みが防止できる。さらに脱ガス工程の、特に環流式真空
脱ガスは溶鋼内にノズル浸漬させ溶鋼のみを環流させる
ため、溶鋼上面のスラグは充分沈静化されている。この
ためスラグから溶鋼への酸化物の巻き込みは、取鍋の還
元期工程より少ない。かかる設備で酸化物系介在物の浮
上分離時間を十分確保することで、取鍋内側の耐火物あ
るいはスラグからの汚染による、含有酸素量の上昇を防
止するとともに、30μm程度以上の大型介在物の生成
を防止することで、清浄度の高い鋼を製造することが可
能となる。 成分の最終調整をした溶鋼を鋳造にて鋳塊とする。 鋳塊に圧鍛を加えて製品形状とした後、必要な熱処理
を加えて製品鋼材とする。
【0015】請求項2に係る高清浄度鋼の製造方法は、
上記〜の製造工程のうち、本発明の請求項2の手段
では、上記の取鍋精錬において、特に取鍋を不活性
雰囲気にして大気から遮断して取鍋精錬を行うものであ
る。請求項2の発明ではこのの工程が本発明の最も重
要な工程である。のガス撹拌と共に電磁撹拌を行いな
がら精錬する取鍋精錬に、さらにの不活性雰囲気で大
気と遮断して取鍋精錬することで、短時間精錬でなくと
も、50〜80分、望ましくは70〜80分の長時間精
錬でも充分に清浄度を高めることが可能となる。すなわ
ち、取鍋をカバーで覆い、覆ったカバー内を不活性のガ
ス、例えば、ArガスまたはN2ガス、或いはこれらの
混合ガス、とし、大気と取鍋溶鋼をシールすることでス
ラグの平衡系を維持するものであり、望ましくはカバ内
部の不活性ガスの圧力を10torr以下に減圧するこ
とでさらに効果が高まる。このようにすることでスラグ
を十分に浮上させて、取鍋精錬中に地金及びスラグが剥
がれ落ち、精錬の進んだ溶鋼に混入し、含有酸素量が上
昇するのを防止する。シール用ガスとしては、50Nm
3/H以上のガスとし、減圧下ではそれ以下のガス量で
も可能である。
【0016】請求項3に係る鋼は、上記の請求項1また
は2に記載の手段によって製造したことを特徴とする高
清浄鋼である。
【0017】請求項4に係る鋼は、請求項3の高清浄度
鋼のうち、含有酸素量は10ppm以下、望ましくは鋼
成分のC含有量がC<0.6質量%では8ppm以下、
特に望ましくはC≧0.6質量%では6ppm以下であ
ることを特徴とする、特に転がり疲労寿命に優れた高清
浄度鋼である。含有酸素量の低減により、転がり疲労寿
命が向上することは一般に知られているが、本発明の方
法で製造した鋼のうち、含有酸素量10ppm以下、望
ましくは鋼成分のC含有量がC<0.6質量%では8p
pm以下、特に望ましくはC≧0.6質量%では6pp
m以下である高清浄度鋼は、特に優れた転がり疲労寿命
が安定して得られる。
【0018】請求項5に係る鋼は、請求項3の高清浄度
鋼のうち鋼材を酸溶解して検出される20μm以上の大
きさである酸化物系介在物、例えばAl23の含有率が
50%以上である酸化物系介在物が、鋼材100gあた
り40個以下、望ましくは30個以下、さらに望ましく
は20個以下であることを特徴とする転がり疲労寿命、
疲労強度に優れた高清浄度鋼である。この鋼材の評価方
法は含有酸素量、所定体積中の最大介在物径の両方を反
映したものである。そして、疲労強度、疲労寿命、静粛
性に対しては、酸素含有量が同等の鋼においては、ある
程度大きな酸化物系介在物が有害で、特に20μm以上
の大きさの酸化物系介在物が有害である。そこで、本発
明の方法で製造した鋼のうち、鋼材を酸溶解して検出さ
れる20μm以上の大きさである、例えばAl23の含
有率が50%以上である、酸化物系介在物が鋼材100
gあたり40個以下、望ましくは30個以下、特に望ま
しくは20個以下である鋼は、優れた転がり疲労寿命と
疲労強度を兼備し、さらに静粛性に優れた高清浄度鋼で
ある。
【0019】請求項6に係る鋼は、請求項3の高清浄度
鋼のうち、鋼材断面100mm2中の最大介在物径の測
定を30箇所において行い、極値統計により算出される
30000mm2における最大介在物径の予測値が60
μm以下、望ましくは40μm以下、より望ましくは2
5μm以下であることを特徴とする、特に回転曲げ疲労
強度、繰返し応力による疲労に強い高清浄度鋼である。
繰返し応力に対する強度あるいは疲労限度は所定体積中
の最大介在物径に大きく依存することは知られており、
本出願人の出願に係る特開平11−194121号公報
に開示するところであるが、代表的試験例として鋼材断
面100mm2中の最大介在物径の測定を30箇所にお
いて行い、極値統計により算出される30000mm2
における最大介在物径の予測値が60μm以下、望まし
くは40μm以下、より望ましくは25μm以下である
高清浄度鋼は、特に優れた疲労強度が安定して得られ
る。なお、含有酸素量10ppm以下、望ましくは鋼成
分のC含有量がC<0.6質量%では8ppm以下、特
に望ましくはC≧0.6質量%では6ppm以下で、か
つ、最大介在物径の予測値が60μm以下、望ましくは
40μm以下、より望ましくは25μm以下である、本
発明により製造される鋼は優れた転がり疲労寿命と疲労
強度を兼備した高清浄度鋼である。ところで酸溶解は非
常に時間、手間のかかる作業である、鋼材を溶かすこと
なく、ある程度の面積を顕微鏡観察し、統計的に介在物
径の最大値を予測できるこの方法は簡便であり、また、
特に引張圧縮の繰り返し応力による疲労では、破壊の危
険性のある部位に存在する介在物の最大径が、強度決定
の大きな因子であることが知られており、これを統計的
に予測できる本方法は有利である。
【0020】
【実施例】アーク炉にて酸化精錬して溶製したJIS
SCM435の溶鋼を取鍋精錬炉に移注し、電磁誘導撹
拌装置を設けた取鍋精錬炉に移注して不活性雰囲気下で
短時間のガス撹拌に付加して電磁撹拌をして合わせて5
0〜80分の取鍋精錬を行い、次いで脱ガスを20〜3
0分間、特に環流式脱ガス装置にて環流量を全溶鋼の1
2倍以上として脱ガスを行った後、鋳造による鋳塊製造
工程にてSCM435鋼の10チャージ製品を製造し
た。一方、比較例として通常操業により同じくアーク炉
にて酸化精錬して溶製したJIS SCM435の溶鋼
を取鍋精錬炉に移注し、取鍋精錬炉に移注してガス撹拌
して35〜50分の取鍋精錬を行い、次いで環流式脱ガ
スを25分以内行った後、鋳造による鋳塊製造工程にて
SCM435鋼の10チャージ製品を製造した。そして
これらの製品中に含有される酸素量、極値統計による最
大介在物予測値、スラスト型転がり寿命試験によるL10
寿命を調査した。最大介在物予測値はφ65鍛伸材から
試験片を切り出し、100mm2の観察を30個行い、
極値統計により30000mm2中の最大介在物径を予
測した。スラスト型転がり寿命試験は浸炭焼入焼戻しを
行ったφ60×φ20×8.3Tの試験片を使用し、最
大ヘルツ応力Pmax:4900MPaの条件で試験を行
い、L10寿命を算出した。
【0021】表1に本発明の実施例の操業例と試験結果
を、表2に比較として通常操業の比較例と試験結果を示
す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1に見られるとおり、本発明の方法によ
り、アーク炉にて酸化精錬して溶製したJIS SCM
435の溶鋼を取鍋精錬炉に移注し、電磁誘導撹拌装置
を設けた取鍋精錬炉に移注して不活性雰囲気下で短時間
のガス撹拌に付加して電磁撹拌をして合わせて50〜8
0分の取鍋精錬を行い、次いで脱ガスを20〜30分
間、特に環流式脱ガス装置にて環流量を全溶鋼の12倍
以上として脱ガスを行った後、鋳造による鋳塊製造工程
にてSCM435鋼の10チャージ製品を製造したもの
は、No.1〜No.10において、製品酸素量は5.
4〜6.6ppmの範囲内であり、鋼材100g中の2
0μm以上の介在物の個数は5〜14個であり、最大予
測介在物径も最大で30.6μmであり、極めて清浄な
鋼であることが判る。そしてL10寿命も極めて高く向上
している。全体的評価である良否において全てが◎の非
常に良いである。
【0025】これに対し、表2に見られるとおり、比較
例の通常操業の場合の、アーク炉にて酸化精錬して溶製
したJIS SCM435の溶鋼を取鍋精錬炉に移注
し、取鍋精錬炉に移注してガス撹拌して35〜50分の
取鍋精錬を行い、次いで環流式脱ガスを25分以内行っ
た後、鋳造による鋳塊製造工程にてSCM435鋼の1
0チャージ製品を製造したものは、製品酸素量は比較的
少ないがそれでも本発明よりやや多く、鋼材100g中
の20μm以上の介在物の個数は42〜59個と本発明
に比し極めて多く、最大予測介在物径も55.2〜9
1.0μmと本発明に比し大きい。そしてL10寿命も本
発明に比し1/10〜1/5と低く、良否判定では全て
が×の良くないである。
【0026】以上の実施例で、本発明の方法により含有
酸素量、最大介在物予測値を小さくすることができ、そ
してL10寿命が向上することが確認された。このことか
ら含有酸素量、最大介在物予測値を提言することが可能
となる本発明方法により製造された鋼は、転がり疲労寿
命などの疲労強度に優れていることが明らかとなった。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の実施に
より、コストの非常に高い再溶解法を用いることなく、
清浄度の非常に高い鋼材を大量に提供することが可能と
なり、疲労強度、疲労寿命や静粛性が求められる機械部
品用鋼、特に転がり軸受用鋼、等速ジョイント用鋼、ギ
ア用鋼、トロイダル型無段変速装置用鋼、冷間鍛造用機
械構造用鋼、工具鋼、ばね鋼等として使用される高清浄
度鋼ならびにその製造方法が提供できるなど、従来にな
い優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21C 7/10 C21C 7/10 A S (72)発明者 石堂 嘉一郎 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地 山陽特殊製鋼株式会社内 (72)発明者 北野 修平 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地 山陽特殊製鋼株式会社内 Fターム(参考) 4K013 AA07 BA08 BA14 CA01 CA02 CC02 CC06 CE01 CF12 CF13 DA03 DA05 DA12 DA13 FA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク溶解炉または転炉にて製造された
    溶鋼を取鍋に移注してガス撹拌により精錬し、次いで環
    流式真空脱ガスを行った後、鋳造して鋳塊を製造する鋼
    の製造工程において、取鍋に電磁誘導撹拌装置を設けて
    ガス撹拌に付加して電磁撹拌して50分〜80分間の取
    鍋精錬を行うことを特徴とする高清浄度鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 取鍋におけるガス撹拌および電磁撹拌に
    よる取鍋精錬において、該取鍋精錬を不活性雰囲気下で
    行うことを特徴とする請求項1記載の高清浄度鋼の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法により
    製造の高清浄度鋼。
  4. 【請求項4】 鋼中の含有酸素量は10ppm以下であ
    ることを特徴とする請求項3記載の高清浄度鋼。
  5. 【請求項5】 鋼材を酸溶解して検出される20μm以
    上の大きさである酸化物系介在物が鋼材100gあたり
    40個以下であることを特徴とする請求項3記載の高清
    浄度鋼。
  6. 【請求項6】 極値統計により算出される30000m
    2における最大介在物径の予測値が60μm以下であ
    ることを特徴とする請求項3記載の高清浄度鋼。
JP2000167089A 2000-06-05 2000-06-05 高清浄度鋼及びその製造方法 Pending JP2001342515A (ja)

Priority Applications (20)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000167089A JP2001342515A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 高清浄度鋼及びその製造方法
GB0500783A GB2406580B (en) 2000-06-05 2001-06-05 High-cleanliness steel and process for producing the same
GB0509771A GB2410503B (en) 2000-06-05 2001-06-05 High-cleanliness steel and process for producing the same
FR0107305A FR2809745B1 (fr) 2000-06-05 2001-06-05 Acier haute proprete et son procede de production
DE10196303.3T DE10196303B3 (de) 2000-06-05 2001-06-05 Verfahren zur Herstellung eines hochreinen Stahls
US10/297,313 US7396378B2 (en) 2000-06-05 2001-06-05 Process for producing a high cleanliness steel
PCT/JP2001/004742 WO2001094648A2 (en) 2000-06-05 2001-06-05 High-cleanliness steel and process for producing the same
CNB018107303A CN1210413C (zh) 2000-06-05 2001-06-05 高洁净度钢及其生产方法
GB0509770A GB2410252B (en) 2000-06-05 2001-06-05 High-cleanliness steel and process for producing the same
GB0228813A GB2381537B (en) 2000-06-05 2001-06-05 High-cleanliness steel and process for producing the same
GB0509772A GB2410253B (en) 2000-06-05 2001-06-05 High-cleanliness steel and process for producing the same
FR0112657A FR2812663B1 (fr) 2000-06-05 2001-10-02 Acier haute proprete et son procede de fabrication
FR0112653A FR2812661B1 (fr) 2000-06-05 2001-10-02 Acier haute proprete et son procede de production
FR0112655A FR2812662B1 (fr) 2000-06-05 2001-10-02 Acier haute proprete et son procede de production
FR0112652A FR2812660B1 (fr) 2000-06-05 2001-10-02 Acier haute proprete et son procede de production
SE0203586A SE527469C2 (sv) 2000-06-05 2002-12-04 Förfarande för framställning av ett högrent stål
SE0502558A SE529629C2 (sv) 2000-06-05 2005-11-23 Förfarande för framställning av ett högrent stål
US11/894,737 US20080025865A1 (en) 2000-06-05 2007-08-21 Process for producing a high-cleanliness steel
US12/136,096 US20080257106A1 (en) 2000-06-05 2008-06-10 Process for Producing a High-Cleanliness Steel
US13/572,759 US20120304820A1 (en) 2000-06-05 2012-08-13 Process for Producing a High-Cleanliness Steel

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000167089A JP2001342515A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 高清浄度鋼及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001342515A true JP2001342515A (ja) 2001-12-14

Family

ID=18670297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000167089A Pending JP2001342515A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 高清浄度鋼及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001342515A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317192A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Sanyo Special Steel Co Ltd 鋼の信頼性評価方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317192A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Sanyo Special Steel Co Ltd 鋼の信頼性評価方法
US7971484B2 (en) 2005-05-10 2011-07-05 Sanyo Special Steel Co., Ltd. Method for evaluating reliability of steel and high-reliability steel obtained by the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080025865A1 (en) Process for producing a high-cleanliness steel
CN112410650B (zh) 一种改善高碳铬轴承钢低倍质量及偏析指数的控制方法
JP2018525520A (ja) マイクロアロイング乗用車カーボンハブベアリング用鋼及びその製造方法
JP5803824B2 (ja) 浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法
JP5277556B2 (ja) 含Ti極低炭素鋼の溶製方法及び含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法
JP2001342512A (ja) 高清浄度鋼及びその製造方法
CN115011871A (zh) 一种含Cu超低钛轴承钢的制备方法
CN109280743A (zh) 一种轧辊用高强度耐磨钢及其生产方法
CN112795720A (zh) 一种双联转炉法生产工业纯铁的方法
CN112795834B (zh) 一种中碳中硅高铝双相钢连铸坯的生产方法
CN102965589B (zh) 高疲劳强度机械扩径机拉杆轴及其制备工艺
CN109338155B (zh) 稀土铜合金轻量化玻璃模具及其制备方法
JP4562244B2 (ja) 高清浄度鋼の製造方法
JP2001342515A (ja) 高清浄度鋼及びその製造方法
JPH04103741A (ja) 軸受鋼の製造方法
CN115323255A (zh) 一种高质量、高均质轴承钢盘条用200方连铸坯的制备方法
JP2001342514A (ja) 高清浄度鋼およびその製造方法
JP2001342516A (ja) 高清浄度鋼およびその製造方法
CN109778073B (zh) 一种易切削汽车同步器用钢及其制备方法
GB2410503A (en) High-cleanliness steel and process for producing the same
JP6984803B1 (ja) 高疲労強度鋼の素材となる鋳片の製造方法
JP3674422B2 (ja) 高清浄度低炭素鋼の溶製方法
WO2021256159A1 (ja) 高疲労強度鋼の素材となる鋳片の製造方法
CN113953452B (zh) 一种熔炼精密铸造工艺
JP7248153B2 (ja) 鋳片の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080507