JP2001342225A - インデンースチレン系グラフトポリマーの製造方法並びにこの製造法より得られる重合体を用いた成形材、フィルム又は添加剤及び光学用部品 - Google Patents

インデンースチレン系グラフトポリマーの製造方法並びにこの製造法より得られる重合体を用いた成形材、フィルム又は添加剤及び光学用部品

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JP2001342225A
JP2001342225A JP2000161585A JP2000161585A JP2001342225A JP 2001342225 A JP2001342225 A JP 2001342225A JP 2000161585 A JP2000161585 A JP 2000161585A JP 2000161585 A JP2000161585 A JP 2000161585A JP 2001342225 A JP2001342225 A JP 2001342225A
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Japan
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producing
graft polymer
atom
indene
vinyl
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Application number
JP2000161585A
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English (en)
Inventor
Akihiro Yoshida
明弘 吉田
Yukihiko Yamashita
幸彦 山下
Shuichi Iwata
修一 岩田
Tetsuo Yamanaka
哲郎 山中
Keiko Ushikubo
恵子 牛窪
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低吸湿性、耐熱性、機械強度、光特性に優れ
たグラフトポリマーの製造方法、この製造方法より得ら
れる成形材、フィルム又は添加剤及び光学用部品の提
供。 【解決手段】 モノマ成分(a)を、反応開始剤及び
N,N−ジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下、
活性化剤を用いてカチオン重合を開始した後、共重合体
(b)を添加することを特徴とするグラフトポリマーの
製造方法。 (a)式Iで表されるインデン又はインデン系単量体。 (但し、R1〜R5は、H、ハロゲン、C、O、N、P及び
Si、nは1〜5の整数。) (b)式IIで表される共重合体。 (但し、R6及びR7は、H、ハロゲン、C、O、N、P、
Si、nは1〜5の整数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な特性を有
し、特に相溶性に優れるグラフトポリマーの製造方法、
この製造方法より得られる成形材、フィルム又は添加剤
及びこれらを用いた光学用部品に関する。
【0002】
【従来の技術】インデン及びその誘導体(インデン系単
量体)は、C9留分中に多量に含まれ、安価に入手でき
る化合物として、主に薬品の原料(特開平7−2582
39号公報)に使用されている。これらの単量体を導入
したポリマーは、耐熱性の向上、低吸湿性等の特性を有
することが期待されているが、ラジカル重合反応性が低
いため、インデン誘導体と等モル以上のN置換マレイミ
ドや無水マレイン酸が必須成分となっている(特開平5
−301930号公報)。しかし、この方法で得られる
樹脂は、N置換マレイミドや無水マレイン酸に含まれる
親水性な置換基によって、吸水率が高くなってしまう。
一方、カチオン重合においても重合温度が−40℃以下
でのみ高分子量体が得られるため、工業化が難しい状況
となっている。
【0003】インデン誘導体と同じように、環状構造の
二重結合をもつポリマーの原料として、シクロオレフィ
ンがある。このシクロオレフィンから、開環重合により
得られる脂環式ポリオレフィン樹脂は、高耐熱性、透明
性、低吸湿性等の優れた特性を有しており、光学用部
品、電子材料及び医療器材等の素材として利用されてい
る。しかし、この脂環式ポリオレフィンを製造する際に
は、重合触媒にモリブデン、タングステンの塩化物等の
レアメタルを使用する必要があり、また、大抵の場合に
有機金属共触媒として、トリエチルアルミニウム等の禁
水性の化合物を用いる等の制約があり、簡易に製造する
ことはできない。また、脂環式ポリオレフィンの主な用
途であるレンズ等の光学用部品は、射出成形法により製
造されるが、この際に成形品内に大きな複屈折が発生す
るという問題点がある。
【0004】この複屈折に関しては、特定のアクリル樹
脂において、正及び負の複屈折性を有するモノマをラン
ダム共重合することによって、射出成形を行っても成形
品全面においても複屈折がほとんど発生しないことが明
らかにされている(光学 第20巻第2号、p.80
(30)、1991年)。このようなアクリル樹脂は、
懸濁重合法等により容易に製造することができる。しか
し、アクリル樹脂は、吸水性が高く、また耐熱性も低い
ので、優れた光学特性を有しているにも拘らず、光学用
部品等への利用範囲は制限されている。アクリル樹脂の
耐熱性は、N置換マレイミドをモノマに用いて、主鎖に
環状構造を導入することによって得られる(特開昭61
―95011号公報)が、吸水性の点で問題がある。
【0005】そこで、安価に工業的に入手できることが
可能であり、また耐熱性や低吸湿性が有するモノマを鋭
意探索した結果、インデン及びその誘導体が、ポリマー
構造に環状構造を導入することが可能であり、また、炭
素及び水素原子のみで構成されているため、ポリマーの
吸水率が極めて低い特性が得られることが見出された。
インデンはカチオン重合より(共)重合体を得ることが
可能である。しかし、一般に知られているカチオン重合
では、四塩化スズ、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、濃
硫酸及びアルキルアルミニウム等の活性の強い(つまり
空気中の水分とも激しく発熱又は発火する)触媒を用い
て行われる。
【0006】カチオン重合では、成長反応に比べて、連
鎖移動反応や停止反応の活性化エネルギーが大きいた
め、低温で重合が行われ、例えばイソブテンのカチオン
重合は、高分子量体を得るために、―100℃付近の温
度で行われる(高分子化学序論、化学同人、p.248
ー249、1984)。しかし、通常のカチオン重合で
は高分子量体を簡単に合成することは難しく、工業的に
簡単な系で、インデン系重合体を得る製造方法を見い出
す必要がある。
【0007】インデン含有重合体の高分子量化を目的と
して、以下の方法が行われている。 (1)インデンとN−置換マレイミド及び/又は無水マレ
イン酸が、ラジカル重合により交互共重合体を与えるこ
とを利用する方法(特開平5―301930号公報)。 (2)リビングカチオン重合による方法(J. M. S.-PURE A
PPL. CHEM.,A30(4),PP.253-267(1993))。
【0008】しかし、(1)の方法では、必ずインデンの
当量以上のN−置換マレイミド及び/又は無水マレイン
酸をモノマ成分としなければならないので、インデンの
好ましい特徴である低吸水性が失われる問題がある。ま
た、(2)の方法では、連鎖移動反応及び停止反応を抑え
るために、極めて純粋な化合物を使用しなければならな
いため、C9留分をそのまま重合体の製造原料として使
用できず、また、重合が非常に低い温度(約−80℃)
で行われるため、工業的に安価な重合体が供給できな
い。
【0009】また、両末端官能性ポリマーを製造する方
法として、ハロゲン化金属とジハロゲン含有化合物をカ
チオン重合開始剤として用い、このジハロゲン含有化合
物の両端にポリマー鎖を成長させる方法が知られている
が、この方法においても、得られるポリマーの分子量は
8,000程度と大きくない(特開昭62−79203
号公報)ので、高分子量のインデン系重合体を得る方法
を見出す必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インデンま
たはインデン系単量体を必須成分とする特定の単量体混
合物を、開始剤及びDMSO存在下、活性化剤を用いて
カチオン重合を開始後、フェノール性水酸基を持つスチ
レン系重合体の添加により得られるグラフトポリマーの
製造方法を提供するものである。また、この製造方法に
より得られるグラフトポリマーを用いた成形材、フィル
ム又は添加剤及び光学用部品を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記のモノマ
成分(a)を、反応開始剤及びN,N−ジメチルスルホ
キシド(DMSO)の存在下、活性化剤を用いてカチオ
ン重合を開始した後、下記の共重合体(b)を添加する
ことを特徴とするグラフトポリマーの製造方法並びにこ
の製造法より得られる重合体を用いた成形材、フィルム
又は添加剤及び光学用部品に関する。 (a)一般式(I)で表されるインデン又はインデン系
単量体。
【化3】 但し、R1〜R5は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、
酸素原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子のいずれ
かを含む置換基を示し、nは1〜5の整数を示す。但
し、nが複数の時は、R5は同一であっても異なってもよ
い。 (b)一般式(II)で表される共重合体。
【化4】 但し、R6及びR7は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子、酸素原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子のい
ずれかを含む置換基を示し、mは重量分率、nは1〜5の
整数を示す。但し、nが複数の時は、R6及びR7は同一で
あっても異なってもよい。
【0012】本発明においては、モノマ成分(a)10
0重量部に対して、共重合体(b)の添加量が、0.1
〜500重量%であることが好ましい。
【0013】本発明においては、反応開始剤が、塩化ク
ミル、クミルメチルエーテル、1−クロロインダン及び
1−クロロエチルー2−クロロエチルエーテルから選ば
れる化合物であることが好ましい。
【0014】本発明においては、活性化剤が、四塩化チ
タン、ブトキシトリクロロチタン及び四塩化スズから選
ばれる化合物であることが好ましい。
【0015】本発明においては、モノマ成分(a)が、
インデン、アルキルインデン類、ハロゲン化インデン
類、アリールインデン類、アルコキシインデン類、アル
コキシカルボニルインデン類、アシルオキシインデン
類、アルキルシリルインデン類及びアルキルスタンニル
インデン類からなる群から選ばれる化合物であることが
好ましい。
【0016】本発明においては、重合温度が、−100
〜20℃の範囲にあることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明になるグラフトポリ
マーの製造方法、並びにこの製造方法より得られるグラ
フトポリマー用いた成形材、フィルム又はび添加剤及び
光学用部品の実施形態を具体的に説明する。
【0018】本発明に用いられる、一般式(I)で表さ
れるインデンまたはインデン単量体(a)としては、イ
ンデン、1−メチルインデン、2−メチルインデン、3
−メチルインデン、4−メチルインデン、5−メチルイ
ンデン、6―メチルインデン、7−メチルインデン、
1,4−ジメチルインデン、1,5−ジメチルインデ
ン、1,6−ジメチルインデン、1,7−ジメチルイン
デン、4−エチルインデン、5−エチルインデン、6−
エチルインデン、7−エチルインデン等のアルキルイン
デン類、4−クロロインデン、5−クロロインデン、6
−クロロインデン、7−クロロインデン、4−ブロモイ
ンデン、5−ブロモインデン、6−ブロモインデン、7
−ブロモインデン、4−ヨードインデン、5−ヨードイ
ンデン、6―ヨードインデン、7−ヨードインデン、4
−フルオロインデン、5−フルオロインデン、6−フル
オロインデン、7−フルオロインデン等のハロゲン化イ
ンデン類、4−フェニルインデン、5−フェニルインデ
ン、6−フェニルインデン、7−フェニルインデン等の
アリールインデン類、4−メトキシインデン、5−メト
キシインデン、6−メトキシインデン、7−メトキシイ
ンデン等のアルコキシインデン類、4−メトキシカルボ
ニルインデン、5−メトキシカルボニルインデン、6−
メトキシカルボニルインデン、7−メトキシカルボニル
インデン等のアルコキシカルボニルインデン類、4−メ
チルカルボニルオキシインデン、5−メチルカルボニル
オキシインデン、6−メチルカルボニルオキシインデ
ン、7−メチルカルボニルオキシインデン等のアシルオ
キシインデン類、4−トリメチルシリルインデン、5−
トリメチルシリルインデン、6−トリメチルシリルイン
デン、7−トリメチルシリルインデン等のアルキルシリ
ルインデン類、4−トリーn―ブチルスタンニルインデ
ン、5−トリーn―ブチルスタンニルインデン、6−ト
リーn―ブチルスタンニルインデン、7−トリーn―ブ
チルスタンニルインデン等のアルキルスタンニルインデ
ン類等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0019】本発明においては、上記のインデン又はイ
ンデン系単量体(a)中で、インデン、アルキルインデ
ン類、ハロゲン化インデン類、アリールインデン類、ア
ルコキシインデン類、アルコキシカルボニルインデン
類、アシルオキシインデン類、アルキルシリルインデン
類及びアルキルスタンニルインデン類からなる群から選
ばれる化合物であることが好ましい。これらの中でも、
耐熱性、低吸湿性の点から、インデン及びアルキル置換
インデンがより好ましく、インデン、メチルインデン、
エチルインデンがさらに好ましい。
【0020】本発明において、一般式(II)で表され
る共重合体(b)中に含まれるフェノール性水酸基を有
する単量体としては、4−ヒドロキシスチレン、4−ヒ
ドロキシー3−メチルスチレン、4−ヒドロキシー3,
5−ジメチルスチレン、4−ヒドロキシー3−エチルス
チレン、4−ヒドロキシー3,5−ジエチルスチレン、
4−ヒドロキシー3−クロロスチレン、4−ヒドロキシ
ー3,5−ジクロロスチレン、4−ヒドロキシー3−メ
トキシスチレン、4−ヒドロキシー3,5−ジメトキシ
スチレン、4−ヒドロキシー3−N、Nージメチルアミ
ノスチレン等が挙げられる。これらは、単独で、又は2
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】これらの中でも、耐熱性、反応性の点か
ら、4−ヒドロキシスチレンがより好ましい。
【0022】本発明において、一般式(II)で表され
る共重合体(b)中に含まれるフェノール性水酸基を持
たない単量体としては、スチレン、m−メチルスチレ
ン、p―メチルスチレン、o―メチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,
4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、p
−tert―ブチルスチレン、p−tert―ブトキシ
スチレン等のアルキルスチレン類、p−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレン、o―クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、m−ブロモスチレン、o―ブロモスチレ
ン、p−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、o
―フルオロスチレン、o―メチルーp−フルオロスチレ
ン等のハロゲン化スチレン類、4−ビニルビフェニル、
3−ビニルビフェニル、2−ビニルビフェニル等のビニ
ルビフェニル類、1−(4−ビニルフェニル)ナフタレ
ン、2−(4−ビニルフェニル)ナフタレン、1−(3
−ビニルフェニル)ナフタレン、2−(3−ビニルフェ
ニル)ナフタレン、2−(3−ビニルフェニル)ナフタ
レン、1−(2−ビニルフェニル)ナフタレン、2−
(2−ビニルフェニル)ナフタレン等のビニルフェニル
ナフタレン類、1−(4―ビニルフェニル)アントラセ
ン、2−(4―ビニルフェニル)アントラセン、9−
(4―ビニルフェニル)アントラセン、1−(3―ビニ
ルフェニル)アントラセン、1−(3―ビニルフェニ
ル)アントラセン、2−(3―ビニルフェニル)アント
ラセン、9−(3―ビニルフェニル)アントラセン、1
−(2―ビニルフェニル)アントラセン、2−(2―ビ
ニルフェニル)アントラセン、9−(2―ビニルフェニ
ル)アントラセン等のビニルフェニルアントラセン類、
1−(4―ビニルフェニル)フェナントレン、2−(4
―ビニルフェニル)フェナントレン、3−(4―ビニル
フェニル)フェナントレン、4−(4―ビニルフェニ
ル)フェナントレン、9−(4―ビニルフェニル)フェ
ナントレン、1−(3―ビニルフェニル)フェナントレ
ン、2−(3―ビニルフェニル)フェナントレン、3−
(3―ビニルフェニル)フェナントレン、4−(3―ビ
ニルフェニル)フェナントレン、9−(3―ビニルフェ
ニル)フェナントレン、1−(2―ビニルフェニル)フ
ェナントレン、2−(2―ビニルフェニル)フェナント
レン、3−(2―ビニルフェニル)フェナントレン、4
−(2―ビニルフェニル)フェナントレン、9−(2―
ビニルフェニル)フェナントレン等のビニルフェニルフ
ェナントレン類、1−(4−ビニルフェニル)ピレン、
2−(4−ビニルフェニル)ピレン、1−(3−ビニル
フェニル)ピレン、2−(3−ビニルフェニル)ピレ
ン、1−(2−ビニルフェニル)ピレン、2−(2−ビ
ニルフェニル)ピレン等のビニルフェニルピレン類、4
−ビニルーp―ターフェニル、4−ビニルーm―ターフ
ェニル、4−ビニルーo―ターフェニル、3−ビニルー
p―ターフェニル、3−ビニルーm―ターフェニル、3
−ビニルーo―ターフェニル、2−ビニルーp―ターフ
ェニル、2−ビニルーm―ターフェニル、2−ビニルー
o―ターフェニル等のビニルターフェニル類、4−(4
−ビニルフェニル)―p−ターフェニル等のビニルフェ
ニルターフェニル類、4−ビニルー4'―メチルビフェ
ニル、4−ビニルー3'―メチルビフェニル、4−ビニ
ルー2'―メチルビフェニル、2−メチルー4―ビニル
ビフェニル、3−メチルー4―ビニルビフェニル等のビ
ニルアルキルビフェニル類、4−ビニルー4'―フルオ
ロビフェニル、4−ビニルー3'―フルオロビフェニ
ル、4−ビニルー2'―フルオロビフェニル、4−ビニ
ルー2―フルオロビフェニル、4−ビニルー3―フルオ
ロビフェニル、4−ビニルー4'―クロロビフェニル、
4−ビニルー3'―クロロビフェニル、4−ビニルー2'
― クロロビフェニル、4−ビニルー2―クロロビフェ
ニル、4−ビニルー3―クロロビフェニル、4−ビニル
ー4'―ブロモビフェニル、4−ビニルー3'―ブロモビ
フェニル、4−ビニルー2'― ブロモビフェニル、4−
ビニルー2―ブロモビフェニル、4−ビニルー3―ブロ
モビフェニル等のハロゲン化ビニルビフェニル類、4−
ビニルー4'―メトキシビフェニル、4−ビニルー3'―
メトキシビフェニル、4−ビニルー2'―メトキシビフ
ェニル、4−ビニルー2―メトキシビフェニル、4−ビ
ニルー3―メトキシビフェニル、4−ビニルー4'―エ
トキシビフェニル、4−ビニルー3'―エトキシビフェ
ニル、4−ビニルー2'―エトキシビフェニル、4−ビ
ニルー2―エトキシビフェニル、4−ビニルー3―エト
キシビフェニル等のアルコキシビフェニル類、4−ビニ
ルー4'―メトキシカルボニルビフェニル、4−ビニル
ー4'―エトキシカルボニルビフェニル等のアルコキシ
カルボニルビフェニル類、4−ビニルー4'―メトキシ
メチルビフェニル等のアルコキシアルキルビフェニル
類、4−ビニルー4'―トリメチルスタンニルビフェニ
ル、4−ビニルー4'―トリブチルスタンニルビフェニ
ル等のトリアルキルスタンニルビフェニル類、4−ビニ
ルー4'―トリメチルシリルメチルビフェニル等のトリ
アルキルシリルメチルビニルビフェニル類、4−ビニル
ー4'―トリメチルスタンニルメチルビフェニル、4−
ビニルー4'―トリブチルスタンニルメチルビフェニル
等のトリアルキルスタンニルメチルビフェニル類、p−
クロロエチルスチレン、m−クロロエチルスチレン、o
―クロロエチルスチレン等のハロゲン置換アルキルスチ
レン類、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレ
ン、o−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、m
−エトキシスチレン、o−エトキシスチレン等のアルコ
キシスチレン類、p−メトキシカルボニルスチレン、m
−メトキシカルボニルスチレン等のアルコキシカルボニ
ルスチレン類、アセチルオキシスチレン、エタノイルオ
キシスチレン、ベンゾイルオキシスチレン等のアシルオ
キシスチレン類、p−ビニルベンジルプロピルエーテル
等のアルキルエーテルスチレン類、p−トリメチルシリ
ルスチレン等のアルキルシリルスチレン類、p−トリメ
チルスタンニルスチレン、p−トリブチルスタンニルス
チレン、p−トリフェニルスタンニルスチレン等のアル
キルスタンニルスチレン類、ビニルベンゼンスルフォン
酸エチル、ビニルベンジルジメトキシフォスファイド、
p―ビニル等のビニルスチレン類、α―メチルスチレ
ン、α―エチルスチレン等のα―アルキルスチレン類、
β―メチルスチレン、β―エチルスチレン等のβ―アル
キルスチレン類等が挙げられる。これらは、単独で、又
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】これらの中で、スチレン、アルキルスチレ
ン類、ハロゲン化スチレン類、ビニルビフェニル類、ビ
ニルフェニルナフタレン類、ビニルフェニルアントラセ
ン類、ビニルフェニルフェナントレン類、ビニルフェニ
ルピレン類、ビニルターフェニル類、ビニルフェニルタ
ーフェニル類、ビニルアルキルビフェニル類、ハロゲン
化ビニルビフェニル類、アルコキシビフェニル類、アル
コキシカルボニルビフェニル類、アルコキシアルキルビ
フェニル類、トリアルキルスタンニルビフェニル類、ア
ルキルシリルメチルビニルビフェニル類、トリアルキル
スタンニルメチルビフェニル類、ハロゲン置換アルキル
スチレン類、アルコキシスチレン類、アシルオキシスチ
レン類、アルコキシカルボニルスチレン類、アルキルエ
ーテルスチレン類、アルキルシリルスチレン類、アルキ
ルスタンニルスチレン類、ビニルスチレン類、α―アル
キルスチレン類及びβ―アルキルスチレン類からなる群
からえらばれる少なくとも1種の化合物であることが好
ましい。
【0024】これらの中でも、耐熱性及び低吸湿性の点
から、スチレン、アルキルスチレン、パラ置換アルコキ
シスチレン、パラ置換アルキルスチレン、α―メチルス
チレンがより好ましく、スチレン、4−メチルスチレ
ン、2−メチルスチレン、4−t―ブチルスチレン、4
−メトキシスチレン及びα―メチルスチレンがより好ま
しい。
【0025】本発明において、モノマ成分(a)の合計
量に対して、共重合体(b)の添加量が、0.1〜50
0重量%であることが好ましく、10〜100重量%で
あることがより好ましい。共重合体(b)の添加量が、
0.1重量%未満であると、停止反応が十分進行しなく
なる傾向があり、また500重量%を超えると、得られ
るグラフトポリマーの吸湿性が高くなる傾向がある。
【0026】本発明における反応開始剤としては、塩化
クミル、クミルメチルエーテル、1−クロロインダン、
1−クロロエチルー2−クロロエチルエーテル、1−ク
ロロエチルメチルエーテル、1−クロロエチルエチルエ
ーテル及び1−クロロエチルベンゼン等の化合物を単独
で、又は二種以上の組み合わせで用いられる。但し、こ
こに示した化合物は一例であり、これらに制限されるも
のではない。
【0027】これらの中でも、リビング重合性の点か
ら、塩化クミル、クミルメチルエーテル、1−クロロイ
ンダン及び1−クロロエチルー2−クロロエチルエーテ
ルが、より好ましい。
【0028】本発明における反応開始剤の添加量は、モ
ノマ成分(a)の合計量に対して、0.01〜10重量
%であることが好ましい。反応開始剤の添加量が0.0
1重量%未満であると、重合反応のリビング重合性がな
くなる傾向があり、10重量%を超えると、分子量が小
さくなる傾向がある。
【0029】本発明における活性化剤としては、四塩化
チタン、三塩化チタン、ブトキシトリクロロチタン及び
四塩化スズ等の化合物を単独で、又は二種以上の組み合
わせで用いられる。但し、ここに示した化合物は一例で
あり、これらに制限されるものではない。
【0030】これらの中でも、リビング重合の反応性の
点から、四塩化チタン、ブトキシトリクロロチタン及び
四塩化スズがより好ましい。
【0031】本発明におけるDMSOの添加量は、モノ
マ成分(a)の合計量に対して、0.001〜10重量
%であることが好ましい。開始剤の添加量が0.001
重量%未満であると、重合反応のリビング性がなくなる
傾向があり、10重量%を超えると、重合反応の進行を
妨げる傾向がある。
【0032】本発明における重合温度には、―100〜
20℃の範囲にあることが好ましく、―78〜10℃の
範囲にあることがより好ましい。重合温度が、―100
℃未満あると、活性化剤が析出してくる傾向があり、2
0℃を超えると、リビング重合性がなくなる傾向があ
る。
【0033】本発明におけるカチオン重合反応には、反
応系中に存在する微量な水による開始反応を抑える抑制
剤を添加してもよい。この抑制剤には、例として、ピリ
ジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジエチルピ
リジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等が挙げられ
る。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに
制限されるものではない。
【0034】これらの抑制剤の添加量は、通常活性化剤
量に対して0.001〜1000重量%用いることが好
ましい。抑制剤の添加量が0.001重量%未満である
とその効果が見られない傾向があり、1000重量%を
超えると、カチオン重合反応が進行せず、(グラフト)
ポリマーが得られない傾向がある。
【0035】本発明において、共重合体(b)を重合す
る際には、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合
等の公知の手法を用いることができ、その中でも反応性
の点からラジカル重合法が好ましい。
【0036】本発明において、共重合体(b)のラジカ
ル重合を行う際には、公知のラジカル重合開始剤を用い
ることができる。ラジカル重合開始剤としては、過酸化
ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオ
キシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパ
ーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t
−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等の有機
過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビ
スシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベン
ゾイル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の水溶性触媒及び過酸化物あるいは過硫酸塩と
還元剤の組み合わせによるレドックス触媒等、通常のラ
ジカル重合に使用できるものはいずれも使用することが
できる。重合開始剤は、単量体の総量に対して0.01
〜10重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0037】本発明において、共重合体(b)のラジカ
ル重合における分子量調整剤として、メルカプタン系化
合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレ
ンダイマー等を必要に応じて添加することができる。
【0038】本発明において、共重合体(b)を熱重合
により得る場合、重合温度は、0〜200℃の間で適宜
選択することができ、40〜120℃がより好ましい。
【0039】本発明において、共重合体(b)の分子量
について特に制限されるものではないが、数平均分子量
(ポリスチレン換算)が1×104〜1×106の範囲の
ものが好ましく、5×104〜7×105の範囲が特に好
ましい。数平均分子量が1×104未満であると機械的
に脆くなる傾向があり、1×106を超えると、精密転
写性がなくなる傾向がある。
【0040】本発明において、共重合体(b)におけ
る、フェノール性水酸基を有する単量体とフェノール性
水酸基を有さない単量体の重量分率mは、0.001〜
0.7の範囲であることが好ましい。重量分率mが0.
001未満であると、グラフト率が低くなる傾向があ
り、0.7を超えると吸湿性が高くなる傾向がある。
【0041】本発明のカチオン重合における溶媒には、
ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の炭化水素類、クロロメタン、ジクロロメタン、
クロロホルム、四塩化炭素、ブロモベンゼン、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニ
トロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等の一種単
独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。但し、ここ
に示した化合物は一例であり、これらに制限されるもの
ではない。
【0042】本発明におけるグラフトポリマーには、必
要に応じて適当な添加剤を用いることができ、特に制限
はない。例えば、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、可
塑剤等を挙げることができる。混合方法は、例えば、そ
れらを樹脂とともに加熱下で溶融混練することにより均
一に混合することができる。又は、各々を溶媒に溶解し
た後、基板上に流延し、溶媒を加熱乾燥することによっ
ても均一な混合物を得ることができる。
【0043】本発明におけるグラフトポリマーの加工方
法には、特に制限はなく、公知の方法を用いることがで
き、射出成型法、圧縮成型法等の溶融成形方法、または
有機溶媒に溶解させたワニスの流延法、溶融押し出しに
よりフィルム状に加工することもできる。
【0044】本発明により得られるグラフトポリマー
は、例えば電気製品や自動車の外装部品に用いられるA
BS、AAS樹脂等の樹脂からなる成形品の強度を高め
るための添加剤、エポキシ樹脂かとう性付与剤等の添加
剤、光学用部品として、液晶プロジェクター用投射レン
ズ、光ディスク用レーザーピックアップレンズ、光磁気
ディスク用レーザーピックアップレンズ、光ディスク、
光磁気ディスク、DVD用ディスク、液晶セル基板、光
拡散シート、プロジェクター用スクリーン及びプリズム
等の射出成形品等、半導体関連材料、塗料、感光性材
料、接着剤、汚水処理剤、重金属捕集剤、イオン交換樹
脂、帯電防止剤、酸化防止剤、防曇剤、防錆剤、防染
剤、殺菌剤、防虫剤、医用材料、凝集剤、界面活性剤、
潤滑剤、固体燃料用バインダー及び導電処理剤等への適
用も可能である。
【0045】また、本発明のグラフトポリマーを用いた
レンズやシート等は、MgF2、SiO2などの無機化合
物を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法などによってコーティングしたり、成形品表面に
シランカップリング剤等の有機シリコン化合物、ビニル
モノマ、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、
シリコーン樹脂などをハードコートすることなどによっ
て、耐湿性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性、曇り止め
などを向上させることができる。
【0046】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらにより制限されるものではない。
【0047】実施例1 1)スチレンー4−ヒドロキシスチレン共重合体の合成 200mLの丸底フラスコに、スチレン90g、4−t
ert―ブトキシシスチレン10g、及び過酸化ベンゾ
イル0.25gを計量し、窒素バブリングを行いながら
60分撹拌し均一な混合溶液とした。その後、混合溶液
を試験管に注入し90℃で7h、さらに120℃で2h
加熱重合を行い、得られた塊状物を、THF100ml
に溶解した。この溶液を、メタノール1lで再沈するこ
とにより、スチレン−4−tertブトキシスチレン共
重合体(Mw=30×104)9.5gを得た。次に、
500ml丸底フラスコに、上で得られたスチレン−4
−tertブトキシスチレン共重合体10g、ジオキサ
ン333mlを計量し、均一な溶液となるまで、攪拌し
た。この溶液に、8.6Nシュウ酸1.3mlを滴下し
て、60℃3時間反応を行った。得られた溶液を100
mlまで、ロータリーエバポレーターで濃縮し、その濃
縮液を1lの水に注いだ。生じた沈殿物を濾過して集
め、水で十分洗浄後、沈殿物をジオキサン60mlに溶
解した。この溶液を、ヘキサン1lに注いで、生じた沈
殿物を濾過により集め、沈殿物を減圧乾燥することによ
り、スチレンー4−ヒドロキシスチレン共重合体9.0
g(Mw=30×104)を得た。
【0048】2)カチオン重合に使用する化合物の精製 ・インデン: インデンに塩化カルシウムを入れて、一
晩放置した。次に、塩化カルシウムを除いて水素化カル
シウムを加え、乾燥窒素下で、2時間還流後、減圧蒸留
した。 ・ジクロロメタン: ジクロロメタンに塩化カルシウム
を加えて一晩放置した。次に、塩化カルシウムを除い
て、水素化カルシウムを加え、乾燥窒素下で、2時間還
流後、常圧蒸留した。 ・塩化クミル: αメチルスチレンに塩酸ガスを通すこ
とにより得られた塩化クミルに塩化カルシウムを入れ
て、一晩放置した。次に、塩化カルシウムを除いて水素
化カルシウムを加え、乾燥窒素下で、2時間還流後、減
圧蒸留した。 ・N,N−ジメチルスルホキシド(DMSO):DMS
Oにモレキュラーシーブス4Aを添加して、一晩放置し
た。次に、モレキュラーシーブス4Aを除いて水素化カ
ルシウムを加え、乾燥窒素下で減圧蒸留した。 ・1−クロロエチルー2−クロロエチルエーテル:1−
クロロエチルー2−クロロエチルエーテルは、2−クロ
ロエチルビニルエーテルに塩酸ガスを通すことにより得
られる1−クロロエチルー2−クロロエチルエーテルに
塩化カルシウムを添加して、一晩放置後、塩化カルシウ
ムを除いて水素化カルシウムを加え、乾燥窒素下で、2
時間還流後、減圧蒸留した。 ・四塩化チタン: 市販されている1Mジクロロメタン
溶液をそのまま用いた。 ・四塩化スズ: 市販されている1Mジクロロメタン溶
液をそのまま用いた。
【0049】3)カチオン重合と共重合体の添加 減圧下、ドライヤーで十分加熱し、加熱終了後、乾燥窒
素で常圧下に戻した200ml丸底フラスコに、インデ
ン2.50ml、DMSO0.0089ml、塩化クミ
ル0.023g及びジクロロメタン46.5mlを計量
し、―40℃のバス内で、均一になるまで混合した。次
に、予めー40℃のバス内で冷却した、四塩化チタンの
1Mジクロロメタン溶液1mlを滴下し、重合を開始し
た。重合開始6分後、この重合系に先に合成したスチレ
ンー4−ヒドロキシスチレン共重合体の1%ジクロロン
メタン溶液100gを滴下し、重合を終了した。なお、
ここまでの操作は、乾燥窒素気流下で行った。このよう
にして得られた溶液を、メタノールで再沈した。沈殿を
濾過で集め、減圧乾燥することにより、グラフト体3.
2gを得た。得られたグラフト体を約260℃で溶融
し、圧縮成形して評価用サンプルとした。なお、グラフ
ト鎖の分子量を測定するために、重合の停止を共重合体
の添加ではなく、メタノールの添加で行った結果、この
重合条件でのポリインデンのMwは16,000であっ
た。
【0050】4)グラフトポリマーの評価方法 (1)平均分子量 作製サンプルの分子量は、GPC(日立製作所製L-4000
UV Detector)を用いて、スチレン換算の平均分子量を
測定した。 (2)グラフト率 作製サンプルのグラフト率は、以下の式より算出した。 グラフト率(%)=(グラフトポリマー重量−グラフト
前のポリマー重量)/(モノマ重量)×100 (3)透過率 作製サンプルの透過率は、日本分光製V−570を用い
て、500nmにおける透過率を測定した。サンプルは
厚み2mmのものを選択し、圧縮成形により作製した。 (4)複屈折 島津製作所製エリプソメータAEP-100型を用いて、25
℃でレーザ光波長632.8nmで測定した。サンプル
は厚み2mmのものを選択し、圧縮成形により作製し、
1.5倍に延伸したシートを試験片として評価した。 (5)ガラス転移温度(Tg) 粉末状のポリマーを、示差走査熱量計(リガク製Thermo
Plus DSC8230)用いて、ガラス転移温度(Tg)を測
定した。 (6)飽和吸水率 試験片(10×10×3mm)をオーブン内で乾燥させ
(90℃、24h)、その重量を測定した後、70℃の
水中に放置し、飽和吸水させた後、重量を測定し、次式
により飽和吸水率を算出した。 飽和吸水率(%)=(飽和吸水後の重量−吸水前の重
量)/(吸水前の重量)×100 (7)曲げ破壊強度 試験片の曲げ強度は、島津製作所製 AGS-1000Gを用い
て行った。試験は室温にて、テストスピード0.5mm
/min、スパン20mm、試験片幅10mmの条件で
行った。
【0051】実施例2 カチオン重合において、四塩化チタンの代わりに四塩化
スズ(IV)を、塩化クミルの代わりに1−クロロエチ
ルー2−クロロエチルエーテル0.0143gを、重合
温度をー78℃、また共重合体を添加するまでの時間を
重合開始後1分とした以外は、実施例1と同様に行った
実施例1と同様に行った結果、ポリインデン(Mw=
1.7×104)3.1gを得た。
【0052】比較例1 200mlフラスコに、トルエン45g及びインデン1
5gを入れ、25℃のバス内で均一になるまで攪拌し
た。この溶液に塩化アルミニウム0.15gを添加し、
重合を開始した。重合開始後、30分で、Mw3000
00のポリスチレン6.4gを添加し、ポリスチレンが
重合溶液に溶解した段階で、少量のメタノールを添加し
て、重合を停止し、エバポレーターで重合溶液を乾固し
た。これをTHF100mlに溶解し、メタノールを用
いて再沈殿を行い、サンプル(Mw=1.7×104
20gを得た。
【0053】実施例1,2及び比較例1から得られたポ
リマーの評価結果を表1にまとめた。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の製造方法より得られるグラフト
ポリマーを用いた成形材、フィルム又は添加剤として、
低吸湿性、耐熱性、機械強度、光特性に優れ、光学用部
品に、好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 哲郎 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井事業所内 (72)発明者 牛窪 恵子 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井事業所内 Fターム(参考) 4F071 AA21 AA22 AA78 AF10 AF14 AF29 AF45 AH19 BA02 BB02 BC01 4J002 AA01W BN23X GP01 4J026 AA16 AA17 AA19 AA20 AC23 BA44 BB01 DA05 DA12 DA13 DA15 DB02 DB15 FA03 GA02 GA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のモノマ成分(a)を、反応開始剤
    及びN,N−ジメチルスルホキシド(DMSO)の存在
    下、活性化剤を用いてカチオン重合を開始した後、下記
    の共重合体(b)を添加することを特徴とするグラフト
    ポリマーの製造方法。 (a)一般式(I)で表されるインデン又はインデン系
    単量体。 【化1】 但し、R1〜R5は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、
    酸素原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子のいずれ
    かを含む置換基を示し、nは1〜5の整数を示す。但
    し、nが複数の時は、R5は同一であっても異なってもよ
    い。 (b)一般式(II)で表される共重合体。 【化2】 但し、R6及びR7は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原
    子、酸素原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子のい
    ずれかを含む置換基を示し、mは重量分率、nは1〜5の
    整数を示す。但し、nが複数の時は、R6及びR7は同一で
    あっても異なってもよい。
  2. 【請求項2】 モノマ成分(a)100重量部に対し
    て、共重合体(b)の添加量が、0.1〜500重量%
    である請求項1記載のグラフトポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応開始剤が、塩化クミル、クミルメチ
    ルエーテル、1−クロロインダン及び1−クロロエチル
    ー2−クロロエチルエーテルから選ばれる化合物である
    請求項1又は2記載のグラフトポリマーの製造方法。
  4. 【請求項4】 活性化剤が、四塩化チタン、ブトキシト
    リクロロチタン及び四塩化スズから選ばれる化合物であ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフトポリマ
    ーの製造方法。
  5. 【請求項5】 モノマ成分(a)が、インデン、アルキ
    ルインデン類、ハロゲン化インデン類、アリールインデ
    ン類、アルコキシインデン類、アルコキシカルボニルイ
    ンデン類、アシルオキシインデン類、アルキルシリルイ
    ンデン類及びアルキルスタンニルインデン類からなる群
    から選ばれる化合物である請求項1〜4のいずれか一項
    に記載のグラフトポリマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 重合温度が、−100〜20℃の範囲
    にある請求項1〜5のいずれか一項に記載のグラフトポ
    リマーの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    グラフトポリマーの製造方法より得られる重合体を用い
    た成形材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    グラフトポリマーの製造方法より得られる重合体を用い
    たフィルム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか一項に記載のグ
    ラフトポリマーの製造方法より得られる重合体を用いた
    添加剤。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9記載のいずれか一項に記
    載の成形材、フィルム又は添加剤を用いた光学用部品。
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