JP2001342193A - 有機ほう素化合物、該有機ほう素化合物の製造方法、及び該有機ほう素化合物を用いた有機発光素子 - Google Patents

有機ほう素化合物、該有機ほう素化合物の製造方法、及び該有機ほう素化合物を用いた有機発光素子

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光層及び電子輸送層として優れ、電荷移動
特性に優れ、発光素子材料として有用な新規ほう素化合
物を提供する。 【解決手段】 下記一般式[1]で示される有機ほう素
化合物。 【化1】 (式中、Ar1は置換または無置換のアリール基、置換
または無置換の複素環基を表す。R1,R2,R3,R4
5,R6,R7,R8,R9,R10,R11は、水素、ハロ
ゲン、アルキル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコ
キシ基、フォルミル基、ニトリル基、アロイル基、アル
キロイル基、アリール基、アラルキル基、複素環基のい
ずれかを示し、これらは置換されていても無置換でもよ
い。但し、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8
9,R10,R11は同じであっても異なっていても良
い。また、R1とR2,R2とR3,R3とR4,R4とR5
5とR6,R6とR7,R8とR9,R9とR10,R10とR
11,R11とR1が縮合環を形成していても良い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な有機ほう素
化合物、その製造方法および該有機ほう素化合物を用い
た有機発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、陽極と陰極間に蛍光性
有機化合物を含む有機薄膜を挟持させ、各電極から電子
およびホール(正孔)を注入することにより、蛍光性化
合物の励起子を生成させ、この励起子が基底状態に戻る
際に放射される光を利用する素子である。
【0003】1987年コダック社の研究(Appl.
Phys.Lett.51,913(1987))で
は、陽極にITO、陰極にマグネシウム銀の合金をそれ
ぞれ用い、電子輸送材料および発光材料としてアルミニ
ウムキノリノール錯体を用い、ホール輸送材料にトリフ
ェニルアミン誘導体を用いた機能分離型2層構成の素子
で、10V程度の印加電圧において1000cd/m2
程度の発光が報告されている。関連の特許としては、米
国特許第4,539,507号、米国特許4,720,
432号、米国特許第4,885,211号等が挙げら
れる。
【0004】また、蛍光性有機化合物の種類を変えるこ
とにより、紫外から赤外までの発光が可能であり、最近
では様々な化合物の研究が活発に行われている。例え
ば、米国特許第5,151,629号、米国特許第5,
409,783号、米国特許第5,382,477号、
特開平2−247278号公報、特開平3−25519
0号公報、特開平5−202356号公報、特開平9−
202878号公報、特開平9−227576号公報等
に記載されている。
【0005】さらに、上記のような低分子材料を用いた
有機発光素子の他にも、共役系高分子を用いた有機発光
素子が、ケンブリッジ大学のグループ(“Natur
e”,347,539(1990))により報告されて
いる。この報告ではポリフェニレンビニレン(PPV)
を塗工系で成膜することにより、単層で発光を確認して
いる。共役系高分子を用いた有機発光素子の関連特許と
しては、米国特許第5,247,190号、米国特許第
5,514,878号、米国特許第5,672,678
号、特開平4−145192号公報、特開平5−247
460号公報等が挙げられる。
【0006】このように有機発光素子における最近の進
歩は著しく、その特徴は低印加電圧で高輝度、発光波長
の多様性、高速応答性、薄型、軽量の発光デバイス化が
可能であることから、広汎な用途への可能性を示唆して
いる。
【0007】しかしながら、現状では更なる高輝度の光
出力あるいは高変換効率が必要である。また、長時間の
使用による経時変化や酸素を含む雰囲気気体や湿気など
による劣化等の耐久性の面で未だ多くの問題がある。
【0008】さらに、電子注入材料として、オキサジア
ゾール誘導体(例えば特開平2−216791号公報、
特開平4−363891号公報等)、あるいはトリアジ
ン誘導体(例えば特開平7−41759号公報、特開平
7−90260号公報等)が知られている。しかしなが
ら、これらを用いた有機発光素子では、膜の安定性、電
子注入効率とも十分なものではなく、発光輝度、寿命と
もまだ十分なものとはいえない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
る。
【0010】本発明の目的は、新規なほう素化合物及
び、その製造方法を提供することにある。
【0011】さらに本発明の別の目的は、極めて高効率
で高輝度、高寿命の光出力を有する有機発光素子を提供
することにある。
【0012】また、発光波長に多様性があり、種々の発
光色相を呈するとともに極めて耐久性のある有機発光素
子を提供する事にある。
【0013】さらには製造が容易でかつ比較的安価に作
成可能な有機発光素子を提供する事にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の有
機発光素子の発光材料や電子注入材料が有する問題点を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明の新規な有機ほう
素化合物が発光材料、電子注入材料及び電子輸送材料と
して優れていることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0015】すなわち、本発明の有機ほう素化合物は、
下記一般式[1]で示されることを特徴とする。
【0016】
【化9】
【0017】(式中、Ar1は置換または無置換のアリ
ール基、置換または無置換の複素環基を表す。R1
2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11
は、水素、ハロゲン、アルキル基、、アルケニル基、ア
ミノ基、アルコキシ基、フォルミル基、ニトリル基、ア
ロイル基、アルキロイル基、アリール基、アラルキル
基、複素環基のいずれかを示し、これらは置換されてい
ても無置換でもよい。但し、R1,R2,R3,R4
5,R6,R7,R8,R9,R10,R11は同じであって
も異なっていても良い。また、R1とR2,R2とR3,R
3とR4,R4とR5,R5とR6,R6とR7,R8とR9,R
9とR10,R10とR11,R11とR1が縮合環を形成してい
ても良い。)
【0018】本発明により提供される有機ほう素化合物
は、強い蛍光性があり、発光素子の発光材料として有用
である。また、本発明の有機ほう素化合物は、発光素子
の電子輸送層及び発光層として有用であり、さらには電
子注入層としても有用である。
【0019】また、本発明の有機ほう素化合物の製造方
法は、前記一般式[1]で示される有機ほう素化合物の
製造方法であって、酢酸アンモニウム存在下で、ケトン
化合物Xと、ケトン化合物Y又はアルデヒド化合物と、
を反応させる工程(A)、及び前記工程(A)で得られ
た化合物と有機ほう素酸化合物とを反応させる工程
(B)、とを有することを特徴とする。
【0020】本発明の製造方法によれば、上記の有機ほ
う素化合物を容易に得ることができる。
【0021】さらに、本発明の有機発光素子は、陽極及
び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持さ
れた一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有
する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の
うち少なくとも一層が前記一般式[1]で示される有機
ほう素化合物を含有することを特徴とする。
【0022】本発明の有機発光素子は、特に低い印加電
圧で極めて輝度の高い発光を得ることができ、且つ耐久
性にも極めて優れると共に、種々の色相を発光させるこ
とができる。例えば、基本色である赤、青、緑を発光さ
せることができるため、ディスプレイとしても有望であ
る。また、素子の作成も真空蒸着或いはキャスティング
法等で作成でき比較的安価で大面積の素子を容易に作成
することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の有機ほう素化合物は、下
記一般式[1]で示される。
【0024】
【化10】
【0025】式中、Ar1は置換または無置換のアリー
ル基、置換または無置換の複素環基を表す。
【0026】置換または無置換のアリール基としては、
例えば、フェニル基、トリル基、アミノフェニル基、ニ
トロフェニル基、ハロゲン置換フェニル基などの単環
基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、アン
トラニル基などの多環芳香環基が挙げられる。
【0027】次に、上記の置換基Ar1の具体的な例を
以下に示す。
【0028】置換または無置換の複素環基としては、例
えば、ピリジル基などの単環性複素環基、キノリル基、
アクリジニル基などの6,6縮合複素環基、インドリニ
ル基などの6,5縮合複素環基、ピロリル基、チエニル
基、イミダゾリル基、ピラゾリル基などの5環性単環複
素環基があげられる。
【0029】また、アリール基、複素環基の置換基とし
ては、ハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ
基、イミノ基、アセチル基、フォルミル基、ニトロ基、
シリル基、アリール基、複素環基、ニトリル基などが挙
げられる。具体的には、ハロゲン基としては塩素、臭
素、フッ素、沃素など、アルキル基としてはメチル基、
エチル基、プロピル基などの直鎖アルキル基、イソブチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基などの分岐アルキ
ル基、ベンジル基などのアラルキル基など、アルコキシ
基としてはメトキシ基、エトキシ基など、アミノ基とし
ては2級アミノ基、3級アミノ基など、シリル基として
はジメチルシリル基、ジフェニルシリル基、t−ブチル
−ジフェニルシリル基など、アリール基としてはフェニ
ル基などの置換または無置換の単環基、ビフェニル基、
テルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などの置
換または無置換の多環芳香環など、複素環基としてはピ
リジル基などの単環性複素環基、キノリル基、アクリジ
ニル基などの6,6縮合複素環基、インドリニル基など
の6,5性縮合複素環基、ピロリル基、チエニル基など
の5環性単環複素環基などがあげられる。
【0030】一方、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7,R8,R9,R10,R11は、水素、ハロゲン、アルキ
ル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ基、フォ
ルミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロイル基、
アリール基、アラルキル基、複素環基のいずれかを示
し、これらは置換されていても無置換でもよい。但し、
1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9
10,R11は同じであっても異なっていても良い。ま
た、R1とR2,R2とR3,R3とR4,R4とR5,R5
6,R6とR7,R8とR9,R9とR10,R10とR11,R
11とR1が縮合環を形成していても良い。
【0031】次に、上記の置換基R1〜R11の具体的な
例を以下に示す。
【0032】ハロゲン基としては塩素、臭素、フッ素、
ヨウ素が挙げられる。
【0033】アルキル基としては炭素数1から20まで
の直鎖または分岐アルキル基があげられ、そのようなア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−オクチル基、n−デシル基などの直鎖アルキル
基、イソプロピル基、t−ブチル基などの分岐アルキル
基が挙げられる。
【0034】アルケニル基としては、ビニル基等が挙げ
られる。
【0035】アミノ基としては、無置換アミノ基、アル
キル基またはアラルキル基またはアリール基または複素
環基が置換した一置換アミノ基、もしくはアルキル基ま
たはアラルキル基またはアリール基または複素環基が2
個置換した二置換アミノ基が挙げられる。そのようなア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−オクチル基、n−デシル基などの直鎖アルキル
基、イソプロピル基、t−ブチル基などの分岐アルキル
基が挙げられる。
【0036】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、フェニルオキシ基などのアルキルオキシ基や芳
香族オキシ基が挙げられる。
【0037】アロイル基としてはベンゾイル基、ナフト
イル基、アンスロイル基などが挙げられる。
【0038】アルキロイル基としては、アセチル基、n
−プロピオニル基、イソブチリル基などの直鎖または分
岐脂肪族カルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基な
どの環状脂肪族カルボニル基などが挙げられる。
【0039】アリール基としては、フェニル基、ナフチ
ル基、アントラニル基などの単環性芳香族基や芳香族縮
合環が挙げられる。
【0040】アラルキル基としては、ベンジル基、ピリ
ヂルメチル基、ナフトメチル基などが挙げられる。
【0041】複素環基としてはフリル基、チエニル基、
ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピラジニル
基などの単環複素環またはインドリル基、アクリヂニル
基などの縮合複素環などが挙げられる。
【0042】また、これらは置換されていても無置換で
もよく、置換されている場合の置換基としては、ハロゲ
ン、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、フォルミル
基、ニトリル基、ニトロ基、アロイル基、アルキロイル
基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換
のアラルキル基、置換または無置換の複素環基(アリー
ル基、アラルキル基、複素環基の置換基としては、ハロ
ゲン、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、フォルミ
ル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロイル基、置換
または無置換のアリール基、置換または無置換のアラル
キル基、置換または無置換の複素環基が挙げられるがこ
れらに限定されるものではない)が挙げられ、その具体
例としては、前述と同様のものが挙げられる。
【0043】さらに、R1とR2,R2とR3,R3とR4
4とR5,R5とR6,R6とR7,R 8とR9,R9
10,R10とR11が縮合環を形成する例としてはベンゾ
基、アンスロ基、ピリド基、ピラジノ基、イミダゾ基、
チエノ基、ピラゾロ基、カルバゾロ基などの縮合環およ
び単環が挙げられる。
【0044】次に、一般式[1]で示される化合物につ
いてその代表例を下記に示す。但し、これらに限定され
るものではない。
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】本発明の、上記一般式[1]で示される有
機ほう素化合物の製造方法は、酢酸アンモニウム存在下
で、ケトン化合物Xと、ケトン化合物Y又はアルデヒド
化合物と、を反応させる工程(A)、及び前記工程
(A)で得られた化合物とほう素酸化合物とを反応させ
る工程(B)、とを有することを特徴としている。
【0051】ここで、ケトン化合物X及び/又はケトン
化合物Yが、ベンゾイルケトン化合物であることが好ま
しく、アルデヒド化合物が、ベンズアルデヒド化合物で
あることが好ましい。また、工程(A)で得られる化合
物と、ほう素酸化合物のモル比を1:0.4〜2.5で
反応させることが好ましい。
【0052】本発明の製造方法の一実施形態として、ケ
トン化合物Xと、ケトン化合物Y又はアルデヒド化合物
とを、酢酸アンモニウムと共に環化付加して得られるピ
リジン化合物にほう素酸化合物を付加させる方法が挙げ
られる。
【0053】より具体的には、工程(A)として、例え
ば下記一般式[2]で示されるケトン化合物Xと
【0054】
【化16】
【0055】(式中、R12〜R15は、水素、ハロゲン、
アルキル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ
基、フォルミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロ
イル基、アリール基、アラルキル基、複素環基のいずれ
かを示し、これらは置換されていても無置換でもよい。
但し、R12〜R15は同じであっても異なっていても良
い。また、隣り合うRが縮合環を形成していても良
い。) 下記一般式[3]で示されるケトン化合物Yを
【0056】
【化17】
【0057】(式中、R16〜R20は、水素、ハロゲン、
アルキル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ
基、フォルミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロ
イル基、アリール基、アラルキル基、複素環基のいずれ
かを示し、これらは置換されていても無置換でもよい。
但し、R16〜R20は同じであっても異なっていても良
い。また、隣り合うRが縮合環を形成していても良
い。) 酢酸アンモニウムと共に反応させることにより、下記一
般式[4]で示される化合物が合成できる。
【0058】
【化18】
【0059】上記の反応において、一般式[2]で示さ
れる化合物と一般式[3]で示される化合物との割合
は、[2]の化合物:[3]の化合物=2〜5モル:2
〜5モルが好ましい。また、酢酸アンモニウムは、一般
式[2]で示される化合物の10倍モル以上が好まし
い。反応は、酢酸等の溶媒中で70〜100℃で、反応
時間は3時間〜20時間の条件下で行なうのが好まし
い。
【0060】また、工程(A)の他の例として、下記一
般式[5]で示されるケトン化合物Xと、
【0061】
【化19】
【0062】(式中、R21〜R24は、水素、ハロゲン、
アルキル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ
基、フォルミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロ
イル基、アリール基、アラルキル基、複素環基のいずれ
かを示し、これらは置換されていても無置換でもよい。
但し、R21〜R24は同じであっても異なっていても良
い。また、隣り合うRが縮合環を形成していても良
い。) 下記一般式[6]で示されるアルデヒド化合物を
【0063】
【化20】
【0064】(式中、R25〜R29は、水素、ハロゲン、
アルキル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ
基、フォルミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロ
イル基、アリール基、アラルキル基、複素環基のいずれ
かを示し、これらは置換されていても無置換でもよい。
但し、R25〜R29は同じであっても異なっていても良
い。また、隣り合うRが縮合環を形成していても良
い。) 酢酸アンモニウムと共に反応させることにより、下記一
般式[7]で示される化合物が合成できる。
【0065】
【化21】
【0066】一般式[7]で示される化合物を、酸性条
件下で加水分解することにより、下記一般式[8]で示
される化合物が合成できる。
【0067】
【化22】
【0068】上記の反応において、一般式[5]で示さ
れる化合物と、一般式[6]で示される化合物の割合
は、[5]の化合物:[6]の化合物=1〜4モル:1
モルが好ましい。また、酢酸アンモニウムは、一般式
[5]で示される化合物の10倍モル以上が好ましい。
反応は、酢酸等の溶媒中で70〜100℃で、反応時間
は3時間〜20時間の条件下で行なうのが好ましい。
【0069】また、一般式[7]で示される化合物の加
水分解は、臭化水素酸等を用い、70〜100℃で、反
応時間は3〜10時間の条件下で行なうのが好ましい。
【0070】次に、工程(B)として、一般式[4]ま
たは[8]で示される化合物を下記一般式[9]で示さ
れる化合物と反応させることにより、
【0071】
【化23】
【0072】(式中、Ar2は置換または無置換のアリ
ール基、置換または無置換の複素環基を表す。) 下記一般式[10]または[11]で示される化合物が
合成できる。
【0073】
【化24】
【0074】一般式[4]又は一般式[8]で示される
化合物と一般式[9]で示される化合物の割合は、
[4]又は[8]の化合物:[9]の化合物=1モル:
0.4〜2.5モルが好ましい。また、反応は酢酸等の
溶媒中で、反応温度は20〜100℃、反応時間は1時
間〜10時間の条件下で行うのが好ましい。
【0075】尚、一般式[9]におけるAr2の具体例
としては、前述のAr1と同様のものが挙げられる。ま
た、一般式[2]〜[8][10][11]におけるR
12〜R 29及び隣り合うRが形成する縮合環の具体例とし
ては、前述のR1〜R11と同様のものが挙げられる。
【0076】本発明の有機ほう素化合物は、強い蛍光性
を有するため、以下に示す有機発光素子に限らずほう酸
の定量分析等に用いた場合にも好適に実施される。
【0077】本発明の有機発光素子は、陽極および陰極
からなる一対の電極と、該一対の電極に挟持された一ま
たは複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機
発光素子において、前記有機化合物を含む層のうち少な
くとも一層が上記一般式[1]で示される有機ほう素化
合物を含有することを特徴とする。
【0078】ここで、一般式[1]で示される有機ほう
素化合物を含有する有機化合物からなる層が、発光層、
または電子注入層として機能することが好ましく、更に
ホール輸送層を有することが好ましい。
【0079】本発明の有機発光素子においては、上述の
様な一般式[1]で示される有機ほう素化合物を真空蒸
着法や溶液塗布法により陽極及び陰極の間に形成する。
その有機層の厚みは10μmより薄く、好ましくは0.
5μm以下、より好ましくは0.01〜0.5μmの厚
みに薄膜化することが好ましい。
【0080】又、本発明の発光素子は、一対の電極間に
複数の層を配して構成することもでき、複数層のうち、
少なくとも一つの層が一般式[1]で示される有機ほう
素化合物で構成されていれば良い。本発明の発光素子に
おいては、一般式[1]で示される有機ほう素化合物を
適宣選択することにより、所望の発光色を呈する発光素
子を構成することができる。
【0081】以下に、図面に沿って本発明を更に詳細に
説明する。
【0082】図1は本発明の有機発光素子の一例を示す
断面図である。図1は基板1上に陽極2、発光層3及び
陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する
発光素子はそれ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送
能及び発光性の性能を単一で有している場合や、それぞ
れの特性を有する化合物を混合して使う場合に有用であ
る。
【0083】図2は本発明の有機発光素子の他の例を示
す断面図である。図2は基板1上に陽極2、ホール輸送
層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のもの
である。この場合は発光物質はホール輸送性かあるいは
電子輸送性のいづれかあるいは両方の機能を有している
材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なるホール
輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用いる場
合に有用である。また、この場合発光層3はホール輸送
層5あるいは電子輸送層6のいずれかから成る。
【0084】図3は本発明の有機発光素子の他の例を示
す断面図である。図3は基板1上に陽極2、ホール輸送
層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた
構成のものである。これはキャリヤ輸送と発光の機能を
分離したものであり、ホール輸送性、電子輸送性、発光
性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いら、
極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異
にする種々の化合物が使用できるため、発光色相の多様
化が可能になる。さらに、中央の発光層に各キャリヤあ
るいは励起子を有効に閉じこめて発光効率の向上を図る
ことも可能になる。
【0085】ただし、図1〜3はあくまでごく基本的な
素子構成であり、本発明の一般式[1]で示される化合
物を含有する有機化合物層を用いた有機発光素子の構成
はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有
機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を
設ける、ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる
2層から構成される、など多様な層構成をとることがで
きる。
【0086】本発明においては、一般式[1]で示され
る化合物を含有する層は、ホール注入輸送層、電子輸送
層、発光層のいずれにも適用することができるが、必要
に応じてこれまで知られているホール輸送性化合物(例
えば、下記の化25〜29に示される化合物等)あるい
は電子輸送性化合物(例えば、下記の化30〜33に示
される化合物等)また発光性化合物(例えば、下記の化
34に示される化合物等)を必要に応じて一緒に使用す
ることもできる。
【0087】
【化25】
【0088】
【化26】
【0089】
【化27】
【0090】
【化28】
【0091】
【化29】
【0092】
【化30】
【0093】
【化31】
【0094】
【化32】
【0095】
【化33】
【0096】
【化34】
【0097】本発明の有機発光素子において、一般式
[1]で示される化合物を含有する層及び他の有機化合
物層は、一般には真空蒸着法あるいは適当な溶媒に溶解
させて塗布法により薄膜を形成する。特に塗布法で成膜
する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成す
ることもできる。
【0098】上記結着樹脂としては広範囲な結着性樹脂
より選択でき、たとえばポリビニルカルバゾール樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種ま
たは2種以上混合してもよい。
【0099】上記結着性樹脂と有機化合物の好適な組み
合わせの割合は、材料の組み合わせによって多少異なる
が、結着性樹脂1重量部に対して0.01〜20重量
部、より好ましくは0.1〜10重量部であるとよい。
【0100】陽極材料としては仕事関数がなるべく大き
なものがよく、例えば、金、白金、ニッケル、パラジウ
ム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体あるい
はこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム
(ITO),酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用
できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオ
フェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマー
も使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよ
く、複数併用することもできる。
【0101】一方、陰極材料としては仕事関数の小さな
ものがよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、
鉛、錫、クロム等の金属単体あるいは複数の合金として
用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の
金属酸化物の利用も可能である。また、陰極は一層構成
でもよく、多層構成をとることもできる。
【0102】本発明で用いる基板としては、特に限定す
るものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等
の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等
の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィル
ター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを
用いて発色光をコントロールする事も可能である。
【0103】なお、作成した素子に対して、酸素や水分
等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設
けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄
膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッソ樹
脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹
脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜、さらには光硬化性
樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィ
ルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子
自体をパッケージングすることもできる。
【0104】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明していくが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0105】[実施例1]前記例示化合物No.37の
合成 4−[ビス(4’−メチルフェニル)アミノ]ベンズア
ルデヒド3.01g(10mmol)、o−メトオキシ
アセトフェノン3.00g(20mmol)及び酢酸ア
ンモニウム14gを酢酸50mlに加え12時間撹拌し
た。室温まで冷却し、200mlの水に注ぎ、クロロホ
ルム(100ml×2)で抽出した。クロロホルム層を
減圧下で濃縮し、残渣をベンゼン−ヘキサン(1:1)
を用いて再結晶を行うと1.30gの2,6−ビス
(2’−メトオキシフェニル)−4−[4’’−ビス
(4’’’−メチルフェニル)アミノ]フェニルピリジ
ンが得られた。再結晶したろ液からカラムクロマト分離
(シリカゲル:溶出液、ベンゼン)により0.79gが
得られた(収率:37.2%)。
【0106】次に、2,6−ビス(2’−メトオキシフ
ェニル)−4−[4’’−ビス(4’’’−メチルフェ
ニル)アミノ]フェニルピリジンの1.12g(2mm
ol)を47%臭化水素酸30mlに加え、6時間加熱
還流した。室温まで冷却後、100mlの水に注ぎ、ク
ロロホルム(200ml)で抽出し、クロロホルム層を
10%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、次いで水洗した。
クロロホルムを減圧下で留去し、残渣をクロマト分離
(シリカゲル:溶出液、クロロホルム)を行うと、2,
6−ビス(o−ヒドロオキシフェニル)−4−[4’’
−ビス(4’’’−メチルフェニル)アミノ]フェニル
ピリジン0.46gが得られた(収率:42%)。
【0107】2,6−ビス(o−ヒドロオキシフェニ
ル)−4−[4’’−ビス(4’’’−メチルフェニ
ル)アミノ]フェニルピリジンの0.53g(1mmo
l)を酢酸30mlに50〜60℃で加熱溶解し、フェ
ニルボロン酸0.15g(1.25mmol)を加え、
室温で撹拌すると約10分後に黄色沈殿を生じた。4時
間撹拌を行い、ろ過し、沈殿を水洗すると、ほとんど純
粋な2,6−ビス(o−ヒドロオキシフェニル)−4−
[4’’−ビス(4’’’−メチルフェニル)アミノ]
フェニルピリジンのフェニルほう酸エステル(例示化合
物No.37)0.47gが得られた(収率75%)。
【0108】
【化35】
【0109】[実施例2]前記例示化合物No.16の
合成 ヨウ化2−ヒドロオキシフェナシルピリジニウム塩1.
63g(5mmol)、1−(2−ヒドロオキシフェニ
ル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)2−プロペ
ン−1−オン0.53g(2mmol)と酢酸アンモニ
ウム4gを酢酸(4ml)に加え、5時間撹拌した。室
温まで冷却し、50mlの水に注ぎ、クロロホルム(3
0ml×2)で抽出した。クロロホルムを減圧下で留去
し、残渣をクロマト分離(シリカゲル:溶出液、クロロ
ホルム)すると、2,6−ビス(2−ヒドロオキシフェ
ニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)ピリジン
0.61gが得られた(収率:79%)。反応混合物を
エタノール30mlを用いて再結晶を行うと64%の収
率でフェノールピリジン体が得られた。
【0110】2,6−ビス(2−ヒドロオキシフェニ
ル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)ピリジンの
0.38g(1mmol)を酢酸30mlに溶解し、フ
ェニルボロン酸0.15g(1.25mmol)を加
え、室温で撹拌すると約10分後に沈殿を生じた。4時
間撹拌を行い、ろ過し、沈殿の洗液が中性になるまで水
洗すると、ほとんど純粋な2,6−ビス(2−ヒドロオ
キシフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)
ピリジンのフェニルほう酸エステル(例示化合物No.
16)0.37gが得られた(収率80%)。
【0111】
【化36】
【0112】[実施例3]前記例示化合物No.17の
合成 2,6−ビス(o−ヒドロオキシフェニル)−4−(p
−メチルフェニル)ピリジンの0.35g(1mmo
l)を酢酸30mlに溶解し、フェニルボロン酸0.1
5g(1.25mmol)を加え、室温で撹拌すると約
10分後に沈殿を生じた。8時間撹拌を行い、ろ過し、
沈殿の洗液が中性になるまで水洗した。ほとんど純粋な
2,6−ビス(o−ヒドロオキシフェニル)−4−(p
−メチルフェニル)ピリジンのフェニルほう酸エステル
(例示化合物No.17)0.32gが得られた(収率
74%)。
【0113】
【化37】
【0114】[実施例4]ガラス基板上に酸化錫インジ
ウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成
膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これを
アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超
音波洗浄し、IPAで煮沸洗浄、乾燥をした。さらに、
UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として
使用した。
【0115】正孔輸送材料として、N,N’−ジフェニ
ル−N,N’−m−トリル−4,4’−ジアミノ−1,
1’−ビフェニル(以下TPDと記す)を500Å、次
いで前記例示化合物No.2を500Å、次いで陰極と
してAlを1500Åの厚みに順次真空蒸着を行い素子
を作製した。この素子の発光は緑であり、5Vで輝度1
50cd/m2、9Vで輝度1,000cd/m2であっ
た。
【0116】[実施例5]実施例4で用いたITO付き
ガラス基板のITO電極表面にTPDを500Å、次い
で前記例示化合物No.16を500Å、次いで陰極と
してAlを1500Åの厚みに順次真空蒸着を行い素子
を作製した。この素子の発光は緑であり、5Vで輝度2
00cd/m2、9Vで輝度1,500cd/m2であっ
た。
【0117】[実施例6]実施例4で用いたITO付き
ガラス基板のITO電極表面にTPDを500Å蒸着し
た。次いで前記例示化合物No.16及びドーパントと
してクマリン6を300Å共蒸着した。なお、クマリン
6のドープ量は前期例示化合物No.16に対して1w
t%とした。更に前記例示化合物No.16を200Å
蒸着した後、陰極としてAlを1500Åの厚みに順次
真空蒸着を行い素子を作製した。この素子の発光は緑で
あり、5Vで輝度240cd/m2、9Vで輝度3,0
00cd/m2であった。クマリン6をドーパントとし
て添加したことにより、9Vにおける輝度が飛躍的に向
上した。
【0118】[実施例7]実施例4で用いたITO付き
ガラス基板のITO電極表面にTPDを500Å、次い
で前記例示化合物No.17を500Å、更に陰極とし
てAlを1500Åの厚みに順次真空蒸着を行い素子を
作製した。この素子の発光は黄色であり、5Vで輝度4
0cd/m2、9Vで輝度500cd/m2であった。
【0119】[実施例8]実施例4で用いたITO付き
ガラス基板のITO電極表面にTPDを500Å、次い
で前記例示化合物No.17を500Å、次いで電子注
入材料としてアルミニウム−リチウム合金(リチウム濃
度1原子%)を100Å、更に陰極としてAlを150
0Åの厚みに順次真空蒸着を行い素子を作製した。この
素子の発光は緑であり、5Vで輝度40cd/m2、9
Vで輝度500cd/m2であった。
【0120】本実施例では電子注入層としてアルミニウ
ム−リチウム合金を用いたが電子注入層を設けることに
よる輝度の有意差は見られなかった。即ち、本発明の有
機化合物は電子注入性にも優れていた。
【0121】[実施例9]実施例4で用いたITO付き
ガラス基板のITO電極表面にTPDを500Å、トリ
ス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体を500
Å、次いで電子注入層として前記例示化合物No.17
を20Å、更に陰極としてAlを1500Åの厚みに順
次真空蒸着を行い素子を作製した。
【0122】[比較例]実施例4で用いたITO付きガ
ラス基板のITO電極表面にTPDを500Å、トリス
(8−キノリノラート)アルミニウム錯体を500Å、
更に陰極としてAlを1500Åの厚みに順次真空蒸着
を行い素子を作製した。
【0123】実施例9及び比較例で得られた素子の発光
は緑であり、これらの電圧−輝度特性を図4に示す。本
発明の化合物が電子注入層として極めて有用であった。
【0124】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の一般
式[1]で示される有機ほう素化合物は、発光層及び電
子輸送層として優れ、電荷移動特性に優れ、発光素子材
料として有用である。
【0125】また、本発明の製造方法によれば、上記の
有機ほう素化合物の製造が容易で比較的安価に提供でき
る。
【0126】さらに、本発明の一般式[1]で示される
化合物を用いた有機発光素子は、特に低い印加電圧で極
めて輝度の高い発光を得ることができ、且つ耐久性にも
極めて優れていた。
【0127】本発明の一般式[1]で示される化合物を
用いた有機層は電子輸送層及び発光層として有用であ
り、さらには電子注入層としても有用である。
【0128】また、素子の作成も真空蒸着或いはキャス
ティング法等で作成でき比較的安価で大面積の素子を容
易に作成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における有機発光素子の一例を示す断面
図である。
【図2】本発明における有機発光素子の他の例を示す断
面図である。
【図3】本発明における有機発光素子の他の例を示す断
面図である。
【図4】本発明の実施例9及び比較例の有機発光素子の
電圧−輝度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 正孔注入電極 3 発光層 4 電子注入電極 5 ホール輸送層 6 電子輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 妹尾 章弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 幸一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 与儀 誠一 沖縄県那覇市首里崎山町4丁目82番2号

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で示されることを特徴
    とする有機ほう素化合物。 【化1】 (式中、Ar1は置換または無置換のアリール基、置換
    または無置換の複素環基を表す。R1,R2,R3,R4
    5,R6,R7,R8,R9,R10,R11は、水素、ハロ
    ゲン、アルキル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコ
    キシ基、フォルミル基、ニトリル基、アロイル基、アル
    キロイル基、アリール基、アラルキル基、複素環基のい
    ずれかを示し、これらは置換されていても無置換でもよ
    い。但し、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8
    9,R10,R11は同じであっても異なっていても良
    い。また、R1とR2,R2とR3,R3とR4,R4とR5
    5とR6,R6とR7,R8とR9,R9とR10,R10とR
    11,R11とR1が縮合環を形成していても良い。)
  2. 【請求項2】 下記一般式[1]で示される有機ほう素
    化合物の製造方法であって、酢酸アンモニウム存在下
    で、ケトン化合物Xと、ケトン化合物Y又はアルデヒド
    化合物と、を反応させる工程(A)、及び前記工程
    (A)で得られた化合物と有機ほう素酸化合物とを反応
    させる工程(B)、とを有することを特徴とする有機ほ
    う素化合物の製造方法。 【化2】 (式中、Ar1は置換または無置換のアリール基、置換
    または無置換の複素環基を表す。R1,R2,R3,R4
    5,R6,R7,R8,R9,R10,R11は、水素、ハロ
    ゲン、アルキル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコ
    キシ基、フォルミル基、ニトリル基、アロイル基、アル
    キロイル基、アリール基、アラルキル基、複素環基のい
    ずれかを示し、これらは置換されていても無置換でもよ
    い。但し、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8
    9,R10,R11は同じであっても異なっていても良
    い。また、R1とR2,R2とR3,R3とR4,R4とR5
    5とR6,R6とR7,R8とR9,R9とR10,R10とR
    11,R11とR1が縮合環を形成していても良い。)
  3. 【請求項3】 前記ケトン化合物Xが、ベンゾイルケト
    ン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の有機
    ほう素化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ケトン化合物Yが、ベンゾイルケト
    ン化合物であることを特徴とする請求項2または3に記
    載の有機ほう素化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アルデヒド化合物が、ベンズアルデ
    ヒド化合物であることを特徴とする請求項2または3に
    記載の有機ほう素化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ケトン化合物Xが、下記一般式
    [2]で示される化合物であり、 【化3】 (式中、R12〜R15は、水素、ハロゲン、アルキル
    基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ基、フォル
    ミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロイル基、ア
    リール基、アラルキル基、複素環基のいずれかを示し、
    これらは置換されていても無置換でもよい。但し、R12
    〜R15は同じであっても異なっていても良い。また、隣
    り合うRが縮合環を形成していても良い。) 前記ケトン化合物Yが、下記一般式[3]で示される化
    合物であることを特徴とする請求項2に記載の有機ほう
    素化合物の製造方法。 【化4】 (式中、R16〜R20は、水素、ハロゲン、アルキル
    基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ基、フォル
    ミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロイル基、ア
    リール基、アラルキル基、複素環基のいずれかを示し、
    これらは置換されていても無置換でもよい。但し、R16
    〜R20は同じであっても異なっていても良い。また、隣
    り合うRが縮合環を形成していても良い。)
  7. 【請求項7】 前記ケトン化合物Xが、下記一般式
    [5]で示される化合物であり、 【化5】 (式中、R21〜R24は、水素、ハロゲン、アルキル
    基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ基、フォル
    ミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロイル基、ア
    リール基、アラルキル基、複素環基のいずれかを示し、
    これらは置換されていても無置換でもよい。但し、R21
    〜R24は同じであっても異なっていても良い。また、隣
    り合うRが縮合環を形成していても良い。) 前記アルデヒド化合物が、下記一般式[6]で示される
    化合物であることを特徴とする請求項2に記載の有機ほ
    う素化合物の製造方法。 【化6】 (式中、R25〜R29は、水素、ハロゲン、アルキル
    基、、アルケニル基、アミノ基、アルコキシ基、フォル
    ミル基、ニトリル基、アロイル基、アルキロイル基、ア
    リール基、アラルキル基、複素環基のいずれかを示し、
    これらは置換されていても無置換でもよい。但し、R25
    〜R29は同じであっても異なっていても良い。また、隣
    り合うRが縮合環を形成していても良い。)
  8. 【請求項8】 前記有機ほう素酸化合物が、下記一般式
    [9]で示される化合物であることを特徴とする請求項
    2〜7のいずれかに記載の有機ほう素化合物の製造方
    法。 【化7】 (式中、Ar2は置換または無置換のアリール基、置換
    または無置換の複素環基を表す。)
  9. 【請求項9】 前記工程(A)で得られる化合物と、前
    記ほう素酸化合物のモル比を1:0.4〜2.5で反応
    させることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載
    の有機ほう素化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 陽極及び陰極からなる一対の電極と、
    該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物
    を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前
    記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が下記一般
    式[1]で示される有機ほう素化合物を含有することを
    特徴とする有機発光素子。 【化8】 (式中、Ar1は置換または無置換のアリール基、置換
    または無置換の複素環基を表す。R1,R2,R3,R4
    5,R6,R7,R8,R9,R10,R11は、水素、ハロ
    ゲン、アルキル基、、アルケニル基、アミノ基、アルコ
    キシ基、フォルミル基、ニトリル基、アロイル基、アル
    キロイル基、アリール基、アラルキル基、複素環基のい
    ずれかを示し、これらは置換されていても無置換でもよ
    い。但し、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8
    9,R10,R11は同じであっても異なっていても良
    い。また、R1とR2,R2とR3,R3とR4,R4とR5
    5とR6,R6とR7,R8とR9,R9とR10,R10とR
    11,R11とR1が縮合環を形成していても良い。)
  11. 【請求項11】 前記一般式[1]で示される有機ほう
    素化合物を含有する有機化合物を含む層が、発光層とし
    て機能することを特徴とする請求項10に記載の有機発
    光素子。
  12. 【請求項12】 前記一般式[1]で示される有機ほう
    素化合物を含有する有機化合物を含む層が、電子注入層
    として機能することを特徴とする請求項10に記載の有
    機発光素子。
  13. 【請求項13】 更にホール輸送層を有することを特徴
    とする請求項10〜12のいずれかに記載の有機発光素
    子。
JP2001094971A 2000-03-31 2001-03-29 有機ほう素化合物、該有機ほう素化合物の製造方法、及び該有機ほう素化合物を用いた有機発光素子 Expired - Fee Related JP3990869B2 (ja)

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