JP2001342191A - ケトール脂肪酸誘導体およびその製造方法並びにこのケトール脂肪酸誘導体を有効成分とする植物成長調整剤 - Google Patents

ケトール脂肪酸誘導体およびその製造方法並びにこのケトール脂肪酸誘導体を有効成分とする植物成長調整剤

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JP2001342191A JP2001061528A JP2001061528A JP2001342191A JP 2001342191 A JP2001342191 A JP 2001342191A JP 2001061528 A JP2001061528 A JP 2001061528A JP 2001061528 A JP2001061528 A JP 2001061528A JP 2001342191 A JP2001342191 A JP 2001342191A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】植物の賦活活性を有する新規物質を創生し、こ
れを有効成分とする植物の賦活剤の提供。 【解決手段】下記一般式(1)で示されるα- ケトール
不飽和脂肪酸誘導体、その製造法およびこれを有効成分
とする植物の賦活剤を提供することにより、上記の課題
を解決し得ることを見出した。 [式中、Rはアルキル基を、Rは水素原子、メチル
基又はエチル基を、Rは水素原子又はカルボキシル基
を、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、アセチル基又はt−ブチル基を、Rは、水素
原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基又
はヒドロキシメチル基を、nは、3〜15の整数を示
す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のα−ケトー
ル脂肪酸誘導体およびその製造方法に関する発明であ
り、さらに、このα−ケトール脂肪酸誘導体の植物成長
調整作用に着目した植物成長調整剤に関する発明であ
る。
【0002】
【従来の技術】植物の成長調整技術を開発することは、
穀物植物や園芸植物の供給効率を向上させる上で、非常
に重要な事項である。
【0003】植物の成長を調整することにより顕在化す
る典型的な効果として、植物の成長の促進効果が挙げら
れる。植物の成長の速度を決める因子としては、温度、
光、栄養分等が考えられる。植物の成長を促進させるた
めに、目的とする植物の性質に応じた温度条件や日照条
件を選択する試みは、古来から行われている。これらの
温度や光以外の成長促進技術としては、施肥が代表的な
技術として挙げられ、一定の効果を上げている。
【0004】しかしながら、施肥の効果については、自
ずと限界があり、用いる肥料の量を多くしても、一定以
上の植物の成長の促進効果は期待できないばかりか、肥
料を多く与えすぎると、かえって植物の成長に障害とな
り、ひいては土壌を汚染してしまうことにもなりかねな
い。
【0005】特に、植物の成長初期においては、施肥に
よる栄養障害が起こりやすく、通常は、この時期は施肥
を控えるのが普通である。従って、窒素・リン酸・カリ
ウム等の成分からなる、従来から用いられてきた肥料と
は異なる、植物の成長促進効果を示す化合物が望まれて
いた。
【0006】そして、このような植物の成長促進効果は
勿論のこと、花芽形成の促進効果、植物の老化の抑制効
果、植物の休眠防止効果、乾燥や高温等の植物のストレ
スの抑制効果等の効果により、ニーズに応じた植物の成
長調整効果を発揮させる手段を見出して、穀物植物や園
芸植物の供給効率を向上させることが、さらに望まれて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
主題に関連して、特定のケトール脂肪酸が、広範な植物
に対して所望する花芽形成誘導活性を示すことを見い出
した(特開平11−29410号公報等)。また、この
特定のケトール脂肪酸が、植物の様々な生命現象に深く
係わっていることを、本発明者らは突き止めつつある。
【0008】本発明が解決すべき課題は、かかる特定の
ケトール脂肪酸についての知見をさらに発展させて、上
述の主題に対応する新たな物質を創生して、これを有効
成分とする新たな植物成長調整剤として提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、驚くべきこ
とに、特定の構造を有するα−ケトール不飽和脂肪酸と
カテコールアミンの一種であるノルエピネフリンとが結
合した、α−ケトール不飽和脂肪酸誘導体に優れた植物
成長調整効果が認められることを見出して本発明を完成
した。
【0010】すなわち、本発明者は、本願において、以
下の発明を提供する。第1に、下記一般式(1)で表さ
れるα−ケトール不飽和脂肪酸誘導体(以下、本ケトー
ル脂肪酸誘導体ともいう)を提供する。
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、R1 は、炭素原子数が1〜5の直
鎖状アルキル基を、R2 は、水素原子、水酸基、メチル
基またはエチル基を、R3 は、水素原子またはカルボキ
シル基を、R4 は、水素原子、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、アセチル基またはtert−ブチル基を、R
5 は、水素原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、ホ
ルミル基またはヒドロキシメチル基を表し、結合数n
は、3〜15の整数であり、A位およびB位の炭素原子
の立体配置は、(R)配置であっても、(S)配置であ
ってもよい〕 第2に、下記一般式(2)で表わされるα−ケトール不
飽和脂肪酸と、下記一般式(3)で表わされるカテコー
ルアミン類を混合し、この混合物を中性〜塩基性条件下
でインキュベートして、α−ケトール不飽和脂肪酸のカ
テコールアミン誘導体を生成させる、本ケトール脂肪酸
誘導体の製造方法(以下、本製造方法ともいう)。
【0013】
【化5】
【0014】〔式中、R1 およびnは、本ケトール脂肪
酸誘導体(1)について上記した内容と同一である〕
【0015】
【化6】
【0016】〔式中、R2 〜R5 は、本ケトール脂肪酸
誘導体(1)について上記した内容と同一であり、R6
は、水素原子、直鎖状もしくは分岐状アルキル基または
アシル基を表す〕 第3に、本ケトール脂肪酸誘導体を有効成分とする植物
成長調整剤(以下、本植物成長調整剤ともいう)を提供
する。また、本植物成長調整剤は、本ケトール脂肪酸誘
導体の植物に対する個別的な作用に着目した剤(植物の
花芽形成促進剤、植物賦活剤、植物成長促進剤、植物老
化防止剤、植物花期延長剤、植物休眠抑制剤、植物スト
レス抑制剤)としての態様をとり得る剤である。
【0017】本発明において「植物の成長調整」とは、
何らかの形で植物の生命活動を調整することを意味する
ものであり、植物の成長促進、抗老化、花期延長、休眠
抑制、植物におけるストレスに対する抵抗性の付与等の
植物の賦活作用は勿論のこと、花芽形成促進をも包含す
る概念である。
【0018】また、「成長促進」とは、茎葉の拡大、塊
茎塊根の成長促進、着果促進、果実の成長促進等を包含
する概念である。本発明者らは、上記のα- ケトール不
飽和脂肪酸(2)が、単独で、または、カテコールアミ
ンの一種であるノルエピネフリン(3)と組み合せて作
用させることによって、広範な植物に対して花芽形成誘
導活性を示すこと自体は、既に見出し、上記の特開平1
1−29410号公報等にその旨を記載している。しか
しながら、特定の構造を有する本ケトール脂肪酸誘導体
が、優れた植物成長調整作用を示すことは、全く予想を
超えたものであった。
【0019】なお、本明細書においては、本来イタリッ
ク体(下線付きアルファベット)で表記するべきもの
も、通常のアルファベットで表記している。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 A.本ケトール脂肪酸誘導体について 本ケトール脂肪酸誘導体は、上記の一般式(1)に示す
構造のα−ケトール不飽和脂肪酸誘導体である。
【0021】一般式(1)におけるR1 は、上記の通
り、炭素原子数が1〜5の直鎖状アルキル基であり、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびペンチ
ル基が挙げられる。本発明において、R1 は、特に、メ
チル基であることが好適である。
【0022】R2 は、上記の通り、水素原子、水酸基、
メチル基またはエチル基であるが、本発明においては、
水酸基であることが好適である。R3 は、上記の通り、
水素原子またはカルボキシル基であるが、本発明におい
ては、水素原子であることが好適である。
【0023】R4 は、上記の通り、水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、アセチル基またはtert
−ブチル基であるが、本発明においては、メチル基また
は水素原子であることが好適であり、特に、水素原子で
あることが好適である。
【0024】R5 は、上記の通り、水素原子、水酸基、
メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基またはヒドロキシ
メチル基であるが、本発明においは、水酸基または水素
原子であることが好適であり、特に、水酸基であること
が好適である。
【0025】また、上記の通り、結合数nは、3〜15
の整数であるが、本発明においては、5〜9の整数であ
ることが好適であり、特に、7であることが好適であ
る。また、上記の通り、A位およびB位の炭素原子の立
体配置は、(R)配置であっても、(S)配置であって
もよいが、本発明においては、A位が(S)配置であ
り、かつ、B位が(R)配置であることが好適である。
【0026】本ケトール脂肪酸誘導体の具体例として
は、例えば、(9R)-11-{(2'S,8'S,10'S,11'R)-2',8'-ジ
ヒドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オ
キサ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-1
0'- イル}-9- ヒドロキシ-10-オキソウンデカン酸、(9
S)-11-{(2'S,8'S,10'S,11'R)-2',8'-ジヒドロキシ-7'-
オキソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'-オキサ-4'-アザト
リシクロ[6.3.1.01,5 ]ドデカ-5'-エン-10'- イル}-9
- ヒドロキシ-10-オキソウンデカン酸、(9R)-11-{(2'
R,8'S,10'S,11'R)-2',8'-ジヒドロキシ-7'-オキソ-11'-
[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オキサ-4'-アザトリシクロ[6.
3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'- イル}-9-ヒドロキシ-1
0-オキソウンデカン酸、(9R)-11-{(8'S,10'S,11'R)-8'
- ヒドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'-
オキサ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン
-10'- イル}-9- ヒドロキシ-10-オキソウンデカン酸、
(9R)-11-{(3'S,8'S,10'S,11'R)-3'- カルボキシ-8'-ヒ
ドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オキ
サ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'
- イル}-9- ヒドロキシ-10-オキソウンデカン酸、(9R)
-11-{(8'S,10'S,11'R)-8'- ヒドロキシ-4'-メチル-7'-
オキソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オキサ-4'-アザト
リシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'- イル}-9-
ヒドロキシ-10-オキソウンデカン酸、(9S)-11-{(3'S,
8'S,10'S,11'R)-3'- カルボキシ-8'-ヒドロキシ-7'-オ
キソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オキサ-4'-アザトリ
シクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'- イル}-9- ヒ
ドロキシ-10-オキソウンデカン酸、(9R)-11-{(3'S,10'
S,11'R)-3'- カルボキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ペンテ
ニル]-9'- オキサ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデ
カ-5'-エン-10'- イル}-9- ヒドロキシ-10-オキソウン
デカン酸、(9R)-11-{(2'S,8'S,10'S,11'R)-2',8'-ジヒ
ドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ヘプテニル]-9'- オキ
サ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'
- イル}-9- ヒドロキシ-10-オキソウンデカン酸、(8R)
-10-{(2'S,8'S,10'S,11'R)-2',8'-ジヒドロキシ-7'-オ
キソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オキサ-4'-アザトリ
シクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'-イル}-8- ヒ
ドロキシ-9- オキソデカン酸、(11R)-13- {(2'S,8'S,1
0'S,11'R)-2',8'-ジヒドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-
ペンテニル]-9'- オキサ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.0
1,5]ドデカ-5'-エン-10'- イル}-11-ヒドロキシ-12-オ
キソトリデカン酸、(9R)-11-{(2'S,8'S,10'S,11'R)-
2',8'-ジヒドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ヘキセニ
ル]-9'- オキサ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ
-5'-エン-10'- イル}-9- ヒドロキシ-10-オキソウンデ
カン酸、
【0027】(11R)-13- {(2'S,8'S,10'S,11'R)-2',8'-
ジヒドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ヘキセニル]-9'-
オキサ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン
-10'- イル}-11-ヒドロキシ-12-オキソトリデカン酸、
(9R)-11-{(2'S,8'S,10'R,11'R)-2',8'-ジヒドロキシ-
7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オキサ-4'-ア
ザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'- イル}
-9- ヒドロキシ-10-オキソウンデカン酸、(9R)-11-
{(2'S,8'S,10'R,11'S)-2',8'-ジヒドロキシ-7'-オキソ
-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オキサ-4'-アザトリシク
ロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'- イル}-9- ヒドロ
キシ-10-オキソウンデカン酸等を挙げることができる。
【0028】これらの例示物質の中で、(9R)-11-
{(2'S,8'S,10'S,11'R)-2',8'-ジヒドロキシ-7'-オキソ
-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オキサ-4'-アザトリシク
ロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-10'- イル}-9- ヒドロ
キシ-10-オキソウンデカン酸は、最も好適な本ケトール
脂肪酸誘導体の一つである。
【0029】本ケトール脂肪酸誘導体は、天然物として
も合成化合物としても、未だ見い出されていない。ま
た、その製造は通常公知の化学合成法や酵素合成法など
を駆使しても容易に達成することはできない。
【0030】本ケトール脂肪酸誘導体は、多様で、か
つ、優れた植物成長調整作用を有しており、後述するよ
うに、植物成長調整剤の有効成分として用いることがで
きる。本ケトール脂肪酸誘導体は、これと類似する植物
に対する活性を有すると思われる、上記一般式(2)で
表されるα−ケトール不飽和脂肪酸よりも、格段に強い
活性を有することが大きな特徴である。具体的には、本
ケトール脂肪酸誘導体は、α−ケトール不飽和脂肪酸
(2)の1/10000程度の濃度で、所望する効果を
発揮する。
【0031】B.本製造方法について 本製造方法は、上述した通り、上記一般式(2)で表わ
されるα−ケトール不飽和脂肪酸と、ノルエピネフリン
に代表される上記一般式(3)で表わされるカテコール
アミン類を混合し、この混合物を中性〜塩基性条件下で
インキュベートして、α−ケトール不飽和脂肪酸のカテ
コールアミン誘導体を生成させる、本ケトール脂肪酸誘
導体の製造方法である。一般式(2)におけるR1 およ
びnは、本ケトール脂肪酸誘導体(1)について上記し
た内容と同一である。また、一般式(3)におけるR2
〜R5 は、本ケトール脂肪酸誘導体(1)について上記
した内容と同一であり、R6 は、上記の通り、水素原
子、直鎖状もしくは分岐状アルキル基またはアシル基で
あるが、本発明においては、水素原子、炭素原子数が1
〜3の直鎖状もしくは分岐状アルキル基またはアシル基
であることが好適であり、特に、水素原子またはメチル
基であることが好適である。
【0032】一般式(2)で表わされるα- ケトール不
飽和脂肪酸は、少なくとも一部は動植物における脂肪酸
代謝物質の中間体として知られているが、これらが直接
植物において果たす役割については知られていない。例
えば、R1 がメチル基でかつn=7のα- ケトール不飽
和脂肪酸(2)である、9-ヒドロキシ-10-オキソ-12
(Z),15(Z)- オクタデカジエン酸〔以下、化合物(4)
ともいう〕に関しては、例えば、小麦においてα- リノ
レン酸代謝物質の中間体として知られていた(Gravelan
d, Lipids, 8, 606, 1973 )が、この物質が直接植物に
おいて果たす役割については知られていなかった。
【0033】なお、一般式(2)で表わされるα- ケト
ール不飽和脂肪酸としては、9-ヒドロキシ-10-オキソ-1
2(Z),15(Z)- オクタデカジエン酸,7-ヒドロキシ-8- オ
キソ-10(Z),13(Z)- オクタデカジエン酸,9-ヒドロキシ
-10-オキソ-12(Z),15(Z)- エイコサジエン酸,11- ヒド
ロキシ-12-オキソ-14(Z),17(Z)- エイコサジエン酸,7-
ヒドロキシ-8- オキソ-10(Z),13(Z)- ノナデカジエン酸
などが挙げられる。
【0034】これらのα−ケトール不飽和脂肪酸(2)
は、天然物に含まれているものについては、この天然物
から抽出精製することで製造することができる。また、
α−リノレン酸に、リポキシゲナーゼ等の酵素を、植物
体内における脂肪酸代謝経路に準じて作用させることに
より、所望するα−ケトール不飽和脂肪酸(2)を得る
ことができる。さらに、通常公知の化学合成法を駆使し
ても、所望するα- ケトール不飽和脂肪酸(2)を得る
ことができる。
【0035】α- ケトール不飽和脂肪酸の製造の詳細に
関しては、例えば、特開平11−29410号公報や文
献(Yokoyama et al., Plant Cell Physiol., 41,110-1
13,2000)に記載されている。
【0036】一方、ノルエピネフリンは、動物における
交感神経の伝達物質としての役割が有名であるが、植物
においてもその存在が知られており、例えば、アオウキ
クサの懸濁液中に見い出されている(Takimoto et al.,
Plant Cell Physiol., 30,1017-1021, 1991 )が、そ
の役割は明らかではなかった。
【0037】前述したように、本発明者らは、化合物
(4)を含む上述の一般式(2)で表わされるα- ケト
ール不飽和脂肪酸が単独で、またはカテコールアミンの
一種であるノルエピネフリン等と組み合わせて作用させ
ることによって、広く植物における花芽形成誘導作用を
有することを明らかにした(特開平11−29410号
公報)。
【0038】本発明において、一般式(2)で表わされ
るα−ケトール不飽和脂肪酸と組み合わせて反応させる
カテコールアミン類は、本製造方法において行われる反
応後に、上述の一般式(1)で表わされるようなアザト
リシクロ構造を形成できるもの、すなわち、上記式
(3)に従うカテコールアミン類である。具体的には、
例えば、ノルエピネフリンの他、エピネフリン、ドーパ
ミン、ノルメタネフリン、3−O−メチルドーパミン、
4−O−メチルドーパミン等が挙げられる。
【0039】また一般式(3)で表わされる、ノルエピ
ネフリンやエピネフリン等のカテコールアミン類は、市
販のものを用いても、天然物から抽出精製しても、また
通常公知の化学合成法を駆使して製造したものを用いて
もよい。
【0040】本製造方法では、α−ケトール不飽和脂肪
酸(2)とカテコールアミン類(3)を、中性〜塩基性
条件下でインキュベートを行うことにより、所望する本
誘導体を製造することができる。
【0041】中性〜塩基性条件下とは、かかる用語から
想定される幅広い領域のpH範囲のことを表す、具体的
には、pH6.0程度以上であるが、pH8〜9程度の
弱塩基性条件下を選択することが好ましい。
【0042】インキュベート時間は、特に限定されない
が、1時間〜200時間程度の間で選択されることが好
ましい。インキュベート温度も、特に限定されないが、
4〜40℃程度の間で選択されることが好適である。
【0043】また、α−ケトール不飽和脂肪酸(2)と
カテコールアミン類(3)のインキュベートの際の混合
比率は、特に限定されないが、重量比で、概ね、1:1
0〜10:1が好ましく、同1:1でインキュベートす
るのが最も好適である。
【0044】また、反応溶媒は、水が好適であるが、含
水率80質量%以上程度の含水溶媒であってもよい。水
中に共存し得る他の種類の溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、アセトン等を挙げることができ
る。
【0045】このようにして、本製造方法に従ってイン
キュベートを行った反応物における本ケトール脂肪酸誘
導体の検出は、本ケトール脂肪酸誘導体が、300nm付
近に吸収を有することから、この検出には、UV検出器
を用いることが可能である。そして、かかる検出とHP
LC等の特定物質の単離手段を駆使して、反応物から本
ケトール脂肪酸誘導体を単離精製することができる。
【0046】また、通常公知の方法を用いて、反応物か
ら単離精製することも可能であり、例えば、溶媒抽出や
各種のクロマトグラフィー等を用いて行うことができ
る。 C.本植物成長調整剤について 本植物成長調整剤は、これを植物に使用することによ
り、その植物の成長を調整することが可能である。
【0047】この「植物成長調整」の内容を以下に例示
する。 花芽形成促進作用について 本植物成長調整剤は、これを投与することにより、植物
の花芽の形成を促進することができる。すなわち、本植
物成長調整剤を用いることで、植物が開花する前提とな
る花芽の形成を促進することができる。
【0048】この意味で、本発明は、「植物の花芽形成
促進」という、より具体的な効果を奏する剤も提供する
(花芽形成促進剤)。本植物成長調整剤を、花芽形成促
進剤として用いる場合の投与は、花芽が形成されべき時
期以前であれば特に限定されないが、これを用いる対象
となる植物の性質に応じた処理を行いつつ投与すること
が好適である。例えば、アサガオ等の短日植物の場合に
は、一定の暗処理を行いつつ、本植物成長調整剤を投与
することが好ましい。
【0049】植物の賦活作用について 本植物成長調整剤は、これを投与することにより、その
植物の生命活動を活性化する賦活作用を発揮させること
が可能である。かかる植物に対する作用を発揮し得る植
物賦活剤は、具体的には、植物成長促進剤、抗老化剤、
休眠抑制剤、抗ストレス剤等としての態様を採り得る剤
である。
【0050】−1:植物成長促進作用 本植物調整剤を、植物賦活剤として用いる場合、その植
物の成長速度を早め、収穫効率等を向上させる、植物成
長促進剤として用いることが可能である(前述したよう
に、茎葉の拡大、塊茎塊根の成長促進、着果促進、果実
の成長促進等を期待することができる)。この意味で、
本発明は、「植物の成長促進」という、より具体的な効
果を奏する剤をも提供する(植物成長促進剤)。
【0051】本植物成長調整剤を、植物を賦活させる目
的で用いると、これまで肥料では成長促進が困難であっ
た、発芽後初期の植物の成長を特に促進することができ
る。故に、本植物成長調整剤を、植物賦活剤を植物の成
長促進を目的として用いる場合の投与は、播種時ないし
発芽後の生育初期段階にすることが好ましい。
【0052】すなわち、本植物成長調整剤を、発芽後の
生育初期に噴霧等により投与するだけで、植物の成長の
促進が認められ、しかも、その成長促進効果には持続性
が認められる。また、前述したように、本植物成長調整
剤を、過剰に使用しても、施肥を過剰に行う場合のよう
な植物の生育障害がほとんど認められず、使用量をあま
り気にかけることなく用いることができる。
【0053】園芸ないし農業の分野においては、納品後
の扱いが面倒な種子ではなく、苗による流通が主流にな
りつつある。特に、花卉ビジネスにおいては、一般愛好
家は、すでにほとんど苗を購入している。本植物成長調
整剤を苗の流通前に用いることにより、販売時におい
て、苗を大きくすることが可能である。また、上述した
本植物成長調整剤の性質は、ホウレンソウ、レタス、キ
ャベツ等、いわゆる葉物農作物の収穫を増大するための
利用に適している。
【0054】−2:抗老化作用 本植物成長調整剤は、これを投与することにより、その
植物の老化を抑制することにより賦活する、植物賦活剤
として用いることができる。具体的には、花期を延長し
て、花を鑑賞する期間や受粉期間を延長させることが可
能である(この個別的な花期延長効果に着目した、「花
期延長剤」も、本発明において提供される)。また、本
植物成長調整剤の投与により、植物株当りの花数を増加
させることもできる。
【0055】本植物成長調整剤を、花期を延長させる植
物賦活剤として用いる場合の投与は、植物の花期全般に
わたって行うことが可能であり、具体的には、種子の水
浸時期であっても、発芽後であってもよい。
【0056】さらに、一年草等でも見られるように、株
が衰弱して枯死に向かう時期にも、本植物成長調整剤を
投与することにより、衰弱(老化)を遅らせることがで
きる。
【0057】このように、本植物成長調整剤は、「花期
の延長」や「枯死の遅延」という効果が認められ、いわ
ば、「植物の老化抑制」という効果を発揮して、植物を
賦活させ得る剤である。すなわち、本発明は、「植物の
老化抑制」という植物賦活効果を奏する剤をも提供する
(植物抗老化剤)。
【0058】−3:休眠抑制作用 本植物成長調整剤は、これを投与することにより、植物
の休眠を防止することで、植物を賦活させることができ
る。すなわち、本植物成長調整剤を、植物賦活剤として
用いることで、植物が一定期間、その成長をストップし
てしまう「休眠期間」を短縮したり終了させたりするこ
とが可能である。
【0059】この意味で、本発明は、「植物の休眠抑
制」という、より具体的な効果を奏する剤をも提供する
(植物休眠抑制剤)。本植物成長調整剤を、植物の休眠
を抑制する植物賦活剤として用いる場合の投与は、植物
の発芽後の早い時期とすることで、植物の休眠を予防す
ることができる。また、既に、休眠してしまった植物に
投与して、その植物の休眠を終了させることも可能であ
る。
【0060】−4:抗ストレス作用 本植物成長調整剤は、これを投与することにより、植物
における様々なストレス、具体的には、乾燥ストレス、
高温ストレス、低温ストレス、浸透圧ストレス等に対す
る抵抗性を付与することで、植物を賦活させることがで
きる。すなわち、本植物成長調整剤により、栽培植物の
収率を低下させる原因ともなる、気候変動、種子の発芽
誘導作業等に伴うストレスの植物に対する影響を軽減す
ることで、植物を賦活することが可能である。
【0061】この意味で、本発明は、「植物に対するス
トレスの抑制」という、より具体的な効果を奏する剤を
も提供する(植物ストレス抑制剤)。本植物成長調整剤
を、植物のストレスを抑制する植物賦活剤として用いる
場合の投与は、植物の種子を発芽させる際や、発芽後に
行うことで、植物にストレスに対する抵抗性を付与する
ことが可能である。
【0062】本植物成長調整剤の有効成分である、本ケ
トール脂肪酸誘導体の植物に対する投与量の上限は特に
限定されない。すなわち、本植物成長調整剤により、本
ケトール脂肪酸誘導体を多量に投与しても、成長阻害等
の植物に対する負の効果は、ほとんど認められない。こ
れは、従来から用いられている植物ホルモン剤を過剰投
与すると、植物に対する負の効果が顕著に現れ、これら
の使用に際しては、過剰投与がなされないように格別の
気配りをしなければならないことと比較すると、本植物
成長調整剤は非常に優れているといえる。
【0063】また、上記の本ケトール脂肪酸誘導体の植
物に対する投与量の下限は、植物個体の種類や大きさに
より異なるが、1つの植物個体に対して1回の投与当
り、0.1nM程度以上が一応の目安である。
【0064】本植物成長調整剤における、本ケトール脂
肪酸誘導体の配合量は、その使用態様や使用する対象と
なる植物の種類、さらには本植物成長調整剤の具体的な
剤形等に応じて選択することが可能である。本植物成長
調整剤の態様として、本ケトール脂肪酸誘導体をそのま
ま用いることも可能であるが、上記の本ケトール脂肪酸
誘導体の投与の目安等を勘案すると、概ね、剤全体に対
して0.1ppb 〜1ppm 程度が好ましく、さらに好まし
くは、同1ppb 〜100ppb 程度である。
【0065】本植物成長調整剤の剤形としては、例え
ば、液剤、固形剤、粉剤、乳剤、底床添加剤等の剤形が
挙げられ、その剤形に応じて、製剤学上適用することが
可能な公知の担体成分、製剤用補助剤等を本発明の所期
の効果である植物の成長促進作用が損なわれない限度に
おいて、適宜配合することができる。例えば、担体成分
としては、本植物成長調整剤が底床添加剤又は固形剤で
ある場合には、概ねタルク、クレー、バーミキュライ
ト、珪藻土、カオリン、炭酸カルシウム、水酸化カルシ
ウム、白土、シリカゲル等の無機質や小麦粉、澱粉等の
固体担体が;また液剤である場合には、概ね水、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、エタノール、エチレングリコ
ール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等
の液体担体が上記の担体成分として用いられる。また製
剤用補助剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、
アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸
塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等の陰イオン界面活性
剤、高級脂肪族アミンの塩類等の陽イオン界面活性剤、
ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコールアシルエステル、ポリオキシ
エチレングリコール多価アルコールアシルエステル、セ
ルロース誘導体等の非イオン界面活性剤、ゼラチン、カ
ゼイン、アラビアゴム等の増粘剤、増量剤、結合剤等を
適宜配合することができる。
【0066】さらに必要に応じて、一般的な植物生長調
節剤や、安息香酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ピ
ペコリン酸等を、上記の本発明の所期の効果を損なわな
い限度において、本植物成長調整剤中に配合することも
できる。
【0067】本植物成長調整剤は、その剤形に応じた方
法で種々の植物に投与され得る。例えば、本発明におい
ては、植物の生長点のみならず、茎や葉をはじめとする
植物体の一部又は全体に液剤や乳剤として散布、滴下、
塗布等することや、固形剤や粉剤として地中から根に吸
収させること等が可能である。また、成長の促進を図る
植物がウキクサ等の水草の場合には、底床添加剤として
根から吸収させたり、固形剤を水中で除々に溶解させる
こと等も可能である。
【0068】本植物成長調整剤の植物への投与頻度は、
植物個体の種類や投与目的等により異なるが、基本的に
は、ただ1度の投与によっても所望する効果を得ること
ができる。複数回投与する場合には、1週間以上の投与
間隔をあけることが効率的である。
【0069】本植物成長調整剤を適用可能な植物の種類
は特に限定されず、被子植物(双子葉植物・単子葉植
物)の他、菌類、地衣類、蘚苔類、シダ類および裸子植
物に対しても、本植物成長調整剤は有効である。
【0070】被子植物のうち、双子葉植物としては、例
えば、アサガオ属植物(アサガオ)、ヒルガオ属植物
(ヒルガオ、コヒルガオ、ハマヒルガオ)、サツマイモ
属植物(グンバイヒルガオ、サツマイモ)、ネナシカズ
ラ属植物(ネナシカズラ、マメダオシ)が含まれるひる
がお科植物、ナデシコ属植物、ハコベ属植物、タカネツ
メクサ属植物、ミミナグサ属植物、ツメクサ属植物、ノ
ミノツヅリ属植物、オオヤマフスマ属植物、ワチガイソ
ウ属植物、ハマハコベ属植物、オオツメクサ属植物、シ
オツメクサ属植物、マンテマ属植物、センノウ属植物、
フシグロ属植物、ナンバンハコベ属植物等のなでしこ科
植物をはじめ、もくまもう科植物、どくだみ科植物、こ
しょう科植物、せんりょう科植物、やなぎ科植物、やま
もも科植物、くるみ科植物、かばのき科植物、ぶな科植
物、にれ科植物、くわ科植物、いらくさ科植物、かわご
けそう科植物、やまもがし科植物、ぼろぼろのき科植
物、びゃくだん科植物、やどりぎ科植物、うまのすずく
さ科植物、やっこそう科植物、つちとりもち科植物、た
で科植物、あかざ科植物、ひゆ科植物、おしろいばな科
植物、やまとぐさ科植物、やまごぼう科植物、つるな科
植物、すべりひゆ科植物、もくれん科植物、やまぐるま
科植物、かつら科植物、すいれん科植物、まつも科植
物、きんぽうげ科植物、あけび科植物、めぎ科植物、つ
づらふじ科植物、ろうばい科植物、くすのき科植物、け
し科植物、ふうちょうそう科植物、あぶらな科植物、も
うせんごけ科植物、うつぼかずら科植物、べんけいそう
科植物、ゆきのした科植物、とべら科植物、まんさく科
植物、すずかけのき科植物、ばら科植物、まめ科植物、
かたばみ科植物、ふうろそう科植物、あま科植物、はま
びし科植物、みかん科植物、にがき科植物、せんだん科
植物、ひめはぎ科植物、とうだいぐさ科植物、あわごけ
科植物、つげ科植物、がんこうらん科植物、どくうつぎ
科植物、うるし科植物、もちのき科植物、にしきぎ科植
物、みつばうつぎ科植物、くろたきかずら科植物、かえ
で科植物、とちのき科植物、むくろじ科植物、あわぶき
科植物、つりふねそう科植物、くろうめもどき科植物、
ぶどう科植物、ほるとのき科植物、しなのき科植物、あ
おい科植物、あおぎり科植物、さるなし科植物、つばき
科植物、おとぎりそう科植物、みぞはこべ科植物、ぎょ
りゅう科植物、すみれ科植物、いいぎり科植物、きぶし
科植物、とけいそう科植物、しゅうかいどう科植物、さ
ぼてん科植物、じんちょうげ科植物、ぐみ科植物、みそ
はぎ科植物、ざくろ科植物、ひるぎ科植物、うりのき科
植物、のぼたん科植物、ひし科植物、あかばな科植物、
ありのとうぐさ科植物、すぎなも科植物、うこぎ科植
物、せり科植物、みずき科植物、いわうめ科植物、りょ
うぶ科植物、いちやくそう科植物、つつじ科植物、やぶ
こうじ科植物、さくらそう科植物、いそまつ科植物、か
きのき科植物、はいのき科植物、えごのき科植物、もく
せい科植物、ふじうつぎ科植物、りんどう科植物、きょ
うちくとう科植物、ががいも科植物、はなしのぶ科植
物、むらさき科植物、くまつづら科植物、しそ科植物、
なす科植物、ごまのはぐさ科植物、のうぜんかずら科植
物、ごま科植物、はまうつぼ科植物、いわたばこ科植
物、たぬきも科植物、きつねのまご科植物、はまじんち
ょう科植物、はえどくそう科植物、おおばこ科植物、あ
かね科植物、すいかずら科植物、れんぷくそう科植物、
おみなえし科植物、まつむしそう科植物、うり科植物、
ききょう科植物、きく科植物等を例示することができ
る。
【0071】また、同じく単子葉植物としては、例え
ば、ウキクサ属植物(ウキクサ)及びアオウキクサ属植
物(アオウキクサ、ヒンジモ)が含まれる、うきくさ科
植物、カトレア属植物、シンビジウム属植物、デンドロ
ビューム属植物、ファレノプシス属植物、バンダ属植
物、パフィオペディラム属植物、オンシジウム属植物等
が含まれる、らん科植物、がま科植物、みくり科植物、
ひるむしろ科植物、いばらも科植物、ほろむいそう科植
物、おもだか科植物、とちかがみ科植物、ほんごうそう
科植物、いね科植物、かやつりぐさ科植物、やし科植
物、さといも科植物、ほしぐさ科植物、つゆくさ科植
物、みずあおい科植物、いぐさ科植物、びゃくぶ科植
物、ゆり科植物(アスパラガス等)、ひがんばな科植
物、やまのいも科植物、あやめ科植物、ばしょう科植
物、しょうが科植物、かんな科植物、ひなのしゃくじょ
う科植物等を例示することができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例により、本発明をより具体的に
説明する。ただし、これらの実施例等により、本発明の
技術的範囲が限定されるべきものではない。
【0073】〔実施例1〕(9R)-11-{(2'S,8'S,10'S,1
1'R)-2',8'-ジヒドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ペン
テニル]-9'- オキサ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ド
デカ-5'-エン-10'- イル}-9- ヒドロキシ-10-オキソウ
ンデカン酸〔以下、化合物(5)ともいう〕の製造、単
離精製および構造解析 化合物(4)100 mgを500 mLの水に溶解して、そこに酒
石酸水素(R)-(-)-ノルエピネフリン一水和物(和光純
薬)111.3 mgと1Mトリスバッファー(pH8.0)16.1mL を
加え、25℃で102 時間インキュベートした。反応液を減
圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコ
ーゲル C-200)により分画した。クロロホルム:メタノ
ール:水=10:3:1で溶出を行い、HPLCによりさらに分画
を行った(カラム:カプセルパックC-18 UG120,4.6x250
mm ,溶媒:25%アセトニトリル+0.1 %トリフルオロ
酢酸,流速:1 mL/min,波長:300 nm)。HPLCで分析し
た結果を第1図に示す。一番大きなピーク(保持時間2
6.8分)に関して、カラムサイズを大きくして(カプセ
ルパックC-18 UG120,10x250 mm)分取および凍結乾燥を
行い、化合物(5)を黄色の結晶(4.5 mg)として得
た。
【0074】各種機器分析により、化合物(5)の構造
解析を行った。旋光度はSEPA-300デジタル旋光計(堀場
製作所)、吸収スペクトルはUV-2200 分光光度計(島津
製作所)、IRスペクトルはFT/IR-5300(日本分光)、高
分解FAB-MSはMAT95Q(Finnigan MAT 社)、1H- および13
C-NMR はECP-400 (JEOL )を用いて測定した。なお、20
0nm 〜600nm の吸収スペクトルを第2図〔第2図
(1):化合物(5)の吸収スペクトル、同(2):化
合物(4)の吸収スペクトル、同(3):ノルエピネフ
リンの吸収スペクトル、横軸は測定波長(nm)で縦軸は
吸光度である〕に示す。
【0075】旋光度:[α]D 25 +40.5°(c=0.2,MeOH
高分解FAB-MS: 494.27789(M+H)+ UVλmax(MeOH): 292nm(ε=12000),205nm(ε=3500)IR(KBr,cm -1): 3400,1695,1685,1630 1H-NMR(400MHz, CD3OD): δ1.03(3H,t,J=7.3,5"-H3),1.1
1-1.32(8H,4,5,6,7-H2),1.22(1H,m, 3-H),1.59(1H,t,J=
12.0,3-H),1.44(1H,m,11'-H),1.48,1.66(both1H,m,8-
H2), 2.00,2.10 (both 1H,d,J=12.0,12'-H 2),2.11,2.6
5(both 1H,m,1"-H2), 2.17 (2H,m,J=7.3,4"-H2), 2.26
(2H,t-like,J=7.3,2-H2),2.56(1H,dd,J=7.8,17.0,11-
H), 2.86(1H,dd,J=5.0,17.0,11-H),3.43(1H,d,J=13.0,
3'-H),3.85(1H,dd,J=3.4,13.0,3'-H) 3.98(1H,dd,J=4.
0,7.7,9-H), 4.29(1H,d,J=3.4,2'-H),4.58(1H,m,10'-
H),5.25(1H.m,2"-H),5.36(1H,m,3"-H), 5.42 (1H,s,6'-
H).
【0076】 13C-NMR(100MHz,CD3OD):15.0(C-5"),22.7
(C-4"),25.7(C-1"),26.3,26.4(C-3,4),31.0,31.0, 31.0
(C-5,6,7),33.6(C-12'),34.9(C-8),35.7(C-2),41.5(C-1
1'),42.9(C-11),56.1(C-3'), 59.5(C-1'),72.6(C-10'),
74.2(C-2'),79.0(C-9),95.0(C-6'),95.8(C-8')131.0(C-
2"), 134.2 (C-3"),177.3(C-5'),178.5(C-1),189.0(C-
7'),213.1(C-10).
【0077】上記プロトンおよびカーボンの帰属は、DI
FCOSY 、HMQCならびにHOHAHAスペクトルなどの2次元NM
R スペクトルを測定して行った。得られたデータを化合
物(4)のデータ〔特開平11−29410および文献
(Yokoyama et al., Plant Cell Physiol., 41,110-11
3,2000)に記載〕と比較したところ、化合物(4)の12
位cis-オレフィンのシグナルが消失し、その部分に何ら
かの化合物が付加した構造と考えられた。
【0078】また、無水酢酸/pyridine を用いたアセチ
ル化により化合物(5)の tetraacetate 誘導体が得ら
れたことから、4 個の活性プロトンの存在が明らかにな
った。さらに、tetraacetate誘導体の 1H-NMR データを
化合物(5)のデータと比較したところ、9 位、2'位、
3'位のプロトンが低磁場シフトし、10' 位プロトンはシ
フトしなかったことから、10' 位はエーテル結合をして
いるものと考えられた。これらの結果およびHMBCスペク
トルの詳細な解析により、3環性構造を持つことが明ら
かになった。また化合物(5)の NOESYおよび GOESYス
ペクトルを測定したところ、11' 位プロトンと2', 3',
10' 位プロトン間、10' 位プロトンと6'位プロトン間、
12' 位アキシアルプロトンと1"位プロトン間などにNOE
が観測され、環状部分の立体配置が明らかになった。
【0079】本化合物(5)の9 位の絶対配置を解析す
るため、まず酵素合成して得た化合物(4)の9 位の絶
対配置の解析を行った。化合物(4)のメチルエステル
還元体に1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiim
ide hydrochloride および 4-dimethylaminopyridine存
在下、(R)-(+)-または (S)-(-)-2-methoxy-2-trifluoro
methylphenylacetic acid(MTPA) を反応させ、それぞれ
(R)-,(S)-MTPAエステルを得た。これらMTPAエステル体
に改良Mosher法 (Ohtani et al., J.Am.Chem.Soc., 11
3, 4092-4096, 1991)を適用した結果、酵素合成した化
合物(4)は70%の(9R)体と30%の(9S)体の混合物であ
ることが明らかになった。
【0080】次に、キラルカラムを用いて分取した(9R)
- および(9S)- の化合物(4)を用いてノルエピネフリ
ンとの反応を行った。その結果、(9R)- の化合物(4)
から化合物(5)が生成することが判明した。以上のデ
ータより、化合物(5)の構造を下記のように決定し
た。
【0081】
【化7】
【0082】〔実施例2〕 アサガオにおける化合物
(4)および化合物(5)の花芽形成誘導活性の測定 9 gのアサガオ(品種名:ムラサキ)の種子に濃硫酸処
理を20分間施し、その後流水下で一晩放置した。次い
で、種子のへその部分を上にして、湿った海砂上に24時
間置き発根させた。これらの発根した種子を海砂中に、
1.5 〜2.0 cm程度の深さに植え、連続光下で培養した
(5日間程度)。
【0083】この培養により開葉したアサガオの全植物
体を、培養液〔KNO3 (250 mg), NH4NO3 (250 mg), KH2P
O4 (250 mg), MgSO4・7H2O (250 mg), MnSO4 ・4H2O (1 m
g),Fe-citrate n-hydrate (6 mg), H3BO3 (2 mg), CuSO
4・5H2O (0.1 mg), ZeSO4 ・7H2O (0.2 mg), Na2MoO4 ・2H
2O (0.2 mg), Ca(H2PO4)2・2H2O (250 mg) /1000 mL蒸留
水〕に移した。
【0084】化合物(4)または化合物(5)を、上記
アサガオの子葉に8 個体に対して2mLの割合で噴霧後、
暗処理(14時間の暗処理)を行い、その後26℃で14日間
連続光で育成し、14日目の花芽の数を観察確認した。
【0085】第3図にその結果を示す。対照群は蒸留水
を噴霧した群であり、100 μM の化合物(4)または0.
001 μM 〜100 μM 濃度で化合物(5)を噴霧した。化
合物(5)は化合物(4)に比べ、はるかに低濃度で花
芽形成誘導活性を示しており、化合物(5)0.01μM
で、化合物(4)100 μM と同等の活性を示した。
【0086】〔実施例3〕アオウキクサにおける化合物
(5)の花芽形成誘導活性の測定 化合物(5)の花芽形成誘導作用を、アオウキクサP151
株をモデル植物として、その花成率(%)(花芽形成が
認められた葉状体数/全体の葉状体数×100 )で調べ
た。
【0087】化合物(4)0.155 mgを0.15 mL の水に溶
解して、そこに10 mM の酒石酸水素(R)-(-)-ノルエピネ
フリン一水和物溶液50μL と0.5 M のトリス緩衝液(pH
8.0)25μL を加えた。その溶液を25℃で6 時間インキュ
ベートした。
【0088】次に、所定量のインキュベートした溶液ま
たは上記実施例1にて調製した化合物(5)を、フラス
コ中のアッセイ培地(ショ糖無添加の1/10 E培地+1 μ
M ベンジルアデニン)10 mL 中に各々添加した。
【0089】上記アッセイ培地上に、P151のコロニーを
1つずつ植えつけて、24〜25℃で昼光色蛍光灯で継続的
に照射を行いながら(Hitachi FL20 SSDで植物に対して
約5W/m2 の割合で照射)7日間培養して、上記花成率を
求めた(第4図)。
【0090】化合物(5)の添加により、化合物(4)
とノルエピネフリンの反応液よりもやや低いものの、活
性が認められた。単独の物質がアオウキクサの花芽形成
を誘導することを見い出したのは初めてである。
【0091】〔実施例4〕 アオウキクサにおける、化
合物(4)とノルエピネフリンまたはその類縁体の反応
物の花芽形成誘導活性の測定 化合物(4)とノルエピネフリン(L−ノルエピネフリ
ン)またはその類縁体の反応物の花芽形成誘導作用を、
アオウキクサP151株をモデル植物として、その花成率
(%)(花芽形成が認められた葉状体数/全体の葉状体
数×100 )で調べた。
【0092】ノルエピネフリンの類縁体としては、L−
エピネフリン、ドーパミン、DL−ノルメタネフリン、
3−O−メチルドーパミン、4−O−メチルドーパミ
ン、ホモバニリン酸およびバニロイルマンデル酸を用い
た。
【0093】化合物(4)0.155 mgを0.092 mLの水に溶
解して、そこに10 mM の酒石酸水素(R)-(-)-ノルエピネ
フリン一水和物溶液または各種類縁体溶液50μL と0.5
M のトリス緩衝液(pH 8.0)25μL を加えた。その溶液を
25℃で24時間インキュベートした。
【0094】次に、上記インキュベートした溶液10μL
または1/10希釈溶液10μL を、フラスコ中のアッセイ
培地(ショ糖無添加の1/10 E培地+1 μM ベンジルアデ
ニン)10 mL 中に各々添加した。
【0095】上記アッセイ培地上に、P151のコロニーを
1つずつ植えつけて、24〜25℃で昼光色蛍光灯で継続的
に照射を行いながら(Hitachi FL20 SSDで植物に対して
約10W/m 2 の割合で照射)7日間培養して、上記花成率
を求めた(第5図)。
【0096】ノルエピネフリン以外に、ドーパミンおよ
び4−O−メチルドーパミンの反応物について、高い花
芽形成誘導活性を、エピネフリン、DL−ノルメタネフ
リンおよび3−O−メチルドーパミンの反応物について
も、ある程度の花芽形成誘導活性が認められた。一方、
ホモバニリン酸およびバニロイルマンデル酸の反応物に
は、花芽形成誘導活性が認められなかった。
【0097】
【発明の効果】本発明により、優れた植物の成長調整作
用を有する物質およびこの物質の製造方法が提供され、
さらに、この物質を有効成分とする植物成長調整剤が提
供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、化合物(4)とノルエピネフリンと
の反応物のHPLC分析チャートを表す図面である。
【図2】第2図(1)、(2)および(3)はそれぞ
れ、化合物(5)、化合物(4)およびノルエピネフリ
ンの吸収スペクトルを表す図面である。
【図3】第3図は、化合物(4)および化合物(5)の
アサガオにおける花芽形成促進活性を表す図面である。
【図4】第4図は、化合物(4)とノルエピネフリンの
反応液、および化合物(5)のアオウキクサにおける花
芽形成誘導活性を示す図面である。
【図5】第5図は、化合物(4)とノルエピネフリンま
たはその類縁体の反応物のアオウキクサにおける花芽形
成誘導活性を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 峰幸 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 横川 佳浩 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 小林 孝次 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 田中 修 京都府城陽市寺田市ノ久保2−22 Fターム(参考) 4C050 AA03 BB04 CC18 EE01 FF02 GG03 HH01 4H011 AB03 BA01 BB09 BC18 DA13 DD03 DE15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されるα−ケトール
    不飽和脂肪酸誘導体。 【化1】 〔式中、R1 は、炭素原子数が1〜5の直鎖状アルキル
    基を、R2 は、水素原子、水酸基、メチル基またはエチ
    ル基を、R3 は、水素原子またはカルボキシル基を、R
    4 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル
    基、アセチル基またはtert−ブチル基を、R5 は、水素
    原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基ま
    たはヒドロキシメチル基を表し、結合数nは、3〜15
    の整数であり、A位およびB位の炭素原子の立体配置
    は、(R)配置であっても、(S)配置であってもよ
    い〕
  2. 【請求項2】α−ケトール不飽和脂肪酸誘導体(1)の
    1 がメチル基である、請求項1記載のα−ケトール不
    飽和脂肪酸誘導体。
  3. 【請求項3】α−ケトール不飽和脂肪酸誘導体(1)に
    おける結合数nが7である、請求項1または2記載のα
    −ケトール不飽和脂肪酸誘導体。
  4. 【請求項4】α−ケトール不飽和脂肪酸誘導体(1)に
    おけるA位の炭素原子の立体配置が(S)配置であり、
    かつ、B位の炭素原子の立体配置が(R)配置である、
    請求項1〜3のいずれかの請求項記載のα−ケトール不
    飽和脂肪酸誘導体。
  5. 【請求項5】α−ケトール不飽和脂肪酸誘導体(1)の
    5 が水酸基である、請求項1〜4のいずれかの請求項
    記載のα−ケトール不飽和脂肪酸誘導体。
  6. 【請求項6】α−ケトール不飽和脂肪酸誘導体(1)の
    2 が水酸基であり、かつ、同R3 およびR4 が水素原
    子である、請求項1〜5のいずれかの請求項記載のα−
    ケトール不飽和脂肪酸誘導体。
  7. 【請求項7】(9R)-11-{(2'S,8'S,10'S,11'R)-2',8'-ジ
    ヒドロキシ-7'-オキソ-11'-[(Z)-2-ペンテニル]-9'- オ
    キサ-4'-アザトリシクロ[6.3.1.01,5]ドデカ-5'-エン-1
    0'- イル}-9- ヒドロキシ-10-オキソウンデカン酸であ
    る、請求項1記載のα−ケトール不飽和脂肪酸誘導体。
  8. 【請求項8】下記一般式(2) で表わされるα−ケト
    ール不飽和脂肪酸と、下記一般式(3) で表わされる
    カテコールアミン類を混合し、この混合物を中性〜塩基
    性条件下でインキュベートして、α−ケトール不飽和脂
    肪酸のカテコールアミン誘導体を生成させる、請求項1
    〜7のいずれかの請求項記載のα−ケトール不飽和脂肪
    酸誘導体の製造方法。 【化2】 (式中、R1 およびnは、請求項1の記載と同様であ
    る) 【化3】 (式中、R2 、R3 、R4 およびR5 は、請求項1の記
    載と同様であり、R6 は、水素原子、直鎖状もしくは分
    岐状アルキル基またはアシル基を表す)
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかの請求項記載のα
    −ケトール脂肪酸誘導体を有効成分とする植物成長調整
    剤。
  10. 【請求項10】植物成長調整剤が、花芽形成促進剤であ
    る、請求項9記載の植物成長調整剤。
  11. 【請求項11】植物成長調整剤が、植物賦活剤である、
    請求項9記載の植物成長調整剤。
  12. 【請求項12】植物賦活剤が、植物成長促進剤である、
    請求項11記載の植物成長調整剤。
  13. 【請求項13】植物賦活剤が、植物休眠抑制剤である、
    請求項11記載の植物成長調整剤。
  14. 【請求項14】植物賦活剤が、植物老化抑制剤である、
    請求項11記載の植物成調整剤。
  15. 【請求項15】植物老化抑制剤が、花期延長剤である、
    請求項14記載の植物成長調整剤。
  16. 【請求項16】植物賦活剤が、植物ストレス抑制剤であ
    る、請求項11記載の植物成長調整剤。
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